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 東急不動産と東急は9月12日、2017年に閉学した「カリタス女子短期大学」の跡地マンション「ブランズシティあざみ野」(286戸)の第1期販売を9月13日から開始すると発表した。

 物件は、東急田園都市線あざみ野駅から徒歩7分・8分、横浜市青葉区あざみ野二丁目に位置する敷地面積約13,705㎡の地下1階地上5階建て全286戸。第1期(48戸)の専有面積は58.31~99.67㎡、価格は5,890万~13,740万円(最多価格帯7,300万円台)。竣工予定は2020年11月下旬。設計・監理は東急設計コンサルタント。デザイン監修は光井純アンドアソシエーツ建築設計事務所。施工は大豊建設。

 外観デザインは、カリタス女子短期大学のレンガ造りの校舎をほうふつとさせる、瀟洒な建設美が特徴。敷地内には医療法人社団プラタナスが運営する「青葉アーバンクリニック」も併設予定。このほか、カルチャースクール、フィットネスプログラムなど心と体の「健康」につながるソフトサービスを建物内のパーティールームなどを活用して提供する。

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 田園都市線のマンションでは、2017年分譲の東急電鉄他「ドレッセWISEたまプラーザ」が人気を呼んだ。あざみ野もいい街だ。

 デザイン監修に光井氏、設計・監理に東急設計コンサルタントを起用しているようにかなり力が入っていると見た。機会があったら見学してレポートしたい。

圧倒的人気 「CASBEE横浜」S評価 東急電鉄他「ドレッセWISEたまプラーザ」(2017/8/23)

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「バウス武蔵境」完成予想図

 日本土地建物(事業比率55%)・三菱地所レジデンス(同40%)・三信住建(同5%)の3社JV「バウス武蔵境」を見学した。駅から徒歩9分の第一種低層住居専用地域(一部除く)に位置する全130戸。敷地面積約8,779㎡のうち約2,100㎡の都市計画道路区域をどう見るか悩ましいマンションだ。

 物件は、JR中央線武蔵境駅から徒歩9分、武蔵野市境2丁目の建ぺい率40%、容積率80%の第一種低層住居専用地域(一部建ぺい率60%、容積率200%の第一種中高層住居専用地域含む。加重平均の全体容積率は約91%)に位置する敷地面積約約8,779㎡の全130戸。専有面積は54.60~77.95㎡、価格は未定だが坪単価は300万円台の前半になる模様。竣工予定は2020年9月下旬。設計・監理はSHOW建築設計事務所。施工は若築建設。販売開始は10月下旬。

 現地は、アジア大学通り面している。低層住宅などが広がる第一種低層住居専用地域。対面は大京のフラッグシップマンション「ザ・ライオンズ武蔵野」。

 敷地は南北軸が長い長方形で、敷地西側の約2,100㎡(幅約16m×長さ約131m)は都市計画道路の区域にかかっている。

 建物は4棟構成。第一種中高層地域の道路に面するサウス棟が7階建て30戸、敷地西側の1低層エリアのグリーンプロムナード(公開空地)に面したウエスト・ノース棟が77戸、東向きのイースト棟が23戸。

 1戸当たり土地持ち分は単純計算して約67㎡(敷地約1万㎡の1低層の住友不動産「インペリアガーデン」は約59㎡)もあるのが最大の特徴で、敷地には70種15,000本の植栽を施し、都市計画道路区域はグリーンプロムナードとして近隣住民も利用できる公開空地とし、住民同士がコミュニティを育むことができるサークルガーデン、コミュニティガーデンも配置する。

 ブックラウンジや庭園の設置のほか、コミュニティの企画、チャイルドロック付きガスコンロなどが評価され、都の武蔵野市初の「東京都子育て支援住宅」に認定されている。

 主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、ディスポーザー、食洗機、御影石キッチンカウンター、リビング天井高2440~2510mm。日土地ブランド〝バウス〟オリジナル収納「コアクロ」(有償)を提案しているのも特徴の一つ。

