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「野村不動産溜池山王ビル」

 野村不動産と清水建設は11月21日、「野村不動産溜池山王ビル」のメディア向け竣工内覧会を行った。野村不動産溜池ビルの建て替えプロジェクトで、同社の事業企画・監修のもと、清水建設の「シミズ ハイウッドⓇ」を活用し木質建築部材と鉄骨造を合理的に組合せ、心地よい無柱の木質オフィス空間を実現したもの。竣工前に一棟賃貸借契約が完了している。

 「シミズ ハイウッドⓇ」は、同社の「スリム耐火ウッドⓇ」「ハイウッドビーム」「ハイウッドスラブ」「ハイウッドジョイント」を鉄骨造と合理的に組合せる独自の構法。今回のオフィスでは21m×18m(最大天井3.6m)を実現した。構造材はカラマツで、現しのスキは主に長野県産材。

 この構法により、木の使用量(約470㎥)を最大化させた木質オフィスを実現し、建設時のCO2排出量約125を削減するとともに、木材が成長段階で吸収するCO2約285tを固定化している。令和3年度の国土交通省サステナブル建築物先導事業にも採択されている。

 物件は、東京メトロ溜池山王駅から徒歩1分、港区赤坂1丁目に位置する敷地面積約690㎡の9階建て。構造は鉄骨造一部木造。竣工は2023年10月31日。設計監理・施工は清水建設。監修は野村不動産。

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オフィス内

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1階エントランス

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外観

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◇        ◆     ◇

 エントランスに入った途端、合成の芳香剤が入り混じっていることは瞬時にかぎ分けられたが、得も言われぬ本物の木の香りが鼻腔を満たし、その香りは年は取っても衰えを知らないわが繊細な心をそっと撫で、あるいはぎゅっと鷲掴みし、そしてゆるゆると頭にのぼり、記憶としてとどまった。霧のように消えることはなかった。

 壁といえば、隈研吾氏の〝十八番〟でもある、見る角度によって刻々と表情を変えるランダムな本物の木を用いた縦格子のデザインと、これまた本物の観葉植物が配されていた。前の取材が長引き、内覧会開始の時間には15分くらい遅れてはいたが、この時点で取材の目的の半分は達成されたと確信した。

 案内されたのは2階だったか。これまでも木質空間はたくさん見ているが、壁と柱と天井は明らかに〝現し〟仕上げで、そのデザインの美しさに息を飲み、言葉を失った。伊勢神宮の施設は、全てが木曽から切り出したヒノキでできており節など一つもないが、ここもそうだった。(後で聞いたら長野県産材のスギノキだった)

 施工したのは清水建設だった。清水施工の木造建築物といえば、2019年竣工のわが国初の〝見た目〟木造高層建築物「三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミア」を思い出すのだが、同社木質建築推進部部長・水落秀木氏は「当時の課題をクリアするため相当の研究を重ねた。相当進化している」と語った。また、同社プロジェクト設計部2部設計長・大栁聡氏は、「担当して3年。苦労も大きかったが出来栄えに満足している」と話した。

 素人の記者は難しい技術的なことは分からないし、これまで見てきた木造建築物と比較して〝最高〟かどうかは判別しかねるが、〝現し〟の美しさに舞い上がった。

 いつもそうだが、メディア関係者は鉄やコンクリと比較してコストはどうだとか馬鹿馬鹿しい質問を相も変わらず繰り返したが、美しいものを見て、どうして美しいと言えないのか。木には木の、鉄には鉄の、コンクリにはコンクリのそれぞれ特徴を持つ。比較すること自体が間違っている(小生は木造ファンだか)。高いとか安いとかを考えるのは二の次だ。

 「現しにしないといけないというのは木造コンプレックスの裏返し。木の性能、コストなど科学的・合理的なことのほうが大事」と昂然と言い放った三井ホームの小松弘昭氏にまた怒られるかもしれないが、やはり〝美は現しにあり〟といいたい。

 ただ一つ、首をかしげざるを得なかったものがある。1階ラウンジのテーブルは、野村不動産の「プラウドギャラリー新宿」と同じ本物の観葉植物が配置されており、天井はスギの現しで素晴らしいのだが、写真のようにぶら下げられているのは明らかにフェイクグリーンだった。これを指摘したら、同業の記者の方は何の反応も示さず、水落氏は一言も発しなかった。野村不動産都市開発第一事業本部建築部長・齊藤康洋氏は微笑を浮かべながら「課題」と話した。

 画竜点睛とまではいかないが、フェイクグリーンは価値を半減させると記者は思っている。この前、三菱地所はリニューアルした本社オフィスをメディアに公開したが、フェイクだらけだった6階はほとんど全てが過剰と思えるほどの本物の観葉植物で満たされていた。

 ギョッとしたものもあった。取材の帰りだ。エントランスの目の前にプラタナスの街路樹が植わっていた。何と、根元近くの胴から枝葉が突き出ているではないか(胴吹きと呼べるのか)。ビッグモーターとは逆だ。肥しをどんどんやったわけでもないのだろうが、少なくとも1年以上は剪定していないはずだ。港区さん、これは何とかしたほうがいい。

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左から齊藤氏、大栁氏、水落氏

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天井部分(きれいに写っていないのはカメラのせい)

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天井からぶら下がっているのはフェイクグリーン

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エントランス前のプラタナスの街路樹

まるで植物園 五感で体験できる 野村不動産 マンション総合ギャラリー「新宿」(2023/2/21)

ショック! 木質空間なし 現し論議に決着RCと木造混構造の特養完成 三井ホーム(2022/8/31)

さすが三井不動産 わが国初の本物の木造〝杉乃木〟ホテル「神宮外苑」に誕生(2018/11/13)
 

 

カテゴリ: 2023年度

Screenshot 2023-11-19 at 13-16-17 Microsoft Word - êêü¹ 5ÞÝé¹°ëü×JHKM³ó¯üëhp - 【ポラス_リリース】「第5回ポラスグループおえかきコンクール」表彰式を開催しました-1.pdf.jpg
(左上) 中内 晃次郎代表取締役、(左下) 若色 欣爾審査委員長、(右)受賞されたお子さん

 ポラスグループのポラスは11月18日、「第5回ポラスグループおえかきコンクール」(後援:越谷市、さいたま市、草加市、松戸市、松戸市教育委員会、柏市、流山市、吉川市、審査員長:若色欣爾・越谷市住まい・まちづくり協議会会長)の表彰式を開催した。受賞した697作品は11月24日(金)から「ポラスグループおえかきコンクール」ホームページに公開するほか越谷市、松戸市、さいたま市、草加市、流山市の公共施設で展示される。

