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「ヴェレーナグラン門前仲町」

 大和地所レジデンスは7月26日、同社初の常設「ヴェレーナマンションギャラリー 日本橋サロン」をメディアに公開するとともに、常設サロン第一弾の「ヴェレーナグラン門前仲町」モデルルーム見学会を行った。

 物件は、東京メトロ東西線門前仲町駅から徒歩3分、江東区牡丹二丁目の近隣商業地域・準工業地域(建ぺい率80%・60%、容積率300%)に位置する期間72年の定期借地権付きの12階建て全75戸。専有面積は62.54~107.77㎡、価格は7,048万~1億7,998万円。坪単価410万円。竣工予定は2023年9月下旬。設計・監理はアアル建築計画。施工は風越建設。デザイン監修はインターデザイン・小寺源太郎氏。

 サロンの接客ブースは6席で、当初は1組3時間対応を予定していたが、1組2時間30分に時間短縮するほどの人気となり、全戸を7月4日に抽選分譲し、最高倍率7倍、平均倍率1.5倍で64戸に申し込みが入った。これまで65戸が成約済みで、5戸が申し込み済み。エントリー数は3,600件で、モデルルーム来場者は670件超。

 購入者の属性は、地元江東区居住者が6割。2人家族が半数で、うち6割はDINKS。世帯年収は1,500~2,000万円。

 同社マンションギャラリー次長・根岸辰彦氏は「駅近でありながら静かな環境であることが人気の要因。湾岸マンション(坪単価420~430万円)とも一部競合したが、納得される方が多い」と話した。

 現地は、駅から徒歩3分の立地でありながら、敷地北側は桜並木が美しい大横川に隣接。敷地は東側、南側、西側の三方道路に接道。建物は全戸南西向き。

 主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2450ミリ、食洗機、メーターモジュール廊下(一部除く)、ミストサウナ、オーブンエアデッキ、スロップシンク、浴室タオル掛け2か所、メゾネット(4戸)など。共用部施設は「パーティールーム&キッズスペース(集会室)」など。

 サロンは、JR新日本橋駅直結(8番出口)の東京建物第3室町ビル1階の約99坪。今後、順次供給するマンションの常設モデルルームにする。

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メゾネットタイプ

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「ヴェレーナマンションギャラリー 日本橋サロン」

最高7倍、平均1.5倍75戸のうち64戸に申し込み 大和地所レジ「門前仲町」(2022/7/11)

 

カテゴリ: 2022年度

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「総合マンションギャラリー北千住館」

 住友不動産が7月16日(土)にオープンした「総合マンションギャラリー北千住館」(SMG北千住館)を見学した。

 近く竣工分譲する「シティハウス竹ノ塚」(77戸)や、年末分譲予定の42階建て「シティタワー千住大橋」(466戸)、年明け分譲予定の駅前32階建て「シティタワー綾瀬」(427戸)など城北エリアの物件を中心に案内していく。

 今回のSMG北千住館の開設によって、同社の都内での常設マンションギャラリーは6施設目(全国で12施設目)で、ほぼ全ての沿線を網羅することになる。

 SMG北千住館は、JR線・地下鉄・私鉄の5路線が乗り入れる北千住駅から徒歩5分に立地。坪単価380万円ながら早期完売した2019年分譲の三菱地所レジデンス「千住ザ・タワー」に隣接。

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ムービー

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ファミリー向け接客個室

◇        ◆     ◇

 総合ギャラリーは開設したばかりなので、まだモデルルームなどは見学できないが、「千住大橋」はいったいいくらになるのか。2013年10月に分譲された「アクア ヴィスタ」は坪182万円だった。街のポテンシャルはともかく、東京駅までの近さから言えば「北千住」より近い。

 値段のカギを握るのは、今秋にも分譲開始される駅前再開発39階建てマンション「THE TOWER JUJO」(578戸)がいくらになるかだ。業界内では様々な情報が飛び交っている。

駅近で坪182万円 23区で希少の低単価「アクア ヴィスタ」(2013/10/1)

 

 