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グリーンプロムナード(公開空地)

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 日土地の新ブランド〝バウス〟が誕生してから3年が経過する。〝バウス〟の頭文字「バ」は、三井不動産レジデンシャル「パークホームズ」、三菱地所レジデンス「(ザ)パークハウス」、野村不動産「プラウド」、東京建物「ブリリア」、東急不動産「ブランズ」(ほかにJR西日本プロパティーズ「プレディア」)と同じハ行。大手の一角に食い込むのかと期待したのだが、その後、数えるほどしか供給しておらず、見学するのは今回が初めてだった。

 約71㎡の地下住戸を想定したモデルルームはよくできていた。約11㎡のテラスと約23㎡のテラス(ドライエリア)を合わせると奥行きは約6.1mあり、アウトドアリビングとして利用できるように提案していた。

 洋室の一角に設置した2段組の「コアクロ」は約1.7畳大。上段を書斎や子ども部屋、下段をキャスター付きの収納にしているのもなかなかいい。ただ、堅牢なもので値段がかなり高くなりそうなのが課題(三菱地所が発売開始した60万円台の「箱の間」もやや高い)。

 肝心の価格(坪単価)はどうか。同社は「未定」としているが、このところの中央沿線のマンション価格は高騰しており、坪300万円以下はありえない。大京「ザ・ライオンズ武蔵野」は坪単価330万円でもよく売れたので、かなり高くても売れるかもしれないが、問題は都市計画道路をどう見るかだ。

 厄介なのは計画通り道路は出来るのかも全く不明であることだ。道路計画が都市計画決定されたのは昭和37年だから半世紀がとっくに過ぎた。

 だから、グリーンプロムナードはずっと残るのかどうかも全く分からない。分からないものを評価するのは難しい。(都市計画道路に指定された場合は、固定資産税や都市計画税の減免があるはずだが)

 三菱地所レジデンスは駅の反対側で単独マンションを計画しているので、強気な価格設定を希望するはずだが、日土地はどのように値付けをするか。記者は坪320万円くらいに落ち着くと見たがどうだろう…最終的に価格を決めるのはお客さんだ。 

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地下住戸の専用テラス(モデルルーム)

ダウンサイジング流行りにぴったり 三菱地所〝部屋の中の小屋〟「箱の間」発売(2019/8/27)

設備仕様レベルはトップクラス 日土地「武蔵野富士見 ザ・レジデンス」(2015/12/15)

フラッグシップにふさわしい大京「ザ・ライオンズ武蔵野」(2008/5/27)

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「ピアース神楽坂レジデンス」完成予想図

 昨日、〝三井不動産の独走・独占を許していいのか〟と書いたが、売上高や戸数はともかく、売れ行き、商品企画は互角に戦っているデベロッパーが一社ある。モリモトだ。

 三井不動産レジデンシャルの2019年3月期のマンション事業は売上高2,522億円、計上戸数3,283戸、一戸当たり単価7,683万円、完成在庫141戸だ。第1四半期の今期計上戸数予定戸数3,400戸に対する事業進捗率は実に86%(前年同期81%)で、完成在庫も106戸に減少している。一戸当たり単価の高さ、完成在庫の少なさ、事業進捗率は業界トップクラスだ。

 さて、モリモトはどうか。同社は2008年12月に民事再生法を申請して上場廃止となったので、公表データは少ないのだが、2008年当時の年間供給量は500戸くらいだったはずで、それが2018年は829戸(不動産経済通信調査)となり、首都圏供給ランキング9位にランクされた。

 売れ行きも極めて好調のようだ。ホームページなどからすると完成在庫はほとんどゼロに近いはずだ。一昨年、大和地所レジデンスが2018年3月期の計上予定戸数929戸を全て完売したのと同様、極めてまれなケースだ。

