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 東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は7月11日、2022年6月の首都圏の不動産流通市場の動向をまとめ発表。中古マンションの成約件数は3,003件となり、6か月連続で前年同月を下回り、成約㎡単価は66.99万円(坪単価221万円)となり、前年比12.8%の2ケタ上昇、26か月連続で上昇。成約価格も同9.2%上昇、25か月連続で前年同月を上回った。

 地域別動向では、成約件数は東京都区部以外の各地域が前年比で減少が続き、横浜・川崎市、神奈川県他、埼玉県、千葉県は6か月連続で前年同月を下回った。成約㎡単価はすべての地域が前年比で上昇が続き、東京都区部は26か月連続、横浜・川崎市と埼玉県は25か月連続、千葉県は23か月連続、神奈川県他は 19か月連続、多摩は16か月連続で前年同月を上回った。

 中古戸建住宅の成約物件は前年比13.8%減となり、6か月連続で前年同月を下回った。成約価格は同7.9%上昇し、20か月連続で前年同月を上回った。

 

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 先に国土交通省が発表した2022年5月新設住宅着工戸数に注目している。利用関係別では、持家は21,307戸(前年同月比6.9%減、6か月連続の減少)、貸家は25,942戸(同3.5%増、15か月連続の増加)、分譲住宅は19,595戸(同8.5%減、4か月ぶりの減少)となり、分譲の内訳は、マンションが7,569戸(同19.9%減、4か月ぶりの減少)、一戸建住宅が11,905戸(同0.9%増、13か月連続の増加)となっている。

 2022年1月~5月の持家は99,981戸(同7.2%減)で、分譲住宅の107,553戸(同5.2%増)を下回っている。このまま推移すれば持家は年間で2020年の26.3万戸を下回り、分譲住宅が2006年以来16年ぶりに持家を上回る可能性がある。(2006年の持家は358,519戸で、分譲住宅は379,181戸)。

 持家より上回っている分譲住宅ではあるが、戸数そのものは増えているわけではない。1~5月の着工戸数は10.8万戸(前年同期比5.2%増)で、年間で前年の24.8万戸に届くかどうかた。しかも、この数字は分譲戸建てが数字を引き上げているためで、首都圏マンションは21.898戸(前年同期比8.9%減)となっており、令和3年の48,819戸(前年比11.2%減)をさらに下回りそうだ。

 この数字が高いか低いかよく分からないが、コロナ禍で首都圏人口が減少に転じたことなどを考慮すれば、これが常態化すると見るのが正解ではないか。

 1~5月の首都圏マンション着工戸数を都県別にみると、東京都は11,126戸(前年同期比25.8%減)、神奈川県は5,304戸(同10.0%減)、埼玉県は3,183戸(同78.3%増)、千葉県は2,285戸(同65.3%増)となっており、相対的に価格水準が高い東京都と神奈川県の減少が目立ち、郊外部の埼玉、千葉で増加している。

 これは、コロナ禍でファミリー層は広さや住環境などを重視する層が増えたことを受けて、デベロッパーが用地取得を郊外部へシフトしていることをうかがわせる。郊外部の着工増がどのような影響を及ぼすかだが、かつて埼玉や千葉では年間8,000戸くらい供給されていたことを考えると、直ちに市場を乱すことにはならないのではないか。郊外部を得意としてきた中堅デベロッパーの出番ということもいえる。

 マンションの販売動向についても触れたい。不動産経済研究所の2022年5月の首都圏マンション市場動向調査によると、発売物件は146物件で、供給戸数は2,466戸、当月売却戸数は1,732戸、月間契約率は70.2%だ。

 つまり、1物件当たり平均供給戸数は16.9戸で、このうち70.2%に該当する11.9戸が売れたということになる。1棟当たりの総戸数を50戸とすると、完売まで6期かかるという計算だ。

