三井不レジ・野村不・大成建設 月島三丁目南地区の再開発組合認可 住宅は約720戸
「月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業」
三井不動産レジデンシャル、野村不動産、大成建設は11月5日、「月島三丁目南地区第一種市街地再開発事業」市街地再開発組合の設立認可を受けたと発表した。
同地区は、東京メトロ有楽町線月島駅と都営大江戸線勝どき駅の間に位置する清澄通りに面した約1.0haの規模。約720戸のマンションをはじめ低層部には商業施設を配置し通り沿いの賑わいを創出するほか、子育て支援施設や約1,500㎡の広場などを一体で開発する。2026年度の竣工を目指す。
旭化成ホームズ 2021年3月期2Q 売上高は過去最高 大規模・高額マンションが寄与
旭化成ホームズは11月6日、2021年3月期決算第2四半期決算概要を発表。売上高は過去最高の3,144億円(前年同期比3.1%増)、営業利益は294億円(同2.3%減)となった。
建築請負部門は、昨年度からの戸建住宅の受注減の影響により売上高は1,878億円(同4.8%減)、営業利益は143億円(同23.8%減益)となり、受注高は新型コロナウイルス感染症拡大防止のために展示場を閉鎖したことや積極的な集客活動を控えた影響で戸建・集合とも前年比マイナスの1,453億円(同28.1%減)となった。
一方、分譲(マンション)事業は、大規模物件や高額物件の引き渡しが当期に集中したことから、売上高910億円(同41.5%増)、営業利益124億円(同87.1%増)と、ともに過去最高を更新した。
リフォーム部門の売上高は、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受け258億円(同19.5%減)、営業利益は23億円(同40.6%減)となった。
通期の業績予想は売上高6,430億円(前期比1.0%減)、営業利益565億円(同16.2%減)を目指す。
主力のオフィス・住宅は盤石 三井不動産 2021年3月期2Q決算
三井不動産は11月5日、2021年3月期第2四半期決算を発表。売上高7,974億円(前年同期比10.3%減)、営業利益641億円(同45.9%減)、経常利益472億円(同56.1%減)、純利益90億円(同86.4%減)となった。BSコントロールの一環として「新宿三井ビルディング」の売却を決定したことに伴う特別損失として328億円を計上したことにより純利益は大幅減となった。
同社は期初公表(2020年5月12日)の通期業績予想の営業利益、経常利益、純利益に変更はないが、売上高、営業利益のセグメント内訳についてはそれぞれ修正した。
売上高は、海外投資家向け分譲が好調なため前回予想を1,000億円上回る1兆9,500億円とした。賃貸セグメントは、商業施設が期初想定と比べて売り上げが回復しているとして前回予想を150億円上回る1,280億円、分譲セグメントは投資家向け分譲の進捗状況を反映し、前回予想を110億円上回る1,140億円を見込むとしている。一方で、リパーク事業やリハウス事業は上期の落ち込みが大きかったことを反映し、前回予想を170億円下回る330億円を見込む。
また、ホテル事業は期初想定よりも宿泊需要の回復ペースが緩やかであることを反映し、前回予想を130億円下回る260億円の営業損失に修正した。
セグメント別では、オフィスは堅調で首都圏の単体空室率は2.6%の低水準を維持。分譲マンションの計上予定戸数戸数3,800戸に対する契約進捗率は92%に達している。分譲住宅の完成在庫は266戸(マンション203戸、戸建て63戸)と低水準で推移している。
三井不動産リアルティの仲介件数は16,754件と前年同期より5,047件減少。ホテルなどは新型コロナの影響を受け、375億円の減収で171億円の減益。
同社・富樫烈経理部長は「ほぼ期初予想通りに進捗している。商業、ホテルなどは新型コロナの影響を受けているが、主力のオフィス、住宅は盤石。今後所得や雇用など景気がどうなるかを注視していく」などと語った。
