RBA OFFICIAL
 

 三井不動産は9月14日、NTTコミュニケーションズとともに、都市における課題の解決や経済的な発展をICTによって可能とする「安心安全な街づくり」の実現に向けた検証を9月18日から開始すると発表した。

 Park-PFI制度を活用した事業としては全国で最大規模の再整備が行われている愛知県名古屋市の久屋大通公園の北エリア・テレビ塔エリア(全長約900m、面積約54,500㎡)の公園整備運営事業の一環として実施する。

 公園内地下広場(旧もちの木広場)の防犯カメラ映像をNTT ComのAIを用いて解析し、防犯や事故防止に活用するほか、匿名化・統計化されたスマートフォンの位置情報データを用いて来園者の行動を解析し、施設運営やマーケティングに活用する実験を行う。

若い人で溢れかえる 「立体都市公園制度」を活用した三井不「MIYASHITA PARK」(2020/9/6)

 本日(9月14日)行われる予定だった、積水ハウスの「彩の国みどりの基金」への今回の寄付額が134万2千円となり、累計で18回1,607万4千円に達したことに対する大野元裕・埼玉県知事による感謝状贈呈式は延期となった。

 「彩の国みどりの基金」は、埼玉県の豊かな自然環境を次世代に引き継いでいくことを目的に平成20年4月に創設された制度で、自動車税収入の1.5%相当額と企業・個人からの寄附を基金に毎年積み立て、森林の整備・保全や身近な緑の保全・創出、県民運動などに活用しているもの。

 平成30年度までの累計積立額は、自動車税収入の1.5%相当額が約143億円、寄付額が約4億2,634万円となっている(他に運用益1億3,259万円)。活用額は約388億円で、「森林の整備・保全」の分野で11,409haの森林を整備、再生したほか、民間施設や公共施設の緑化、校庭・園庭の芝生化などによる「身近な緑の保全・創出」の分野で515か所の緑を創出している。

 同社は戸建て住宅1棟に〝3本は鳥のために、2本は蝶のために〟の「5本の樹」計画を盛り込むことを基本としていることから基金制度に賛同し、県内で建設した環境配慮型住宅「グリーンファースト」1棟につき2千円寄付を寄付している。基金への全寄付額に占める割合は約3.8%に達している。

◇             ◆     ◇

 小生は60年来の西武ライオンズファンだ。西武とつながっている埼玉も好きだ。〝ださいたま〟と揶揄されるのも受け入れられる。しかし、好きだからこそ、埼玉の弱点、課題も見えてくる。以下、埼玉が抱える課題などをデータで示す。

 埼玉県の平成27年度の都市計画に関するデータによると、県内の市街化調整区域住む人口は県人口の16.0%に当たる約115万人で、調整区域面積も北海道に次ぎ全国2位だ。

 調整区域が多いということは、それだけ〝緑〟が多いともいえるのだが、緑被率は東京、神奈川、大阪、愛知、福岡に次ぎ全国6位の少なさで、農耕地を除いた植林地、二次林だけで比較すると東京都より少なく全国最低だ。

 1人当たり都市公園面積も東京都とそれほど変わらない少なさだ。さいたま市の5.10㎡はむしろ多いほうで、所沢市4.02、春日部市3.27、川口市3.22、越谷市2.70、草加市1.92、蕨市1.85などと東京23区平均の4.42㎡を下回っている市が多い。

 都市のポテンシャルを計る指標の一つでもある、良好な低層住宅の環境を保護する第一種低層住居専用地域の全用途地域に占める面積割合も首都圏で埼玉県が〝断トツ〟に少ない。東京都は36.9%、神奈川県は30.4%、千葉県は31.3%であるのに対し、埼玉県は17.7%だ。調整区域が多いことを割り引いてもいかにも少ない。ちなみに大阪市は第一種低層住居専用地域が全くない。

