結局はワクチン頼みか 出勤率7割減に厚い壁 東京都 新型コロナ 感染爆発
7月31日の東京都の新型コロナ感染者は、5日連続して過去最多を更新する4,058人を記録した。高齢者向けのワクチン接種が進む一方で、従来株の2倍ともいわれるデルタ株の感染力の強さの結果とされる。
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長からは「感染を下げる要素はないが、上げる要素はたくさんある」「行政と市民で危機感を共有できていないことが最大の問題」と指摘されているが、結局はワクチン頼みしかないのか。「出勤率7割」というのは厚い壁だ。
別表・グラフは、7月31日の年代別・性別感染者の数値を示したものだ。
20歳代は1,484人で、過去最多だった7月29日の1,417人を上回った。1日当たりの感染者としては第3波の2倍以上となっている。
30歳代は887人で、20歳代と同様、過去最多だった7月29日の782人を上回った。第3波は500人台だった。
40歳代は583人で、7月29日の612人より減少。第3波では400人台だったので、20歳代、30歳代と比べ増加比はやや鈍化している。
50歳代は398人。過去最多だった1月7日の407人よりは少ない。
60歳代と70歳以上はワクチンの効果で激減しており、双方で全体の4.9%となっている。
一方で激増しているのが10歳代と10歳未満。10歳代は354人で、第3波では1月7日の131人が最多だったのが7月17日に110人と100人を超えると、その後は増加の一途。10歳未満も第3波、第4波では100人を超える日はなかったが、7月半ばから目立って増え続け、最近4日間は連続して100人を突破している。
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小池百合子都知事は7月30日の会見で、感染拡大の要因について「デルタ株の感染力は、前から1.5倍というふうに言っておりましたけれども、昨日も専門家の先生方がおっしゃるには、感染力は2倍近く強く」、「繁華街の滞留人口は1月の宣言時と、実は同程度まで減少はしている。しかしながら、残念ですが、このデルタ株の強力性に、その人流の減少が追いついていない」とし、感染経路については、「療養者の方々にアンケートを取ったところ、療養者すなわち陽性になった人、3人に一人が飲酒を伴う懇親会、また同居者以外とのマスク無しでの会話などを行ったということが分かっている」と語った。
感染拡大を防止するカギとして、「ワクチンというゲームチェンジャーが出てきているわけですから、(三密など)素手で戦っている今の部分と、ワクチンの接種のこの時間をどうやって稼いでいくか」と述べ、事業者に対し計画的な長期休暇の取得や、テレワークなどを強化し、出勤者数の7割の削減を改めて徹底することを要請し、8月2日(月曜日)から始まる大学、短大生のワクチン接種を呼び掛けた。
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都知事が要請している「出勤率7割削減」の実現には大きな壁もある。東京商工会議所が2,090社(回答数:662社、回答率31.7%)を対象にした「中小企業のテレワーク実施状況に関する調査」では、2021年5月の緊急事態宣言下における東京23区内の中小企業のテレワークの実施率は38.4%にとどまり、前回(2021年1~3月)に比べ27.8ポイント減少し、企業規模別では従業員301人以上の実施率は64.5% となっている一方で、従業員50人以下は29.8%にとどまっていると報告している。
テレワークを実施している社員の割合は20%以下が52.4%ともっとも多く、前回緊急事態宣言時と比べ22.6ポイント増加するなど伸び悩んでおり、その理由として「テレワーク可能な業務がない」64.7%、「生産性の低下」24.0%、「PCや通信環境の整備状況」19.6%などの回答が多かったとしている。
企業規模別で99%を占める中小企業ではテレワーク、在宅勤務を実施する環境にないことを調査結果は示している。