カテゴリ: 2022年度

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「プラウドタワー目黒MARC」

 野村不動産とJR東日本都市開発が分譲中の複合免震タワーマンション「プラウドタワー目黒MARC」を見学した。坪単価650万円は安くはないが、天井高を2700ミリ確保し、どの住戸もワイドスパンの使い勝手のいいプランを提案している同社と、施工を担当している竹中工務店の技術力の高さを改めて感じた。すでに半数近くが売れているというのも納得だ。

 物件は、JR目黒駅から徒歩9分、東急目黒線不動前駅から徒歩7分、都営浅草線五反田駅から徒歩10分、品川区西五反田三丁目の第2種住居地域(建ぺい率は70%、容積率は地区計画、前面道路幅員により320%)に位置する32階建て延べ床面積約36,708㎡の全301戸。専有面積は41.04~156.60㎡、坪単価は650万円。竣工予定は2023年8月中旬。設計・監理・施工は竹中工務店。

 1月下旬から販売を開始し、これまでエントリー数は8,000件、総戸数の半分くらいの約150戸が成約済み。購入者は地元品川・目黒区居住者が約3割。中広域から集客できているのが特徴。

 現地は、この分譲棟のほかジェイアール東日本ビルディングの13階建て延べ床面積約38,720㎡のオフィス棟、ジェイアール東日本都市開発の24階建て延べ床面積約18,570㎡の賃貸住宅棟からなる複合開発。全体敷地は約19,370㎡、街の総称は「MEGURO MARC(メグロマーク)」。

 分譲棟は、敷地内空地率82%確保し、ABINC認証を取得。建物は「ラウンドバルコニー」を採用し、曲線美の美しい外観を演出。SI・井桁状梁にすることで住戸内の梁型を少なくし、バルコニーの奥行きも1.9mとしている。

 主な基本性能は、免震、SI、長期優良住宅認定、低炭素建築物認定のほか二重床・二重天井、リビング天井高2700ミリ(最上階は3150ミリ)、食洗機、ディスポーザー、全窓Low-E二重サッシ、2200mmハイサッシ、ミストサウナ、キッチンカウンターは御影石&シーザーストーン、コロンボ製ドアノブ、ハンズ・グローエ水栓(一部)など。共用施設はスカイラウンジ、ゲストルーム、スタディラウンジ、テクノジムなど。

 販売を担当する同社の栁下岳氏は、「4月以降から販売が加速している。眺望やラウンドバルコニーのほか、すべての住戸がワイドスパンという間取りに高い評価を頂いている」と話した。

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モデルルーム

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ランドスケープ

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「ラウンドバルコニー」

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 天井高2700ミリの物件は久々に見た。これを見て同社が2008年に分譲した「プラウドタワー東五反田」を思い出した。階高を3410ミリ確保し、標準階の天井高は2650ミリ(13~20階)・2700ミリ(21~24階)・最大3500ミリ(25階)だった。これまでもっとも天井高の高いマンションは2011年分譲の三井不動産レジデンシャル「パークコート六本木ヒルトップ」で、標準階の階高は3,400~3,450ミリ、最上階は4,150ミリ。廊下、キッチンの天井高も最低で2,350ミリだった。

 間取りについて。タワーマンションの間取りは総じてワイドスパンが多いが、今回の物件は栁下氏も強調したように、41㎡のプランでも間口は5200ミリあり、60㎡台は8000ミリ以上、70㎡台は9000ミリ以上だ。廊下幅もみんなメーターモジュール以上。

 長期優良住宅について。国土交通省のデータによると、同制度の認定を受けた共同住宅は平成21年度から令和2年度末で22,769戸しかなく、住宅着工に占める割合は0.2%程度で推移している。

 詳しいデータはないが、同社はこれまで10件くらい認定を受けているはずで、断トツの多さだと思う。

 ただ、同制度の認定を受けていながら、東京都のマンション環境性能評価制度では満点の★15個に2個足りない13個というのが納得できない。5項目それぞれ★3つの評価ではなく、総合評価をし、長期優良住宅は満点となるように整合性を持たせるようにすべきだ。これまでもそのような事例は多い。

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現段階で最高品質のマンション 三井不レジ「パークコート六本木ヒルトップ」(2011/16)

野村不動産「プラウドタワー東五反田」早期完売へ(2008/10/6)

長期優良住宅が「CASBEE」で評価されないのはなぜ(2013/6/13)

