積水ハウス 土屋ホールディングスと資本業務提携 議決権株式の6.15%を取得
積水ハウスは3月14日、土屋ホールディングスと資本業務提携契約を同日に締結したと発表した。
積水ハウスと土屋ホールディングスの連結子会社である土屋ホームは、既に2025年1月から共同建築事業「SI(エス・アイ)事業」※を開始している。今回の資本業務提携により、SI事業のパートナーの枠を超えて、経営資源・技術・ネットワークを相互で活用し、両社の更なる事業拡大を図る。
資本提携により、土屋ホールディングスが2025年3月31日付で第三者割当による自己株式処分を実施し、積水ハウスが普通株式777,800株(発行済株式総数に対する割合3.02%)を取得する。また、積水ハウスは、同普通株式の取得とは別に、ToSTNeT-1により土屋ホールディングスの既存株主が保有する土屋ホールディングスの普通株式合計808,000株を同年3月26日付で取得する予定で、双方を合わせ普通株式1,585,800 株(総株主の議決権の数に対する割合6.15%)となる。
※SI事業:積水ハウスが基礎、躯体、接合部を担い、同社グループの積水ハウス建設が施工し、外装や内装はパートナー企業が担い、地域に密着した強みを活かして販売を行う事業。2023年にサービスを開始してからこれまで提携企業は8社
フージャース シニア向け分譲 10年間で15棟約2800戸 「さいたまサウス」見学会
「デュオセーヌさいたまサウス」
フージャースコーポレーションは3月14日、アクティブシニア向け所有権付きマンション「デュオセーヌさいたまサウス」の関係者向けお披露目会を開催した。竣工時点で総戸数112戸のほぼ半数60戸を成約済み。2015年に第一弾の「デュオセーヌ」を供給してからこの10年間で15棟、2,866戸を数える。
物件は、JR京浜東北線蕨駅から徒歩21分、JR埼京線戸田公園駅から徒歩18分、蕨市中央七丁目・戸田市下戸田一丁目の第一種住居地域に位置する敷地面積 約3,419.91㎡、8階建て全112戸(他に管理運営室、介護事業所など)。現在分譲中の1期2次(9戸)の価格は3,698万~7,998万円、専有面積は47.53~70.56㎡、坪単価は310万円。建物は2025年2月に竣工済。入居条件は、満40歳以上、自身で身の回りのことができ、共同生活が可能な人(複数入居の場合、1名がこの条件に当てはまれば入居が可能な場合もあり)。設計・監理・施工は埼玉建興。
有料老人ホームとは異なり、所有権方式なので相続・売却が可能で、住宅ローンも利用できるのが特徴。専有部は、有料老人ホームやサ高住などより広い30㎡以上を確保し、玄関ベンチ、メーターモジュール廊下、折れ戸、引き戸を多用するなど住みやすさに工夫を凝らしている(一般的なマンションもこうあるべき)。
共用部では、内廊下方式を採用し、廊下幅を1.8m確保。共用施設としてレストラン、ラウンジ、娯楽室、多目的室、大浴場(今回の物件はなし)などを備えている。また、24時間見守り体制・看護師資格をもったスタッフが勤務・訪問介護事業所を併設し、医療機関との連携も行うのが特徴だ。
昨年3月から分譲を開始しており、これまで約半数の60戸が成約済み。同社東日本事業部CCRC事業本部営業部兼営業本部営業三部部長・市橋竹広氏は「みどりが豊富な外構と、内廊下の幅を1.8m確保しているのに高い評価を頂いている」と語った。
モデルルーム
ラウンジ
レストラン
◇ ◆ ◇
同社の「デュオセーヌ」は結構取材している。三井不動産の富裕層向け有料老人ホーム「パークウェルステイト」などはもちろんいいが、〝地獄の沙汰も金次第〟だ。普通の庶民はまず利用できない。
その点、「デュオセーヌ」は、処分する資産にもよるが、年金生活者でも無理なく取得できる。相続人は売却も賃貸もできる。この10年間で約2,866戸というから当初の目標通りではないか。今回の物件は植栽が見事だ。
購入検討者にとって気になるリセール価格だが、記者が最高峰だと思う「デュオセーヌ緑山」をネットで調べたら、売値は坪170万円くらいしている。分譲時の坪単価は250万円だから、約7割だ。築10年としてはまずまずの価格ではないか。
現地
アプローチ
他に比肩するものなし三井不レジシニア向け「パークウェルステイト西麻布」開業へ(2024/7/30)
ファミリーとシニア向け一体開発フージャース「蘇我」(2024/6/21)
