RBA OFFICIAL

 大山町クロスポイント周辺地区市街地再開発組合は915日、東武東上線大山駅に近接する再開発事業「大山町クロスポイント」の起工式を97日に行ったと発表した。参加組合員として住友不動産とフージャースコーポレーションが事業参画している。

事業地は、大山駅から約300m西方に位置し、「ハッピーロード大山商店街」の一部と周辺住宅地などを含む約0.7haが施行区域。ハッピーロード商店街の道路を挟んだ4街区で構成。総戸数345戸の住宅と低層階に延床面積約4,000㎡超の商業区画を設けた総延床面積約40,000㎡超の大規模複合開発。竣工予定は202412月。施工は長谷工コーポレーション。総事業費は約193億円。

       ◆     ◇

 大山駅圏では、ハッピーロードを抜けたところで三菱地所レジデンスが11月に「ザ・パークハウス 板橋大山大楠ノ杜」(187戸)を分譲する。立地条件のよさから、記者は坪340~350万円と予想しているのだが、「大山町クロスポイント」はいくらになるか。

カテゴリ: 2021年度

比較表.png

9月グラフ.png image002.png

 東京都の新型コロナ感染者に占める年少者の割合が激増していることはこれまでも指摘してきたが、直近の9月5日から11日までの1週間の感染者10,474人と1月17日から23日までの1週間の感染者9,099人の年代別感染者数・比率を比較してみた。

 20歳未満の感染者と全体に占める割合は、直近1週間は1,981人で18.9%に達しているのに対し、1月時点の感染者は763人で8.4%だった。10ポイント以上も上昇している。

 一方、ワクチン接種が進んでいる70歳以上の感染者は、1月では1,380人、15.0%だったのが、直近1週間は496人、4.7%となっている。60代も直近1週間の感染者は1月よりほぼ半減し、比率も1月の9.0%から4.3%へ減少している。

 感染者がもっとも多い20代の直近の感染者は1月より人数も比率も増加しているほか、30代も同様の傾向を示している。

20歳未満・高齢者の比率増加20代は減少 グラフで見る東京都のコロナ感染者(2021/9/4)

 

カテゴリ: 2021年度

 東京2020オリンピック・パラリンピックの選手村裁判が結審した。無聊をかこつ記者は結果記録を閲覧しようと東京地裁を訪れたのだが、閲覧申請者が多いためか「今週は無理」と言われた。そんな時、同業の記者の方から〝特ダネ〟がもたらされた。大東建託の恒例の今年の「街の幸福度(自治体)ランキング」トップに「埼玉県比企郡鳩山町」が選ばれたというのだ。喜ぶべきなのか悲しむべきなのかとっさには判断できず、もう絶句するほかなかった。

◇       ◆     ◇

 早速、同社のホームページで確認した。確かに首都圏トップは「埼玉県比企郡鳩山町」で、「神奈川県横浜市都筑区」「東京都中央区」がベスト3。以下、中央区、港区、武蔵野市、印西町、目黒区、横浜市青葉区、文京区、逗子市がベスト10となっている。

 それぞれの自治体に対する偏差値、評点、回答数が記載されており、鳩山町のそれは87.3、74.2、67の順で、都筑区は70.5、70.3、1,155、中央区は69.7、70.1、1,039とあった。

 「幸福度の評点は、非常に幸福だと思う場合を10点、非常に不幸だと思う場合を1点とする10段階の回答平均を100点満点にするために10倍したものです」「偏差値とは、評点の平均値が50になるように変換し、評点の数値が評点の平均値からどの程度隔たっているのかを示したものです」とあり、回答者数は165,302名とある。

 このランキングを見てすぐ気が付いた。「鳩山町」は昭和を代表する開発面積約140ha、約3,200戸の大規模住宅地「鳩山ニュータウン」があり、居住者の高齢化が進行している代表的な街だ。2位の「都筑区」はUR都市機構による開発がもっとも新しいことから、横浜市はもちろん神奈川県下でももっとも年少人口・生産人口比率が高く、「中央区」もまた人口増加比率が23区でもとびぬけて高いことで知られる。

 このあまりにも対照的な街が幸福度でベスト3を占めるのをどのように理解すべきか。〝住めば都〟-若い人も年寄りもみんなそう考えているのならいいが、例えば年寄りが「非常に幸福」と答え、若い人が「非常に不幸」と答えたら、評点は55点になる。これはどう判断すればいいのか。この街の人は幸せなのか不幸なのか、誰も判断できないではないか。

