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 東急が昨年11月に販売開始した東急新横浜線・新綱島駅直結の商・住・公の複合マンション「ドレッセタワー新綱島」が95日までに完売した。

 物件は、2022年度下期開業予定の東急新横浜線新綱島駅に直結、東急東横線綱島駅から徒歩3分、新綱島駅前地区第一種市街地再開発事業地内に位置する地上29階地下1階建て全252戸(非分譲住戸73戸含む)。専有面積は44.88113.45㎡、第1期(66戸)の価格は5,360万~18,290万円(最多価格帯6,500万円台・7,800万円台各4戸)。第1期の坪単価は400万円。竣工予定は202310月下旬。設計・監理は東急設計コンサルタント。施工は東急建設。販売代理は東急リバブル、東急ライフィア。

坪単価400万円に納得 駅直結・再開発の力まざまざ 東急「新綱島」166戸即完へ(2021/11/17

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「レーベン弘前GRAND RESIDENCE」

 タカラレーベングループのタカラレーベン東北は9月5日、青森県弘前市のマンション「レーベン弘前GRAND RESIDENCE」を9月4日から販売開始したと発表した。

 青森県内では「レーベン弘前THE MID TOWER」「レーベン青森新町THE GRAND MID」に続く第3弾。弘前市内最大級のマンションで、デザイン性と居住性を追求することで、街の新たなシンボルになることを目指した物件。

 〝2戸1〟エレベーターのほか、二重サッシ・ペアガラス、内廊下方式(2戸1エレベーターで内廊下方式とはどのような構造なのかよく分からないのだが)、外壁断熱などが特徴。

 物件は、弘前市大字北瓦ヶ町に位置する15階建て全112戸(ほかにゲストルーム1戸)。専有面積は58.15~86.18㎡。第1期(60戸)の価格は3,258万~6,698万円。竣工予定は2024年8月下旬。施工は鉄建建設。

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〝2戸1〟エレベーター・両面バルコニープラン

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 記者は、この種のリリースはほとんど記事にしない。マンションデベロッパーがマンションを売るという当たり前のことをコピペして記事にする「か・ち・も・な・い」と考えているからだ。

 この日(9月5日)、同社からリリースを届いたときもスルーするつもりでざっと読んだ。「今世紀最大級、弘前を誇る全112邸のランドマークレジデンス」「第1期60戸供給御礼!」「すべての中心を、誇る」「想像は時を超越する」などと、おどろおどろしい、コピーを書いた本人も赤面するのではないかと同情したくなる宣伝文句が物件ホームページを飾っていた。

 〝よくぞここまで〟とあきれ返ったのだが、小さな文字の「両面バルコニー」に目がとまった。かつて首都圏でも流行した〝2戸1〟エレベーターを採用し、両面バルコニーを実現したプランだ。最近はほとんど見られなくなった。

 建物は15階建てだから、単純計算して1層は7~8戸。〝2戸1〟エレベーターにするには4基が必要になる。エレベーター設置率は1基/28戸だ。最近の首都圏マンションではまずないはずだ。青森県では供給されたことがあるのかどうか分からないが、ないとすれば、大げさな宣伝コピーも受け入れられるかもしれないし、インパクトもあると判断し、記事化することを決めた。

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 第1期戸数が60戸というのにも驚いた。全住戸の2分の1以上ではないか。不動産経済研究所の調査によると、首都圏の7月の新規マンションの1件当たり販売戸数は約14戸だ。この数字と比べても、この戸数の多さがよく分かる。

 弘前市の人口は約16.5万人で、青森市の約27.3万人、八戸市の約22.2万人に次ぐ3番目だ。そんな小都市(大変失礼)で一挙に60戸も供給して売れるのだろうか。売れたら凄い(価格は前段参照。高いのか安いのはさっぱり分からない)。原忠行氏が率いるタカラレーベン東北は、同社のリリースによると、2015年から2021年までで岩手県4棟/230戸、宮城県14棟/1,137戸、山形県3棟/295戸、秋田県3棟/193戸、福島県10棟/505戸、青森県2棟/169戸、合計36棟/2,529戸を供給し、東北エリアナンバーワンというではないか。年間にして約500戸だ。これまた凄い数字だ。

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 タカラレーベンはもうずっと以前から、競争の激しい首都圏から地方へ軸足を移している。首都圏物件も大手デベロッパーとの競合を徹底して避ける戦略を取っている。

