がんばれ京王!10月1日開業 小田急電鉄「BONUS TRACK」に負けるな!
「BONUS TRACK」
小田急電鉄は10月1日、開発を進めてきた「下北線路街」の施設の一つ「BONUS TRACK」を開業した。同日、プロジェクトを担当する同社生活創造事業本部 開発推進部課長・橋本崇氏と施設を運営する散歩社代表取締役CEO・小野裕之氏、同社取締役CCO・内沼晋太郎氏によるトークセッションが行われた。
橋本氏は、3年前に同プロジェクトを担当したとき、地域住民から聞き取り調査を行った結果、〝昔は個性的な店が多かった〟との声を聞き、復活できないかと考え、それを実現するには賃料を抑える必要性を感じ、小野氏に相談を持ち掛けたなどと開発の経緯について語った。
小野氏は、「下北沢には自分たちの価値をしっかり認識している多様な主体者(店舗など)が存在し、民間の力と融合させれば地域とも共存できると考え、事業に参画した」と話した。
内沼氏は、音楽、アート、映画など地域の人々に日常使いしてもらえるようなイベントをどんどん仕掛けていくと語った。
左から橋本氏、内沼氏、小野氏
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この施設については開業前の3月末にも取材しているので、そちらの記事も参照していただきたい。
トークセッション会場で配布された資料の一つに「BE YOU.シモキタらしく。ジブンらしく。」のパンフレットがあった。
新聞紙の見開き2ページ分に相当するA1判を4つ割り、つまり8ページ建ての大きなもので、世田谷代田駅から下北沢-東北沢に至る全長約1.7㎞の゛下北線路街」に、今回の「BONUS TRACK」を含めホテル、旅館、学生寮、コミュニティハブ、カフェ、商業施設など計画を含め13のプロジェクトが図示されている。
そして、冒頭のキャッチコピーには「いろんな人が、自分らしく生きている街、シモキタ。ここまで多様性にあふれている場所は、日本中を見渡しても、そうそう存在しません。」とあった。
このフレーズに京王線沿線に約50年住んでいる京王ファンの小生は敏感に反応した。「ここまで多様性にあふれている場所は、日本中を見渡しても、そうそう存在しません」というのは根拠があるのかと。
橋本氏はさすがに「このコピーは街づくりの思いを表現したもので…」と言葉を濁したが、小野氏は「北は北海道から南は九州まで全国の街を巡ったが、一定程度人口が集積し、個性的な店舗が揃い、車が歩行者に気を付けるウォーカブルな街は他にない」と言い切った。
この答えに記者も頭をフル回転した。京王線沿線にそんな街はないかと。残念ながらない。尻尾を巻くほかなかった。
同じような空間はないわけではない。似たようなエリアはある。京王新線初台-幡ヶ谷-笹塚の線路沿いには緑道、公園が走っている。総延長は下北線路街の約1.7㎞と同じくらいではないか。もう一つは、京王線と京王相模原線の分岐駅である調布駅の地下化にともなう地上空間だ。
前者の公園、緑道はそれなりの人通りはあるが、管理するのは渋谷区で周囲の商業施設、住宅などとは隔絶されており、お互いが背を向けた状態で存在する。最近、日本財団による公園トイレも幡ヶ谷駅近くに建設されたが、果たしてどれくらいの人が利用するか。記者はほとんどないとみている。
後者の調布駅前の整備だが、これは調布市の事業として行われており、完成は2025年度なので現段階ではよく分からないが、市民が自由に行き交う空間は期待できないのではないかと記者は思っている。
なぜ、これほどまでに異なるのか。詳しく紹介する余裕はないが、一言でいえば街づくりの思想・理念の有無だ。小田急は地域と共存する街づくりを進めようとしている。一方の京王はそれがない(失礼)。初台-幡ヶ谷-笹塚の緑地空間に市民が関わる余地は皆無だ。調布駅前の空間づくりも市民の声(あるのかないのかよく分からないが)が反映されるのは期待薄のような気がする(記者は40年前の緑が豊富な調布駅周辺はよく知っている)。
「恋する豚研究所コロッケカフェ」
「お粥とお酒 ANDON」
正面の「ADDA」のカレーは人気とか
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「お帰り、何か食べてきた? 」「うん」「2,000円渡したんだけど収まった? 」「…(倍以上)」「お酒飲んできたでしょ。すぐ分かるんだから」「…うん」-小田急電鉄の取材を終え、うちに帰ったのは午後2時半を過ぎていた。
利用した「恋する豚研究所コロッケカフェ」「お粥とお酒 ANDON」「日記屋月日」はみんないい店だ。おいしかった。2,000円は本を買ったことにしよう。駅前の温泉旅館・由縁別邸はGo Toトラベルを利用して飲みに行こう。
京王線にも「BONUS TRACK」のような街はできないか。がんばれ京王!小田急に負けるな!