 記者はこの種のランキングを無視することにしているが、大東建託さんも「本当に住みやすい街大賞」を発表しているアルヒさんも、いい加減やめたほうがいい。属性などはっきりしない人の声を寄せ集めて撹拌し、その声が「幸福度」やら「住みやすい街」の指標になるかのように喧伝するのは上場企業のやることではない。幸福と不幸を足して二で割る神経はどうかしている。

◇       ◆     ◇

 「鳩山ニュータウン」は記者にとって思い入れが深い住宅地だ。今から17年前に訪れた。記事の冒頭には「前日、同じぐらいの規模で同じように郊外型でありながら、驚くほど生き生きした街づくりが行われている山万『ユーカリが丘』団地を見学し、『鳩山はどうなっているか』気になってしょうがなかったからだ」とあり、そのあとすぐ「人口流失、高齢化、地域経済の停滞…などが集中的に現れているのではという仮説は当たった」と書いている。

 「売上げは数年前の3分の1。みんな車で数分の大型店に行く。増えたのは車だけ。道路事情がよくなったため車がひっきりなしに通り、60キロぐらいのスピードで通過していく」という商店主や、「コンビニまで歩くと20分。車がないと生活できない。学校の帰りもバスがものすごく混む。就職活動をやっているんですが、先日も面接の人から『残業もありますよ。通えるんですか』と聞かれた。結局、落とされたのですが『一人暮らしする』といえばよかったかなと。同級生も都内に引っ越していくし、気がついたら近所の家が空き家になっていたり…。独立したらマンションを借りようかと、親とも話しているんですが…」と語った都心の大学に1時間半かけて通う女子大生の声を紹介している。

 記事は以下のように締めくくっている。

「母娘と思われる二人連れに声をかけると、そのお母さんは『私ですか、この頭を見なさい。真っ白でしょ。あと2つで80歳。娘は50歳ですよ。でもね、これだけは書いといて。ここのお年よりはみんな自立していると。街もきれいでしょ』

 この母親の言葉に記者は救われた。

 真夏の陽気を思わす炎天下で、深緑の歩道が風を運んでくれた。白い葵の花が『ここはいいよ』と呼びかけた」

 今回、「幸福度」ランキングで圧倒的1位になったのは、あるいは建築家で東京藝術大学准教授・藤村龍至氏(42)らの同ニュータウン活性化の活動が浸透し、町民の意識を劇的に変え、地殻変動を起こしているのか。それなら嬉しいのだが…。

◇       ◆     ◇

 これは昨日(9月7日)のことだ。「風の橋」と名付けられた橋を渡ったところにあるわが街・多摩ニュータウンの下駄箱商店街の昼下がり。かつては八百屋や肉屋などで賑わっていた7店舗のうち3店舗はなくなり、残った4店舗は高齢者の「憩いの場」やカフェ、床屋などだ。

 コロナから逃げるため、記者はオープンタイプのカフェで食事をしようと席に着いたとたん、隣のデイサービスの施設のやはりオープンタイプのテーブルに腰かけていた記者と同年配かそれとも年上か、二人の女性のうち一人が片方の手で歌集を示しながら、もう一方の手で「いち、にい、さん」と相手の肩を叩きながら音頭をとり「白いブランコ」を歌い出した。

 か細くはあるが、緩やかなテンポと美しい歌声に記者は聞きほれた。お返しのつもりで拍手を送った。すると、一人の女性は「歌って楽しいわね、歌えるっていいね」と微笑み、〝この広い世界中のなにもかも ひとつ残らず あなたにあげる だから私に手紙を書いて 手紙を書いて〟〝人は誰も人生につまずいて人は誰も夢破れ振り返る〟〝今日の日はさようならまた逢う日まで また逢う日まで〟…30分以上も繰り返し歌った。

 なぜかこの間、ミーンミーンとせわしなく鳴いていたセミは沈黙し、その歌声は記者の三半規管から胡乱な右脳と左脳を覚醒し、心にしみわたると同時に、道行く人に愛の意味を伝え、風の道を通り抜け、天空を舞った。 

鳩山NT活性化を「私自身がアート」藝大卒・菅沼朋香氏「ニュー喫茶 幻」開業(2019/3/23)

〝生きた実験場〟〝やるしかない〟 多摩NT再生 第6回シンポ 藤村氏もエール(2019/2/8)

「鳩山ニュータウン」に吹いた風に想う(2004/7/2) 

