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「ザ・パークハウス 自由が丘ディアナガーデン」145㎡のモデルルーム

 三菱地所レジデンスは4月22日、モリモトとのJVマンション「ザ・パークハウス 自由が丘ディアナガーデン」のオンラインモデルルーム内覧会を行った。

 物件は、東急東横線・大井町線自由が丘駅から徒歩9分、目黒区自由が丘3丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率70%、容積率100%)に位置する地下1階地上3階建て全44戸(募集対象外住戸12戸含む)。専有面積は74.72~175.46㎡。竣工予定は2022年6月下旬。施工は東急建設。

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主寝室

◇       ◆     ◇

 記者は、とても楽しみにしていたのだが、同社から事前に送られてきたオンライン視聴用URLが届いていないと勘違いしたために視聴できなかった。仮に視聴できていたら、一番知りたかったのは価格(坪単価)と設備仕様レベルだった。

 内覧会では報道陣から坪単価についての質問もあったようだが、「記事にはしない」という約束で同社はおおよその単価を伝えたという。

 そもそもメディアは、もっとも読者の関心が高い、知りたい単価について「記事にはしない」という約束などしてはならなかった。メディアの自殺行為だ。小生はほとんどそんな約束などしたことがない。(「ほとんど」というのは皆無ではないという意味。武士の情けもあるし、記者は弱い立場にもある)

 それどころか、小生は事業者が「未定」としか発表しなかった「HARUMI FLAG」では「坪単価は250万円が妥当」と書いた。今でも間違っていないと思う。この記事には5,000件を超えるアクセスがあり、最初に「HARUMI FLAG」の用地取得額について書いた記事には1万件以上のアクセスが殺到した。

 とはいえ、取材先との約束は絶対守るのがジャーナリズムの基本だ。なので、その端くれに席を置く小生は単価について触れない。それにしても、三菱地所ともあろうものが、どうしてそのような圧力をメディアにかけるのか。

 もう一つの設備仕様は、内覧会を視聴しておらず、同社から事後に送られてきたVRモデルルームも記事にしないという約束だ(小生はオンラインでは住宅の質は伝えられないと思っているが)。頂いたモデルルームの画像データはとても美しく見える。質は誰も分からないはずだ。

 ただ、デザイン監修を担当しているSKM設計計画事務所のマンションは結構見学している。物件ホームページには、同事務所の桐本将和氏が担当しグッドデザイン賞を受賞した「アールブラン横浜仲町台 」(2019年度)「ザ・パークハウス桜坂サンリヤン」(/ 2019年度)「蘆花公園ザ・レジデンス」(2018年度)「ザ・パークハウス追浜」(2015年度)「ザ・パークハウス戸塚」(2014年度)「パークハウス瀬田一丁目」(2010年度)が紹介されている。このうち小生も見学した記事を添付する。「仲町台」は最高に素晴らしかった。

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リビング(白が基調で、自由が丘にピッタリではないか)

スウェーデンハウス 世界初3DキャラクターによるVR内覧サービス モデル来場2.2倍(2021/4/21)

三菱地所レジ・モリモト 自由が丘の1低層マンション 大規模緑化と既存樹木など保存(2021/4/9)

「HARUMI FLAG」土地代の安さ 価格に反映を 坪250万円が妥当と考えるが… (2019/4/21))

樹影を映し込む外観 まるで絵画のよう モリモト「アールブラン横浜仲町台」(2017/10/24)

今後の市況を測る試金石 三菱地所レシジ・野村・セコム「蘆花公園 ザ・レジデンス」(2016/11/24)

植栽計画が見事 三菱地所レジデンス「追浜」全棟が完成(2014/12/10)

国分寺崖線に沿う高級住宅街の一角 三菱地所「パークハウス瀬田一丁目」(2009/2/23)

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「レ・ジェイドつくば Station Front」

 中部電力グループ・日本エスコンが分譲中の「レ・ジェイドつくば Station Front」を見学した。駅直結の総開発面積約15,614㎡の商・職・住複合再開発「エスコンシティつくば」の一角に位置する免震構造で、坪単価は市内最高峰の235万円。3月末から販売開始し、全218戸のうち第1期144戸が完売。58戸ある億ションを含む100㎡以上は残り4戸。同社のフラッグシップマンションにふさわしい圧倒的な人気を呼んでいる。

 物件は、つくばエクスプレスつくば駅から徒歩3分、茨城県つくば市吾妻1丁目の商業地域に位置する18階建て218戸(他に3階建て店舗棟)。専有面積は67.01~142.41㎡。坪単価は235万円。竣工予定は2022年10月。施工は多田建設。設計・監理はスタイレックス。販売代理はタカラレーベンリアルネット。デザイン監修はああす設計室。照明デザインはライティングM。ランドスケープはグランスケープ。

 現地は、「つくばセンター地区」なかでももっとも利便性の高い駅直結のエリアに位置。同エリアでは西武百貨店筑波店が2017年2月に、イオンつくば駅前店が2018年1月にそれぞれ閉店。

 同社は2018年12月に「つくばQ’t」(敷地面積約9,929㎡)と「つくばMOG」(同約1,119㎡)を、2019年3月に隣接する旧西武棟と旧イオン棟からなる「つくばクレオ」(同約15,613㎡)を取得。旧西武棟はリニューアルし、近く開業する「tonarie CREO」に改称し、開発を進めている「(仮称)tonarie Q’t」「(仮称)tonarie MOG」の3棟を含め「トナリエつくばスクエア」と総称して開発を進めている。

 建物は、旧イオン跡地で建設しているもので、市内で2棟目の免震構造を採用。低層階には、当社グループ会社運営のカフェダイニングを開設するほか、地域コミュティスペース「リトリートハウス」を設ける。駅直結のペデストリアンデッキで繋なげる。

 住戸プランは、もっとも狭いタイプでも67㎡台1スパンを確保し、他は70~96㎡台がそれぞれ1スパン、角住戸と最上階住戸の58戸が100㎡以上と、広いタイプをたくさん設けているのが特徴。

