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 東急リバブルは9月27日、昨年7月に開設した港区のハイグレードマンションの仲介に特化した「GRANTACT(グランタクト)」の賃貸仲介事業を10月1日から開始すると発表した。

 「GRANTACT」は、港区内(一部渋谷区含む)の大手デベロッパーによる分譲済ハイグレードマンション254棟23,517戸に限定し、エリアと該当物件に精通したスタッフが対応する不動産コンサルティングビジネス。賃貸仲介に本格参入することで、都心エリアでの賃貸仲介のシェア拡大を図る。

 「GRANTACT」は、〒106-0032 港区六本木1-4-5 アークヒルズ サウスタワー3F。東京メトロ南北線六本木一丁目駅3番出口直結。営業時間は10:00~18:00(定休日:毎週火曜日・水曜日)。https://www.livable.co.jp/grantact/

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「オーベル住吉マスターテラス」完成予想図

 大成有楽不動産の「オーベル住吉マスターテラス」と「オーベル藤が丘」を見学した。前者は東京メトロ半蔵門線住吉駅から徒歩3分の全70戸、後者は田園都市線藤が丘駅から徒歩2分の51戸。同社は、メディア向けに2物件のニュース・リリースをほぼ同時期に発信した。

 記者は、基本的にこの種の発売ニュースは紹介しない。デベロッパーがマンションを販売するのが主たる業務だ。よほど特殊な物件ならいざ知らず、50戸、70戸の物件をリリースそのまま引き写して記事にする価値はないと思っている。だから、両方とも見学することにした。

 まず、「住吉」から。物件は、東京メトロ半蔵門線住吉駅から徒歩3分、江東区住吉一丁目に位置する13階建て全70戸。専有面積は66.60〜75.46㎡、価格は未定だが坪単価は300万円台の前半に落ち着く模様だ。竣工予定は2019年12月上旬。施工は長谷工コーポレーション。

 現地は、三方道路の角地。用途地域は準工業地域、商業地域だが、マンション化が進んでおり、嫌悪施設はほとんどない。それどころか、敷地北側は道路を挟んで公園。南側は高層マンションが建っているが、まずまずの環境にある。

 建物は西向きが中心。公園が眺められるセットバック住戸はルーフバルコニー付き。歩道上空地の前面には植栽を施し、インターロッキング舗装としている。

 住戸プランの基本性能・設備は、二重床・二重天井、フル装備の同社オリジナルオレンジ収納、リビング天井高は2450ミリが標準、食洗機、フィオレストーンキッチン天板、ミストサウナなど。

 リリースによると、住吉駅徒歩3 分以内の分譲マンションは16 年ぶりの供給で、5月からの資料請求は想定を上回る約600件に達しているという。分譲は11月の予定。

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エントランス(完成予想図)

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 リリースを読んで、もう笑うしかなかった。「『田町』『青山一丁目』『豊洲』駅などと同距離の『東京』駅4.5km圏内に位置」とあるではないか。

 物件がいかに都心に近いかを同心円で描いて示すのはデベロッパーの常套手段だか、「青山一丁目」と同距離であるのにびっくりした。坪800万、900万円と一緒かと。なるほど。嘘はない。

 ややマイナーな「住吉」がどのような位置にあるかをよく伝えている。同社はかつて「勝島」でも同じような広告展開を行って成功している。「品川駅圏のマンション」を前面に打ち出し、大井競馬場や倉庫街としてか知られていなかった「勝島」をマンション化が進む住宅地であることをアピールした。

 さて、肝心の価格。同社は「未定」としているが、坪単価は300万円台前半に収まると予想される。街のポテンシャルをどう考えるかだが、「大手町」へ電車で10分圏という利便性を考えると、割安感がある。東京駅を中心とする4.5km圏の主要なエリアは坪400万円以上だ。300万円台は東側エリアしかない。ファミリー向けに受けるかもしれない。

 清洲橋を渡れば徒歩3分で中央区アドレスとなる江東区の野村不動産「プラウド清澄白河リバーサイド」を思い出した。

隅田川を渡れば徒歩3分で中央区アドレス 野村不「プラウド清澄白河リバーサイド」(2017/1/30)

