年頭所感 新中計 イノベーション&コミュニケーション軸に 積水ハウス仲井嘉浩社長

仲井氏
新年あけましておめでとうございます。
本年は、第7次中期経営計画(第7次中計)の開始年です。振り返ると、第6次中期経営計画(第6次中計)の基本方針「国内の“安定成長”と海外の“積極的成長”」は、積水ハウスグループで働くすべての従業員、当社の最高の品質を支えてくださっている協力工事店組織「積水ハウス会」の皆さま、そしてステークホルダーの皆さまのご尽力により、ほぼ達成する予定です。
現在策定中の第7次中計は、従来とは異なり、事業セグメントごとに早期から練り上げた戦略を全社へ横断的に集約する計画です。これは当社の掲げる「イノベーション&コミュニケーション」が浸透してきた証であり、心強く感じています。
第7次中計では、グループ連携の一層の強化を重視します。第6次中計では、カスタマーズセンターを分社化し「積水ハウスサポートプラス」を設立したことにより、「積水ハウスリフォーム」と両輪でお客様をサポートする体制ができました。また、不動産領域では賃貸管理と売買・仲介を分社化し、専門性を強化。信託・相続に関するご提案体制も軌道に乗り、相続対策の提案力が一層充実しています。さらに、建設・外構・家具などの住関連の周辺新規事業に取り組む体制も整備しました。
こうした連携の深化により、住まい・不動産のご相談をワンストップで対応できる体制が整いました。すでに一部地域では、新たな取り組みが始動しています。今後も各社が専門性に磨きをかけ、より高度なサービスとソリューションをご提供できると確信しています。
同時に、当社のビジョンである「積水ハウスのテクノロジーをデファクトスタンダードにする」ための基盤整備を、この第7次中計で実施したいと考えています。
具体的には、本年1月、「SEKISUI HOUSE U.S., Inc.」を統括会社とする「One company」体制が始動し、6つの地域本部を置きました。これに合わせ、当社の技術を移植した「SHAWOOD」および「NEW 2×4(仮称)」の販売を開始し、米国市場において、これまでにない最高水準の施工品質・設計品質・部材品質を備えた住宅をご提供してまいります。
オーストラリアでも、「SHAWOOD」と「グランドメゾン」のブランド浸透に向けた基盤づくりの重要な時期と捉えています。
本年もイノベーション&コミュニケーションを軸に、国内外の持続的な成長を目指してまいります。今後も積水ハウスグループに、より一層のご期待とご支援を賜れますと幸いです。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
年頭所感 創立130周年 未来へ新たな一歩踏み出す年に 東京建物・小澤克人社長
昨年は円安や物価高、日経平均株価の最高値更新、日本銀行による政策金利の引き上げなど、日本経済をとりまく環境は大きく変化したといえる1年だった。
また、生成AIのさらなる普及や、国内外でのサイバーセキュリティ強化の動きなど、社会のデジタル化が一層進展した年でもあった。
世界経済においては、米国による関税引き上げや日中関係の緊張感の高まりにより、国際貿易の枠組みそのものが大きく揺らぎ、各国がサプライチェーンの再構築や取引ルールの見直しが求められている状況である。
このように国内外の経済環境が大きく変化する不透明感の強い環境下において、当社は中期経営計画初年度を終えたところである。
本年は当社が参画する「東京駅前八重洲一丁目東地区第一種市街地再開発事業(TOFROM YAESU)」の「TOFROM YAESU TOWER(B地区)」が2月に、「TOFROMYAESU THE FRONT(A地区)」が7月に竣工する。オフィス、商業施設、劇場・カンファレンス、バスターミナル、医療施設など多機能を備えた都市型複合施設として、国際都市東京の玄関口にふさわしい新たな価値創造を目指すものである。また当社は本年「TOFROM YAESU TOWER」に移転する。長年本店を置いた地に戻り、未来への更なる飛躍に向けた企業活動を行う所存である。
当社の組織体制においても、ビル事業本部を再編し、新たにコマーシャル不動産事業本部を新設するなど、中期経営計画の着実な遂行に向けた見直しを実施した。今後も企業の成長に向けて必要な見直しを継続し、一層の生産性向上に取り組みたい。
本年、当社は創立130周年を迎える。先人のたゆまぬ努力と、それを大切に引継ぎ、今を支える人々の情熱が、今日の当社を築き上げてきたことに感謝しつつ、この歴史と伝統を胸に、未来への新たな一歩を踏み出す年にしたい。
本年の干支は「丙午(ひのえうま)」だ。「丙」は陽の気が盛んになり、物事が明るく発展する年、「午」は力強さと前進を象徴する。丙午の年は、変化や挑戦に積極的に向き合い、困難を乗り越えて大きく飛躍する年とも言われている。まさに本年の当社の姿勢に重なるものだ。
年頭所感 挑戦し続ける企業へ 3つのお願い 大和ハウス工業・大友浩嗣社長

