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FREX asgard(フレックス アスガルド)」

旭化成ホームズは114日、「ヘーベルハウス フレックス」シリーズ(重鉄・システムラーメン構造)の3階建て新商品「FREX asgard(フレックス アスガルド)」を 2025117日から販売開始し、併せて戸建て全商品について「断熱等級6」(Ua0.46)を標準仕様とすると発表した。

新商品は、同社のハイエンド向け超大型「RAUMFREX(ラウムフレックス)」に次ぐアッパー層をターゲットにしたもので、アルミ樹脂複合サッシを採用することで断熱等級6Uw1.5を達成。ガラス面積も5.5%アップさせ、デザイン性を高めている。外壁部の断熱材も従来の厚さ60mmから70mmに変更した。

また、1階と2階にはハイシーリング(天井高2.560mm)を採用し、折り上げ天井「ハイルーフユニット」や「ダウンフロアユニット」を組み合わせることを可能にするとともに、全館空調を無駄なく設置可能にした。新開発の大開口サッシ「スライディングマリオン」は、サッシフレームをスリム化したことでガラス面を大きくしている。

外観デザインは、柱状節理をモチーフにした縦基調の大壁面「ランダムバーチカル」と新吹付色「レニウムブラック」を掛け合わせることで堅牢で優美なデザインとし、H型鋼をモチーフにした水平ラインにより建物に広がりと安定感を演出している。

販売目標は年間150棟。プロトタイプの建築面積は173.45 ㎡(52.5 坪)、延床面積:334.24 ㎡(101.1 坪)。坪単価は115万円から。

発表会で同社取締役兼専務執行役員・大和久裕二氏は「20224月以降に発売したアッパー・アッパーミドル向けの商品『RATIUS(ラティウス)』シリーズの累計受注棟数は1,475棟、20234月に採用した『ロングライフ全館空調』採用数は1,108件に上っている。2025年売上高1兆円達成に向けた経営戦略を推進するため、戸建ての大型化と高付加価値化を加速させる」と話した。

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内観

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左から同社技術本部商品企画部長・鈴木悟史氏、大和久氏、技術本部商品企画部・松本淳氏

◇      ◆     ◇

 新商品のプロトタイプは、建築面積が52.5坪、延床面積が101.1坪だから、建てられるのは敷地面積が100坪以上(建ぺい率50%、容積率100%として)だろうが、2階リビングが29.7坪(ベランダ含む。LDKは47.5帖大)というのが素晴らしい。

 同社の富裕層向け2階建てフラッグシップモデルハウス「RAUMFREX(ラウムフレックス)」の延床面積は120坪、リビングダイニングは16.8坪(55.4帖大)なので、リビングダイニングは今回の新商品のほうがベランダを含めればはるかに広い。

 欲を言えば、1階、3階の階高を抑えてでもリビング天井高は3m以上にしてほしかった(「RAUMFREX」は最大3.36m)。

 坪単価は安いと感じた。もちろん土地代も含めてだが、マンションで100坪なら準都心部でも最低5億円、郊外部でも23億円はする。販売目標の年間150棟はらくらくクリアするのではないか。

 モデルハウス見学会を「駒沢公園ハウジングギャラリー」内で行うそうだからレポートしたい。

        ◆     ◇

 記者は、新商品もさることながら、戸建て全商品の断熱等級を「6」にすることに注目したい。標準仕様化は受注増につながるとみた。同社によると、断熱等級6の採用率は202211月時点で全商品の約4割で、今回の新商品投入によって2025年以降は約9割になるという。また、「鉄骨住宅」かつ「3階建て」で断熱等級6を標準仕様化している大手ハウスメーカーは初とのことだ。

 断熱等級については、パナソニックホームズが昨年4月、三井ホームが昨年7月、それぞれ断熱等級7Ua0.26)の新商品を発売し、積水化学工業は昨年末、同社の戸建て商品すべてを「断熱等級6」にすると発表した。   

 国は2025年以降は断熱性能4Ua0.87)以上、2030年以降は等級5Ua0.60)以上に適合するよう義務化している。

 東京都も昨年10月、「東京ゼロエミ住宅」の性能基準を改正し、それまでの最高値「水準3」(Ua0.46)より高い最高値「水準A」(Ua0.35以下)を新設、「水準3」は「水準B」にした。

 断熱等級6がスタンダードになる。記者はUa6の威力は体験してわかっているが、Ua0.26はどのような性能かわからない。どこか見学会をやってくれないか。

アーチ型天井と列柱の無柱空間に驚嘆 旭化成ホームズ 「新宿」に富裕層向けモデル(2020/6/16

カテゴリ: 2024年度

 明けましておめでとうございます。世の中は不確実性が強まっていますが、だからこそ不易流行、〝記事はラブレター。今年も現場取材を徹底して、読者の皆さんに役立つ情報を発信していきます。まずは、記者の主な取材フィールドである分譲住宅市場の今年の見通しについて。

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    首都圏マンション着工・供給、カバー率推移.pdf

消えた残り半数のマンションに着目すべき

 首都圏マンション市場。これはよくわからない。コロナ以降、現場取材が激減しており、鳥瞰的に市場を見渡すことができなくなったからだ。

 ただ一つ、マンション市場を測る前提となっている指標について読者の皆さんは見誤らないようにしていただきたい。不動産経済研究所のデータによると、2023年の首都圏マンション供給量は2万6,873戸(前年比9.1%減)で、2024年は前年比を若干上回る約3.1万戸、2025年は3万戸を下回ると予想されている。他のメディアも調査機関も、この不動研のデータをそのまま援用し、市場縮小を印象づけている。

 しかし、これは正確ではない。マンション市場の先行指標である国土交通省の着工戸数は長い目で見れば確かに漸減傾向が続いており、2021年は49,962戸(前年比7.3%減)と初めて5万戸を割った。ところが、2022年は52,379戸(同4.8%増)、2023年は52,746戸(同0.7%増)と再び5万戸台を回復し、2024年も11月現在、前年同期比で1.8%上回っている。

 以前にも書いた首都圏マンション着工戸数と不動産経済研究所の供給戸数推移の記事を読んでいただきたい。着工と供給にはタイムラグがあり単純比較はできないが、カバー率(捕捉率)はかなり落ち込んでいることが分かる。2023年は50.9%で、2024年は1~11月の段階で35.9%だ。ありえない数字だ。他人のデータを鵜呑みにするからこういうことになる。

 なぜこれほどの差が出るのか、当事者の不動研はともかく、他のメディアや調査機関もあろうことか国土交通省もこの差について触れようとしない。不思議というほかない。

 要因はいくつかある。一つは、不動研のデータには専有面積が30㎡以下の戸数は含まれないためだ。専有面積が30㎡以下の着工戸数は年間5,000~7,000戸と推測されている。