 なぜ、売れるのか。正確に知るためには一つひとつ検証しなければならないが、一言で言えば傑出した商品企画力だ。バブル崩壊後、他社に先駆けて〝デザイナーズマンション〟に特化して事業展開してきたのが花開いた格好だ。

 同社のマンションには必ず「友の会優先住戸」がある。例えば「アールブラン高津レジデンス」。全88戸に対し友の会優先は30戸もある。全住戸のうち3割以上を会員だけで販売できるのは、約3万人の〝モリモトファン〟の心を捉えている証左だ。

 最近の物件は、用地高・建築費上昇の影響から設備仕様レベルダウンは否めないのは残念だが(以前は坪300万円クラスでも億ション並みだった)、それでも〝ワイドスパン・内廊下〟を死守しており、デザイン性の高い商品を供給している。

 近く分譲するコンパクト中心の「ピアース神楽坂レジデンス」(55戸)は、坪単価500万円を突破しそうだが、プランがいい。31㎡でも約3.7mスパン、41㎡で5.1mスパンだ。ドアノブはコロンボ製。

モリモト・武蔵新田vsオールジャパン(三菱・三井・野村)・矢口渡 多摩川決戦(2019/3/29)

72㎡より64㎡のほうが有効面積は広い〟ワイドスパンで差別化 モリモト「高津」(2019/1/28)

分譲事業は「好球必打」(住友不)「量から質(中身)」(三井不)の時代の流れ加速(2019/5/22)

大和地所レジデンス 今期引き渡し予定の全929戸を完売 完成在庫ゼロ達成(2018/2/23)

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「パークタワーあすと長町」

 三井不動産レジデンシャルは9月4日、仙台市の大規模マンション「パークタワーあすと長町」の竣工プレス見学会を行った。仙台駅まで6分のJR長町駅から徒歩2分の戸数東北ナンバーワンの全468戸で、立地などが評価され、販売は「極めて順調」のようだ。坪単価は195万円。首都圏では考えられない安さだ。

 物件は、JR東北本線長町駅から徒歩2分・仙台市地下鉄南北線長町駅から徒歩3分、仙台市太白区あすと長町1丁目の商業地域(建ぺい率80%、容積率600%)に位置する中間免震構造の28階建て全468戸。現在分譲中の住戸(23戸)の専有面積は67.93~92.14㎡、価格は約3,341万~6,899万円(最多価格帯4400万円台)。坪単価195万円。竣工は2019年9月下旬。施工は大林組。売主は同社のほか伊藤忠都市開発。

 2017年のゴールデンウィークにモデルルームをオープンして以来、来場者は約1,300件で、供給した362戸のうち約330戸が成約済み。

 見学会では、最高天井高約5.8m、広さ約390㎡の「エントランスホール」や「パーティールーム」「スタディルーム」「キッズルーム」「ゲストルーム」「コモンスペース」と3戸のモデルルーム(76㎡~92㎡)が公開された。建物はタワー型でなく、南向き中心の板状コの字型で外階段方式。

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エントランス

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一泊4,000円の組子デザインのゲストルーム(約50㎡)がよかった

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首都圏ではおなじみだが、仙台では初のボーネルンド監修の「キッズルーム」

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 「長町」は10年前、三井不動産が「ララガーデン長町」をオープンした際取材しており、仙台市内のマンションは2~3件見学はしているが、市場は全く知らない。今回、改めて知らないことを知った。

 もちろん、首都圏のマンションはたくさん見学しているので、共用施設やモデルルームを見てもとくに驚くようなことはなかったが、関係者によると、「キッズルーム」「ゲストルーム」などの施設を備えたマンションは少ないようなので、購入者の選好要因の一つだろうということは想像できる。

 驚いたのは価格(坪単価)の安さだ。中間免震構造、二重床・二重天井、食洗機、リビング天井高2500mm,二重サッシ(一部)の水準以上の基本性能・設備仕様であるのに、坪単価は195万円。首都圏なら都内多摩エリアや神奈川県、埼玉県、千葉県の郊外部でもあるかどうかだ。