 このことからも、「月間契約率70%以上が好調ライン」というのはあてにならない。

 同研究所の調査による5月末の販売在庫数が5,881戸という数字からも、必ずしも好調でないことをうかがわせる。この数字は決して適正在庫とは言えない。年間供給戸数を3万戸とすると2割近くが残っていることになる。「4月以降売れ足が鈍っている」というデベロッパーの声もある。

 売れるものとそうでないものの二極化が進行しているとも読み取れる。年間3,775戸を計上しながら完成在庫は82戸(2022年3月期)しかない三井不動産もあれば、2,194戸の計上戸数に対して完成在庫は661戸(同)の東急不動産のような例もある。右肩上がりの市場であれば、完成在庫増そのものは懸念材料にはならないが、周辺物件との競争力を失えば販管費の増大などで収益を圧迫する。優勝劣敗の市場は今も昔も変わらない。

 先ほど、中堅デベロッパーの出番とも書いた。大手デベロッパーにはブランド力で劣る。価格にして10%も20%も差があるのではないか。しかし、その分を補って余りある商品企画を武器にする中堅(失礼)デベロッパーは少なくない。詳しくは書かないが、大和地所レジデンス、モリモト、タカラレーベン、ポラス、新日本建設などがそうだ。記者がいまもっとも興味があるのは、そうしたデベロッパーの出現だ。

 

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 マンション管理業協会は7月5日、マンションの管理状態を★6つの段階で評価・表示する不動産情報サイトの第1号は東急リバブルとなったと発表した。

 同協会が令和3年に開発に着手した「マンション管理適正評価制度」に基づいて評価されるもので、中古マンション取引は、立地や間取り、築年数といった情報が評価・購入形成要因の主流となっており、管理状態のレベルはあまり重要視されていないのが実情。購入検討の早い段階から対象物件の管理情報が開示されることにより、適切に管理されているマンションが市場で評価されるようにするのが目的。

 評価制度は管理体制、建築・設備、管理組合収支、耐震診断、生活関連の5つのカテゴリーから構成され、総合点を「特に優れている」★5つから「優れている」★4つ、「良好」★3つ、「改善の必要あり」★2つ、「問題はあるが情報開示あり」★1つ、「(情報開示がなく)管理不全の疑いあり」★なしの6段階で表示される。評価を受けるかどうかは管理組合の任意。

 東急リバブルのホームページ「中古マンションライブラリー」(URL:https://www.livable.co.jp/mansion/library/)では常時88,000 棟以上の分譲マンションデータが公開されており、6段階評価の公表は今夏から。

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 いよいよ「マンション管理適正評価制度」がスタートする。興味深いのはどれくらいの管理組合がこの制度を利用するかだが、同協会は「普及してみないと分からない」としている。

 そして、さらに注目されるのは、6段階の分布だ。これも始まってみないと分からないが、マンション管理問題に詳しい横浜市立大学教授・齊藤広子氏は「わたしの調査では、横浜市の築30年以上のマンションのうち4%は管理不全の兆候があり、その一方で『優』(★4つ)以上は45%以上。二極化している」と報告している。だとすると、「管理不全の疑いあり」とレッテルが張られるマンションは、任意である制度を利用しない可能性もある。

 だが、しかし、そのようなマンションを積極的に購入しようという消費者は果たしているのか。結局、情報開示しないマンションは市場からパージされるのか。

 

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「ソルティア橋本」

 マリモが分譲中の「ソルティア橋本」を見学した。JR・京王相模原線橋本駅圏では初のコンパクトマンションで、今年3月から完成販売を開始し、これまで全40戸のうち30戸を成約するなど販売は順調だ。

 物件は、JR横浜線橋本駅徒歩5分、京王相模原線橋本駅徒歩6分、相模原市緑区橋本六丁目の商業地域(建ぺい率100%、容積率300%)に位置する12階建て40戸。専有面積は31.57~39.73㎡、坪単価は320万円。建物は2021年12月に完成済み。設計・監理はBond Design 一級建築士事務所。施工はCMC。販売代理はシティインデックス。