フージャースHD シニア向け「デュオセーヌ豊田」竣工半分強が契約済み(2019/8/7)
フージャースシニア向け「ちはら台駅前」入居前に6割が契約・申し込み済み(2018/1/22)
高級住宅街の一角にシニア向けフージャース他「デュオセーヌ緑山」(2016/10/11)
根づくかシニア向け分譲マンション年間500戸の市場へ(2015/1/26)
貴人と庶民が背中合わせの街 三菱地所「心斎橋」 坪単価830万円で絶好調
「ザ・パークハウス 心斎橋タワー」
昨日(3月14日)は取材で2万歩超歩いた。さすがに疲れた。記事は鮮度が命だ。今日から〝後入れ先出し〟で紹介する。最初は三菱地所の「ザ・パークハウス 心斎橋タワー」だ。大阪の市場はよくわからないのだが、メインストリート・御堂筋から一歩入った希少性の高いエリア最高層の35階建て全222戸。昨年12月から契約を開始した第1期1~3次の100戸は完売(坪単価830万円)。極めて好調なスタートを切った。
物件は、Osaka Metro御堂筋線・長堀鶴見緑地線心斎橋駅から徒歩6分(Osaka Metro御堂筋線・中央線・四つ橋線本町駅から徒歩6分) 、大阪市中央区博労町3丁目の商業地域(建ぺい率90%、容積率905%)に位置する35階建て全222戸。専有面積は42.10~148.35㎡、5月に分譲予定の第2期(8戸)の価格は未定。既分譲の100戸の坪単価は830万円。竣工予定は2026年9月上旬。施工は鴻池組。デザイン監修はスターテック一級建築士事務所。
現地は、車が通らないアーケード街の心斎橋筋北商店街を抜けたエリアの一角。敷地東側と南側に接道。主な基本性能・設備仕様は、ZEH-M Oriented、免震構造、エレベータ5基(約40戸に1基)、リビング天井高は34・35階、120㎡超の8戸のプレミアム住戸は2750ミリ、26~31階は2600ミリ、25階以下は2500ミリ。共用部分は32・33階の2二層吹抜け。
同社関西支店販売部販売グループリーダー・風見茂輝氏は「エリア7年ぶりのマンション供給。南北に走る御堂筋線と東西を走る中央線と四つ橋線の鉄道の結節点。この利便性と、基本的に住宅が不可の地区計画から外れているエリアナンバーワンの立地が高く費用化されています。進捗は極めて好調」と話した。
基壇部
◇ ◆ ◇
モデルルームは、2023年に分譲開始した「ザ・パークハウス 大阪梅田タワー」(173戸)に合わせ「OAPタワー」内に開設した「大阪ギャラリー」と同じ。基本性能・設備仕様も変わらないとのことなので、「梅田」の記事と一緒に読んでいただきたい。間違いなく〝億ション〟仕様だ。最近の首都圏マンションよりはるかにレベルは高い。
異なるのは外観だ。「梅田」は白とライトブラウンが基調の明るい外観デザインであるのに対し、「心斎橋」は黒(アンゴラブラック)とダーク・ライトブラウンに纏われている。重厚感がする。施工が鴻池組というのも地元の富裕層を意識しているのか。
もう一つ、新たに加わったことがある。同社初、関西初のVR・CG技術を導入していることだ。来場者に好評とか。
記者は知らなかったのだが、大阪のキタ(梅田)とミナミ(難波)を直線的に結ぶ幅員44m、延長4.2㎞のメインストリート・御堂筋では現在、活性化事業、空間再編が行われており、御堂筋将来ビジョン(2019年3:大阪市建設局)では、「世界最新モデルとなる、人中心のストリートへ」をコンセプトに、道路の枠を超えた新たな機能の導入をめざし事業が進められている。
また、エリア一帯は「御堂筋本町北地区」と「御堂筋本町南地区」との2つの地区計画が定められており、御堂筋に面した建築物の1階部分は店舗、飲食店、展示場、美術館、博物館などとし、住宅などは不可となっている。今回の同社のマンションは地区計画エリアから外れているので許可された。
心斎橋筋北商店街も歩いてみた。外国人も多く賑わっていた。東京のどこと似ているか考えたが、よくわからない。風見氏は「渋谷に近い」と話したが、そうかもしれない。4列のイチョウ並木が見事で、商業ビルなどが建ち並ぶセレブ・貴人の街・御堂筋と庶民的な商店街が背中合わせする不思議な街だ。坪単価はこんなもんだろうと思った。デベロッパーは東建「堂島」に感謝すべきだ。
◇ ◆ ◇