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「リノエージェントサロン(原宿サロン)」

 不動産流通事業を手掛ける大京穴吹不動産とリフォーム事業を展開する大京リフォーム・デザインは9月27日、中古マンションのリノベーションを実際のマンションの一室で体験できるリノベーションショールーム「リノエージェントサロン(原宿サロン)」を渋谷区神宮前に開設し、報道陣に公開した。サロンは顧客向け専用サロンとして活用する。

 東京都心のプレミアムマンションの取り扱い強化を目的とするもので、富裕層の嗜好をくすぐるこだわり空間を提供する。両社が連携しワンストップで対応することで、今後の売買・仲介、リフォームの拡大につなげる意向だ。

 大京穴吹不動産取締役・大津隆紀氏は、「2012年にリノベーション事業を開始して以来、2018年3月期には1,468戸を供給、累計では約7,000戸まで拡大した。第一弾のサロンは非日常を演出し、新築にも他のリノベにもないオンリーワンの空間を提供する」と語り、大京リフォーム・デザイン取締役の宮澤理樹氏は「いわゆる業者売主のリノベーションマンションはこの数年で数倍にも伸びているが、お客さんのニーズも多様化しており、ワンストップで対応していく」と話した。

 原宿サロンは、東京メトロ千代田線明治神宮前駅・JR原宿駅から徒歩9分、渋谷区神宮前2丁目に位置するマンション「ビラ・ビアンカ」の一室。建物は東京オリンピックが開かれた1964年に竣工。専有面積は約64㎡。営業時間は平日10:00~19:00(定休日:火・水曜日)。問い合わせは0120-988-264(本社インフォメーションデスク)。

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 そんな時々には、取るに足らない被造物さえ、犬でも鼠でも甲虫でも、いじけた林檎の木でも、丘の上を越えてくねくねと続いていく荷馬車道でも、苔むした小石でも、わたしには、絶世の美女、世にも熱烈な恋人とすごす至福の一夜より、素晴らしいものになるのです。これら口もきけず、場合によっては生き物ですらない被造物は、かくも愛に満ち、愛をまざまざと感じさせながら迫ってくるので、有頂天になったわたしの視界には、生なきものなどなくなってしまいます。何もかもが、この世にある森羅万象が、思い出しうる全てのものが、すっかりと散らかったわたしの思考がふれるあらゆるものが、何か意味をもつかのようになるのです。

フーゴ―・フォン・ホフマンスタール「チャンドス卿の手紙」(1902)早川書房

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 なぜ「チャンドス卿の手紙」を引用したかだが、記者の貧しい語彙ではサロンの良さを伝えきれないし、書き出したら止まらないからだ。

 サロンは非常によくできている。内装に1,800万円掛けただけの価値は確かにある。

 築54年のマンションだから、天井は最大で約2100ミリしかないのを逆手にとって、あるいは開き直って天井のコンクリ壁やダクトをむき出しにし、床をスキップさせて空間をうまく演出している。

 記者のお勧めは、ドイツ生まれの95%が金属というメタルコーティングした建具ドアだ。塗装だけで20万円かかるというしろものだが、軽くて美しい。一般的なシート張りのものよりはるかにいい。リフォームはもちろん、分譲マンションに採用したら間違いなくうける。無垢のドアとどれくらいの価格差があるのか。

 もう一つはキッチン扉・収納の面材だ。天然石をシート状に加工したものだ。これも値段は分からないが、どこかのマンションのモデルルームでも使用されていた。これもやがて普及するはずだ。

 観たいときは観ることができるテレビの存在を隠す鏡面仕上げのデザイン壁もいい。壁面をすっきりさせたい人には支持される。

 このほか、ふかふかのウレタン浴槽やミラノ・サローネの最新のトレンドを取り込んだ洗面ボウルやその他のグッズもあった。

 だが、しかし注文も一つ。これは何度も書いてきたことだが、あのテーブルに置かれていた造花(フェイク)は絶対ない。富裕層が100円ショップでも買えそうな造花を飾るかといいたい。ナイフもフォークもワインも高価には見えなかった。

 ただの飾りだからいいのかもしれないが、最高のパフォーマンスを見せるのがプロだ。1,800万円もかけるのだから、全て本物を揃えるべきだ。什器類や造花などにはホフマンスタールが言うところの「愛」のかけらも感じられなかった。記者がマンションなどの見学でいつもしっかり見るのは「愛」と「美」だ。