 「長町」駅周辺ではここ数年間で約1,500戸が供給されているそうで、競合もありそうだが、売れ行きは「極めて順調」(関係者)という。

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エントランスホール(左の椅子と机はこの日のために設置されたもので、実際はソファ)

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 取材の帰り、素晴らしい飲み屋を発見した。宮城県内25酒蔵の26種の純米酒が飲める駅ビル1階にある「ぷらっと」だ。広さは10坪あるかないかだが、100分飲み放題は3,000円で、小生が飲んだ〝昼得〟(17時までOK)は純米酒3種と小鉢付きで1,200円(消費増税10%でもこの値段)。別に注文した「萩の鶴 Mグリーン」もお勧め。古酒もある。天然ほや刺が700円。

 これまで仙台には10回以上は行っているが、こんなに安くて美味しい飲み屋は初めて。国分町に行く必要は全くない。

 住宅新報Hさん、飲み屋を紹介するならこんな店だ。あっ、忘れた。結構飲んだので新幹線の中で爆睡し読み忘れたが、工藤正廣「春の夕べ アリョーシャ年代記」(未知谷)もお勧め。極上の小説だ。

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記者が飲んだ「昼得」(左のほや刺は一切れ食べたあと)

三井不動産 「ララガーデン長町」29日オープン(2009/10/28)

 

 

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 「HARUMI FLAG」の土地価格と建物価格の割合は「7:93」であることが分かった。購入者からもたらされた情報で「契約書には土地と建物の売買代金がそれぞれ記載されており、売買代金に対する消費税相当額は約8.53%でした」とあった。

 ご承知のように、分譲マンションの土地価格に対する消費税は非課税なので、売買代金の8.53%が消費税額(建物価格の10%)ということは、仮に代金を100円とすると、建物価格は85.3円で、土地価格は100-85.3-8.53(消費税額)=6.17円ということになる。だから、住戸によって若干の変動はあるかもしれないが、「HARUMI FLAG」全体の土地と建物価格比率はこの「6.17:85.3」≒「7:93」(百分比)であることはほぼ間違いなさそうだ。比率的には都心部では土地:建物は7:3(郊外部は逆で3:7)が一般的だろうから、「HARUMI FLAG」は調整区域並みか林地の比率ではないか。

 消費税額の算定についてはいくつかの手法があるが、記者は前回の記事で「東京オリンピック・パラリンピックの選手村に利用されるという特殊要件を考慮し、『開発法』を採用することで地価公示の10分の1以下の値段で都は事業者に『HARUMI FLAG』の土地を売却したのであるから、消費税もまたこの土地と建物の原価を基に算定すべきと考える」と書いた。この「7:93」の比率は記者の主張する通りで、適正な算定だと思うし、購入者もまた適正な額の消費税を納めることになると考える。

 記者は評論家でないので、〝買い得〟かどうかの判断はしない。お客さまが判断することだ。新橋まで10分と想定されている「Bus Rapid Transit(バス高速輸送システム)」が機能するかどうかだけは心配だ。近く、どこかの路線で体験乗車しようと考えている。

「HARUMI FLAG」の消費税額 事業者は公表せず(2019/8/16)

「HARUMI FLAG」の消費税額はいくら 突撃取材敢行 残念ながら空振り(2019/8/13)

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「ライオンズ川口並木グランゲート」完成予想図

大京が分譲中の「ライオンズ川口並木グランゲート」を見学した。西川口駅から徒歩5分の全120戸で、坪単価は信じられないほど安い214万円。昨年12月から分譲されており、約7割が成約済みと好調なのも当然か。