些細なことだが、一つだけ注文がある。シアターのナビゲーター役として登場する女性の方だ。一昨年の「梅田」と同じ白のツーピース姿で、顔はどこか吉永小百合さんに似ており(全然似ていないか)、スタイルも抜群にいいのだが、目は来場者を見ていない。
今のAIの技術をもってすれば、来場者の反応を見て臨機応変に話法を変えることは可能なはずだ。この生身の女性の方とだぶらせて、〝奥様、私と一緒、とてもお美しい。着てらっしゃるものも素敵ですね〟〝ご主人はお酒を少し控えめにされたほうがいいと思います〟などと話したら成約率は飛躍的に向上するのではないか。女性の方わ何枚もカメラに収めたが、肖像権の問題があり紹介できないのがとても残念。
〝三菱地所と次にいこう〟発信拠点大阪に開設第一弾は超高層免震「梅田タワー」(2023/10/3)
時とともに成長する「うめきた公園」美しい「JAM BASE」先行街びらき(2024/9/4)
進化する三菱地所「The Parkhabio SOHO」先進のスマートホーム 第5弾「関内」
「The Parkhabio SOHO 横浜関内」パース
三菱地所レジデンスは3月12日、コワーキングスペースを併設した職住一体型の賃貸マンションシリーズ「The Parkhabio SOHO」の第5弾「The Parkhabio SOHO 横浜関内」の完成内覧会を開催した。駅から4分の商業地域立地ながら周辺には高い建物がなく、間取りに工夫を凝らし、スマートホーム・ロック、顔認証、空間効率を向上させる住設機器、壁面収納ベッドなど極めてレベルの高い賃貸マンションだ。敷地内に公開空地を設け、外観デザインや環境にも配慮していることなどから横浜市の市街地環境設計制度により高さ制限の緩和を受けているのも特徴の一つ。
物件は、JR関内駅から徒歩4分、横浜市中区羽衣町2丁目の商業地域(建ぺい率80%、容積率700%)に位置する敷地面積約521㎡、15階建て全84戸。専用面積は18.30~60.59㎡、坪賃料は1.6万~1.7万円(共益費込み)。竣工は2025年3月中旬。設計はアーキシップスタジオ、施工は若築建設。
今年1月から募集を開始しており、これまで30~40戸に申し込みが入っている。坪賃料は相場(1.3~1.4万円)より高い1.6~1.7万円に設定している。
1階の約120㎡のコワーキングスペース「Style Lounge」にはボルダリングスペースを設け、屋上テラスの「Sky Lounge」には「The Parkhabio」シリーズとして初のBBQラウンジを備えている。このほか、三菱地所が開発・提供する総合スマートホームサービス「HOMETACT(ホームタクト)」、DXYZの顔認証プラットフォーム「FreeiD(フリード)」、大崎電気工業の鍵がいらないスマートロック「OPELO(オペロ)」を採用。
また、一部住戸(14戸)には空間効率を重視した住設機器「Roomot MIXINK(ルーモットミキシンク)」を、18.30㎡の7戸には壁面収納ベッド「カクセルベッド」を導入している。
同社賃貸住宅開発部長・三瓶信英氏は、「これまでの『The Parkhabio SOHO』は好調に推移しており、今回の『関内』」は神奈川初でシリーズとしては5物件目。コワーキングスペースのほかボルダリング、スカイラウンジなどリラックスできる設えとし、先進のスマートホームを実現した」とあいさつした。
事業担当の同社賃貸住宅開発部開発第三グループリーダー・日笠雄貴氏は「コンセプトワードは〝ベースキャンプ〟。新旧の文化が溶け合う関内はわくわく感が止まらないエリア。設計には地元での実績が豊富なアーキシップスタジオを起用。基壇部はコンクリ洗い出し仕上げによって骨材が浮き出るように表現、3階以上はコンクリの打ち放しにして景観、デザインにもこだわった。施設の一部は外部にも開放する。建物は逆梁を採用し、洗面やユニットバスに窓を設けたものなど開口部を多く設けた」などと熱っぽく語った。
屋上テラス
日笠氏
1脚40万円の椅子(左上のグリーンはフェイク)
収納ベッドbefore(左)とafter
◇ ◆ ◇
横浜市の市街地環境設計制度から書く。現地に着いたとき、おやっと思ったことがあった。立地条件からして用途地域は商業地域(後で確認したら建ぺい率80%、容積率700%)なのに、建物は1.5メートルくらい敷地からセットバックして建てられており、空地に緑化も施されていたからだ。