大友氏
2025年は、私にとって激動の一年でした。4月に新社長に就任し、社長という職責の重さを感じながら、目まぐるしく日々が過ぎていきました。その間、世界経済の不安定化や紛争、関税問題など、複雑な環境下にありながらも、当社は改革の歩みを止めず、役職員一人ひとりが、それぞれのポジションで精いっぱい 輝き、活躍してくれたことに心から感謝します。
しかし、企業の持続的成長は、現状維持を選んだ瞬間に停滞します。挑戦し続ける企業であるために、皆さんに期待することを3点お伝えします。
1点目は、第8次中期経営計画の入り方です。当社は創業100周年に売上高10兆円を目指しています。その実現のためには、第8次中期経営計画が始まる2026年度は、これまで以上に重要な年になります。確かな成長の道筋を描き、実現可能な環境を整えることで、強固な経営基盤を築いてください。これは単なる数字の達成ではなく、未来に向けた持続可能な成長のための布石です。
2点目は、国内戸建住宅事業の成長です。当社は、事業施設などが厳しい時期には戸建住宅が、戸建住宅が厳しい時には他部門が補うという体制を築いてきました。国内戸建住宅事業の成長は、第8次中期経営計画においても重点テーマとして検討しています。戸建住宅や賃貸住宅、マンションを統合した 「ハウジング・ソリューション本部」はもちろんのこと、商業・事業施設、環境エネルギーを統括する「ビジネス・ソリューション本部」の皆さんも、国内住宅事業の活性化に知恵を絞り、積極的に行動してください。戸建住宅は当社のコア事業であることを忘れないでください。
3点目は、新たな柱となる事業の確立です。当社は、新たな成長分野として、データセンター事業や既存建物を改修し価値を再生するリブネス事業、木造・木質化を推進する「Future with Wood」を強化しています。各事業所でお客さまの期待を超える付加価値を提供することで、これらを新たな事業の柱に育ててください。また、昨年は社内起業制度「Daiwa Future 100」に多くの応募があり、挑戦する意欲を示してくれた皆さんに大きな期待を寄せています。この制度は、自己成長と企業文化の進化を促すとともに、新規事業の創出を目指すものです。新たな柱の確立は、当社の未来を切り拓く重要な挑戦です。
最後に、2026年は丙午(ひのえ・うま)です。「情熱や行動力が高まり、勢いのある一年」といわれています。「大和ハウス工業は今でもベンチャー企業」という気概を胸に、積極的に行動してください。役職員一人ひとりが「2026年は飛躍の年だった」と振り返れるよう、健康第一で充実した日々を過ごしましょう。
JR東日本不と伊藤忠都市開発合併へ JR東日本と伊藤忠商事が合意
年末の12月23日、ビッグニュースが飛び込んできた。東日本旅客鉄道と伊藤忠商事が、不動産分野における戦略的提携に関する基本合意書を締結し、JR東日本の子会社であるJR東日本不動産(JERE)と伊藤忠商事の子会社である伊藤忠都市開発(IPD)の経営統合に向けた協議を進めていくというものだ。