〝危機感共有できていない〟猖獗極める新型コロナ われわれに打つ手はないのか
東京都に緊急事態宣言が発令されてから2週間以上経過するが、新型コロナ感染者は減るどころか増加の一途で、28日現在で3日連続して過去最多を更新するなど猖獗を極めている。
メディアは、「政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は、28日の国内の新型コロナウイルスの新規感染者数が9,582人と過去最多になったことについて、『大変な危機感を感じている。感染がさらに拡大する傾向は間違いない』と指摘…『コロナ慣れ』や感染力が高いインド型(デルタ型)の変異ウイルス、夏休み、東京五輪などを例示し、『感染を下げる要素はないが、上げる要素はたくさんある』と述べた」(読売新聞)と報じた。さらにまたメディアは、「行政と市民で危機感を共有できていないことが最大の問題だ」とする専門家の声を伝えた。われわれにはもう打つ手はないのか。
別表・グラフは、東京都の感染者の年代別・性別感染者の数を、1月5日~1月13日(以下、第3波)と、7月21日~7月28日(以下、第5波)の13日間で比較したものだ。
第3波と第5波の感染者の数は約1.6万人:約1.7万人と第5波が約1,000人多いだけのように映るが、年代別では大きな差異がみられる。ワクチン接種の効果か、第5波では70歳以上の感染者が激減している一方で、20歳未満の年少者が激増していることだ。
70歳以上の感染者は、第3波の1,397人から第5波は363人へ大幅に減少し、全体に占める比率も第3波の9.0%から第5波には2.1%に減少。60歳代も第3波の6.5%から第5波は3.0%へほぼ半減。50歳代も第3波の13.1%から第5波は11.4%へ減少しており、感染者数も減少している。
一方で、10歳未満と10歳代は、第3波の1,256人から第5波の2,143人へ70.6%増加し、全感染者に占める割合も第3波の8.1%から第5波の12.7%へ4.6ポイント上昇。高齢者と対照的な数値を示している。
また、これまで感染者数、比率で多数を占めていた20代は第3波の27.9%から第5波は33.4%へ、30歳代は第3波の20.1%から第5波の21.3%へそれぞれ増加。第5波では30歳代以下が全体の67.4%(第3波は56.0%)に達している。
感染経路不明比率は第3波の65.5%から第5波は64.3%とほとんど変化はなし。感染拡大を抑えるのに重要とされている不明率50%以下は実現できていない。いつどこで何をして感染したかわからなければ、また感染しても無症状の人が相当の数にのぼるとすれば、感染拡大は防げないというのは素人でもわかる。
大和ハウス UR都市機構から全国11か所622区画の定借土地を取得
埼玉吉川
大和ハウス工業は7月29日、都市再生機構が保有していた全国11か所、622区画の住宅用定期借地権付き土地を約60億円で取得したと発表した。
622 区画の地代収入を得るとともに、大和ハウスグループ7社(日本住宅流通、大和ハウスリフォーム、大和ハウス賃貸リフォーム、大和ライフネクスト、大和リビングマネジメント、コスモスイニシア、デザインアーク)と連携し、売買仲介や買取再販、リノベーション・リフォームなどを行う不動産ストック事業「Livness(リブネス)」 を展開していく。
取得したのは埼玉吉川140区画(埼玉県吉川市)、長津田みなみ台99区画(横浜市)、あいの里158区画(札幌市)など。
同社は2018 年1月、不動産ストック事業の拡大に向けた「リブネス」を立ち上げ、神奈川県横浜市や兵庫県三木市の郊外型既存戸建住宅団地の再耕(再生)事業「リブネスタウンプロジェクト」を展開している。
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土地は、UR都市機構が期間50年の定期借地権を設定しハウスメーカーなどに賃貸し、その土地にハウスメーカーが注文住宅や分譲住宅を建設したもの。残存定借期間は平均33年。60億円を622区画で割ると1区画当たり価格は約965万円。同社は機会があれば今後も取得していく意向で、団地再生の新しい手法になるかもしれない。
