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「グランドメゾン センター北フロント」

 積水ハウスが分譲中の「グランドメゾン センター北フロント」を見学した。先月1月16日に全45戸を一挙供給したところ、45件に登録が入り36戸に申し込みが入るなど好調なスタートを切った。首都圏では同社初のZEHに加え、駅から徒歩4分、全戸南向き、全戸70㎡以上という商品企画が評価された。レベルの高いマンションだ。

 物件は、横浜市ブルーラインセンター北駅から徒歩4分、横浜市都筑区中川中央1丁目の商業地域(建ぺい率100%、容積率600%)に位置する11階建て全45戸。専有面積は現在販売中の住戸(8戸)の専有面積は70.18~84.40㎡、価格は7,078万~8,298万円。坪単価は334万円。竣工予定は2021年12月中旬。設計・監理は宮川憲司建築事務所。施工は松尾工務店。

 現地は、オフィスやマンションなどが建ち並ぶ、建物の絶対高さが31メートルと定められている商業エリアの一角。東南西側に接道。敷地東側は2019年3月に竣工完売した野村不動産「プラウド港北センター北」(90戸)が隣接。

 建物は、内廊下方式で1フロア5戸構成。1・2階が店舗・共用施設。3階以上が住居。

 住戸プランは全戸70㎡以上、南向き、6.6メートル以上のワイドスパンが特徴。主な基本性能・設備仕様は、同社の首都圏初のZEHに加え、二重床・二重天井、リビング天井高2,470ミリ、ディスポーザー、食洗器、洗エールレンジフード、ミストサウナつきおそうじ浴槽、アラウーノトイレ、メーターモジュール廊下、Low-E複層ガラス(樹脂サッシ)、空気環境配慮「エアキス」、全戸トランクルームなど。

 販売センター店長で同社東京マンション事業部販売課の矢部達郎氏は、「私は2002年入社ですが、これまで担当した物件の初月契約率はだいたい3割くらいで、今回のように8割というのは初めて。来場者の6割の方は地元都筑区居住者で、他の方も地縁のある方が多い。持家の比率が25%と高いのが特徴。ZEHはもちろん、センター北で全戸南向き、駅から徒歩5分以内の物件は13年ぶり供給というのが評価されました」などと語った。

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モデルルーム

◇      ◆     ◇

 モデルルームを見学する前に現地を見た。現地の対面、道路を挟んだ南側に広大な空き地があった。商業地域であれば建物によっては日照・日影の影響を受けそうなので、坪単価は300万円をはるかに突破するが、坪350万円は難しいと予想した。

 矢部氏の話を聞いて納得した。矢部氏は「南側の空き地は横浜市が所有しており、文化センターと民間のオフィスビルが建設されることが決まっています。日影などの影響を受けそうなビルとの距離は20メートルあり、ビルは高さ規制に加え目線に配慮した計画になっていることをお客さんに話せたのが却ってよかった」とのことだった。マンションの質・設備仕様レベルを考えたら極めてレベルの高いマンションだ。同社は今後ZEHに力を入れていくとも聞いた。

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現地(背後が「プラウド港北センター北」)

◇       ◆     ◇

 入社20年という矢部氏からはこれまで担当した物件を聞いた。野村不動産などとのJV「若葉台」をはじめ「玉川上水」「東京テラス」「杉並シーズンズ」「東伏見」「千川」「千歳烏山」「神楽坂」「江古田」などだ。神奈川の物件を担当するのは初めてなので、即日完売した「大倉山」、抜群の住環境だった「東戸塚」「伊勢山」や、都内でも人気になった「白金台」「品川シーサイド」は経験しておらず、名古屋に異動したときも「御園座」「覚王山」も経験していないのだそうだ。

 記者は、矢部氏が担当した物件をほとんど見学している。担当しなかった物件もここに一挙再録する。(「大倉山」は見学しようと思ったら、その前に売れてしまっていた)みんな素晴らしかった。