 もう一つ、カバー率が低い要因は、再開発、建て替え、高額マンションなどの地権者向け、事業協力者向け、優先販売住戸などはカウントされていないからだ。例えば総戸数525戸の野村不動産他「URAWA THE TOWER」は分譲対象は291戸で、総戸数の55.4%だし、三井不動産レジデンシャル他「パークシティ小岩 ザ タワー」も総戸数は731戸だが販売対象は521戸(71.3%)だ。供給戸数減=市場縮小と短絡的に考えるべきではないということだ。高額住戸の比率が高まっていること、利益率が大幅に改善されていることを加味すれば、市場は縮小などしていない(質の低下は問題だが)。

 さて、問題は価格がどうなるかだ。都心部での価格上昇はほぼ予想した通りに推移している。今後も都心5区(千代田・港・渋谷・中央・新宿)だけでなく文京、品川、目黒、世田谷など周辺区部も坪単価1,000万円超となるはずで、一等地では近い将来、坪単価3,000万円に乗るとみている。

 デベロッパーには、世界の主な都市と比べ割り負けしている市場に肩を並べられるよう高値挑戦していただきたい。東京都港区の課税標準額が1億円超の納税義務者は年々増加しており、2024年は1,523人となり、ついに納税義務者の1%に達した。高額マンションを吸収する余力は十分あると見た。

 郊外部も軒並み坪単価250万円超となる。懸念される金利上昇だが、1%上昇したらパニックになるだろうが、まずそんな事態にはならない。レイコンマの上昇であれば影響は少ないはずだ。デベロッパーには、郊外部は利益率を落とし質を維持し、価格を抑制してほしいのだが…。

 質についても触れたいのだが、冒頭に書いたように現場取材かできていないので書けない。メディアも調査機関もマンションの質について取材し、レポートしてほしい。

底入れ・底打ちか戸建て 防犯・断熱性能向上、ZEH対応急務

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 グラフは首都圏分譲戸建ての暦年別着工戸数まとめたものだ。コロナ前までは年間6万戸以上着工されていたが、コロナに見舞われた令和2年(2020年)は前年比16.3%減の約54,000戸に落ち込んだ。ところが、テレワーク、働き方改革の浸透などにより予想外の売れ行きを見せたため各社は供給を増やしたが、コロナ終息後は売れ行きが悪化したため調整局面に入り、着工は再び減少に転じた。2024年も1~11月の着工戸数は前年同期比9.3%減の48,776戸となっており、通年でも前年を下回るのは確実だ。

 だが、市場では底入れ・底打ち感も生まれつつあり、今年の分譲戸建て市場は堅調に推移するとみている。むしろ、高騰が続くマンションと比較すると、価格的な優位性がある。この優位性を生かし、一方で弱点でもある防犯性能を高めれば新たな需要を引き出す可能性があるとみている。「リストガーデン武蔵新城セキュリティ・タウン」の記事を読んでいただきたい。CP(防犯)+樹脂サッシをスタンダードにすべきだと思うのだが…。

 個別企業別では、市場占有率が約30%の飯田グループのほかオープンハウス、ケイアイスター不動産、ポラスグループの上位4社がどのような戦略を打ち出すかに注目したい。ZEH化は喫緊の課題だ。

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ChatGPTに負けない記者の役割

 今年、注目すべきなのは、生成AI(人工知能)の更なる浸透だ。記者は三井不動産が2023年8月に全従業員約2,500人を対象に「&Chat(アンドチャット)」を開発したのに驚いたのだが、昨年は積水ハウスが生成AI分野で先進的な取り組みを行うPreferred Networks(PFN社)へ出資したと発表した。生成AIを使いこなせないと生きられない時代がやってきた。

 OpenAIが2022年11月に公開した「ChatGPT」はその後、飛躍的に改善され驚くほどの進歩を見せている。この正月、面白半分に「ChatGPT」に「RBAタイムズの牧田記者ってどんな記者ですか」と聞いた。〝情報がありません〟とでも返ってくるかと思ったが、そうではなかった。次のような回答があった。そのまま紹介する。

 「牧田司(まきた つかさ)氏は、不動産・建設・住宅業界に特化した情報を提供する『RBAタイムズ』の編集者であり、記者としても活躍されています。彼の執筆する『こだわり記事』は、業界内で高く評価されています。

 牧田氏は、企業の規模に関わらず、物件の品質や特徴を公平に評価する姿勢を持っています。例えば、ある分譲戸建てについて『大手と互角に戦える』と評価するなど、独自の視点で記事を執筆しています。

 また、RBAタイムズの編集者として、同誌の発行や編集にも携わっており、業界内での信頼性と影響力を持つ人物です。

 さらに、牧田氏は取材活動にも積極的で、企業や業界関係者とのインタビューを通じて、深掘りした情報を提供しています。彼の取材は時間をかけて丁寧に行われ、その結果として質の高い記事が生まれています。

 総じて、牧田司氏は不動産・建設・住宅業界において、深い知識と洞察力を持ち、読者に価値ある情報を提供する信頼性の高い記者・編集者と言えます」

 皆さんいかがか。「業界内で高く評価されています」とか「深い知識と洞察力を持ち」は〝ヨイショ〟の部分もあるのだろうが、「企業の規模に関わらず、物件の品質や特徴を公平に評価する姿勢を持っています。例えば、ある分譲戸建てについて『大手と互角に戦える』と評価するなど、独自の視点で記事を執筆しています」との回答には驚いた。小生の記事(情報)を収集していないとできない芸当だ。AIは「考える力」はないはずだが…。

 その半面、怖さも感じた。記者は〝せんべろ〟をよく利用しタバコも結構吸うことなど個人情報も記事に取り込んでいるのだが、行動性向もすべて知り尽くされているのではないかという怖さだ。下手なことはできない。〝清く正しく美しく〟生きろということか。

 いずれにしろ、AIに負けないためには「独自の視点」が重要で、徹底して〝ものを見る目〟を養うことだと改めて思った。自らが情報発信源にならないと業界紙もまた生き残れない。

全て疑ってかかれメディア・リテラシーの基本原則を忘れていないか(2022/12/5)

全戸にCPガラス IoT駆使し快適性も県初のリスト「防犯セキュリティ・ホーム認定」(2024/11/28)

〝AIと鋏は使いよう〟自社特化型AIチャットツール「&Chat」運用開始三井不(2023/10/10)

「しわぶき」を「しわ(wrinkle)」と誤訳高度な言語表現に適応できない ChatGPT(2023/7/25)

ユニソン「防災トークセッション」に170名/AIの文字起こしは凄いが課題も(2023/7/15)

自治体初横須賀市のChatGPT作成リリースの粗探し文法・用法の誤り発見(2023/4/21)

 

カテゴリ: 2024年度

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「アイムス東久留米 ピー・ティー・サイト」

 ポラスグループ中央住宅マインドスクェア事業部は12月26日、同社初の「東京ゼロエミ住宅」最上位の「水準3」(旧制度)に該当する外皮平均熱還流率(UA値)0.46認証を受けた分譲戸建て「アイムス東久留米 ピー・ティー・サイト」(全6戸)のメディア向け見学会を行った。この日はぽかぽか陽気だったためUA値0.46の威力は確認できなかったが、玄関ドアは開けっ放しで、エアコンは止められていたにも関わらずとても温かかった。