 

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「ドレッセタワー南町田グランベリーパーク」

 東急が販売中の期間70年の定借免震タワーマンション「ドレッセタワー南町田グランベリーパーク」を見学した。駅から徒歩1分の34階建て全375戸で、7月8日に抽選分譲した第1期1次121戸は161件の申し込みが入り、登録即日完売するなど、圧倒的な人気を呼んでいる。

 物件は、東急田園都市線南町田グランベリーパーク駅から徒歩1分、町田市鶴間三丁目の商業地域(建ぺい率80%、容積率400%)に位置する34階建て全375戸。期間70年の定期借地権付き。敷地所有者は東急で、70年の定借期間満了時には建物を解体することなく無償で譲渡する契約になっている。

 7月下旬に販売予定の第1期3次(10戸)の専有面積は58.07~75.34㎡、価格は5,200万~6,740万円(最多価格帯5,200万円台・6,000万円台)、月額地代は10,200円~13,200円。権利金は1,130万~1,471万円。敷金は122,400円~158,400円。第1期1次(121戸)の坪単価は300万円。竣工予定は2024年1月上旬。設計・監理は東急設計コンサルタント・東急建設。施工は東急建設。販売代理は東急リバブル、東急ライフィア。

 昨年11月から一般エントリーを開始し、6月11日にモデルルームオープン。これまで5,000件超の反響があり、来場者は900組を突破。7月8日に抽選分譲した第1期1次121戸は161件(平均倍率1.33倍)の申し込みがあり即日完売。

 最上階の100㎡超の億ション6戸のほか、3~33階の南西角の90㎡31戸は全て完売。登録者の居住地は地元町田市居住が25%、横浜市が25%、都内23区が20%。田園都市線居住者が中心だが、広域から集客できているのが特徴。

 現地は、2019年にリニューアルオープンした約22haの「町田グランベリーパーク」に隣接。駅の改札からぺディストリアンデッキで2階のステーションエントランスと結ぶ。建物外観はアースカラー基調のV字型で、屋上に設けた太陽光追尾採光システムによって吹き抜け空間のセンターテラスに光を取り込む工夫を施しているのも特徴の一つ。1階には子育て支援施設が入居するが、7mある階上の2階まではらせん階段も利用できるようにしている。

 住戸は3~34階で、33階までは南向き3戸、南西向き5戸、南東向き4戸の構成。最上階の6戸は100㎡超。

 主な基本性能・設備仕様は免震構造、二重床・二重天井、御影石キッチンカウンター、ディスポーザー、食洗機、リビング天井高2500ミリ、Low-Eガラス(一部)など。共用施設は2階のステーションエントランス、センターテラス、パーティサイト、ライブラリーサイトを備えたテラスラウンジ、70㎡のゲストルーム2室、21階のワークスペース付きラウンジなど。駐車場は185台。

 同社都市開発事業部住宅開発グループ事業企画・戦略担当主事・眞下雄太氏は「いいスタートが切れた。当社の『新綱島』とはそれほど競合していない。中広域から集客できていることからも、グランベリーパークのリニューアルの効果は大きい」と話した。

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モデルルーム

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40分の1の模型が虹色に輝く演出もいい

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販売事務所エントランランス

◇      ◆     ◇

 駅から降りてずっと考えたのは、わが街・多摩センターとの比較だった。それぞれ新宿駅と渋谷駅まで約40分の交通便といい、駅の改札は2階部分で、降りてすぐ歩車分離の街並みが広がり、徒歩4分に公園(多摩センターの多摩中公園は11.3ha、南町田の鶴間公園は約7.1ha)が位置することなどはよく似ているのだが、南町田の240店以上の店舗の量と質、ゆったりした歩行者空間などから都市景観大賞、緑の都市賞、プラチナ大賞、グリーンインフラ賞などを受賞したのもよく分かる。どう贔屓目に見ても多摩センターは勝てない。多摩センターが唯一勝てると思っていた京王プラザホテルも年内で閉鎖が決定している。

 坪単価は所有権付きだったら350万円(同じ条件だったら多摩センターは300万円でも高いか)くらいだろうと予想したが、第1期1次は坪300万円とのことだから、想定内だった。免震構造で共用施設の充実ぶりや設備仕様レベルなどからして人気になるのは当然だろうと思う。

