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「新宿ホームギャラリー」

 三菱地所ホームは5月30日、CLTを2階床に採用した富裕層向けモデルハウス「新宿ホームギャラリー」と、地下室・屋上・スキップフロアなど7層の「オークラランドホームギャラリー」の内覧会を報道陣向けに行うとともに、全館空調「エアロテック」を全国の住宅事業者に外販する「エアロテック・アライアンス事業」を開始し、大小39パターンの中から好みのプランを選べる第一次取得層向けの定額制商品「SMART ORDER Fit」を発売すると発表した。

 記者発表・内覧会に臨んだ加藤博文社長は、同社の35周年記念のCMに起用した作家の村上龍氏が自らの言葉で全館空調「エアロテック」の良さを伝えたことを紹介し、「2019年3月期の売上高は345億円で前期比20%増。非住宅、リフォームなどが伸びた。今回の『新宿』に採用したCLTは森林・林業再生の観点からもグルーブ全体でどんどん採用していく。『オークラランド』は7層住宅で、全館空調のよさが発揮できている。『Fit』は好評で今年度は60棟を目指す。『アライアンス』は東北の『北洲』さんと契約を締結した。今後は全国、海外も狙っていきたい」などと語った。

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加藤社長(「ハウジングステージ新宿」で)

◇       ◆     ◇

 「今日(30日)は午後の最初、ちょうど眠気を誘う時間帯ですが、わたしも含めて皆さんも目が覚めるような分かりやすくて中身が濃いものにします」-業界の名物広報マン・横須賀直人氏のいつもの軽妙な司会で発表会・見学会は始まった。

 確かに中身は分かりやすいものだった。さて、何の記事から書こうかと迷っているうちに、結局、〝先入れ後出し〟の形になってしまった。あれから1週間近く経過する。しかし、エアロテックはいつでもどこでも温度が一定であるように、これから書く小生の記事も他の記者の方とは視点を変え、甘辛のスパイスを利かしているので鮮度は落ちていないはずだ。

 ここでエアロテック、CLTのよさについて書くゆとりはない。「RBA」のワードとともに検索していただければ、20本はヒットするはずだ。

 「新宿ホームギャラリー」のモデルハウスがいい。2階床にCLTを使用しすっきりした水平ラインを強調するとともに、トラバーチンを加工した垂直の壁柱を設けることで水平・平行・垂直ラインの造形美を演出。内外装に自然素材を多用し、五感に訴える仕掛けを施しているのが特徴。建物は2階建て延べ床面積約223㎡。モデルハウス仕様で価格は1億7,200万円(坪254万円)。

 小生は、この坪単価の高さに注目した。価格だけなら積水ハウスの古河にある軽量鉄骨2階建て「イズ・ステージ」(約297㎡)が約2億円と聞いたので、それよりは安いが、単価では「イズ・ステージ」の約222万円を上回る。業界でもトップクラスの仕様レベルだと思う。

 何がすごいか。階段室の演出だ。階段室の処理に苦労するのが一般的だろうが、同社はそれを逆手にとってアートの壁面に変えた。階段手摺まで計算して画像に取り込んだ。ヒーリングウォールと呼ぶ仕掛けを施しており、プロジェクションマッピングによるデジタルアートと音楽を用い、五感+α(その先を感じる)の価値を提供している。

 費用は1,000万円くらいするそうだが、お金持ちにとっては全然負担にならないはずだ。

 自然素材を多用した外壁・デッキ・床・天井・デッキなどがまたいい。外壁の壁柱はトラバーチンを加工したもので、ウッドデッキはバイオリンなどにも使用される赤い肌の木をわざと劣化(同社は変化という言葉を使った)させ、変化させた後は劣化が進まないようにしているとのことだった。

 床は古材をイメージさせるオーク材の帯鋸仕上げで、1㎡当たり単価は7.7万円。キッチンカウンターはアッシュグレーの左官仕上げで、微妙な凹凸をつけている。リビング天井は波型の手作業による箔塗装仕上げ…。

 基本性能では8mのコーナーハイサッシが目を引く。「新宿ホームギャラリー」がある住宅展示場「ハウジングステージ新宿」の他社のモデルハウスは3階建てが多いので、これも差別化につながっているはずだ。

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ヒーリングウォール

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リビング

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キッチン

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ウッドデッキ

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 「オークラランドホームギャラリー」は、容積率不算入の地下室、小屋裏収納、スキップフロア、ロフト、屋上バルコニーなどを採用することで、建築確認申請上の延床面積を100%(66坪)とすると、有効活用できる面積は136%(90坪)となるよう工夫されているのが特徴。