 それが奏功しているのだろう。最近見学した「検見川浜」「戸田公園」「東川口」「小田原」などがことごとく人気になった。地方も好調なのだろう。「レーベン福岡天神ONE TOWER」の価格と売れ行きには唖然とした。「一頭地を抜く」という言葉がぴったりのデザイン・意匠、商品企画が秀逸だ。「弘前」もそうだ。

県初のPPP事業4か月で全143戸完売 タカラレーベン・埼玉建興「東川口」(2022/7/14)

タカラレーベン 小田原駅徒歩1分「レーベン小田原THE TOWER」完売(2022/8/18)

福岡の最高峰 第1期100戸 圧倒的な人気 タカラレーベン50周年「福岡天神」(2022/3/15)

タカラレーベン東北 医療従事者応援 私募債発行・贈呈式(2021/11/20)

 

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 あまり論じられない新築マンションの質、着工戸数と供給戸数の違い、新築と中古の坪単価などについて考えてみる。

 まず、新築マンションの質について。ここ3~4年間、地価や建築費の上昇に反比例するように基本性能・設備仕様の劣化・退化が進んでいるが、これについて言及した書籍や記事など寡聞にして知らない。

 かくいう記者も、新築マンションの記事を書くとき基本性能・設備仕様レベルについて極力触れるようにしてはいるが、そもそも劣悪な(と思える)物件は取材しないし、ここ10年くらいは年間100物件前後しか見ていないので、マンションの質を論じる資格はない。歯がゆい限りだ。

 しかし、過去に書いた記事から、いかに最近のマンションの質が劣るかは証明することができる。10年前の2012年に分譲されたマンションの記事を紹介する。

 この年を代表する首都圏マンションの一つ、三井不動産レジデンシャル「パークコート千代田富士見ザ タワー」では「標準階高は3,450ミリ。モデルルームはセンのフローリング、エントランスの天井布クロス、紫檀のドアハンドル、天然石巾木、オニキス洗面ボウル、アントニオ・チッテリオデザインの水栓、センで統一した和室(以上181㎡の「粋」)、チーク材の突き板フローリング、ホワイトオーク材の建具、アルミ真鍮ガラスの多用、天然石モザイク貼りだった」と書いた。坪単価は476万円だった。近く分譲される準都心部の〝駅近〟タワーマンションとほぼ同じだ。

 坪単価370万円の野村不動産「プラウド小石川」はどうか。「共用部分の床はカリン材。壁はブビンガ。専有部分にも自然石、自然木がふんだんに用いられており、シルバーハート、アフドルモシアなど聞いたことも見たこともない面材が採用されていた。ドア・把手はイタリア製、システムキッチン・御影石天板はジーマティック製。浴槽のエプロンなども天然御影石だ」と記事にした。

 坪単価270万円の三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス日吉」は「キッチンの天板が大きめの御影石で、バックカウンターの天板も同じ御影石を採用し、吊戸棚を含めて標準装備。ディスポーザー、食洗機、ミストサウナも標準装備」とある。

 坪単価310~320万円のモリモト「ディアナコート文京千石」は「マホガニーを家具・面材、床材に採用している。床は厚さ2ミリだ。このほか玄関、キッチン、洗面室にはふんだんに大理石、御影石を採用。設備仕様では、ディスポーザー、食洗機などを標準装備。サッシは高さ2300ミリ」と紹介した。

 このような質の高いマンションはこの年に限ったことではない。三菱地所レジデンス(当時、三菱地所)が2006年に足立区で初めて分譲した「北千住パークハウス」の記事をぜひ読んでいただきたい。記事には「天井高最大2.7メートル、二重床・二重天井、ワイドスパン、ディスポーザー、御影石の玄関床、複層ガラス採用など、間違いなく足立区や伊勢崎線の物件では水準以上だと判断した。坪単価は185万円で相場並みとみた」と書いている。同社の矜持が商品企画に表れている好例だ。

 では、いったい質の劣化はいつごろから始まったか。記者は2018~2019年ころの着工で、2019~2020年ころの分譲開始物件ではないかと考えている。2017年分譲開始の住友不動産「シティタワーズ東京ベイ」は「御影石キッチンカウンター、ディスポーザー、食洗機、リビング天井高2600mm、ワイドスパン、二重サッシ、Low-Eガラス」だった。