河東碧梧桐、來空、丸山健二の「詩小説」…通底する大和言葉の魅力
「國分さんの旦那は偉いよ。河東碧梧桐の研究家で、その碧梧桐の全集をまとめた人だ」-明大名誉教授でOSI会長の百瀬恵夫氏からそう聞いたのは先月の百瀬氏と同研究会代表・篠原勲氏が主催した「絵画&墨書」絆展のときだった。
「えっ…」-もう半世紀以上も昔のことなのでとっさにはどんな句を謳ったかは思い出せなかったが、難儀して覚えた名前がよみがえった。正岡子規の高弟で高浜虚子とともに中学校の教科書にも必ず出てくる俳人だ。
「國分さん」とは、絆展にも出展している國分絮虹(じょこう)の雅号を持つプロの墨書家・國分ひろみさんだ。百瀬氏から聞いたことを伝えると「昨年亡くなった」と語った。
「えっ…」-記者はまた絶句したのだが、國分さんはすぐ「全集? 來空が自分の論評を入れた13巻があるので読んでください」と話した。
ネットで調べた。碧梧桐は「1873年(明治6年)-1937年(昭和12年)」とある。「河東碧梧桐全集」(発行・短詩人連盟 発売・蒼天社)は2011年2月に刊行し、1巻当たり500ページ前後の全20巻で、原稿用紙にして約24,000枚にも及ぶ大作だ。定価は各巻とも1万円前後だ。そのうちの第13巻を頂いた。
國分さんのご主人・來空(1931年9月10日-2019年9月21日、本名:鈴木昌行)は、「河東碧梧桐全集」を著した理由を「日本詩歌をダメにし、日本人のコトバの感性をネムラせた教育者、既成の詩歌俳壇への大いなる警鐘として-。」(図書新聞2871号)と述べている。
來空はまた、前頭芋ブログ來空による河東碧梧桐評を2006年9月3日に開始し、2016年4月12日に終了するまで碧梧桐と自らの作品、その他論評を綴っている。最初のブログは次の通りだ。
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赤い椿白い椿と落ちにけり
子規から碧梧桐はよく爼上にあげられている。
空間極めて狭くして、いよいよ印象の明瞭なるを見る。之を小幅の油画に写しなば、只々地上に落ちたる白花の一団とを並べて画けば即ち足れり。蓋し此句を見て感ずる所、実に此だけに過ぎざるなり。
椿の樹か如何に繁茂如何なる形を成したるかまたその場所は庭園なるか、山路なるかの連想に就きては此句が毫も吾人に告ぐる所あらざるなり。吾人又此れ無きがために不満足を感せずして只々紅白二団の花を眼前に観るか如く感ずる処に満足するなり(正岡子規)
この句、碧梧桐の代表作となったが、碧梧桐は「違う色を一句の中で重ねてならん」という決まりがあったのでこの句を書いたのだ。ムホン者は俳諧や結社から外されたのも事実と知らねばならない。
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來空のTwitterは「次女が勝手に書き込んでます」とのことで今も継続して更新されている。「訃報」では「來空が9月21日に永眠しました。88歳。前日に家族全員が集まった幸せな死でした。最後の言葉は『死ぬことも輝き。ばんざーい、ばんざーい』。来空を愛してくれた皆様、どうもありがとうございました!」
Twitter にある10代の作品や戦前生まれであることがよく分かる作品も紹介する。
炎天を歩く麦刈田の白い茶碗のかけら
ぐーんぐーん空が凧をひっぱる僕もひっぱる
ポンポン戦死するように爆ぜまくるぎんなん
川底の田螺よろよろ動く極楽ありそうにない
弟丁稚に行って一年ひきだしに朝顔の種ある
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國分さんから、巻末に「好きなもの-羊羹・わかば(煙草)・魑魅魍魎」とある來空の詩集も頂いた。随所に詩文とぴったりの墨書も掲載されている。いくつか紹介する。
鰐(わに)にナローと蟹(かに)にナッタとは
ニンゲン両手あげる海がバンザイ
大宇宙 新鮮。睾丸(きんたま)が造られる
ン!玉ランナ!!