 物件は、西武池袋線東久留米駅から徒歩8分、東久留米市氷川台1丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率40%、容積率80%)に位置する全6戸。土地面積は120.18~122.24㎡、建物面積は94.72~97.31㎡、価格は6,490万~7,890万円(平均7,173万円)。建物は2024年10月に完成済み。構造・規模は2×6工法2階建て。施工はグローバルホーム。

 今年7月からの問い合わせ件数は104件。都内居住者が約7割で、希望価格は6,000万円台~7,000万円。同社の既存顧客比率は37.7%。6戸の内5戸が成約済み。

 現地の従前は畑。物件のすぐ南側は一級河川の黒目川。近くに桜並木と遊歩道が整備されている。黒目川は水源が小平霊園内の「さいかち窪」で、市内を横切り、埼玉県新座市-朝霞市を流れ新河岸川に合流する。

 主な基本性能・設備仕様は、太陽光発電システム、蓄電池、HEMS、高断熱の樹脂+Low-E複層ガラス「APW330」、ハイブリッド給湯器「エコワンX5」、高効率エアコン、アクセントパネル「木もれ美」など。

 同社マインドスクェア事業部設計部部長・鈴木征道氏は、「市の条例による開発行為の最低敷地面背は110㎡以上だが、それより広い120㎡を確保し、東京都の『東京ゼロエミ住宅』に適合させるためハイスペック仕様にして、差別化を図った」と語った。「東京ゼロエミ住宅」制度につい補足したポラス暮し科学研究所住環境Gグループ長・野田将樹氏は、「計画段階では最上位の『水準3』だったが、新基準では『水準B』となった。今後はGXに力を入れていきたい」と話した。

 都のデータによると、令和5年12月末時点で「東京ゼロエミ住宅」の認証を受けた戸建て住宅は都内新築住宅の1割超の7,974戸で、最上級の「水準3」は4,621戸となっている。(2024年9月30日までの旧基準の「水準3」は210万円/戸、2024年10月1日以降の新基準の「水準B」は160万円/戸の助成金が支給される。2024年10月からは基準が改められ、「水準3」は「水準B」となり、最上位はUA値0.35以下の「水準A」が設けられた)

 販売担当のマインドスクェア事業部東京西事業所事業所長・金井秀徳氏は、「東京西事業所は練馬区、板橋区から清瀬市に至るエリアで年間100棟くらい供給しており、東久留米では6番目の物件。パワービルダーは5,000万円台から6,000万円で、(大手の)S社、D社などは当社の物件より1,000万円くらい高い。お客さまからは価格のバランスがいいと評価された」と語った。

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内観

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現地

◇        ◆     ◇

 この記事を書いている今、中央住宅代表取締役社長・品川典久氏が今年6月の決算発表会で「当社で不足しているのは、営業を通じたお客様への説明がよく理解されていないことだ。設計担当は一つひとつ作品だと考えて取り組み、優秀な職人でないとできない施工を行うなど商品力には自信を持っている。これからは営業の教育に力を注ぐ」「もっと(価格が)高くても売れる」などと語ったのを思い出した。

 実は、本日から約2週間前、同社の坪単価420万円のコンパクトマンション「ルピアシェリール東久留米」を取材した。その時、同社広報担当N氏と今回の分譲戸建ての価格はいくらになるか話し合った。「『行徳』のように差別化が図れれば8,000万円でも売れるかも」と記者は話した。

 結果は大外れ。約1,000万円も安かった。金井氏が話したように、このエリアでは価格差にして2,000万円もある戸建て分譲が入り乱れて供給されている市場性を反映したのだろう。同社としても強気な価格設定ができない事情もよく分かった。

 だが、しかし、同社の課題はここにあると思う。ブランディングの強化だ。記者は企業の大小で物件の良否を測るようなことはしないのだが、同社の分譲戸建ては〝大手と互角に戦える〟と何度も書いてきた。リビング天井高は2700ミリ、サッシ高は2200ミリ、CP(防犯)ガラスは原則標準仕様、収納・引き戸・開き戸はソフトクローズ機能付き、食洗機は深型(埼玉中心)、本物の木の多用、階段ステップは15段…などだ。欠けているのは尺モジュールの階段幅くらいではないかと思っている。

 中内代表と品川社長に申し訳ないが、記者は同社の営業力に弱点があるとは思っていない。同社が主戦場とする埼玉県の街のポテンシャルに問題がある。自治体などと連携して取り組むことが必要だと思っている。

 もう一つ。先に〝CP(防犯)ガラスは原則標準仕様〟と書いたが、関連することを一つ。CP(防犯)ガラスを全戸に標準装備した「リストガーデン武蔵新城セキュリティ・タウン」の記事へのアクセス数は4,000件近くに達している。「防犯セキュリティ・ホーム認定」を受けた以降の問い合わせが6倍に増え、「戸建ては(防犯性が担保されていないから)買わない」と決めていた人が購入し、予算より1,000万円も2,000万円も高くても購入したというではないか。

 ポラスが「当社の分譲戸建てはCP(防犯)ガラスが標準」と打ち出せば、来場主、成約スピードは飛躍的に高まるはずだ。この記事は中内代表と品川社長にも読んでいただきたい。(記者が書く同社の戸建て記事へのアクセス数は同業他社物件と比べて少ないのはなぜだ。読む価値がないということか)

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現地近くの黒目川

◇        ◆     ◇

 取材の帰り。細田工務店が2025年1月に分譲する分譲戸建て「グローイングスクエア東久留米」(全8戸)の現場を見た。駅から徒歩14分の表示だが、黒目川の遊歩道が利用できる。第1期1次(3戸)の敷地面積は101.00~107.23㎡、建物面積は84.46~92.38㎡、予定価格は5,980万~6,980万円。

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「グローイングスクエア東久留米」

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現地近くの遊歩道

都心外周部で増える予感ボラスのコンパクト「東久留米」は坪420万円(2024/12/14)

コアなニーズ引き出した商品企画ヒットポラス「すみかプラス行徳」(2024/12/7)

ショック!戸建ての防犯(CP)ガラス取り付け率はわずか4.3%日本サッシ協会調べ(2024/11/29)

全戸にCPガラス IoT駆使し快適性も県初のリスト「防犯セキュリティ・ホーム認定」(2024/11/28)

ポラス 2024年3月期 15期ぶり減収・減益/同社の商品力は顧客に伝わっていないか(2024/6/29)

「日本一の街」完成祝う中央住宅・高砂建設・アキュラ「浦和美園E-フォレスト」(2022/4/17)

 

カテゴリ: 2024年度

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「Sumi-Ka+GYOTOKU(すみかプラス行徳)」

 ポラスグループ中央住宅は12月5日、分譲戸建て「Sumi-Ka+GYOTOKU(すみかプラス行徳)」のメディア向け見学会を行った。「Sumi-Ka+」のコンセプトは、「社会問題の解決を建築で目指す」という意欲的なもので、2022年にグッドデザイン賞を受賞した。今回はありきたりな都市型戸建てに満足できないコアなニーズに訴求し、周辺相場より1,000万円くらい高い価格設定にもかかわらず販売は好調に推移している。