 同じ2017年分譲開始の長期優良住宅認定を受けた積水ハウス「グランドメゾン品川シーサイドの杜」は「設備仕様では、メーターモジュール、ドア把手の壁面までのセットバック、折上げ天井の廊下、天然石のキッチン天板、食洗機、ミストサウナなどが標準装備。リビング天井高は2500~2650ミリ」だ。坪単価は308万円だった。

 2020年に野村不動産「プラウド神田駿河台」を見学し、記事には「主な基本性能・設備仕様はリビング天井高2700(11階まで)~2800ミリ(12階から)、階高3200~3400ミリ、二重床・二重天井、食洗器、木製フローリング、木製壁パネルなど」と書いたのだが、この時、天井高がどんどん低くなっていることを関係者と話したのを記憶している。

 それにしても、マンションの基本性能・設備仕様、居住性能などについて論じられることがほとんどないのは、自戒も含めてジャーナリストを名乗る人やメディアの劣化もまた進んでいるからではないか。

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 冒頭の表を見ていただきたい。着工戸数と供給戸数はかなり差(捕捉率)がある。この11年間で見ると、もっとも捕捉率が高いのは2013年の83.0%で、もっとも低いのは2020年の50.5%だ。平均では63.7%となっている。

 国交省の着工戸数は、着工時点の分譲用として建築確認が行われた戸数で、その後、取り下げられたり、あるいは用途変更されたりした場合まで追跡していない。

 一方で、不動産経済研究所の数値には、30㎡未満や1棟売りなどは調査対象外で、再開発や建て替えなどによる地権者用住戸や事業協力者向け・優先分譲などは含まれていない。

 これが捕捉率に表れている。記者は、当初分譲予定だったのをリートなどに1棟で売却する戸数は年間3,000~5,000戸、地権者向け・事業協力者向け住戸は年間7,000~10,000戸、30㎡未満のコンパクト・投資用は7,000~9,000戸、合計年間17,000~24,000戸くらいあるとみており、この数字を加えるとほぼ住宅着工戸数と一致する。

 マンション市況を論じる場合、この捕捉率にも注目する必要がある。供給戸数が減っているから市況が低調とは限らない。むしろ逆のケースもありうるわけで、マクロデータを鵜呑みにしてはいけない。

 新築供給戸数と成約件数の推移を見てみよう。2016年に新築の供給戸数35,772戸を中古戸数37,189戸が上回って話題になったが、この年の住宅着工は64,769戸(捕捉率55.2%)だった。その後、6年連続して中古が新築を上回っているが、表面に出ない数値も考慮しないといけない。〝新築低調、中古好調〟という単純な図式にはならないということだ。ただ、中古の成約件数と坪単価は2021年に過去最多・最高となったのは注目に値する。

 新築と中古の坪単価について。新築はこの10年間で45.1%も上昇している。2020年には坪300万円を突破した。20坪(66㎡)で6,000万円だ。

 ただ、この数値も前段で書いた基本性能・設備仕様ベルや専有面積の推移と一緒に考えないと市場を捉えたことにはならない。専有面積でいえば、2021年の平均面積は66.86㎡で、坪単価が200万円以下だった2002年の73.73㎡から実に6.87㎡(約2.1坪)、畳数にしたら約4.2畳大も縮小している。価格が大幅に上昇し、質も面積も低下の一途なのが今の市場だ。

 中古はどうか。中古もすさまじい上昇を続けている。2021年は坪197.4万円で、2012年の126.0万円から56.7%の上昇だ。マンションの45.1%と比較すると11.6ポイントも高いのは、新築の価格上昇、供給減、基本性能・設備仕様の退行のほかリフォーム・リノベ物件による魅力付けなど様々な要因が考えられ、詳細な分析が必要だ。専有面積はこの10年間63~65㎡台で推移している。

 新築価格を100%とした場合の中古価格の割合は60前後で推移してきたが、2021年は63.9に上昇した。これも中古の市場・先高観を反映しているのかもしれない。 

三井不動産レジデンシャル「パークコート千代田富士見ザ タワー」(2012/11/5)

「まだ間に合う」 借景が見事な野村不動産「プラウド小石川」(2012/5/25)

三菱地所レジ「ザ・パークハウス日吉」全97戸が2カ月で完売(2012/5/22)

モリモト「ディアナコート文京千石」 床も面材・家具もマホガニー(2012/4/2)