朝顔がきゅっと一つの罪を閉じる
ねむれない耳を一つにして置く
みんなよろこぶ遠足が来た死が来た
記者は「鰐(わに)にナローと蟹(かに)にナッタとは」に心を打たれた。「わに」と「かに」、「ナロー」と「ナッタ」の語感の面白さもあるが、來空はもっと深い意味をこの詩に込めている。中島敦「山月記」と同じだ。詩人として名声を得ようと苦労するが、結局は発狂して人食い虎になる李徴に自らを置き換え、照れ隠しのためにこのような詩にしたと解するのは考えすぎか。
◇ ◆ ◇
記者は詩歌のことはよく分からないが、中学生のとき、石川啄木の「やはらかに積れる雪に熱てる頬を 埋むるごとき 恋してみたし」を読んで感動し胸が締め付けられたのを思い出す。サトウハチローの詩もよく読んだ。
芭蕉の「古池や 蛙飛びこむ 水の音」はそれがどうしたという感想しかなく、蠅叩きではとても間に合わず、天井から吊り下げられた蠅取り紙が真っ黒になり、髪の毛や衣服にもくっつけてばかりいたので、一茶の「やれ打つな 蠅が手をすり 足をする」には複雑な気持ちを抱いた。
好きな短歌は牧水の「白鳥は かなしからずや 空の青 海のあをにも染まず ただよふ」だった。先生は「白鳥は悲しくないだろうか、牧水と同じように悲しいはず」と教えた。当時からへそ曲がりだった小生は「どっちの青にも染まらないのは立派ではないか」と解釈した。(「や」は疑問や反語を意味する係助詞でもあり、感嘆の意味の間投助詞でもある)
今は小説家・丸山健二にはまっており、大和言葉のすばらしさにうなっている。改行を重ね、文章をチドリ状に配し、時には句読点を省くなど音楽的・映像的効果も盛り込んだ「詩小説」は、新しい文学の可能性を示唆している。丸山小説は碧梧桐や來空に通底するものがあると思うのだがどうだろう。
三井リアルと住友販売の「仲介件数」覇権争い激化 新型コロナ 仲介市場への影響
不動産売買仲介件数で34年連続して首位をキープしている三井不動産リアルティ・三井のリハウスと2位の住友不動産販売・ステップの首位争いががぜん脚光を浴びてきた。新型コロナの影響で両社とも大幅に件数を減少させているが、減少幅によっては住友不動産販売が三井不動産リアルティを瞬間的に捕らえる可能性も浮上してきた。
三井不動産は11月5日、2021年3月期第2四半期決算を発表。三井不動産リアルティグループの不動産売買仲介件数は新型コロナの影響を受けたため16,754件となり、前年同期の21,801件より5,047件減少した。同社・富樫烈経理部長は「6月以降は前年と同じくらいの水準に回復している」としている。
三井不動産リアルティは1986年度から2019年度まで34年連続して不動産売買仲介件数全国No.1となっている。過去、2位の住友販売には約2,000件の差まで追い上げられたことがあるが、差が縮まると再び差を広げる展開が続いている。
一方の住友不動産の2021年3月期第1四半期決算では、住友不動産販売の仲介件数は7,937件で、前年同期の9,653件より1,716件減少した。通期は27,000件(前年実績37,715件)を予想しているが、仮に7-9月で第1四半期並みの約8,000件を成約すれば三井不動産リアルティとほぼ並ぶことになる。
住友不動産の決算発表は11月12日の予定で、仲介件数がどうなるか注目される。
減らない感染者・経路不明 ジェンダー性差くっきり 都の新型コロナ動向データ
最初に断っておく。記者は新型コロナの専門家でもなんでもない素人だ。感染動向、その他専門的な知見などについては東京都が発表するモニタリング会議の資料やコメントを読んで頂きたい。
例えば10月29日の会議では、「今週は複数の病院、高齢者施設、大学の運動部の寮、職場におけるクラスターの発生が報告された。基本的な感染予防策である『手洗い、マスク着用、3密を避ける』等に加えて、こまめな換気、環境の清拭・消毒を、あらためて徹底する必要がある」「入院患者数の急増にも対応できる病床の確保が依然として必要な状況である。重症患者数が再び増加しており、今後の推移と通常の医療体制への影響に警戒が必要である」とある。