三菱地所 有楽町駅前の「有楽町ビル」と「新有楽町ビル」 建て替えへ
三菱地所は7月28日、同社が所有する有楽町駅前の「有楽町ビル」と「新有楽町ビル」 の建て替えを行うと発表した。
「有楽町 ビル」(敷地面積約3,551㎡)は1966年の竣工から約55年、「新有楽町ビル」(同約7,233㎡)は1967 年の竣工から約54年それぞれ経過している。
三井不レジ・日鉄興和不 JR小岩駅北口再開発事業 権利変換計画認可
「JR小岩駅北口地区第一種市街地再開発事業」
三井不動産レジデンシャルと日鉄興和不動産は7月26日、参加組合員として事業参画している「JR小岩駅北口地区第一種市街地再開発事業」の権利変換計画の認可を受けたと発表した。
同事業は、2015年に準備組合が設立され、2018年都市計画決定された。2022年3月に着工、2027年1月竣工予定。JR総武線小岩駅北口から徒歩2分に位置する約2haの区域。
北口駅前に路線バスやタクシーの乗入れが可能となる約6,100㎡の交通広場を整備し、地下には公共駐輪場を設ける。駅からペデストリアンデッキで直結する地上30階地下1階建ての建物には、約730戸の住宅と商業・業務・保育所を設ける予定。
また、中間免震構造を採用するほか、防潮板・防災備蓄倉庫、高断熱性能や屋上緑化・壁面緑化、雨水の再利用、太陽光発電パネル、電気自動車への対応などのサスティナブルな社会の実現に向けた取り組みを行う。
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小岩駅周辺には現在、この再開発事業のほか、建設中の南小岩六丁目地区市街地再開発事業と、計画中の南小岩七丁目地区市街地再開発がある。
2020年11月には、これらの再開発事業を含め小岩駅周辺地区のエリアマネジメントに取り組む一般社団法人小岩駅周辺地区エリアマネジメント(KOITTO コイット)が設立され、民間からは各組合のほか野村不動産、タカラレーベン、清水建設、日鉄興和不動産、住友商事、長谷工コー ポレーション、三井不動産レジデンシャル、三井住友建設、HITOTOWA INC.が協力している。
希望の虹を見た 多様な働き方を提案 サンフロンティア「+SHIFT KANDA」
「+SHIFT KANDA」外観
サンフロンティア不動産は7月27日、同社の旗艦事業であるリプランニング(不動産再生事業)ブランドの一つ「+SHIFT(プラスシフト)」の新築2棟目となる「+SHIFT KANDA」が完成したのに伴う報道陣向け内覧会を行った。8月1日に入居開始となる。
「+SHIFT(プラスシフト)」は。多様化する働き方に対応するため、居心地がよくアイデアやイノベーションが生まれるワークスペースの創造をテーマとしており、新築としては今年4月にオープンした「+SHIFT NOGIZAKA」次ぐもの。インテリア・プロダクト・建築の設計デザイン会社DRAFTとコラボしているのが特徴。
物件は、都営地下鉄新宿線岩本町駅から徒歩5分、JR神田駅から徒歩7分、千代田区神田岩本町4丁目の水天宮通りに面した敷地面積123.48㎡の鉄骨造12階建て延べ床面積1045.67㎡。1階と12階は共用フロアで、2階~11階がそれぞれ約25坪の賃貸フロア。賃料は89万~103万(税別)。2021年2月に竣工。
賃料には管理共益費、家具・機材使用料、清掃費(コミュニティーマネージャー)、廃棄物処理費、水道光熱費、wi-fi 通信費、印刷費(インク・トナー/紙代は別途)などが含まれる。
同社執行役員リプランニング事業部長・小田修平氏は、「当社の賃貸オフィスはArt(アート)、WEEK(ウィーク)、LIT(リット)とこの+SHIFT(プラスシフト)の4ブランドで展開しているが、賃料のほか光熱費、原状回復、賃貸借期間など契約条件が厳しい従来型賃貸オフィスではなく、パソコン一つですぐに利用でき、付加価値の高いセットアップ型が高く評価されている。今後、この種のオフィス市場は100倍に増加するという予測もある。今回のオフィスは「NOGIZAKA」と同様、外観デザインからインフィル、家具、小物、ホームページ作成に至るまでDRAFTの世界観を表現した。五感で体感していただきたい」と語った。