これまでJEREが取り組んできたJR東日本グループの沿線を中心とした不動産の取得・開発や、IPDが取り組んできた「CREVIA」ブランドの分譲住宅事業、賃貸不動産開発事業に加え、両社の経営統合により、鉄道というリアルなネットワークと、商社のグローバルな商流ネットワークの強みを掛け合わせた総合デベロッパーとして、不動産事業の飛躍的な成長を目指す。将来的には海外での展開も視野に入れているという、
JEREは2024年7月設立。資本金10億円。主な事業はJR東日本グループの社有地開発、不動産の取得・開発。
IPDは1997年12月設立。資本金107億円。主な事業はマンション分譲事業、賃貸不動産事業、不動産運用・コンサルティング事業。
◇ ◆ ◇
企業救済的な事例を除けば、業界の大型合併・資本提携をでは、2012年10月の興和不動産と新日鉄都市開発の経営統合、2018年8月の日本エスコンの中部電力グループ入り以来のビッグニュースだ。JR東日本グループのジェイアール東日本都市開発との関係はどうなるのか分からないが、新しい会社が業界にどのような影響を与えるか楽しみだ。
JEREは生まれたばかりだが、IPDは、2000年竣工の「タンタタウン」で期間70年の長期定期借地権付きを開発して業界の話題を呼び、その後、優れた商品企画のマンションや戸建てをたくさん供給してきた。大手系デベロッパーの中で商品企画力は突出している。
人間に例えれば、どちらが婿か嫁か分からないが、動植物でいえば性別が変わる魚、両性具有・雌雄同体のミミズか被子植物だ。多様性が求められるこれからの世の中で理想的な組み合わせではないか。
今回の経営統合により、鉄道会社や社会インフラを主な事業とする企業と不動産会社の合併の動きは加速するのではないか。
料理・風呂好きにはたまらない設備仕様レベル突出伊藤忠都市開発「三軒茶屋」(2022/11/23)
6か所に「ボイド」専有・共用に9室の「離れ」付き伊藤忠都市「小杉御殿町」(2020/10/28)
伊藤忠都市開発「ゼクシィ」と共同開発した「理想の新婚部屋」具現化(2020/4/2)
横浜市住宅供給公社&伊藤忠都市開発「アイ マークス横浜桜木町」好調(2009/2/19)
「頭のよくなるマンション」伊藤忠都市開発が埼玉で分譲(2006/11/7)
圧倒的人気呼んだ長期定借付マンション第2弾「タンタタウン・アルボの丘」(2005/2/4)
業務削減時間10%以上目指す 三井不 ChatGPT Enterprise導入
三井不動産は12月23日、生成AIのさらなる活用による生産性向上と付加価値向上の両立を目指し、2025年10月1日(水)からOpenAI, Inc.のChatGPT Enterprise の全社員への導入を開始し、独自プロダクトの開発・運用との両輪で、今後全社で業務削減時間10%以上を目指すと発表した。
ChatGPT Enterpriseを導入して以降、全社員(約2,000名)を対象にした研修には延べ1,300人の社員が参加。全社85部門から選出された150名の「AI 推進リーダー」を中心に、利用開始から約3か月で500件のカスタムGPTが運用されている。今後全社で業務削減時間10%以上を目指す。
驚嘆 2030年の年間DX投資額350億円に拡大三井不「DX VISION 2030」策定(2024/8/5)
野村不動産グループ記者懇親会〝記事化不可〟の縛りなし 酒の提供はなし