 現地は、駅前のイオン橋本店や「リビオ橋本タワー」「グラントーレ橋本」のタワーマンションに近接。駅の反対側では2027年開業予定のリニア中央新幹線の新駅&複合施設計画が進行中。

 敷地は北側と東側に接道。建物は東向き、住戸は2階からで1フロア2~4戸構成。主な基本性能・設備仕様は直床、リビング天井高2450ミリ(2階・12階)・2500ミリ(3~11階)、三ツ口コンロ(一部除く)、Low-E複層ガラス、床暖房、浴室タオル掛けなど。

 今年3月5日から販売開始し、これまで30戸を成約、1戸が成約見込みで、実質的に残りは9戸。購入者の属性は女性:男性比率は7:3。女性は20~40代で、地元に勤務する公務員や医療機関従事者が目立つという。男性は会社員が中心で、セカンド・投資需要もあるという。来場者は200件。

 同社マンション事業本部おもてなし課 マンションギャラリー所長・安江裕太氏は「お客さまは橋本をよくご存じの方が中心。リニア計画は現段階で不明ですが、資産性・換金性を訴求しています」と語っている。

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モデルルーム

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 リニア中央新幹線の詳細は不明だが、日本エスコンは再開発エリアに近接する病院跡地約7,700㎡のマンション用地を昨年取得している。140戸程度が予定されており、今秋にも分譲開始される模様だ。

 いくらになるか分からないが、坪単価は300万円をはるかに突破するはずだ。わが多摩センター駅圏ではもはや駅近の開発用地はないが、仮に供給されたら300万円台になるかどうか。

ワイドスパン、多面採光がいい リストが販売復代理の山田建設「橋本」(2020/2/20)

 

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木村社長

1994年(平成6年)4月に会社を設立して以来、提携デベロッパーは100社以上、企画・販売協力物件1,337棟、会員数104,803人(うち約27,000人以上がマンションを購入)の実績を積み上げてきた快適住まいづくり・木村吉伸社長(71)にインタビューした。テーマは、コロナ禍でコンパクトマンション市場は変わったのか変わらないのかだ。

木村社長は開口一番、「コロナ前とベースは変わらない。単身者向けコンパクトマンションに対するニーズは旺盛で、本当にいいものとは何か、損か得かを真剣に考える人が増えている」と語った。

ベースに変化はないことの裏付けとして、木村社長は婚姻年齢の推移、高齢化の状況、名目賃金の推移などのマクロデータを示した。景気はよくならない一方で物価上昇、利回り優先の賃貸市場、晩婚化・単身世帯増の流れに変化はなく、年金など老後の生活不安も解消されないからだと説明した。

コロナ禍で郊外マンションを購入するファミリー層が増えていることについては、「テレワークが定着しており、ファミリー層はそのような傾向がみられるが、単身者は利便性を重視する傾向が強い」と話した。

しかし、その一方で「エネルギー問題、ウクライナ問題などからして建築費の上昇は避けらない。都心部では坪単価は500万円以上となり、普通の単身者の取得限界を超えている。準都心部での価格上昇も続いている」とし、今後はこれまで供給事例がなかったエリアに拡大するのではないかと語った。

その好例として、マリモが分譲中の「ソルティア橋本」40戸をあげた。橋本駅から徒歩5分の全戸がコンパクトタイプのマンションだ。この物件については取材済み。残りは10戸を切った。坪単価は320万円。機会を改めて紹介する。

さらに、坪単価260300万円で供給可能な船橋、松戸、八王子、志木などのほか、舎人ライナー、東武線・京成線、駅から徒歩1215分でも生活しやすい京王・小田急線などが今後注目されるのではないかと話した。