カテゴリ: 2021年度

8月以降グラフ.png

 10未満.png image002.png

20代.png 30代.png

40代.png 50代.png

60代.png 70代.png

 8月1日から9月3日までの東京都の新型コロナ感染者の推移を年代別にまとめた。感染者は8月中旬をピークに各年代とも減少傾向にあるが、全体の感染者に占める割合は、20歳未満と60歳以上の増加が目立っている。20代は減少傾向が顕著で、30代、40代、50代は横ばいが続いている。

 デルタ株の脅威 70歳以上の10万人当たり感染者は実質1,000人超

人口10万人.png

 8月以降の人口10万人当たり感染者は別表の通り。20代が2,371人で最多。以下、30代の1,414人、10代の1,214人の順。最少は70歳以上の164人。

 ただ、70歳以上の高齢者のワクチン接種率を85%とし、接種者の感染がゼロと仮定した場合、人口10万人当たり感染者は1,093人となる。デルタ株の怖さが数字に表れている。

カテゴリ: 2021年度

0cbe5d6e-f642-48e4-856d-446ce4d873e4.jpg

 三井不動産レジデンシャルと首都圏不燃建築公社は8月30日、事業協力者として参画している「新小岩駅南口地区第一種市街地再開発事業」が8月10日に都市計画決定されたと発表した。

 プロジェクトは2019 年4月、新小岩駅南口地区再開発準備組合設立。JR総武・中央線新小岩駅南口に位置する約1.5haの区域で、駅前広場などの整備により駅周辺の回遊性・利便性を高めるとともに、約580戸の住宅、商業・業務施設を一体で開発する。2022年度に再開発組合設立・事業認可、2024年度に着工、2028年度に竣工する予定。

◇      ◆     ◇

 新小岩駅周辺では現在、葛飾区の「新小岩まちづくり基本構想」に基づいで北側地区、東北地区、西部地区、南口地区、東南地区の5地区、合計23.0haの再開発計画が進められている。すでに着工中の「東南地区」に続いて今回の「南口地区」再開発はその第2弾。

 東南地区(3.9ha)では、すでに「新小岩二丁目地区」内で住友不動産・ジェイアール東日本都市開発・日本貨物鉄道の15階建て「シティテラス新小岩」268戸の分譲が始まっている。坪単価は340万円程度と思われる。物件の南西側隣地には、事業主・株式会社とジェイアール東日本都市開発の11階建て賃貸マンションが建築中。

 北側地区(12.6ha)は駅前広場、くらし、賑わい・文化・交流、商業・賑わいゾーンなどの土地利用計画に沿って勉強会が行われている。

 西部地区(5.0ha)は、現況が狭小敷地の戸建てが多いことから、「低層住宅と中層住宅が共存する住宅地」を目指すとしている。

 東北地区(8.8ha)は、「魅力ある市街地と良好な住環境の形成を誘導する地区計画・高度利用」方針に基づいて勉強会が行われている。

 

カテゴリ: 2021年度

累計 表.png

累計グラフ.png

 830日の東京都の新型コロナ感染者は1,915人となり、8日連続して前の週の同じ曜日の感染者数を下回った。712日の緊急事態宣言による不要不急の外出自粛、都道府県間の移動回避、イベント縮小、飲食店などへの時短・休業要請、酒類の提供自粛、出勤者の7割削減要請など様々な措置が講じられているにもかかわらず、感染者は宣言発令時の4倍近くに達している。

宣言解除予定の912日まで残り2週間。1500人台までに減らせるかどうか予断は許さない。

都のデータから、712日~829日までの年代別・性別感染者の推移を表とグラフにまとめた。従来株の2倍近い感染力があるとされるデルタ株の猛威がワクチン接種効果をかき消していることをうかがわせる。

 累計の男女別・年代別感染者は別表の通り。感染者は338,731人となり、都民13,843,525人(31日現在)の2.4%、人口10万人当たり感染者は2,447人となっている。

 年代別では、もっとも多いのが20歳代の約9.9万人(全体に占める割合29.1%)で、以下、30歳代の約6.7万人(同19.8%)、40歳代の約5.3万人(同15.8%)、50歳代の約4.1万人(同12.0%)の順。ワクチン接種が進んでいることから60代以上の比率は10%台まで減少している一方で、20歳未満の年少者の感染が激増している。

10歳未満 感染激増 比率は全体の7%超に

10未満表.png

 10未満グラフ.png

メディアは最近、若年層の感染増加を報じているが、712日の緊急事態宣言あたりから10歳未満の増加傾向は顕著で、728日に138人と100人を突破し、比率も4.3%4%を超えると、その後は増加の一途。825日には308人で、感染者に占める割合は7.3%となった。家庭内感染のほか、市中感染も拡大しているとみられる。