 コンクールは、「住んでみたい夢の家・街」をテーマに2023年4月1日から9 月8日にかけて全国の未就学児を対象に作品募集を開始し、2,366作品(第4回は2,521作品)の応募があった。審査の結果、特別賞17作品、特別優良賞20作品、優良賞160作品、奨励賞500作品を選んだ。

 ポラスクループ代表・中内晃次郎氏は表彰式で次のように挨拶した。

 「今年もどのような作品が見られるかとても楽しみにしていたところ、全国各地から2,366点と、大変多くのご応募をいただきました。どれも描きたい気持ちが画用紙いっぱいにあふれ、子どもならではの自由な発想で、まさに『夢の家・街』が生き生きと表現されています。大人では考えつかないような作品ばかりで元気いっぱいに描いている様子が伝わり、微笑ましい気持ちになりました。

 このコンクールを通して『おえかき』の楽しさを発見し、お子様達の創造力や表現力のさらなる成長に繋がればと願っております。そして、この体験を通して描くことに楽しさを見出し、ご家族一緒に心豊かなコミュニケーションを楽しんでいただけたのでしたら、尚、幸いです」  

①審査員長賞_1042 花川咲杜 5歳.jpg②越谷市長賞_0890 齋藤りん 5歳.jpg③さいたま市長賞_1943 武藤双葉 6歳.jpg
左から審査員賞 花川咲杜ちゃん(5歳)、越谷市賞齋藤りんちゃん(5歳)、さいたま市賞武藤双葉ちゃん(6歳)

④草加市長賞_1050 関根大志 5歳.jpg⑤松戸市長賞_1945 千葉理緒 4歳.jpg⑥松戸市教育長賞_1956 佐久間和 5歳.jpg

左から草加市賞 関根大志ちゃん(5歳)、松戸市賞 千葉理緒ちゃん(4歳)、松戸市教育賞 佐久間和ちゃん(5歳)

⑦柏市長賞_1868 安田友葉 6歳.jpg⑧流山市長賞_1952 稲垣衣音 6歳.jpg⑨吉川市長賞_0663 藤波かん太 5歳.jpg
左から柏市⾧賞 安田友葉ちゃん(6歳)、流山市⾧賞 稲垣衣音ちゃん(6歳)、吉川市⾧賞 藤波かん太ちゃん(5歳)

⑩越谷市住まい・まちづくり協議会1_0464 堀元聡太 6歳.jpg⑩越谷市住まい・まちづくり協議会2_1944 千葉誠也 2歳.jpg⑪越谷美術協会賞1_0147 塚田幸之真 5歳.jpg
左から越谷市住まい・まちづくり協議会賞 堀元聡太ちゃん(6)、同 千葉誠也ちゃん(2歳)、越谷美術協会賞 塚田幸之真ちゃん(5歳)

⑪越谷美術協会賞2_0468 下山乃愛 3歳.jpg⑫森と木の住まい賞1_0002 間下愛香莉 5歳.jpg⑫森と木の住まい賞2_0611 佐々木望吏 4歳.jpg
左から越谷美術協会賞 下山乃愛ちゃん(3歳)、森と木の住まい賞 間下愛香莉ちゃん(5歳)、同 佐々木望吏ちゃん(4歳)

⑬ポラス審査員賞1_1942 中島櫂 6歳.jpg⑬ポラス審査員賞2_1496 福木智遥 3歳.jpg
左からポラス審査員賞 中島櫂ちゃん(6歳)、同 福木智遥ちゃん(3歳)

  【ポラス_リリース】「第5回ポラスグループおえかきコンクール」表彰式を開催しました

 ◇        ◆     ◇

 同社の「おえかきコンクール」の表彰式を見学するのは3度目だ。この種のコンクールでは、毎年50万前後の作品が集まるものもあるが、数はもちろんのこと、入賞したとか入賞しなかったことなど問題ではない。みんな芸術家の素質を秘めている。

 子育てに完全に失敗した小生に語る資格はないが、だからこそ世のお父さん、お母さん、保育園・幼稚園の先生方にお願いだ。豊かな子どもの感受性、想像力を摘み取らないで頂きたい。小生の下の息子が4歳のとき、水槽の金魚を「お父さん、金魚が口紅をつけているよ」と、雨が降って来たら「お父さん、お空が泣いているよ」と話したのを今でも忘れない。

 何が大事かといえば、その能力を開花させる後押しだと思う。そのために必要なのは、身近なモノ(一番いいのは動植物ではないか)を顕微鏡のごとく観察し、触り、匂いを嗅ぎ、音を聞き、ときには齧らせ、自分で考える力を身に着けさせることだ。その際心がけたいことはとにかく褒めることだ。そして毎日365日、書く(描く)ことを習慣づけさせることだ(今年100歳になった義母は一日も欠かさず日記をつけている。昼は旧字「晝」を使っているのにびっくりした)

 同社のプレス・リリースと特別賞17作品を添付した。作品はみんな素晴らしい。素晴らしいが、会場に展示されていた160の優良賞の中にもこれらに匹敵する作品がたくさんあった。小生の目が届いた範囲でその5点を紹介する。17作品と見比べていただきたい。(みんなごめんね。きれいに写っていないのは、おじさんの腕と安物のカメラのせいで、じつぷっはとても素晴らしい)小生も50歳くらいまで絵を描いてきた。多少の審美眼を持ち合わせている。大人になるとよく見せようとテクニックに走りがちになる好例(悪例)を示すために小生の作品も添付する。

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左から優良賞 竹中葵ちゃん(5歳)、池内智史ちゃん(6歳)、谷藤諒太朗ちゃん(6歳)

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左から関口侑奈ちゃん(4歳)、清川湊崎ちゃん(5歳)

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会場に展示された優良賞

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小生の作品(6号 油絵)

未就学児対象「第4回ポラスグループおえかきコンクール」表彰式 応募は約2,500作(2022/10/17)

ポラスグループ 第2回おえかきコンクール 昨年の2.5倍の808点の応募 全作品を公開(2020/10/27)

 

カテゴリ: 2023年度

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HANEDA INOVATION CITY

羽田みらい開発(鹿島建設、大和ハウス工業、京浜急行電鉄、日本空港ビルディング、空港施設、東日本旅客鉄道、東京モノレール、野村不動産パートナーズ、富士フィルムの9社で構成)は1116日(木)、羽田空港跡地第1ゾーン整備事業「HANEDA INOVATION CITY」(略称:HICity「エイチ・アイ・シティ」)をオープンした。同日、主要施設をメディアに公開した。

HICity」は、京浜急行・東京モノレール天空橋駅直結の敷地面積約5.9ha11階建て延床面積約131,000㎡の規模。従前は「旧羽田空港」。「先端」と「文化」の境界を越えた交流を誘発し、新たな価値創造を実現するわが国初のスマートエアポートシティ。研究開発施設・オフィス、先端医療センター、イベントホール、宿泊施設、日本文化施設などを整備している。