ぐうたらの記者も徹底して「三密」を避け(どうして〝酒〟に変換するのだ)、コロナから逃げることに決めた。この8か月間というもの取材と散歩以外はほとんど外出しない。外出しても混んでいる電車内では空いている以外は座らないし、外食は基本的にしない。コンビニでお握りを買って野外で食べる。どうしてもやめられないタバコは、喫茶店でも喫煙所でも息を殺して吸う。
前置きが長くなった。記者は4月から毎日のように東京都が発表する感染動向の性別・年齢別データリソースにアクセスし、エクセルデータに落とし込む作業を続けている。感染者の属性を通じて見えない敵に肉薄し、感染拡大防止に役立つ情報を発信できないかと考えたからだ。
残念ながら、都が発表するデータは性別・年代別の数値だけで、核心に迫ることはできていない。新型コロナは、感染者の数字に一喜一憂する記者をあざ笑うかのように広く深く蔓延しているようだ。
別表は、最近6週間の都の年代別・男女別感染者数をまとめたものだ。感染者数は1,100~1,200人台で推移しており、専門家が指摘する分水嶺なのかもしれない。今後爆発的に増加するのかそれとも減少に転じるのか判断できる予兆のようなものは見当たらない。
はっきり言えるのは、もっとも感染者が多いのは20代男性で、次いで20代女性、30代男性の〝3強〟がリードしていることだ。キャスティングボードはこの3強が握っている。
重症化リスクが高いとされる60歳以上の高齢者の全体に占める割合は累計で15.9%であるのに対し、この6週間は16~19%台で推移していることからやや増加傾向にあるといえそうだ。
一方、新型コロナが生物学的性差を勘案せず平等に襲い掛かる特性を備えているとすれば、10歳未満と10代の男女別感染者はそれを裏付けている。
ところが、他の年代では男女による〝差〟が歴然としている。累計の男女比は男性約32,000人(58.0%):女性約13,000人(42.0%)となっており、20代感染者は約5,200人であるのに対し女性は約4,500人で約700人の差があり、30代は男性約4,200人:女性約2,600人、40代は男性約3,000人:女性1,600人、50代は男性約2,300人:女性約1,400人、60代は男性約1,300人:女性約700人、70代は男性約900人:女性約700人といずれも男性が上回っている。80代と90代は男女が逆転するが、これは人口構成からして当然の結果とも受け止められる。
この差異こそ社会的・文化的性差、つまりジェンダー性差であることが明らかだ。これは〝男性は外で働き、女性は家事・育児〟などと言った古臭い社会構造の反映と受け止められないこともないが、記者はむしろ感染リスクを冒してでも働かざるを得ない就労環境がこのような差となっていると考えている。
都のデータでは感染者の職業などは公表されていないが、記者は8月、政令指定都市でもっとも高齢化率が高い北九州市の感染者データを調べたことがある。同市のその時点の感染者511人の男女比は男性257人:女性254人とほとんど差がなく、職業では医療・介護関係者が全体の25.4%を占め、年代も20~30代の若い人が圧倒的に多く、高齢者感染比率も37.0%に達していた。
結果として、ジェンダー性差だけでなく都市と地方の差も明らかになった。
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気になるのは経路不明者比率が減らないことだ。猖獗を極めた第一波のときのように60%を超える日はなくなってきたが、累計では56.0%と感染者の半数以上は経路不明者だ。新型コロナの恐ろしさがここにある。
これは、〝思い当たる節がない〟無症状者が1~2割存在していることと無関係ではないのだろうが、それよりも「コロナ自警団」を恐れ、会社や近所、関係者に感染を知られたくないと考える人が多いことをうかがわせる。
記者は、5月に経路不明者が減らないのは「闇社会・二重就業も一因」ではないかと書いたが、現段階でアクセス数は約49,000件に達している。過去、マンションの記事でもこれほどアクセスが殺到したことはない。多くてせいぜい2万件くらいだ。「闇社会・二重就業」の記事は的外れでもなかったと確信している。
少ないとは言え、性別あるいは年齢不明の人も14人いるのは無視できない。これは自らの性別、年齢が分からないほど人事不省の状態に陥ったからだとは考えづらく、〝おとこおんな〟の問題でもないのは明らかだ。性別も年齢も公表しづらい社会のありようが問題だ。