 モデルハウスにはホームエレベータが付いていないので、記者は地下から屋上まで上がるのにさすがにこたえた。これは若年層向けだ。

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「オークラランドホームギャラリー」

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 「ハウジングステージ新宿」についても一言。JR山手線新大久保駅から徒歩2分、約1万平方メートルの旧ロッテ工場跡地にオープンした全20区画のこの住宅展示場は全20区画。こののうち現在公開されているモデルハウスは12棟。

 記者は積水ハウスのモデルハウスも見学した。これまた最高に素晴らしい。カッシーナとコラボし、一分の隙もないモノトーンの空間を見事に演出している。モデルハウスを芸術品の域まで高めた商品だ。

 何に例えるべきか迷ってしまうのだが、ミロのヴィーナス像はどうだろう(実在の女性に例えると差しさわりがある)。

 だがしかし、あまりにも美しく近づくことも触れることもためらわれそうで、金持ちでも品格がない人は怖気づくのは必至で、住みこなすのは容易なことではないのではないか。

 〝百聞は一見に如かず〟-業界関係者も必見だ。

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空っぽの貯木場(新木場二丁目で)

 前回は、「都市計画法ではありえない住宅不可の、駅前に行かないと飲食店はなく、フーゾクもない151haもの広いエリアに男女比71:17の88人の方はどのような生活をしているのか、職業は何か興味をそそられないわけではないが」と書いたが、やはりその興味というか誘惑には抗えなかった。早速取材に出かけた。

 「(仮称)三井リビングラボ新木場」は駅から徒歩9分の表示だが、長丁場も予想し、スタミナを温存する意味もあり、また情報を仕入れる意図もありタクシーに乗った。「人? 住んでないですよ。飲食店? ありません」運転手はつれない返事。空振り。

 建物が解体中の「(仮称)三井リビングラボ新木場」の前から取材開始。運よくバイクに乗っている郵便局員に出会えた。「住宅? 分かんない」またも空振り。なんのなんの、西武の山川のような気分だ。空振りを恐れて取材ができるか。

 片っ端から営業している材木屋、倉庫などに声を掛けた。「10年位前からいるけど、そんな人知らないなあ」「歩き? 駅前にレンタル自転車あるけど。そんな恰好(スーツにネクタイ)して歩いたら、熱中症になって死にますよ」(ありがとう)「ここはそうじゃない。他を当たって」「ここは住んじゃいけないことになっている。知らない」「〇〇の息子さんが住んでいるという噂を聞いたが…まあ、どこだって事務所に住もうと思えば住めなくもないが…」

 ここまで約1時間。10カ所くらい回ったが、全て空振り。汗が噴き出す。野球の試合の取材では6時間くらい平気だが、もう限界。空っぽの貯木場の写真を撮って帰りのタクシーを呼んだ。「住宅? それらしきもの知ってますよ」「えっ、それじゃ、そこ行ってください」

 その現場に着いた。建物は鉄筋か木造か判別できないが、住宅といえば住宅だし、事務所のようでもある3階建てが建っていた。窓はあったが、男性も女性も子どもも下着は干されていなかった。表札には法人らしき名札が3つ4つかかっていた。業種までは分からない。フーゾクではなさそうだった。外観からは何屋さんか分からない。

 小生は意外と無鉄砲なところがある。その筋の人が出てきたらどうしょうかとも考えないではなく、近くの貯木場に丸太ではなく、枯れ木の流木みたいな土左衛門として浮上し、カラスの餌にされるのではないかという恐怖も襲ってきたが、ええーいっ、ままよとばかり、郵便配達人のようにコツ、コツと二度ドアをノックした。

 ものすごく長く感じたが、おそらく待つこと数秒。返事がないのに安堵した。小生はそれほど馬鹿でもない。写真を撮る勇気はなかったが、住所も法人名も控えた。もうこれ以上書かない。

 ところで皆さんは建築基準法でいう「住宅」とは何かご存じか。第二条に「共同住宅」「居室」などはあり、建築物の細かな規定はあるが、「住宅」そのものの定義はない。

 どうなっているのか。江東区の担当者は「法律をつくった国土交通省に聞いてほしい」といったし、国土交通省の担当者は「個々の案件は特定行政庁が判断する」とのことで、つまり、定義などは存在しないことのようだ。小生が「師匠」と仰ぐあるハウスメーカーの建築の専門家も「調べるから時間をください」としか答えてくれなかった。