「9割がワイドスパン、最強の間取り」全1,539戸の住友不「東京ベイ」(2020/3/28)

呉越同舟効果 「5本の樹計画」の本領発揮 積水「品川シーサイド」1期207戸!(2017/3/24)

隣接明大校舎の巨木の借景見事 日本初の木造ハイブリット 野村不「神田駿河台」(2020/11/24)

三菱地所の足立区初の「北千住パークハウス」が完売間近(2006/3/10)

 


 

 

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「多摩川住宅ホ号棟マンション建替事業」

住友不動産と長谷工コーポレーションは92日、参加組合員として事業参画している「多摩川住宅ホ号棟マンション建替事業」の工事を85日に着工したと発表した。事業は国土交通省「マンション長寿命化等モデル事業」(令和3年度)に採択されている。

「多摩川住宅」は、1968年竣工の東京都住宅供給公社初の大規模団地。東京都調布市と狛江市にまたがる約48.9ha(調布市約32.9ha・狛江市約16.0ha)のエリアに、賃貸住宅(約1,800戸)と分譲住宅(約2,100戸)の約3,900戸のほか商業施設、幼稚園、小・中学校などの生活利便施設が整備された。当時、モデル団地として話題になった。

建物の老朽化が進んだことから2007年に「多摩川住宅まちづくり協議会」が結成された。両社は事業協力者として201511月に選定され、20208月、団地一括建替え決議が成立。20214月に調布市の認可を受け、「多摩川住宅ホ号棟マンション建替組合」が設立された。

「ホ号棟」は5階建て380戸(11棟)からなり、地区計画により「住宅再生A地区」として建ぺい率は26%から40%へ、容積率は60%から160%にそれぞれ緩和されたことから905戸(7棟)の建設が可能になった。

特徴は、長期優良住宅認定、CASBEE建築(新築)、ZEHの認証申請予定など。既存のケヤキの巨木の保全など緑環境にも配慮する。

地区計画では、このほか住宅福祉複合地区、住宅再生促進地区、住宅公益複合地区として再生・整備される。

物件は、京王線調布駅からバス1213分、徒歩47分(小田急線狛江駅もほぼ同様)、調布市染地三丁目に位置する敷地面積約37,638㎡、12階建て全905戸(非分譲住戸245戸含む)。専有面積は30.6887.01㎡。完成予定は202411月下旬(I工区)。設計・施工は長谷工コーポレーション。

「多摩川住宅全景」空撮(2021年8月撮影).jpg
空撮

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 現地は、商品企画が素晴らしかった都公社「ソシア多摩川」を見学して以来30年以上も訪れていないが、緑環境はその後も年々成長しているに違いない。他の地区計画エリアの再生がどうなるか未定の部分もあるが、新しい街に生まれ変わる。多摩川にも近く、住環境としては最高だ。調布駅、狛江駅へのバス便も豊富だ。長期優良、CASBEESになるのか)、ZEHも取得するようだからレベルの高いマンションが期待できる。

 着工したばかりなので価格はいくらになるか分からないが、同じ長谷工コーポレーション施工の東京建物他「ブリリアシティ石神井公園アトラス」(844戸)は坪270万円くらいで販売好調のようだ。「多摩川住宅」も負けない。このままの市況が継続すれば単価は最低坪260万円、アッパーで坪280万円くらいではないかと予想する。課題は、他の沿線と比べ割り負けしている京王線の魅力をアピールできるかだ(石神井公園は知っていても、多摩川住宅を知っている人は地元の人くらいだろう)。企画・訴求次第で爆発的な人気を呼ぶ可能性もあるとみた。

 「ホ」について。惚れたの「ホ」ではない。イロハニホヘト(色は匂えど)だ。昔の物件名は一郎、次郎、三郎…末男、トメ子と一緒。同じエリアで分譲すると第1、第2、第3…などと付けた。某デベロッパーなどは20以上もある。

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 国土交通省は8月31日、令和4年7月の新設住宅着工動向を発表。総戸数は前年同月比5.4%減の72,981戸で、3か月連続の減少。内訳は、持家が22,406戸(前年同月比14.1%減、8か月連続の減少)、貸家が29,668戸(同1.5%増、17か月連続の増加)、分譲住宅が20,612戸(同4.0%減、先月の増加から再びの減少)となった。