10感染者は爆発的に増加 比率も10%超に

10代表.png

10代グラフ.png

今回の第5波でもっとも絶対数、全体感染者に占める割合が増加しているのが10歳代だ。712日は33人、比率6.6%だったのが821日には565人、比率11.1%となり、人数で約17倍、比率で4.5ポイント上昇した。829日の比率は過去最高の11.9%に上っている。

都のデータは10歳刻みなので、増加しているのは小学・中学・高校の生徒なのか、それとも18歳以上なのかは不明。

20絶対数はピーク時より半減 比率も30%割る

20代表.png

20代グラフ.png

コロナ発生時から絶対数、感染比率とももっとも高い数値を示してきた20歳代は、現在も基本的に変化はないが、比率そのものはやや減少傾向を示している。

感染者は813日に過去最多の1,810人(比率31.4%)を記録したが、829日時点でピーク時から半減している。比率は81日の37.5%をピークに減少に転じ、829日には26.5%(感染者817人)にまでに減少している。

30比率20前後で推移 60%:女40

30代表.png

30代グラフ.png

感染者、比率とも20歳代に次いで高い数値を示している30歳代は、感染者は増加しているが、全体に占める割合はほぼ20%前後で推移している。

また、累計感染者67,165人の男女別内訳は男性40,110人(比率59.7%):女性27,055人(同40.3%)と比率差が大きいのも特徴の一つとなっている。理由は不明。

40男性61%:女性39〝格差〟くっきり

40代 表.png

40代グラフ.png

20歳代、30歳代に次いで感染者が多い40歳代は累計53,484人。感染者は712日の91人(比率18.1%)から一貫して増加し、813日には955人(同16.5%)までほぼ10倍に達した。男女別では、男性32,863人(比率61.4%):女性2,0621人(同38.6%)と30歳代とともに男女比の差が大きい。

50比率は1012%で推移

50代表.png

50代 グラフ.png

50歳代の感染者は40,665人で、男性23,859人(比率58.7%):女性16,806人(同41.3%)。緊急事態宣言後の全体に占める割合は1012%内に収まっている。絶対数は712日の50人(比率10.0%)から813日には689人(同11.9%)まで増加。その後は減少傾向にある。

60下げ止まりから増加傾向へ

60代表.png

60代グラフ.png

60歳代は82日に52人、比率2.4%まで漸減したが、その後は下げ止まりから増勢に転じている。819日には182人、比率3.3%となるなど比率は3%前後で推移している。

70歳以上 8月以降は100人超 比率も増加

70以上 表.png

70以上 グラフ.png

70歳以上はワクチン接種が進むにつれて激減し、726日には18人で、全体の感染者に占める割合は1.3%まで下がったが、84日に100人を突破すると、その後は100人超が続いており、826日は191人で、全体の感染者に占める割合は4.1%となった。ワクチン接種を受けていない、受けたくない人が感染しているのだろうか。これもデルタ株の影響か。

100歳以上は147今年だけで131

100以上 グラフ.png

東京都の100歳以上の累計感染者は男性が27人、女性が120人の合計147人となっている。このうち1月以降の感染者は131人で、8月以降だけでも30人に達している。

100歳以上の令和311日現在6,641人なので、人口10万人当たり感染者は2,214人となる。都の人口10万人当たり累計感染者2,447人と比較して若干低いが、気になる数値だ。何とか感染を防げないものか。

 

カテゴリ: 2021年度

 優良ストック住宅推進協議会(スムストック※)は8月27日、オンライン記者会見を開催し、2020年度のスムストックの販売状況・活動などを報告し、今後の活動方針を示した。新会長に堀内容介氏(積水ハウス代表取締役副会長執行役員)を選出したことも報告された。

 2020年度のスムストック協議会10社による成約棟数は、TVCMやWeb広告などスムストック認知度向上策を実施した効果もあり、過去最高の1,922棟(前年度比14.8%増)となり、累計では13,899棟になった。

 協議会10社の戸建ストック383万棟のうち2021年3月時点の推定流通数は約11,600棟/年(流通率約0.3%)として、2020年度成約棟数1,922棟は捕捉率にして約17%としている。捕捉率は2017年度の15%から2ポイントアップした。