 矢部さん、ものは考えようだ。室・設備仕様レベルの退化は目を覆うばかりで、〝価格ありき〟の物件が幅を利かしているいま、そのような〝売りやすい〟物件を担当するのもいいかもしれないが、販売に多少苦労しても、住宅の質・設備仕様レベルを向上・維持し、購入した人に〝買ってよかった〟と満足してもらえる物件を供給し続けるのが〝経年美化を〟掲げる御社の使命だと思う。それが従業員満足度にもつながる。記事は一般の方も少しは読まれると思う(「伊勢山」はアクセス数が1万件をはるかに突破した)ので、ブランド価値向上に貢献できていると思う。

 緊急事態宣言下でもあるにもかかわらず、取材をセットしていただいた同社広報にも感謝する。

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オプションの隠せるキッチン収納(値段は250万円とか)

植栽が見事「東京テラス」「玉川上水グランドメゾン」(2006/5/31)

積水「グランドメゾン杉並」で見た売主の〝良心〟(2006/9/1)

景観美に圧倒される積水ハウス他「グランドメゾン東戸塚」(2008/3/25)

億ションの歴史を変える積水ハウス「グランドメゾン伊勢山」(2011/5/13)

植栽が見事な積水ハウス「白金」タワーマンション(2013/8/30)

積水ハウス「グランドメゾン上原」坪単価480万円でも億ション人気(2014/5/19)

国分寺崖線の借景、「5本の樹計画」もいい 積水ハウス「グランドメゾン仙川」(2015/2/3)

積水ハウス サ高住と子育て賃貸共存型の「神楽坂」完成(2015/4/27)

呉越同舟効果「5本の樹計画」の本領発揮積水「品川シーサイド」1期207戸!(2017/3/24)

和の格式と伝統の継承を隈研吾氏監修の御園座タワー完成積水ハウス・御園座(2018/1/8)

積水ハウスわが国初全戸ZEH対応「グランドメゾン覚王山菊坂町」(2018/1/10)

緑の質量に圧倒エントランスに樹齢100年巨木「江古田の杜」街びらきに千数百人(2018/9/23)

稀有な駅近で大規模な1低層積水ハウス・清水総合開発「世田谷喜多見ザ・テラス」(2021/1/16)

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 2月1日の東京都の新型コロナ感染者は363人となり、累計で100,234人と10万人を突破した。男女別では、男性が56,179人、女性が44,039人で、比率は56.1:43.9。感染経路不明者は58,799人で、経路不明率は58.7%となっている。

 年代別・男女別感染者の数値を別表・グラフに示した。年代、男女別ではかなり差があることがわかる。平等に襲いかかっているはずのコロナだが、行動範囲の違いだけでは説明できない、ジェンダー性差、就業形態の違いが表れていそうだ。

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「Lifegenic W(ライフジェニックダブリュー)」

 大和ハウス工業は2月1日、Web限定の木造戸建住宅商品「Lifegenic W(ライフジェニックダブリュー)」を2021年4月1日に発売すると発表した。

 同社は2019年11月、Webサイトを通じて楽しく簡単に家づくりを体験できる戸建住宅商品「Lifegenic(ライフジェニック)」を発売しており、これまでにWebサイトへのアクセス数は135万回以上に及び、約600棟を販売するなど好調であることから、「ライフジェニック」のバリエーションを拡充し、都市部をターゲットにし、建物が近接する密集地や旗竿地にも対応できる敷地対応力に加え、近隣からの目線に配慮し、光・風の採り方にも工夫を凝らしているのが特徴。

 「テレワークスタイル」を選択可能としたほか、ウイルスなどをリビングに持ち込まないよう動線に配慮し、「家事シェアハウス」を選択できるようにもした。都市部に多い狭小地にも対応するため、間口のモジュール4 m55cmから45.5cm単位で広げることの出来るプランを用意。ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)にも対応する。