内覧会で担当者から市街地環境設計制度の適用を受けているとの説明を受けて納得したのだが、メディア関係者は〝当たり前〟のように受け取った人もいるようで、大した反応を見せなかった。(高さ制限31mが44.8mに緩和されている)
記者は、この制度はとてもいいと考えいる。制度は昭和48年に制定されたもので、詳細については触れないが、敷地面積が500㎡以上の建築物を対象に、景観に配慮するとか緑化を図るとか、公開空地を確保したものについては容積率の緩和や高さ規制を緩和するものだ。これまで約500件の適用物件がある。年間にならすと約10件だ。うち半数以上は質の高い分譲マンションのはずだ(賃貸は少ないのでは)。
だから〝当たり前〟では断じてない。同社のプレス・リリースでも触れられていないのであえて書いた。「住みたい街ランキング」などで、横浜市がいつも上位にランクされるのは、こうした開発規制・条例の影響も大きいはずだ。
もう一つ、強調したいことがある。共用部分のエントランス、エレベーターホール、ラウンジなどの壁や天井に本物の木が使用されていたことだ。これについてもリリースや担当者からの説明がなかったが、素晴らしいと思った(コワーキングスペースには1脚40万円の椅子も10脚くらいあったが)。
今回で「The Parkhabio SOHO」シリーズを見学するのは4回目だ(「南青山」は知らない)。みんな素晴らしかったが、総合評価すると今回が一番いいかもしれない。デジタル技術をたくさん取り込んでいるのは当然としても、専用部の間取りプランも多彩で(資料は字が小さく読めないが12タイプあり、一般的な間口3m×奥行き10mなどは一つもない)、進化する「The Parkhabio SOHO」を目の当たりにした。分譲だったら、坪単価800万円で売れると思う。
11階の54.20㎡、賃料は22.7万円(坪1.4万円)。北向きだが眺望が開け、開口部は7か所、間口は約7m
4階の18.30㎡、賃料は7.5万円(坪1.4万円)。調理もでき、洗面、トイレ、シャワールーム付き。壁面収納ベッドの上げ下げに要する力は3キロくらい。小生もらくらく
現地
基壇部
外壁仕上げ
壁仕上げ
壁と天井
職住一体型の賃貸「The Parkhabio SOHO」第5弾三菱地所レジ「関内」(2025/2/4)
「その瞬間に、心が弾む」見事に表現三菱地所レジ「The Parkhabio SOHO 祐天寺」(2023/5/31)
その瞬間、福井氏に惚れた三菱地所レジ SOHOタイプの賃貸第2弾「代々木公園」(2022/10/13)
感動的な天井高2730ミリの「MIデッキ」職住一体型SOHO 三菱地所レジ「大手町」(2022/6/15)
旭化成ホームズ THE グローバル社と業務資本提携 約10%の株式を取得
旭化成ホームズは3月11日、マンションデベロッパー「THE グローバル社」と業務資本提携に関する契約を締結したと発表した。首都圏を中心に土地仕入れに強みを持つTHEグローバル社との資本提携を通じ、両社のシナジー効果によって、不動産開発事業のさらなる発展・拡大を目指すのが目的。
旭化成ホームズが取得する株式は、THE グローバル社の発行済み株式の9.9%に該当する2,795,600株、創業社長で現会長・永嶋秀和氏が所有している株式とほぼ同数(2024/6/30現在)。株式取得完了予定日は3月13日。
THE グローバル社の筆頭株主はSBIホールディングスで、同社の51.95%の株式を保有している。
高台立地で大型スーパーとの複合&定借 大成有楽不「久地」販売開始
「オーベルグランディオ川崎久地ヒルズ」
大成有楽不動産が販売を開始した「オーベルグランディオ川崎久地ヒルズ」を見学した。大型スーパー、提供公園を併設した開発面積約3.7haの商・住・緑の大規模複合開発プロジェクト。マンションは期間70年の定期借地権付き。
物件は、JR南武線久地駅から徒歩7分、川崎市高津区下作延五丁目に位置する期間70年の定期借地権付き7階建て全231戸。3月9日に抽選が行われる第1期1次(65戸)の専有面積は64.60~75.60㎡、価格は4,498万~6,298万円(最多価格帯5,200万円台)。坪単価は250~260万円になる模様。月額地代は7,010円~8,200円、原状回復積立金は4,560円~5,330円。竣工予定は2026年1月下旬。設計・施工・監理は長谷工コーポレーション。販売代理は長谷工アーベスト。