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見学会は12:4515:20まで約2時間30分。メトロポリタンホテル羽田藤田医科大学東京 先端医療研究センターtermimal.0 HANEDA表現する素材展 More than Materialswe+LIFE Scene HANEDA(保井崇志)Lifestyle Marche SKY MAPPING by Sony Design Consulting Air Lines(尾角典子)&SPACE PROJECT3D フードプリンター展示AI_SCAPE(デモンストレーション)自動運転バス-の順で3組(120人くらいか)に分かれて回った。移動に要した時間を除くと、1施設当たり約12分。質問も可能だったが、時間が限られており記者は完全に消化不良。(この後、フリー取材が17:00まであったが)しかし、書かないのは主催者に失礼なので、①~⑩まで順番に記者が感じたことなどを紹介する。

①「池袋」のメトロポリタンは好きなホテルの一つだが、ここの宿泊費は40㎡で10万円とか。1㎡当たり2,500円だ。マンション同様、ホテルの値段も暴騰している。イタリアンレストラン「il CIELO」(空という意味)に巨大な馬の張りぼて(ポコンと音がした)が置かれていたので聞いたら、ここは地方競馬発祥の地とか。

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ジュニアスイート(左)ルーフトップ

②名古屋市に隣接する豊明市に本部があり、Wikipediaによれば2018年度の「THE世界大学ランキング」で日本11位、私立としては1位にランクされた。14階からなる施設は次世代医療の拠点に位置付けている。1階床は突板仕上げ。このほか、世界で3台(うち2台が同大学、あとの1台は慶大附属病院)しかないという立ったままでCTスキャン検査ができる装置、ロート製薬と連携した再生医療研究のためのコワーキングスペースも紹介された。

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藤田医科大学東京 先端医療研究センター

③日本空港ビルからオープンイノベーション研究開発拠点の説明があったが、医療施設見学のあとだったので「termimal.0」にはついていけなかった。

④このイベント・展示が一番面白かった。大田区内の9か所の工場などから収集した廃材などをデザイナーの視点から芸術作品に仕上げている。作品に番号を付け、説明文にひも付けしているのもいい。作品に触るのは不可ということだったが、いくつか触らせてもらった。作品にもよるが、鑑賞するだけでなく触れるというのも魅力の一つだと思う。

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取材現場(撮影:仙田 祐一郎氏)

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表現する素材展 More than Materialswe+) 

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「超絶試作」「ウォーターベールの試作機 厚さ約1mmの超薄膜のウォーターベールで密閉空間をつり出す小型噴水…」とある

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石ころ

⑤人気フォトグラファー保井崇志氏が切り取った大田区の様々なシーンの写真展を実施。演出は、空間表装を手掛ける京都の職人・井上光雅堂氏。

⑥何だったのか思い出せない。

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InnovationCorridor

⑦風と飛行機の音をアニメ、プロジェクトマッピングで表現しているのがとても面白い。世界200か所の空港の音と画像をリアルタイムで紹介するイベントを行うという。

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Lifestyle Marche SKY MAPPING by Sony Design Consulting Air Lines(尾角典子)

&SPACE PROJECTは、宇宙ロケットの開発廃材を活用し、新しいプロダクトを生み出すプロジェクト。これは面白い。3D フードプリンター展示では、3Dプリンターで作られたウニの部分を少し触らせてもらった。米粒もない微量のウニが指に付いたので舐めてみた。ウニ以上のウニの味が口腔内に広がった。値段を聞いたら、現段階では1万円でも難しいということだった。(世界の金持ちは安いと考えるのではないか)

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&SPACE PROJECT

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&SPACE PROJECT

⑨川崎重工が産業用に研究しているものだが、飲食店などにも応用できるという。24時間、文句など言わずに働き続けるのだろうから、労働争議も起こらないし、過労死もない。

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AI_SCAPE(デモンストレーション)

⑩この前、日本初のレベル4の福井県永平寺町の自動運転移動サービスが事故を起こしたので聞いたら、「大丈夫」とのことだった。

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自動運転バス

内覧会の前には、斉藤鉄夫・国土交通大臣、小池百合子・東京都知事、鈴木晶雅・大田区長らも参加して施設のオープンセレモニーが行われた。

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オープニングセレモニー 左から羽田地区町会連合会会長・神山忠行氏、大田区議会議長・押見隆太氏、国土交通大臣・斉藤鉄夫氏、東京都知事・小池百合子氏、大田区長・鈴木晶雅氏、鹿島建設代表取締役社長・天野裕正氏

        ◆     ◇

 気になったこともある。平日だったこともあるのだろうが、施設の全面開業という記念日にしては人手が少なかったことだ。なぜか。

 大田区の区域面積は61.86平方キロメートル。23区でもっとも広い。しかし、海老取川の右岸に位置する昭和島、京浜島、羽田空港、令和島、城南島、東海など面積比にして34.6%、約21.42平方キロメートル(千代田区のほほ2倍)の地域には289人しか住んでいない。地区計画により住宅建設が不可の新木場エリアの1.52平方キロメートルとはケタ違いだ。

 人が住まない理由を大田区に聞いた。羽田空港周辺は航空法による規制はあるが、その他のエリアはほとんど準工業地域で、地区計画などによる用途規制はなく、民間が所有する土地は少ないという説明だった。住民不在の街の賑わいをどのように創出するかが課題だと感じた。

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HICitySquare

           

 取材を終え、セレモニーイベントの出店の山形県のブースで「月山ビール」と芋煮を注文した。ブース内を眺めていたら、「大吟醸500円」の張り紙が目に留まった。山形の日本酒は甘いというイメージしかないが、「楯野川 清流 純米大吟醸」(3,520円=税込み)を飲んでみた。お猪口1杯くらいしかなく、値段の高さ(1合で3,000円)に驚いたが、とても美味しかった。アルコール度数と日本酒独特の絡みつくような甘さを抑えている。洋食にもあう。

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山形県のブース

「物流」に「AI」 ドライバーに「愛」 大和ハウス&日立物流 コンテスト説明会(2022/12/1

スイート、温浴施設が素晴らしい 住友不「ヴィラフォンテーヌ羽田空港」12/21開業(2022/10/7

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1Fバー「変態」(提供:三菱地所)

 三菱地所は11月16日、「新有楽町ビル」に2020年2月開業したワーキングコミュニティ「SAAI Wonder Working Community (サイ ワンダー ワーキング コミュニティ)」(SAAI)を、同ビルの閉館に伴い「新東京ビル」に移転、2023年11月20日にオープンすると発表した。16日、施設を報道陣に公開した。〝熱狂〟〝変態〟〝チーパパ&チーママ〟〝愛〟など魅惑的なフレーズが飛び交い、記者は圧倒された。