 太陽光追尾採光システムについて。同システムが採用されているマンションは、2011年分譲の三井不動産レジデンシャル「パークホームズ目黒ザレジデンス」以来2度目の経験だ。かなりコストがかかるようだが、どんどん採用してほしい。

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販売事務所(植栽がいい)

坪単価400万円に納得 駅直結・再開発の力まざまざ 東急「新綱島」1期66戸即完へ(2021/11/17)

対岸が雅叙園 桜並木が美しい目黒川沿い 三井不レジ「パークホームズ目黒ザレジデンス」(2011/2/7)

 

カテゴリ: 2022年度

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「さとづくり48」プロジェクト

 みなさん、冒頭の写真を見ていただきたい。今年度から創設された、都市の種々な課題解決や良好な環境の創造、地域の価値向上を図る先導的な取り組みなどを表彰する国土交通省「まちづくりアワード」の特別賞を受賞した、福岡県宗像市の「さとづくり48(フォーティーエイト)~宗像市日の里団地における団地再生プロジェクト~」(西部ガス・東邦レオ)の外観写真だ。

 築50年以上のUR都市機構(当時は日本住宅公団)日の里団地48号棟からネーミングされた複合生活利便施設なので、マンションではないかもしれないが、居住者と利用者が緩やかにつながり、コミュニティを形成するという理想的な街づくりが行われていると思った。

 と同時に、時代は大きく変わったのに、経済設計の均質的な田の字型プランが幅を利かすマンション市場を考えざるを得ない。記者は3年前、「時代遅れの建基法用途規制とマンション『専ら住宅』を見直すべき」の見出しの記事を書いた。「専ら住宅」を取り外せば、「さとづくり48」プロジェクトのようなマンションが実現するのではないか。

◇                  ◆     ◇

 東京都の令和2年の国勢調査データによると、総人口は14,047,594人で、単独世帯は3,625,810世帯で、一般世帯の50.3%を占め、65歳以上の単独世帯も一般世帯の1割を超え、一般世帯の1世帯当たり人員は1.9人で、2人を下回っている。

 つまり、夫婦と子どもからなる「核家族」は崩壊したとまではいわないまでも多数派ではなくなった。家族がいない単身者にとってLDKや部屋数は意味をなさないし、日照条件もたいした問題ではないはずだ。

 だとするならば、多様なニーズを限られたスペースにどのように取り込むかが商品企画のポイントになる。キッチンやトイレ、浴室の水回りをコンパクトにまとめたり、あるいは浴室をなくしたりする試みは、そうした時代の変化に対応したプランといえる。また、コロナを経て在宅勤務、テレワークに対応するのも常識となった。共用部にリモートワーク、洗濯スペースを設置するマンションが増え、東京建物は「上野」のマンションの一部を町内会に開放し、住友不動産のように賃貸だけでなく分譲タイプにもSOHO(Small Office/Home Office)を採用するのもよく理解できる。

 時代は完全に変わった。しかし、変わらないのは国土交通省のマンション標準管理規約第12条にある「区分所有者は、その専有部分を専ら住宅として使用するものとし、他の用途に供してはならない」の「専ら住宅」規制だ。

 分譲にしろ賃貸にしろ、この「専ら住宅」の規制があるから、起業家は自宅に法人登記はできず、住宅ローン・家賃支払いとオフィス賃料支払いという二重ローン・家賃負担を強いられる。その金額は少なくないはずだ。

◇        ◆     ◇

 いったい「専ら住宅」の縛りがないマンションはどれくらい存在するか考えてみた。国土交通省やマンション管理センター、マンション管理業協会に聞いたが、そのような統計は取っていないということだった。

 そこで、国土交通省の平成30年度マンション総合調査結果から、「専ら住宅」の規制がなさそうなマンションの数を推計してみた。

 それによると、管理規約がある管理組合は98.3%で、1.7%は規約そのものがないと答えている。管理規約がある組合のうち標準管理規約に準拠していない管理組合は2.8%あり、不明も9.8%ある。

 住居以外の店舗や事務所などの複合用途型のマンションは21.1%となっている。また、マンション標準管理規約認知度については「知らない」が21.5%となっており、一方で「民泊」については、「民泊を全面禁止とした」が95.2%を占めている。