野村不動産グループ 2025年度記者懇親会(フェアモント東京43階会場から晴海方面を望む)
野村不動産グループは11月26日、2025年度記者懇親会を「フェアモント東京」で開催。第一部では、野村不動産ホールディングス代表取締役社長兼社長執行役員グループCEO・新井聡氏と、同社代表取締役副社長兼副社長執行役員グループCOO・松尾大作氏がグループの事業について説明し、第二部では、12人の役員が出席し、メディアとの懇親談会を行った。

、2025年度記者懇親会(フェアモント東京)
◇ ◆ ◇
新井氏と松尾氏の事業説明は割愛する。ほとんどすべての事業が順調に推移している。記者が注目したのは、国内デベロップメント事業の開発用地取得状況は住宅部門は分譲住宅25,400億円(19,000戸)など27,700億円、都市開発部門で10,300億円確保していることだ。新井氏も松尾氏も懸念材料はないことを強調した。
◇ ◆ ◇
配布された式次第のタイムスケジュールによると、第2部の懇談会は15:00~15:40まで。40分しかない。出席する役員は12人。参加したメディア関係者はざっと目測して50~60人。均等に割り当てたら役員1人にメディア5人。一人当たり歓談・質問時間を3分とすれば、全役員から話を聞くには待ち時間を計算すると90分はかかると記者は考え、全員から話を聞くことはあきらめた。
聞くのは新井氏と、記者の守備範囲である分譲住宅・再開発など数人に絞った。某社のように〝懇親会で見聞した話を記事にはしない〟という縛りもないことを事前に確認していたので、ばっちり取材することができた。唯一の計算外だったのは、酒類の提供がなかったことだ。この種のイベントで酒類の提供がないのは多分業界初。仕方がないので、冷たいお茶2杯とコーヒー1杯しか飲まず、用意された軽食は一切手を出さなかった。
以下が単刀直入に聞いた質問と答え。役員の方と記者の方が歓談中に割り込んだこともあったかもしれないが、謝るほかない。
新井氏に聞きたいことは一つ。社長に就任したとき、関係者から東大の剣道部出身と聞いた。それが事実かどうかを直接確認することだけ。なぜか。東大剣道部出身といえば、記者が好きな作家の一人・帚木蓬生氏がそうだからで、もう一つ、これまた大好きな同社グループダイバーシティ&インクルージョン推進担当、兼コーポレートコミュニケーション部、サステナビリティ推進部担当の宇佐美直子氏のご主人が剣道部出身だと聞いていたので、ひょっとしたら帚木氏や宇佐美氏のご主人との交流や対決の話が聞けるかもしれないと思ったからだ。
結果は空振り。新井氏は東大剣道部出身で3段を取得したと話したが、帚木氏が剣道部出身であることを知らなかった。OB会などには出席していないからのようだ。剣道は大学を卒業してからやっていないようで、専らゴルフとか。

新井氏
松尾氏に聞くことも一つだけ。「西麻布三丁目北東地区第一種市街地再開発事業」(六本木ヒルズ隣接)の分譲単価がいくらになるかだ。松尾氏が答えないのは百も承知のうえで、「社長、坪単価3,000万円でどうですか」と質問した。一瞬、頷いたような気もしたが、そうではなかった。単に目線を下にしただけで「何も決まっていない。これから」としか答えなかった。(分譲は来年か再来年だろうが、記者は単価予想に自信がある。最上階は坪単価5,000万円でも売れると思う。100坪で50億円だ。申し込みが殺到するはずだ)

松尾氏
再開発担当の同社執行役員開発企画担当の山本成幸氏には、先日発表した「若松二丁目住宅マンション建替え事業」について質問した。着工したばかりで、詳細は決まっていないが、事業は二本柱で、一つは建て替え事業、もう一つは敷地売却による再開発。もちろん、価格がどうなるかなどについて言及はなかったが、記者は「坪単価430万円でどうですか」と挑発した。答えるはずはない。大和ハウス「プレミストタワー船橋」には興味を示された(皆さん、船橋・南船橋ではこれから3物件で3,000戸の供給が始まる)。

山本氏
同じマンション・戸建て・賃貸・シニア事業などが担当の執行役員住宅部門長・中村治彦氏には、坪単価270万円の「西千葉レジデンス アベニュー」(512戸)と分譲戸建て「笹塚駅・下北沢プロジェクト」の取材を申し込んだ。「西千葉」はホームページを確認したら第1期150戸に申し込みが入ったようだ。信じられない価格の安さだ。

中村氏
マンション管理業協会の記者懇親会でいつもお会いしている同社執行役員運営管理部門長・問田和弘氏には、管理会社管理方式の導入状況について聞いた。今期末で新築マンションを中心に13件に導入することが決まっており、既存マンションも1件あるとか。1戸当たり約1,500円のようだ。今後5年間で64件に伸ばす予定とか。(大和ハウスは10月末で180件超の導入実績がある)