物件は、京浜東北・根岸線西川口駅から徒歩5分、川口市並木3丁目の近隣商業地域・商業地域に位置する12階建て120戸。現在先着順で分譲中の住戸(9戸)の専有面積は65.9170.20㎡、価格は3,492.5万~4,575.8万円。坪単価は214万円。竣工予定は202027日。設計・施工は長谷工コーポレーション。

昨年12月から販売を開始し、これまでに約7割が成約済み。Dタイプ(68㎡)、Iタイプ(66㎡)、Jタイプ(71㎡)は全て完売。

現地は、近商・商業地域だが周辺に嫌悪施設はほとんどない。南西側に接道している並木通りの幅員は約15mあり、日照阻害もないと思われる。敷地は元UR都市機構の賃貸マンション。建物は南西向き。

主な基本性能・設備仕様は、直床、リビング天井高24502600ミリ、食洗機、7.6mワイドスパン(一部除く)、換気口付き玄関ドア、通気ルーバー付き扉、自然換気ストッパー、グリーンカーテン用フック、エコガラスなど。

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エントランスアプローチ

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 見学するきっかけは先月、「ライオンズ朝霞ベルポートレジデンス」を見学した際に、担当者からこのマンションの売れ行きがいいということを聞いたから。

 「川口」駅圏のマンションはこの10年間で10件は取材しているのに、「西川口」のマンションは取材したことがない。「街」のイメージもさることながら、供給も少ないからだ。

 同社の資料によると、駅東口で徒歩5分圏内の物件は平成10年以降で10物件しかない。規模も同社の物件が最大だ。

 驚いたのは価格の安さだった。京浜東北線沿線の坪単価は軒並み300万円を突破してきているので、250万円以下はあり得ないと読んだのだが大外れ。

 なぜこれほど安いのか。販売担当者によると、用地取得が6年前で、しかも入札ではなく相対で取得できたのが最大の理由と話した。

6年前と言えば、まだリーマン・ショックの影響を引きずっていた頃なので納得もしたのだが、同社としては高値追求して販売に時間をかけるより早期完売しようという販売戦略もあるようだ。

 価格が安いからと言ってレベルが低いかといえばそんなことはない。AEタイプまで全住戸の約半数は7.6mのワイドスパンだし、他のタイプも6.26.5mある。設備仕様もまずまずだ。

 東京からの近さからいえば坪単価380万円の「北千住」と大差ない。多摩センターだってこんなに安くない。あとは街のイメージだが、これは人それぞれ。ユーザーが考えることだ。

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モデルルーム

 立地・環境に対する高い評価 大京・リゾン「ライオンズ朝霞ベルポートレジデンス」(2019/7/24

 

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「シティタワー大阪本町」完成予想図

 住友不動産は8月22日、単独事業者が大阪市で分譲するマンションとしては最大の全855戸の免震マンション「シティタワー大阪本町」のメディア発表・内覧会を行った。スーパーゼネコン・清水建設の施工で、天井高を2600ミリ確保し、窓にLow-Eガラスを採用するなどレベルの高いマンションだと思った。

 物件は、Osaka Metro御堂筋線・中央線・四つ橋「本町」駅から徒歩5分、大阪市中央区備後町二丁目に位置する48階建て全855戸。専有面積は約37~120㎡、価格は未定。竣工予定は2021年11月中旬。設計・施工は清水建設。第一期の販売開始は2019年12月上旬。これまで2,000件以上の反響があり、モデルルーム来場予約は満席。

 現地は「船場都心居住促進地区」に指定されており、2020年の人口予測が約10.4万人で、2005年実績の約6.7万人より56%も増加すると予測されている区内でもっとも人口が増加しているエリアの一角。建ぺい率100%、容積率600%の四方接道の商業地域立地だが、総合設計制度の適用を受け、容積率は1000%に緩和されている。

 物件の戸数は、積水ハウス他「グランドメゾン新梅田タワーTHE CLUB RESIDENCE」の871戸、三菱地所他「ザ・パークハウス 中之島タワー」の894戸には及ばないが、単独事業としては市内最大。