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街びらきテープカット(左から総合東京病院・渡邊貞義氏、横山副区長、子どもたち、田中氏、積水ハウス東日本建築事業本部本部長・篠崎浩士氏)

 総合東京病院、積水ハウス、都市再生機構が連携して開発を進めている住宅、医療、保育施設などからなる約3.9haの「江古田の杜プロジェクト」の街びらきが9月23日、行われた。総合東京病院が主催する「江古田のまつり」と合わせ同時開催されたもので、子育て世代から高齢者、障がい者まて〝新しい街づくりのモデルになる〟コンセプトにふさわしい多様な千数百人の人々が集まり、終日にぎわった。

 街びらきイベントに出席した中野区・横山克人副区長は、「このプロジェクトは区が10年以上前から取り組んでいるもので、本来は酒井直人区長が出席すべきですが、本日は、棟方志功にゆかりのある自治体の関係者が集う『棟方志功サミット』が富山県で行われており、区長は公務でそちらに出張していますので、わたしが代わりご挨拶させていただきます。棟方志功は昭和の初期、江古田の近く大和町に約10年住み、江古田の里山や緑をたくさんスケッチしたとても縁の深いところです。区は子育て先進国として、この『江古田の杜』を位置づけ〝新しい街づくりのモデル〟になるよう取り組んでおります」と述べた。

 平成20年に国家公務員宿舎跡地約4.4haを国から取得し、プロジェクトを主導してきた都市再生機構東日本都市再生本部本部長・田中伸和氏は、「多世代・子育て、防災、緑、健康・スポーツという4つのテーマを設定し、総合東京病院さんと積水ハウスの協力を得て協議会を立ち上げ整備してきました。今後は、管理組合や積水さんを中心とする新たなステージを担うリブインラボ協議会にバトンタッチしますが、立派な街づくりを行っていただきたい」と語った。

 公園にシートを敷き子どもと食事をしていた40歳代の女性は、「近所に住んでいます。子どもは3人。専業? いえ、働いたりそうでなかったり。ここはいいわよ。学校も公園も病院も近いから。ちょっと駅まで遠いけど。わたし? 中野までは自転車、新江古田駅を利用するときは歩きます」と話した。

 別の30代の夫婦は、「マンション? もうちょっと安くてもいいのでは(坪単価300万円弱)。この環境に価値があると思う人にはいいかも」とイベントに急いだ。

 プロジェクトは、積水ハウスの531戸の分譲マンション「グランドメゾン江古田の杜」(A街区、施工:長谷工コーポレーション)、総合東京病院B棟(B街区、施工:熊谷組)、積水ハウスの子育て世帯向け賃貸263戸、サ高住121戸、学生向けマンション85戸、医療従事者向けマンション56戸、介護付き有料老人ホーム94室などからなる「プライムメゾン江古田の森」(施工:積水ハウス)の3街区で構成。認可保育所や学童クラブも誘致予定。

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植樹祭

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 積水ハウスの「5本の樹計画」はたくさん見学しており、マンションは「東京テラス」「玉川上水」「杉並」「伊勢山」「狛江」などの植栽に圧倒されたのを思い出す。

 今回の「江古田」も一部は見学しているが、完成した街を歩いて、緑の質と量に言葉を失った。

 最初に目に飛びこんできたのは、「グランドメゾン江古田の杜」の900㎡もあるエントランスに植えられているユリノキの巨木だった。メジャーを借りて計ったら胴回りは約3.14m、つまり直径約1mあった。樹齢は100年超と推測した。しかし、ちょっと待てよ、ユリノキは外来種ではないか。同社の「里山」は在来種で構成されているのでは? 