 第二種低層住居専用地域を含めて50%を上回っている都市計画エリアはさいたま、志木、北本、富士見、朝霞、越谷、新座しかない。

 街路樹が貧しいことも戸田市、三郷市、白岡市、八潮市などの事例を紹介してきた。街路樹の豊かさと街のポテンシャルとは相関関係にあることは言うまでもない。

 以上、埼玉県の緑や住環境について問題を指摘したが、明るい材料もある。マンションの分譲単価は東京、神奈川より相対的に低いが、浦和、大宮、所沢、川口などは千葉県の各駅圏より高く、一方で第一次取得層に手が届くエリアも多い。自虐的な〝翔んで埼玉〟がヒットしたのも、他都県にない良さをアピールできているからではないか。

 彩の国みどりの基金が、少しでも県の緑環境の向上に役立ち、イメージアップにつながることを期待したい。

◇       ◆     ◇

 県庁の代表電話から都市計画課につないでもらう保留音に〝おお 埼玉 埼玉 輝く埼玉〟の音楽が流れた。埼玉県歌であることはすぐ分かった。保留音が何度も繰り返されても嫌にならない。もう50年以上東京に住んでいる小生は「東京音頭」なら歌に合わせて踊ったことはあるが、東京都歌があるのかどうかも知らないくらいだ。長野県歌を〝知らない県民はいない〟のは例外だ。

 そこで県庁に問い合わせた。県歌は昭和40年に制定されたもので、県庁の電話の着信音として採用したのは平成25年1月4日からという。

 県民への浸透度はいま一つで、マスコット「コバトン」には遠く及ばないようだ。県の施設などでどんどん流せばいいのではないか。(電話保留音で長くなっても嫌にならないのは積水ハウス「積水ハウスの歌」だが、デベロッパーでは三菱地所で、確かビバルディの「四季」だと思う)

 ついでに「みどりの基金」の表彰式について。行うのなら広く県民に理解してもらうようイベントがいいのではないか。同社には緑のプロ涌井史郎取締役(東京都市大学特別教授)がいる。トークショーを行えば参加者が殺到するはずだ。

埼玉県「彩の国みどりの基金」への寄付累計1473万円 上田知事から感謝状 積水ハウス(2019/7/13)

貧しい街路樹 低い緑被率 「緑」に対する市民の不満率44% 「八潮らしさ」を考える(2020/2/15)

樹齢30年以上 戸建てより低く〝伐採〟された「白岡ニュータウン」のケヤキの街路樹(2016/4/27)

続々「街路樹が泣いている~街と街路樹を考える」 支離滅裂の「新三郷」(2014/10/24)

続「街路樹が泣いている~街路樹と街を考える」流山と越谷、三郷の差(1014/10/17)

貧弱な戸田市の緑・街路樹 市民の満足度が上がらないのは行政の責任(2012/3/13)

 


 

image002.png

  pdfはこちら感染者.pdf

 東京都の新型コロナ感染者は減少傾向にあるが、世代別・性別属性では、30代男性が5日連続して最多となっている。20代の感染者が減少している分だけ押し出された格好だ。

 別表は過去5週間の日ごとの20~40代の世代別・性別感染者の推移をみたものだ。8月26日までの18日間では、20代男性が14日間最多だったのが、その後の1週間では20代女性が6日間最多となり、この5日間は30代男性が最多となっている。
 

写真.jpg
右から高齢・障害・求職者雇用支援機構埼玉支部 高齢・障害者業務課・岡田氏、同課長・柳瀬氏、同社課長・鈴木氏、同主任・加藤氏、同部長・岩井氏(写真提供:ポラス)

 ポラスグループの特例子会社ポラスシェアードは9月11日、高齢・障害・求職者雇用支援機構が主催する令和2年度 障害者雇用職場改善好事例 入賞事業所表彰で「奨励賞」を受賞したと発表した。

 同表彰は、障がい者の雇用管理や雇用環境の改善などの取組みの中から、他の事業所のモデルとなる好事例を募集し、優秀事例を表彰するもの。

 今回の募集テーマは「障害者の健康に配慮し安心・安全に働けるように取り組んだ職場改善好事例」で、「事務所移転の際、本社や最寄駅間の経路を実際に移動して危険を洗い出し、ヒヤリマップを作成するほか、自転車の講習会を実施するなどの対策を行った。また、視覚障害のある社員に配慮し、事務所内のカーペットで通路の貼り分けを行ったことに加え、まぶしさを防ぐために個人用ブースを作成し、遮光を行うなどの取組を行った」(講評)ことが評価された。同社の受賞は平成30年(2018年)に続き2回目。