 プランは室内への光の採り方が異なる「コの字型」「Lの字型」「スクエア型」 の3タイプ。

 2月4日から首都圏と関西圏でプレ販売を開始し、4月1日から沖縄と一部を除く全国で販売する。販売目標は年間800棟。「Lの字型」プラン(延床面積89.42㎡)の参考価格は2,035万円(税込)。プランは15タイプ45プラン。構造は軸組工法2階建て。

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内観


 

 この日(2月1日)、つけっ放しにしているテレビからあのよくしゃべる宮根誠司氏の声が飛び込んできた。同氏が司会を務める日本テレビの情報番組「情報ライブ ミヤネ屋」だ。いつもなら〝またか〟と聞き流すのだが、番組に出演されていた政策研究大学院大学政策研究科教授・土谷隆氏がわが耳を疑う凄いことを話された。

 聴くために観ていたわけではないので正確に話されたことを再現はできないが、土谷氏は宮根氏の問いに「1億人感染しても、(しっかり対応すれば)コロナは収束するんです。厳しく規制して早く終わらせることが大事。感染を減らすスピードを上げることはできる」というような主旨のコメントをされたはずだ。

 小生は、日本テレビは読売=巨人で、宮根氏もジャイアンツファンだろうから好きになれないし、一部のスポーツ紙がテレビに出演しているタレントなど著名人の発言をそのまま記事に垂れ流しているのと同じ穴の狢にはなりたくはないのだが、土谷氏のこのメッセージほどわれわれ国民に勇気と希望を与えるものはないと思うので、ご本人の了解は得ずに(これから事後承諾を得る予定)、紹介することにした。この種の報道目的の記事は著作権に触れることはないはずだ。

 土谷氏は自らのホームページで、1月26日時点で東京都の新型コロナウイルス感染症新規陽性者数予測をされており、AとBのケースを想定し次のように予測している。みなさん、Aを実践しようではないか。

A:2月7日まで我々が緊張感を持って緩まずに現状の減少ペースを続けることができた場合(2月7日で154人)これを目指すんだという政府のしっかりした目標設定とリーダーシップが必要

B:途中で緩んでしまった場合(2月7日で509人でその後上昇する)

 1月31日の東京都の新型コロナ感染者は633人となり、日曜日としては6週前の556人、5週前の708人の水準まで減少した。また、経路不明者は291人で経路不明率は46.0%と50%を下回った。

 気がかりなのは70歳以上の感染者は163人で、全体に占める割合が25.8%に達していることだ。100歳以上も1月28日までに32人(累計48人)に上っていることを紹介したが、その後、29日は女性1人、30日は女性2人、31日には男女各1人の感染が判明し、1月のみで感染者は36人(累計53人)となった。

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【表・グラフの見方】着工戸数はA・青、このうち居住面積が40㎡以下がB・赤、供給戸数はc・緑で不動研調査による戸数。A-(b+c)は謎の数値

 昨年(2020年)の首都圏マンション供給量が激減したことを各紙が報じている。1月25日付の不動産流通研究所のWeb「R.E.port」は「首都圏マンションの新規供給戸数は2万7,228戸(前年比12.8%減)となり、1992年以来となる年間供給戸数3万戸割れとなった」と発信した。翌日、朝日新聞は「20年の発売戸数は、春の緊急事態宣言で販売を一時休止したことが響き、前年比12.8%減の2万7,228戸と、92年以来、28年ぶりに3万戸を下回った」と記事にした。

 双方とも不動産経済研究所(以下、不動研)のプレス・リリースをそのままコピペしたものだ。住宅新報も週刊住宅も2月1日発売号で同じような記事を発信するはずだ。(不動研のほかに工場市場研究所、東京カンテイも同様な調査を行っている)

 記者は、調査や記事に異論を挟むようなことはしたくないのだが、記事は半分当たっているかもしれないが、コロナ禍で市況が低迷しているかのように印象付けるのは明らかに間違いだと思うし、何よりも一般の人の誤解を招くのではないかと危惧するので、以下に「事実」を記す。