 これらのデータから大胆に類推すると、「専ら住宅」の規定がないマンションは少なくとも10%はあるとみた。

 「専ら住宅」を取り外せば近隣とのトラブルが増加するという声もあるが、むしろ逆だ。居住者・利用者どうしのコミュニティを密にすればするほどトラブルは減るはずだ。マンションは地域の価値向上にどうかかわるか、デベロッパーは考えるべきだ。

西部ガス・東邦レオ「さとづくり48」にほれ込んだ 国交省 「まちづくりアワード」(2022/6/22)

時代遅れの建基法用途規制とマンション「専ら住宅」を見直すべき(2019/12/19)

 

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高松氏

 マンション管理業協会は7月14日、コロナ禍で中止になっていた恒例の記者懇談会を3年ぶりに開催。任期満了に伴う役員人事で、前理事長・岡本潮氏(東急コミュニティー特別顧問)に代わって6月7日付で新理事長に就任した高松茂氏(三井不動産レジデンシャルサービス会長)は、「岡本前理事長体制を踏襲し、今年度が最終年度である中期事業計画で掲げたマンション管理業界の成長と発展、従事者の処遇の改善・社会的評価の確立に取り組んでいく。今年4月からスタートした『マンション管理適正評価制度』の普及促進に向け職員が一丸となって説明していく」と述べた。

 マンション管理適正評価制度は、マンションの管理体制、建築・設備、管理組合収支、耐震診断、生活関連の5つのカテゴリーから構成されており、総合点を★6つ(★5つからゼロ)の段階で評価する制度。高松氏は「国との連携も図り、国の認定基準である17項目を含め30項目にわたる客観的なデータに基づき評価制度を作成した。ワンストップで評価することができるので、区分所有者のメリットは大きい」と語った。

 同協会によると、現段階で★5つ(特に優れている)が1件、★4つ(優れている)が7件、★3つ(良好)が4件、合計12件が登録済み。向こう3年間で12,000組合の登録を目標に掲げている。

◇        ◆     ◇

 自分が購入を検討しているマンションの管理状況を★の数によって判断できるので、とても分かりやすい制度だと思う。いったい全国のマンションストックの9割以上をカバーしている同協会会員の受託マンション約627万戸・約10万組合(令和3年4月1日現在)のうちどれくらいが登録し、★6つの分布はどうなるのか。

 同協会が掲げる3年間で12,000組合が登録すると仮定すると約1割だ。三井不動産レジデンシャルサービスは全組合に説明を行っていると高松氏が話したように、登録するのは大手デベロッパー系のマンションが中心になるはずだ。★の分布は★5つや★4つが多数を占め、★3つを加えると圧倒的多数を占めると思われる。

 これらのマンションが中古マンション市場で高い評価を受けるのは間違いないが、近隣相場と比較してどれくらいの価格アップになるかはスタートしてみないと分からない。同制度と似たものではCASBEE(東京都はマンション環境評価制度)があるが、最高ランクの「S」(都は★5つ)は極めて少なく、価格にどれだけオンされているかは不明だ。(Sは相場より少なくとも1割高の価値はあると思うが)

 問題は、★2つ以下の〝劣等生〟の評価しか受けられない管理組合はどうなるかだ。常識的に考えたら、自ら劣等生であることをまず管理組合は表明しないだろうから、登録しないと予想できる。つまり、一部の〝優良〟マンション以外はグレーゾーンとして依然として管理状況を把握するのは難しいということになる。優良物件に対するインセンティブが大きくないのも普及促進の壁になる。

 記者が危惧するのは、★2以下の劣等生の烙印を押されたマンションはいつまでたっても「優」はもちろん「良」に浮上することは不可能で、管理不全マンションは根雪のように毎年積みあがっていくのではないかということだ。

 この点について、高松理事長は「管理不全マンションは一定数存在する」と話し、同協会専務理事・広畑義久氏は「協会としてはそれらの管理不全マンションには手が出せない。自治体などがどう支援していくかだ」と語った。

 識者らの推定によると、管理不全マンションは数%存在すると言われており、全国のストック約686万戸(2021年末時点)のうち35万戸以上、数千組合が該当することになる。