 施設は、有楽町の街全体を舞台に、まだ価値の定まりきらない(=microな)人・アイディア・コト・モノをcultivate(交わり・耕し・育み・磨く)し、「次の時代を担うスターが生まれる"仕組み"を有楽町で作り上げる」ことをテーマに2019年12月に立ち上げた「Micro STARs Dev.」(MSD)の活動拠点。

 「SAAI」は、彩(=集うヒトの多様性)、才(=異能・異才が集まる空間)、祭(=出会い、交わり、刺激されるイベント)、斎(=好きなことに集中・没頭できる空間)の意を込めた、「差(SA)」と「愛する(AI)」の言葉を組み合わせた造語。①多種多様な会員が集う「事業創造コミュニティ」、会員専用バーを併設し、人と人をつなぐコミュニティマネージャー「チーパパ&チーママ制度」を採用②事業創造を加速させる各種取り組み(VC招聘プログラム、ビジネスプランコンテスト、事業創造カンファレンスの開催など)が特徴。

 内覧会で同社プロジェクト開発部マネージャー・牧亮平氏は「人と人の横のつながり、偶発的な出会いを大切にしており、レイアウトにも工夫を凝らした。宣伝など行っていないが、会員の8割は紹介。皆さんの熱気を強く感じる」と説明。

 会員として紹介されたSaveExpats代表取締役・岩田竜馬氏は、「大切なのは理解⇒納得⇒共感⇒熱狂」だとし、海外赴任者の健康をサポートする事業は海外拠点を持つ約800社、23か国に広がっていることなどを熱っぽく語った。

 また、ゼロワンブースター事業創造教育部スペシャリスト・ブランスクム 文葉氏は「この種の施設は多拠点化したとき、コミュニティマネージャーが不足しがち。欠けているのは〝愛〟だが、ここには〝愛の源泉〟がある」と話した。

 施設は、東京駅直結、新東京ビル1階他。面積は約827㎡、企画は三菱地所、施設・管理はオープンエー、施工は船場、運営はゼロワンブースター。月額会費は個室会員264,000円~、固定席会員77,000円、フリーデスク会員33,000円、コミュニティ会員16,500円(1時間550円)。

 会員は約300名。開設当時と比較し、資金調達額は16件25億円から30件89億円へ、大企業との連携は7件から15件へ、メディア掲載は53件から156件に増大・拡大している。

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1F御座敷(提供:三菱地所)

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1F_什器(提供:三菱地所)

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APT Women参加者の様子(提供:三菱地所)

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ディスカッションの様子(提供:三菱地所)

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成果発表会の様子(提供:三菱地所)

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 記者は住友不動産が10月24日に開催した「住友不動産ベンチャーサミット」を取材したのだが、会場となった「住友三角ビル」に2,000人超が参加したのに驚いた。熱気にあふれていた。

 一方で、起業後の生存率は3年で50%、5年で40%(スタートアップはもっと低いデータもある)と低いことが気掛かりで、優勝企業に選ばれたLeaner Technologies代表取締役CEO・大平裕介氏にその質問をしたら、大平氏は「スタートアップの内側だけで展開する企業が多く、大企業が応援する体制にないのが課題」と語った。

 今回の施設は、様々な起業家と大企業、投資家などとをつなげ、マッチング・資金調達。メンタリング面で応援する仕組みをしっかり構築していると感じたる。

 施設面積は約827㎡(従前は約1,000㎡)しかなく、同社保有ビル延床面積約3,664千㎡の0.02%にしか過ぎない。売上高に換算したら3億円にも満たない。

 しかし、面積の大小など問題ではない。同社は目先の利益など全然追っていない。いま蒔いた種が数年後、あるいは10年、20年後花が咲き、果実を収穫できることを考えているはずだ。かつて〝人の三井、組織の三菱〟と企業風土が語られたことがあるが、三菱地所は〝人への投資〟を少なくとも30年くらい前から強化してきた。今回の施設もその一つだ。無限の可能性を秘める取り組みだと思う。

 とてもいいと思った施設の設えは、1階ではビール300円、ソフトドリンク100円のバー「変態」、ピッチイベントができるよう階段状の席を設けたスペース、人に背を向けるのではなく、人の気配が感じられる内向き(窓を背)のシートレイアウト。コンビニ、喫煙所が隣にある地階では、黒を基調とした無機質のデザインだが、低学年用の椅子や太陽光パネル、活版ゲラなどの廃材を活用したテーブル、リラックスして会議などができる和室コーナーなど。これらは、本社オフィスのリニューアルとも関連があるはずだ。

 料金も安いはずだ。記者は丸ビルにも新設された「TSUTAYA」の飲み放題・食べ放題の「SHARE LOUNGE」が好きなのだが、飲むなら「TSUTAYA」、仕事するなら「SAAI」がお勧めだ。記者のモットーは〝人生は愛〟〝記事はラブレター〟だ。

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左からブランスクム 氏、岩田市、牧氏

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1F内観

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バー「変態」

メタボ増えたが、あらゆるデータが向上三菱地所「本社オフィス体験・懇親会」(2023/11/12)

スタートアップと大企業を結ぶイベントに2,100名 「住友不動産ベンチャーサミット」(2023/10/25)

三菱地所・丸ビルに「TSUTAYA BOOKSTORE MARUNOUCHI」代官山超える214坪(2022/12/14)

街路樹に溶け込むアート 三菱地所&彫刻の森 第43回「丸の内ストリートギャラリー」(2022/6/29)

壮大な街づくりの一環501㎡の「新国際ビル」路地裏を多目的空間にリノベ 三菱地所(2022/5/27)

カテゴリ: 2023年度

 国土交通省は10月31日、令和5年9月の新設住宅着工をまとめ発表。総戸数は68,941戸で、前年同月比6.8%減、4か月連続の減少となった。利用関係別では、持家は19,527戸(前年同月比12.3%減、22か月連続の減少)、貸家は29,735戸(同2.9%減、2か月連続の減少)、分譲住宅は19,266戸(同7.3%減、4か月連続の減少)。分譲住宅の内訳はマンション8,148戸(同2.8%減、3か月連続の減少)、一戸建住宅11,014戸(同10.4%減、11か月連続の減少)となった。

 首都圏マンションは2,947戸(同25.6%)で、都県別は東京都1,414戸(同41.0%減)、神奈川県778戸(同35.7%減) 埼玉県476戸(同336.7%増)、千葉県279戸(同13.0%%増)。

 首都圏一戸建ては4,627戸(同11.6%減)、都県別は東京都1,453戸(同3.0%減)、神奈川県1,091戸(同18.8%減)、埼玉県1,263戸(同4.2%減)、千葉県820戸(同23.6%減)。


 

 

カテゴリ: 2023年度

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神宮外苑軟式野球場(11月3日写す、以下同じ) 