 その謎はすぐ解けた。メインストリートの街路樹はハナミズキだ。明治45年、わが国がアメリカにサクラを贈ったお礼としてハナミズキがアメリカからもたらされ、江古田の森に植えられたと横山副区長が説明した。記念の植樹もハナミズキだった。

 なるほど。ユリノキもまたハナミズキと一緒に輸入されたのだと確信した。明治45年に植えられたとすれば、樹齢100年超は符合するではないか。その巨木をマンションのエントランスに移植する-これが積水だ。

 江古田の森公園の前身、東京市療養所(後の国立療養所中野病院)が設けられたのは1919年5月とある。約100年前だ。公園内にはヒマラヤスギの大木がたくさんある。これらは全てアメリカから贈られたものに違いない。

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エントランスのユリノキ

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計測した胴回り

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エントランス

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マンションの外周グリーンベルト(幅は13mくらいか)

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 同社のサ高住+子育て支援住宅は「古河庭園」を見学しているが、今回は今春竣工した「グランドマスト勝どき」(サ高住62戸+子育て支援住宅44戸)についで3棟目だそうだ。

 バルコニーの外にすぐ「杜」が展開するのに驚いたが、62㎡のサ高住のトイレは幅102cm×182cmもあった。同業の100キロの巨漢記者は「おお、俺でも楽に入れる」と歓声をあげた。普通のマンションもこれくらいの広さがあっていい。谷崎潤一郎はエッセー「厠のいろいろ」で、投げ出したくなるような〝蘊蓄〟を披瀝しているが、デベロッパーはもっとトイレの商品企画に力をいれるべきだ。

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サ高住の居室とトイレ

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 ニチイの介護付き有料老人ホーム「ニチイホーム江古田の杜」も見学した。この種の施設は、特養に体験宿泊もし、オリックスや東急不動産の富裕層向けなどを見ているが、ニチイの施設は全体的にレベルが高いという印象を受けた。食器類も立派なものが使われており、ある〝食〟が売りの施設とは雲泥の差だった。同社は約30年の実績があり、今回で74棟目というのも納得だ。

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「ニチイホーム江古田の杜」エントランスホール(左)と食事メニュー例

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サニーテーブルの無料サービスに長蛇の列

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持続可能な街づくり推進 積水ハウスなど 「江古田の杜プロジェクト」説明会(2017/10/26)

江古田の杜 コミュニティ施設に「Casita(カシータ)」のサニーテーブル(2017/12/12)

積水ハウスUR都市機構と江古田三丁目で「画期的」な複合タウン(2015/3/9)

積水ハウス 住宅メーカーにこだわり医療・介護事業を強化(2013/12/13)

子育て住宅と高齢者住宅の複合賃貸 積水ハウス・積和不動産「古河庭園」(2012/3/1)

里山を見るような見事な植栽 積水ハウス「グランドメゾン狛江」竣工(2013/9/21)

億ションの歴史を変える積水ハウス「グランドメゾン伊勢山」(2011/5/13)

景観美に圧倒される積水ハウス他「グランドメゾン東戸塚」(2008/3/25)

積水ハウス「グランドメゾン杉並」で見た売主の〝良心〟(2006/9/1)

植栽が見事「東京テラス」「玉川上水グランドメゾン」(2006/5/31)

 

 

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 大和ハウス工業が11月に分譲する「プレミスト梅田」が大阪府の過去最高の坪単価になることが確実となった。9月13日、同社マンション推進事業部開発推進部部長・藤原淳一氏が「価格は未定だが、坪単価は大阪府の過去最高になる」と明らかにした。

 物件は、阪急梅田駅から徒歩5分、JR大阪駅から徒歩8分、大阪市北区中崎西二丁目に位置する16階建てS棟58戸と17階建てN棟75戸の合計133戸。専有面積は54.73~122.40㎡、価格は未定だが、坪単価は300万円台の後半になる模様。施工は大末建設。竣工予定は平成32年3月上旬。

 藤原氏は、「現段階で価格は未定。坪単価400万円は難しいかもしれないが、大阪府の過去最高値になるのは間違いない」と語った。

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 記者は8月、野村不動産・大林新星和不動産「プラウドタワー北浜」を取材した。坪単価362万円の高額ながら売れ行きは絶好調だった。

 関西圏のマンション市場は全く分からないが、「北浜」より「梅田」のほうが高くなりそうなのは容易に想像できる。近い将来、一等地なら坪単価は500万円台になるのではないか。だから藤原氏に質問したのだが、果たしていくらになるか。先に積水ハウスなどが発表した51階建て「グランドメゾン新梅田タワー」(871戸)は大阪駅からややあるので坪単価は350~360万円くらいに落ち着くのではないか。