1階ラウンジ
VeroMetal塗装を施したキッチン天板
ルーフトップ
ルーフトップラウンジ
基準階オフィスエリア
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同社のこの種のオフィスを見学するのは5回目くらいか。規模は小さいが、人工大理石にVeroMetal塗装を施した銅板と見まがうキッチン天板、新素材のセラミックカウンター、本革の収納扉、トイレ・収納のサイン、本物の竹が配合された環境にやさしいバンブーメラミン皿、落としても割れないグラスなど細かな点にもこだわった共用部のデザインは「+SHIFT NOGIZAKA」と同じだった。
販売も行われるイタリアのオーガニックソープ(500ミリリットルで3,000円とか)で手を洗い、コーラ、クッキーも試飲・試食させてもらった。
専用部では8階のオフィスだったか。通常の薄っぺらい仕切り板で区切られているそれとは形状も全然異なる集中ブースが設えられていた。音が漏れないような仕上げになっており、パソコンのキーボードを叩きつけるように記事を書く記者には最適だと思ったが、一方で、そこに入ったら仮眠どころか永遠の眠りにつくのではないかと配にもなった。値段を聞いたら一般的なものと桁違いのン十万円だとか。
レストルームサイン
レストルームボウル
集中ブース
バンブーメラミン皿と落としても割れないグラス
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取材の最終盤、最上階12階の共用フロアと屋上テラスの説明を受けていた時だ。同業の記者の方が「ほら、虹だ」と指さした。確かに
キャンパス地のソファークッションに虹が浮かび上がっていた。これもフェイクの演出ではないかといぶかったが、そうではなかった。内覧会開始時に降った雨が自然現象であることを証明していた。
その途端、数十年前の甘くて切ない記憶がよみがえった。小生が生まれ育った谷あいの村では、夕立の後には必ずと言っていいくらい、恋が成就する予感する、貧困から脱却できるのではないかという、東の山と西の山を結ぶ希望の虹がよくかかった。人工のどぎつい邪悪なミラーボールとは似て非なるものだ。
この自然の現象を設計者が企図したのであればこれは凄い。室内に差し込む太陽光の角度と屋外の庇状のガラスの上に水滴がつくように設計したのだろうか。
「七」にまつわる言葉は七曜星、七つの子、七福神、七つの大罪、初七日、七つ道具、七草など多いが、やはりラッキーセブンの虹だ。
記者が大好きな作家・丸山健二さんの代表的な著作「千日の瑠璃」には次のような一節がある。
「私は虹だ。
うたかた湖とうつせみ山を結んでまほろ町をひとまたぎにする、何ら底意のない虹だ。限りない索漠さを秘めた冷たい雨があがって、地上はふたたびいくばくかの可能性を孕んだ陽気な光に覆われてゆく。そして、いつまでも正義の大道を踏み行なうことができない者や、晩節を全うできそうにない者が、さも眩しそうに顔をしかめて、私を見上げる。ほかの人々も私に気づき、ほんの数秒間だけ胸のうちの蟠りを忘れるが、すぐにまた、通常通りのせかせかした営みに戻ってしまう」
ソファクッションにかかった虹
雨滴を遮る庇状のガラスが虹を発生させるヒントか
駅1分 乃木神社に隣接 建築・内装費に315万円/坪 サンフロ「+SHIFT NOGIZAKA」(2021/4/21)
三井不・三井不レジ 分譲マンション・戸建て 契約から入居手続き 全て電子化へ
三井不動産と三井不動産レジデンシャルは7月26日、三井不レジが販売する分譲マンション・分譲戸建の重要事項説明・売買契約・引渡手続きなど全ての書類の電子化を図り、2022年夏をめどにこれまでのオンライン商談に加え、契約から入居までの諸手続きで顧客が対面・非対面を選択できるようにすると発表した。