「温泉旅館・由縁別邸」
小田急電鉄〝下北沢の新たな名所〟SOHO&店舗「BONUS TRACK」4月1日開業(2020/3/30)
総理大臣賞に福祉型障がい児入所施設「まごころ学園」 第14回キッズデザイン賞
「まごころ学園」(-記者撮影の★印以外の写真は全て同協議会提供)
キッズデザイン協議会(会長:山本正已・富士通取締役シニアアドバイザー)は9月30日、第14回「キッズデザイン賞」受賞作品237点の中から最優秀賞、優秀賞、奨励賞、特別賞など優秀作品33点を発表。最優秀賞の内閣総理大臣賞は福祉型障がい児入所施設「まごころ学園」が受賞した。
「まごころ学園」は、新潟県見附市にある知的障がい、育児放棄、虐待を受けた子どもたちを受け入れる施設で、見附市、長岡市など5市町村の共同プロジェクト。建物は1辺54mの中庭付きヒノキの木造平屋建て延床面積約2,000㎡。約40人の子どもはそれぞれ6畳大の個室に入所している。
受賞者は福祉型障がい児入所施設 まごころ学園/一級建築士事務所 山下研究室/長建設計事務所/江尻建築構造設計事務所/設備工房アドイン/ハイランドパーク。
授賞理由は、「福祉型施設の課題点を精緻に分析し、空間デザインとして非常にうまくまとめている。管理型になりがちな施設に家づくり・コミュニティづくりの視点を取り入れ、様々な居場所をつくり、子どもたちが無理なく伸び伸びと過ごせる環境を生み出している。個室も完備され、居住空間も良く、カラーリングやサイン計画も秀逸」としている。
プロジェクトを代表して登壇した山下氏は、「思いもよらぬ受賞、感無量です。子どもたちはコンクリでつくられた旧施設から移って一冬を過ごしたが、インフルエンザに罹った子どもはほとんどなかった。生き生きと暮らしている。最高の賞を受賞し、これまでの苦労が報われた。オール・ハーピーエンドとなった。とても幸せ」などと喜びを語った。途中、プロジェクトに関わった自治体の市長から学生さん、大工さんに至るまで約20人の具体的な名前を挙げ喜びを分かち合った。
「キッズデザイン賞」は、子どもの安心・安全と健やかな成長発達に役立つ優れた製品・空間・サービス・活動などを検証する制度で、今回の応募は390点で、先に237点が受賞。累計応募数は5,376点、受賞数は3,205点となった。
同協会会長・山本氏は「キッズデザイン宣言に掲げるように『すべての子どもは社会の宝であり、未来そのものです』-新型コロナの影響を大きく受けている今だからこそわれわれは真価を問われている。ものづくり、ことづくりを通じで子どもに心の豊かさを届けられるよう一層努力していく」と挨拶した。
審査委員長・益田文和氏は「今、社会は自然界からパンデミックや気候変動などのチャレンジを受けながら、戸惑い、足踏みをしているのでしょうか。今年の審査を通して時代の迷いのようなものを感じました。しかし、そういう時だからこそ、子どもたちの中にある未来の不安を打ち消し希望を呼び覚ますために、社会がしなければならないことがあるはずです。状況の変化に柔軟に対応しつつキッズデザインの目標を再確認し、果敢に提案し続けていきたいものです」とコメントした。
山下氏(★)
山下氏(左)と経済産業副大臣・長坂康正氏
山本氏(左)と益田氏
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記者はこれまで10回くらい取材してきただろうか。ほとんど毎回ハウスメーカーやデベロッパー、ゼネコンなど日ごろ取材している企業などが優秀作品に選ばれているので楽しみにしてきた。
ところが、今回は優秀作品33点の中には相互住宅(消費者担当大臣賞受賞)とミサワホーム総合研究所(キッズデザイン協議会会長賞)しかなく、コロナ対策として入場制限なども行われていたので、早々に退却しようと考え、表彰式もぼんやりと眺めるだけだった。
何の収穫も得られず帰ろうとした途端だ。記者の目を射たのが「まごころ学園」の模型とファイルに収められていた図面だった。文字は小さく配布資料もなかったが、優れた作品であることは読み取れた。
設計を担当された長岡造形大学 建築・環境デザイン学科教授・山下秀之氏の話も聞いた。