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7~9月の全国自殺者がいずれも1,800人超となり前年同月を上回ったことから、一部には新型コロナと結びつける論調もみられる。いま一つ因果関係が明らかではないが、注視する必要はありそうだ。
不動産各社の決算発表 日本エスコン2020年12月期3Q 大幅増収増益
不動産各社の2020年第3四半期決算、2021年3月期第2四半期決算発表が相次いでいる。新型コロナの影響を受けているものの、オフィス事業、マンション事業などは堅調に推移している。
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野村不動産ホールディングスの2021年3月期第2四半期決算は、売上高2,239億円(前年同期比9.3%減)、営業利益241億円(同11.5%増)、経常利益194億円(同8.9%増)、純利益120億円(同3.5%減)となった。
純利益の減少は新型コロナの影響によるフィットネス店舗の営業休止や商業施設の賃貸収入減少、ホテルの稼働低下などによるもので、住宅部門は堅調に推移しており、今期計上戸数に対する契約進捗率は86.6%に上っている。とくに2020年7~9月の契約戸数は1,453戸(同社持分戸数)となっており、前年同期実績の約13%増加していると発表した。
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ヒューリックの2020年12月期第3四半期決算は、売上高1,863億円 (前年同期比13.6%減)、営業利益541億円 (同2.9%減)、経常利益501億円 (同3.8%減)、純利益287億円(同22.0%減)となった。同社は、新型コロナウイルスの影響によりホテル運営事業に影響があるものの、オフィスなどの不動産賃貸収入は安定的に推移。
期中に日本ヒューレット・パッカード本社ビル、銀座天國ビル、きらぼし銀行新宿本店などを取得。(仮称)宇田川町32開発計画、(仮称)新宿3-17開発計画、(仮称)銀座6丁目開発計画、(仮称)赤坂二丁目開発計画、(仮称)銀座8丁目開発計画などの開発・建替えも順調に進んでいるとしている。
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エスリードの2021年3月期第2四半期決算は、売上高200億円(前年同期比27.9%減)、営業利益15億円(同58.7%減)、経常利益15億円(同59.9%減)、純利益9億円(同60.1%減)。
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日本エスコンの2020年12月期第3四半期決算は、売上高649億円(前年同期比41.4%増)、営業利益112億円(同31.3%増)、経常利益104億円(同35.6%増)、純利益72億円(同37.9%増)となった。同社初のZEHマンション「レ・ジェイド大倉山」25戸も11月3日に完売した。
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平和不動産の2021年3月期第2四半期決算は、売上高214億円(前年同期比30.7%減)、営業利益66億円(同14.3%増)、経常利益62億円(同14.7%増)、純利益43億円(同24.4%増)となった。
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タカラレーベンの2021年3月期第2四半期決算は、売上高515億円(前年同期比11.1%減)、営業利益18億円(同52.2%減)、経常利益16億円(同52.5%減)、純利益8億円(同60.5%減)。マンションの通期引渡予定戸数1,980戸に対する進捗率は89.5%と順調に推移している。
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エフ・ジェー・ネクストの2021年3月期第2四半期決算は、売上高314億円(前年同期比26.6%減)、営業利益30億円(同36.7%減)、経常利益30億円(同37.2%減)、純利益19億円(同36.4%減)。