 ここでクエッション。そもそも法律ではっきりした定義がないものを地区計画で禁止する行為はいかがなものか。

 参考までに、総務省の「住宅・土地統計調査」では「住宅」とは次のように定義している。

 「一戸建の住宅やアパートのように完全に区画された建物の一部で、一つの世帯が独立して家庭生活を営むことができるように建築又は改造されたものをいう」とし、「『完全に区画された』とは、コンクリート壁や板壁などの固定的な仕切りで、同じ建物の他の部分と完全に遮断されている状態をいう。また、『一つの世帯が独立して家庭生活を営むことができる』とは、次の四つの設備要件を満たしていることをいう。①一つ以上の居住室②専用の炊事用流し(台所)③専用のトイレ④専用の出入口屋外に面している出入口又は居住者やその世帯への訪問者がいつでも通れる共用の廊下などに面している出入口」とある。

 しかし、これも、バスもトイレもないわずか7㎡(2.1坪、4.2畳)の部屋を1戸とみなすセーフティネット住宅との整合性をどう説明するのか。

 それにしても、このような地域にライフサイエンスの最先端ベンチャーを誘致する三井不動産はすごい!マンションではないから、RBA・話題のマンションベスト3には入れられないが、某媒体の今年のヒット商品番付で横綱になるのは間違いないと思うが、どうだろう。

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「(仮称)三井リビングラボ新木場」の建築予定地

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新木場2丁目の街並み

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こちらの貯木場も空

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駅前の看板(駅の南側が新木場1丁目、島の部分が新木場2丁目、下が新木場3丁目、辰巳3丁目は地図の左上の部分)

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新木場駅前(左の建築物がホテル。今年8月に竣工予定)

住宅不可の151ha〝処女地〟新木場にライフサイエンス拠点 三井不の新事業(2019/6/1)

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「イニシア中央湊」モデルルームからの眺望(合成)

 コスモスイニシアが分譲中のマンション「イニシア中央湊」モデルルームを見学した。「青山フラワーマーケット」を運営するパーク・コーポレーションの空間デザインブランド「parkERs(パーカーズ)」とコラボレーションした第3弾で、古材を用いたテーブルやハンモックなどの什器・設えとよくなじんだ緑の量と質に感動した。モデルルームのおもてなしはかくありきの見本だ。

 物件は、東京メトロ日比谷線八丁堀駅から徒歩5分、中央区湊1丁目に位置する10階建て全36戸。第2期1次(戸数未定)の専有面積は71.78~77.10㎡。全体平均坪単価は425万円(隅田川向きは470万円、反対側は380万円)。竣工は2019年12月下旬。施工は大豊建設。4月末から分譲開始し、これまで16戸が販売済み、

 建物は内廊下方式で、1フロア4戸構成。道路を挟んで隅田川に面した東向き2タイプ(南側にも採光・開口部)と、西向きの2タイプ。

 主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、突板フローリング、ディスポーザー、食洗機、ミストサウナ、Low-Eガラス、シーザーストーン天板など。

 パーカーズが商品化した家具や小物が選択でき、当初2年間は毎月1輪の花が届けられるほか、共用部分内の植栽メンテナンスが受けられるのが特徴。

 同社分譲事業部分譲二部プロジェクトマネージャー・岡端知子氏は「お客さまの評価も高く、もちろん販売促進につながっています」と話した。

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音が出る水盤

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完成予想図

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 パーカーズとコラボした同社の戸建て・リノベマンションは見学しているが、分譲マンションでは「墨田」「江古田」に続く第三弾の今回が初めてだった。

 モデルルーム玄関を入るとすぐアロマの甘美な香りが心を満たし、ゆったりした玄関・廊下が目に飛び込んできた。玄関カウンターはシーザーストーンで、反対側の壁面との距離は最大で約1.5mもある。岡端氏は「居住面積は70㎡台ですが、90㎡台とかわりません」といみじくも言ったように、同社が最近力を入れている〝魅せる玄関〟の演出だ。

 そして、いたるところに置かれている観葉植物。エバーフレッシュ、ノシラン、ペペロミア、シェフレア、シノブ、胡蝶蘭、エスキナンサス、ヤブラン…モデルルームだけで13種、販売事務所を合わせると約20種にも上る。費用は約130万円(高いと感じる人もいるかもしれないが、著名な画家の絵画はけた違い)。