 「神宮外苑地区まちづくり」の事業者は11月1日、プロジェクトサイトの質問受付ページに寄せられた27の質問(令和5年10月1日~10月15日受付分)に対する回答をプロジェクトサイトのQ&Aのページ(https://www.jingugaienmachidukuri.jp/faq/)に掲載した。意見などは14件だった。

◇        ◆     ◇

 質問と回答はこれまでのものとほとんど同じだが、再確認・整理する意味で気がついたことを以下に述べる。あっちに振れたりこっちにぶれたりしてとまりを欠くが、これが正直な気持ちだ。

 まず、「見解の相違」について。今年1月、日本イコモス国内委員会から58項目にわたって問題が指摘された。これに対して事業者は、29項目を「指摘自体が事実と異なる」とし、29項目を「考え方や解釈の違い」と回答し、審議会もこれを了承した。

 代表的な例を紹介する。日本イコモス国内委員会は、既存樹木の変化の程度について評価書の「一定程度の改変(消失)は免れないが、計画地内で最も緑量が多い緑地(並木東側)を保全、(略)、著しい影響は与えない」という記載に対し、「樹木の53%に及ぶ、1018本が伐採(743本)・移植(275本)されるため、一定程度という記載は、虚偽の報告である」「建国記念文庫の森、絵画館の樹林地、明治記念館を結ぶ緑のネットワークが破壊される。虚偽の報告である」と指摘している。

 事業者は、この指摘に対し「神宮外苑広場(建国記念文庫)等の緑地については、全てを改変するわけではなく、北側は保全エリアとして残す計画…将来にわたって緑地環境の保全を図る計画であるため、植物相及び植物群落の変化の内容及び程度は小さいと予測しており、虚偽ではございません」と回答している。

 皆さんいかがか。「虚偽の報告」「破壊」「事実無根」など激烈な文言が飛び交うのは、「見解の相違」によるものだ。今回の問題に限ったことではない。「見解の相違」はあらゆる事象で見られる。端的な例が戦争だ。ロシアは〝ネオナチからの解放〟を理由にウクライナに侵攻した。ウクライナは国家主権・領土侵害だとして反撃した。イスラエルのガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスはイスラエル側に攻め入り、イスラエルは反撃した。戦争は、均衡性(比例性)の原則など何の効果もないことを世に知らしめた。今回の問題は戦争ではないのだから、徹底した論議を交わしてほしい。

 次に、みどりの量と質について。Q&Aのコーナーの「みどりの割合・本数が増えるとのことですが、体積はどのように変化するのでしょうか。何年で元に戻りますか」という質問について、事業者は「みどりの割合は約25%から約30%に、樹木の本数は1,904本から1,998本に増加させる」「みどりの体積に関しては、現況の346,284㎥が完成後331,466㎥となり、約14,818㎥減少します。具体的な回復期間の試算は行っておりません」と回答。体積の減少について環境影響評価書は「現況の346,284㎥ をやや下回る」「緑の量の変化の内容及び程度は小さいと予測する」と記載している。

 記者は、みどりの量や体積も重要だろうが、みどりの質についてもっと論議すべきだと思っている。多くの専門家や都民の方が再開発計画に疑義を呈しているのは、神宮外苑の特別な歴史的・文化的価値が毀損されるのではないかという危惧と、樹齢にして100年超の畏怖を覚える巨木などが743本(既存樹木調査データ参照)も伐採されることに危機感を募らせているからだ。再開発計画を了とした東京都環境影響評価審議会の責任を問う声が上がるのも当然だと思う。この種の審議会・協議会は唯々諾々、行政機関の下請け機関化しているように思えてならない。

 この点について、「神宮外苑再開発事業の施行認可の撤回及び環境影響評価の継続審査に関する要請書」を小池都知事や同審議会会長宛てに提出した専門家有志を代表して元日本大学教授・糸長浩司氏は3月8日の記者会見で「科学的でない杜撰な環境影響評価書をしっかり論議しないで認可したのは専門家の研究者生命にもかかわる」と、批判とも同情とも取れる発言をした(審議会委員で認可に異議を唱えた齋藤利晃・日本大学教授と池邊このみ・千葉大学教授は、今年5月に選任された22期の審議会委員には入っていない)。

 もう一つ、記者がどうしてもわからないのは、記事にも書いたが、再開発計画地は「都市計画公園」ではあるが「都市公園」ではないことが再開発を可能にし、「公園街づくり制度」の適用条件である「未供用」が今回のような再開発を可能にすることを行政担当者や専門家は予知できていたはずで、そのときどうして問題にならなかったのかということだ。

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紅葉しているのはフウか(これらは保存される模様)

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スダジイ(これは残されるようだ)

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ヒマラヤスギ(これは保存されそう)

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絵画館前広場から写す

〝喬木は風に折らる〟誤解解く取り組みの見える化急げ「神宮外苑地区まちづくり(2023/10/21)

秩父宮ラグビー場が「未供用」の謎「広場」は都市公園ではない神宮外苑再開発(2023/9/8)

 

カテゴリ: 2023年度

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「都立明治公園」イメージ図(プレス・リリースから)

 Park-PFI(公募設置管理制度)を活用した東京都初の「都立明治公園」(約61,342㎡)を11月3日、見学した。公園は10月31日に供用開始されたばかりで、この日(3日)は、開園を祝う催しとして地域の団体や学校がブースを出展し、YOGA、Mugic、能などのステージイベントか行われ、様々なフードコーナーも設けられ、多くの人で賑わった。Park-PFIによって都市公園が商業施設化することに懸念する声もあるが、〝公園が街の中心〟になり〝賑わい〟が日常となるのは記者も大賛成だ。「萩山」「せせらぎ」「池袋」「公園の垣根」など過去の記憶が蘇った。来園者も〝いい公園〟と評価した。

 Park-PFIは、平成29年(2017年)の都市公園法改正により制度化されたもの。公募により民間事業者を選定し、都市公園内に飲食店、売店などの利便施設を設置し、設置した施設から得られる収益を活用して、公園の維持管理、周辺の園路などの公園施設を一体的に行うのが目的。令和4年度末現在、全国131か所で共用されており、そのほか132か所で活用が検討されている。

 「都立明治公園」は、都営大江戸線国立競技場前駅・東京メトロ外苑前駅から徒歩9分、JR千駄ヶ谷駅から徒歩10分、新宿区霞ヶ丘町内他に位置する面積約61,342㎡。従来フリーマーケットの場として利用されていた「四季の庭」「霞岳広場」を2016年1月に廃止し、令和4年1月、Park-PFIにより東京建物を代表とする三井物産、日本工営都市空間、西武造園、読売広告社、日テレ アックスオンの6社コンソーシアム「Tokyo Legacy Parks」(TLP」)を決定。契約期間は20年。