「子どもたちはインフルエンザに罹らなくなった。喧嘩が激減した。明らかに木質空間の効果。そればかりでない。大人たちがみんな〝自分が住みたい〟と言い出した。これはそのまま全国の施設に置き換えることができる」-嘘のような本当の話を山下氏はされた。山下氏はキッズデザイン賞を教え子の方を含めて過去4回受賞されているとのことだった。今回の作品は、審査員から圧倒的な支持を得たそうだ。
木造ハイブリッドの記事を2本書いた翌日の今回の総理大臣賞受賞作品だけによけいにうれしい。コロナがなければすっ飛んでいきたい作品だ。
ちょうど居合わせた同協会副会長で積水ハウス副会長の稲垣士郎氏に「稲垣さん、御社もこのようなものを造るべき」とけしかけたら、「検討しよう」とまんざらでもなさそうだった。
「まごころ学園」
「まごころ学園」模型(★)
会場(六本木ヒルズ アカデミーヒルズ49)
三菱地所レジ「ザ・レジデンス四谷」24戸 最高35倍 平均9.0倍で即日完売
三菱地所レジデンスが9月28日抽選分譲した「ザ・レジデンス四谷」(販売戸数24戸)が最高35倍、平均9.0倍(登録件数215件)で即日完売した。同社は10月2日付でプレス・リリースを発表するとしている。
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凄い数字だ。戸数は少ないが、これほどの倍率に達したマンションは最近ではまずないはずだ。記者は予想坪単価を外したが、申込者もみんな〝超割安〟と判断したのではないか。
木造マンションの試金石目指す 三井ホーム5階建て延べ床3,700㎡の賃貸着工へ
「(仮称)稲城プロジェクト」
三井ホームは9月29日、木造大規模中層マンション「(仮称)稲城プロジェクト」に着手すると発表した。国土交通省の「令和2年度サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)」に採択されたプロジェクトで、木造による中層マンションをわが国に普及させる試金石となる先導事業として位置づけられている。
主な特徴は、①劣化対策等級3(最高ランク)を取得予定。適切な維持管理により75年~90年の耐久性を確保、省エネルギー等級4(最高ランク)を取得予定②木造枠組壁工法における国内最高レベル(壁倍率30倍)の高強度耐力壁を開発、導入することで、壁厚を従来の約半分に減らし、室内の有効面積を拡大。プランの自由度を高めることが可能に③構造躯体のパネル化により工期を短縮④木造による建物の軽量化で、建物基礎や地盤改良等のコストを低減⑤国産材の活用を通じ国内の森林資源循環への貢献に寄与-など。
物件は、京王相模原線稲城駅から徒歩4分、稲城市百村に位置する5階建て(1階RC、2~5階木造)延べ床面積約3,738㎡。総戸数51戸の賃貸住宅。専用面積は50.82~96.14㎡。着工予定は2020年11月、竣工予定は2021年11月。竣工後は当分の間、同社が所有する。
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三井不動産と竹中工務店のわが国最高層となる高さ約70メートルの木造ハイブリッドオフィス計画の記事をアップした矢先に、この木造ハイブリッドマンションのリリースが飛び込んできた。
場所はよく知っている。良好な環境にある住宅地だ。来年5月には上棟し、見学会を行うということなので楽しみにしている。〝木造の時代〟というのは数年前から聞いてはきたが、いよいよ本物になってきた。
デベロッパーの木造ハイブリッド覇権争い激化 三井不 高さ日本一70mオフィス計画
三井不動産と竹中工務店は9月29日、木造高層建築物として国内最大・最高層となる賃貸オフィスビルを中央区日本橋本町一丁目で建設する計画を進めていると発表した。
計画は地上17階建て、高さ約70m、延床面積約26,000㎡で、2023年着工、2025年竣工を目指す。三井不動産がライフサイエンス事業の拠点にしているエリアの主要な施設の一つとして設置する予定。