 主な基本性能・設備仕様は、免震構造、二重床・二重天井、リビング天井高2400~2800ミリ、食洗器、ディスポーザー、ランドリールーム、自走式駐車場219台など。

 同社開発事業本部東京開発事業部東京企画販売部マネージャー・塚田圭司氏は、「現地に看板を掲げただけで1,000件の問い合わせがあり、今では2,000件を突破している。1月17日に行った事前プロジェクト発表会には500名が参加し、3月末には第1期128戸が完売。これまで144戸が成約済み。坪単価235万円は市内最高峰で、100㎡以上58戸も残り4戸。坪400万円の高額住戸から売れている。当社のマンションの歴史でもここが一番人気」と語った。

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125㎡のモデルルーム(廊下幅は1.3m)

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 凄い人気だが、記者は納得する。街づくりは、大きな街区で構成されており、車がないと生活できないのは難点だが、緑は豊富だし街並みも美しい。そして何よりもの強みは、研究学園都市として自立的な都市づくりを進めてきた成果が表れているということだろう。県全体では人口減少に向かっているが、つくば市は漸増傾向にある。

 二つあるうちの125㎡のモデルルームもよくできている。天井高は約2.8m、廊下幅は約1.3m、17帖ある主寝室(ドレッシングルーム含む)のドアは親子ドア、リビング・ダイニングは21帖、L字型のテラスは8.5×17mもある-駅直結の徒歩3分で商業施設が整った坪単価400万円の都内の物件だったら、果たしてどこなら買えるか。八王子でも無理かもしれない。

 もう一つの86㎡のモデルルームには、リモート用途をイメージした約5帖のスペースがあるが、専有面積が広いから提案できる-こんな提案をするデベロッパーは少ない。

 わが多摩市にはそんな額のマンションを買えるユーザーはいないかもしれない。圧倒的な人気を呼んでいる免震でZEHの東京建物他「ブリリアタワー聖蹟桜ヶ丘ブルーミングレジデンス」(520戸)は坪単価270万円だし、億ションはそんなに多くないはずだ。

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86㎡のモデルルーム(奥に5帖のリモート用スペースがある)

高層ZEH-M プラン秀逸 日本エスコン「レ・ジェイド大倉山」(2020/2/1)

全戸にホワイエ(屋内廊下)土地の価値を最大限引き出す日本エスコン「渋谷富ヶ谷」(2017/4/24)

ライトコート付きのプラン秀 日本エスコン 首都圏初の〝グラン〟「若松町」(2016/11/4)

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「YANAKA SOW」

 積水ハウス不動産東京、エアトリステイ、オレンジ・アンド・パートナーズは4月22日、「旅するように暮らす」をテーマにした民泊運用型セカンドハウス「YANAKA SOW」の記者内覧会を行った。積水ハウス不動産東京が都市型ホテル向けとして取得した土地に、劇作家・小山薫堂氏が代表を務めるオレンジ・アンド・パートナーズと世界最大級の旅行コミュニティプラットホーム・Airbnbが共同してプロデュースしたユニークなホテルだ。ホテルは5月1日にオープンする。運営は、Airbnbの公式パートナーのエアトリステイが行う。

 施設は、積水ハウス不動産東京がホテル用として2019年末に取得したJR日暮里駅から徒歩7分、台東区谷中5丁目に位置する、従前は民家だった敷地約120坪の3階建て鉄骨造。

 民泊のスタイルを踏襲したフロントデスクを設けない無人のチェックイン・アウトに、街案内役のスタッフ(YANAKA DIGGER)2人を組み合わせることで、友人宅に泊まりに来たようなくつろげる時間を提供するのが特徴。

 客室は37㎡と47㎡の全13室。ルームチャージは37㎡(定員4名)が1.6万円、47㎡(同6名)が2.0万円。1泊から長期滞在も可能で、共用部には無料で利用できるキッチン・ランドリー・ライブラリーなどを備え、各客室にはキッチン、冷蔵庫などを設置している。

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ラウンジ

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愛とエロスの客室(47㎡)

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「Shunga」

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 ホテル用地は、インバウンド需要を見込んで取得したのに違いない。まさかのコロナ禍で、当面は苦境を強いられそうだが、記者は、外観・内装デザインもさることながら、「地元の人と旅人の物語を作っていく」-暮らしと旅と紡ぐコンセプトに惚れ込んだ。客室に「もみじ」「かえで」「かつら」など名称を付けるのは和風旅館では当たり前だが、ここは全然違う。全てを紹介する。

 ①愛とエロス②音楽を掘る③街を読み解く④古寺巡礼⑤禅と仏教⑥他者とのつながりを考える⑦茶人の暮らす家⑧東京ストリート⑨東京の風景⑩東京を食べる⑪日本の家⑫日本の色とかたち⑬日本の暮らしの今昔-。

 皆さん、いかがか。いかにもオレンジ・アンド・パートナーズ代表の小山薫堂氏がやりそうなアイデアだ。①~⑬に一つも引っかからない人はまずいない。記者は、①は悩ましいが(小生より若い記者のYさんは卒業だとか)、あまり興味がない②⑤を除いて連泊したい。(他の記者の方は①に全然興味を示さなかったのが不思議。人生は「愛」だ)

 その①には背表紙に「Shunga」と書かれた分厚い和紙で綴じられたような本があった。中を少し覗いた。北斎、英泉、国貞、歌麿などだった。単身者とかファミリーにはどうかと思うが、若いまたは熟年カップルにお勧めだ。本を読みだしたら眠れなくなることを保障(保証か)する。

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土門拳、谷崎の「陰翳礼讃」がある-何のテーマか

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洗面

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 前段でコンセプトがいいと書いたが、ホテルの「YANAKA SOW」には、住むと泊まるの間を表す「荘」、町に寄り「添う」、地域の「層」を深掘る、という3 つの意味がこめられているという。チェックインから約3時間、YANAKA DIGGERの2人が自らの足で稼いだ街の情報を伝えるというのも頷ける。

 ラウンジには、「大切な人への手紙」「次の旅人ヘの手紙」「YOUR DIG SPOTs」の中から一つを選び、投函する「POST」が設置されている。これをYANAKA DIGGERが開封し、街の人や次の旅人に知らせていくというものだ。

 何でもないことのようだが、この日書いたフージャースコーポレーションの「地域資源と接続する」マンションのコンセプトや、三井不動産が掲げる「残しながら、蘇らせながら、創っていく」再開発のコンセプトとも共通するものがある。