また、今後の展開として、「SDGsを意識したZEHマンションや、木をふんだんに用いた商品企画、中古のリノベなどの提案を行っていく」と話した。

同社の業績については、「201810月度まで24期連続黒字を達成したが、コロナ禍でセミナーを自粛したが、このところはやや持ち直してきている」とし、自社分譲の第8弾「サクラコンフォルテ新綱島」41戸(坪単価380万円)も残り6戸という。

以前行っていた男性向けセミナーはやめたそうだ。その理由について、「男性はマンション購入は結婚してからでも遅くないと考える人が多く、セミナーを実施しても集まらない」と話した。

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 子どもの教育、住環境を重視するファミリー層と異なり、単身世帯は身軽でどこにでも住める。やはり資産性・換金性を考えたら、人気エリアのほうに集中するのは当然。理想は山手線内と沿線と考える人が多いが、坪単価は今後600万円以上となるのは必至だ。普通の職業の人は親の援助がないとまず買えない。

 となると、郊外を考えざるをえなくなるが、住めば都。どこがいいか、決めるのは本人だ。〝本当に住みやすい街〟などのプロパガンダを信じてはいけない。

 記者は街のポテンシャルは①百貨店(1か所で全てが揃う)②ホテル(宴会もできる)③歴史・文化施設(コンサート会場なと)の3つを重視するが、3つとも揃っている街はそう多くない。この点について木村社長は「今後は、スーパーなどの買い物施設、公共施設、スポーツ施設など比較的便利なエリアで新しい立地が増えてくるのではないか」と話している。

 わが多摩センターは、とっくにそごう-三越百貨店が撤退し、京王プラザホテルも閉鎖が決まった。町田や新百合ヶ丘、立川にどんどん離させる。橋本に逆転されるのも時間の問題だ。

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「プラウドギャラリー武蔵小杉」

 野村不動産が先にオープンした、神奈川県内の「プラウド」マンションを比較検討できる常設「プラウドギャラリー武蔵小杉」を見学した。販売機能だけでなく伊勢丹新宿本店、BLUE BOTTLE COFFEE、arflex、parkERs、@aromaの5社のライフスタイルブランドと連携し物販販売、新しいライフスタイルを提案する同業他社の常設モデルルームとは一味も二味も異なる施設だ。

 場所は、JR南武線武蔵小杉駅から徒歩1分、東急東横線武蔵小杉駅から徒歩3分の武蔵小杉タワープレイス4階と10階、延床面積は約254坪(約841㎡)。現在、「プラウド武蔵新城ステーションマークス」(109戸)「プラウド溝の口イースト」(44戸)「プラウド元住吉ガーデンズ」(117戸)「プラウド新丸子」(97戸)の4物件を紹介している。

 4階は、接遇スペースと「リビングSTUDIO」、「キッチンSTUDIO」、「Cafeスペース」の3つのエリアからなり、「プラウド」と親和性の高い内装にしているのが特徴だ。例えば、伊勢丹新宿本店との連携では、食器やキッチン家電が展示されており、バーコードを読み取ることで商品の詳細が分かり購入も可能。来場者に1本600円以上もするBLUE BOTTLE COFFEEなどの飲み物を無料で提供する。「リビングSTUDIO」に展示されている家具類は全てArflex製で、観葉植物はparkERsがアレンジ。各スタジオ、レセプション空間は@aromaの香りでくつろぎの空間を演出する。

 10階は、71㎡の3LDK、33㎡の1LDKのコンセプトルームのほか、テレワークスペースや「インテリア住宅ローン」「宅配型収納サービス」の紹介コーナーがある。

 施設のチーフ・大平章博氏は、「常設ギャラリーは『代官山』『池袋』『五反田』に次いで4施設目。現在紹介している物件は『元住吉』『溝の口』『新丸子』『武蔵新城』の4物件ですが、みんな人気。これからも川崎市の物件を中心に供給物件は続々控えており、ラインアップを整えていきます。接客ブースは20卓あるのですが、これでは足りないくらいで、もう1フロア拡充することを検討しています。販売拠点として長期にわたり機能させていきたい」と語っている。