主要な構造部材に竹中工務店が開発した耐火集成材の「燃エンウッド」を採用し、木材は三井不動産グループが保有する森林の材など国産材を積極的に使用していく。
物件は、中央区日本橋本町一丁目3 番地、敷地面積約2,500㎡、用途は事務所、店舗、駐車場など。構造はハイブリッド木造。竣工時期は2025年の予定。
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今回の両社のニュース・リリースには「国内最大・最高層」とある。早速、三井不動産にその根拠を聞いたが、「しっかりマーケティングしているので間違いはないが、どこを抜いて国内最大・最高層なのかは他社のことなので言えない」とのことだった。ならばと、一方の竹中工務店にも聞いた。「当社の計画も含めてこれを上回るものがあるかどうかはノーコメント」(同社広報)とのことだった。なので、以下の記事は記者の推測によるものであることを断っておく。
さて、現段階で記者が「最高層」と思っている木造ハイブリッドは野村不動産の高さ約47mの14階建て「プラウド神田駿河台」だ。施工はやはり竹中工務店だ。
これに迫るのが東急不動産が今年8月に発表した高さ約45mの「(仮称)道玄坂一丁目計画」だ。同社は「鉄骨造・木造によるハイブリッド構造のオフィスとして発表されているものとしては、国内最高の階数となる13階建て」と発表した。
今回の三井不動産と竹中工務店の計画は高さ約70mなので、野村不動産も東急不動産も上回るのは間違いない。
では、このほかにこれを上回るオフィスやマンション計画があるかどうかだが、三菱地所の竹中施工の「PARK WOOD 高森」は10階建てだし、「(仮称)大通西1丁目プロジェクト」ホテルは11階建てだ。高さは不明だが、1フロア4mとしても70mには遠く及ばない。
つまり、やはり日本橋本町一丁目のプロジェクトが「国内最大・最高層」となると記者も結論を下した。間違っていたらごめんなさいと謝るほかない。
外国ではこれらよりはるかに上回る超高層建築物の計画があるが、わが国のデベロッパーの木造ハイブリッドをめぐる〝覇権争い〟が面白い展開になってきた。ゼネコンでは竹中と清水が大きくリードを奪っている。住友林業の高さ350mのW350計画はあと20年も先だ。
日本初 野村不&竹中 構造部に木質系部材を採用したマンション「神田駿河台」(2020/2/27)
三菱地所グループ総力結集 国内初の高層ハイブリット木造ホテル 札幌で着工(2020/3/26)
三井不レジ 川口本町4丁目の再開発に事業参画 住宅は約220戸の予定
三井不動産レジデンシャルは9月28日、埼玉県川口市の「川口本町4丁目9番地区第一種市街地再開発事業」の都市計画決定告示が9月11日に行われたと発表した。同社は参加組合員として事業参画する予定。
JR川口駅東口から南に約400mに位置した約0.7haの区域で、鋳物工場跡地を駐車場として利用している低未利用地や、老朽化した木造密集住宅、計画道路拡幅部分にまたがる旧耐震共同住宅などが混在しているエリア。
事業により高度利用と都市機能の更新を行い、約220戸の住宅に加え商業・業務施設のミクストユース型の再開発を目指す。
事業地は、川口市本町4丁目9番地に位置する約約0.7ha。建築面積は約2,000㎡で、延べ床面積は約24,500㎡。主要な用途は住宅、商業、業務施設。住宅は約220戸。事業推進コンサルタントはジーエー建築設計社。参加組合員(予定)は三井不動産レジデンシャル。2021年に再開発組合設立、2022年本体工事着工、2025年竣工を目指す。
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川口駅東口から徒歩4分では、2023年竣工を目指す「川口栄町3丁目銀座地区第一種市街地再開発事業」が行われており、野村不動産が参加組合員として約475戸のマンションを分譲する予定だ。
今回の川口本町4丁目9番地区第一種市街地再開発事業」は、前者よりやや距離があるが、住環境が整備されれば立地的には互角以上だ。分譲時期はだぶらないような気がするが、検討者は悩ましい選択になりそうだ。