現地はあすか製薬が所有する工場跡地。全体開発面積は約3.7ha。久地駅との比高差約6m、標高25mの高台に立地。敷地全体が5街区に分かれており、敷地入り口に大規模スーパーが建設されるほか、敷地西側には桜並木が美しい市道に面して提供公園が整備される。今回のマンションは敷地南東側に位置し、南側は低層住宅地で、東高根森林公園に近接。もう一つの南西側の街区は未定。
主な基本性能・設備仕様は、ZEH-M Oriented、直床、リビング天井高2400ミリ、ディスポーザー、食洗機など。
昨年10月からエントリーを開始しており、これまでの反響数は約1,200件。1月11日にオープンしたモデルルーム来場者は約250組。当初から予定価格を公表しているのが反響数の多さに結びついている。
モデルルーム
模型
◇ ◆ ◇
久地駅に降りたのは初めてだった。現地に大規模スーパーが整備されるので、日常生活にはこと欠かないのではないか。標高25mの高台立地で緑も豊富。工業地域だが周辺に〝嫌悪施設〟はない。
南武線沿線には工場などの施設が多く、小田急線(登戸)、東急線(溝の口・武蔵小杉)ともつながっている。坪単価は土地代がただでも建たないような安さだ。これらの特性を訴求できるかどうかがカギを握りそうだ。
現地(手前右はサクラ並木)
社名変更から10年 大和地所レジデンスに今後の展開などを聞く
オープンエアリビング
大和地所レジデンスは、社名を2015年4月1日付で日本綜合地所から現社名に変更して10年が近く経過する。かねて同社に質問していたことに関して回答があった。これまで書いて記事もいくつか紹介する。一緒に読んでいただきたい。
①最近の用地取得難、建築費高騰にどのように対処してきたか
-2024年を振り返って
・価格上昇に対応するため、用地取得においては、価格競争ではなく極力相対での土地取引に努めてきた他、販売代理を通して当社の販売力をご評価いただいたことにより、デベロッパー各社とJV による共同事業も推進してきました。都心部の用地確保が難しくなっている中で、郊外の駅前開発や大規模再開発、かつ駅近の案件も注力し、都市周辺部での開発を強化しています。
・建築費高騰に対しては、合理的な設計を行いつつデザイン・商品企画によって差別化することに努めています。施工会社とも早期連携・協力し、効率的な施工でコストダウンできるところは下げ、一方で当社独自の商品企画や立地に合わせた仕様にもこだわり、付加価値を出せるところは出すようにしています。
・また、用地仕入れ前の案件検証にあたっては、開発担当だけではなく営業・建築・市場調査・経営企画・財務等の各部門間の連携を強化し、全社一体となって事業性の検証と実行推進することにより、価格競争に翻弄される憂き目にあうことなく、難易度の高い事業もしっかり完結できるよう取り組んでいます。
② 富裕層向けはともかく、普通の需要層は取得限界を超えています。
その具体的な対応策は如何か
・上記①の対応を図り事業原価や販売経費等も創意工夫することで、エリアや駅距離に左右されることなく普通の需要層でも手が届く価格設定を行っています。
・また、価格上昇の中でも、購入者が満足できる「快適さ・住みやすさ・資産価値」を兼ね備えた新築マンションを提供するため、さまざまな施策を導入しています。
1. 快適さの追求エリアやターゲット層に応じた独自のオリジナル商品企画を建築費高騰の中でも採用し、ZEH-M物件の推進を行なっています。
また、充実した共用施設の提供も必要不可欠なものと考え、ワークラウンジ・カフェスペース等の快適な在宅ワーク環境を備え、パーティールーム・キッズルーム等、コミュニティにも配慮した多様な共用施設を整備し提供しています。その他、EV充電設備の他、シェアサイクル・EV カーシェアを導入し、車を持たない生活面にも配慮した設備やソフトの検討も行っています。
購入面では金利上昇+物件価格高騰の中でも、40年・50年の長期住宅ローンで月々の負担を軽減しながら資産形成が可能であり、固定資産税の軽減措置・エコすまい支援事業の補助金など、ZEH基準や省エネ基準に適合する住宅を推進しています。
2. 住みやすさの向上「都心だけではない選択肢」の提案に向け、「駅近×再開発近接エリア」「職住近接エリア」の住みやすさと将来性を両立に注目しています。
例)
•「ヴェレーナシティ鎌倉深沢」「ヴェレーナ湘南藤沢」(都心アクセス+再開発近接&新駅開発エリア)。