 街を歩くと、この荘・沿う・層にピッタリの資源がたくさんあることが分かる。周囲はほとんど低層の寺だ。その一つ、赤穂浪士の供養塔がある「観音寺」の築地塀は見事だ。文化庁の有形文化財にも指定されている。幸田露伴の居宅跡地もあった。

 取材後、オープン形式の飲食店はないか探したがなかった。仕方なくコンビニで缶ビールを買って、誰一人いない谷中霊園で飲んだ。この日は風が強く、カサカサと卒塔婆が泣いたのにはさすがにいい気持がしなかった。

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「POST」

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現地(左側奥がホテル)

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観音寺の築地塀

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「デュオヒルズつくばセンチュリー」に隣接する公園
 

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小川氏

 フージャースホールディングスの2021年3月期業績予想は、売上高80,000百万円(前期比6.1%減)、営業利益4,200百万円(同37.2%減)、経常利益3,500万円(同36.5%減)、純利益2,400百万円(同766.5%増)で、新型コロナの影響を受けたCCRC事業、不動産投資事業、不動産関連サービス事業などがそのまま数値に反映されそうだが、主力事業であるマンション、戸建て、シニア向けなどの不動産分譲事業が堅調に推移している。第3四半期決算によると、今期引き渡し戸数1,632戸のうち契約済みは1,560戸となっており、進捗率は95.6%に達している。

 同社取締役で、分譲事業を担当するフージャースコーポレーション社長・小川栄一氏と同社営業推進部長・友野珠江氏に話を聞いた。テーマは「街の資源と接続」だ。

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友野氏

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「デュオヒルズつくばセンチュリー」(手前が公園)

 -御社のマンションは、自社開発第一号の「デュオ南浦和サザンヒルズ」(2000年分譲)をはじめ、結構これまで見学しております。第一号では収納に工夫を凝らし、ドアノブを壁面まで後退さていたのを見て、リクルートコスモスのいいところを引き継いでいるなと思ったものです。

 小川 そうですか。第一号は創業から6年目。マンション販売代理で知見を貯め、廣岡が覚悟を決めて自社開発事業を始めたそうです。他との差別化を図るため、モノづくりや女性目線という特徴をアピールしました。これはきちんとこれからも伝えていかないといけない。

 友野 いまあちこちで『女性活躍』と言われておりますが、当社は男女差別などもともとなくフラット。それが当たり前の風土が脈々と引き継がれています。

 -その後、御社のマンションは結構見ているんですが、一昨年のシニア向け「デュオセーヌ豊田」の竣工見学会は別にして、2017年分譲のつくはEX柏たなか駅圏の「トレジャーランドプロジェクト(デュオヒルズ・ザ・グラン)」(253戸)を取材し、友野さんにもインタビューして以来、一つも見学していません。

 取材したとき、友野さんは「3年間で売る」と仰ったが、わたしは最低5年かかると予想していまして、やはり3年では売れず、友野さんは責任を取らされて異動になったのではないかと、それを聞くのが怖かったんです。ところが御社は昨年12月、分譲事業が極めて好調に推移していると発表し、「柏たなか」もとっくの前に売れたと聞きまして、もう嬉しくなって。それじゃということで、この前は「デュオアベニューつくば吾妻」も観てきました。素晴らしい戸建て住宅地でした。それにしても、苦戦必至の「柏たなか」をよくぞ早期完売されました。女性活躍は、友野さんにインタビューしたときの記事を添付します。全てのデベロッパーの社員に読んでいただきたい。

マンション企画、女性活躍の核心を語る フージャースコーポ・友野珠江部長(2017/4/10)

 小川 「柏たなか」は営業がよく頑張って売ったと思います。駅周辺に何もなかったですからね。最初は苦労しました。その後、ぽつぽつと居酒屋などが出来てきて売れましたが…。

 「柏たなか」の経験と反省を踏まえて考えたのは、「街の資源と接続」と「強いコンセプトによる差別化」でした。

 そのきっかけになったのが、現在分譲中の「デュオヒルズつくばセンチュリー」(229戸)です。土地を買ったとき、タカラレーベンさんが駅から6分の「レーベンつくばCORIS」(330戸)を分譲することになっていました。うちは駅から11分。普通の売り方では勝てない、どうやって販売するか、相当悩みました。

 ちょうど敷地の隣につくば市内で一番人気がない、地域の人が〝砂利公園〟と呼ぶ、誰も利用しない水が溜まり、樹木がうっそうと茂った公園があったんです。

 -公園隣接マンションはよく売れますが…。

 小川 ええ。パークサイドマンションとか。しかし、ここはそうではなかった。これを何とかしようと考えたのです。芝生を張り、樹木を剪定してマウンドと滑り台を造ろうと。市の公園管理課に「公園をいじらしていただきたい」と交渉しました。最初は「何を言っているんですか」と。門前払いでした。

 ところが、市の中心市街地の活性化や街づくりなど総合的な企画を考えている部門の方が取り合ってくれたんです。費用も民間が負担してくれるならいいではないかと。ただし、デベロッパーは開発に際して木を伐採してしまうという背景があって、樹木の伐採を一切行わないという条件と共に賛同を得られました。契約書には「市の所有物に芝生を付着することを許可する」と書かれていました。そここまで漕ぎつけるのに1年かかりました。

 そして、樹木伐採がだめだから、樹木医の力を借りて樹木剪定を行い、芝生を張り、明るい緑の公園が出来上がったんです。公園利用者のターゲットを小さい子どもを抱えるファミリーに絞り込み、キャッチボールなどをする大きな子どもは他の公園で遊んでくれるように滑り台などにも工夫を凝らしました。こうして行政とマンション居住者、地域の人たちのWin-Winの関係を実現しました。

 さらに、子どもが遊ぶのを見守り、休憩するための大人のカフェが必要だと、マンションの1階に市内で指折りの「パン工房クーロンヌ」さんを誘致しました。カフェでコーヒーを飲み、おいしいパンを食べながら、また在宅のパソコンも使える緑の空間を造ろうというストーリーを描きました。駅から11分ではあるが、ファミリーが住む価値をつくり出そうと考えました。

 マンション敷地と公園の垣根、フェンスもありません。デッキでつながっています。

 また、地域の方たちやNPOとも連携して公園の維持管理もみんなでやろうという現在進行形のingの仕掛けも考えています。芝生の管理を行う芝育チームもその一つで、そのためのユニフォームもつりました。