問田氏
このほかの事業についても質問したかったのだが、時間切れとなった。中締めの挨拶で、同社代表取締役副社長兼副社長執行役員コーポレート統括・芳賀真氏は、同社グループ8社が「BLUE FRONT SHIBAURA」に本社機能を移したことについて触れ、「このような事例は稀有なこと。定量的なデータは(現時点で)提供できないが、当社グループの強み。シナジー効果を発揮する。来年以降の記者懇親会もここで実施する」と締めくくった(来年は、その定量的効果を発表することに期待したい)。
船橋・南船橋で再開発3物件マンション3,000戸相乗効果か共倒れか(2025/11/21)
エリアマネジメント4団体が「芝東京ベイ協議会」設立水辺と豊かな地域資源アピール(2025/10/31)
「唯一無二」新たな街づくりの嚆矢へ野村不他「BLUE FRONT SHIBAURA」開業(2025/9/1)
定番だけどうまい「BLUE FRONT SHIBAURA」商業エリア圧倒的な緑も特徴(2025/8/31)
大和ライフネクスト第三者管理者方式183件月1000円/戸検討に値する額ではないか(2025/10/15)
住宅用地が工業用地として売却できる米国 大和ハウス2026年3月期2Q説明会

芳井さん(山﨑さんかそう呼んだので「さん」付けする)
大和ハウス工業は11月17日、「2026年3月期第2四半期決算 マスコミ向けスモールミーティング」を開催。同社代表取締役会長/CEO・芳井敬一氏、同社代表取締役社長/COO・大友浩嗣氏らが出席して、記者団の質問に答えた。
同社の2026年3月期第2四半期決算は、売上高26,309億円(前年同期比0.8%減)、営業利益2,213億円(同5.6%減)、経常利益2,053億円(同7.1%減)、純利益1,377億円(同11.9%減)となり、開発物件売却の減少などにより減収減益。
セグメント別では、戸建住宅事業は売上高5,412億円(前年同期比7.9%増)、営業利益234億円(同6.4%増)。賃貸事業は売上高7,031億円(同6.4%増)、営業利益750億円(同14.0%増)。マンション事業は売上高1,342億円(同1.0%増)、営業利益75億円(同44.2%減)。商業施設事業は売上高6,371億円(同3.8%増)、営業利益850億円(同8.1%増)。事業施設事業は売上高5,918億円(同17.5%減)、営業利益617億円(同26.2%減)。環境エネルギー事業は売上高652億円(同3.6%増)、営業利益78億円(同9.8%増)。
2026年3月期の業績予想(退職給付数理差異等償却額を除く)は、売上高56,000億円(前期比3.0%増)、営業利益5,100億円(同14.6%増)、経常利益4,610億円(同11.2%増)、純利益2,900億円(同13.4%増)に上方修正。1株当たり年間配当も前回予想の期末95円を100円に増配し、年間175円(2025年3月期は150円)とする予定。
◇ ◆ ◇
会場で受付をしたら、同社広報担当の方から「牧田さん、これをどうぞ」と、ワイヤレス受信機を渡された。耳が遠くなり、この種の発表会で芳井会長が何を話されたかさっぱり分からなかったことを同社の広報の方に話したことがあり、そのことを覚えてくださったのだろう。ワイヤレス受信機を利用したのは多分小生一人だったはずだ。そのお陰で、発表会の一部始終を聞くことができた。まずは同社広報に感謝申し上げる。
さて、何から書くべきか。決算発表があったのは先週の13日(金)だ。前段ではその数値をほとんどコピペしたのだが、そんな数値を繰り返しても「か・ち・も・な・い」。多分、誰も書かないことを以下に紹介する。
驚いたのは、米国の戸建住宅事業が好調に推移していることについて質問した記者に対し、芳井会長は「住宅用地として取得した土地が、データセンターになるかどうかは分かりませんが、たまたま工業用用地として売却できたからということ。勘違いしないで頂きたい。住宅用地がデータセンターになるということ、(米国の)ゾーニングがそうなっているという国であるということです」と答えたことだ。芳井氏は、米国での住宅用地は向こう10年分の72,000区画を取得済みとも語った。
なるほどと思った。米国の都市計画・建築基準法がどうなっているのか小生は分からないが、わが国では住宅用地として購入した土地が工業用地として売却されることはまずありえない(工業専用地域が、何でも可の準工業地域に用途変更された事例はあるが、ごくまれだ)。
小生はこれまで「嫌悪施設」について何度も記事を書いてきた。物流施設や墓地などが法律用語でも何でもない「嫌悪施設」として扱われ、重要事項説明書に明記し、説明しなければならないことになっている。データセンターも「倉庫」扱いになっており、「嫌悪施設」として扱われ、住宅系用途地域では建築することは小規模を除き不可だ。小生は「嫌悪施設」とは何か、もう一度原点に戻って考え直すべきだと思う。
記者団からは、決算短信の定性的情報には一言も触れられていない、リブネス事業についての質問も飛んだ。とてもいい質問だと思った。待ってましたとばかり、大友社長は「住宅系『Livness(リブネス)』とビジネス系の『BIZLivness(ビス リブネス)』の2本柱で展開しているが、目標としていた売上高4,000億円を昨年度に達成し、今年度は4,500億円に上方修正した。2030年代には1兆円に伸ばす道筋をつけていく。『BIZLivness(ビス リブネス)』は宝の山」と話した。小生も大きな柱の一つになると思っている。
同社には一言いいたい。社長は記者団の質問に対して「(当社は)プレハブのオピニオンリーダー」と話した。その通りだろうが、ハウスメーカーとかデベロッパーとかの垣根・バリアなどないと思っている小生は、同社は住宅・不動産業界の断トツのリーダーだし、そうあるべきだと思っている。
にもかかわらず、マンション事業の業績はいま一つだ。年度によって上下する売上高1,342億円はともかく、売上総利益率15.5%、営業利益率5.6%は低すぎるし、地方物件比率が高いことを考慮しても完成在庫が504戸(2025年3月期の売上戸数1,504戸)もあるのは信じられない。
劣悪なマンションを分譲しているわけではない。近年では「船橋塚田」「昭島」「大倉山」など素晴らしい物件を供給した。大和ライフネクストが2022年9月から開始している外部管理者サービス「TAKSTYLE(タクスタイル)」の導入実績は2025年9月末で174件に達している。業界のビジネスモデルになると思っている。