 これらの管理組合に自治体などがどのような支援を行うかだが、マンションは公共財の側面がないわけではないが、基本的には私的財産だ。公的機関が財政的な支援を行うのは税の公平性からいって難しい。記者はそれらのマンションを国や自治体が買い取って、セーフティネット住宅にすればいいと思うがどうだろう。

「マンション管理適正評価制度」スタート 第1号は東急リバブルのサイト(2022/7/5)

 

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「レーベン東川口GRANDEST」

 タカラレーベンと共同事業者である埼玉建興は7月13日、埼玉県川口市で今年2月に販売を開始した「レーベン東川口GRANDEST」が6月30日に全戸完売したと発表した。

 物件は、JR武蔵野線東川口駅・東京メトロ南北線(埼玉高速鉄道埼玉スタジアム線)東川口駅から徒歩1分、川口市戸塚二丁目の商業地域に位置する18階建て全143戸。専有面積は56.14~77.13㎡。竣工予定は2023年11月中旬。設計・監理はGA建築設計社。施工は埼玉建興。デザイン監修はウイ・アンド・エフ ヴィジョン。

. 駅前ロータリーに面した、埼玉県の分譲マンションで初となる「PPP(官民連携)事業」に認定されており、(仮称)東川口駅前行政センターや交番などの公共施設が併設される。

 2021年12月にモデルルームをオープンしてから1,190件の資料請求があり、466組の来場があった。

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 価格については触れないという約束で取材し記事にもしているので、参照していただきたい。安いといえば安いし、高いといえば高いマンションだ。

 しかし、わずか4か月で完売したのだから、地元居住者をはじめ検討者はみんな〝安い〟と判断したのだろう。

 武蔵野線沿線(南浦和以東)でこれほどの規模のマンションがこれほどの短期間で完売した事例はあるか、記憶をたどっているのだが一つ思い出した。2016年分譲の京阪電鉄不動産他「ファインシティ東松戸モール&レジデンス」だ。坪単価170万円で、圧倒的な人気を呼んだ。

威力絶大PPP×企画提案力 タカラレーベン「レーベン東川口GRANDEST」(2022/3/17)

〝三方一両損〟で3,500万円の3LDKを死守 京阪電鉄不「東松戸」が大健闘(2016/8/26)

埼玉県で2件目の免震&長期優良住宅認定 三井不レジ・大栄不「パークホームズLaLa 新三郷」(2013/6/12)

大京「グランアルト越谷レイクタウン」駅前の一等地で坪単価130万円を切る模様(2012/10/24)

 

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「イニシア横浜天王町」エントランスホール

 コスモスイニシアは3月13日、3月に入居開始となったマンション「イニシア横浜天王町」(65戸)で、空間デザインブランド「parkERs(パーカーズ)」監修による暮らしに緑や花を取り入れる「Living With Green」サービスの提供を開始したと発表した。

 「Living With Green」サービスは、①切り花一輪お届けサービス(毎月一度、エントランスに配置した生花の中から一輪を自由に持ち帰れる)②専有部内植物育成相談サービス(毎月二度、エントランスホールで専有部内の植物についての育成相談ができる)③建物共用部内の植栽メンテナンスサービス(毎月二度、エントランスホールに配置した植栽のメンテナンスを行う)などからなる。

 物件は、相鉄線天王町駅から徒歩3分、横浜市保土ケ谷区天王町2丁目の近隣商業地域に位置する7階建て65戸。現在分譲中の住戸(5戸)の価格は3,658万~6,398万円、専有面積は35.00~62.15㎡。建物は2022年2月竣工済。施工は木内建設。

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建物共用部内の植栽メンテナンスサービスイメージ

 

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 いいサービスだと思う。同業他社はこのようなサービスを行っていないのだろうか。観葉植物のレンタルサービスもありうるし、嫌われものの雑草を生かすことはできないのだろうか。

 ただ、月に一度、全65戸の家庭が持ち帰れる生花はどんな花なのか。1か月も枯れない花などあるのだろうか。

 

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「オーベル千葉エアーズ」

 大成有楽不動産が分譲中の「オーベル千葉エアーズ」を見学した。東千葉駅から徒歩3分、千葉駅からでも徒歩11分の立地でありながら坪単価は200万円。即日完売してもおかしくない価格だが…。