 -なるほど。わたしもつくば市のマンションを取材したとき、人っ子一人いない公園を観ています。利用されない公園はつくば市に限らずたくさんあります。行政は管理することを最優先にして、美しい公園にしようという考えはまったくないように見えます。

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「デュオヒルズつくばセンチュリー」に隣接する公園

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「デュオヒルズつくばセンチュリー」に隣接する公園

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「デュオヒルズつくばセンチュリー」に隣接する公園 

 小川 これから広島の標高70mの比治山に隣接する「デュオヒルズ比治山レジデンス」(110戸)を分譲するんですが、コンセプトは「比治山と暮らそう」です。

 この山は〝広島の守り神〟と呼ばれておりまして、現在は広島市現代美術館があり桜の名所にもなっている比治山公園になっています。

 これもingなんですが、地域不動産会社や地域NPOと一緒になって公園の維持活動を行おうと考えています。

 もう一つ。郊外部のプロジェクトで桜並木と川をコンセプトに組み込んで、休日は子どもとサイクリングしよう、自転車に乗ろうと、エントランスや共用施設に工夫を凝らしています。

 つくばの公園も広島の比治山も、郊外部の川もマンションの外ですが、この外にある街の資源とマンションの商品企画を接続して絡め合わせれば、そこにしかない価値を造れるんではないかと。これを今後全面展開しようと考えています。「柏たなか」の反省とはこれです。「柏たなか」は〝街が変わる〟をプロモーションに掲げましたが、街はなかなか変わってくれなかった。

 暗中模索で始め、もがいてもがいて積み上げてできた「つくば」を経験し、一山超えたような気がしています。

 -思い出しました。東京都には民設公園制度があり、東京建物と西武不動産が東村山市の萩山でその制度を利用した第1号マンションを10年以上前に建設しました。しかし、その後、この制度は全然使われていません。公園とマンションなど民有地との間のフェンスをなくした例というのは非常に珍しいケースだと思います。公園に柵が張り巡らされ、檻の中で子ども遊んでいるような現場も見ました。渋谷区はメディアが報道のために公園の写真を撮るのも許可が必要です。

都の民設公園第1号「萩山 四季の森公園」開園祭り(2009/10/5)

公園を所有するマンション 東建・西武「Brillia L-Sio 萩山」(2008/5/26)

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「デュオヒルズつくばセンチュリー」に隣接する公園

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「デュオヒルズつくばセンチュリー」に隣接する公園のデッキ

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「デュオヒルズつくばセンチュリー」に隣接する公園のデッキ 

 友野 街と接続することを可能にしたことは、デベロッパーの概念を変え、境界を広げることにつながるのではないかと。商品企画も仕入れも建築も一体となって取り組んでいこうと考えています。

 小川 マンションの広告も、建物や間取りではなく、公園や山や川などとつながった生活シーンが連想できるようなものにできないかと。

 -広告? 広告といえば、飯田グループホールディングスの「好立地」というタイトルの企業広告には、わたしか住む多摩センターの多摩中央公園が何のクレジットもキャプションもなく紹介されています。市役所に聞いたんです。どうして中央公園の写真を使わせるのかと。答えは、お金を出せば商業目的に使用できるというものでした。さっき話しましたが、渋谷区はかなり厳しいのに多摩市は簡単。バラバラです。ひどいもんです。

 小川 友野 …

 -ぜひ、やってください。〝当社は公園の維持管理に関わっています〟などのクレジットを付ければ可能じゃないですか。

 友野 デベロッパー各社は建物を大きく見せるとか、特定の季節感だけを強調したり、押しつけがましい広告がいまだに多いですが、人間の目線でこうした暮らしをしたいとか、自分がその中にいるような気持ちになれるシーンを伝えられないかと。共感力ですね。土地に敬意を払わないものは社会的な支持を得られなくなると思っています。これが課題ですね。

 -御社は売上的には分譲事業が5割くらいですが、今後はどう考えているのですか。

 小川 財閥系でもパワービルダーでもない当社の未来について廣岡と話し合ったんです。廣岡は学生のころ、森ビルのアークヒルズをみて感動し、そのような再開発を夢見たそうです。当社も現在の財政力なら大規模再開発を1つくらいできるかもしれないが、それって楽しいだろうかと。楽しくないんじゃないかと。アークヒルズと比べれば小規模かもしれないが、マンションをつくって、周辺の街の価値を少しでも向上させる、そのほうが俺らに向いているのではないかと。住宅をつくり街の価値を向上させることはSDGsにも結果的につながっていく。われわれの会社の立ち位置はここにあるんではないかと。

 いま新中計を策定中ですが、当社グループが目指している次のステージは本業回帰ではないかと考えています。これまでの5年間は、マンションは縮小産業だから次は何だとホテル、スポーツ、海外、生活関連事業などを模索しながら展開してきました。振り返ってみると当社の分譲事業はやはり強い、ボラティリティがないとわかったんです。〝分譲のフージャース〟というファクトは伝えやすいと。

 アメリカやアジアでの自社開発は見極めている段階ですが、戸建てやシニア向けも含めた分譲住宅事業で必要利益を出そうと考えています。分譲事業で一定利益を確保して、そのうえで+αとして他の事業を展開しようという方向です。

 「わたしの好きなものではなく、お客さまの好きなものを造ってくれ」と廣岡は言っています。社長の顔色を窺い、よくわからない社長の趣味に合うものなど誰もつれません。しかし、顧客のニーズは科学で解き明かすことができるんです。

 -ありがとうございました。「つくば」はぜひ見学させてください。

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 小川氏プロフィール 1964年生まれ。桐朋高-明治大学卒。1988年4月、コスモスイニシア(当時リクルートコスモス)入社。2001年7月、フージャースコーポレーション入社。2002年2月、同社取締役、2017年6月、同社社長(現職)、2019年5月、フージャースホールディングス取締役(現職)。

◇      ◆     ◇

 【編集後記】 小川社長と友野部長と1時間以上にわたり話しあった。「街の資源と接続」するコンセプトに同感だ。デベロッパーは〝ここに住めばこうした生活ができる〟ということを分かりやすく伝えないといけない。単に価格が安いとか駅に近いというだけではユーザーの心に響かない。