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parkERsがアレンジしている観葉植物

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伊勢丹新宿本店の食器類提案

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 マンションデベロッパーの常設販売拠点・モデルルームはこれまで十数か所見学している。内装仕上げグレードの高さでは、5つ星ホテルそのものの伊藤忠都市開発「ギャラリークレヴィア有楽町イトシア」がやや抜けている。広さでは710坪もある住友不動産の「総合マンションギャラリー新橋館」が図抜けている。

 今回の「プラウドギャラリー武蔵小杉」はどうか。販売する物件が坪300万円台から400万円台が中心であることから、お金持ち対象ではない。少し背伸びしたら届きそうなレベルだ。「プラウドと親和性の高い」仕様にしているのも納得だ。

 これに近い常設モデルとしては、コスモスイニシア「イニシアラウンジ三田」がある。こちらはparkERsを起用したコスモスイニシアの世界観がいかんなく発揮されている。素晴らしい。

 さらにまた、モデルルームではないが、積水ハウスの新しいオフィス提案「SUMUFUMU TERRACE(スムフム テラス)」の「新宿」「青山」「池袋」「錦糸町」ともよく似ている。

 この野村不動産、コスモスイニシア、積水ハウスの3社は互角だろうと思うが、総合的な提案力を加味すると、野村不動産に軍配が上がるのではないか。お客さんに提供するというBLUE BOTTLE COFFEE BOLDを今度飲んでみよう。

 現在紹介している「元住吉」(坪単価368~370万円)は来週抽選予定で全117戸のうち第1期として100戸を供給する。1LDKの比率が高い「新丸子」(坪単価400万円)は駅から徒歩2分、全てがコンパクトの「溝の口」は新提案の「スタイリングキューブ」「ドレッシングクローク」などを提案している。

 「スタイリングキューブ」の開発に当たっては大平氏も参加しており、横1400ミリ×幅1000ミリのキッチン天板にキャスター付き可動収納が付いているのが特徴で、調理スペースやカウンターテーブルなど多目的に利用できるようになっている。

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お客さんに無償で提供される飲料(酒の提供はない)

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スタイリングキューブ

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 これは松尾大作社長にお願いだ。記者は最近しつこいくらい浴室のタオル掛けの本数を記事にしている。たかが1本1万とか2万円のタオル掛けをコストを下げるために1本に減らしたり、あるいはゼロにしたりするデベロッパーが増えているからだ。

 ファミリー向けは2本が必須であることはみんながそう思っている。御社は「オハナ」を含めて2本が標準かと思ったが、そうでないようだ。社長!社長が一声かければ2本が標準になる。「プラウド」のブランド力は圧倒的な商品企画力と設備仕様レベルの高さで築いてきたはずだ。

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タオル掛け2か所

目を見張る710坪のマンションギャラリー 住友不「汐留」開設/第一弾は「虎ノ門」(2022/1/14)

木漏れ日、渓流の音…イニシアの世界観を表現 総合ギャラリー「三田」(2021/7/30)

積水ハウス「スムフム テラス錦糸町」/往年のRBA野球スター選手が勤務(2020/4/18)

これは凄い ホテルなら5つ星 伊藤忠都市 「ギャラリークレヴィア有楽町イトシア」(2020/9/10)

 

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「リビオタワー羽沢横浜国大」

 日鉄興和不動産が分譲開始した「リビオタワー羽沢横浜国大」を見学した。「羽沢横浜国大」駅から徒歩1分の全357戸で、6月4日から販売開始した第1期1次111戸、第1期2次7戸のうち100戸以上に申し込みが入った。来場者は700件を突破している。