 関西圏の最高坪単価マンションは、7月に取材した東急不動産「ブランズ芦屋 ザ・レジデンス」(15戸)で、610万円だ。これには遠く及ばないが、関西圏も首都圏と同様、アッパーミドル・富裕層向けの資産性や利便性に優れたマンションが市場をリードしているようだ。

〝首都圏に負けない〟レベル 販売好調 野村不・大林新星和不「プラウドタワー北浜」(2018/9/1)

首都圏の億ションに負けない 関西最高峰の坪610万円 東急不「芦屋」(2018/7/23)

 

 

 

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「ヴェレーナ多摩永山ザ・シーズンズ」完成予想図

 大和地所レジデンスが分譲中の「ヴェレーナ多摩永山ザ・シーズンズ」を見学した。新宿から約30分圏の緑豊富な住宅街の一角。分譲開始から3カ月で全80戸のうち約4割が契約・申し込み済みというから順調な売れ行きだ。

 物件は、京王相模原線京王永山駅・小田急多摩線小田急永山駅から徒歩13分、多摩市永山三丁目に位置する10階建て全80戸。専有面積は70.15~95.74㎡、現在分譲中の第2期2次住戸(8戸)の価格は3,879万~5,059万円(75.02~91.12㎡)、坪単価は170万円台。竣工予定は平成31年6月下旬。設計・監理・施工は長谷工コーポレーション。

 現地は、瓜生せせらぎ散歩道と永山さくら通りに挟まれ、永山第3公園、貝取北公園などに近接、保育園、幼稚園、小・中学校なども徒歩10分圏内の高台立地。

 建物はTの字型で、住戸プランは南向き30戸、西向き50戸の構成。専有面積平均75㎡、奥行き3mバルコニーや、全面ウッド調デッキ敷のオープンエアデッキ付き、プライベートデッキ・ガーデン付など多彩なプランが特徴。

 南西角住戸の78㎡のコーナーサッシ付きモデルルームは、コーナーサッシを利用した約3畳大の多目的に利用できる「コンサバトリー」を提案。

 販売担当の同社長島学氏は「販売は順調。緑の環境と、コンサバトリーの提案が評価されている」と話している。

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コンサバトリー

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モデルルーム

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 現地周辺には、一度も車道を通らずに子どもと一緒に自転車に乗って遊びに行ったことがある。永山駅からだとなだらかな坂を上ることになるが、ここも車道を通ることなく行けるのではないか。

 〝母になるなら流山〟などと憎いコピーで子育て世帯を引きつけた流山市だが、多摩市は〝住むなら多摩〟だ。坂がきついところもないわけではないが、駅から徒歩20分圏内の自宅まで車の姿を見ることもなく信号待ちすることもなくたどり着けるのは、ここ多摩ニュータウンしかないはずだ。

 坪単価はこんなものか。先にあげた流山市の「流山おおたかの森」当たりと同じくらいか。多摩センター駅圏の坪単価180万円そこそこのマンションも販売が長期化しているのが現状だ。

 個人的には、街の熟成度や生活利便施設の集積、緑の住環境など総合的に評価すればはるかに流山市などを上回るはずなのに、この程度にしか設定できないのは情けないと思う。

 何かが欠けている。一言で言えば、ここ多摩市に住めばどのような生活ができるかをどこのデベロッパーも訴え切れていない。

 一つ例を示す。多摩市には市限定販売の石川酒造「原峰のいずみ」という日本酒がある。多摩市の原峰で生産された米を使って製造・販売されている純米酒だ。

 これが実に美味しい。こんなことを書くと怒られるかもしれないが、わが三重県の伊勢志摩サミットの乾杯式に供用された「作(ざく)」と比べてもそん色ないばかりか、勝る(味覚には個人差がある)。入荷が少ない地元の酒屋はすぐ売れてしまう。大型スーパーでは販売しておらず、京王プラザホテル多摩からもいつのまにか姿を消した。

 そんな話を長島氏や同社広報担当と話したのだが、何とその幻の酒「原峰のいずみ」が駅前の多摩市と長野県富士見町のアンテナショップ「Ponte(ポンテ)」で売っているではないか。10本以上あった。1本買った。

〝感動を売る〟のが商売だ。伊藤忠都市開発「クレヴィア碑文谷」では「亀屋万年堂」のお菓子をプレゼントされた。記者は感動した。身も心も酔わせる「原峰のいずみ」を振舞う勇気は大和地所レジデンスにはあるかどうか。

