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左から丸山氏、杉本氏、阿部氏、野間氏(東京イーストサイドホテル櫂会で)

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杉本氏

 物流大手のセンコーと住宅メーカーの旭化成ホームズ、積水化学工業住宅カンパニー、積水ハウスの4社は12月16日、住宅物流での協業を2024年12月から開始したと発表。物流拠点・車両の共同利用・大型車両採用、環境に配慮した車両導入などにより、2025年までにドライバーの運転時間を約17,000時間/年、輸送CO2排出量を約500t/年(スギの木約35,800本)削減し、持続可能な物流体制の構築を目指す。

 記者発表会でセンコー代表取締役社長・杉本健司氏は、2024年4月に施行された働き方改革関連法によりトラックドライバーの時間外労働の上限規制により1人当たり労働時間を約2割削減すること、また2030年までに二酸化炭素排出量を対2013年度比で35%削減することが求められており、国の方針として2028年度までにトラックドライバーの1日当たり荷待ち・荷役にかかる時間を現在の平均3時間から2時間に短縮し、1台ごとの積載量を現在平均の38%から44%に引き上げること、配送を効率化するシステムを導入することなどが取りまとめられたことを報告。

 一方で、住宅物流は建築現場でのクレーン卸しに平ボディ車が減少し、特殊技術を持つドライバーが不足している現状があり、この課題を解決するため「住宅物流4社協議会」を2023年に発足させ、今回の協業に至ったと語った。

 主な協業施策として、①物流拠点・車両の共同利用②部材購入・輸送の共同実施③車両大型化+中継輸送による効率化④環境に配慮した車両導入・軽油代替燃料の活用などによるCO2排出量の削減の4つを挙げ、協業により2025年までにドライバーの運転時間は約17,000時間/年、輸送CO2排出量を約500t/年削減すると話した。

 発表会に臨んだ旭化成ホームズ執行役員施工本部長・阿部俊一氏は「当社は重要課題として『With Customer』『With Environment』『With Employee』の3つのWithを掲げており、今回の協業は志を一つにした意義ある取組」と、積水化学工業執行役員住宅カンパニー渉外・購買部長・丸山聡氏は「当社は8か所の工場でユニット住宅を生産しており、効率化、脱炭素にも取り組んでいるが、個社では限界もある。今回の枠組みを通じてより効率化、脱炭素に貢献する」と、積水ハウス専務執行役員技術・生産部門担当R&D本部長・野間賢氏は「この先、ものが運べなくなるのではないかという危機感を抱いている。それぞれの強み、弱みを効率化につなげ、環境にも貢献する」とそれぞれ語った。

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左から丸山氏、阿部氏、野間氏

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左から左から丸山氏、杉本氏、阿部氏、野間氏(センコー本社で)

Screenshot 2024-12-16 at 16-29-00 【リリース】センコー・旭化成ホームズ・積水化学工業・積水ハウス 住宅物流で協業.pdf Powered by Box.png

◇        ◆     ◇

 物流、特に運送業界は労働環境の改善、ドライバー不足、効率化、生産性向上が喫緊の課題だとは聞いてはいるが、これまでの取材はすべてが座学によるもので、(記者と同じ)〝アナログ〟の現場を全く知らないので、各氏の話を聞いてもさっぱりわからなかった。その逆に、どうして4社だけなのかという疑問が湧いた。ベロッパーも共通の課題であるはずだ。システムの標準化・共同化はどうなっているのだろう。パレット1つとっても全国共通にしたほうがいいことは素人でもわかる(記者は環境に考慮して木がいいと思う)。

 一つだけ分かったような気がしたのは、センコー本社内で行われたダブルトラックによるデモンストレーションだった。10トン車を2両つなげたもので、長さは約24m、荷物を含めた重量は約46トン。

 その大きさに仰天したのだが、この車両が通れる道路は幅員17~18m必要だとも聞いた。そんな広さが確保されている道路はどれくらいあるのだろうか。各社の生産拠点はそんなに広い道路につながっているのか。

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ダブル連結トラック

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ダブル連結トラック

物流の2024年問題解決へ5社連携伊藤忠商事・KDDI・豊田自動織機・三井不・地所(2024/5/19)


 

 

カテゴリ: 2024年度

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左から川口教授、同協会理事・室谷泰造氏、同協会理事・大島均氏、同協会代表理事・横田大造氏、自由⺠主党不動産クラウドファンディング振興議員連盟事務局長・宮路拓⾺氏、同所属・神田潤一氏、同協会理事・杉本宏之氏、同協会監事・成本治男氏

 一般社団法人不動産クラウドファンディング協会は12月10日、日本不動産クラウドファンディング協会との統合記念式典を衆議院第二議員会館で開催し、同協会代表理事・横田大造氏(クリアル代表取締役社長)と、新たに理事に就任した杉本宏之氏(シーラテクノロジーズ代表取締役会長グループ執行役員CEO)がそれぞれ業界の信頼性・透明性・認知度の向上に寄与し、業界の発展拡大を目指すとあいさつした。記念式典には多くの国会議員、国土交通省、金融庁、内閣府の担当者も出席し祝辞を述べ、早稲田大学ビジネススクール(大学院経営管理研究科)教授・川口有一郎氏による「新しい不動産金融とクラウドファンディング」と題する講演も行われた。式典には61名が参加した。