 分譲住宅の内訳は、マンションが8,053戸(同11.7%減、先月の増加から再びの減少)、一戸建住宅が12,461戸(同1.8%増、15か月連続の増加)。分譲マンションは首都圏、近畿圏、中部圏とも2ケタ減となったが、その他は25.2%増と大幅に増加した。

 首都圏マンションは3,532戸(同12.8%減)で3か月連続減。都県別では東京都が2,291戸(同-26.5%減)、神奈川県が824戸(同45.1%増)、埼玉県が32戸(同83.5%減)、千葉県が385戸(同127.8%増)。1~7月では、首都圏全体は29,149戸(同10.9%)で、東京都が24.7%減、神奈川県が5.4%減となり、埼玉県が17.6%増、千葉県が49.0%増となっている。

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 持家の着工減が止まらない。1~7月では145,571戸(前年同期比9.0%減)となっており、分譲住宅の148,857戸(同3.7%増)を下回っている。このまま推移すれば、2006年(平成18年)の持家358,519戸、分譲住宅379,181戸以来16年ぶりに分譲住宅が持家を上回る可能性が高まった。

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「アトラスタワー五反田」完成予想図

 旭化成不動産レジデンスは9月1日、近く分譲する30階建てタワーマンション「アトラスタワー五反田」(全213戸)が4月27日にサイト開設以来、これまで2,700組超の問い合わせがあると発表した。

 物件は、JR山手線五反田駅から徒歩5分(西口)、品川区西五反田二丁目の商業地域に位置する30階建て全213戸(非分譲住戸11戸、広告対象外住戸8戸含む)。専有面積は30.12~126.94㎡、価格は未定(記者は坪単価450万円前後と予想)。竣工予定は2024年3月中旬。意匠・監理はNEXT ARCHITECT&ASSOCIATES、構造・電気・設備・監理・施工は西松建設。

 現地は目黒川沿い。日本独自の空間文化を用いることで築地塀と門と庭に囲まれたタワーに緑、水、石の潤いと庭を用いて静寂の空間を創造。3階共用部には蔦屋書店の運営サービスを導入し、約3,000冊の書籍や雑誌を備えたライブラリーラウンジを設置、

 住戸プランは角住戸やワイドスパン中心の設計によって開口面を増やし、採光性を向上。専有部の天井高は2,550~2,700mm。28~30階の上層階はプレミアム住戸とし、30階は住戸付設駐車場付きとする。

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エントランス

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ライブラリーラウンジ

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 現地は確認済み。立地はいい。見学取材を申し込む予定で、実現したら改めて紹介したい。坪単価は650万円前後と予想したが、競合しそうな野村不動産「プラウドタワー目黒MARC」が坪650万円なので、それより高くなることはないと見たがどうだろう。「目黒」同様、標準階は1フロア6戸で、最低9365ミリのワイドスパンがいい。

天井高2700ミリ 全戸ワイドスパンに高い評価 野村不・JR東日本都市開発「目黒」(2022/7/24)

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 野村不動産は9月1日、マンションの商品企画提案として2007年から採用している「LUXMORE(ラクモア)」の新たな商品として「ガス衣類乾燥機」を設置した住空間デザイン「キャンドライフ(CAND‐LIFE)」を開発、「プラウド横浜岡野一丁目(神奈川県横浜市)」「(仮称)白金長者丸プロジェクト」の一部住戸に設置すると発表した。

 「キャンドライフ」は、これまでマンションへの設置が難しいとされてきた「ガス衣類乾燥機」を設置し、高温乾燥による洗濯家事の所要時間と手間を削減するとともに、家事動線をより効率化した新たな住空間を提案する。

 「ガス衣類乾燥機」はリンナイの「乾太くん」で、5㎏の洗濯物を約52分、8㎏の洗濯物を約80分で乾燥する(電気式の約1/3の時間)。

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 以前は洗濯乾燥機付きマンションは賃貸を中心によく供給されていたが、最近は見かけなくなった。記者は昨年、リンナイのヒット商品「乾太くん」を採用したポラスの戸建て「ブルックスクエア小竹向原」とマンション「ルピアコート越谷」、積水ハウス「グランドメゾン白金高輪パークフロント」で見学している。「白金高輪」は有償だった。

駅4分・魚籃坂・公園隣接 港区初のZEH 積水ハウス「白金高輪」人気必至(2021/9/13)

全戸に「乾太くん」、ファミリーは冷凍庫付き ポラス中央住宅「越谷」企画ヒット(2021/9/9)