 敷地北側は2階部分に設けられたペディストリアンデッキで国立競技場とつながっており、西側は外苑西通り、南側はマンションやビル、西側は再開発「神宮外苑」エリア。事業コンセプトは「世界に誇れる、東京という都市の“レガシー”となる公園を創り、次世代へ継承する」で、園内には約1,000㎡の芝生広場「希望の広場」や渋谷川をモチーフにした水景を取り入れた「みち広場」、多様性をテーマにした「インクルーシブ広場」の3つの広場と、約7,500㎡の樹林地「誇りの杜」が整備された。

 事業地内には、木造2階建て3棟延床面積330㎡、RC2~3階建て2棟780㎡、合計5棟延床面積1,110㎡のカフェ・レストランなどの店舗が完成する。また、スマートポールを導入し、従来は手作業でしか測定できなかった来園者数の測定などをAIが行い、今後の円滑な公園運営に活用する。

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正面が国立競技場

◇        ◆     ◇      

 偶然の一致か。今回のプロジェクトは都立公園のPark-PFIの第一号だが、東京建物は東京都の民設公園制度を活用した最初にして最後のマンション「Brillia L-Sio 萩山」(全184戸)の売主だ。施工は西武ホールディングスが身売りした西武建設だったが、明治公園の6社コンソーシアムに加わっている西武HDグループの西武造園もランドスケープ・植栽を担当していたはずだ。記憶が間違っていなければ、同社は西武不動産の大規模マンションに雨水を貯留し、メダカを泳がせるせせらぎを設けた。

 同社はその後、建物外周にせせらぎが設けられている東建「Brillia Tower 池袋」も、Park-PFIの「MIYASHITA PARK」にも事業参画している。

 「渋谷川水系をオマージュした水景」のステップガーデンも同社によるものだろう。公園を見学して一番いい、優れていると思ったのはこの水景だ。ステップや地表などは透水性の舗装仕上げで、斜面にはケヤキ、サクラなどの樹木や草花がたくさん植えられていた。3~4歳と思われる子どもが、お父さんに「ほら、ヘビイチゴ」と歓声の声をあげた。確かにそうだった。記者も小さいころ、実を摘んでは食べたものだ。

 しかし、それだけに失望も大きかった。どこにでもある水景と大差なかった。「渋谷川水系をオマージュした水景」を見て、かつてここに渋谷川が流れていたことを連想できる人はほとんどいないはずだ。水路は思い切ってコストをかけて、例えばペディストリアンデッキの高低差を利用して滝を演出するとか、子どもが水遊びし、小鳥が飛来し、様々な動植物が育つ空間にしてほしかった。(敷地規模が小さすぎるか)

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「みち広場」

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「渋谷川水系をオマージュした水景」

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舗道と植栽帯のこの突起部分が気になった(躓かないか)

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環境に配慮した歩道

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ベンチなどは本物の木が採用されている

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工事中の店舗の外観

◇        ◆     ◇

 大きいといえば、とても大きな発見もあった。隣接する三井不動産レジデンシャル・野村不動産「THE COURT 神宮外苑」(409戸)と「日本オリンピックミュージアム」との境界標はあるのだが、それぞれの敷地は出入りが可能で、遮るものは全くない。第2回グリーンインフラ大賞「生活空間部門」優秀賞を受賞したフージャースコーポレーション「デュオヒルズつくばセンチュリー」や、小田急バス・ブルースタジオ賃貸住宅「hocco(ホッコ)」と同じだった。この場所を通った夫婦と思われる二人連れが「公園とマンションを一体化しているのがいいわね」と話していた。

 都市公園の課題の一つは、地域と住民を遮断する垣根の撤廃だと思っているが、今回の公園にはそれがない。誰もが気づかない、小さな取り組みかもしれないが、とても大きな英断だと思う。全国に広がることに期待したい。

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「THE COURT 神宮外苑」の敷地(左)と公園とマンションの境界

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マンション(左)との境界標

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「THE COURT 神宮外苑」

◇        ◆     ◇

来園者にも話を聞いた。以下に紹介する。( )内は記者。

・すぐ近くの築約20年のマンションに住む40代の男性5,000人規模のイベントを行うという話を聞いたが、今日のような500人くらいの規模がいい。都市と人が成長できるようになってほしい

・渋谷区に住む50代の夫婦 WEBで知ったので下見に来た。店舗が完成すればもっとよくなる

・三鷹市民で、近くの高校の教師を務めている30代の男性 生徒が部活の一環として出店しているので見にきました。とてもいい公園。神宮外苑問題? ノーコメント

・杉並区に住む30代の夫婦 ゴロゴロできるのがいい。神宮外苑は政治的な匂いがする

・30代の出展者&50~60代の地元渋谷区に住む男性二人 若い人を呼び込む空間にしたい。フリーマーケットのときからここはよく知っている

・この出展者や渋谷区居住者と仲間という30代の大阪市民 おばあちゃんが近くに住んでいます。(東京建物はいい会社ですよ)あなた(記者)は東京建物の味方? わたしはあまり好きではない。閥族とズブズブのイメージが強い。神宮外苑も同じ。もっとも東京らしいものを壊そうとしている

・3日連休を利用して新潟から訪れた40代のファミリー 芝生がいい。空も大きい(新潟は人工芝? 空はもっと広いのでは? )アハハハハ。スカイツリーに行こうと考えていますが、どこかいいところないですか(人がいないところがいいと思いますが…)

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イベント

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「希望の広場」

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「インクルーシブ広場」

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「誇りの杜」付近

過度な公園商業施設化に懸念全国一のPark-PFI実績誇る大和リース業界動向勉強会(2023/10/30)

不審者、立入・火気禁止、強剪定…荒んだ世情の表れ桶川駅の街路樹は泣いている(2023/10/28)

〝喬木は風に折らる〟誤解解く取り組みの見える化急げ「神宮外苑地区まちづくり(2023/10/17)

究極の隈研吾マンション 豊島区庁舎と一体の東京建物「Brillia Tower 池袋」(2013/3/19)

ショック 分譲戸建ての施工・デザインが最高の西武建設の身売り(2022/1/28)

第2回グリーンインフラ優秀賞受賞 フージャース「つくば」のマンション(2022/5/2)

出来すぎだ!焼杉! 見どころ多い小田急バス×ブルースタジオ「hocco(ホッコ)」(2021/10/7)

都の民設公園第1号「萩山 四季の森公園」開園祭り(2009/10/5)
 

 

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大和ハウス工業は1026日、住宅・建設・不動産業界メディアの取材の参考になるための「業界動向勉強会_公園事業・パークマネジメント篇(大和リース)」を開催し、大和リース代表取締役社長・北哲弥氏と、ParkPFIにより同社が運営管理する大阪市の鶴見緑地パークセンター長・池田昂志郎氏が質疑応答を含め約1時間にわたって熱っぽく語った。記者はオンラインで視聴した。