 つくば市の誰も利用しない公園を再生し、マンション居住者や地域とつなげる活動は刮目に値する。公園との柵を取っ払った事例などないはずだ。都市公園のあり方、指定管理者制度の方向性に示唆を与えるものだ。

 同社の販売力と商品企画について補足する。「柏たなか」を3年間で売り切った販売力は、2008年のリーマン・ショックのとき「グランドホライゾン・トーキョーベイ」686戸の販売を受託し、早期完売したことで証明されている。

 小川氏は「当社はコスモスイニシアと似て非なるもの」とも話した。〝頭脳〟も〝足腰〟も誰にも負けないことを言いたかったのだろう。

 「COCOSUMA」「COCO COMMU」を代表する商品企画では、記者が強烈な印象として残っているのは、京王線中河原駅からかなり遠い坪単価138万円の「デュオヒルズ府中多摩川」(187戸)に食洗機を標準装備したことだ。普通のデベロッパーなら価格を抑えるため真っ先に削るはずだ。「忙しい共働きの主婦(あるいは主夫)にとって食洗機は必需品」という認識は記者と一緒だった。

 冒頭に書いたように、同社は2021年3月期第3四半期決算の段階で、引き渡し戸数1,632戸のうち契約済みは1,560戸で、進捗率は95.6%に達したと発表した。駅近など売りやすい物件はほとんどないはずだ。むしろ逆だ。

 同じようなデベロッパーでは、大和地所レジデンスが2021年3月期完成マンション898戸を全て期末までに契約したと発表した-なぜそのような芸当ができるか、じっくり考える必要がある。小川社長は「顧客ニーズは科学」と話した。ここにヒントがあるような気がする。

フージャースHD シニア向け「デュオセーヌ豊田」竣工 半分強が契約済み(2019/8/7)

米・クレセント社の日本初「グランドホライゾン・トーキョーベイ」(2008/2/15)

駅から7分で敷地60坪 素晴らしい フージャース「つくば吾妻」82区画 完売(2021/3/25)

フージャースコーポ 女性・子どもに優しい「府中多摩川」(2013/9/19)

フージャース「デュオヒルズつくば竹園」1年間で207戸ほぼ完売(2008/2/20)

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「+SHIFT NOGIZAKA」

 サンフロンティア不動産は4月21日、ワークスタイルデザインブランド「+SHIFT(プラスシフト)」のフラッグシップ新築オフィスビル「+SHIFT NOGIZAKA」のメディア向け内覧会を行った。

 物件は、東京メトロ千代田線乃木坂駅から徒歩1分、港区赤坂8丁目の商業地域に位置する敷地面積約361㎡、13階建て延床面積約1,289㎡。1フロア82.20~133.30㎡(12席~19席)。1フロア11席前後。賃料は平均9万円/席、平均3.5万円/坪。建物は2021 年3月31日に竣工済み。デザイナーは山下泰樹氏。

 付帯設備は高速wi-fi、プリンタ複合機、ホワイトボード、Bluetooth スピーカー、モニター付応接室、冷蔵庫&電子レンジ、プロジェクター付き共用ミーティングルーム(10席)、コーヒーマシン(1階ラウンジ)、無人ミニショップ(1階ラウンジ)など。

 賃料には管理共益費、家具・機材使用料、清掃費(コミュニティーマネージャー)、廃棄物処理費、水道光熱費、wi-fi 通信費、印刷費(インク・トナー/紙代は別途)などが含まれる。

 「+SHIFT」は、同社とデザイナー・山下泰樹氏がコラボレーション。外観デザインは、“根”をモチーフにこれまでのオフィスの概念を超える斬新なものになっているのが特徴。

 床材には無垢材のフローリングを使用。手に触れる部分にはレザーやファブリックをあしらい、五感を刺激する様々な工夫を施している。

 同社執行役員リプランニング事業部長・小田修平氏は、「リプランニング事業は、5年以上前から付加価値の高いセットアップオフィス事業を展開しており、曜日貸しオフィス、Art×Office、5月にオープンする『LIT』など様々なニーズ対応できている。コロナ禍でもしっかり利益を確保している。今回の『+SHIFT』はDRAFTさんとコラボしたもので、デザイン・意匠から内装、インテリア家具、アメニティに至るまで全てDRAFT化した。豊かな世界観が実現できている。建築費は坪215万円で、内装に坪80万円、家具などに坪20万円、合計で坪315万円。この種の賃貸オフィスでは日本一お金をかけているのではないか。坪3.5万円の賃料は相場の坪2.5万円より高いが、いいものには対価を払うテナントが増えている」と語った。

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1階ラウンジ

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プライベートガーデン付きの2階フロア

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トイレサイン

◇       ◆     ◇

 写真を見ていただきたい。外観がとてもユニークで、東京モード学園か池袋ダイヤゲートを連想させる。立地も最高。乃木坂駅から徒歩1分、乃木神社・公園に隣接。東京ミッドタウン、隈研吾氏がデザイン監修した全197戸が億ションの「パークコート赤坂檜町ザ タワー」も徒歩圏。よくぞこんな好立地の土地を仕入れられたものだ。

 外観だけではなく、内装も床は無垢のフローリング、本革の収納扉・手すり、お洒落なトイレサイン…細かなところにもこだわりを施しており、「+SHIFT」をフラッグシップにする意気込みも感じられる。共用施設も充実している。

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2階プライベートガーデン(正面の巨木は乃木神社の港区保存樹に指定されているシイノキ)

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13階のルーフトップガーデン

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左から「+SHIFT NOGIZAKA」、「パークコート赤坂檜町ザ タワー」、「東京ミッドタウン(乃木神社から望む)

社員の「快適性」と「健康」追求 意欲的な商品企画「秋葉原」竣工 サンフロ不(2021/1/18)

〝日本初 全てがアート〟 サンフロンティア不 シェアオフィス「A YOTSUYA」(2020/11/28)

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サイトページ画面

 スウェーデンハウスと野原ホールディングスは4月20日、世界初の3Dキャラクターによる接客機能を搭載した室内360度バーチャル内覧サービス「VRモデルハウスウォークスルー」を共同開発し、同日からスウェーデンハウスの公式サイトで提供すると発表した。