 主な基本性能・設備仕様は、免震工法、二重床・二重天井、リビング天井高2600ミリ、御影石キッチンカウンター、ディスポーザ―、食洗機、ミストサウナ、Low-Eガラス、約8割を占める2・3LDKはワイドスパン(モデルルームタイプは約75㎡で10m超)など。

 同社住宅分譲事業本部 近畿事業部長・横田健二氏は、今回の物件のほか、ホテルとの複合賃貸マンション「梅田曽根崎計画」(住宅836戸・ホテル202室、2022年竣工予定)、区域面積約35,000㎡の「神戸新港突堤西地区」(マンション700戸含む複合再開発)などの大規模プロジェクトについて触れ、「梅田曽根崎計画」では大阪初の高級賃貸ブランド「ラ・トゥール」となること、ホテルは「ヴィラフォンテーヌ」となることを明らかにした。

足 元のマンション市況については、「ワンルームの供給が減少しているが、当社が展開するファミリーは順調。『大阪本町』はJVを組むより単独のほうがリスクはむしろ少ない。価格はお客さまと相談なので公表できない」と話した。

 関係者によると周辺物件は軒並み坪300万円を突破してきており、同社の物件も300万円を突破するのはほぼ間違いない。

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スカイアトリウム

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横田氏(「RBA野球に一度参加したことがある」と話したので調べた。2008年だから41歳のときか。代打で出場しそのままレフトを守った。0-0-0だから四球でも選んだか、出塁率は10割。この日の会見を取り仕切った広報担当のS氏も代打で出場し、三振だったとか。試合は惨敗。記事参照)

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 地方のマンション市場はよく分からないが、それでもランドマークとなるような物件はこの2~3年間で10物件は取材している。首都圏物件と比較してレベルも分かってきた。

 同社の大阪圏では、「シティテラス千里桃山台」を昨年見ており、レベルの高さに驚いたのだが、今回の「大阪本町」も首都圏のタワーマンションと比較してもそん色ないレベルだと思う。

 価格・売れ行きは分からないが、「グランドメゾン新梅田タワーTHE CLUB RESIDENCE」は第一期として坪340万円で400戸供給し、好調なスタートを切ったと聞いたので、同社も強気な価格設定をするのではないか。用地取得は6年前だそうだから、価格高騰が顕著になる前ではないか。

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 「梅田曽根崎計画」はホテルとの複合開発になる。マンションとホテルの複合はありそうでない。記者が取材したことがあるのは東急不動産他「ブランズ横濱馬車道レジデンシャル」と、野村不動産「プラウド恵比寿ヒルサイドガーデン」くらいしかない。

 ネットで調べたら、東急不動産の「ブランズ大阪本町」(分譲マンション98戸、ホテル259室)と、安田不動産「HAMACHO HOTEL&APARTMENTS」(賃貸マンション108戸、ホテル170室)もそのようだ。横田氏によると天王寺(「あべのnini」)がそうだという。

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モデルルーム

坪単価270万円に納得 梅田に16分の近さ 住友不動産「シティテラス千里桃山台」(2018/10/9)

「商住共存」の適用を受けた東急不動産他「ブランズ横濱馬車道レジデンシャル」(2013/8/27)

ケンコーポ圧勝 5回まで大量10点 新人小笠原が好投 住友不動産は惨敗(2008/4/16)

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 先日(8月13日)、「HARUMI FLAG」の消費税額を探る取材は空振りに終わったことを書いた際に、標準的な住戸の価格とその面積、消費税額を教えてもらうよう物件のPR事務局宛てにメールを送ったが、その回答が昨日あった。

 回答は「デベロッパー側とも協議の結果、消費税額は、事業計画に関連するため未公表とさせて頂きますが、所定のルールに則り、適正に設定させて頂いております」とのことだった。