北氏は、「リース会社といえば、親会社の商品をファイナンスリースするのがほとんどだが、当社は親会社にリースするのではなく、自社工場で商品をつくり、外販している。技術者が多いのも特徴で、一級建築士と一級施工管理技士で574名(全従業員の約24%)を数える。20233月期の売上高は2,413億円。建設会社の売上高ランキングは大和ハウス工業が2位、フジタが9位だが、当社も21位。グループ内の売り上げは3%くらいで、全てグループ連結の売上に貢献している。

事業は規格建築事業、流通建築リース事業、リーシング ソリューション事業、環境緑化事業の4本柱で複合展開しているのが強み。公園事業は官民の連携、両輪、両立を目指しており、現在稼働中の公園事業は全国27か所。向こう10年間で100か所に増やす目標を掲げている」などと話した。

池田氏は、2017年に改正されたPark-PFI(公募設置管理制度)によって、収益施設の設置管理許可年数が10年から20年に延長され、建ぺい率は2%から12%へ緩和され、公園施設を整備する際の設置管理許可期間は10年から30年へ、保育所、学童クラブ、老人デイサービスセンター、障害者支援施設なども設置可能になったことなどを説明。

Park-PFIは、現在全国131か所で活用されており、企業別実績では、同社は102件のうち12件を占めるなど、3件以下の2位を大きく引き離して全国一であることを報告した。

一方で、都市公園は急速な人口減少と高齢化、税収減、維持管理費の負担増など多くの課題を抱えており、2003年に導入された指定管理者制度による民間管理公園は全国13,319か所に上っているにも関わらず、現状の維持管理を委託しているに過ぎないなどと指摘。Park-PFIで公園が利益追求する空間となり、公園の価値が低下することに懸念を示した。

同社の公園事業の基本は①OfficialCommonOpenであり、公園整備のマニュアルとして①緑地面積を減らさない②寂れさせない工夫③空間化との創出を掲げ、「『公園』は社会的共通資本であることを理解し、『公の精神』をもって臨むこと」などの5カ条の心得を公表した。

           

記者はこれまで、街路樹だけでなく都市公園についてもその都度、記事にしてきた。親は〝公園は危ないから遊んではダメ〟と言い、子どもは習いごとに忙しく遊ぶ暇もないのだが、それに追い打ちをかけるようにキャッチボール、サッカー、ゲートボール、ゴルフ、大声、楽器演奏、ごみ捨て、花火、犬の散歩、喫煙、飲酒、果実の収穫…を禁止する自治体がほとんどで、中には砂場はネコの侵入を防ぐための防護ネットを張り、利用時間は平日の9時から午後4時まで、土・日曜日は閉園するところまである。

全く利用されず雑草が生い茂っていても苦情は出ないのか、放置されている公園も多い…地価にしたら1種数十万円、数百万円もする都市公園の惨状に心を痛め、それを解消するPark-PFIに期待もしてきた。

同社の話を聞いて、頭をどやされたような気がした。同社のことを全く知らなかったのだ。どこかで建設機器など調達し、高い利率でリースする会社だと思っていた。不明を恥じるばかりだ。

記者団からの売上高についての質問に、北氏は公園事業の売上高はほぼ30億円としながら、「単年度で考えているわけではない。20年の長いスパンで考えている」と語り、「認知度を高める必要性」については「看板を掲げているわけではない」と受け流した。

小生は、情報発信力を高めるべきだと思うが、売上高の多寡は問題ではないと思う。グループ全体の売上高4.4兆円(20233月期)からしたら公園事業は0.07%にしか過ぎない。「公の精神」はお金に換算できない価値がある。その精神はやがて花を咲かせるはずだ。

池田氏が公園の過度な商業施設化に懸念を示したことにもドキリとさせられた。つい先日見学した桶川市の公園入り口に設置されているブロンズ像の台座には真実かどうかみんなに公平か行為と友情を深めるかみんなのためになるかどうか-の4つのテストが彫り込まれていた-これにイエスと答えられる人はどれほどいるか。

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「多摩中央公園改修」の疑問氷解 樹木5000 うち伐採予定1125本の8割は生木(2023/10/21

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〝ぶっ飛んだみどり〟だけでない 「グラングリーン大阪」タワマンに絶句(2023/10/12

長野市の公園問題 制度疲労の法、希薄な人間関係、報道姿勢社会課題を露呈(2022/12/23

公園が旅の目的になる わが国初のPFI事業 三菱地所他「光と風の広場」開業(2022/3/11

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相模原市初の「児童公園(街区公園)以外の提供公園第1号」 トーセイ「相模原」(2020/8/7

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「木と人体」取り組み概要ムービー:https://youtu.be/qfsXp9Z8pn4

 東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部と三井不動産、三井ホームは10月25日、産学協創「三井不動産東大ラボ」の共同研究の一環として、木の空間が身体にどのような良い影響を与えるかを科学的に証明する実証研究を開始したと発表した。

 木を使った空間に身を置くと、木の持つ温もりを五感で感じ、リラックス感を得ることができ、“人は自然や動植物などの生命との結びつきを求める”という「バイオフィリア仮説」の側面から木材を利用した建築物への注目が高まり研究もされているが、未知の部分も多いとされている。

 今回は、①木質・木造空間の“匂い”と“光環境調整効果”が睡眠に及ぼす影響②木質建材の発する“匂い”が認知症予防に与える影響――について、東京大学大学院理学系研究科を主担当として、東京大学農学部との連携のもと研究を行う。

 ①の研究を担当する東京大学大学院 農学生命科学系研究科 生物材料科学専攻・恒次祐子教授は「木の空間が人の心身に及ぼす影響について、まだまだ研究を通じて明らかにしなければならないことはたくさんあります。例えば、使用する材の量や木目の影響、樹種による効果の違いや、長い時間をその空間で過ごした時の影響など、検証を重ねることが必要」とコメントしている。

 ②の研究について、東京大学大学院 理学系研究科 生物科学専攻・竹内春樹教授は「人の嗅覚に関する遺伝子数は視覚よりも多く、今回の研究では、適度な木の匂いから得られる刺激を自然に受けられる環境をつくり、その匂い効果が脳に与える影響を神経生理学的・行動学的に検証する」とコメントしている。

◇        ◆     ◇

 温度を含めた木質空間が人の心身に好ましい結果をもたらす研究はたくさん行われているようだ。住宅業界関連では、慶應義塾大学理工学部の伊香賀俊治研究室がナイスの「スマートウェルネス体感パビリオン」を用いて、住宅内の木質化がストレス解消、知的生産性向上に効果があることを実証した。恒次教授は、林野庁補助事業「木材利用に取り組む民間 企業ネットワークの構築事業」に関する詳細なレポートをまとめている。