 馬鹿なことを書いたが、同社は前期、売上計上の900戸を全て売り切り、「完成在庫ゼロ」を達成した。同社広報によると「仕入れが順調に進み、販売も好調で、工期の平準化が実現した結果」と話した。駅から徒歩15分の「ヴェレーナ浦和ザ・ハウス」52戸が半年で完売したように商品企画もよくなっている。

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専用庭

駅から15分 克服できる商品企画 大和地所レジ「ヴェレーナ浦和ザ・ハウス」(2017/12/1)

 

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「デュオセーヌ国立」完成予想図

 フージャースケアデザインのシニア向け所有権付き分譲マンション「デュオセーヌ国立」と「デュオセーヌ豊田」の共通モデルルームを見学した。〝デュオセーヌ〟シリーズを見学するのは5件目だが、どんどん進化しているのを実感した。

 「国立」は、JR中央線国立駅から徒歩22分、国分寺市西町一丁目に位置する5階建て全228戸。専有面積は45.50~75.50㎡、第1期(50戸)の価格は2,998万~6,898万円。坪単価は260万円。管理費は53,510~81,620円。竣工予定は2019年10月下旬。

 「豊田」は、JR中央線豊田駅から徒歩17分、日野市旭が丘三丁目に位置する8階建て全118戸。現在分譲中の第2期(20戸)の専有面積は42.00~70.07㎡、価格は2,998万~5,398万円(最多価格帯3100万円台)。坪単価は240万円。管理費は53,130~88,640円。竣工予定は2019年7月中旬。

 双方に共通するのは、設計・監理・施工は長谷工コーポレーション、入居条件は満50歳以上、入居者1名増加につき追加ライフサービス費23,000円、食費は1日3食(朝食500円昼食800円夕食900円)30日/66,000円など。

 このほか、レストラン、大浴場、ゲストルーム、多目的室、カラオケルーム、健康相談室、内部内廊下などの共用施設も共通。

 モデルルームは72㎡のタイプ。玄関・クローゼットの広さは約3.5畳大と広く、廊下幅は芯心約1m、開口時のトイレの折れ戸幅は77cm、浴室の横引きドア幅は82cm、引き戸は全てソフトクローズ機能付き。

 「国立」は第1期の登録が始まったばかりで、「豊田」は6月から分譲が始まっており、これまでに30戸弱が申し込み済み。販売担当の同社シニア営業部課長代理・吉澤博氏は「都内初のシニア向けであるということが評価されている。『国立』はすごい反響で、月に100件の資料請求がある。どこまで登録が入るか楽しみ。『豊田』はバス停がすぐそば。30戸弱が申し込み済みなので、販売は順調に進んでいる。中古の成約事例は多くはないが、分譲時の価格と比べ概ね90~95%で推移しており、中には100%もある」と話している。

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 同社の「デュオセーヌ」シリーズを見学するのは「つくばみらい」150戸(2014年竣工)「柏の葉キャンパス」270戸(2017年竣工)「緑山」82戸(2016年竣工)「千葉ちはら台」208戸(2017年竣工)に続き5件目だ。

 充実している共用施設はもちろん、住戸プランがユニバーサルデザイン仕様になっているのがいい。同社だけでなく他のデベロッパーも一般的な分譲マンションにもぜひ取り入れてほしい。高齢者が使いやすいということは健常者や子どもにとっても便利なはずだし、ファミリー向けでも入居者の将来を考慮して商品化するのは当然ではないか。廊下幅を広げろとかトイレの位置やドア幅を考えろとずいぶん前から主張してきたが、まともに考えたのは扶桑レクセルくらいだった。積水ハウスはまずまず。

 もう一つは、やはり共用施設の維持管理費やサービスに伴う管理費が一般的な分譲やサ高住、賃貸マンションと比べ高いということだ。これを引き下げるため、戸数を増やせる条件の敷地を選び、賃貸やサ高住との選択制、さらにはファミリー型を併設し、施設は利用の都度課金するようにはならないかということだ。そうすれば価格を引き下げることができ、多様なニーズも取り込めると考えるのだが…そんなに甘くないか。