アキュラホーム 100人規模のオンライン社内イベント 全国12か所の木曽路と連携
アキュラホームは9月29日、しゃぶしゃぶ、日本料理、焼肉、居酒屋など全国164店舗を展開する木曽路と連携し、ウィズコロナ時代の新たな取り組みとして全国12か所の会場をオンラインでつなぐ100人規模の社内優秀成績者慰労会を開催する。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、同社も入社式、歓迎会、暑気払い、成績優秀者への慰労会など例年行われてきたイベントやパーティーが中止となったが、コロナ禍における「新しい飲み会様式」として実施するもの。
慰労会には同社社員約100名と幹部が参加する予定で、木曽路の最寄りの店舗12か所に集合。全国各店舗をオンラインでつなぎ自由に会話が行えるようにすることで、参加者全員がリアルに集う飲み会のようなコミュニケーションを実現する。同時刻に同じ飲み物、同じ食べ物を楽しみながら、クイズ大会などの余興、オンラインを活用した受賞者家族からのメッセージなどで盛り上げるという。
木曽路もコロナ対策として特別なメニューを用意。リアルな飲み会を演出する。
従来の都内のホテル宴会場などで行ってきた従来の慰労会と比較して、社員の長距離移動がなくなり安全を確保。移動費、宿泊費など全体で約400万円の大幅な経費削減も見込めるとしている。
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いい取り組みだ。高齢者&糖尿病の基礎疾患を抱えている小生は、コロナに罹ったら〝イチコロナ〟になると自覚しており、この7カ月というもの徹底して三密を避けている。
取材で外食をせざるを得ないときは、コンビニでお握り2個と缶ビールを買って公園のベンチに腰掛けて食べるか、お金はかかっても一番安全だと思うホテルで食べることにしている。この前なんか、京王プラザホテル八王子の100坪くらいあるレストランをほとんど一人占めした。喫煙室ももちろんあった。三井ガーデンホテル日本橋プレミアのランチタイムはものすごく安いし、ダイワロイネットホテル西新宿のテラスでは堂々と煙草も吸える。木曽路は何度か利用したことがある。いい店だ。
宮沢社長へ。優秀成績者のみというケチな慰労会ではなく、全社員が自宅からオンラインで参加できるようにし、費用も会社負担にしたらいいのでは(同社は会社が費用援助するウェブ飲み会を行っていると聞いたが)。成績優秀者だって個人の力よりもチームの力によるところが多いのではないか。
ついでにわれわれも飲食代を同社負担としオンラインで参加できるようにしたら、一段と盛り上がること請け合いだ。
ハッピーロード大山商店街にシェアキッチン ジェクトワン 空き家活用「アキサポ」
「かめやキッチン」
不動産の売買・賃貸・仲介、空き家活用事業「アキサポ」などを展開するジェクトワンは10月2日、東京都板橋区のハッピーロード大山商店街にある空き店舗を活用したシェアキッチン「かめやキッチン」をオープンする。開業前の9月28日、関係者や報道陣向けにオープンイベントを開催。板橋区長・坂本健氏も来賓として参加し「再開発が進むエリアの起爆剤になる」とエールを送った。
「かめやキッチン」は、約80年にわたり営業を続けてきた老舗履物屋「かめや」が昨秋閉店となり、オーナーから店舗を地域活性化に役立ててほしいとの要望を受け、同社の空き家活用サービス「アキサポ」によりリノベーションを行い、シェアキッチンへ再生するもの。
再生に当たってはエリアマネジメント手法を採用。ハッピーロード大山商店街振興組合の100%出資会社・まちづくり大山みらいと協議を重ね、地域の人々の料理教室・食育イベント場所として使用してもらうほか、飲食店の起業を目指す人の期間限定店舗としても提供する。
施設は、東武東上線大山駅から徒歩4分、履物屋の店舗だった1階部分の天井を抜いて梁を露出させ、店舗のシンボルだった「亀」をデザインしたロゴを2階の雨戸の部分に設置。約13.5坪の店内には本格的な調理器具を揃えたキッチンスペースを設け、様々な用途の調理を可能としているほか、全16席の飲食スペースも併設。起業家を支援する板橋中小企業診断士協会による「かめやキッチン起業塾」を6回にわたり行っていく。