 同社は、埼玉県越谷市瓦曽根に所在。代表取締役は中内晃次郎氏。会社設立は2015年2月6日。従業員数46名(うち障がい者35名)。ポラスグループの運営に伴う設計補助業務や事務などの代行業務を行っている。

◇       ◆     ◇

 表彰制度が「障害者雇用職場改善好事例」などと法律用語ではあるのだろうが、いまは誰も使わなくなった差別的な「障害者」(小生のパソコンは頭がよく、「しょうがいしゃ」と打つと「障碍者」に変換する。まだ「碍」のほうがまし。日本ガイシの商号は「日本碍子」)を使用しているのがいかにも役所的で気に障るのだが、特例子会社ポラスシェアードは会社設立時に取材している。当時の記事も添付したのでぜひ読んで頂きたい。マンションの記事ではないのに3,000件を超えるアクセスがあった。

 取材したときの社員数は20名(うち17名が障がい者)だった。倍近くになったのがうれしい。

 主催者は、このようなイベントこそメディアを呼ぶべきだ(呼んでいたらごめんなさい)。小生はすっ飛んでいく。

ポラス 越谷市初の特例子会社へ 障がい者中心の新会社設立(2015/3/30)

「プレミスト平和台」外観.jpg
「プレミスト平和台」

 大和ハウス工業は9月12日、経済産業省「2019年度二酸化炭素排出抑制対策事業等補助金<集合住宅(低層・中層)における低炭素化(ZEH-M化)促進事業>」の「ZEH-M Ready(ゼッチ・マンションレディ)」に採択された分譲マンション「プレミスト平和台」の販売を開始した。

 東京電力グループのファミリーネット・ジャパンと共同開発したスキームを採用しており、同社のスマートマンションサービス「D'sエネルギープラン」で採用している高圧一括受電サービスに太陽光発電システムで発電した電力を新たに組み合わせることで、再生可能エネルギーをマンション各戸へ供給し自家消費を実現したもの。各戸にパワーコンディショナーを設置せずに、太陽光発電システムで発電したエネルギーの供給を可能とした。

 物件は、東京メトロ有楽町線平和台駅から徒歩3分、練馬区北町6丁目に位置する4階建て全60戸。第1期(47戸)の専有面積は38.05~77.62㎡、価格は3,498万~8,158万円(最多価格帯6,500万円台)。設計・監理は陣設計。施工は不二建設。竣工予定は2021年1月下旬。

◇       ◆     ◇

 これまでZEHマンション(ZEH-Mはないが)を6物件くらい見学した。今回の物件は完成予想図のデザインが面白い。方角はいま一つ分からないが、建物形状はほぼシンメトリーなのに、なぜこのような外観になるのか。機会があったら取材してレポートしたい。

 物件概要からすると、坪単価は300万円台の前半だ。相場並みではないか。場所はおおよそ想像がつく。幹線道路から一歩入ったところで、低中層の建築物が立ち並ぶ一角だと思う。

 

 0911会見画像.jpg
仲井社長

 積水ハウスは9月11日、報道陣向けにオンラインによる経営計画説明会を行った。同社代表取締役社長・仲井嘉浩氏は、新型コロナの影響で前日に発表した2021年1月期第2四半期決算で通期業績予想を下方修正した理由、具体的な挽回策、今後の市場見通しなどについて質疑応答を含め約50分にわたり語った。

 仲井社長は2023年1月期を最終年度とする第5次中期経営計画について、「この先1年はコロナの影響で経済環境は一進一退で推移し、その後はワクチンの開発も行われ大きく改善する。再度、緊急事態宣言が発令されたら厳しい。それと冬のボーナスは二極化するはずで、消費マインドへの影響は避けられないので、政府の経済・財政出動に期待したい。これがフォロー要因となる」など語った。