大友さん(芳井氏がそう呼んだから「さん」付けする)
◇ ◆ ◇
前段の冒頭に戻る。芳井会長はミーティングの冒頭、「いつもと違う。司会の山﨑さんは長年、私の秘書役を務めてきた。失敗しないかひやひやしている。『芳井さん』と呼ばれるのも久しぶり。自分が自分でないような気がする。山﨑さん、頑張って」と切り出した。
ものすごくクリアに聞こえた。ワイヤレス受信機を装着していなかったら、絶対聞き取れなかった言葉だ。小生は何のことかさっぱり分からなかったのだが、山﨑さんは「最初はとても緊張しました。大役を果たせられたかどうか…」と語った。
山﨑さんの肩書は「広報企画部東京広報グループ上席主任」とあり、これまで7年間、芳井氏の秘書を務め、今年4月に着任した。スモールミーティングの司会を務めるのは初めてのことだった。
皆さん、いかがか。口さがない同業の女性記者は「孫娘、初舞台」と称した。また、別の男性記者は「年齢からしたら、孫娘はありえない。親子の関係」と横やりを入れた。
小生はどちらの意見にも与しない。芳井会長は67歳。山﨑さんの年齢は不明だが、孫娘か実子かどっちでもいい。〝自分が自分でないような気がする〟-芳井氏の言葉は何となくよくわかる。
それにしても、デベロッパーの三井不動産、三菱地所、住友不動産の3社が束になってもかなわない、売上げが5兆円超の社長・会長の秘書の仕事とはどのようなものだろうか、コロナ禍では〝おじいちゃん(お父さん)に感染させちゃいけない〟というプレッシャーは相当なものだったはずだ。その任務・重責から解放されて、山﨑さんはほっとしているのか、それとも別離を悲しく思っているのか…小生だったら前者を取る。
ワイヤレス受信機(パナガイド)の値段を調べた。4万円もする。高い。買えない。各社にお願いだ。この種の発表会に希望者に配布してほしい。