 「VRモデルハウスウォークスルー」は、両社が共同開発したもので、住宅購入検討者はスウェーデンハウスのモデルハウスをバーチャルで内見でき、オリジナルの3Dキャラクターが内見サポートするウェブサービスだ。

 利用者はWeb上でモデルハウスを内覧することができるだけではなく、好みの3Dキャラクターと営業スタッフに現地で説明を受けているような感覚で会話(ボット機能)をしながら、モデルハウスを内見することができるのが特徴。

 モデルハウス内見用の3Dサービスは、米国マーターポート社(Matterport, Inc.、URL:https://matterport.com/ )が開発した「Matterport® True3DリアリティーキャプチャープラットフォームおよびMatterport Pro2 3D カメラ」を活用しており、このシステムに3Dキャラクター関連機能を搭載したのは世界初という。

 発表会で同社・村井秀壽社長は、「わたしは3年前に終の棲家としてスウェーデンハウスの住宅を建てた。3重窓や高気密・高断熱住宅のよさを実感した。コロナの影響でモデルハウスの来場は減少しているが、Z世代を中心に住宅取得のニーズは高く、当社もまだまだ伸びしろがある。今回の世界初のトライによって業績は10%伸びた」と語った。

 また、同社営業推進部部長・大川保彦氏は、「昨年5月から試行的に3Dウォークスルーを導入したところ、モデルハウス来場予約は2020年3月期の757件から、2021年3月期は1,665件へと2.2倍に増加した。モデルハウス来場者による成約率は2~3%だが、Webを通じた成約率は10%に達している」と具体的な数値を示した。

 野原ホールディングス社長・野原弘輔氏は、「昨年の春以降、VRの撮影依頼が急増している。DXを加速させる」と話した。

 両社は今後、検索項目を増やし、例えばモデルハウスに使用されている家具をクリックすると、製造はどこかいくらで販売しているかわかるようにするなど、ブラシュアップしていくという。

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村井氏(左)と野原氏

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熊谷モデルハウスにおける現地(左)と同サービス(右)の対比

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3D キャラクター

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 スマホすら満足に扱えない記者にとって、発表会の1時間というものはちんぷんかん、何のことなのかさっぱりわからなかった-というよりは、ずっと話を信じていなかった。

 なぜか。昨日書いた積水ハウスのライフスタイル型モデルハウス「みんなの暮らし 4stories」の記者発表会・内覧会の記事を読んでいただきたい。積水のモデルハウス内覧会は同社の広報のスタッフが撮影した動画を配信したものではあったが、モデルハウスのよさを伝えきれておらず、プロが担当してもオンラインでは住宅の質感を表現できないと確信したからだ。

 スウェーデンハウスの住宅だってそうだ。いくら村井社長が「三重窓はいい」といったところで、これは実際に体験してみないとそのよさはわからない。

 同社の住宅は、C値(相当隙間面積)もQ値(熱損失係数)もU値(外皮平均熱還流率)も他社を圧しているが、これら優れた数値がもたらす快適な居住環境、空気感、居心地の良さなどのリアル感は、いかなる精巧な3Dキャラクターを駆使し、画像の解像度を上げたところで演出できないはずだ。

 村井社長など3氏の話を聞きながら、3Dキャラクターにトナカイ「ムース先生」やスウェーデンのきれいな女性を起用しようが、劇的に住宅展示場のあり方を変えることなどできはしないと、ずっと考えていた。

 ところが、記者発表会の後のシステム体験会で、その考えがぐらついた。

 自分のライフスタイルにあわせたモデルハウスを選び、こだわりなども設定し、指向性は記憶させることもできるというのは想定内だ。

 驚いたのは、モデルハウスの内観のところどころに◎印がついており、そこをクリックすると、その部位の素材や特徴などが表示されたことだ。読者のみなさんもぜひ体験していただきたい。(VR モデルハウスウォークスルー  https://vr.swedenhouse.co.jp/)本音を言えば、記者は操作も満足に行えないので、VR画像などをWebでほとんど見たことがない。どこまでが従来もある技術で、どこからが〝世界初〟なのかよくわからない。

 それにしても、凄い世の中になってきた。同じようにAI技術を活用したシステムでは、東急リバブルが投資用マンションと顧客をつなぐ「投資用区分マンションAIマッチングシステム」を開発した。これによると、営業経験5年以上の担当者が行う物件選定と遜色ないレベルを実現したというではないか。

 だが、しかし、村井社長も話したように、いかにAI技術が発展しようとも人間の五感に迫るリアル感は開発できないのではないか。

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同社の三重窓(Low-Eガラスは内と外に2枚、木製枠は熱が遮断されるので内側はアルミサッシ、樹脂サッシよりはるかに耐火性能は高い)

リアルを伝えたか 説明的にすぎはしないか 積水ハウス オンライン内覧会の課題(2021/4/20)

東急リバブル 営業職5年以上と遜色ない物件選定AIマッチングシステム開発・稼働(2021/3/31)
 

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「関西 住まいの夢工場」

 積水ハウスは4月20日、京都府木津川市にある総合住生活研究の「関西 住まいの夢工場」に新設したライフスタイル型モデルハウス「みんなの暮らし 4stories」の記者発表会・内覧会を行った。モデルハウスは4月29日にオープンする。

 「みんなの暮らし 4stories」は、理想の住まいを説明的に伝える従来型のモデルハウスから脱却し、人が本当に住んでいるかのようなリアルな生活・暮らしを提案することで「共感」を呼ぶことをコンセプトにしている。

 今回新たにオープンするモデルハウスは、二世帯向けの「高橋さんち。」、自分と家族の「王国」を築く富裕層向けの「財前さんち。」、アクティブシニア向けの「山本さんち。」、子育て&共働き世帯向けの「小林さんち。」の4棟。

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積水ハウス執行役員総合住生活研究所長・野間賢氏(左)と河崎氏(記者はこの日の河崎氏の衣服について、小さい画像しか見えなかったが「春爛漫にふさわしい淡黄蘗(うすきはだ)」と表現した。河崎さん、間違っていませんよね)

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 同社から取材の案内が届いたとき、小説の舞台にもたびたび登場する木津川を観たいものだと参加も考えたが、ライフスタイル型モデルハウスは昨年8月に「関東 住まいの夢工場」で見学しており、コロナ禍で交通費と時間をかける価値とを天秤にかけて断念した。ところが、発表会の数日前に、オンラインでも参加を受け付けるとのメールが届いたので参加した。