ポラス ブルックリンスタイルの3階建て「小竹向原」 デザイン性、仕様レベル高い(2021/2/27)

 

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 マンション管理業協会(理事長:高松茂・三井不動産レジデンシャルサービス会長)は829日、「マンションの適正な管理を確保するための方策に関する要望」を国土交通省に提出したと発表した。高経年マンションの増加と居住者の高年齢化に伴う修繕費・維持管理負担増を軽減するのが目的。要望は次の通り。

I】マンションの適正な管理を実現するための方策

1.適正な管理に取り組むマンションに係る優遇措置

(1)税制優遇措置
【要望内容】
・管理計画認定マンションや当協会で行うマンション管理適正評価制度において一定以上の評価を得たマンションなどの、適正な管理に取り組むマンションに対するインセンティブとして、対象区分所有者の固定資産税の減税、及び対象中古物件購入時において、所得税の控除、固定資産税・贈与税の減税を適用する制度の創設を検討いただきたい。
(2)住宅金融支援機構によるマンション共用部分リォーム融資(高齢者向け返済特例)及び部分的バリアフリー工事やヒートショック対策工事を行う際のリフォーム融資(高齢者向け返済特例)における優遇措置
【要望内容】
・認定制度の認定、及び当協会で行う評価制度において管理状況について一定基準をクリアし、適正な管理を実施するマンションへの優遇措置として、住宅金融支援機構によるマンション共用部分リフォーム融資(高齢者向け返済特例)の金利について、マンションすまい・る債積立管理組合に適用される金利と同程度に優遇し、マンションすまい・る債積立管理組合は、更なる金利の優遇を検討いただきたい。
なお、同融資の保証料については、減免もしくは免除、または(公財)マンション管理センター指定の「特定管理組合」への適用による保証料の割引を検討いただきたい。
・また、住宅金融支援機構によるマンションの専有部分において部分的バリアフリー工事やヒートショック対策工事を行う際のリフォーム融資(高齢者向け返済特例)の金利優遇や保証料の減免もしくは免除を検討いただきたい。
・上記2つの融資について、併用して融資を利用できる仕組みをご検討いただきたい。
II】適正な管理組合運営を担保するための法関連の見直しに関する要望
 1.マンション標準管理委託契約書の改訂について
【要望内容】
・マンション標準管理委託契約書の改訂を検討いただきたい。

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「我孫子ビレジ」

 東急不動産は8月26日、同社が1977年に開発し、東急コミュニティーが約45年にわたり管理・運営を受託している中高層マンション「我孫子ビレジ」の記者見学会を行った。今年のロングライフビル推進協会「第31回BELCA(Building and Equipment Long-life Cycle Association)賞 ロングライフ部門」を受賞したのを受け、長寿命化の取り組みなどを紹介するため。

 物件は、JR我孫子駅から徒歩15分、我孫子市つくし野3丁目に位置する敷地面積約42ha、中高層マンションと戸建てがそれぞれ約1,000戸のほか小・中学校、市役所出張所、銀行、ショッピングセンターなどからなる複合開発のマンション棟。居住棟はSRC/PC部材造の11階建て・14階建て2棟と、PC造5階建て17棟の合計20棟994戸。間取りは3LDK(78㎡)~4LDK(104㎡)。竣工は19777年(昭和52年)。設計監理は東急不動産。実施設計は東急設計コンサルタント。施工は東急プレハブ。管理は東急コュニティー。

 見学会の冒頭、管理組合法人専務理事・田中裕実氏は概要、維持管理、長寿命化の取り組みなどについて次のように説明した。

 計画にあたっては、公団型住宅から一線を画し、最先端の技術・発想で良好な住環境を作りたいという同社若手設計者の意気込みに会社が応え、ヨーロッパの建築物視察成果を取り入れ、工事を担当する東急プレハブを設立し、SRCとPCの混構造としたのが特徴。土地が持っている「環境色彩」をデザインに導入したわが国初の事例でもある。

 専有面積は1戸78㎡とし、スラブ厚は約15cm、ふところ厚15cmの二重床。スラブと床の空間に給水管、給湯管、暖房管、ガス管、生活排水管を設置。各室に暖房用パネルヒータが設置されている。