これにより約120点、約1,000枚(重さ約1キログラム)の膨大な契約関連書類をWEBサイト上でいつでも閲覧可能となり、PCやスマートフォンから手続きが可能となり、書類の電子化(ペーパーレス化)により年間約360万枚の紙を削減するとともに、書類情報のシステム入力・照合作業の削減により契約事務業務を約70%・約3万時間(年間)を削減する。
同社は、住宅業界において画期的なシステムであり、顧客の利便性向上と、三井不レジの業務効率向上・多様な働き方を実現し、環境負荷軽減を目指すとしている。
10歳未満・10代が激増 10代は女性が6割超 都のコロナ感染者
東京都の新型コロナ感染者数は、猖獗を極めた第4波とほぼ同様の数値を示しているが、年代別では10歳未満と10代が激増しており、年少者の感染防止が急務となっている。
22日の感染者は1,979人で3日連続1,000人台となったが、年代別では、第3波では70人を超えたことは一度もなかった10歳未満が95人となり、7月20日、21日の76人に続き過去最多を記録した。10歳代も159人となり、過去最多だった1月8日の146人を超えた。
性別でも、22日の男女比は57%:43%なのに対し、10歳未満・10代は121人:132人と女性が上回っている。とくに10代はこの3日間の男女比は132人:207人と女性が6割を超えている。
20歳代は658人で、過去最多だった1月8日の723人に近づきつつあり、20歳代以下は全体の46.1%に達した。感染経路不明率も10日連続して60%を超えた。
年少者・若年層の感染拡大は、感染力が強いとされるデルタ株とどう関連するのか、緊急事態宣言に伴う飲食関係などの営業時間短縮、酒類提供の自粛要請の効果はあるのかどうか。さらにまた夏休みの影響はどうかなども気掛かりな材料だ。年少者・若年層への分かりやすい呼びかけが必要ではないか。
22日は1979人 拡大止まらず 東京都 新型コロナ感染者(2021/7/22)
東急リバブル 「スピードAI査定」 一戸建て・土地査定も可能に
東急リバブルは7月21日、同社ホームページ上で展開している「スピードAI査定」機能に、これまでマンションに限定していた対象物件を拡大し、 一戸建・土地の査定も可能にしたと発表した。
同社は2020年10月からマンションの査定価格を瞬時に算出する「スピ ードAI」を導入している。一戸建や土地はマンションに比べ物件の個別性が高く、一般的にAIによる査定が困難と言われてきたが、同社は過去10年間の市場売り出し価格データ(データベース会社からの提供)を基に、同社の営業担当者が直近1年間で実際に査定したデータや公示地価・路線価のデータも統合することにより、査定価格を瞬時に算出できる独自のAI査定を実現したという。
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同社は今年3月、リバブルの営業経験5年以上のベテランと遜色ないレベルの「投資用区分マンションAIマッチングシステム」を開発し、本格稼働すると発表した。
投資用マンションは、一般的なマンション査定とは異なり、利回りを最優先するのでAIがベテラン営業マンと同レベルの査定能力を発揮するのはありうることだと記者は理解したが、戸建てにも採用するというのにはさすがに驚いた。
マンションも同様だが、戸建てはまさに玉石混交。再建築不可の既存不適格建築物も少なくなく、築後20年以上の中古戸建ての建物価格はほとんどセロと査定されている現行の商習慣をAIはどうするのか、戸建てと切り離せない街並みの評価はどうなるのか、どうして成約価格でないのか、安心R住宅とそうでない物件はどの程度の差額となるのか、宅建士の資格取得を考えているのかどうか、成績不振の営業マンは職を脅かされるのかどうか…興味は尽きない。
昨日はリストの高額マンションに特化したAI査定システム「mAI List(マイリスト)」と対決してきた。勝ったか負けたかは、AIは応答せず(弱点はしっかり確認した)、AIの個人情報もあるだろうし、自尊心を傷つけるのも失礼だと判断し、原稿は事前に同社の優秀な担当者にチェックしてもらってから掲載することにした。週明けにも発表できるはずだ。