 100万円もする古材を用いたダイニングテーブルや、やはり100万円近くする音の出る大盤の水盤、ハンモックなどはともかく、床は最近ほとんど見かけなくなった突板フローリングで、戸数36戸にしては珍しいディスポーザーが標準装備だ。

 岡端氏によると、この秋にはこの物件に近い築地エリアで同社も含めて5物件、戸数にして500~600戸が供給されるという。間違いなく単価はここより高い。全て見学しよう。

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エントランス

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販売事務所が入居するビルの看板(この看板をみて見学する人も多いとか)

「パーカーズ」とのコラボ リノベマンション コスモスイニシア「大森山王」(2019/5/27)

呉越同舟効果 「5本の樹計画」の本領発揮 積水「品川シーサイド」1期207戸!(2017/3/24)

 三井不動産リアルティは5月31日、不動産仲介事業の売買仲介取扱件数が33年連続で全国No.1を達成したと発表した。

 2018年度の売買仲介取扱件数は全国で41,533件(2017年度40,658件、前年度比2.1%増)となり、1986年度から2018年度まで33年連続の全国No.1となった。

 取扱件数第2位の住友不動産販売の2018年度は37,058件。その差は縮まりそうで縮まらない。

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 マンション管理業協会は6月3日、協会設立40周年を記念して、昨年まで実施してきた「マンションいい話コンテスト」をリニューアルし新たに住み心地や建物・設備などマンションにおけるバリューアップを図った事例や提案を募集する「マンション・バリューアップ・アワード(MVA)2019」を開催すると発表した。

 募集テーマは、①マンションライフ部門(住み心地、居住価値向上)②工事部門(建物資産価値の向上)③防災部門(防災力の向上)④財政部門(組合財政の健全化)⑤高齢者対応部門(居住者の高齢化に伴う先進事例)。

 応募資格はマンション管理組合、サークル等組織、マンション居住者、管理会社、管理員、マンション管理士、設計事務所関係など誰でも可能で、複数部門への応募も可能。応募期間は6月3日(月)~8月31日(土)。

 賞及び賞品はグランプリ1点40万円(従来は30万円)、部門賞数点各10万円、特別賞数点ほか。

 応募方法など詳細は「マンションのWa」サイト内で。

マンション管理協 いい話コンテスト「かわら版って、いいよ!」 高橋さんグランプリ(2018/12/4)

 

 

 

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川畑社長を中央に、左が鶴川氏、右が兒玉氏

 旭化成ホームズは5月31日、2024年度を最終年度とする「中期経営計画2021」を発表。「Challenge & Growth(挑戦そして成長)」を戦略コンセプトに掲げ、数値目標として売上高7,200億円(2018年度比19.1%増)、営業利益720億円(同13.4%増)を目指す。

 「良質な社会ストックの追求」「拡大への挑戦」「グループ基盤の構築」の3つを経営戦略の柱とし、「良質な社会ストックの追求」では、「ロングライフ住宅の実現」で培ってきた財産をベースにリフォーム提案力、買取借上げなどのサービス充実、ファイナンシャル相談を推進する。

 「拡大への挑戦」では、シニア向け賃貸住宅の棟数ナンバーワンを目指すとし、「へーベルハウス」(健常期)⇒「へーベルVillage」(フレイル期)⇒「Villageリーシュ」(要介護期)へとシームレスなサービス提供体制を構築する。中高層建築や海外事業も積極的に展開する。

 「グループ基盤の構築」では、IT活用に40~50億円を投資し、働く場所を選ばない「シンクライアント」の導入や常務システムを開発する。人材育成にも力を入れ、グループ全体のバリューチェーンの強化・拡張を目指す。

 発表会に臨んだ川畑文俊社長は、「住宅市場は今後縮小しているが、大都市圏など21都府県で展開している当社の縮小スピードは緩やかで優位性がある。営業体制も戸建て・賃貸・集合住宅などを併売する体制を敷いているのが強み」などとし、2025年度には売上高1兆円を目指すと語った。

 2019年4月付で旭化成リフォーム代表取締役に就任した鶴川和豊氏(旭化成ホームズ執行役員)は、旭化成ホームズ、旭化成不動産レジデンスとの連携を強化し、2021年度売上高を700億円(2018年度比19.9%増)、営業利益73億円(同17.7%増)に伸ばすと話した。