 業績予想を下方修正したことについて仲井社長は、「下方修正した300億円を中計の最終年度まで残り2年半の中でどこでどこで取り戻すかだが、300億円のうち国際事業の100億円は期ずれではあるが中計のオンライン上にある。残りの200億円は受注額にして約1か月分。トータルとして中計を達成できるよう邁進していく」と述べた。

 足元の市場について「期せずしてお客様の住宅に対する関心が高まり、新築やリフォームの機運がフォローになっている。当社のオンラインスキルも高まった。賃貸環境は厳しいがS、Aエリアに特化した戦略が奏功している」などと、コロナの影響を受けステイホームが浸透し、潮目が変わったことなどを指摘した。

 主力の戸建て住宅については、全体の棟単価は4,081万円(2019年度3,993万円)と増加したしたことを受け、第一次取得層向けの「1stレンジ」(2,300万~2,400万円が中心)、30~40代のアッパーミドル向け「2stレンジ」(3,300~3,400万円)、富裕層向けの「3stレンジ」(5,000~1億円)の今後について、ビルダーとの競合が避けられない「1stレンジ」の環境は厳しいとの認識を示しながら、「3年後の目標らに掲げている1,000戸を目指し、人材も投入していく」と述べた。国際事業では、アメリカの宅地・住宅販売が好調で、中国・蘇州の3,000戸の大規模開発が完売したと話した。

 仲井社長はまた、コロナの影響で3~4月の一時期、瞬間的に賃貸住宅の入居率が落ちたことについてエピソードして触れ、「信販会社を通じて239件の家賃減額申請を受理したという報告を受けたが、当社が管理する約65万戸に対して0.03%。入居率はすぐ回復し、ほとんど影響を受けていない。これは当社が高付加価値型の賃貸に特化している証であり、入居者さまにも感謝したい」と語った。

 1円増配の年間82円としたことについては、「増配は何としてでもやりたかった。総還元性向53.4%を維持する。ESGのGでも役員報酬は固定報酬:変動報酬を1:2にすることで、株主と同じ土俵の乗るよう改善した」と述べた。

◇       ◆     ◇

 同社の2021年1月期第2四半期決算は、売上高1兆1,679億円(前年同期比3.3%減)、営業利益926億円(同18.0%減)、経常利益906億円(同22.2%減)、純利益594億円(同23.2%減)と減収減益。新型コロナの影響を受け、主力の戸建て、賃貸事業などは大幅な減益となった。

 通期予想は、売上高2兆4,150億円(3月5日の前回予想は2兆5,850億円)、営業利益1,750億円(同2,060億円)、経常利益1,725億円(同2,050億円)、純利益1,140億円(同1,370億円)に修正した。株式配当は81円から82円へ増配する。

◇      ◆     ◇

 この種のオンラインによる会見、イベントをかなりこなした。20回くらいではないか。最初のころは視聴環境が悪く、よく聞き取れないケースも少なくなかったが、今回は完ぺきだった。仲井氏の説明も分かりやすいものだった。もう報道陣を一堂に集めてこの種の説明会を開く必要性はない。

 それより、同社も先に行ったライフスタイル型モデル「7stories」のような現地見学会などを増やしてほしい。記者にとって座学で仕入れた情報にたいした価値はない。実物、実際をどれだけ見るかが記者の値打ちを決める。記者のレベルを上げることが、ハウスメーカーもデベロッパーも顧客に正確な自社の商品特性を伝えることにつながるはずだ。

外観パース.jpg
外観パース

 野村不動産とケン・コーポレーションは9月10日、西麻布三丁目北東地区市街地再開発準備組合の事業協力者として準備を進めてきた「西麻布三丁目北東地区第一種市街地再開発事業」の組合設立の認可を受けたと発表した。