 建物の耐震性については、旧耐震ではあるが、アスベストは含まれていないことを確認済み。また、団地在住の構造設計一級建築士が2006年に構造計算書と評定報告を精査した結果、震度6強の地震に対し、崩壊や倒壊に至るには十分な余裕があることを確認。中層棟は現行耐震基準を満たす。

 省エネ改修では、2011年に住棟セントラル式給湯設備をボイラー技士24時間常駐から無人化とし、様々な手法を用いて電力消費を76%、燃料消費を38%削減。

 2012年には居住棟の全サッシ窓を省エネ改修(Low-E複層ガラス化)するとともに、受水槽・加圧給水設備の改修を行い、消費電力を58%削減。2013年には玄関扉も一新。照明器具のLED化も実施済み。このほか、ライフラインの改修・増強も行っている。

 外構の維持管理では、「緑環境は団地の誇り」という居住者の共通認識のもと、提供公園の管理受託、小公園の整備などを行っている。

 長期修繕計画では、建て替えずに100年マンションを目指すため長期修繕36か年計画を策定。現行修繕積立金の変更・借入金なしに、36年間黒字を維持することを決議。マンション管理適正化法認定基準を満たす。建物の維持保全には専門知識・経験が必要であることから、専任理事制度を設け、永続的な維持保全を図るため「営繕タスクフォース」を設置している。

 専有部の改修では、細則の改定を行い、居住者の希望に対応。現在、リフォーム申請件数は10~20件/年。大半はフローリングだが、間仕切り壁撤去、キッチン位置変更、WIC設置も多い。高層棟はラーメン構造なのでスケルトン改装が可能(壁式構造の中層棟は制約あり)。

 居住者の人口構成は現在70~90代が半数近くで、平均年齢は58歳。入居率は95%。管理費などの滞納率は0.4%。

 これら長寿命化の取り組みをアピールするため「第31回BELCA・ロングライフ部門」(選考委員長・三井所清典氏に応募し、①時代の先端を行く高品位な設計・ 建設②基本構造を維持・保全③省エネ改修を実施④今後の長期維持保全計画-が高く評価され受賞した。同社の物件が同賞ロングライフ部門に受賞するのは、1999年(平成3年)の第1回の「東急ドエル桜台コートビレジ」に次いで2回目。第1回の同部門の受賞作はこのほか「世界平和記念聖堂」「服部時計店」(和光ビル)「パレスサイド・ビルディング」(毎日ビルディングに名称変更)「丸ノ内ビルヂング」(2002年に「丸の内ビルディング」に建て替え)だった。

 過去、BELCA賞を受賞した集合住宅は6件で、同社の2物件のほかは「コープオリンピア」「大倉山ハイム3号棟~8号棟住宅」「ヒルサイドテラス1期~5期」「たまむすびテラス」。

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受水槽ポンプ室(停電時でも7時間給水が可能)

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中層棟

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田中氏

◇      ◆     ◇             

 我孫子を取材するのは、5年前の東レ建設・総合地所「The FORESIS(ザ・フォレシス)」以来5年ぶりだ。この物件の記事でも書いたが、昭和50~60年代の前半にかけて、JR我孫子駅を中心に常磐線、成田線では大量のマンション・戸建てが供給され、活況を呈した。多いときは年間1,000戸超が販売された。

 バブル崩壊後も、駅北口徒歩圏では2000年竣工の「エールの丘」(482戸)を皮切りに「シティア」(851戸)「グラン・レジデンス」(731戸)「アクア・レジデンス」(424戸)の4棟約2,500戸のほか、この20年間くらいの間に約2,760戸が分譲されている。総じてレベルは高い。

 「我孫子ビレジ」は、同社が昭和56に大規模開発「東急ビレジ」の集大成として「柏ビレジ」を分譲開始した際、当時常務の故・安芸哲郎氏(元東急不動産社長-会長)が熱っぽく語ったのを聞いている。その後、他のマンションや戸建てを見学したときにタクシーの中から眺めたことはあるが、敷地内に入ったのは今回が初めてだった。

 取材して、こんなに素晴らしい団地が、しかも昭和52年に建設されていたのに驚嘆した。昭和50年代のマンションといえば、3LDKは18坪(60㎡)が主流で、20坪(66㎡)もあれば〝広めの3LDK〟という宣伝文句が通用した時代だ。そんな頃に、前段で紹介した高性能の中高層住宅にチャレンジした同社の進取の精神は刮目に値する。