•「ヴェレーナシティ木更津マリーナベイ」「ヴェレーナ西新井」「プライムレジデンス武蔵浦和」(オフィス・商業施設が揃う職住近接エリア)。
3. 資産価値の確保
再開発エリア近接のマンションは 将来の価値を見据えた開発 が進んでおり、中古市場でも人気が高い他、管理面においても予備認定マンション制度を活用し、管理計画や長期修繕計画の評価を事前に受けることで資産価値を担保し、フラット35 の金利優遇や大規模修繕後の固定資産税軽減等のメリットも享受可能なため、価格高騰の中でも、「快適さ・住みやすさ・資産価値」を備えたマンションを提供するため、独自の企画商品の導入・共用施設の充実・金融支援策の活用・立地戦略の最適化 など、多面的な工夫を行っています。
③ 御社の商品企画がユーザーに支持されています。
突出していると考えますが、いかがか
・当社は創業以来「独創的で価値ある住まい」を提案していくことを理念とし、常にお客様に喜んでいただける付加価値の高い商品企画を提案し続けてきました。「オーブンエアリビング」「床下収納」「コンサバトリスペース」などに代表される当社の独創的な商品企画は、おかげさまでご好評をいただいており、不動産の資産価値を上げることにも繋がっています。今後も新たな商品企画を提案していきます。
④ 完成在庫を出さないのも凄いですが、具体的な販売戦略について
・②において「快適さ・住みやすさ・資産価値」を備えたマンションを提供することの他、インフレ時代に突入し住宅市場の二極化が進行、金利上昇+物件価格高騰により、購入検討層が購入自体を迷う層へ移行している中で、長期住宅ローンや行政・金融機関の購入支援策による資金計画の提案の強化、また、建築費・人件費の上昇により値下がりは期待しにくい等のリセールバリューを可視化した資産価値や購入動機付け等、常に「価格と金利のバランスを考慮した柔軟な販売手法」を追求し、その販売を、勉強会や研修を重ねた当社社員が外注することなく一貫して行っております。
⑤販売代理を増やすようですが、共同事業はいかがか
・販売代理事業を開始して2年が経ち、おかげさまで取引企業数20社、受託戸数1,000戸となりました。この事業は、販売代理を最終目的としているわけではなく、販売代理を受託することにより当社の営業力や企画力、提案力を実感していただき、今後の事業において共同事業主として参画させていただくことを目指しておりますので、引き続き各社との信頼を構築するために継続していきます。
⑥2025年度の主な供給物件-立地、商品企画、設備仕様などについて
・次年度の供給物件においても、当社のオリジナルであるオープンエアリビングの他、コンサバトリー・コーナーサッシ、メゾネットやロフト、またZEH-M 基準や予備認定等の資産価値を付加したプロジェクトを予定しています。
・「ヴェレーナブリエ港南中央」駅近・コンパクト、および商業充実のターミナル上大岡に近い立地・「足立区島根計画」再開発が進む西新井エリア
・「府中市三好町計画」府中周辺エリアかつ100戸超の大規模レジデンス
・その他武蔵新城、日吉、久が原等、「駅近×再開発近接エリア」「職住近接エリア」に注目し、住みやすさと将来性を両立した立地に供給を予定しています。
⑦ その他、新規事業、再上場など
・「快適さ・住みやすさ・資産価値」という面で今の市場で求められる仕様と合わなくなってしまったマンションにおいてはリノベーション事業やマンション建替事業を提案、増加する単身世帯やDINKSのニーズにお応えするためにコンパクトマンション事業など、多様な変化に適応するため多方面において事業参画し、社会にとって必要とされる会社であり続けたいと考えております。
・なお、これまで業績も順調に推移してきており、おかげさまで当社の信用力も向上し資金調達もプロジェクト融資の範囲で十分賄うことができていますので、現時点では再上場は予定しておりません。
オープンエアリビングバルコニー
メタセコイア11本見事な植栽計画大和地所レジ「ウェレーナグラン北赤羽」見学会
大和地所レジデンスマンション販売代理事業設立2年で1,000戸達成
期間72年の定借で坪410万円早期完売も納得大和地所レジ「門前仲町」
天晴れ!日本庭園とつなぐ共用部の演出見事大和地所レジ「茅ヶ崎東海岸」
販売開始から4か月で完売 JR西日本プロ・大和地所レジ「横濱山手」全75戸
際立つ設備仕様の高さ激戦地で早期完売大和地所レジ「ヴェレーナグラン湘南藤沢」