 同地区は、東京メトロ日比谷線・都営大江戸線六本木駅から西へ約300m、「六本木ヒルズ」に隣接する約1.6haの規模。都市居住機能、商業・業務機能を整備する。

 同事業は、施行区域面積約1.6ha、建築面積は超高層棟約3,800㎡、寺社(3棟)約1,290㎡、延べ面積は超高層棟約96,000㎡、寺社(3棟)約2,730㎡。主要用途は住宅、事務所、商業、ホテル、子育て支援施設、神社及び寺院並びにこれらに付属する建築物。住宅の予定戸数は約500戸(地権者住戸含む)。

◇       ◆     ◇

 この場所はよく知っているが、再開発予定地になっているのまでは知らなかった。着工も竣工も住宅は分譲か賃貸かもリリースには書かれていないが、分譲なら社会・経済状況にも左右されるが、最低でも坪1,500万円で、2,000万円超もありうると見たが、どうだろう。まさに「世界一の時間」を提供する「プラウド」になるのは間違いない。

イメージパース.jpg
イメージ

オープン.png 個室.png
ワークスタイリングSHARE オープンスペース(左)と個室

 三井不動産が展開している法人向け多拠点型サテライトオフィス「ワークスタイリング」は9月10日、三井不動産ホテルマネジメントが運営する「ザセレスティンホテルズ」「三井ガーデンホテルズ」と連携し、9月15日(火)から10ホテル、10月中に8ホテル、合計18ホテルをワークスタイリングSHARE提携拠点として加え、サテライトオフィスサービスの提供を開始すると発表した。

 新型コロナの感染拡大により在宅勤務を含めたテレワークを導入、推進する企業が急増したことで、通信環境やセキュリティなどが整備されたテレワークに適したワークスペースのニーズに応えるもの。

 通常のワークスタイリング拠点に加え、対象ホテルの客室をプライベートな一人用個室ワークスペースとしてご利用することが可能になる。

 同サービスは、法人会員向けで、料金は法人請求。基本料金はオープンスペース利用で10分間300円。従量課金制。

 2017年4月にサービスを開始したワークスタイリングは、2020年9月現在、会員企業数は約600社、登録会員数は15万人を超え、サービス拠点は63拠点に上っている。今回、「ザセレスティンホテルズ」「三井ガーデンホテルズ」の18拠点が加わることで、ワークスタイリングの拠点ネットワークは81拠点に拡大する。

◇       ◆     ◇

 いいサービスだと思う。記者もK社の会員として取材の空き時間に記事を書くことがあるが、ホテルの客室で原稿が書けるなら最高だ。外で働く環境としてはホテルが一番安全だと思う。

 しかし、やはり費用・料金、費用対効果が問題だ。オフィスワーカーの賃金を時間給に置き換えれば、この3,500円(時給1,750円)は決して高くはないが、安くもない。

 「三井ガーデンホテルズ」もテレワーク応援プランとして2時間利用で約3,500円のデイユースサービスを行っているが、金銭的に余裕のある人はともかく、小生のような貧乏人はやはり抵抗感がある…タバコを吸うための500円のコーヒー代は高いとは思わないが…。

 ホテルにも一言。オフィスサービスとして客室を提供するなら、リネンは必要ない。トイレ、シャワー室は共用にして、個室を増やせば利用率は高まり、料金も安くできるのではないか。

 pic_landscape01.jpg
「オーベルグランディオ平井」

 大成有楽不動産が10月下旬に分譲する「オーベルグランディオ平井」を見学した。都内最大級の再開発エリアのスーパー堤防内に立地する全138戸で、長期優良住宅認定を取得し、平均74㎡を確保しているのが特徴。9月いっぱいの来場予約はほぼ満席だ。売れ行きが注目される。

 物件は、JR総武線平井駅から徒歩16分、都営新宿線東大島駅から徒歩16分、江戸川区小松川三丁目に位置する13階建て全138戸。専有面積は71.65~85.46㎡、予定価格は3,900万円台〜6,500万円台(最多価格帯4,700万円台)、坪単価は220万円台の前半。竣工予定は2022年1月下旬。設計・監理・施工は長谷工コーポレーション。販売代理は長谷工アーベスト。

 現地は、約50年間にわたり行われている約63haの都内最大級の「亀戸・大島・小松川地区市街地再開発」の最終街区のスーパー堤防上の一角。敷地面積約7,239㎡のうち約1,200㎡の広場状空地と敷地周辺の歩道状空地により約79%の空地率を確保。