 ただ、この日(4月20日)、記者はスウェーデンハウスの「世界初の機能を搭載したオンライン住宅展示場システム発表会」にリアルで参加することも決めていたので、積水ハウスのオンライン見学会は途中で退席した。その際、以下のような率直な感想をチャットで送った。

 「河崎さん(この日、施設の説明を行った同社執行役員住生活研究所長・河崎由美子氏)は『共感』と仰いました。わたしは、モデルハウスに使用されている床材、壁材、建具家具などの素材がなんであるか、天井の高さや階段の広さなどを具体的に伝え、空気感が感じられるような語り、演出も必要だと感じます。

 これは御社だけでなく、オンライン説明会はやや説明が過ぎるというのが率直な感想です。一番良かったのは『樟の一枚板』でした。クスノキの香りを伝えればもっとよかったし、『豪華』というのは『美しい花』と一緒。『目も彩な』というようにどのように豪華なのか伝えるべき。古河の見学会での『小林さんち。』を説明された方は最高によかった」と。

 このチャットは少し補足する必要がある。「御社だけでなく」としたのは、あるデベロッパーのオンラインでのマンションプロジェクト発表会を視聴したときも同じような感想を抱いた。今回の発表会は「(同社)広報室社員の携帯端末からの簡易配信のため、音声・映像などの乱れなど閲覧しづらい部分もあるかと思いますが」ということを割り引いても、「4stories」のよさを伝えきれていないと感じた。一方通行のオンラインの課題だろう。

 「一番良かったのは『樟の一枚板』」とも書いたが、これは「豪華」なバーカウンターを担当者が紹介したものだ。これは分かる人には分かるだろうが、その豪華さをどこまで伝えられたか疑問だ。

 「目も彩な」は、同社が2018年に「住生活研究所」を設立し、その発表会を行ったとき、河崎由美子所長の衣服に記者は感動を覚え、次のように書いた。「この日の河崎氏が着ていた洋服がまた目もあやな、えもいえぬ『赤』だった。本人に聞いたら『タイシルクです。70代の母が着ていたワンピースをツーピースに仕立て直したものです。〝幸せ〟の継承です』と語った」

 ここで「河崎氏が美しい」と書いていたら、ご本人も含め顰蹙ものだったに違いない。

 「古河の見学会での『小林さんち。』」は、添付した記事を読んでいただきたい。説明したのは住生活研究所課長・木野村昭彦氏(41=当時)だった。木野村氏は最初に「リアルを表現した」と短い言葉で特徴を言い切り、自らの子育て・共働きをリアルに語った。

 そんな経験をしているのでチャットで注文を付けた。

 ただ、素晴らしい説明もあった。「山本さんち。」で担当者の方は、敷地に植わっている、「山本さん」が植えたアカマツについて「アカマツの葉っぱ(二葉松)は、枯れても離れずにくっついている」という主旨の説明をした。熟年夫婦をアカマツの枯葉に例えるこうした意表を突く言葉にみんな共感を覚える。別れたくてしょうがない妻、あるいは夫もドキリとするはずだ。

 とりとめないことを書いた。この続きはスウェーデンハウスの記事で書く。積水ハウスが伝えられなかったものをスウェーデンハウスは伝えた。

従来の総花的提案から脱却 積水ハウス ライフスタイル型モデル「7stories」開設(2020/8/27)

〝幸せ(人間愛)〟のさらなる追求に期待 積水ハウスがわが国初の「幸せ」研究所(2018/7/27)

 いちごは4月19日、2021年2月期決算を発表。売上高613億円(前期比29.8%減)、営業利益96億円(同65.1%減)、経常利益71億円(同70.6%減)、純利益50億円(同38.7%減)となった。新型コロナの影響を受け、ホテルの賃貸収益が大幅に減少した。

 アセットマネジメント事業は、コロナの影響を受けいちごホテル売上に連動するベース運用フィーが減少し、物件売却益がなかったことなどから売上高は2,480百万円(前期比37.2%減)となった。

 心築(心を込めて既存不動産に新しい価値を創造する)事業は、コロナの影響により資産の売却を見送り、売却益が減少した結果、売上高は54,780百万円(同32.0%減)となった。ただ、レジデンスは賃貸収益の安定性を背景に堅調に推移した。

 収益の安定性が高いクリーンエネルギー事業は売上高4,654百万円(同22.6%増)と順調に成長した。

 2022年2月期業績予想はレンジでの開示とし、営業利益120~91億円(前期比24.1%増~5.9%減)、経常利益89~60億円(同24.0%増~16.4%減)、純利益80~50億円(同59.1%増~0.5%減)を見込んでいる。


 

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湘南ステーションビル「ラスカ平塚」のアートギャラリートイレ(全て同社提供)

 湘南ステーションビルの「ラスカ平塚」のトイレを見学した。噂にたがわぬ素晴らしいトイレであることを確認することができた。「トイレは経営の問題」という哲学の一端を垣間見る思いがした。

 最初に見学した「ラスカ平塚」のトイレは、1階と2階の階段室の中央にある男性用トイレだった。間口は優に10mを超えていた。しかも、壁面は直線ではなく、湘南の海の波をモチーフにしたのか緩やかなウェーブが掛かっており、本物の木枠や真鍮製のキャビン窓があしらわれていた。内部も木調デザインで統一されていた。

 一定の条件を満たす人でないと利用できない女性用の2階と3階の階段室中央にある「マーメイドルーム」は見学できなかったが、これは〝トイレ〟の概念を超えるものであるのは間違いない。カード鍵付きなので一人しか利用できないようになっており、便器は1ブースしかない。その代わりウォーターサーバー、コーヒーメーカー、化粧品、フィッティングルームなどが備わっており、トイレというより多目的に利用できる休憩室(レストルーム)そのものだ。

 もう一つ、素晴らしいコンセプトのトイレも3階にあった。2014年から実施しているもので、市内にある東海大教養学部芸術科学科デザイン学課程と提携し、年2回、学生の作品をトイレに掲出している。作品は学生の学課の評価基準にもなっているという。小便器、大便器含め男性用トイレには10作品以上掲げられていた。みんな素晴らしいものばかりだった(女性用もほぼ同様のようだ)。2階のベビールームも初めて見た。