 物件は、東京メトロ東西線行徳駅から徒歩12分、市川市新浜1丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率50%、容積率100%)に位置する全18戸。土地面積は110.02~128.23㎡、建物面積は96.48~106.91㎡、価格は7,990万~9,490万円。完成予定は2025年3月上旬。

 現地は、フラットな行徳駅前通りから一歩入った住宅地。主な基本性能・設備仕様は、長期優良住宅、耐震等級3、ソーラーパネル搭載(1~10号棟)、リビング天井高2700ミリ、サッシ高2400ミリ、1階CP(防犯)ガラス、深型食洗機、床暖房、1.25坪浴室など。

 同社不動産ソリューション事業部不動産開発部企画設計課課長・村田嵩胤氏は、「当事業部は年間250棟くらい販売している部署で、不動産仲介などを担当したスタッフも多く、多様な顧客ニーズに応えられるのが強み。これまで供給し、グッドデザイン賞を受賞した『Sumi-Ka+』はファミリーだけでなく、DINKS、三世代同居、シニアなどのニーズを取り込んだ。部署内からは価格を抑制する必要はなかったのではないかという声があり、今回はコアなニーズを取り込むため付加価値を高め、敷地面積を100㎡ではなく110㎡確保し、外構も重厚感を演出し、モデルハウスも億ション並にした。価格は、周辺相場より1,000万円くらい高い強めに設定したが、供給した7棟のうち6棟が完売した。20代の購入者の方には、親からの援助や50年ローンを組み、投資目線で購入される方もいらっしゃった。残っているのは敷地延長のもっとも安い7,990万円の住戸」と語った。

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価格がもっとも高い南西角住戸1号棟の内観(グレーが基調で、その狙いはすぐ分かった)

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価格が1号棟より800万円安い2号棟の内観(〝耐えられない存在の軽さ〟ゆえ、記者はこちらの方が好きだ)

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村田氏

     ◇      ◆     ◇   

 いつものように道すがら、価格をはじいた。行徳はこれまでもマンションの取材などで結構訪れている。街路樹は貧弱だが、駅から徒歩12分のアクセスもまずまず。マンションだったら坪単価は300万円を超えると考えた。30坪で1億円だ。

 しかし、ポラスの戸建てだから8,000万円くらいで、商品企画によっては9,000万円でも売れると予想した。この時点で、物件を企画したのは同社不動産ソリューション事業部だとは全然知らなかった(最近は横着になり、マンションや戸建ても事前の調査をしなくなった)。

 現地に着いて、村田氏から「久しぶりです」と声を掛けられた。「えっ」(人の顔と名前が最近は全然覚えられない)。それでも、村田氏から「Sumi-Ka+」のプロジェクトの一つであるという説明を聞いて、ほとんど瞬時に企画意図を理解した。価格も予想した通りだった。村田氏と記者の考え方はぴたりと一致した。

 3年前に見学した「Sumi-Ka+」の「佇美の家(たびのいえ)」(市川市)」「空の稔」(松戸市)「新故郷」(松戸市)では、「従来の分譲戸建てのイメージ・概念の盲点をついた商品だ」と書いた。

 今回はどうか。特徴などについては上段で書いた通りだ。いくつか補足する。村田氏は「これまでのポラスっぽくない」と何度も語った。確かにそうだ。しかし、記者はこれまで同社の分譲戸建てを数えきれないほど見てきている。商品企画は極めて高い(同社の弱点を探すとすれば、他社物件と比べてどこがいいかを調べ切れていないことだと思う)。大手デベロッパーの物件とも互角に戦える。なので、「ポラスっぽくない」というのは「これもポラスの一つ」と記者は受け取った。

 モデルハウス2棟とも1階と2階の一部にはCPガラスが採用されていた。この前のリスト「リストガーデン武蔵新城セキュリティ・タウン」の記事を読んでいただきたい。「CPガラス」を採用し、「神奈川県防犯セキュリティ・ホーム認定」を受けたのちの来場者は6.5倍に増えた。価格は相場より1,000万円も2,000万円も高かったが、全10棟のうち残りは1戸だった。

 記者は、CPガラスは常識だろうと思っていたが、そうではないことも分かった。ポラスは1階部分の窓にCPガラスを標準としている(以前にもそう聞いたような気がする)。

 価格がもっとも高い9,490万円の南西角住戸の1階は掃き出し窓を設けず、高窓としているが、その企画意図をすぐ理解した。外からの視線を遮断したいと考える人はかなりいる。浴室も1.25坪で、食洗機は深型だった。

 村田氏の考えに一つだけ同意できないものがある。村田氏は「みどりの管理は大変だから、雑草を生えないよう防草シートを張り、その上に石を置いた」と話した。小生のマンションも5坪くらいの専用庭付きだから草取りなど管理が大変なのはよくわかる。しかし、真夏の地表温度は50℃にも60℃にもなる。緑は30℃強に抑えてくれる。地球温暖化防止に貢献するだけでなく、住宅の地域の街のポテンシャルを引き上げる。緑と地価形成は相関関係にあり、埼玉や千葉の住宅価格が相対的に低いのは、緑被率低いことに一因があると記者は見ている。

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パナソニック製の横並び三つ口コンロ(左)と深型食洗機

◇        ◆     ◇

 行徳駅前の街路樹の写真を撮った。見ていただきたい。樹種は常緑樹のクスノキのはずだが、強剪定されているため葉っぱはまばら、発狂寸前だ。どうしてこのように丸裸にされているのか、理由はすぐ分かった。ムクドリ対策だ。ムクドリは群れて生息するので、わからないわけではないが、これはあんまりだ。かつてムクドリは益鳥だった。生態系の崩壊は、人間にも大きな影響を与えることを考えないといけない。記者はスズメが激減しているのが気になる。高気密住宅はスズメの住処を奪っている。

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行徳駅前のクスノキの街路樹

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丸裸にされ、寒さに凍えるクスノキ(市民そのものか)

ショック!戸建ての防犯(CP)ガラス取り付け率はわずか4.3%日本サッシ協会調べ(2024/11/29)

全戸にCPガラス IoT駆使し快適性も県初のリスト「防犯セキュリティ・ホーム認定」(2024/11/28)

小家族向けに焦点面積・価格抑え大胆提案ポラス「Sumi-Ka+空の稔」に注目(2021/5/2)

コミュニティ育む仕掛けに驚嘆従来の常識覆すポラス「Sumi-Ka+ 新故郷」(2021/5/1)

 


 

 

カテゴリ: 2024年度

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「レーベンプラッツ加須はなさき公園」(CUBEプラン)

 MIRARTHホールディングス(ミラースHD)グループのレーベンホームビルドは12月6日、埼玉県加須(かぞ)市の市街化調整区域内の平屋建てプロジェクト「レーベンプラッツ加須はなさき公園」見学会を行った。調整区域開発規制の逆手を取って全41区画を300㎡以上、建物も約100㎡とすることで豊かな暮らしを提案した企画がヒットし、9月から販売開始した25棟のうち13棟が契約済み。これほど大規模な平屋住宅地の開発はわが国初ではないか。来年8月の竣工を待たず完売する可能性もありそうだ。