 横田氏は冒頭のあいさつで、統合により会員は41社、不動産クラウドファンディングサービスを提供する会社は81社にのぼり、累計出資額は1,206億円、利回りは2023年1月の6.20%から現在は9.16%と上昇トレンドにあり、「不動産クラウドファンディング業界の信頼性・透明性・認知度の向上に寄与し、業界の発展拡大を目指す」と述べた。

 杉本氏は、「業界には玉石混交の部分もあり、健全性と自主規制にしっかり取り組み、『貯蓄から投資へ』を後押しする使命感を持ち、業界全体を発展させたい」と語った。

 自由民主党不動産クラウドファンディング振興議員連盟事務局長・宮路拓馬衆議院議員は「不動産クラウドファンディングは金融商品、証券、あるいは地方創生の武器にもなりうる可能性を秘めた新しい業態。われわれもしっかりサポートし、消費者、事業者、国のWin-Winの関係を構築していきたい」と語った。

 川口氏は、過去30年間の国債金利は「水没」から「金利ある世界」へ移行し、現在、50兆円の証券化不動産は2050年までに100兆円に伸ばすのは無理なことではなく、25万人に達した不動産クラウドファンディング投資家を増加させ、ロボアドバイザー(ノボアド)の役割、不動産クラウドファンディング×REIT×ロボアドの重なり合うAPI(アプリケーションプログラミングインターフェイス)の重要性などについて話した。

 不動産クラウドファンディング協会は2023年8月設立。公平な視点でのデータベースの作成や事業者間の情報交換の機会、勉強会などの活動を行ってきた。日本不動産クラウドファンディング協会は2023年11月設立。自主規制ルールの策定や関係省庁への政策提言を行ってきた。両協会は2024年9月に統合した。

◇        ◆     ◇

 わが国の家計金融資産の半分以上を占める現預金が投資に向かい、「成長と分配の好循環」の実現を目指す政府の投資運用立国の取り組みもよくわかる。

 ただ、記者はマルコー、杉山商事、ライベックスの時代から投資用マンションを取材してきた。失礼だが、玉石混交の業界だと見ている。利回り優先で、質の向上は後回しにされてきた。本業以外の不祥事も発覚し、そのビヘイビアーが問題だと思っている(マンションデベロッパーにも言えることだが)。

 だからこそ、信頼性・透明性・認知度が協会の目的になっているのだろう。逆に言えば、この業界は信頼性や透明性が欠けているとも受けとれる。記念式典だから、主催者はもちろん国会議員、関係省庁の担当者が祝意を評すのはよくわかるが、川口教授には業界が抱える負の側面にも触れてほしかった。あまりにも楽観にすぎると正直感じた(川口氏は「賢い楽観主義」と自説をそう呼んだ)。「玉石混交の部分」について触れたのは、当の杉本理事一人だった。杉本氏は自主規制策定にも意欲を見せた。

 わが国のマンション市場は、都心の一等地では坪単価3,000~5,000万円、23区内の投資用・コンパクトマンションも坪単価は最低でも400万円以上となり、知裕子マンション価格が新築マンション価格を上回るなど1980年代後半のバブル期に近い投機的な取引も活発になっており、過熱市場に対する警戒感が増している。

 しかし、記者は「富の再分配・所得の再分配」が機能しているとはいいがたく、持つ者と持たざる者の格差は途方もなく拡大していると認識しているのだが、基本的には「貯蓄から投資へ」には賛成だ。「ミドルリスク ミドルリターン」のJリートとは別の選択肢があってもいいと思う。 

◇        ◆     ◇

 記念式典には、わが三重県の2区選出国会議員の川崎ひでと氏も参加し、川崎氏は「金をため込んでいる県」として三重県を紹介し「余計な規制があったら取っ払う」と語った。川崎氏は、三重県人ならだれでも知っている政治家・川崎秀二の系譜のようだ。

 総務省の家計調査によると、これまで都道府県別平均貯蓄額で三重県はベスト10に入っている。確かに田舎の各家庭は昔から結構お金をため込んでいた。県民性なのだろう。記者はどちらかといえば浪費家で、鉦があったらみんな使うタイプだ。Jリートが初上場したときはかなり儲かったが、その他株で儲けたお金はほとんど全て飲み食いに費やした。投資した会社が倒産し、紙くずになった株もある。

 先生、それよりも隣の選挙区の伊勢、松阪市は人口10万人以上の都市の地価下落率ベスト3に入っている。これを何とかしていただけないか。

令和6年地価公示バブル期の〝半値戻し〟上昇20市のみ福岡県4市がベスト10入り(2024/4/6)

「金利0.01%で55%が預貯金は正気の沙汰じゃない」「不動産は愛」シーラ杉本氏(2024/12/4)

シーラとクミカが経営統合クミカはシーラHDに社名変更/億ション即完(2025/12/2)

カテゴリ: 2024年度

Screenshot 2024-12-10 at 09-43-23 【大和ハウス工業発表資料】業界動向勉強会<建設DX(2024年)篇>.pdf.png
大和ハウス工業の建設DX デジタルコンストラクションPJ変遷