令和2年度上半期 持家13.1万戸:分譲13.0万戸 14年ぶり逆転の可能性も 住宅着工
国土交通省は2020年9月の住宅着工戸数をまとめ発表。総戸数は70,186戸で、前年同月比9.9%減、15か月連続の減少。着工床面積は5,825千㎡で、前年同月比9.2%減、14か月連続の減少。季節調整済年率換算値では815千戸で、前月比0.5%減、2か月連続の減少。
利用関係別では、持家は22,337戸(前年同月比7.0%減、14か月連続の減少)、貸家は25,053戸(同14.8%減、25か月連続の減少)、分譲住宅は22,159戸(同7.8%減、11か月連続の減少)。分譲住宅の内訳はマンション11,970戸(同0.4%減、4か月連続の減少)、一戸建住宅10,036戸(同15.6%減、10か月連続の減少)。
首都圏マンションは7,721戸で前年同月比4.6%増加、都県別では東京都が4,729戸で同17.3%増、神奈川県が916戸で同39.9%減、埼玉県が954戸で同120.3%増、千葉県が1,122戸で19.5%減。
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注目したいのは持家と分譲住宅の戸数だ。数年前までは30万戸:20万戸くらいの比率だったのが、年を追うごとにその差はつまり、令和元年度は持家が約28.3万戸に対し、分譲住宅は約26.0万戸。わずか2.3万戸にまで縮小した。
今年度(4~9月)は持家約13.1万戸(前年同期比14.2%減):分譲住宅約13.0万戸(同8.9%減)とほとんど並んだ。減少幅を考えると年度末までに逆転する可能性が出てきた。逆転すれば、持家が約35.9万戸で分譲が約37.9万戸だった2006年度以来14年振りとなる。
野村不 2年待たず678戸「吉祥寺」完売 坪520万円「東池袋」は第1期115戸即完
「プラウドシティ吉祥寺」
野村不動産は10月29日、2018年11月から販売を行ってきた総戸数678戸の「プラウドシティ吉祥寺」が10月25日に全戸完売し、また、2020年9月に分譲した総戸数248戸の東池袋駅直結の「プラウドタワー東池袋ステーションアリーナ」第一期(115戸)が即日完売したと発表した。
「プラウドシティ吉祥寺」は、JR中央線吉祥寺駅からバス約10分に位置する大規模複合マンション。敷地内にカフェやスーパーマーケットなどの商業施設、テレワークとして利用できる独立棟のコワーキングスペースを備えている。緊急事態宣言後は約2か月間営業活動を中止していたが、解除後の6月以降、販売を再開してからは前年比で問い合わせは約1.3倍、モデルルーム来場数は約1.2倍に増加(2019年6~9月、2020年6~9月の比較)、予定していた計画より前倒しで全戸完売となった。
「プラウドタワー東池袋ステーションアリーナ」は、東京メトロ有楽町線東池袋駅に直結。累計問い合わせ数は約5,000件、今年8月のモデルルームの開設以来約1,700件の来場があり、平均価格1.1億円の高額物件であるにも関わらず即日完売した。
同社は、都心、準郊外ともに販売が好調で、2020年7~9月の契約戸数は1,453戸(同社持分戸数)となっており、前年同期実績の13%程度増加しているとしている。コロナ禍の顧客の傾向として、2019年までのトレンドであった「都心×駅近」は引き続き根強いニーズが見てとれる一方で、駅徒歩距離条件の緩和、広さ・間数へのニーズ上昇などテレワークの定着や新しい生活様式が進む中でそれぞれの住まい選びの優先順位・基準が顕在化してきているとしている。
「プラウドタワー東池袋ステーションアリーナ」
◇ ◆ ◇
「吉祥寺」は昨年5月に取材しており、そのときも「驚嘆すべき売れ行き」と書いた。コロナ禍にもかかわらず早期完売したのはやはり驚嘆すべき売れ行きだ。当時の坪単価262万円というのは今にすれば安いか。埼玉や千葉の郊外並みだ。
「プラウドタワー東池袋ステーションアリーナ」は見学していないが、売れ行きは気にはっていた。2年前、東池袋駅から徒歩5分の20階建て全132戸の「プラウドタワー東池袋」を見学している。こちらの坪単価420万円だったのが、今回は520万円と約100万円も上昇しているにも関わらず平均1.1億円の第一期115戸が即日完売したのにはいささか驚いた。