 住戸プランは、南・南西向き、全戸70㎡以上(平均約74㎡)で、主な基本性能・設備仕様は、長期優良住宅認定、リビング天井高2500~2600ミリ、食洗機、ホームライブラリー、オリジナル収納など。近接する高速道路対策として二重サッシを採用している。共用施設としてフレックスルーム、キッズルーム、パーティルーム&キッチン、シェア倉庫などを設置。

 開発担当の飯島氏は、「モデルルーム見学は1日最大12組くらいに制限していますが、9月いっぱいは満席。東京駅から約8キロ圏の都心近接立地、約79%の空地率、平均74㎡の居住面積、長期優良住宅、有償ですが完全個室のユーティリティスペース提案など、お客様には〝都心近接ながらゆとりと開放感のある生活が実現できるポイント〟をアピールしています」と語った。

IMG_7802.jpg
模型

◇       ◆     ◇

 2年前見学取材した同社の「オーベル住吉マスターテラス」もそうだったが、今回の物件は東京駅を中心に8キロ圏に位置していることをパンフレットなどで分かりやすく説明していた。

 この種の販売手法は真新しいものではないが、説得力がある。「平井」をよく知らない人には、圧倒的な価格の安さをアピールできる。

 東京駅から8キロ圏は池袋、東中野、初台、代々木上原、中目黒、武蔵小山、北千住とほぼ同じだ。業界関係者ならご存じだろうが、これらのエリアのマンション坪単価はほとんど400万円を突破しており、駅近なら600万円以上もある。北千住でも380万円だ。

 この「平井」も、野村不動産が開発を進めている駅前の再開発タワーマンションは坪350万円くらいすると記者は見ている。

 この350万円が高いか安いかはともかく、平井駅圏は一般的な評価は低いが、ポテンシャルは高い街だと以前から思っていた。

 われわれは江東区も江戸川区も一括りで考えがちだが、全用途地域に占める工業系用途地域の割合は、江東区は実に70.8%に達しているのに対し、江戸川区は19.2%だ。都市計画などは全く異なる。

 都市公園もそうだ。一人当たりの公園面積は千代田区の27.65㎡には及ばないが、江戸川区は23区2番目に広い11.1㎡だ(江東区は8.72㎡、23区最小の豊島区は0.7㎡=豊島区の緑被率は高い)。江戸川区の区域面積に占める公園面積割合は15.38%で、こちらは千代田区の14.66%を上回り、東京都でナンバーワンだ。

 用途地域でも、23区のうち千代田、中央、台東、荒川、江東、墨田、北の7区には第一種低層住居専用地域(1低層)はゼロだが、江戸川区には70.8haある。ただ、この1低層は全て都市公園区域なので住宅地としての指定はない(都市公園を用途地域指定するのは各区の判断による)。

 区内には、4m未満の接道建築物が4割もあるのは課題だが、区内の建築物の8割は住居系用途地域に位置し、やはり8割は1~2階建て建築物というのも大きな特徴だ。

 これらの特徴は街を歩くとよく分かる。街路樹も立派なものが多い。今回の物件は平井駅、東大島駅から距離はややあり、高速道路が近接している難点を抱えるが、その難点を価格に反映し、居住面積を確保する戦略は正解だと思う。23区内に74㎡で4.700万円台の新築マンションはそうないはずだ。after&withコロナでマンション選考基準が変わったのも追い風になるか。江戸川区は子育て支援が充実しているのもよく知られている。

IMG_7804.jpg
ホームライブラリー
 

image002.png
「ギャラリークレヴィア有楽町イトシア」

 伊藤忠都市開発は9月10日、既報の「ギャラリークレヴィア有楽町イトシア」を報道陣に公開した。同社を含めて日本橋-銀座-有楽町には8社のギャラリーがあるが、設備仕様レベルは断トツ、突き抜けており、今後供給する坪単価400万円以上の物件にふさわしいものであるのは間違いない。