 大和ハウス工業は12月9日、「業界動向勉強会<建設DX(2024年)篇」を開催し、同社技術統括本部副本部長上席執行役員・河野宏氏がDXの取り組みと今後の活動について、同社の合同会社全世界150か国に45万人を超えるエキスパートを抱えるコンサルティング会社・デロイト トーマツ コンサルティングが建築業界のDXに関するトピックス・大和ハウス工業の立ち位置についてそれぞれ説明し、建築現場体験会も行った。

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河野氏

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 スマホを満足に扱えず、SNSなど一度も利用したことがない記者でも、DXが世の中を劇的に変え、対応できなければ市場から退場を余儀なくされるであろうということは容易に想像がつく。

 それにしても、各社のDXの取り組みは凄い。同社が2019年に立ち上げたデジタルコンストラクションPJの人員は51名だったのが、翌年はほぼ倍増の98名に増え、現在は268名に増やしているではないか。

 同じような驚きは、今年8月に行われた三井不動産の「DX VISION 2030」記者説明会でも経験している。同社のDX本部人材は2009年の15名から140名超に増員されており、現在の年間DX投資額200億円を2030年には350億円に拡大し、社員の25%がDXに習熟することを目指すというものだった。

 三井不と若干異なるのは、三井不はエキスパートの中途採用は80名超なのに対して、同社は主に社内異動による教育で増強したということで、社員の約30%がDXに習熟することが目標というのはほぼ同じだった。ここにも2:6:2の法則があるのだろうか。

 記者がもっとも興味があるのは、この2割のDXのエキスパートはどのような頭脳の持ち主か、日々何を考えているかだ。ヒントが得られた。建築現場体験会で説明した同社南関東支社建築系工事部第一部主任・清水慶典氏が日ごろ読んでいる書籍だ。いくつか紹介する。

・LIMITLESS超・超加速学習
・Think Fast, Talk Smart
・名前のない仕事
・覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰
・話が通じない相手と話をする方法
・とにかく仕組み化
・BIG THINGS―どデカいことを成し遂げたヤツらはなにをしたのか?

 一つも知らない。読む価値があるのかもわからないし、買うお金もないので図書館で探した。3冊がヒットし、「LIMITLESS超・超加速学習」はすぐ予約した。「覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰」と「話が通じない相手と話をする方法」は予約待ちだ。この3冊を読んだら、同社広報を通じて清水氏にインタビュー取材を申し込みことに決めた。清水氏も応じてくれるはずだ。毎日、AIと〝会話〟を交わしているのだろうか。

 小生のお薦め小説も紹介する。丸山健二「千日の瑠璃 究極版」(求龍堂2014年)だ。最初に発刊された「千日の瑠璃」(文藝春秋、1992年)を丸山氏が大幅に加筆・修正したものだ。丸山文学にはまると〝中毒〟になること請け合いだ。それと最近再読したミラン・クンデラ「不滅」(集英社文庫、1999年)。親と子、姉と妹、夫婦、家族、愛などについて考えさせられる。

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清水氏

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清水氏が建築現場事務所に備えている書籍の一部

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記者のお薦め小説

 河野氏が説明した同社の建設DXについては、以下の図表を紹介する。

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Screenshot 2024-12-10 at 09-46-37 【大和ハウス工業発表資料】業界動向勉強会<建設DX(2024年)篇>.pdf.png

 第二部は、同社が昨年8月に開発した「D’s BIM ROOM(ディーズビムルーム)」を実体験できるもので、どこがそうだとは言い切れないのだが(記者に知識がない)、これまで体験したAR(拡張現実)、VR(仮想現実)、MR(複合現実)より優れていると思った。先週取材したCE、CD、CCと組み合わせることで世の中を劇的に変えると確信した。

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建設現場

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リサイクル部材だけの「循環する家(House to House)」 2050年に発売積水ハウス(2024/12/8)

驚嘆 2030年の年間DX投資額350億円に拡大三井不「DX VISION 2030」策定(2024/8/5)


 

 

カテゴリ: 2024年度

 三菱地所は12月6日、廃棄物再利用率100%に向けた取り組み「サーキュラーシティ丸の内」の第5弾として、食品廃棄物やコルクをオーナメントにアップサイクルすると発表した。

 廃棄予定だったコルク栓を使ったオーナメントと、コーヒー粕・米糠を使ったオーナメントの2種類を制作。丸の内二丁目ビル内「Marunouchi Happ. Stand&Gallery」と「Marunouchi Happ. STORE」で2024年12月9日(月)から12月25日(水)まで販売する。オーナメントは、東京駅と丸の内仲通りを結ぶビルの通路空間「Marunouchi Bloomway(丸の内ブルームウェイ)」のツリーに飾り付けることも可能で、オーナメントの売上は丸の内エリアの保育園に寄付する。

 「サーキュラーシティ丸の内」は2022年から取り組んでいるもので、第1弾は食べきれなかった料理を持ち帰るための容器の無償配布、第2弾はペットボトルの水平リサイクル施策、第3弾は廃食用油を持続可能な航空燃料のSAFなどへの再利用、第4弾は常盤橋タワーで液肥化した生ごみを活用した農作物の育成および同ビル内での提供。

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 三井デザインテックのサーキュラーデザイン(CD)と、積水ハウスのサーキュラーエコノミー(CE)の記事を書いたからには、三菱地所のサーキュラーシティ(CC)の取り組みを紹介しないと公平ではない。