 物件は、東武伊勢崎線花崎駅から徒歩7~9分、埼玉県加須市花崎字蓮田の市街化調整区域(建ぺい率60%、容積率200%)位置する全41区画。土地面積は構造・工法は木造1階建て(木造軸組み+パネル工法)。売主は同社のほか川口土木建築工業(一部)。12月中旬に分譲予定(戸数未定)の土地面積は302.74~303.57㎡、建物面積は98.54~101.44㎡。既契約の価格は3,600万円台から4,000万円台の半ば。全体竣工予定は2025年8月。

 主な基本性能・設備仕様はリビング天井高は3m台から最大4.4m、床暖房、食洗機付き。

 現地は、低層戸建てや畑などが混在するエリアの一角で、道路を隔てた隣接地は戸建て住宅街。従前は畑、あるいは荒れ地。同社は川口土木から土地を取得した。

 9月から分譲開始し、これまで供給した25棟のうち13棟が契約済み。契約者の属性は、居住地は地元加須市を中心とする近隣各市が過半を占め、都内居住者もあるという。年代は30代から60代以上のシニアまでまちまち。毎週30件の来場があるという。

 見学会でレーベンホームビルド代表取締役社長・有田卓二氏は「調整区域開発の第三弾? 探しているのだが難しい。ここはたまたま市街化区域に隣接しており、下水道なども整備されていたので許可が下りた」と語った。同社開発部企画課課長代理・瓦田しのぶ氏は「『南栗橋』をさらにブラッシュアップした」と、同社不動産事業本部戸建営業部戸建営業1課部長・下田裕一氏は「販売が好調。皆さんの声も聴きたい」とそれぞれ話した。

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左から下田氏、同社総合企画本部経理財務部次長・東海林卓氏、有田氏、同社不動産事業本部開発部設計課係長・安田氏、瓦田氏

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左から下田氏、有田氏、東海林氏

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〝レディ・ガガ〟こと高荒氏(右)と有田氏

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見学会

◇        ◆     ◇

 花咲徳栄高校しか知らなかった花崎駅に初めて降りた。取材時間まで1時間近くあったので、どこかカフェか飲食店でタバコを吸おうと思ったが、2、3あった飲食店はすべて営業時間外。

 仕方なく早めに現地に着いた。待つこと30分超。所在なくあちこちぶらつき、時間をつぶした。会見は広場で始まった。小生の後方から〝タカハラ〟の言葉が聞こえた。パブロフの犬だ。これに鋭く反応した。後ろ振り返った。すぐ後ろに〝レディ・ガガ〟ことミラースHD執行役員グループ事業リーディング室長・高荒美香氏がいるではないか。同社が昨年、グッドデザイン賞を受賞したこの「加須」の物件で提案した「CUBEプラン」は高荒氏が所属する部署の提案だった。「CUBEプラン」は6帖大の居室で、多目的に利用できるよう独立した出入り口が設けられており、トイレ付き。

 開発地は2年前に取材した「レーベンプラッツ南栗橋」と同じ調整区域開発だろうと思ったが、その通りだった。「南栗橋」と比べ今回の「加須」は生活利便施設が乏しく、大きなハンディを抱えており、同駅圏の分譲戸建ての相場2,000万円台の倍以上という価格であるにもかかわらず売れる理由はよくわかる。100坪の住宅地など松濤、田園調布、大和郷くらいしかないのではないか。これほど大規模な平屋住宅地の開発はわが国初ではないか。

 有田氏は、住宅地内にパン屋やカフェを誘致するプランがあることを明かしたが、銀行からの融資が下りないのだそうだ。ならば、同社が「一号店舗(都市計画法第34条第1号)」として建物を建設し、住居と資金・賃金を保証し、全国から職人を募集したらどうか。島田和一社長、それが御社が目指す〝地域のタカラ〟になるのではないか。

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「CUBEプラン」

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モデルハウス

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モデルハウス

     ◇      ◆     ◇    

 こんなことを言っても詮無いことだが、この日午前中に行われた三井不動産レジデンシャルの「日本橋サロン」リニューアルオープン説明会には40人くらいが参加したのではないか。それからでもこの平屋建てプロジェクト見学会には間に合ったはずだが、取材したのは小生を含め2人とはどういうことか。現場を見ない限り〝平屋人気〟の理由は絶対わからないだろう。

調整区域&風致地区開発要件満たし生物多様性の取り組みに挑戦ポラス「馬込沢」(2024/11/19)

敷地100坪 建物30坪の平屋 ミラースHDの戸建て「南栗橋」企画ヒット(2022/11/13)

「目指すは企業価値の向上」タカラレーベン・髙荒美香氏女性活躍の視点から注目(2021/11/4)


 

 

カテゴリ: 2024年度

 さきほど記事を書いたが、記者は住宅窓のCPガラス普及が進んでいないのにショックを受けた。積水ハウスが全ての全ての戸建住宅で「遮熱断熱・防犯合わせ複層ガラス」を標準採用すると発表したのは2004年6月。20年も昔だ。その後、各社も追随したのだろうと思っていた。

 そうではなかった。「当たり前のはず」の戸建てへのCPガラス採用率が極めて低いことを裏付けるデータもあった。

 日本サッシ協会が2024年5月に発表した「2024年3月版『住宅用建材使用状況調査』の概要」によると、2022年8月以降から2023調査時点までに建てられた全国都道府県(沖縄を除く)の居住専用の木造並びにプレハブ住宅の防犯(CP)ガラス取り付け率は「戸数比」4.3%、「窓数比」2.1%とある。

 一方、玄関ドア(開戸)の電気錠システムの取り付け率は「戸数比」60.6%で、複層ガラスの取り付け率は、全国平均では「窓数比」99.9%となり戸建住宅で複層ガラスが標準的に使用されている。内訳は、複層ガラス1.0%、Low-Eガス無35.5%、Low-Eガス入54.3%、三層複層ガラス9.1%となっている。

 分譲戸建てを手掛けるすべてのデベロッパーは、CPガラスを標準装備とすべきだ。コストは一般的な複層ガラスと比べ1.5~1.6倍だそうだが、CPガラスを設置することの安心感、快適性を考慮すれば、お金には代えられない価値がある。住宅購入検討者もCPガラスの採用や、Low-Eガラスの有無を物件選好の一つにしてほしい。マンション用の樹脂サッシ開発も進んでいる。今後はすべてがそうなるはずだ。

全戸にCPガラス IoT駆使し快適性も県初のリスト「防犯セキュリティ・ホーム認定」

行動習慣を可視化駆けつけ防犯サービス開始月額4600~5600円積水ハウス


 

 

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「リストガーデン武蔵新城セキュリティ・タウン」

 神奈川県防犯セキュリティ協会とリストグループの分譲戸建てを担当するリストホームズは11月28日、防犯に強い住宅をテーマにしたセミナーと、同協会「神奈川県防犯セキュリティ・ホーム認定」制度に分譲戸建てとして初めて認定された同社の「リストガーデン武蔵新城セキュリティ・タウン」現地見学会を行った。イベントには県警関係者やメディア4社など 30~40人が参加した。