 物件は、相鉄・JR直通線羽沢横浜国大駅から徒歩1分、横浜市神奈川区羽沢南2丁目の準工業地域(建ぺい率80%、容積率430%)に位置する敷地面積約7,407㎡、地上23階地下1階建て全357戸(募集対象外住戸7戸含む)。専有面積は28.12~83.16㎡。第1期2次(7戸)の価格は3,958万~8,188万円(36~74㎡)。全体平均坪単価は340万円。竣工予定は2023年11月下旬。売主は同社のほか三菱地所レジデンス。設計・監理はアール・アイ・エー。施工は熊谷組。販売代理は東急リバブル。

 敷地は、寺田倉庫による区画整理事業地の一角。同社の倉庫があったそうだ。建物の1階から4階までは寺田倉庫が運営する商業施設、子育て支援施設、医療施設、大学活動支援施設が予定されている。住居部分は5階以上。

 6月4日~12日に第1期1次の111戸のほか、第1期2次の7戸を供給し、100戸以上に申し込みが入った。エントリー数は4,300件に達しており、来場者も700件を突破している。来場者の属性は神奈川区が10%、市内が30%、県外が約半数。5~10階まで8スパンある28㎡・36㎡のタイプ(48戸)などは投資需要もあるという。

 主な基本性能・設備仕様は、制震構造、内廊下方式、二重床・二重天井、二重サッシ、リビング天井高2500ミリ(最上階は2700ミリ)、ハイサッシ、ワイドスパン、御影石キッチン天板、ディスポーザー、食洗機、自動開閉機能付きトイレ、浴室タオル掛け2か所など。このほか、共用部にはOKAMURA、ダイキン工業、bitlock、ソニーPCLなどの最新のデジタル技術を結集してアクティブラウンジを設ける。

 同社住宅事業本部再開発推進部再開発推進第二グループ・坂井秀斗氏は、「2023年には相鉄・東急直通線の開業が予定されており、駅1分の利便性、資産性が評価されている。隣駅の武蔵小杉駅圏のマンションは坪単価400万円をはるかに突破してきているので、こちらを選択される方も多い。設備仕様レベルを高くしている」と話した。

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2層吹き抜けのエントランスホール

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モデルルーム

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 83㎡、90㎡のモデルルームのレベルは高い。プランもいい。間口は、コンパクトを除き東南向き、南向き住戸のほとんど6.4m以上で、10m近いタイプも多い。坪単価については触れない。

 新横浜にあるモデルルームを見学したときは現地を見ていなかった。現地を見ずに記事を書くのは、現場主義を標榜する記者の沽券にかかわるので、翌日、野村不動産の武蔵小杉の常設「プラウドギャラリー」の取材あと現地を見ることにした。

 2019年に開業した羽沢横浜国大駅に着いたのは午後4時40分頃。武蔵小杉駅から1駅だからものの数分だろうと思ったがとんでもない。15分もかかるのに驚いた。そのうち半分は地上、半分は地下だった。いったい全体どこを走っているのか全く分からなかった。JR貨物船などと並行して走っているようだ。それにしてもて首都圏の鉄道路線でこれほど駅間距離=時間が長いのは他にあるのか。中央線快速の新宿-東京間と同じだ。

 駅周辺は駅舎と2~3階建てくらいの換気塔、2階建てのドラッグストアしかなく、四囲は小高い戸建て住宅地。物件の愛称は「HAZAWA VALLEY(ハザワバレー)」とあったのは、シリコンバレーにあやかったのか。横浜国大までは坂を上って20分かかると言われたのであきらめた。

 朝からなにも食べていなかったので、唯一見つかった小さな居酒屋に立ち寄った。30年前に開業したそうで、手作り料理が売りだった。ぬか漬けは〝おばあちゃんの味〟とお客さんは言うそうだ。マンションの完成まであと1年少し。入居者が押し掛け、居酒屋さんの苦労が報われてほしい。

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駅舎(緑は少ない)

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建築現場(右側の建物はどうしてこんな位置にあるのか換気塔)

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居酒屋の前から写す(手前の建物がドラッグストア)