 記者は、これまでこの分野の取材はほとんど行ってこなかった。もうこれ以上、守備範囲を広げたくないのだが…。

リサイクル部材だけの「循環する家(House to House)」 2050年に発売積水ハウス(2024/12/8)

2030年の家具はサーキュラーデザイン(CD)が標準に三井デザインテックセミナー(2024/12/5)


 

 

カテゴリ: 2024年度

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左から三上氏、田中氏、堀内氏(椅子などはCD家具)

 三井デザインテックは12月3日、恒例の「プレスセミナー&懇親会」をジョサイア・コンドルが設計した大正2年建設の迎賓館「綱町三井倶楽部」で開催した。セミナーで「家具の買取再販は2030年にはサーキュラー デザイン(Circular Design)のスタンダードになる」と聞いたのにいささかショックを受けた。わが国の家具製造業市場は2兆数千億円のようだが、その市場は激変するということだ。

 セミナーの冒頭、今年4月に同社代表取締役社長に就任した村元祐介氏はこれまでオフィス事業と住宅事業領域でそれぞれ半分ずつ携わってきたことを紹介し、「社長に就任して8か月、三井不動産グループの中でとても個性的な会社であることを改めて感じている。当社は空間創造を手掛ける会社ではあるが、意匠性だけでなく、ものごとを根本的に捉えなおすことをデザインの対象にしており、これまで幅広い領域で培った知見や実績を掛け合わせた、事業領域を超えたクロスオーバーデザインを強みに、今後とも豊かな暮らしと魅力ある社会づくりに貢献していくい」とあいさつした。

 同社フェロー・見月伸一氏は、最近同社が手掛けた主な作品20事例くらいを紹介した(このうち小生が取材見学したのは「HARUMI LLAG」「東京ドーム」「ららアリーナ 東京ベイ」くらいしかない)。

 今回のセミナーのテーマは「三井デザインテックの考えるサーキュラーデザインの現在と未来」で、資源循環コンサルティングなどの取り組みで実績のあるモノファクトリー常務取締役・三上勇介氏をゲストに迎え、同社クリエイティブデザインセンター長・堀内健人氏と同社デザインディレクター/グループ長・田中映子氏がトークセッションを行った。

 3氏は、わが国のサーキュラーデザイン(CD)の取り組みは欧州と比べ遅れており、脱炭素社会を実現するためには法整備を含め官民が一体となり、資源⇒素材建材⇒政策施工⇒利用⇒解体回収⇒再資源化の循環を推進すべきとした。

 同社は、3年半前からCDのプロトタイプ家具の実証実験を行っており、「MINI BAR」「NICHI TABLE」「BENCH SOFA」「BENCH」「CHAIR」などを開発した。

 これらの成果を踏まえ、同社は「サーキュラーデザイン構想」としてまとめ、⓪ロングライフ①CO2削減量の見える化②循環がしやすい③分解がしやすい④再利用材(再生可能)⑤認証材/推奨材⑥国産材/国内製作⑦製品製材トレーサビリティ-の「8つのポイント」を挙げている。

 同社は2026年度内にCDインテリアサービスを開始し、2030年度には家具の買取再販がスタンダート゜になるとしている。開発されたプロトタイプ家具も展示された。

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村元氏(左)と見月氏

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全て本革製の「CHAIR」(左)とプラスチック由来の「BENCH SOFA」

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このカウンターはジーンズ素材だそうだ

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 小生は、年に1回のこの同社のセミナー&懇親会を楽しみにしている。何が楽しみかといえば、何といっても〝記者〟というだけでジョサイア・コンドルが設計した「綱町三井倶楽部」にただで入れることだ。ロダンの彫塑、ターナー、ト一マス・ローレンスなどの西洋絵画や日本画、山水画などが至るところに展示されており、懇親会場はマンションの天井高の2倍はありそうな宴会場で、床は無垢材によるヘリンボーン仕上げ、細かな刺繍が施されたカーテンタッセル…これだけで金持ちになったようで、飲む前に酔うことができるからだ。

 この日、供された料理の一部を紹介する。食器類はみんなブランド物に違いなく、料理そのものが美しい。記者は、いつものように白ワインを何杯もお替りし、食べ物といえば〝名物〟と言われるビーフカレーとワカサギのカルピオーネ(甘酢漬け)しか食べなかった(供されたワイン、ウイスキーなどの酒類は、この施設を日常使いされている方々が飲まれる酒とは明らかに異なる-これだけが唯一惜しまれる)。

 宴もたけなわ、酒が飲めない、記事も〝甘い〟同業の記者は昨年同様、性懲りもなく意地汚くケーキをほおばっていた。勧められるままに1つ食べてみた。まろやかな甘みが口腔を満たした。ケーキが病みつきになるのも分かるような気がしたが、〝辛口記者〟の小生は絶対そのような甘い誘惑には屈しないぞと誓った。

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記者の一押しの作者不詳の18世紀の絵画(50号くらいか)

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カーテンターセル

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供された料理の一部

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同業の記者が食べていたデザート

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食べ放題のデザート

コルク・食品廃棄物をオーナメントに三菱地所「サーキュラーシティ丸の内」第5弾(2024/12/8)

リサイクル部材だけの「循環する家(House to House)」 2050年に発売積水ハウス(2024/12/8)