 似たようなものは皆無ではない。最近取材した旭化成ホームズのシニア向け賃貸「ヘーベルVillage」は参考になる。

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レストラン

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「国立」には武蔵野モダニズムをテーマにした一般の人も利用できる「欅ガーデン」が設置される。デザインを担当しているのは建築家・小野由記子氏とパンフレットに記載されていた。かつて、小野氏の分譲マンションのデザインにほれ込んだことがある。最近はケアデザインに力を注がれているようだ。どのようなガーデンになるのか興味が引かれる。

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欅ガーデン

ニッチからコアへ 旭化成ホームズ シニア向け賃貸「ヘーベルVillage」受注加速(2018/8/24)

新潟県最大級 シェアハウスを併設した326戸の複合賃貸竣工 大和ハウスほか(2018/8/24)

江古田の杜 コミュニティ施設に「Casita(カシータ)」のサニーテーブル(2017/12/12)

積水ハウス サ高住と子育て賃貸共存型の「神楽坂」完成(2015/4/27)

子育て住宅と高齢者住宅の複合賃貸 積水ハウス・積和不動産「マストライフ古河庭園」(2012/3/1)

 

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「プラウドタワー北浜」完成予想図

 野村不動産(事業比率60%)と大林新星和不動産(同40%)が分譲中の「プラウドタワー北浜」を見学した。Osaka Metro堺筋線北浜駅から徒歩1分の42階建て全281戸で坪単価は362万円。7月から販売を開始しており、高層住戸を中心に155戸を供給済み。極めて好調に推移している。

 物件は、Osaka Metro堺筋線北浜駅から徒歩1分、大阪市中央区高麗橋2丁目に位置する42階建て全281戸。9月分譲予定の第1期3次(戸数未定)の専有面積は37.26~113.65㎡。価格は未定だが平均坪単価は362万円。竣工予定は2020年1月中旬。施工は大林組。

 現地は、北浜の一等地。隣に高麗橋野村ビルディング、徒歩3分に大阪取引所や吉兆本店、徒歩5分に大久保利通・木戸孝允・板垣退助・伊藤博文らが会したという老舗料亭「花外楼」がある。

 建物は、梁の少ない居住空間と自由度の高いプランニングを可能とした大林組の超高層制振構造「デュアル・フレーム・システム」を採用。基壇部は北浜の歴史的建造物を模したタイル張り。

 設備仕様などは、二重床・二重天井、リビング天井高2.6m、食洗機、デイスポーザー、フィオレストーンのカウンタートップ、突板フローリング、大理石張り床、ハンスグローエ水栓、陶器ボウル、ミストサウナ、マホガニーリビングドアなど(一部プレミアム仕様)。

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モデルルーム(142㎡)

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玄関・ホール

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ドレッシングルーム

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 販売事務所の模型などを見て既視感を覚えた。販売を担当する同社関西支社住宅営業部住宅営業二課課長代理・片山博貴氏がすぐ種を明かした。「目と鼻の先にある三井不動産レジデンシャルさんの『北浜ミッドタワー』はかなり意識しました。模型は三井さんと同じ40分の1」と。確かに雰囲気は今年2月に見学した三井の「北浜」とよく似ている。

 その他の設備仕様レベルも三井と野村はほぼ互角と見た。単価は三井が342万円に対し、野村は362万円。

 この差はなぜかよく分からないが、野村の142㎡のオーダーメイド仕様のモデルルームは4LDKを敢えて1LDKとしてプランの自由度をよく表現している。同社の首都圏の「六本木」「虎ノ門」とそん色ない。

 玄関を入るとすぐ、幅約2.5m×奥行き約6.8mのホール(約10畳大)のホールが目に飛び込んでくる。この演出が秀逸だ。その正面には見るからに高価そうな椅子が2脚(この前見た同社の「虎ノ門」は1脚100万円だそうだが、それよりは安いが)セットされており、壁の飾り棚にはバカラの花瓶がさりげなく置かれていた。

 片山氏は「一挙にこれだけ供給できたのは、実需中心のお客さまに評価されたと考えている」と話した。未供給住戸は中層部から下のほうが中心なので、三井の「北浜」(残り僅かのようだ)と同様、順調に売れるのは間違いなさそうだ。

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販売状況を示すボード(手前から高層-中層-低層の順)