 今回のテーマは〝匂い〟(嗅覚)のようだ。記者は、あらゆる事象を知覚し、嫌悪・好悪の感情を抱くのは、五感のうち視覚がもっとも大きな役割を果たしており、本能的・生理的より「学習」による後天的影響が大きいと考えてきた。

 例えばニンニク、クサヤ。記者の田舎ではニンニクはほとんど使用しなかった。ニンニクの臭いを発散する人は嫌悪された。匂い・味覚は社会的偏見に太刀打ちできなかった。強烈なアンモニア臭を発するクサヤは食べてみると美味しいので好きになった。嗅覚より味覚が勝利した。

 ところが、竹内教授は「人の嗅覚に関する遺伝子数は視覚よりも多い」という。これは驚きだ。樹種による違いも研究されるようなので、どのような結果になるか期待したい。記者などはスギ、クスノキ、イチョウ、マツなどは分かるかもしれないが、ヒノキ、ヒバ、カシ、ケヤキ、キリ、サクラ…などを匂いでかぎ分ける自信はない。効用もさっぱりわからない。この前、三菱地所ホームの取材で「KAMOSHIKA Drinks(カモシカ飲料)」を頂いた。カラマツ、アカマツ、アブラチャン、ヒノキ、タイムなどのエキスを凝縮したものだった。混ぜ合わせたらどうなるのか。

 もう一つ、リリースには「適度」とあるが、少量、あるいは過度の木材が与える影響や、無臭のはずのフェイクグリーンが世の中を席巻しているように、経済効果を優先してケミカル製品で木を覆い隠しても効果に変わりはないのかも解明していただきたい。視覚より嗅覚が勝るとすれば、小生には無用だが、小説の世界にたくさん登場する媚薬・催淫剤の開発にもつなげていただきたい。リリースだけでなく、メディア参加型の発表会も行ってほしい。

木質化PJ「KIGOCOCHI(キゴコチ)」マンションリフォーム提案 三菱地所ホーム(2023/10/14)

東京大学&積水ハウス 庭の生物多様性とメンタルヘルスに関する共同研究(2023/12/2)

わが意を得たり 人工植物は販売促進に逆効果 三井デザインテック調査研究(2017/9/25)

 

 

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桶川駅西口ロータリーの街路樹(樹脂は不明)と駅近のマロニエ

 桶川にはゴルフ場があり、何度か降り立ったことがある。今は昔だが、若くてかわいい女性社員の出身地でもあり、いいイメージしかない。ポラス「yoridokoro(拠りどころ)上尾」の取材を終え、埼玉県日高市が発祥という桶川駅東口直結の「日高屋」(ハイデイ日高)で昼食をとった。ビール2本とイワシフライで税込み950円。1,000円でお釣りが出た。いい店だ。

 タバコが吸いたくて、東口には喫煙所がなさそうなので駅西口に向かった。だしぬけに異様な光景が目に飛び込んできた。駅前の街路樹がことごとく電信柱のように強剪定されていた。街路樹も〝殺されてなるものか〟と、必死でひこばえ、胴吹きで防戦していた。墓碑のような伐採木の株もそのまま残されているなど、ガザの戦場と五十歩百歩の人間界と自然界のすさまじい戦いが展開されていた。タバコを吸う余裕は吹っ飛んだ。その代わりムラムラと怒りが込み上げてきた。一部始終を見てやるぞと、約1時間半、西口周辺を歩いた。

 言葉に詰まった。論より証拠だ。写真を撮りまくった。一つひとつ紹介する。

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見事な非対称のケヤキの街路樹 

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駅前の商業施設の樹木(樹種は不明)

 駅前のケヤキの街路樹だ。右側だけが強剪定されている。左側も樹形が乱れている。予算の関係か、交互に強剪定しているのだろう。街路樹は左右がシンメトリーだからこそ美しい。〝生かさず殺さず〟-ここのケヤキは過去も未来もない。半殺しのままだ。

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「桶川駅西口公園」

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「桶川駅西口公園」

 駅西口から徒歩2分に桶川市シルバー人材センターが維持管理している「桶川駅西口公園」がある。立派な樹木がたくさん植わっており、モニュメントや子ども向けだけでなく、大人向けの健康遊具もあり、素敵な公園だ、しかし、駅前にも拘わらず、人影はまばら。1時間は滞在したが、出会った人は10人もいなかった。何だか変。「禁煙」の看板はないのは、何かの陥穽ではないかといぶかった。

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「健康遊具ひろば」

 「この器具は大人の健康増進のためです。(16歳以下の方は使わないでください)」「この器具を使うときは『使い方』に示す方法を守ってください」とある。記者も使ってみようと思ったが、肝心の「使い方」の文字は消えていた。

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 意味不明の注意書き。「砂場遊具には近づかない。あそびおわったらを洗いましょう」-いったい誰に注意喚起しているのか。

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 「公園内では、花火・たき火などの火気は使用禁止です」-これも分からないではないが、これではPark-PFIは導入できない。「禁煙」の看板はひとつもなかったが、たばこのライターは火気なのだろうか。

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 公園の入り口には地元のローターリークラブが寄贈したと思われるブロンズ像があり、台座には次の「四つのテスト」が記されている。①真実かどうか②みんなに公平か③行為と友情を深めるか④みんなのためになるかどうか-誰のためのテストなのだろうか。

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伐採木サークルがモニュメントになっていた団地エントランス(これもありか)

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 「当団地は犬立入禁止」-犬は文字を読めないはずだから、野良犬には効き目がないと思うが、リード付きも不可なのか。時代遅れの「ペット不可」の団地か。

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 ごもっとも。ビラ配りのため無断でどこかの官舎に立ち入った人が逮捕されたこともあった。記者は団地内の様子を見ようと思ったが、「不審者を見たり聞いたら一一〇番」もあるので、誰何されそうだからやめた。

◇      ◆     ◇

 街路樹が悲惨な目に遭っていたが、とにかくこの街は看板が多すぎる。市民の方々には大変失礼だが、すさんだ心、世情の表れではないか。やんぬるかな。累卵の危機にあるのではないか。わが街多摩センター駅前にも「受動喫煙からあなたを守ります」と大書きされた横断幕はあるが、公園内の注意書きは目立たないし、強剪定される街路樹はそれほど多くない。そんなことをしたら市民は黙っていない。

食・農・緑…地域共生テーマに専門家とコラボポラス全70戸の「上尾」

健全な街路樹を「枯損木」として処分 問われる住民自治 千代田区の住民訴訟(2022/11/12)

埼玉県 緑被率最低0.04の蕨市とワースト4の0.18の戸田市で異なる街路樹の量と質(2021/6/20)

 

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