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「ルピアコート南流山」

 ポラスグループ中央住宅が分譲中の「ルピアコート南流山」のモデルルームを見学した。同社のヒットアイテム「ピアキッチン」を全住戸に標準装備しているのが特徴で、5月から分譲開始し、これまでに第1期1次・2次・3次32戸が完売している。

 物件は、つくばエクスプレス・JR武蔵野線南流山駅から徒歩10分、流山都市計画事業本地区一体型特定土地区画整理事業地域内の第二種住居地域に位置する8階建て全68戸。6月下旬に分譲する第2期15戸の専有面積は58.83~70.65㎡、価格は未定。全体の坪単価は230万円。竣工予定は2023年2月中旬。設計はボンドデザイン一級建築士事務所。施工はファーストコーポレーション。販売代理は東京中央建物。

 5月7日に分譲開始した第1期1次25戸のほか、これまで第1期2次5戸、第1期2次2戸の合計32戸を完売。来場者は160組。属性は流山市55%、その他千葉県20%、東京都15%、埼玉県10%、TX沿線利用者。

 現地は、2014年分譲のNTT都市開発・大成有楽不動産・長谷工コーポレーション「ウェリス南流山」345戸に隣接。徒歩圏には商業施設、公園、学校などの生活利便施設が整っているエリアの一角。

 建物はL字型で、住戸は南向きが約8割、西向きが約2割。主な基本性能・設備仕様は、ワイドスパン、二重床・二重天井、リビング天井高2400ミリ(2~8階)・2500ミリ(1階)、ピアキッチン、食洗機、変身クローク、複層ガラス(Low-E)、まもるんスペース、AKUDANA、浴室タオル掛け2か所、ちょいおきレール、片寄マイギャラリーなど。

 同社は人気の要因を「おおたかの森より南流山がよいとの評価をしている方が想像以上に多いことに驚いています。流山市の子育てに関する取り組みや考え方に強く共感し”子育て”にフォーカスしたときに、ピアキッチンプランがいいと判断、全ての住戸に採用しました」としている。

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モデルルーム

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 来場者160組で第2期までの47戸が完売するとすれば、歩留まり率は約3割だ。極めて好調と見ることができる。その最大の要因は、実用新案取得済みのピアキッチンを全戸標準装備したことにある。

 同社は価格を公表していないが、仮に同様のキッチンカウンター、バックカウンター、収納などをオプションとして購入すれば100万円くらいするはずだ。20坪換算だと価格を約2%上昇させる要因となる。小さくない数字だ。それでもマンション検討者の心を捉えてきた。同じものは他社は採用できないが、バックカウンター・収納は装備すべきだ。

 もう一つ、強調したいのはワイドスパンだ。東西軸の長い敷地形状だからできたのだろうが、58㎡でも間口は6m、68㎡で6.45m、70㎡で6.65㎡ある。間口を広く取ることによって浴室と玄関クロークを窓付き(一部除く)としている。

目からうろこ キッズスペースに一変「変身ラウンジ」 ポラス「津田沼」竣工完売(2022/6/16)

NTT都市開発他「ウェリス南流山」 半年で5割以上分譲済み 販売順調(2014/12/8)

 

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「イニシアグラン札幌イースト」(

 コスモスイニシアは6月17日、アクティブシニア向け分譲マンション「イニシアグラン札幌イースト」(203戸)が竣工・入居開始となり、再開発事業「北4東6周辺地区第一種市街地再開発事業」全体の「まちびらき」が5月26日に開催されたと発表した。

 物件は、地下南北線さっぽろ駅から徒歩11分、札幌市中央区北四条東七丁目に位置する敷地面積約11,542㎡、14階建て全203戸(分譲対象住戸202戸、医療関連施設等区画1戸)。専有面積は41.63~82.44㎡。竣工は2021年9月。施工はフジタ・岩田地崎建設・田中組 特定建設工事共同事業体。管理は大和ライフネクスト。