 セミナーで同協会理事長・齊藤賞一氏は「闇バイト強盗が激増しているが、住宅侵入を未然に防ぐのが大切で、侵入経路のほとんどを占める窓や玄関ドアからの侵入をどう防ぐかがポイント。防犯3原則である①領域性(入りやすい・入りにくい)②監視性(見えにくい・見えやすい)③抵抗性(やりやすい・やりにくい)を皆さんと共有したい」とあいさつした。同協会は、県行政が推進する「安全・安心まちづくり」に関わる分野で自治体や関連団体と連携して地域防犯活動を支援している団体。

 リストホームズの住宅事業部、販売推進部、建設事業部の部長を兼任する伊藤駿氏は、「当社はデザイン性にこだわり付加価値の高い建売住宅を供給している。企画検討を開始したのは今年2月。今回は立地条件からして武蔵小杉などのマンションとの競合は避けられないと判断し、高額住宅の購入を検討される方はセキュリティに関する意識が高いことから、YKKAPさんとACCEL LABさんと連携し、ハード・ソフト両面で防犯対策を施し、かつ窓面をたくさんとり明るくし、デザイン性にもこだわった。協会認定と県警公認というのも大きなポイント。価格は相場より1,000~2,000万円超と突出しているが、販売を開始した今年5月からこれまで全10棟のうち9戸が契約・申し込み済み。9件のうち2件は認定を受けてからの申し込み。とくに『セキュリティ・ホーム認定』を受けたあたりから来場者が激増しており、10月までは4~6件/月だった来場者は11月以降30件と6.5倍に増加した。ありえない反響。皆さんがセキュリティに危機感を抱いていらっしゃるのに驚いている」と興奮ぎみに語った。

 伊藤氏は来場者の声をいくつか紹介した。再現する。

・戸建ては絶対嫌。マンションは安全。でも、ここまで防犯対策を施しているのなら購入する(予算は5,000万円だったのをリセールバリューも考慮して7,000万円に引き上げたとか)

・セキュリティの高い戸建てを都内で探していたが、なかった。横浜の不動産会社から、川崎にはセキュリティの高い戸建てがある(この物件)と紹介されて、地縁は全くないが購入を決めた

 「リストガーデン武蔵新城セキュリティ・タウン」は、JR南武線武蔵新城駅から徒歩14分、川崎市高津区千年字北浦に位置する全10棟。土地面積は70.05~70.73㎡、建物面積は108.46~129.99㎡、価格は6,490万~7,490万円。構造は木造3階建て。竣工は2024年10月。

 防犯対策として、全戸の1・2階の開口部にYKK AP製の安全合わせ複層ガラス(CPガラス)を採用しているほか、外部からの侵入の可能性がある3階部分の窓にはCPガラスと防犯フィルムで対応している。

 バルコニーの手すりは透明ガラスを採用し、侵入者が近づきがたく、かつベランダからの侵入がしづらい構造になっている。また、一部の雨樋には忍び返しも付けている。

 IoT技術を導入し、自宅前に設置したインターホンの映像は24時間常時録画されるだけでなく、スマートフォンなどを通じてリアルタイム映像や録画を確認することができ、来客時はスマートフォンのみで対応することで、子どもによる誤操作を防ぐ。

 入居者同士で協力し合い、安心安全で快適な生活を目指すため、自主協定「セキュリティ・タウン協定」を結ぶことも購入の条件としている。

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伊藤氏

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齊藤氏

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アクセルラボ セールスグループ 太田圭介氏
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現地

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室内

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3階防犯フィルム

◇        ◆     ◇

 リストから取材の案内が届いたとき、セミナーだけなら辞退しようと思った。「闇バイト強盗」が激増しているとはいえ、戸建ての防犯対策は一にも二にも窓・玄関・勝手口からの侵入を防ぐことで、すっかり定着していると考えたからだ。

 ただ、分譲戸建ての見学会も同時に行うというので、現場取材に「NO」を出さないのが記者の基本なので参加した。

 書かなければならないことは、上段ですべて書いた。驚いたのは、当たり前のはずの防犯対策は分譲戸建てでは進んでいないことだった。CPガラスは30年も昔から販売されているはずなのに、YKKAP神奈川支社開発営業部長・内田文也氏は「注文住宅ではCPガラスを採用されるケースは多いのですが、当社が担当する神奈川県の分譲戸建てへの浸透はいま一つです」と語った。また、リストホームズもCPガラスを採用したのは今回が初めてという。

 これは、デベロッパーもメーカーも、そしてわれわれメディアも反省しなければならない。防犯対策も同様だが、とくに窓は断熱・遮熱・防音面で大きな役割を果たす。それが疎かにされてきたとは…。この前の積水ハウスの「駆けつけ防犯サービス」に関する発表会はリアル会場に40人くらいのメディアが参加していた。今回はその10分の1。テーマの重要性ではなく、主催者の規模を重視する姿勢(大企業偏重)は如何なものか。

◇        ◆     ◇

 驚いたのは他にもある。プロの泥棒は電柱や雨樋から易々と侵入するということだった。そのため、今回の物件は〝万が一〟のケースも想定してその対応策を施していた。

 プロといえば、皆さんは吉村昭「破獄」(新潮文庫)をご存じか。独房の角の壁に背を向け両手両足を壁に押しつけ、天井まで上り、破獄した実在の投獄者を描いた小説だ。

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雨樋の忍び返し

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電柱に近いこの住戸の3階もCPガラス

行動習慣を可視化駆けつけ防犯サービス開始月額4600~5600円積水ハウス(2024/11/25)

小家族向けに焦点面積・価格抑え大胆提案ポラス「Sumi-Ka+空の稔」に注目(2021/5/2)

周囲の街並みに配慮大和ハウス 3階建て分譲戸建て「セキュレア文京目白台」(2020/9/2)

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「リーズン馬込沢SuBaCo project」

 ポラスグループ中央住宅は11月18日、船橋市の分譲戸建て「リーズン馬込沢SuBaCo project」(全4棟)のメディア向け見学会を開催した。市街化調整区域の開発要件に適合させ、かつ、市が推進する「生物多様性ふなばし戦略」にも沿う商品企画が特徴で、1戸あたり敷地面積を55坪以上、全体で約40本の中高木を配するなどして緑化率を高め、各敷地に地役権を設定し承役地として居住者が利用できるようにしているのが特徴だ。

 物件は、東武アーバンクライン馬込沢駅から徒歩15分、船橋市馬込沢町の市街化調整区域(建ぺい率40%、容積率100%)に位置する全4棟。土地面積は181.87~186.36㎡(コモンスペース含む)、建物面積は102.38~111.38㎡、価格は4,280万~4,680万円。建物完成は2023年10月。施工はポラテック。従前は畑。

 コンセプトは、「Sustainability(サステナビナリティ)」「Biodiversity(バイオダイバーシティ)」「Community(コミュニティ)」で、この3つがシームレスにつながることを願って物件名を「SuBaCo(スバコ)」とした。