「協創」促す機能と美の融合オフィス「出社率高まる」三井デザインテック(2024/11/3)

Well-Being叶える「クロスオーバーデザイン3.0)」発表三井デザインテック(2023/12/7)

 

カテゴリ: 2024年度

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「阿蘇くまもと空港 新旅客ターミナルビル」

 日本ウッドデザイン協会(会長:隈研吾氏)の「ウッドデザイン賞2024」の上位賞が発表された。応募総数366点のなかから入賞作226点が先に発表され、最終審査を経て「社会課題の複合的な解決をもたらし、イノベーション・新産業創出に寄与する作品」 として「最優秀賞」4点、「特別賞」3点、「優秀賞」9点、「奨励賞」15点の計31点が選出された。12月4日~6日、「エコプロ2024」(東京ビッグサイト)の特設ステージで「受賞作品展示」が行われる。

 ウッドデザイン賞2024審査委員長・赤池学氏は「今年で栄えある10回目の開催となったウッドデザイン賞だが…年々、応募作品のクオリティがあがり、今年も非常に高いレベルでの審査となった。上位賞作品はいずれも、生活者や街づくりの視点とウッドデザインが見事に調和したものであり、『木材を使った先にあるもの』を明確に示してくれている点が特徴的である」と講評している。

◇        ◆     ◇

 記者に受賞のメールが届いたのは、三菱地所グループの「江北小路」「丸の内北口ビルディング 丸北ラウンジ」「Marunouchi Bloomway」と、三井ホームの「阿蘇くまもと空港 新旅客ターミナルビル」「パークアクシス北千束MOCXION」「学校法人Rugby School Japan」「キャンパスヴィレッジ生田」「KNOCKS ゆめが丘」「在来軸組構法用の構造製材を使用した国産杉ネイルプレートトラスの開発」「『木の空間は身体に良い』を科学的に証明する~木材を用いた空間が睡眠に与える影響について~」、野村不動産の「『森を、つなぐ』東京プロジェクト」「オウカス 世田谷仙川」「野村不動産溜池山王ビル」、AQ Groupの「純木造本社ビル」だった。

 このうち、見学した作品は「江北小路」「丸北ラウンジ」「北千束」「生田」「ゆめが丘」「溜池山王」「本社ビル」の7作品で、みんな素晴らしかった。残念ながら上位賞には一つも選ばれなかったが、それだけ上位賞(一つも見ていない)は優れていたのだろう。

 お金と時間があったら、この31点のうちいくつかを見学したいのだが、多分無理だろう。都内の作品は「meet tree GINZA」のみだ。ネットで調べたら化粧品とスイーツの店だった。縁がないのであきらめた。

 まあ、しかし、地方発の取り組みが上位を独占するというのも面白い。記者は国土強靭化のカギは森林・林業が握っていると思うし、日本再生の、無限の可能性を秘めているような気もする。AQ Group宮沢俊哉社長の「木は熟した」の言葉を借りよう。

相鉄グループ初の木造賃貸三井ホーム最大級の「モクシオン」「ゆめが丘」に完成(2024/5/23)

「木は熟した」街並みを木造化するビルダー組織化へAQ Group新社屋は坪145万円(2024/4/22)

RCと木造の住み心地比較を東急不&三井ホーム混構造学生マンション「生田」(2024/3/27)

〝美は現しにあり〟木と鉄骨のハイブリッド実現野村不&清水建設「溜池山王ビル」(2023/11/21)

素晴らしい!親子&木製シースルー玄関ドア三菱地所ホーム「江北小路」完成(2023/9/28)

三井不動産グループ初木造4階建てカーボンゼロの賃貸「北千束MOCXION」完成(2023/9/6)

 

 

 


 

 

カテゴリ: 2024年度

 国土交通省は1129日、令和610月の新設住宅着工統計をまとめ発表。総戸数は69,669戸で、前年同月比2.9%減、6か月連続して減少した。利用関係別の内訳は、持家は19,705戸(前年同月比9.0%増、35か月ぶりの増加)、貸家は29,541戸(同6.7%減、先月の増加から再びの減少)、分譲住宅は19,577戸(同9.3%減、6か月連続の減少)。分譲住宅の内訳はマンション8,837戸(同 13.1%減、3か月連続の減少)、一戸建住宅10,511戸(同7.5%減、24か月連続の減少)。

建築工法別では、プレハブは7,323戸(同13.4%減、17か月連続の減少)、ツーバイフォーは9,007戸(同0.7%増、5か月連続の増加)。

建築用途別では、宿泊業、飲食サービス業用が434棟で、延べ床面積は380千㎡(同64.3%増)となった。

首都圏マンションは4,863戸(同4.0%減)で、都県別内訳は東京都2,569戸(同33.4%増)、神奈川県1,512戸(同4.1%減)、埼玉県666戸(同26.2%減)、千葉県116戸(同82.4%減)。

首都圏一戸建ては4,719戸(同8.2%減)で、都県別内訳は東京都1,453戸(同4.0%増)、神奈川県1,278戸(同6.4%減)、埼玉県1,104戸(同17.7%減)、千葉県689戸(同32.0%減)。

 

 

 