来賓として参加した坂本区長は、「古い店舗を再生し、地域のコミュニティとも融合させながら、同時に飲食業の起業を目指す人々にもスペースを提供するというコンセプトは意義深いものがある。現在、川越街道周辺では再開発計画が進行中で、皆さんのこの新しい街と古い店舗をつなぐ取り組みが板橋区のモデルになるよう期待している」などと挨拶した。
まちづくり大山みらいの石川政和代表取締役は、「大山は2つの再開発計画でものすごい変化が起きつつある。古いものを残しながら新しいものを揃え、緑と賑わいのある街づくりを進めていく。新型コロナの影響で飲食店は非常に厳しいが、在宅勤務は追い風になる」と語った。
店舗所有者の春日冨美子さんは「昭和30年ころ父が建てた店舗。このように地域のために役立てていただけることを感謝しています」と深々と頭を下げた。
ジェクトワン代表取締役・大河幹男氏は、「5年前に立ち上げた『アキサポ』は定借で空き家を借り上げ、リノベ再生するもので、オーナーの負担なしに資産価値を向上できるのが特徴」と話した。これまで約30件の実績があるという。
同社は2009年1月設立。2020年3月期の売上高は14,100百万円。2016年3月期の6,000百万円から大幅に伸びている。
左からジェクトワン地域コミュニティ事業部・石井萌奈氏、大河氏、坂本区長、石川氏、大山町会会長・松野榮仁氏、大山本町会会長・徳山安子氏
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タカラレーベン(旧社名・宝工務店)が本拠を構えていた隣駅の中板橋とともにお世辞にもきれいな商店街とは言いがたいが、ハッピーロード大山商店街は、リブランの社名が千葉建設だったころから取材のためよく通った。幸か不幸か、同区の十条商店街と同様、開発から取り残されたために昭和の街並みが残っている。
坂本区長や石川氏が語ったように大山は劇的に変化する。現在、市街地再開発事業」約0.85haの「大山町クロスポイント周辺地区第一種市街地再開発事業」と約1.2haの「大山町ピッコロ・スクエア周辺地区」が進行中だ。「大山町クロスポイント」では住友不動産が約340戸の住宅を建設することが決まっている。「大山町ピッコロ・スクエア」は再開発組合の設立準備中。三菱地所レジデンスが事業参画する模様た。
「大山町クロスポイント周辺地区第一種市街地再開発事業」
美しい!記者も絶句 美容外科 初見学 野村不 新コンセプト「GEMS」青山にオープン
「GEMS AOYAMA CROSS」
野村不動産は9月30日、同社の都市型商業施設「GEMS」の新コンセプト施設「GEMS AOYAMA CROSS」をオープンする。表参道駅から徒歩4分、青山通りから一歩入った第2種住居地域(建ぺい率60%、容積率300%)に位置する地下1階地上3階建てのグルメ、ファッション、生活雑貨、ビューティーなど複数の業態が同居するこれまでにないタイプ。開業前の28日、報道陣に公開された。
施設は、“ミシュランガイド”や“アジアのベストレストラン50”でもおなじみの川手寛康氏のフレンチの名店「フロリレージュ」と長谷川在佑氏の日本料理の名店「傳」がタッグを組んだ串料理の新業態「デンクシフロリ」や、人気バッグブランドの新レーベル「Manhattan Portage BLACK LABEL」の初の旗艦店、美容整形やブローエステといったビューティー店舗も加わり、メインストリートから一本入った立地を生かした「隠れ家的なレストラン」や「女性の自分磨き」の場を提供する。
物件は、東京メトロ銀座線・千代田線・半蔵門線表参道駅B2出口から徒歩4 分、渋谷区神宮前五丁目46-7に位置するRC造地上3階地下1階建て。設計デザイン監修はジェネラルデザイン一級建築士事務所。基本設計・監修は野村不動産一級建築士事務所。設計監理・施工はまこと建設。施設運営は野村不動産コマース(2020年10月1日付でジオ・アカマツから商号変更予定)。