 また、2019年4月付で旭化成不動産レジデンス代表取締役社長に就任した兒玉芳樹氏(旭化成ホームズ取締役常務執行役員)は、引き続きマンション建て替えナンバーワンブランドを目指し、商業ビル、オフィスビル、賃貸マンションなど新しい事業にもチャレンジし、2021年度売上高1,850億円(2018年度比37.0%増)、営業利益198億円(同43.5%増)を掲げた。

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 記者がもっとも注目している「宮益坂ビルディング」の建て替えマンションについて、「計画が発表された段階では坪800~850万円と予想したが、その後の展開を見ると、オークションでもやれば坪1,000万円どころか1,500万円もありうるのではないか」と兒玉氏を挑発したら、「現在、権利変換手続きが長引いており、いつ分譲するか、いくらになるか申し上げられない。確かに定借マンションの坪800万円はベンチマークだが…」とかわされた。

 (かつて昔、宮下公園で星空を眺めながら永遠の愛を誓った彼女に捨てられた記憶しか渋谷にはなく、好きになれないのだが、蓼食う虫も好き好きだ)

 

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芳井氏(如水会館で)

 プレハブ建築協会は5月31日、通常総会後の記者会見を行い、芳井敬一会長(大和ハウス工業社長)は3つの重要課題として、災害に備える準備を行うこと、10月に予定されている消費増税後の反動減の有無を注視すること、住宅ストック向上に向け先導的な役割を果たすことを上げた。

 また、「先日、事務局から報告を受けたデータを見て、会員会社の退職者の退職理由が〝自分の成長が感じられない〟というのが多いのに衝撃を受けた。働き甲斐が感じられるような業界にするための方策を検討していく」と語った。

 平成30年度のプレハブ住宅の着工戸数が減少していることについては、「賃貸との併用などはカウントされていないものも少なくない。精査しないと分からない部分もある」と、業界全体として工業化住宅をさらに進めていくと話した。

 平成30年度の住宅着工戸数は前年度比0.7%増の952,936戸だったが、建て方別でプレハブは同3.9%減の130,916戸で2年連続の減少、ツーバイフォーは同2.5%減の116,690戸で2年連続の減少となった。

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 芳井会長が働き方改革に言及したのに注目したい。芳井氏は5月16日行われた大和ハウス工業の経営方針説明会でも「第6次中期経営計画」の最終年度2021年度までに「従業員の働きがい実感度」を現状の65%から80%へ、「取引先総合満足度」を現状の70%から90%へそれぞれ引き上げると語った。

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 プレハブの着工戸数の減少はよくわからない(記者は木造ファンだが)。しかし、木造だって丸太のまま輸入されるケースは激減し、現場で大工さんが材木を切り、かんなを削る時代はとっくの昔になくなっている。〝プレカット〟が主流だ。分譲マンションもほとんどがprefabricatedだし、ケミカル製品だらけだ。

 その一方で、洋服は「既製品」から「レディ―メード」「プレタポルテ」に、「中古住宅」は「既存住宅」「安心R住宅」に変わった。小生はもう40年も昔から「プレハブ」という呼称は改めたほうがいいとずっと思っている。

 

大和ハウス工業は531日、戸建て・賃貸住宅の建基法不適合問題について、社外の監査役と専門家専門家で構成される外部調査委員会の中間報告を受け、全文を公表した。再発防止策を含めた最終報告は6月中をめどに作成される予定。以下、概要。

現在の調査状況

大和ハウス工業では、200012月より、改正建基法施行(20006月)に基づく型式適合認定を取得、個々の建築確認の簡略化を図っていた。同社が型式適合認定制度を用いて建築確認申請を行う場合、型式適合認定を受けている仕様(独立基礎高さ620ミリ)しか用いることしかできず、その仕様から少しでも外れている場合は、一般的な建築確認申請を行う必要があった。

独立基礎不適合問題

同社では、型式適合認定制度導入以前の戸建て住宅・賃貸共同住宅の独立基礎は、高さ620ミリの独立基礎を用いることとされていたが、高さ620ミリ以外の独立基礎も採用されていた。

しかしながら、型式適合認定制度導入後、各事業所の設計責任者は高さ620ミリ以外の独立基礎の型式適合認定を取得しているものと誤認した可能性があり、そのことが今回発覚した独立基礎不適合問題発生の事態を生じさせた原因の一つであると思料される。

20019月、技術本部長名で各事務所の設計責任者に発信した社内通達でも、高さ620ミリ以外の独立基礎は型式適合認定を取得していないことを周知させることができなかったことが問題である