 別表とグラフを見ていただきたい。最近5年間の首都圏(一都三県)の分譲マンション着工戸数と、その戸数のうち居住面積が40㎡以下の戸数(非木造)、そして不動研が発表している年間の供給戸数を比較したものだ。

 これによると、不動研調べによる昨年の供給戸数は着工戸数の半数しかなく、この5年間の数値もほぼ同様だ。着工時期と供給時期はタイムラグがあるので一致はしないのだが、着工戸数の半分しか供給(成約)できなかったら、間違いなく事業は破綻する。それなのに、悲鳴などは聞こえてこない。

 なぜか。業界関係者ならお分かりだろう。不動研の調査対象は専有面積30㎡以下や投資用マンション、1棟売り、非分譲住戸などは含まれないはずだ。一方で、国交省の住宅着工戸数は確認申請の数字をそのままをデータ化したものだ。この溝を埋めない限り正確な分譲マンション市場を把握することはできない。

 双方の数値の違いに大きな影響を及ぼしているのが、ここ数年激増している単身・DINKS向けコンパクトマンションや投資家向けマンションだ。これらがいったいどれくらいの戸数に達するのか、どこも把握できていないはずだが、着工戸数と不動研の供給戸数の差からして年間1万数千戸に達するのではないかと推測できる。不動研は投資向けマンションの調査も行っているが、その数は6~7,000戸台だ。これでもまだ着工戸数に届かない。

 記者は、このほか賃貸への用途変更、リートへの売却、非分譲住戸(一般には分譲されないが「事業協力者住戸」などとして分譲される)なども数値を狂わしていると思う。「分譲マンション」市場はかつてないほど多様化している表れだ。

 この推測が当たっていれば、着工戸数と供給戸数の差は埋められる。それどころか、昨年4~6月はマンション販売の営業活動を自粛し、その後も来場を制限するなどして供給も抑制し、なおかつ価格を上げている(一方で室・設備仕様レベルの低下は甚だしいのに)ことなどを考慮すると、決して〝低迷〟などしていないことがわかる。むしろ逆ではないか。デベロッパー各社の直近の決算発表によると、マンション事業進捗率は信じられないほど好調だ。

 メディアには、表層的なデータばかりを見ていたら事実を見誤るといいたい。〝人のふんどし〟(下品でごめんなさい)で相撲を取ってはだめということだ。

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 国土交通省は1月29日、令和2年の住宅着工戸数をまとめ発表。総戸数は前年比9.9%減の815,340戸で、4年連続の減少となった。床面積は前年比11.2%減の66,454千㎡で、4年連続の減少となった。

 利用関係別の戸数では、持家は前年比9.6%減の261,088戸で前年の増加から再びの減少、貸家は前年比10.4%減の306,753戸で3年連続の減少、分譲住宅は前年比10.2%減の240,268戸で6年ぶりの減少となった。

 分譲住宅の内訳は、マンションが107,884戸(前年比8.4%減)、一戸建てが130,753戸(同11.4%減)となった。

 首都圏は総戸数288,460戸(同8.2%減)で、内訳は持家54,629戸(同6.4%減)、貸家117,873戸(同5.2%減)、分譲住宅109,240戸(同12.1%減)となった。分譲住宅の内訳はマンションが53,913戸(同9.2%減)、戸建てが54,340戸(同14.2%減)。

 首都圏マンションは32,895戸(同9.2%減)で、内訳は東京都32.895戸(同12.7%減)、神奈川県9,707戸(同21.9%減)、埼玉県5,991戸(同46.2%増)、千葉県5,320戸(同2.1%増)。

 「新型インフルエンザ対策特別措置法(特措法)」「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)」の改正案が成立する見込みだ。当初予定されていた事業者や感染者に対する刑事罰は科されず、都道府県知事からの営業時間の短縮の命令に応じない場合や、入院拒否や疫学調査拒否に対しては過料を科すことで与野党が合意したと報じられた。