「デンクシフロリ」
「意気な寿司処 阿部 青山店」
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生まれて初めて形成外科・美容外科・美容皮膚科を見学した。2階にある「R.O.clinic(アールオークリニック)」だ。白を基調とした内観もさることながら、女性スタッフの美しさに小生は絶句し、まぶしさのあまり目は点になった。
彼女たちが身にまとっている白衣は、所狭しと飾られた開業を祝うランのそれより白く、安物のポリエステルなどケミカル製品とは天と地ほどの差があるシルクであることが一瞬で判別できた。肌と言えば白磁のミロのヴィーナスよりきめ細やかでシミ一つなく、例えていえば獲れ立ての白桃かあるいは搾りたての馬乳酒か、さもなければ織り立ての薄絹のようなすべらかな白だった。(容貌はマスク越しなのでよく分からないが、いわずもがな。目は口ほどにものをいう)
化粧室の鏡がまたすごい。間違いなく美しい人はより美しく、そうでない人もそれなりに際立たせる仕掛けが施されている。小生も映すことを勧められたが、醜悪な顔だけでなく邪悪な内心までも映し出されるのかと恐れ、代わりに同社広報マンに座ってもらいカメラに収めた。
試しに料金を聞いてみた。大きさにもよるが基本的にはシミ取り1つ3万円で、小生のようにシミか死斑か老人班かも区別がつかない吹き出物を〝取り放題メニュー〟(これは身も蓋もない。美しい彼女たちが吐く言葉ではない。もっとましなネーミングはないのか)は9.5万円(税別)だそうだ。髙いか安いか全くわからないが、坪単価1,000万円の〝プラウド〟が飛ぶように売れ、藤井聡太さんの将棋の封じ手に1,500万円の値がつく時代だ。記者が好きな作家・丸山健二氏の次作「ブラック・ハイビスカス」(全4巻で10万円)と同じくらいの価値があるのかもしれない。
プレス・リリースには「“キレイになりたい”“若返りたい”———誰しも心に秘めるそんな願いを、美容医療で叶える時代。院長を務めるのは、美容医療のパイオニアでもある高須クリニックなどで経験を積んだ呂秀彦氏。丁寧なカウンセリングと繊細な治療が評判の医師です。緻密な二重や鼻の形成、たるみ治療、フェイスリフト手術からダイナミックな脂肪吸引や輪郭形成まで、オールラウンドにクオリティの高い手術治療を提供します」とある。
「R.O.clinic(アールオークリニック)」
化粧室
大和ハウス 戸建て住宅向け据え置き型ダストボックス販売開始
「D's stocker(ディーズストッカー)」
⼤和ハウス⼯業は9月25日、ナスタと共同開発した戸建て住宅向けの据え置き型ダストボックス「D's stocker(ディーズストッカー)」を10月1日から全国発売すると発表した。
「D's stocker」は45ℓ入り⼩サイズ(外⼨:幅403mm×奥⾏き356mm×⾼さ699mm)と、100ℓ入り⼤サイズ(外⼨:幅903 mm×奥⾏356 mm×⾼さ699mm)の2種類。価格は小サイズが30,000円、大サイズが40,000円。販売目標は年間1,000台。
同社は、「新型コロナウイルスの影響により新しい⽣活様式へ変化し、⽇⽤品などの買い物だけでなく、⾷事も外⾷を控えデリバリーや⾃宅で料理をする機会が増加したことにより、段ボールやプラスチック容器などの家庭でのごみの量が昨年に⽐べ約10%増加し、約70%の人がごみの分別にストレスを感じている」ことから開発したとしている。
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戸建てのごみ収集方法は自治体によって異なるのだろうが、戸別収集ならこれは便利だ。臨家とのトラブルの種にならないか心配もしたが、蓋は臭気が漏れださないようしっかり閉まるソフトクローズ機能付きだった。ごみ箱ですらソフトクローズ付きにしているのだから、引き戸などをそうしていないマンションデベロッパーは考えるべきだ。
難点は奥行きがやや狭く新聞紙などは入れづらいことだ。同社は「作業スペースも確保しないといけない」と説明したがどうだろう。