同社も公表しているように、コロナ禍でもマンションの売れ行きはどこも好調のようだ。
野村不動産「プラウド」 独立共用棟・共用部内装に国産木材の原則採用
国産木材を使用した「飛鳥山レジデンス」共用棟パース
野村不動産は10月29日、分譲マンションブランド「PROUD(プラウド)」の独立した共用棟の構造やラウンジ、キッズルーム、ライブラリーなどの共用部内装には原則国産木材を用いていく方針を決定したと発表した。
これまで「プラウドシティ伊丹(2018年竣工)」や「プラウドシティ吉祥寺(2020年竣工)」で木造共用棟の建設に取り組んできたが、現在販売中の「飛鳥山レジデンス」や、計画中の「プラウド練馬中村橋マークス」、「(仮称)若潮ハイツ建替計画」でも木造共用棟の建設を予定している。独立した共用棟を設置できない中小規模の集合住宅でも共用部の壁、床などの内装や、建具、家具などに国産木材を使用していく。
木造ハイブリッドのマンションも建築中だ。販売中の「プラウド神田駿河台」(14階建て、総戸数36戸)は木質系構造部材を使用した高層分譲マンションとなる。
「プラウド神田駿河台」モデルルーム
「プラウドシティ吉祥寺」共用棟
◇ ◆ ◇
結構なことだ。この前取材したポラスグループ中央住宅の戸建てとの複合マンション「「ルピアグランデ柏」の共用棟も木造だった。
記者は、三菱地所が2018年にCLTを床材に用いたわが国初の高層建築物「(仮称)泉地区高森2丁目プロジェクト」を発表したあたりから、デベロッパーの「木造」の採用が加速すると読んだ。
同社はその後、「CLT晴海プロジェクト」「みやこ下地島空港ターミナル」「PARK WOOD 岩本町」「(仮称)大通り西プロジェクト」など矢継ぎ早に事業化、今年7月には同社を含む7社の社長(うち1社は代理)が東京會舘に結集し、総合木材会社の設立発表会を行った。
同社の独走と思いきや、三井不動産も黙ってはいなかった。昨年11月、外観に木造を採用したホテル「三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミア」を完成させ、今年9月には木造高層建築物として国内最大・最高層となる賃貸オフィスビルを中央区日本橋本町一丁目で建設する計画を進めていると発表した。
グループの三井ホームも先月、木造大規模中層マンション「(仮称)稲城プロジェクト」に着手すると発表した。
記者は菰田正信社長が木造事業に意欲を示しているのを以前から感じていた。同社グループは、北海道に約5,000haの社有林を保有している。山持ち企業としてはベスト10に入るくらいの規模だ。これまでも社有林の木材・間伐材などを活用した建具・家具などを利活用してきた。
現状ではこの2社が木造の取り組みでは突出しているが、野村不動産も〝プラウド〟マンションの一層の差別化に木造を取り込むようだ。
他では、東急不動産が今年8月、1か月後には三井不動産に抜かれることになったが、その時点で木造ハイブリッド建築物としては最高峰の高さ約45mの「(仮称)道玄坂一丁目計画」を発表している。
〝木造の時代〟と言われて数年が経過したが、これからは掛け声ではなく本格的な木造の時代にいよいよ突入する。「木造」に積極的か否かが企業価値を測る物差しになる。
木造マンションの試金石目指す 三井ホーム5階建て延べ床3,700㎡の賃貸着工へ(2020/9/29)
デベロッパーの木造ハイブリッド覇権争い激化 三井不 高さ日本一70mオフィス計画(2020/9/29)
日本初 野村不&竹中 構造部に木質系部材を採用したマンション「神田駿河台」(2020/7/27)
さすが三井不動産 わが国初の本物の木造〝杉乃木〟ホテル「神宮外苑」に誕生(2019/11/13)
型枠を内装デザイン化30坪の平屋が1000万円 三菱地所 総合林業会社設立(2020/7/28)
三菱地所グループ総力結集 国内初の高層ハイブリット木造ホテル 札幌で着工(2020/3/26)
〝美しい〟〝画期的〟隈研吾氏が連発 三菱地所「CLT晴海プロジェクト」(2019/2/14)