L字型受柱不適合問題

同社は、型式適合認定制度導入以前、関東地区の賃貸共同住宅の居住空間を多くとりたいという顧客の要望に応えるため、2階外部廊下を支える独立柱の代わりにL字型受柱を採用することがあった。それにより、2階外部廊下を建築面積に含めずに建ぺい率を計算することができ、賃貸共同住宅の居住面積を大きくすることができた。

しかし、型式適合認定制度導入に際し、L字型受柱については型式適合認定を取得しているものと誤認し、建築確認申請を行った可能性がある。

2007年ころ、建築確認検査機関からL字型受柱の型式適合認定取得に関して疑問を呈され、型式適合認定を取得していない事実が判明した。2008年以降、L字型受柱不適合問題は終息した。

防火基礎不適合問題

同社がL字型受柱不適合問題の調査を進めていた際、2階外部廊下を支える受柱に防火基準に不適合のおそれのある物件があることが判明した。

L字型受柱を採用した建物については、一般的な建築確認申請を行い、L字型受柱について耐火被覆による防耐火措置を講ずることが建基法・消防法、その他関係条例の防火基準に照らし必要か否かを指定建築確認検査機関の厳格な審査・チェックを受けるべきであったが、型式適合認定を取得しているものとして建築確認申請を行ったため、防火基準に不適合の恐れがある建物が建築されることとなった。

型式適合性等のチェックに係る体制

同社では、今回の不適合問題以前に過去3回(2014年、2015年、2015年、2016年)不適合問題を発生させ、20164月に仕様監理部を設置し、現在、新規仕様及び変更仕様に関する技術情報を一元管理し、不適合を防止する体制となっている。

しかしながら、今回の不適合が発生した2000年から2013年時点では、同部署は存在せず、型式適合認定については、各部署の設計者が自らチェックシート等に基づく管理体制を執っていたが、実際には今回の不適合問題が発生していることから、今後、これらのチェックに係る体制についても実際に機能していたか等についても、調査を進めていく必要がある。

現時点における考え得る本件不備の原因・背景

これまでの調査委員会の調査によれば、今回の不適合問題が発生した原因ならびに背景には、型式適合認定制度を導入した当時、同社の役職員に型式適合認定制度を用いて建築確認申請を行うためには、型式適合認定を取得している仕様しか用いることができず、その仕様から少しでも外れている場合は一般的な建築確認申請を行う必要があることについての理解・認識が不十分な者が少なからずいたと思われる。この点についてもさらなる調査が必要である。

 農林水産省は5月31日、平成30年の外国資本による森林買収の事例について調査結果をまとめ発表。全国で30件、373haの事例が報告され、このほか国内の外資系企業と思われる買収も43件、359haあり、合計で732haに上っている。

 規模が大きいものでは、いずれもアメリカの法人が太陽光発電を目的に兵庫県姫路市で118ha、上郡町で140haを買収しており、宮城県大崎市でも太陽光発電目的の米国法人による2haの買収が報告されている。太陽光発電目的では平成29年もいわき市で90haの米国資本による買収事例が報告されている。

 平成18年から30年の累計は223件、2,076haで、市町村別では北海道倶知安町の62件、318ha、砂川市の1件、292ha。

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 記者の記憶では、目的が不明なものはたくさんあるが、太陽光発電目的として森林買収が報告された事例は平成29年の1件に続き続きこれで4件目だ。

 太陽光発電は森林資源や生態系への影響も大きいはずで、この種の買収に注視する必要があるのではないか。昨日も「新木場」の記事で書いたが、118haは皇居より広い。2,076haは港区とほぼ同じだ。

 住友林業は531日、タイで初めての戸建て分譲事業を現地の大手不動産開発と合弁で約1,400戸開発すると発表した。

 住友林業100%子会社のSumitomo Forestry Singapore Ltd.SFS社)とタイの不動産開発会社Property Perfect PCLPF社)との共同事業で、首都バンコクの中心部まで車で約1時間の約52haの敷地に5つのプロジェクトを開発。延べ床面積110230㎡/戸、平均分譲価格162USドル/戸で20196月に開発を開始、2027年の完成を目指す。総投資額は約190百万USドル。出資比率はSFS社が49%、PF社が51%。

 同社は年間、米国で10,000戸、豪州で3,000戸の販売体制の確立を目指しており、アジア圏は米豪に次ぐ第3のエリアとして事業領域の拡大を図っている。

 

 

 

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