 市の取り組みにも沿うよう「GROUNDING(基礎調査)」「DESIGNING(街家設計)「SUSTAINING(持続化)」に力を入れてデザインにしている。

 2023年4月から分譲を開始し、建物が同年9月までに完売した。物件は昨年の「キッズテサイン賞」と「GERMAN DESIGN AWARD WINNER2023」、今年の「グッドデザイン賞」に受賞しており、来年の「インターナショナルデザインアワード(IDA)」の受賞も内定している。

 見学会で同社戸建分譲設計本部設計一部営業企画設計課課長・山下隆史氏は「現地の従前は畑で、調整区域。馬込斎場に隣接しており、滝不動風致地区内にあることからこのよぅな商品にした。緑地率を15%確保し、中高木は全体で40本植えた」と語った。

 同課係長・山﨑正吾氏は「調整区域で風致地区。これらの開発規制をクリアするとともに市の『生物多様性ふなばし戦略』にも沿うよう企画したので、コンセプトをきちんと説明し、賛同していただける方に購入していただいた」と話した。

 また、ポラス暮し科学研究所住環境G係長・福代昇一氏は「生物多様性の重要性は世界的に理解されているが、現場での取り組みは今一つで、消費者の方も二の足を踏まれる現状に危惧している。今回のプロジェクトをきっかけに当社グループ全体で標準化する仕組みを考えていきたい」と今後の方向性を示した。

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センターテラス

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フットパス

◇        ◆     ◇

 同社グループの調整区域開発物件を取材するのは、「春日部」「八千代緑が丘」に次いで3回目だ。今回はすべて入居済みなので、各氏の説明を聞き、外観・外構しか確認できなかったが、企画意図はストレートに伝わってきた。福代氏が話したように、開発物件すべてに生物多様性の視点を盛り込むように期待したい。

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現地

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現地

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現地

◇        ◆     ◇

 物件は2024年グッドデザイン賞を受賞している。審査員は「敷地を4宅地に分割し、それぞれに建売住宅を建設する、いわゆる『ミニ開発』のプロジェクトである…敷地を超えた『見えない関係性』をデザインの対象として意識している点に、業界としての大きな進化が見られ評価した」とある。

 これには異論をはさまざるを得ない。「ミニ開発」の定義は様々だが、記者は1戸当たり敷地面積が30坪(100㎡)未満の建売住宅だと40年くらい前に定義づけた。敷地面積が30坪未満だと〝街〟はつくれないと判断したからだ。

 今回の物件は敷地面積が55坪(181㎡)以上で、建ぺい率40%、容積率100%の市街化調整区域だから、ミニ開発には当たらない。市の「都市計画法に基づく開発行為等の基準に関する条例」と「生物多様性ふなばし戦略」の要件を満たしているから実現した開発行為だ。

記者はもう市街化区域と市街化調整区域を一律に分離・遮断するのは時代遅れで、双方を緩やかにつなげる街づくりが大切だと思っている。その関係性を「見える化」したのがこのプロジェクトだ。コンセプトに「生物多様性」を掲げているように、小鳥が飛来し、虫も棲息できるようデザインされている。生物多様性に配慮したマンションや分譲戸建ては多くはないが、真剣に取り組んでいるハウスメーカー・デベロッパーは少なくない。「業界としての大きな進化」はなんだか業界全体が見下されているようで不愉快だ。

旭化成ホームズ・積水ハウス・大和ハウス 3社連携して生物多様性保全活動推進(2024/9/7)

駅距離と調整区域開発要件(165㎡)逆手に取った企画秀逸ポラス「八千代緑が丘」(2024/6/15)

初めて見た30%・50%×200㎡の分譲戸建てまるで別荘ポラス「柏逆井」(2023/5/2)

敷地100坪建物30坪の平屋ミラースHDの戸建て「南栗橋」企画ヒット(2022/11/13)

調整区域・1号店舗の適用受けた「なないろこまち」キッズデザイン賞最優秀賞(2022/9/29)

調整区域の市民農園付き200㎡邸宅ポラス「ハナミズキ春日部・藤塚」企画秀逸(2020/7/3)


 

 

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「リーズン新鎌ヶ谷 きときと未来プロジェクト」 

ポラスグループ中央住宅は117日、居住者と生産者をつなぐプロジェクトの第二弾「リーズン新鎌ヶ谷 きときと未来プロジェクト」(全14戸)のメディア向け見学会を行った。建物全体完成の2月を待たず、供給した13戸が2か月で完売。歩留まり率は36%に達している。卓越した商品企画が検討者の心をとらえた結果だ。

「きときと未来プロジェクト」がスタートしたのは202211月。富山県は47都道府県の中で野菜生産量が最下位であることに頭を悩ませていた富山青果市場の職員・大石和さんが現状を何とかしたいとホームページで呼び掛けたのを、同社戸建分譲設計本部設計一部営業企画設計課主任・小瀧愛美さんが知ったのがきっかけ。

 小瀧さんは、SNSやりモートとリアルな体験を組み合わせれば、富山県産の食(農)を通じて「フードロス」「地球温暖化」「SDGs」などの社会課題に自分事として向き合えるのではないかと考えた。以来、5回富山県に赴き、昨年分譲の第一弾「結美の丘 浦和 きときとプロジェクト」(全17戸)の分譲にこぎつけた。

 今回の物件は、東武アーバンパークライン・新京成電鉄・北総鉄道・京成成田スカイアクセス線新鎌ヶ谷駅から徒歩1718分(京成電鉄初富駅から徒歩910分)、千葉県鎌ヶ谷市南初富2丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率50%、容積率100%)に位置する全14区画。従前は畑。土地面積は120133㎡、建物面積は95.22105.58㎡、価格は3,490万~4,890万円。施工はポラテック。建物全体竣工は20252月末。

 今年816日から分譲を開始し、1020日までに分譲した13戸(1戸は未分譲)がすべて完売。反響数は82件で、モデルハウス(3棟)来場者は39組。来場者は地元中心に、地縁のある都内居住者もあるという。

 第二弾は、富山県(富山野菜/富山生産者)に加え、埼玉県(KIRINOKA/厚川産業)、大阪府(SUGIMOKA/モリアン)、長野県(信州志賀石/メイク)、の4府県の企業・団体とコラボレーションし、居住者と生産者が直接交流できるワークショップなどを行っていく。

 見学会で小瀧さんは「第一弾の『浦和』の居住者の方々からは〝生産者の苦労がよくわかった〟などと高い評価を頂いています。今回も反響は思いのほか多かった。来年のゴールデンウィークあたりに第1回のワークショップを開きたい」と語った。

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モデルハウス

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モデルハウス

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キリノカ

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志賀石

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小瀧さん

        ◆     ◇

 第一弾も現地見学しているので記事を参照していただきたい。今回注目したのは、歩留まりの高さだ。39組に対して14戸(1戸は戦略上未契約だが)が2か月で完売したというから、歩留まり率は36%だ。