 入った途端、最初に組子デザインの壁が目に飛び込んできた。触って確認した。もちろんケミカル製品ではなく本物の木が使われていた。海外アワード受賞歴を持つ「村山木工」の指物師が手掛けたホール格子スクリーンだった。

 ほぼ中央にでんと据え置かれていた約1m×10mのテーブルがまた凄かった。本物のウォールナットを二つに割って左右対称にする〝ブック張〟に、レジン(樹脂)を埋め込んで仕上げた「米澤木工所」による特注品だという。値段は教えてくれなかったが、これだけて数百万円はしそうだった。12卓の椅子も本皮を張った立派なものだった。

 接遇ブースは全部で6か所。京友禅工房「三才(さんさい)」の西陣織クロス、元禄元年創業「細尾(ほそお)」の西陣織クロス、吉祥の和文様を織り込んだ鶴の白磁、ブルーに染めた左官土壁に水連の金物アートはみんな芸術品であることは素人でもわかった。

 約67㎡のコンセプトルームの仕様レベルは、坪単価400万円以上のものであるのは間違いない(1,000万円レベルではない)。9月5日(土)から事前案内会を開始した「クレヴィア上野御徒町」は坪単価400万円、「クレヴィア山吹神楽坂」は坪単価450万円、「クレヴィア日本橋水天宮前HAMACHORESIDENCE」は坪単価460万円だそうだから、ぴったりだ。

 同社都市住宅本部都市住宅事業第一部都市住宅事業第二課・高栁勇斗氏は、「室内は『CREVIA(クレヴィア)』ブランドのブルーを多用し、空間設計デザインは外資系ホテル、レストランなどを手掛けているDESIGN STUDIO SPINを起用した。どこにも負けない施設に仕上げた」と胸を張った。

 場所はJR有楽町駅前の有楽町イトシアオフィスタワー14階、広さは約120坪。

「細尾(ほそお)」の西陣織クロス.png
「細尾(ほそお)」の西陣織クロスを用いた個室

吉祥の和文様.png
吉祥の和文様を織り込んだ鶴の白磁クロスを用いた個室

IMG_7841.jpg
ホール格子スクリーン

IMG_7840.jpg
約1m×10mのテーブル

◇       ◆     ◇

 凄いマンションギャラリーを見た。日本橋-銀座-有楽町には同社を含めて8社のマンション総合ギャラリーがあるが、まだ一度も見ていない1社を除いて仕様レベルは他を圧倒している。一頭、いや二頭も三頭も地を抜くレベルの高さだ。

 例えて言えば、ホテルなら5つ星、飲食店なら小生は利用したことがない3つ星で、プロ野球選手なら西武の快速投手・平良(何? 知らない。ならば憎き巨人の今年調子がいい菅野か)、野手ならソフトバンク柳田かオリックス吉田、テニスなら大坂なおみさん、女優なら吉永小百合さんクラスだ。

 坪賃料は4万円と聞いた。賃料だけでも月480万円だ。1物件ならコストに見合わないだろうが、数物件同時ならむしろ安いというべきか。

 小生は以前からケミカル製品、フェイクだらけのモデルルームを批判してきた。本物でないと、目が肥えたマンションや戸建て購入希望者をもてなすことなどできないのは自明の理だ。

 難点をいえば、小生のような貧乏人にとってはやや敷居が高いことだ。来場者には、飲料やクッキーなどが自由に振舞われるが、仕事帰りに立ち寄り、コーヒーを飲んだりクッキーを食べたりするような勇気ある女性はまずいないだろう。どうしても行きたいなら「ギャラリークレヴィア新宿」を勧める。

IMG_7850.jpg
コンセプトルーム

IMG_7848.jpg
テレワークにぴったりのコンセプトルーム

伊藤忠都市開発 マンション総合ギャラリー 第2弾「有楽町イトシア」開設(2020/9/2)

伊藤忠都市開発 新宿に常設の「ギャラリークレヴィア新宿」2月10日開設(2020/1/10)

 

 

rbay_ayumi.gif

 

ログイン

アカウントでログイン

ユーザ名 *
パスワード *
自動ログイン