 記者は、事業者などを一律にしかも事前に規制するのはどうかと思うが、感染者に対しては事後的にきちんと追跡調査を行うべきで、感染者もまた保健所などの調査に協力すべきだという立場だ。これは昨年からずっと主張してきた。以下、罰則の成否・是非などを書き連ねることにする。

 まず、積極的疫学調査について。国立感染症研究所感染症疫学センター(NIID)の「新型コロナウイルス感染症患者に対する積極的疫学調査実施要領」は次のようにある。

 「クラスター対策としての積極的疫学調査により、直接的には陽性者周囲の濃厚接触者の把握と適切な管理(健康観察と検査の実施)、間接的には当該陽性者に関連して感染伝播のリスクが高いと考えられた施設の休業や個人の活動の自粛の要請等の対応を実施することにより、次なるクラスターの連鎖は防がれ、感染を収束させることが出来る可能性が高まる。推定された感染源については、そこから把握できていないクラスターの存在の有無について確認し、新たなクラスターの探査を行うことで、感染拡大の兆しに早期に対応できることが期待される」

 これはこの通りだろう。だからこそ専門家は経路不明率を50%以下に抑えることを呼び掛けている。

 しかし、NIIDの調査には問題がありそうな気もする。調査票は4ページ41項目にも及び、保健所、病院の基本情報は当然ながら、患者の国籍、住所、氏名、年齢、連絡先、職業、勤務先、既往症(喫煙の有無も含む)、臨床経過などを記載することになっている。臨床経過では咳や熱、のどの痛み、鼻汁、倦怠感、頭痛、意識障害、けいれんの有無などだ。

 これらの質問項目に従って電話を通じて一つひとつ聞き出し、調査結果を電子データに落とし込む作業は大変なのは容易に想像できる。

 徒労感だけが募るこのような調査に加え、罰則規定が加わる。入院拒否や疫学調査に虚偽の報告をした人の罪を立証するために、調査するときに「虚偽の報告をすると、罰せられることがありますよ」などと告知し、応答を記録でもするのだろうか。そうでもしないと、裁判にでもなったら「虚偽報告」を立証できないだろう。国会議員の常套句「そのときは意識が朦朧としており記憶にございません」と答えられたらどうするのだろう。

 患者も大変だ。検査を受けようにも受けられず、入院もままならず、高熱にうなされ気が動転し、意識が薄れてでもいたら、保健所の聞き取り調査にどれだけの人が正確に答えられるだろうか。〝もうどうにでもしてくれ〟と言いたくなるのではないか。

 それにしても、感染源と思われる行動、場所などについての調査項目がないのはなぜか。職業・業種・学校名を記載する項目は1行のみなのはどうしてか。東京都の感染経路不明が50%を超え、感染者の40%の人が職業不明で、職業が判明している人は「医療関係者」「介護関係者」「医師」「タクシー運転手」「接客業」などと具体的に書かれている一方で、「会社員」「その他」「無職」などが圧倒的に多いのもこのためだ。

 いずれにしろ、法改正に伴うプレッシャーは感染者、保健師とも相当なものだろう。

 ただ、特措法・感染症法の改正の効果と断定はできないが、東京都の感染経路不明率は、一昨日(1月28日)は48.8%で、昨日(1月29日)は49.7%と2日連続して50%を切った。経路不明率が50%を割ったのは12月4日の49.2%以来実に1か月23日ぶりだ。今回の第三波では60%を超え、1月6日には71.7%と70%を超える日もあったことを考えるといい兆候だ。感染者も保健師も同じ方向を向いているからだと理解したい。

◇       ◆     ◇

 特措法・感染症法の改正については反対意見も多い。日本弁護士連合会は1月22日付で「感染症法・特措法の改正法案に反対する会長声明」を出した。

 声明は「今回の改正案は、感染拡大の予防のために都道府県知事に広範な権限を与えた上、本来保護の対象となるべき感染者や事業者に対し、罰則の威嚇をもってその権利を制約し、義務を課すにもかかわらず、その前提となる基本的人権の擁護や適正手続の保障に欠け、良質で適切な医療の提供及び十分な補償がなされるとは言えない」と断じている。