 この回答は想定内だ。事業者は分譲住宅の消費税額を第三者に公表する義務はない。事業者側から聞けないと判断したので、炎天下に2時間半も立ちっぱなしで、購入者から聞き出そうと突撃取材を敢行したのだ。

 なので、これ以上書かないが、消費税額がいくらか明らかになるのは時間の問題だ。国土交通省「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」には、消費税について次のようにあるからだ。購入者がネットなどに公表して、額の妥当性などを論じてほしい。

 「消費税相当額の扱いについて(宅建業)法第32条、第38条、第39条、第41条及び第41条の2等の規定の適用に当たっては、売買、賃借等につき課されるべき消費税等相当額については、『代金、借賃等の対価の額』の一部に含まれるものとして取り扱うものとする。(中略)宅地建物取引業者は、契約を締結したときは、遅滞なく、『代金の額』又は『借賃の額』を記載した書面を交付しなければならないこととされているが、消費税等相当額は、代金、借賃等の額の一部となるものであり、かつ、代金、借賃に係る重要な事項に該当するので、『代金の額』又は『借賃の額』の記載に当たっては、『当該売買、貸借等につき課されるべき消費税等相当額』を明記することとなる。(中略)なお、譲渡、賃貸等に課されるべき消費税等相当額は、法第47条第1号の重要な事項に該当することとなるので、宅地若しくは建物の売買、交換又は貸借の各当事者に対して故意に事実を告げず、又は不実のことを告げた場合には、法第47条違反となる」

 つまり、消費税額は、重要事項説明書にその額を明記し、契約の当事者(購入者)に説明しなければならない。

 消費税額の算定に当たっては、前回書いた通り、①土地価格と建物価格を時価で按分する②相続税評価額、固定資産評価額を基とする③土地、建物の原価を基にする-3手法が示されている。

 東京オリンピック・パラリンピックの選手村に利用されるという特殊要件を考慮し、「開発法」を採用することで地価公示の10分の1以下の値段で都は事業者に「HARUMI FLAG」の土地を売却したのであるから、消費税もまたこの土地と建物の原価を基に算定すべきと考えるがどうだろう。

「HARUMI FLAG」の消費税額はいくら 突撃取材敢行 残念ながら空振り(2019/8/13)

 

 

 

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HARUMI FLAG」全体像

HARUMI FLAG」の消費税額(土地価格と建物価格)を知るべく、812日、突撃取材を敢行し、マンションパビリオンに出かけたが空振りに終わった。

この日はキャンセル住戸の再登録と申込者の契約会が行なわれており、門外で待ち構え、出てくる人に片っ端から聞けばわかると踏んだのが甘かった。

13:30から16:00まで、パビリオンの前の街路樹の木陰に汗みずくになって身を潜め待ち構えること2時間半。1時間に10組くらいの出入りはあったが、ほとんどの人は車かタクシー、バイク利用で、来場者から話が聞けたのは数組しかなかった。そのすべての人が「分からない」「他の人に聞いて」などとつれない返事ばかりだった。

これはダメだとあきらめ、パビリオンの方にダメもとで聞いたが、「PR事務局で聞いて」と予想通りの答えしか返ってこなかった。

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 それでも収穫はあった。2組の中国人の方から話が聞けた。

 日本に来てから7年という33歳の男性会社経営者は、「303㎡の12,300万円(坪単価394万円)を購入した。上海や北京のマンションよりはるかに安い。消費税? 10%。額? 分からない。今日は申し込みだけだ。そんな話出なかった。契約は後日」と話した。消費税額だけで少なく見積もっても数百万円はするのに何と鷹揚なことか。

 もう一組の夫が工場長という40代と思われる主婦。「6,000万円くらいのを申し込みましたが外れた。上海のたいしたことないマンション持っていますが、それでも1億円。ここ(HARUMI)は安い。消費税? トータルで考えるからあまり考えない。中国の人がたくさん買っているようですが、みんな投資です。RBA? 聞いたことない。悪いこと書くんでしょ」と言われたので、「いえいえ、わたしほど正確で公平な記事を書く記者はいません」と返した。