販売好調の秘密を見た15カ月で全戸完売歩留まり率23.6%大和地所レジ「西新井」
天井高3m超、20畳大の床下収納など大和地所レジ「赤羽北フロント」竣工見学会
「フロント」に続き「ザ・マークス」も分譲へ大和地所レジ必見の「赤羽北」
またまた千葉NT中央で驚異的な売れ行き大和地所レジ「アリーナ」176戸
風致地区巧みに生かした住戸プラン・ランドスケープ秀逸大和地所レジ「上大岡」
駅近 100㎡商業隣接驚愕の坪140万円大和地所レジ「千葉NT中央ザ・フロント」
駅から15分克服できる商品企画大和地所レジ「ヴェレーナ浦和ザ・ハウス」
抑制気味の単価設定に納得間違いなく売れる大和地所レジデンス「東京イースト」
〝ヴェレーナグラン〟の名に恥じない商品企画大和地所レジデンス「浦和仲町」
大和地所レジ北赤羽の川沿いで商住複合「パレ・ド・プラージュ」
中古マンション・戸建てとも契約件数が大幅増 2025年2月 東日本レインズ
東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は3月10日、2025年2月度の首都圏不動産流通市場の動向をまとめ発表。中古マンションの成約件数は4,152件(前年同月比23.9%増)、坪単価は261.2万円(同4.8%増)、成約価格は4,985万円(同2.6%増)、専有面積は62.99㎡(同2.1%減)となった。成約件数は4か月連続、坪単価は58か月連続で前年同月比を上回った。
中古戸建の成約件数は1,690件(同44.8%増)、成約価格は3,920万円(同0.6%増)、土地面積は145.81㎡(同6.2%増)、建物面積は104.33㎡(同2.0%増)となった。
駅から徒歩13分 現地まで信号ゼロ 多摩川がすぐそば 名鉄都市開発「中河原」
「メイツ中河原」
名鉄都市開発が分譲中の「メイツ中河原」を見学した。駅からは徒歩13分とややあるが、現地までは信号が一つもなく、緑も豊富で、多摩川へは1~2分。住環境は申し分ない。
物件は、京王線中河原駅から徒歩13分、府中市南町四丁目の準工業地域/第一種中高層住居専用地域(建ぺい率45.49%、容積率192.07%)に位置する敷地面積約8,428.35㎡、8階建て全223戸。3月に分譲予定の第1期6次(戸数未定)の専有面積は61.23~87.68㎡、予定価格は3,900万円~7,200万円(最多価格帯5,200万円台、坪単価は250万円。竣工予定は2026年1月下旬。設計・監理・施工は長谷工コーポレーション。販売代理は長谷工アーベスト。
主な基本性能・セ氏美仕様は、ZEH-M Oriented、直床、標準階リビング天井高2500ミリ、ディスポーザー、食洗機、スカイラウンジ(コワーク&スタディスペース、おこもりPOCKETなど)、Mʼsドア、ホームストッカー、浴室タオル掛け1か所など。
模型
現地(樹木はトウカエデ)
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分譲単価は安いと思うが、駅からの距離をどう評価するかがポイントだろう。強調できるのは、駅から現地まで信号機は一つもなく、歩道、公園、遊歩道などを通れることだ。交通量の多い多摩川通りから一歩入っており、周辺には府中多摩川かぜのみち、公園2か所、小学校、府中市郷土の森公園などのほか、中高層マンション、ゆうせいチャレンジド東京多摩支店、郵便局、読売新聞、東京エレクトロンなどが建ち並んでいるが、嫌悪施設はない。
自転車を利用すれば府中駅、多摩川緑地、東京競馬場なども10分前後だ。ランニング好きにはたまらない立地ではないか。信号なしで20~30キロは走れるのではないか。
モデルルームでは、トイレと収納の開き戸にはプッシュプルドアが採用されており、把手は壁面まで後退されていた。とてもいいと思ったのだが、物件ホームページにもパンフレットにもそのことが触れられていなかった。
トイレドアノブ(壁面までせっどバックされている)
現地(手前の常緑樹はクスノキ、右側の樹木はトチノキ。右側奥が建物)
多摩川かぜのみち
大人も子どもも〝我慢〟しない コスモスイニシア 一時預かり施設 有楽町に開業
「ANO-NE Kids Club(あのね キッズクラブ)」
コスモスイニシアとコスモスホテルマネジメントは3月10日、子育て中の国内・インバウンドを対象とした一時子ども預かり屋内遊び場「ANO-NE Kids Club(あのね キッズクラブ)」(認可外保育施設)をメディアに公開し、2025年4月1日にグランドオープンすると発表した。