 反対理由の一つとして「刑罰(※)は、その適用される行為類型(構成要件)が明確でなければならない。この点、新型コロナウイルス感染症は、その実態が十分解明されているとは言い難く、医学的知見・流行状況の変化によって入院措置や調査の範囲・内容は変化するし、各保健所や医療提供の体制には地域差も存在する。そのため、改正案の罰則の対象者の範囲は不明確かつ流動的であり、不公正・不公平な刑罰の適用のおそれも大きい」と指摘する。

 そして、「単に入院や調査を拒否したり、隠したりするだけで『犯罪者』扱いされるおそれがあるとなれば、感染者は感染した事実や感染した疑いのあることを隠し、かえって感染拡大を招くおそれさえ懸念される」「安易に感染者等に対して刑罰を導入するとなれば、感染者等に対する差別偏見が一層助長され、極めて深刻な人権侵害を招来するおそれがある」と主張する。

 事業者に対する罰則については、「飲食の場に感染リスクがあるというだけで、死活問題となる営業時間の変更等を求められるのは、あまりにも酷である。かかる要請・命令を出す場合には、憲法の求める『正当な補償』となる対象事業者への必要かつ十分な補償がなされなければならず、その内容も改正案成立と同時に明らかにされなければならない。

 また、不用意な要請・命令及び公表は、感染症法改正案と同様、いたずらに風評被害や偏見差別を生み、事業者の名誉やプライバシー権や営業の自由などを侵害するおそれがある。

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止するためには、政府・自治体と市民との間の理解と信頼に基づいて、感染者が安心して必要な入院治療や疫学調査を受けることができるような検査体制・医療提供体制を構築すること及び事業者への正当な補償こそが必要不可欠であって、安易な罰則の導入は必要ないと言うべきである」としている。

 (※)日弁連が声明を発表したときの改正法は刑事罰となっていたが、与野党合意によって刑事罰ではなく行政罰になる。

 記者は、この日弁連声明に対して賛否のコメントは差し控えたい。わからないからだ。ただ、「罰則の対象者の範囲は不明確かつ流動的であり、不公正・不公平な刑罰の適用のおそれも大きい」という指摘はもっともだと思う。

 そして危惧するのは、日弁連も指摘する「政府・自治体と市民との間の理解と信頼」が構築されているのかどうかという点だ。われわれ国民と政府、専門家などとの「リスクコミュニケーション」は決定的に欠けていると言わざるを得ない。感染者は過料を科されることの負担と、言い逃れすることの利益を天秤にかけるはずだ。人の命より目先の利益が勝ったら、みんな過料を選ぶ…そんな世の中になるのか。

 だが、しかし、感染拡大を防止するため奮闘している保健所関係者、劣悪な環境で歯を食いしばって感染者の治療に当たっている医師や看護師、行政や地域からも見放された高齢者施設で働く介護事業関係者、さらには相対的に低賃金に抑えられているエッセンシャルワーカー(職業に貴賎なし。小生はあらゆる職業の人がそうだと思うが)などのことを考えると、みんなの命と生活を守るためにはある程度の忍従に甘んじ、行政の呼びかけに積極的に応えるべきだと思う。〝悪法もまた法なり〟というではないか。

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 一都三県を対象とした新型コロナ緊急実意宣言が1月7日に発出されてから3週間が経過した。感染者は減少傾向にあるが、小池百合子都知事は1月29日の定例記者会見でも高齢者の感染者が増加し、医療態勢は引き続きひっ迫していることなどから、より一層の行動抑制を訴えた。事業者に対してはテレワークとローテーション勤務を組み合わせた「テレハーフ」の実施を呼び掛けた。