カテゴリ: 2024年度

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森下氏

 読者の皆さん、次の2024年1月に行われた「宅建マイスター」の試験問題を解いていただきたい。

【コンプライアンスに関する問題】

 宅建マイスターTが、部下の宅地建物取引士Xから報告を受けた内容に関する次の文章を読み、下記の問題に答えなさい。

 宅建業者甲社の担当者Xは、売主Aが所有する自宅マンションについて、売却希望価格4,500万円で専任媒介契約を締結した。

 その後の営業活動の結果、自社が依頼を受けている購入希望者Bから4,250万円で購入申込があった。

 また、その直後、宅建業者乙社の客付けで、数日前に内見をしていた購入希望者Cから4,300万円で購入申込が入った。

 Bは、このマンションの購入に当たり、所有する自宅マンションを売却して、買換え資金に充当する予定である。なお、自宅マンションの売却活動はこれからであるが、甲社の営業エリア内にあり、過去に同マンション内の別住戸の専任媒介を受託し、早期に成約に至ったことのあるマンションである。

 Cの購入資金は、購入申込書の記載によると現金とのことであった。

 Bとの契約を成立させれば、売主、買主両方から媒介報酬が受領でき、さらにBの自宅マンションの専任媒介も得ることができることがこれまでのBとの交渉でわかっている。

 乙社の客付けだとAからの媒介報酬しか得られない。

 そのためXは、Aへの報告に際しては、Cから申込があったことは伏せ、自社での両手取引を成立させることを第一に商談を進めようと考えている。

 この報告をXから受けた上司の宅建マイスターTは、Xの行動に対してコンプライアンス上の問題点を指摘し、商談の組み直しを具体的に指示した。

【問題】

 宅建マイスターTが、担当者Xに指摘した①コンプライアンス上の問題点と、②それに基づいた具体的な商談の組み直しの指導内容を、それぞれ100字から150字程度で解答欄に記入しなさい。

◇        ◆     ◇

 「宅建マイスター」とは、不動産流通促進センターが2014年にスタートさせた認定制度で、①顧客の信頼感を得る幅広い知見②広範な実務知識の深掘り③コンプライアンス意識の醸成-の3つの能力を身につけた「宅建士」を「宅建マイスター」とし、顧客利益の最大化と取引件数の拡大・収益の拡大の両方を合致させようとするものだ。

 当初は、通信講座と集合研修を受講した上で、修了試験に合格した人を「宅建マイスター」と認定していたが、2017年8月から試験制度に移行した。これまで約670人が認定されている。

 そして同センターは2018年、宅建マイスターに認定されてから3年以上が経過した人の活動状況などを勘案してポイント「★」を付与し、「★」3個以上を取得した人を対象に試験を実施し、審査に合格した人を「宅建マイスター・フェロー」として称えることにした。これまで「宅建マイスター・フェロー」は全国で19人認定されている。

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 記者は、全国の宅地建物取引士(宅建士)の登録者数約118万人、証交付者約57万人(令和4年度末)のうち19人しかいない「宅建マイスター・フェロー」の一人に話を聞く僥倖に恵まれた。

 宅地建物取引業の都知事免許番号(11)の永幸不動産代表取締役・森下智樹氏(42)だ。

 森下氏は、立教大学大学院社会学研究科を修了後、25歳で不動産会社に入社。入社3年目で宅建士の資格)取得。不動産売買・仲介、賃貸住宅仲介、賃貸マンション管理会社勤務を経て、平成24年4月、同社で勤務を開始し、現在に至っている。

 「宅建マイスター」の資格を取得したのは2017年。試験制度がスタートしたその年に一発で合格した。「受験勉強を始めたのは3か月くらい前でした。妻が宅建士に挑戦するというので一緒に勉強しました。妻もその後、無事に合格しました」

 その後、2020年に「宅建マイスター・フェローの資格を取得。論文テーマは「改正民法施行後の契約不適合責任について」(記者は読みだしたが、難しすぎて途中てあきらめた)。

 宅建マイスターの資格については「不動産売買と賃貸住宅仲介の両方の知識が必要ですし、消費者契約法も必須科目になります。やる気さえあれば、独学で取得することも可能です」と話した。

 記者がもっとも興味がある報酬については、「売買も仲介も一般のお客さま、とくに投資家はセカンド・オピニオンとして意見を求められます。一方で、宅建マイスターの資格を取得したからといって、コンサルティング報酬規程などは現段階ではありません」とのことだ。

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森下氏

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同社の書棚(専門書がぎっしり詰まっていた)

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森下氏が宅建マイスター取得を目指した当時の受験ノート(小さな字でびっしり埋まっていた)

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 冒頭に戻る。「宅建マイスター」の問題を解いてみた。記者は40年くらい前、宅建試験にチャレンジしたことがある。3か月くらい勉強した。得点は33点で、合格点に2点足りなかった。宅建業法と法令上の制限は取材にも必要なのである程度は知っていたし、試験でもまずまず得点できたのだが、民放関係がぜんぜんダメだった。

 宅建業法は消費者を保護するのが目的の法律だから、この問題は基本のコンプライアンスが問われている。出題者の意図はよくわかる。一方で、コンプライアンスを守らない、逸脱を誘う誘惑が満ちている売買仲介の現場が透けて見えるようだ。

 記者は、XがCの購入申し込みがあることを上司に伏せるのは宅建業法上問題があると思うが、果たして何条に抵触するかはわからない。これで試験は不合格だろうが、「宅建マイスターTは、XにはA、B、Cに正直に事情を説明し、丸く収めるよう指示する(つまりBと契約するよう誘導する)」とでも解答する。