 このほか、3組の日本人に話しかけたが、「分からない」などと取り合ってもらえなかった。

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国税庁は、譲渡代金を非課税の土地価格と課税対象の建物価格に按分する場合、次の手法により合理的に区分することを求めている。

①譲渡時における土地及び建物のそれぞれの時価の比率による按分

②相続税評価額や固定資産税評価額を基にした按分

③土地、建物の原価(取得費、造成費、一般管理費・販売費など)を基にした按分

一方で、「建物と土地を一括譲渡した場合に、租税特別措置法に規定する法人税の土地の譲渡等に係る課税の特例の計算における取扱いによって建物と土地の価格を区分しているときには、消費税の計算においてもその区分したところによらなければなりません(基通1015)」とあるが、残念ながら記者は意味が分からない。

 ①から③では、①の場合は消費税額少なくなり、③は逆にとてつもなく高額になり、②はその中間になるはずだ。

 参考までに。記者が3年前に「坪単価は250万円」と予想したのは次のように計算したからだ。

 土地代は、容積率400%と仮定して一種8万円/坪。建物はどんな立派なものでも150万円/坪。共用部分は充実するだろうから有効率(レンタブル比率)を80%(実際はもっと低いかもしれない)とすると、150÷0.8188万円が工事費。これに経費、利益など30%上乗せし、土地代8万円を加算すると約250万円になる。

 東京都と事業者は、当初事業計画より1%以上の売り上げ増となった場合は、契約に基づき「著しい利益増加」と判断し、利益を折半するとしている。記者はその分岐点は坪250万円と今でも信じている。折半は都民の理解を得られるか。「利益増加分すべてを都に戻すべき」という声も出てくるのは必至だ。

HARUMI FLAG」の第1600戸 平均2.6倍で即日完売(2019/8/7

HARUMI FLAG」「著しく利益増」の「著しく」とは当初売上計画の1%(2019/7/30

「官民癒着」と原告 「誹謗中傷」と被告応酬 6 選手村住民訴訟 口頭弁論(2019/5/18

「晴海」坪250万円予想の根拠 「週刊文春」も裏付け 当初単価は244万円と報道(2019/5/10 

文句なしにいい 街づくり・基本性能 坪単価280万円か 「HARUMI FLAG」(2019/4/24

東京2020オリ・パラ選手村 敷地売却価格は地価公示の10分の1以下の〝怪〟(2016/8/4

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「本郷センターハイツ建替え事業」

 関電不動産開発、野村不動産、長谷工不動産の3社は8月7日、名古屋市初の民間による分譲マンション建替え「本郷センターハイツ建替え事業」がスタートしたと発表。

 「本郷センターハイツ建替え事業」は、昭和52年に建築された地上10階建ての商業施設と38戸の住宅を商業施設と住宅94戸に建て替える事業。「建物の区分所有等に関する法律」(区分所有法)62条に基づく建て替え決議を用いた民間マンションとしては名古屋市初となる。

 事業は、地下鉄東山線「本郷」駅前の顔として機能していたが、築後42年が経過し、建物・設備・施設の物理的・機能的な老朽化が進んでいたことから2014 年8月、建て替えを含めた将来計画の検討コンサルタントとして長谷工コーポレーションが支援し、2015年5月、管理組合による「建替え推進決議」が可決。その後2018年5月、関電不動産開発が店舗部分の区分所有権を買い取り、2018年8月、建て替え決議が可決され、事業パートナーとして野村不動産、長谷工不動産が選定された。

 建て替え後は地上15階建て延べ床面積約10,279㎡の1階部分が商業施設と2階以上が94戸の住宅からなる建物となる。設計・施工は長谷工コーポレーション。竣工予定は2022年11月。

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