 また、実効再生産数が現在の0.7以下の0.5以下に抑制しないと感染者は減らないことから、宣言延長の可能性も示唆した。

◇       ◆     ◇

 小池都知事も話したように、高齢者の感染者が増加し、感染者全体に占める感染比率も拡大傾向にある。

 別表は、東京都のオープンデータから最近の70歳以上の性別、年代別感染者と感染比率を表とグラフで示したものだ。

 70歳以上の感染者の数は、第2波までは数十人くらいに収まっていたが、11月に入り増加傾向をたどっていた。

 それでも別表にあるように、12月31日に132人となるまでは毎日概ね100人以下で推移していた。

 ところが、年明けの1月5日に131人を記録するとその後、1月28日までは100人を割ることはなく、1月15日には過去最多の263人になるなど200人前後で推移している。

 全体の感染者に占める割合も、10%以下で推移していたのが1月15日には13.1%となると、1月24日は21.7%と初めて20%台にのぼった。

◇       ◆     ◇

 どうして高齢者の感染者が増加しているのか。その理由はどこも明らかにしていないと思う。高齢者の重症化率が高いことは当初から指摘されており、小生なども徹底して〝三密〟を避けてきた。どうしてこの1~2カ月の間に4~5倍に増加するのか。果たして「飲食」が拡大の主な理由なのかという疑問はぬぐえない。

 この点について、菅義偉首相は1月7日、一都三県を対象とした新型コロナ緊急事態宣言を再発出するにあたって記者会見で次のように述べた。

 「専門家も、東京で6割を占める経路不明の感染の原因の多くは飲食が原因であると指摘されています。今回の宣言に当たり、飲食店については20時までの時間短縮を徹底します」

 「私たちは、この1年間の経験で多くのことを学んできました。大事なのは、会話をするときは必ずマスクをお願いする。さらに外食を控えて、テレワーク7割、夜8以降の不要不急の外出の自粛、特にこの3点を徹底していただければ、必ず感染を抑えることはできると考えております」

 記者は、「東京で6割を占める経路不明の感染の原因の多くは飲食が原因であると指摘されています」と述べられたことに注目した。専門家が指摘しているのだからこれは事実なのだろうが、そもそも感染経路が不明の人の原因の多く(別の会見では「大半」と話された)は飲食が原因とどうしていえるのだろうかと感じた。一方で、飲食が原因でない残りの感染者は職場や家庭だろうから、ここでの感染を防ぐにはどうしたらいいのだろうかと考えた。菅総理もだからこそテレワーク7割、夜8時以降の不要不急の外出自粛を呼びかけたのだろうと思った。

 しかし、電車やバスなどの交通機関による移動、単なる外出だけでは感染はそれほどないはずだ。やはり勤務する人の行動をどう抑制するかが課題ではないか。「飲食」についても、記者はきちんと対策を練ればリスクは抑えられるような気がしてならない。

 本日(29日)は、100歳以上の方の感染も激増していると書いた。〝気のゆるみ〟では絶対ないはずだ。どなたか究明してほしい。

100歳以上は1月だけで32人 昨年1年間の16人の2倍 東京都の新型コロナ感染者(2021/1/29)
 

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 野村不動産ホールディングスは1月29日、仲介・CRE部門の新会社「野村不動産ソリューションズ株式会社」を2021年4月1日付で発足させ、ホールセール事業(法人仲介事業)とリテール事業(住宅流通事業・新築受託販売事業・保険代理店事業等)を1社体制で推進することを決定したと発表した。

 同社のこれまでの仲介・CRE部門は、野村不動産法人営業本部と野村不動産アーバンネットの2社体制だったが、グループ内の仲介・CRE機能の統合を通じ、人材・ノウハウの集約を行うことで多様化する顧客ニーズにワンストップで対応できる総合不動産仲介会社を目指すのが狙い。

 新会社発足にあたっては、野村不動産を吸収分割会社、野村不動産アーバンネットを吸収分割承継会社とし、野村不動産アーバンネットの商号を野村不動産ソリューションズ株式会社(Nomura Real Estate Solutions Co., Ltd.)に変更する。


 

 

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