 なぜ、これほどの高い数字を残せるのか。第一はコンセプトが検討者の心に響いたからだが、物件のレベルは極めて高い。この価格帯でよくぞ商品化できたものだ。  一つひとつ紹介する余裕はないが、①1階リビング天井高2700ミリ②小上がり畳コーナー③Low-E樹脂サッシ④食洗機⑤挽板フローリング⑥引き戸・開き戸ともソフトクローズ機能付き⑦ハイブリッド給湯器⑧隣り合う住戸をゆるやかに「ツナク゜テラス」「ポタジェ」「雨水タンク」などで、「KIRINOKA」「SUGIMOKA」「信州志賀石」の演出もいい。

 「浦和」も「新鎌ヶ谷」も残りは1戸というが、これは、来場者の声を集め今後の「きときと未来プロジェクト」に生かす戦略だと思う。

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現地

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隣り合う住戸(フェンスなどはなし)

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近くの農家さんに「おいしそうなミカンですね」と声を掛けたら「好きなだけ持ってけ。下のほうがいいぞ」と言われたので3個もぎ取って持ち帰った。スーパーで売っているものと違い、香りが強く野性味にあふれている(近くの民家の敷地にはミカンや柿がたくさん植えられている)

抜群においしいミニトマト ポラス「浦和」街びらき+富山マルシェワークショップ(2024/7/6

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「ザ・パークハウス ステージ稲毛海岸ヴィラ」モデルハウス

 三菱地所レジデンスが来年1月に販売開始する戸建て「ザ・パークハウス ステージ稲毛海岸ヴィラ」を見学した。今回分譲する第1期工区は16区画で、販売棟数はモデルハウス2棟を除く14区画。価格は5,000万円台の後半からで、もっとも高いものでも7,000万円に届くかどうか。超割安と見た。

 現地は、三井不動産レジデンシャルと1960年代から開発を進めている一戸建て街区「美浜の杜シティ」と分譲マンション「ザ・ガーデンズ稲毛海岸」の最終章となる全157区画の「美浜の杜シティⅡ」内に位置しており、同社の販売区画は90区画。

 物件は、JR京葉線稲毛海岸駅から徒歩13~15分(JR稲毛駅、京成線京成稲毛駅のバス便あり)、千葉市美浜区稲毛海岸2丁目の第一種中高層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率200%)に位置する全90区画。第1期工区16区画の土地面積は115.04~125.04㎡、建物面積は101.72~111.99㎡、価格は未定だが、5,000万円台後半から6,000万円台の半ばになる模様。建物は2024年11月中旬に完成する予定。構造は木造枠組壁工法(2×4工法)2階建て、施工は三菱地所ホーム(人気商品の全館空調「エアロテック」は1~3工区は採用されていない)。管理組合を設け、月額2,000円で共用持ち分の広場の管理などを行う。

 主な基本性能・設備仕様は、「戸建てZEH」(Ua値0.6以下)、Low-E複層ガラス、1階リビング天井高2550ミリ、ハイブリッド給湯器「ECO ONE」、東ガスと共同のIGNIYUREソーラー、ガス衣類乾燥機「乾太くん」など。

 来場者の評価ポイントが高いのは、販売所長で同社販売一部販売グループ主幹・瀬戸太一氏によると、①3~4色のタイルを用いた外観や屋根形状などのデザインと街並み②木目調キッチン天井裏パネル③深型食洗機④タッチレス水栓⑤間口75センチの3つ口コンロ⑥1階の立水栓に加え2階のスロップシンク⑦玄関カウンター収納とシューズインクローゼットのダブル設置⑧浴室の取り外し可能な折り畳みカウンター⑨幅1.2mの洗面カウンターなど。

 5月から受け付けたエントリー数は464件、10月26日からのモデルハウス来場者は2週間で44件。来場者の過半は地元美浜区中心に千葉市内居住者。年代は30代から50代まで幅広く、二次取得希望者の割合は約半数(戸建て9%、マンション41%)。

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購入者が共同で所有・管理する「公開広場」

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今回の分譲対象工区

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キッチンの木目調パネル・深型食洗機(左)と2階スロップシンク

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着脱可能な浴室の折り畳みカウンター

◇        ◆     ◇

 価格が高いか安いかは検討者が考えることなので深入りしないが、マンションと比べればとても安い。仮に稲毛海岸駅前でマンションが分譲されれば坪単価は300万前後になるはずで、20坪で6,000万円だ。ここはスーパー「ヤオコー」と稲毛海岸公園に隣接しており、「サイゼリア」などの飲食店もあり、小・中学校も近い。駅からのアプローチも緑道(一部)を通っていける。住宅地としての環境は整っている。

◇        ◆     ◇

 取材に満足し、「サイゼリア」で昼食をとった。500mlの白ワインとチョリソーで税込み合計800円。記者の定番になっているビール2杯とイワシフライで税込み980円の「日高屋」より安かった(容器とグラスはガラスではなく味気ない樹脂製だったのにはがっかりしたが)。客層も全然違う。

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税込み800円の昼食

 それから、アプローチ道路とは別の市道を通って稲毛海岸駅まで歩いた。途中、街路樹など1本も植わっていなかった。〝これではマンションも戸建ても高い値段で売れるはずはない〟と納得もした。

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街路樹など1本もない市道

 ところが、駅に近い豊富な緑にあふれたURの団地で足が止まった。しばし見とれた。住み心地を聞こうと、「素晴らしい住宅ですね。こんな住宅に私も住みたい」と居住者らしき女性に声を掛けた。記者が聞きもしないのに、年齢が91歳で、毎日スクワットを30回行っており、家賃は7万円で(市に)申請をすれば5万円にも3万円にもなるとのことで、「(募集センターか管理事務所かに)案内しましょうか」と誘われた。

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URの団地

 丁重に断り、握手して別れようと手を差し出したら、その女性のむ方は、もち肌ではなく役割を終えたモミジのような小さい手を見せながら、「私の手は敏感でね(あなたのような汚いみだらな、何人もの女性をたぶらかし撫でまわした)、感染したくないのよ」とやんわり拒否された。

 仕方なく稲毛海岸駅に着き、電車に乗り乗り過ごし、自宅のある駅に着いたら、午後5時きっかりだった。いつもの「夕焼けチャイム」が鳴った。

♯おててつないで みなかえろ からすといっしょに かえりましょ♯

 好きな彼女と手を握れるのはあと何周か、しっかり握り返してくれるかばかり考えていたフォークダンスの体育の授業はもう60余年も昔だ。

 地所レジが勝つか、それより格が安くなりそうな三井レジが勝つかよくわからないが、今回の共同開発を会見場に見立てれば、同学年の三菱地所レジ・宮島社長と三井レジ・嘉村社長は笑顔で手を結びながら、クロスの陰では脛をけり合っている図式がぴったりだ-これも今日の取材の大きな収穫の一つだ。

三菱地所レジ全157区画「美浜の杜シティⅡ」内の90区画分譲へ(2024/10/21)

三井不レジ&三菱地所レジ初の戸建て〝共演〟全253区画の「稲毛海岸」分譲(2019/10/8)

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