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販売事務所に置かれている物件イメージを表現した〝玉座〟

「過去に類を見ない反響」 野村不の戸建て「千里円山町」/大阪市は1低層がない!(2018/8/29)

「虎ノ門」アドレス 人気も全国区 野村不動産「プラウド虎ノ門」(2018/8/22)

負けへんぞ横浜北仲に ここは〝北浜〟の一等地 三井レジ他「北浜ミッドタワー」(2018/2/20)

野村不動産の最高峰マンション「プラウド六本木」最高のモデルルームの出来(2016/7/19)

 

 

 

 

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「アトラスタワー草津」完成予想図

 

旭化成不動産レジデンスは830日、滋賀県草津市のJR草津駅徒歩3分の「商業施設・サ高住・住宅」が一体となった再開発免震タワーマンション「アトラスタワー草津」(全265戸、うち販売戸数 246戸)の第1期(150戸)を9月1日に開始すると発表した。

物件は、「北中西・栄町地区第一種市街地再開発事業」として開発中のもので、26階建てが分譲マンションとなり、隣接する4階建て低層棟は「サービス付き高齢者向け住宅」が併設される。

20182月の物件販売サイト開設以降、資料請求数は約2,000件、モデルルーム来場者数は約600組に達している。

第1期の専有面積は60.94135.88㎡、価格は3,538万~11,998万円(最多価格帯4,600万円台)。

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「ロイヤルパークスER万代(ばんだい)」

 大和ハウス工業とリビングギャラリー(本社:新潟市)は8月24日、JR新潟駅から徒歩9分の防災医療拠点の機能をもつ新潟県内最大級の326戸の複合賃貸マンション「ロイヤルパークスER万代(ばんだい)」が竣工したと発表した。

 プランは、ワンルームタイプ(約30㎡~約50㎡)からファミリータイプ(約60㎡~約100㎡)、プレミアムフロア(約100㎡~約190㎡)まで多彩なタイプと国内外からの赴任や長期出張者向けのサービスアパートメント83戸も併設。最上階(18階)の角住戸(151.39㎡・4LDK)は約140㎡のルーフバルコニー付き。

 このほか、2~3階に430㎡のコミュニケーションスペース付きの学生や単身者向けのシェアハウス「D-room Share万代」を111室設置している。

 1階には、パーティールーム、バーベキューコーナーのほかサウナ、フィットネスルームを併設した大浴場、健康に配慮した食事を提供する健康食堂「円居(まどい)」、コンビニエンスストアなどの店舗と医療モール(予定)を設置。英語対応可能なコンシェルジュによる様々なサービスを提供する。

 防災面では、屋上に災害時のための緊急救助用のホバリングスペースを設置。停電時に利用可能な非常用エレベーターや、帰宅困難者の受入れ場所も確保している。

 物件は、JR新潟駅から徒歩9分、新潟市中央区東万代町に位置する敷地面積約9,038㎡の18階建て全326戸(サービスアパートメント83戸含む)。他にゲストルーム1戸・シェアルーム111室・店舗5区画。専用面積は32.70㎡(ワンルーム)~188.32㎡4LDK)、家賃は88,000~674,000円。貸主は大和リビングマネジメント。竣工は2018年8月24日。

 大和ハウスは2005年から三大都市圏を中心に都心型賃貸マンション「ロイヤルパークス」シリーズを24棟約6,900戸供給しており、同様の複合賃貸としては2015年、430戸の賃貸住宅と130室のシェアルーム、日本初の賃貸二世帯ルーム、入居者専用天然温泉、認可保育園、有料老人ホーム、コンビニエンスストアなどからなる複合賃貸「ロイヤルパークスERささしま」(名古屋市)を竣工している。

 リビングギャラリーは、新潟県内15店舗のほか首都圏、福島県などで計22店舗を展開。近年の年間仲介件数は約11,000件、管理戸数は約17,000戸。

◇      ◆     ◇

 地方圏の賃貸市場は全く分からないが、大都市圏を含めてこの種の複合賃貸マンションは「ささしま」以外前例がないのではないか。規模が大きいからこそサービスアパートメントやシェアハウスのほか、大浴場や食堂などの店舗も併設できるのだろう。

 賃料も高いような気がするが、付帯施設やサービスの付加価値がどう評価されるのかも興味深い。

 

 

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