 「北4東6周辺地区第一種市街地再開発事業」は、平成25年に策定された「札幌市まちづくり戦略ビジョン」に基づき、にぎわいの創出と環境共生型のまちづくりを目指し、「住宅・商業複合地区」「公共公益地区」「医療・福祉複合地区」で構成されている。

 「イニシアグラン札幌イースト」は、1階にクリニックモール、マンション内には多目的ルーム、ホワイエ、ミーティングルーム、ミュージックスタジオ、小浴場、大浴場(男女別)、プレイルーム、ゲストルーム、カフェダイニングの9つの共用施設を備えている。

 「フレイル」と呼ばれる、心身活力や生活機能などの日常生活を送るための機能が低下し、将来要介護状態となる可能性が高い状態を予防するため、社会参加(つながる)、体力(動く)、栄養(食べる)ことに力を入れるとしている。

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まちびらき

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大浴場

またイニシアだ!UDの企画抜群 アクティブシニア向け「グランコスモ武蔵浦和」(2015/3/24)

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「クレヴィア西馬込」

 先の伊藤忠都市開発「クレヴィア新御徒町」に続き「クレヴィア西馬込」を紹介する。こちらはコンパクトからファミリーまでをターゲットにした物件で、始発駅であることもあり、約700件の反響を集めている。

 物件は、都営地下鉄浅草線西馬込駅から徒歩7分、大田区西馬込一丁目の準工業地域に位置する7階建て全     44戸(うち事業協力者用住戸8戸)。7月中旬に分譲予定の第1期(戸数未定)の専有面積は36.45~81.76㎡、価格は未定だが、坪単価は370~375万円の予定。竣工予定は2023年4月下旬。施工は松尾工務店。設計・監理は安宅設計。販売代理は伊藤忠ハウジング。

 主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2400ミリ、ディスポーザー、食洗機、フィオレストーンキッチン天板、玄関手洗い収納、スマートIoT機器など。

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玄関手洗い収納

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スタンダードミラー(左)とストレージミラー

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ユーティリティー・キャビネット(左)とデザイン・キャビネット

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 現地は見ていないが、以前、義妹が馬込に住んでいたので住環境は見当が付く。国道・第二京浜に面しており、準工エリアであるのはネックだが、道路沿いはマンションや飲食などの商業施設化が進んでいる。背後は起伏のある住宅街が広がっている。始発駅であることやファミリータイプの比率も高いことなどから反響を呼んでいるようだ。

 特徴の一つは、玄関手洗い収納が装備されていることだ。戸建てではかなり一般化しているが、分譲マンションで付いているのは初めて見た。デザイン性もいい。

 もう一つ、「新御徒町」の記事でも書いたが、ユーティリティー・キャビネット、デザイン・キャビネットの二つの収納とスタンダードミラー、ストレージミラー、イルミネーションミラーの3つのミラーを組み合わせることでできる6タイプの中から、無償で選べるドレッシングルーム(洗面)の提案がいい。この種の提案も初めて見た。

 更にもう一つディスポーザー。40戸台の規模でディスポーザーが付いているのは、記者が見学した限りでは10件に1件もないはずだ。

 最後に、同社に提案だ。現在の賃料・維持管理費は月500万円はくだらないはずの、5つ星ホテルに匹敵する「ギャラリークレヴィア有楽町イトシア」を夜間は一般に開放してはどうか。飲食・喫煙を可能にし、モデルルームは宿泊可能にすれば、1泊5万円(2~3室)でも安い。常設モデルルームのビジネスモデルにしてほしい。賃料の3倍の売り上げが期待できる。マンションの成約率も間違いなくアップする。

退行する商品企画に一石 天井高2700ミリ&ワイドスパン 伊藤忠都市「新御徒町」(2022/6/18)

これは凄い ホテルなら5つ星 伊藤忠都市 「ギャラリークレヴィア有楽町イトシア」(2020/9/10)

 


 

 

カテゴリ: 2022年度
 

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