 そのDNAは居住者に引き継がれている。ただ〝100年マンション〟を目指すための課題も見えてきた。緑環境は申し分ないどころか成長段階だ。敷地内にはシンボルツリーになりそうなメタセコイアの高木は30本くらい植わっていた。シラカシなどの常緑樹も多い。井戸水を利用した遊水路もある。

 国土交通省「マンション管理計画認定」を取得し、マンション管理業協会の「マンション管理適正化評価制度」への登録を検討中で、田中氏は満点の「★5つ」を獲得できるのではないかと話した。これらは、中古市場で適正な評価を得るに違いない。大きな武器になる。

 問題はソフトだ。中古市場での取引額は坪38万円くらいだと業界紙記者から聞いた。これは〝不当〟に安いと思う。緑環境や居住性能の価値の見える化は必須要件で、先にも書いた同駅北側にある徒歩10分圏内の約2,760戸に負けない戦略を構築する必要があるのではないか。田中氏は若者家族向けにWEBなどで情報を発信していくと話したが、管理組合の活動だけでは限界がある。行政や東急リバブル、東急コミュニティーなどの支援が欠かせない。

 そして、同社にはかつて全国の街づくりの見本になった〝街づくりの東急〟から〝団地再生の東急〟としてベンチマークとなるよう力を注いでほしい。

 明治大学・園田眞理子教授は、同社も参加した一昨年の「郊外住宅地フォーラム」で「(劣勢の郊外住宅地は)逆転満塁ホームランを打つ可能性がある」と語った。その機は熟していると記者も思う。「東急ビレジ」にはその土壌がある。人材の宝庫ではないか。

 このコロナ禍でライフスタイルもワークスタイルも劇的に変化している。「人」「地域」「コミュニティー」「多様性」「SDGs」などのキーワードは「団地再生」と極めて親和性が高い。

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高層棟はスキップフロア・両面バルコニーを採用

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樹形が美しいネタセコイア

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遊歩道(右には井戸水による遊水路)

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提供公園(維持管理は市から管理組合が受託)

45分も時間超過Zoomオンライン「郊外住宅地フォーラム」に参加者400人(2020/6/6)

もはや価格の問題ではない 東レ建設・総合地所 我孫子で9年ぶりマンション供給(2017/11/16)

「安芸哲郎お別れの会」に1700名が参会(2007/3/14)

 

カテゴリ: 2022年度

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「東金町一丁目西地区第一種市街地再開発事業」 

 三菱地所、三菱地所レジデンス、三井不動産レジデンシャルの3社は8月24日、事業参画しているJR常磐線金町駅前の再開発事業「東金町一丁目西地区第一種市街地再開発事業」の権利変換計画が東京都の認可を受けたと発表した。

 プロジェクトは、JR金町駅北口に位置する約3.0haのエリアで、40階建て超高層マンション(約900戸)を整備するほか、低層部に商業施設、区民事務所、バンケットホールなどの公益施設を計画。低層部の屋上には自動車教習所を再整備する予定。今年10月に第1期工事に着手し、全体竣工は2030年度の予定。

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完成予想図

◇        ◆     ◇

 金町駅周辺では、2009年竣工のコスモスイニシア「ヴィナシス金町タワーレジデンス」(476戸)を皮切りに大成有楽不動産「オーベル金町レジデンス」(119戸)、野村不動産「プラウドシティ金町ガーデン」(421戸)、住友不動産「シティテラス金町」(620戸)、同「シティタワー金町」(840戸)、野村不動産「プラウドタワー金町」(190戸)などがこれまで分譲されている。十年余でざっと6物件2,700戸だ。一つの駅圏でこれほど大量供給されたところは武蔵小杉、所沢、新浦安、品川、豊洲、みなとみらい、多摩センター…などあるが、「金町」もその一つか。

 価格もうなぎ上りだ。当初は坪単価は200万円くらいだったのが、今では坪350万円だ。今回の再開発タワーマンションは〝もうはまだなり〟-もっと高くなるのか。街並みは理科大キャンパスが完成したころから一変している。

竹中施工で公園・大学に隣接 住友不動産「シティタワー金町」(2014/9/1)

大成有楽不動産 「金町」エリアで2物件224戸 単価は割安感あり(2014/6/24)

入居者の声を商品企画に生かした 野村不動産「プラウドシティ金町」(2008/11/25)

 

カテゴリ: 2022年度
 

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