 掃除などメンテナンスを担当する人も、女性は「マーメイドスタッフ」、男性は「ポセイドンスタッフ」と呼ばれ、専用のユニフォーム姿だった。

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これがトイレか まさにアートギャラリー出入口

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会員制パウダールーム

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会員制パウダールーム

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会員制パウダールーム

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 「湘南ステーションビル」のトイレの取り組みは、日本トイレ協会会長・小林純子氏編著「心に響く空間―深呼吸するトイレ」(弘文堂、設計事務所ゴンドラとの共著)で詳しく書かれている。元湘南ステーションビル社長で交通道徳協会会長・室賀實氏と、同社元専務・佐竹明雄氏の対談だ。少し長いが紹介する。

 室賀氏が社長に就任したのは平成2年。当時、経理部課長代理だった佐竹氏は、「当時の駅ビルは平塚に限らず、国鉄・JRの退職者の受け皿みたいな位置づけでしたから、男性社員は隠居後の仕事として割り切っていましたし、女性社員にいたっては電話番か来客のお茶出しをするだけで、あくまで男性社員の補助でした。社風は極めて保守的で前例踏襲を金科玉条としていて、職場は沈滞ムード一色でしたね」と語っている。

 その沈滞ムードを吹き払うプロジェクトとして、室賀社長は平成3年4月、「CBF」(Conductors for the Best Future=最良の未来を導く人々)を立ち上げ、佐竹氏を事務局長に据えた。メンバーは、入社したばかりの社員を含めることを条件に男女同数、所属する部署、地位・性別に関係なく編成した。

 CBFで出た提案は全て経営会議で議論された。もっとも多く出たのがトイレに関する提案だった。そこで、女性社員に限ってトイレの勉強をする有志を公募。総務部、経理部、事業部、営業部の各部から編成された4名のトイレ研究グループWC(ワンダフルクラブ)が誕生した。メンバーは全国のトイレ約40か所を視察し、5点満点で採点したところ、ラスカは2.7点にしかならなかったという。

 その後、改革を進め、前段で紹介したようなトイレ整備を行った。清掃員の呼称も〝おばあちゃん〟から前段の「マーメイドスタッフ」「ポセイドンスタッフ」に改めた。士気の向上につながった。効果はてきめんで、売り上げ増にも寄与したようだ。

 現在まで社長は何度も交代したが、今でもWCは継続して活動しているという。

 会員制の「マーメイドルーム」は他の商業施設などにも影響を与え、渋谷ヒカリエにも同様の施設があるようだ。

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女子用トイレ

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ベビールーム(授乳室もあった)

マスク越しに強烈な匂い 平塚駅前公衆トイレ 利用者はほとんど男性 トイレ考Ⅲ-3(2021/4/3)

富士を観ながら…日本トイレ協会「特別奨」受賞 「ダイヤゲート池袋」 トイレ考Ⅲ-2(2021/4/1)

多様化する利用目的 少ない車いす対応 マンホールトイレ 畢生のトイレ考Ⅲ-1(2021/3/31)

トイレ紙1日使用量 男性3.5m 女性12.5m 年間排泄量15t 畢生のトイレ考Ⅱ(2021/3/30)

櫂 糞尿譚 陰翳礼讃 水琴窟 シカの糞…虚々実々 記者畢生のトイレ考(第1回)(2021/3/29)

安否確認イベントに過去最多65%参加 三菱地所レジ・コミュニティ 津田沼「奏の杜」(2021/3/14)

「美しい公衆トイレ発信できた」安藤忠雄氏/世界からオファー 日本財団PJ(2020/9/15)

素晴らしい槇文彦氏、田村奈穂氏、片山正通氏 日本財団 渋谷公園トイレPJ(2020/9/21)

〝駅なのか街なのか〟JR東日本最大規模の「グランスタ東京」8/3開業 トイレに注目!(2020/7/30)

マンション・戸建て トイレはTOTO、LIXIL、パナソニックがデッドヒート(2020/3/24)

デベロッパーも取り組んでほしい 「TOTO商品はすべてがユニバーサルデザイン」(2020/2/3)

女性輝けないトイレ 「利用しない」公園90%、駅38%、職場30% 国交省アンケート(2017/1/21)

労働環境改善活動にエール 全国低住協「じゅうたく小町部会」に参加して(2016/11/26)

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「イニシア日暮里アベニュー」

 コスモスイニシアが分譲中の「イニシア日暮里アベニュー」を見学した。同駅圏の「イニシア日暮里テラス」(54戸)と「イニシア日暮里プロジェクト」として同時に昨年6月から販売しているもので、前者は未分譲3戸を含め残りは9戸、後者は残り3戸と順調な売れ行きを見せている。

 「アベニュー」は、山手線鶯谷駅から徒歩6分、荒川区東日暮里四丁目の尾竹橋通りに面した商業地域立地の11階建て45戸。専有面積は33.09~55.6969㎡、先着順で販売中の住戸(6戸)の専有面積は33.09・55.69㎡、価格は3,748万~5,198万円。平均坪単価は350万円。建物は2021年1月に竣工済。施工はライト工業。

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土間側から引き戸を開け放した状態

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土間側蟹引き戸を閉めた状態

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リビング側から引き戸を開け放した状態

◇       ◆     ◇

 この物件については、昨年6月にモデルルームを見学しているのでそちらを参照していただきたい。

 今回注目したのは、約2.1畳大の「土間」を設けた33㎡1LDKのタイプだ。45戸のうち7戸に採用されているもので、記者はこれにほれ込んだ。もちろん好き嫌いはあるだろうが、引き戸を閉めれば室内を隠すこともできる。玄関窓もついている。多目的に利用できるのではないか。リビング・ダイニング・キッチンに床暖房付きだった。

 もう一つ、同じ広さの1LDKも見学したが、こちらは土間の代わりにシューズクローゼットやウォークインクローゼットを充実させたもので、女性はこちらを選ぶそうだ。

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満開のオオアマナ(花はハナニラに似ているが茎などに匂いがない)

「Doma(土間)」とLDK一体化 コスモスイニシア「日暮里テラス」企画秀逸(2020/6/26)

 

 

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