山﨑さん(芳井氏がそう呼んだから「さん」付けする)

会場で手渡されたワイヤレス受信機
「MFLP船橋プレミアムフェスタ2025」来場者4000人超(2025/11/10)
墓地に隣接〝田の字地区最後の低単価物件〟タカラレーベン他「京都河原町五条」(2025/9/23)
物流デベと既存の倉庫業は手を組むことはないのか大和ハウス事業施設説明会(2025/9/10)
〝東京の軽井沢〟2年間で1・2弾758戸を早期完売大和ハウス他「昭島」(2025/10/25)
大和ライフネクスト第三者管理者方式183件月1000円/戸検討に値する額ではないか(2025/10/15)
オープンハウス2025年9月期決算 過去最高の売上高、利益 戸建事業の利益率上昇
オープンハウスは11月14日、2025年9月期決算を発表売上高13,364億円(前期比3.1%増)、営業利益1,459億円(同22.5%増)、経常利益1,394億円(同16.0%増)、純利益1,006億円(同8.3%増)となり、過去最高の売上高、利益を更新、純利益が1,000億円の大台を達成した。戸建関連事業のほか収益不動産事業、アメリカ不動産名などの営業利益率が大幅に増加した。
セグメント別では、戸建関連事業の売上高は6,763億円(前期比102.7%)、営業利益695億円(同136.9%)。営業総利益率は17.1%(同3.1ポイント増)。契約件数は3,878件(前期は3,356件)、首都圏戸当たり単価は4,870万円(前期は4,860万円)。
マンション事業は、売上高732億円(同82.0%)、営業利益80億円(同75.5%)、営業利益率は11.0%(同1.0ポイント減)、引き渡し戸数は1,450戸(同323戸減)。
収益不動産事業は、売上高2,186億円(同93.9%)、営業利益2,319億円(同131.4%)、営業利益率10.6%(同3.0ポイント増)。11月にはリノベによる初のホテル「「KÚON 箱根強羅」を開業した。
その他(アメリカ不動産等)は、売上高1,512億円(同124.5%)、営業利益157億円(同141.0%)。中古戸建てが堅調に推移した。
プレザンスコーポションは、売上高2,273億円(同113.4%)、営業利益287億円(同101.3%)、引き渡し戸数は5,869戸(同426戸増)、うちワンルームは4,244戸(同510戸増)。
2026年9期期予想は売上高14,850億円(前期比11.1%増)、営業利益1,700億円(同16.5%増)、経常利益1,600億円(同14.7%増)、純利益1,120億円(同11.3%増)。1株当たり年間配当は188円(前期は178円)に増配し、自己株式取得約250億円を予定している。
三井不2026年3月期2Q 売上、利益とも過去最高更新 国内分譲住宅の営業利益率30%
三井不動産は11月7日、2026年3月期第2四半期決算を発表。売上高13,534億円(前年同期比16.4%増)、営業利益2,187億円(同29.1%増)、経常利益1,835億円(同33.7%増)、純利益1,521億円(同72.3%増)となり、売上高・営業利益・事業利益・経常利益・純利益はいずれも第2四半期(累計)の過去最高を更新した。国内分譲事業が好業績を牽引した。
セグメント別では、賃貸事業は売上高4,562億円(同365億円増)、事業利益885億円(同290億円増)。首都圏の単体オフィス空室率は0.9%(2025年3月末は1.3%)。
国内分譲事業は売上高2,906億円(同866億円増)、営業利益875億円(同426億円増)で、営業利益率は30.1%(同8.1ポイント増)となった。内訳はマンションは売上高2,738億円(同865億円増)、計上戸数1,526戸(同471戸減)、1戸当たり単価17,947万円(同856万円増)で、戸建ては売上高167億円(同0.8億円増)、計上戸数179戸(同21戸減)、1戸当たり単価9,354万円(同1,024万円増)。完成在庫はマンションが43戸(2025年3月期末32戸)、戸建てが26戸(同22戸)。マンションの今期計上予定戸数2,800戸に対する契約進捗率は96%。
このほか、リパーク(貸し駐車場)、仲介・アセットマネジメント事業、ホテル・リゾート、東京ドームなども増収増益となった。海外事業は増収減益。海外事業利益比率は8.1%(同3.8ポイント減)。
好調な業績を受け、2026年3月期業績予想を上方修正。売上高27,000億円(2025年5月予想比増減なし)、営業利益3,850億円(同1.3%増)、経常利益2,950億円(同3.5%増)、純利益2,650億円(同1.9%増)を見込む。売上高・営業利益・事業利益・経常利益・純利益はいずれも過去最高の更新を見込む。
また、通期業績の見通しを踏まえ、中間配当金と期末配当金予想を上方修正。年間配当金は34円(期初の年間配当金予想は33円)を予定している。
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国内分譲事業が大幅増収増益を牽引した。営業利益率は30.1%となったが、2Qという瞬間ではあるが営業利益率が30%を超えるのは、同社はもちろん業界初ではないか(通期の営業利益率予想は25%)。その代表格は「三田ガーデンヒルズ」(1,002戸)だ。三菱地所とのJV物件で、事業比率は公表されていないが、三井不動産レジデンシャルが50%以上を占めるのは間違いない。坪単価1,300万円、1戸当たり4億円という価格が売上高、利益に貢献した。
今期は50階建てツイン「HARUMI FLAG」(1,455戸)が計上される(10社JVで、同社の事業比率は25%ではないかと記者は予想している)。
. 50階建てツイン1,455戸の入居開始「HARUMI FLAG」全5,632戸完成(2025/9/21)
単価予想1,300万円的中!三井レジ&地所レジ「三田ガーデンヒルズ」700戸供給済み(2023/9/20)
「木造の建築物を建てれば最後は森になる」三井ホーム野島秀敏社長 記者懇親会