コスモスイニシアグループは「次世代を担う子どもや若者」をグループ共通のESGテーマの1つに掲げ、当期純利益の2%程度をESG投資に充当し、人的支援も積極的に行う社内起業「Next Generation Challenge」を推進しており、同施設はその一環。コスモスイニシアとコスモスホテルマネジメントが共同で推進するPoC事業として展開する。
事業開始した背景には、コスモスホテルマネジメントが運営するアパートメントホテル「MIMARU(ミマル)」の年間利用者45万人のうち、宿泊者の9割以上が外国人で、家族利用が約9割、子ども連れが約8割を占め、中長期滞在が多く、ベビーシッターを経験している宿泊者から「日本での滞在時にも子ども預け、高級ディナーや美術館など子連れでは体験できない観光も楽しみたい」とのリクエストが寄せられてきたことなどがある。
施設は、この問題を解決するために企画された。子どもが自ら行きたくなるような施設を造ることで、子どもを預ける精神的ハードルを下げ、保護者の育児負担を軽減し、海外ゲストにとっては訪日時の体験の幅を広げ、観光促進と満足度の向上に繋げる狙いがある。JR有楽町駅から徒歩5分、千代田区有楽町1丁目に位置するKOKOビル4~5階の延床面積約150㎡。営業時間は平日14:00~22:00/土日祝10:00~22:00、定休日なし(臨時休業の場合あり)。対象年齢:4~10歳。利用時間:最短1時間から。利用料金(保険料込):2,500円(1名、1時間)。ビル運営:コトブキ、遊具の保守点検:KTS、ビルおよび遊具の設計監修:環境デザイン研究所。最低1人、保育士が常駐する。ビル2層分が吹き抜けとなっており、多層空間になっているのが特徴。
事業を立ち上げたコスモスイニシアR&D戦略部新規事業推進二課・南野理沙氏は「私も4歳の男の子がいます。自分の時間を持てない悩みを抱えています。また、子どもを預けて自分の時間を楽しむことに罪悪感を感じる人も少なくありません。この施設は子どもが楽しめることを大前提に、大人も安心できる企画にしました」と語った。
コスモスホテルマネジメントKURO-GO事業推進部事業企画課課長・佐々木麻美氏は「インバウンドのゲストの方はベビーシッターや託児所に子どもを預けて歌舞伎、寺社仏閣、寿司屋、居酒屋、エステを利用したいという声は多く、お子さんも親と一緒の訪問先は楽しくない。そんな悩みを解決したのがこの施設」と話した。
当面、1日8組の利用者を想定し、1年後に検証してその後の展開を図る。
施設内 イメージ
南野氏(左)と佐々木氏
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同じような施設は昨年1月、三井不動産が孤独な子育て(孤育て)を支援する、民間初のママ・パパ用休憩室を併設した一時預かり保育施設「YASMO武蔵小杉」を見学取材したことがある。保育園に子どもを預けることに抵抗感があるファミリーが対象で、預かるのは生後3か月から未就学児。休憩室も備えられているのが特徴だった。
今回の施設は、4歳児以上というのがミソだ。「ANO-NE(あのね、これからパパとママはね、お前の人生を左右するかもしれない、二人きりの大事な時間を過ごしてくるからね。ここで遊んでいてね」が通用する年代だ。インバウンドが主なターゲットだろうが、有楽町周辺にはラグジュアリーホテルが多く、高級飲食店、劇場もある。アッパーミドルの利用もあるかもしれない。子どもにとっても〝僕一人、夫婦そろって留守がいい〟になるかもしれない。
米国ノースカロライナから2週間の日程で来日しており、明後日(水曜日)帰国する30代の夫婦が見学のために訪れていたので話を聞いた(通訳は佐々木氏)。ご主人は東京マラソンにも出場し3時間40分で完走し、奥さんは皇居でトレーニングをしたのだという。訪れたのはムーミンパーク、ディズニーランド、スカイツリー、新宿(おもちゃ屋)、明治神宮などとか。この種の施設は米国にはなく、ベビーシッターを利用するのだそうだ。
見学のため訪れていたご夫婦
〝パパ、ママ、どこに行ってもいいけど、僕を捨てないでね〟
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