東急リバブルのAIとの対決もしたい。同社にも取材を申し込んだ。AIは応じるだろうか。同社には、電話をしながら書類などのチェックを行い、同時に目の前の部下にも適切な指示を出す、同時に3つも4つもの仕事をこなした伝説の営業マンを目の当たりにしたことがある。この伝説の男のAIに対する評価も聞いてみたい。
各社のAI同士で査定能力を競ったら面白いと思うが、この記者の挑発に各社のAIは乗るだろうか。他社のAI査定を狂わし、攻撃を加えるAIをAIが開発することは可能のような気がする。そうなったら業界は大混乱し、消費者もまたパニック状態に陥るのではないか。
誰もが使いやすいトイレ「LIXIL PARK」 フジテレビ広場で公開 LIXIL 7/21~9/5
「LIXIL PARK」
LIXILは2021年7月21日(水)~9月5日(日)、「安心と快適を、すべての人に。」をコンセプトに、多様なニーズに対応した誰もが使いやすいトイレを設置した「LIXIL PARK」をフジテレビ1F広場で開催する。20日、報道陣に公開した。
「LIXIL PARK」は、SDGsを推進するフジテレビジョンが主催する「THE ODAIBA 2021」の一環として実施するもので、「安心と快適を、すべての人に。」をコンセプトに、機能分散の考え方を取り入れ、車椅子使用、人工膀胱や人工肛門を造設したオストメイトの人、乳幼児連れの人に配慮した7種類の個室を用意。また、トイレ以外にも授乳室やカームダウン・クールダウン室も備えている。
設置に当たっては、どんな場所にも設置可能、利用目的に応じて自由に空間形成が可能の可動式アメニティブース「withCUBE」を活用している。
開催にあたり、40年以上もバリアフリー、ユニバーサルデザインを研究している東洋大学名誉教授・髙橋儀平氏は次のようにメッセージを寄せている。
共生社会のトイレは個の尊厳が守れるトイレでなければなりません。つい数年前までは、何とか高齢者や車椅子使用者、乳幼児連れの方、オストメイトの方が利用できるようにと1つのブースにあらゆる設備を投入した、「バリアフリートイレ」「だれでもトイレ」がトイレ整備の基軸でした。近年では男女共用のバリアフリートイレに性的マイノリティの方、発達障害者や高齢者の介助者同伴による利用が加わっています。性別に関係なくストレスフリーで利用できるトイレブースが他にないからです。社会環境のバリアフリー化の進展とともに「バリアフリートイレ」への利用集中が増していました。そうすると広いスペースしか使えない車椅子使用者は行き場を失います。
そこでダイバーシティの環境づくりを目指す私たちは、可能な限り個人の尊厳を守るために、多機能トイレや内部にある設備を利用者の特性ごとに他のブースに分散し、安心して選択できる個のトイレへとシフトしたのです。
「withCUBE」がこれからの社会の新たなトイレづくりの指標になると確信しています。
ベーシック
オストメイト配慮
車椅子使用者配慮
授乳室
非接触パネル
カームダウン・クールダウン室
髙橋氏
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記者は、一昨年からトイレの取材をするようになった。マンションや戸建てではどのような仕様になっているかチェックするようになった。日本財団の「THE TOKYO TOILLET」プロジェクトの完成した11のトイレも全て見学取材した。
カームダウン・クールダウン室の提案はいい。さらに言えば、安全性をどう確保するか課題はあるが、少し横になれるとか、飲料水が飲める自販機を設置するとか、食事ができるとか機能を増やせば利用者は増えるはずだ。
機能分散について。多機能トイレ・だれでもトイレは、普通の人も利用するから、障がい者など必要な人が使えないという問題が発生する。トイレだけでなく道路も建築物もバリアだらけだ。バリアフリー・ユニバーサルデザインの視点から総合的に考えないといけないと思う。