 スムストック住宅販売士は前年度の6,623名から6,965名に増加した。

 国土交通省がまとめた2020年度の安心R住宅宅の調査報告書の一戸建て提出件数470戸のうちスムストックは233件で比率は49.6%であることも報告された。

 新中期計画策定方針(2021年~2023年)では、「スムストックブランド」を時代の先を行く確固たるものとするための活動を強化する。具体的には捕捉率「20%以上」を目指すほか、住宅保証機構と連携した「買取再販型」保険商品の展開(2021年10月予定)や、脱炭素、レジリエンス、新しい生活様式など今後の社会環境の変化に対応できるスムストック査定方法の改良の検討、構築を図る。

 ※会員各社がこれまで供給してきた建物のうち、①新築時の図面、リフォーム、メンテナンス情報等が管理・蓄積されていること②建築後50年以上の長期点検制度・メンテナンスプログラムがあり、計画通りの点検・修繕を実施していること③「新耐震基準」レベルの耐震性能があることを満たした戸建てのこと

カテゴリ: 2021年度

1.jpg
試食会で供されたスープ(ザ ロイヤルパークホテル アイコニック 東京汐留で)

2.jpg
食材の玉ねぎとトウモロコシ

 三菱地所と三菱地所グループのロイヤルパークホテルズアンドリゾーツは8月25日、「サステナブルな野菜を使ったスープ」のメディア向け発表会・試食会を行った。

 野菜スープは「オニオンスープ」と「コーンスープ」の2種類。オニオンスープは皇居外苑濠から除去された水草の「ヒシ(菱)」を堆肥化し、山梨県北杜市の協力農家で栽培された玉ねぎを、コーンスープは三菱ケミカルが開発した水と二酸化炭素に分解される生分解性樹脂「BioPBS」ストローを堆肥化し、長野県諏訪郡原村で栽培されたトウモロコシをそれぞれ使用。いずれも横浜ロイヤルパークホテル総料理長・髙橋明氏が監修した。

 提供するのは「ザ ロイヤルパークホテル アイコニック 東京汐留」など7か所のホテルで、期間は8月25日~10月31日(なくなり次第終了予定)。

 「ザ ロイヤルパークキャンバス 銀座8」と「ザ ロイヤルパークキャンバス 神戸三宮」では9月18日と19日、玉ねぎやトウモロコシを含めた野菜のマルシェを開催する。

 三菱地所グループは、2019年から「大地への恩返しプロジェクト」として皇居外苑濠から刈り取った水草「ヒシ(菱)」を堆肥化し、この堆肥を用いて北杜市で栽培された野菜を買い取った上で、三菱地所本社カフェテリアやロイヤルパークホテルズで食材として活用している。

 また、ロイヤルパークホテルズアンドリゾーツは8月から、運営する一部ホテルの飲食店舗などで使用するストローを三菱ケミカルが開発した生分解性樹脂製品に切り替え、三菱ケミカルが行う生分解性樹脂の堆肥化プロジェクトに参加する。プロジェクトで栽培された野菜を三菱地所グループが買い取り、ロイヤルパークホテルズが食材として提供していく。

 三菱地所グループは、「三菱地所グループのサステナビリティビジョン2050」で「Be the Ecosystem Engineers」というスローガンを掲げ、都市と地方が継続的な共生関係を維持するための新たな資源循環(サーキュラーエコノミー)の実現を目指す取り組みを行っており、今回の一連のプロジェクトもその一環。

ヒシのイメージ.jpg
ヒシ(夏に大量発生する。小さな生物は大型の生物から身を守る機能があるが、繁茂すると生態系に大きな影響を及ぼすことから「エコシステム・エンジニア」と呼ばれている)

IMG_0112.jpg
除去作業

生分解性ストローのイメージ.jpg
生分解性樹脂「BioPBS」ストロー(見た目はプラスチック製とほとんど変わらない)

◇       ◆     ◇

 記者は、お湯を注ぐだけでいい粉末スープは自宅でよく飲んでいる。文句など言ったことはない。ありがたく頂いているが、自分から進んで飲みたいと思ったことはない。レストランなどでも同じだ。

 今日頂いた2つのスープは今まで飲んだスープとは天と地ほどの差があるおいしいものだった。記者などはこのスープと酒と多少のつまみがあれば何もいらない。素材の良さを引き出した髙橋さんの腕の凄さを見る思いがした。