 正答は次の通りだ。

 ① 購入価格が高く資金計画も有利なCの存在をAに伏せたままBと商談を進めることは、自社の利益を優先して売主の利益を毀損することとなり、宅建業法第31条に定める信義誠実の原則に反する行為である。また、乙社に対し事実と異なる内容で断ることは、同法第15条の公正誠実義務にも反する行為である。

 ② まず、Bと乙社に対し、既に別の購入希望者がいることを伝え、最終的にはAの判断になることを伝える。Aに対しては、B及びCの申込内容とそれぞれの契約条件のメリット、デメリットを説明の上、どちらの購入希望者を選択するか、Aの判断を仰ぐように指導した。

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 皆さん、いかがか。Bと契約し、Bの自宅の売却の専任媒介を受託できれば数百万円の売り上げになるのに、Cだったら135万円だ。Xが勤務する会社の給与体系が歩合給なら、XだけでなくだれもがCの申し込みを伏せるのではないか。

 それを了としない宅建マイスターはなんて倫理観が高いのだろう。だが、しかし、徹底して消費者利益を追求することが、やがてはXもその会社も社会的信頼を得て社業の発展につながるということはよくわかる。

 全国の宅建士の皆さん、宅建マイスターを目指していただきたい。会社も応援すべきだし、報酬に関する規定・ガイドラインも示してほしい。

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宅建マイスター過去問題集を手に取る森下氏

雲散霧消した不動産流通推進センターに対する積年の疑問「嫌悪施設」取材(2024/10/25)

カテゴリ: 2024年度

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能村氏

 大和ハウス工業は11月27日、メディア向け「2024年度 環境エネルギー事業計画説明会を開催し、同社常務執行役員環境エネルギー事業本部長・能村盛隆氏が業界を取り巻く事業環境と、同社の環境エネルギー事業について説明、質疑応答にも応えた。

 同社の環境エネルギー事業は、戸建て、賃貸、マンション、商業施設、事業施設とともに6セグメントの一つで、太陽光・風力・電力小売・発電・省エネ・蓄エネを中心としたエネルギーソリューション事業。能村氏は今年4月に担当役員として就任した。

 業界の事業環境について能村氏は、2015年のパリ協定によって世界の常識は「低炭素」から「脱炭素」に大きく舵が切られ、わが国をはじめ世界125か国が2050年までのカーボンニュートラルを表明しており、再エネの取り組みは喫緊の課題であるが、わが国のエネルギー自給率は12.1%で、主要国でもっとも低いことを説明した。

 同社の事業の柱は、「EPC(Engineering Procurement and Construction)」(設計・調達・建設)と「PPS(Power Producer and Supplier)」(特定規模電気事業者)、「IPP(Independent Power Producer)」(独立系発電事業者)の3つ。

 2024年度上期の実績は、売上高629億円(前年同期比14.4%減)、営業利益71億円(同12.7%増)、営業利益率11.4%(同2.8ポイント増)となり、PPSの利益率改善効果が大きく増益となった。通期見通しは売上高1,480億円(前期比6.0%増)、営業利益100億円(同9.9%増)、営業利益率6.8%(同0.3ポイント増)。2026年度目標は売上高1,700億円、営業利益120億円(社内見込み)、営業利益率7.1%(同)。

 事業別取り組みでは、再生可能エネルギー需要の高まりを背景に、「オフサイトPPA」(電力需要場所から離れた場所にPPA事業者が太陽光発電所を設置⇒発電した電気を小売電気事業者を経て送電⇒発電した電気を企業などが購入)を主力事業として強化していく。同社の強みである全国拠点を生かした土地情報収集力を武器にする。

 「EPC」は、2024年9月末の累計接続検討の申し込みが1,045MWに対して、回答済みが703MWとなっている。

 「PPS」は、リスク対策を講じながら、事業の安定化に取り組んでいく。2024年6月のPPS電力販売ランキングでは、電力会社やガス会社が上位を独占している中、同社は31位にランクされている。

 「IPP」は、グループ全体で730MWが稼働中で、今後はオフサイトPPAによるIPP案件を拡大し、早期に1,000MWの稼働を目指す。

 新規事業として、実証実験を行いながら蓄電池ビジネスに参入する。

 海外では、タイでのPPA事業を皮切りにベトナム、オーストラリアなどでの事業展開を探っていく。

 最後に能村氏は創業者・石橋信夫の「21世紀は『風と太陽と水』に挑戦せよ」の言葉を紹介し、「わたしが聞いたのは30数年前。卓越した声だった」と締めくくった。

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 小生の最大の課題である「脱アルコール」と同じように「脱炭素」の取り組みはとても重要だという認識はあるのだが、これがなかなか難しい。能村氏の話もちんぷんかんぷんだった。

 一つだけよくわかったのは、他社にはない同社の強みについてだった。どこかの記者の質問に対して能村氏は「当社の事業スタッフは240名で、そのうち営業スタッフは100名弱。スタッフには適地がなくなるのではないかという不安を抱えている者もいるが、一般的に言われている最低限の面積といわれる1ha以下でも、当社が発注者になれば十分採算ラインに乗る。営業スタッフは全国津々浦々を回っているわけではない。フィールドはまだまだ広い。当社の強みを発揮すれば他社には絶対負けない」と応えた。