野島氏(新木場センタービル9階)
三井ホームグループは11月4日、記者懇親会を開催し、同社代表取締役社長・野島秀敏氏は今年4月に社長に就任して以降の所感について次のように語り、「木はCO2を固定化する。木造の建築物を建てれば、最後は森になる」と締めくくった。
現在の注文住宅市場は、徐々に縮小し、建築費の上昇を背景に一棟当たり単価は高くなっている。このような市場の中で、今後どのようにして成長していくかが大きな課題となっており、当社グループは「注文住宅の会社から住宅事業+木造施設建築の会社へ」を掲げ、様々な取り組みを開始した。
一つは、木造建築の可能性を拡げるための挑戦である「MOCXION(モクシオン)」。当社初の木造マンション「MOCXION INAGI」をはじめ教育施設、ロードサイド施設、建築物の一部木造化や建材事業など幅広い建物を木造化していく。
もう一つは、「MOCXION」で培った技術を最適化した「MOCX WALL工法」。これにより下がり壁をなくしたフラット天井、またぎを解消したバルコニー、柱の制約を受けない独立支持柱、壁面を少なくした大空間を実現した。
三つめは「MOCXCOM(モスクコム)」。創業50周年を機に本社機能を今年5月、「木の街」でもある新木場に集約した。「COM」には新たなオープンイノベーションの創出を目指すコンパス、羅針盤となる意味を込めた。コミュニティを醸成するコンセプトが評価され「第38回日経ニューオフィス推進賞」を受賞した。
住宅事業については、当社はオリジナルデザインを含めて長年お客さまに高い評価を頂いてきた。このブランド価値を生かし、富裕層向けを再強化する。もう一つは、分譲マンションや分譲戸建てに流れている顧客をターゲットに「三井のセレクト」というブランドで、今まで注文住宅に見向きもしなかった若年層のニーズを取り込んでいく。
社長に就任して精力的に取り組んできたのが「全国巡訪」。この半年間で全国の支社など16か所を訪ね、直に社員の声を聴いた。社員一人ひとりと向き合い、意見を吸い上げ経営に生かしていく。

懇親会会場
高額注文住宅と規格住宅を車の両輪へ 野島秀敏・三井ホーム社長(2025/4/17)