 物件は、JR千葉駅から徒歩11分、東千葉駅から徒歩3分、千葉市中央区要町3丁目の商業地域に位置する14階建て全78戸。現在先着順で分譲中の住戸(10戸)の専有面積は66.12~74.10㎡、価格は3,298万~4,758万円(最多価格帯3,900万円台)、坪単価は200万円。竣工予定は2023年10月中旬。設計・監理・施工は長谷工コーポレーション。販売代理は長谷工アーベスト。

 現地は、地元の人に良く知られた駅弁・弁当屋の万葉軒の工場跡地で、椿森陸橋に近接。敷地の南側は道路を挟んで葭川が流れ、西側は小公園・要町公園に隣接。2階以上の住戸は全戸南向きで1フロア6戸。66㎡が中心。

 主な基本性能・設備仕様は、直床、リビング天井高2450~2500ミリ、全窓二重サッシ、食洗機、同社オリジナルの収納「O-rangeLABO(オレンジラボ)」、ホームライブラリー、クローゼット一体型スタディインクローゼット(選択制)、浴室タオル掛け1か所など。

 販売状況は、2月にホームページを開設、ゴールデンウィークにモデルルームをオープン。エントリー数は約400件で、来場者は89組。5月30日から第1期20戸を販売開始。これまでに10戸が成約・申し込み済み。

 契約者の約6割が地元居住者、他は市内や船橋市など。DINKS・プレファミリーが多く、3人家族は少ないという。

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ホームライブラリー(左)とクローゼット一体型スタディインクローゼット

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 今年に入って千葉駅圏のマンションを見学するのは、マリモ「グラディス千葉駅前」、新日本建設など5社JV「エクセレント ザ タワー」に次いで3物件目だ。マリモの物件は駅から徒歩2分、新日本建設の物件は千葉パルコの跡地。それでも坪単価は300万円に届かない。埼玉県の浦和駅や大宮駅では坪400万円をはるかに超えているのに、どうして千葉県の県都は取り残されているのか不思議だ(以前から千葉県の物件はそのような評価をされていたが…)。

 今回の物件も、現地を見るまでは信じられないような価格の安さだった。なぜ安いか。ヒントは、椿森陸橋に近接しているため二重サッシを全窓に採用していることと、中央区栄町に近いことだ。記者は名前だけは聞いていたが、栄町に足を踏み入れるのは初めてだった。ファミリー層が二の足を踏むのはよく分かる。しかし、物件を評価するのはマンション購入検討者だ。これ以上書かない。

 もう一つ、タオル掛けについて。小生と一緒に見学した他社の女性記者の方は千葉が地元で5人家族。浴室にはタオル掛けがないが、「使ったら洗濯機に投げ込むだけだから全然平気」とこともなげに話した。1日20枚くらい洗うこともあるという。

 なるほど。人はそれぞれだ。風呂に入る回数を減らす、バスタオルはもっと小型にする、使い回しをする、2度3度使う-こういう習慣のほうが合理的だと思うが、皆さんはいかがか。

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現地

坪270万円 第1期1次100戸 即完スタート 新日本建設など5社JV「ザ タワー」(2022/4/1)

坪300万円の壁厚く…駅2分のマリモ「千葉駅前」はいくらか 競合物件は早期完売狙う(2022/1/17)
 

 

カテゴリ: 2022年度

 大和地所レジデンスが先週7月4日抽選販売した期間72年の定期借地権付きマンション「ヴェレーナグラン門前仲町」(75戸)は、64戸に申し込みが入った。最高倍率は7倍で、平均倍率は1.5倍、坪単価410万円だった。申込者の6割が江東区居住者。

 現在、再登録受付中の住戸(11戸)の価格は7,148万~8,598万円(権利金4,043万3,000円~4,863万5,000円含む)、専有面積は62.54~70.06㎡。

◇        ◆     ◇

 現地は見学していないが、近くのホテルには宿泊したことがあるので、おおよその見当がつく。表通りから一歩入った大横川に面しており、住むにはいいところだ。

 同社は7月26日にメディア見学会を行うので、取材してレポートしたい。


 

 

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