 今期売上高1,480億円をスタッフの数で割ると、1人当たり売上高は約6.2億円だし、営業スタッフに限ると1人当たり約14.8億円だ。これはかなり高い数値だ。

 

カテゴリ: 2024年度

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左から野村不動産芝浦プロジェクト企画部部長・四居淳氏、鈴木氏、亀本氏、小林氏

 野村不動産は11月26日、第一回「CULTURE FRONT」トークイベントを開催。「BLUE FRONT SHIBAURA」を設計する槇総合計画事務所代表・亀本ゲーリー氏、街にアート作品を展開するアーティスト・鈴木康広氏を招き、街づくりのアート&カルチャープロデューサーを務める小林裕幸氏とトークセッションを行った。その後は、会場からベイエリアの魅力を体感できる船上ツアーを実施した。

 トークセッションで亀本氏は冒頭、「みなさん、この地の歴史をご存じの方いらっしゃいますか」と問いかけた。手を挙げたメディア関係者は一人もいなかった。

 亀本氏は「そうですよね。実は2015年10月31日に初めて訪れた私自身もよく知らなかった。400年以上前の江戸時代は海になっており、世界最大の海運都市だった。旧芝離宮と浜離宮は大名屋敷だった。一帯は三業地となり、昭和の初めには貨物船が海側に整備され、倉庫などが建設された。戦後は東京湾を背にして発展し、1984年、東京芝浦電気は社名を東芝に変更し、本社ビル『東芝ビルディング』が完成した」などと当地の歴史について説明した。

 そして、今回プロジェクトについては、建物は鈴木春信の「雪中相合傘」に見立て、駅と街を木漏れ日あふれる遊歩道にし、街全体を市民公園のようにし、運河を利用して水辺の広場にし、アーティストの鈴木さんなどともコラボし、東京の新しい玄関口にする」などと語った。

 鈴木氏は、これまでの自らの作品「まばたきの葉」「りんごとけん玉」「空気の人」「ファスナーの船」などを紹介。「海と人をどうつなげるか。この都市が大自然とどうつながっているか、自らが感じられるような世界をつくっていきたい」などと語った。

 小林氏は、今年6月、95歳で亡くなった槇文彦氏についても触れ、「先生はいつも凛としたたずまい。それが建築にも表現されていた。公共性も大事にされており、今回のプロジェクトでは、『再開発』ではない、新しい場所をつくる、インターラクションが生まれる世界の中心にしたいので手伝っていただきたいとの連絡を頂いた」などと話した。また、小林氏は「今回のイベントにとどまらず、今後、トークセッションやワークショップを継続して行っていきたい」と語った。

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左から小林氏、亀本氏、鈴木氏

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 この種のトークセッションは数えきれないほど取材しているが、とても面白かった。亀本氏が紹介した槇文彦の言葉である「建築は発明ではなく発見」をはじめ、鈴木氏が語った「都市に潜んでいる自然の魅力を見つけ、共生する新たなキュレーションにつなげていく」などわくわくするようなフレーズが各氏から飛び出した。

 亀本氏は、かつてこの地は「三業地」だったと話したが、2020年に取材した都内に唯一現存する木造見番建造物(「見番(けんばん)」とは「置屋」「料亭」「待合」からなる「三業」を取りまとめ芸者の取次ぎや遊興費を精算する施設)のリファイニング建築物を取材しているので、なるほどと理解した。槇氏はまさかそれから「雪中相合傘」を連想したのではないと思うが…これは謎だ。槇氏の作品については、日本財団の17か所の「THE TOKYO TOILET」の「恵比寿東公園」の記事を添付する。これほど美しいトイレはない。小林氏が話した「凛としたたずまい」そのものだ。

 亀本氏はまた、「都市の裏になっている(当地を)ひっくり返し、表にしたい」と、小林氏は「東京一、日本一、世界一の街にしたい」とそれぞれ語った。鈴木氏は具体的なアートについては触れなかったが、記者はツインタワーにプロジェクトマッピングによって「雪中相合傘」が映し出されると確信した。

 -表と裏をひっくり返し世界一の街にする-これが実現したら、それこそ世の中がひっくり返る-だが、しかし、これは容易ではないと思う。前回の記事でも書いたし亀本氏も語ったように、これまで街は川や海と「分断」し、背を向けて開発が行われてきた。これをどう転換するのか。今後の「CULTURE FRONT」の展開に期待したい。何が飛び出すか。「HARUMI FLAG」のツインタワーも「東京の新しい玄関口」を目指すとしている。どちらに軍配が上がるのかも興味深い。

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参加者にプレゼントされた「槇文彦 ことばと場所」(エー・アンド・ユー「建築と都市」2024年10月臨時増刊)

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槇文彦氏の「恵比寿東公園トイレ」

世界の水辺の再生・街づくりに学ぶ野村不「BLUE FRONT SHIBAURA」セミナー(2024/11/19)

野村不&JR東日本芝浦PJ「BLUE FRONT SHIBAURA」イメージは寄り添う夫婦(2024/5/31)

築84年都内に現存する唯一の木造見番建築物見学会青木茂建築工房が設計監理(2020/12/15)

カテゴリ: 2024年度
 

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