 取材の帰り、「認証ワイン」でも買って帰ろうとレストランに寄ったら、販売はまだだった。担当者の方は「フェアトレード認証コーヒー」についても話された。価格は2,000円くらいになるという。これには驚いた。ラグジュアリーホテルでも1,500円くらいのはずだ。なぜそんなに高くなるのかについて、担当の方は「現地で働く人が適正な報酬を受け取り、安定的に良質な商品を提供するにはそれくらいコストがかかるということです」と語った。

 なるほど。記者も昨年からSDGsのバッジをつけるようにしているが、まだまだ甘い。記者もそうだが、読者の皆さんは1杯2,000円のコーヒーが飲めるだろうか。17のゴール到達への道のりは平易ではない。それでもSDGsの取り組みを加速させようとする同社の姿勢はさすがというべきか。

 使用済みの生分解性樹脂ストローを堆肥に利用し、今年10月に開業する国内初の高層ハイブリッド木造の「サ・ロイヤルパークキャンバス札幌大通公園」では、歯ブラシ、シェイバー、ヘアブラシなどのアメニティの一部はもみ殻を原料にしたものにするというのもとてもいい取り組みだ。

 この点について、ロイヤルパークホテルズアンドリゾーツ・仲條彰規副社長は、「SDGsの認識は急激に高まってきたが、業界全体としての取り組みは緒に就いたばかり。排水を再利用したり食材などをコンポストにしたりすることは進んでいるが、生分解性樹脂ストローを堆肥にするのは当社だけではないか」と話した。

 環境省は先日、6月にプラスチック資源循環促進法が成立したことを受け、大量の使い捨てプラスチック製品を扱う業者に対して、削減策を義務付けることを決定した。対象となるのはホテルのクシや歯ブラシなどのアメニティも含まれる。

 発表会でも少し話題となった山梨県北杜市の「空と土プロジェクト」は2度取材している。機会があったらまた行ってみたい。

三菱地所CSR「空と土プロジェクト」10周年 純米焼酎「大手町」販売など活動強化(2017/9/9)

〝ケロ、ケロ、ケロ〟カエルも歓迎 三菱地所・空土プロジェクト田植えツアー(2015/6/3)

三菱地所グループ「空と土プロジェクト」体験ツアーに同行取材(2012/10/19)

カテゴリ: 2021年度

 アンビシャス安倍徹夫社長の実兄で、同社元監査役、大京元副社長、大京住宅流通(現大京穴吹不動産)社長などを歴任された安倍毅夫氏が8月17日、死去した。享年82歳。病気療養中だった。
 葬儀・告別式は、故人の遺志により家族葬で執り行われた。

◇      ◆     ◇

 ラスト侍の一人がまた消えた。

 記者はかつて大京がマンション市場を席巻したころ、黒澤明の「七人の侍」になぞらえ、躍進・大京を象徴する幹部として「大京七人衆」を選んだことがある。驚異的な販売力で同社をけん引した当時の東京支店長の安倍徹夫氏、横浜支店長の故・原田利勝氏のほか、故・横山修二社長の女房役を務めていた仕入れ担当の安倍毅夫氏も同社には欠かせない〝知将派〟として選んだ。

 黒子に徹し他のデベロッパーとのもめごとなどをことごとく処理したと聞く。あの福の神か恵比寿さんのような温和な顔をみたらみんな戦意をなくす。毀誉褒貶は人にはつきものだが、毅夫氏を悪く言う人はいないはずだ。

 毅夫さん、さようなら。献杯!

カテゴリ: 2021年度

 新型コロナの感染拡大が止まらない。東京都の公表データによると、緊急事態宣言下で、しかも高齢者その他のワクチン接種が進んでいるにもかかわらず、722日(木)から818日(水)までの4週間の感染者は98,795人に達している。この数字は、都が最初の感染者を発表した昨年124日(金)から今年128日(木)までの約1年間の感染者98,404人とほぼ同じだ。感染経路不明率もこの4週間平均は63.5%となっており、感染爆発を抑えられない要因の一つとなっている。

       ◆     ◇

NHKによると、第1回目接種修了者は45.70%、第2回目接種終了者は32.69%となっているが、仮にその中間の約40%の人の感染がないとすると、未接種者約830万人のこの1か月間の人口10万人当たり感染者(率)は1,190人だ。対応策が手探り状態だった昨年124日から今年128日までのそれは710人だから、約1.8倍だ。感染力がアルファ株より1.5倍強いとされるデルタ株の恐ろしさを裏付ける数字だ。

カテゴリ: 2021年度
 

 

 

ログイン

アカウントでログイン

ユーザ名 *
パスワード *
自動ログイン