「脱炭素化社会実現へ流れ加速 われわれに追い風」 木住協・市川晃会長

市川氏(明治記念館で)
日本木造住宅産業協会(木住協)は5月26日、定時総会後に記者会見を開き、市川晃会長(住友林業会長)は次のあいさつ文を紹介した。
本日は、2026年度、一般社団法人日本木造住宅産業協会定時総会に記者の皆様のご参集を賜り、誠にありがとうございます。当協会は、本年4月に設立40周年を迎えることができました。これも、長年にわたり会員の皆様並びに関係各位に、協会活動への多大なるご協力とご尽力を賜りました結果であり、この場をお借りしまして御礼申し上げます。
さて、我々を取り巻く経済情勢は、年初には全般的に上向きの兆しが見られたものの、円安に伴う資材価格の高騰や深刻な人手不足と住宅ローン金利の上昇、そして不安定な国際情勢による先行きへの懸念など、不透明な状況が続き、会員の皆様におかれましても、ご苦労を重ねてこられたと思います。
加えて、2月末のイランをめぐる中東情勢の変化により、これまで以上に先行きが見えなくなってきています。特にナフサ由来の化学系資材の供給不足は、施工現場のさまざまな工程に影響を及ぼしており、工事管理、コスト管理、そして今後の受注管理における会員の皆様のご負担は大きなものになっているものと拝察しております。さらに、こうした状況は自由宅取得を検討されているお客様にも不安を与えかねないことから、関係省庁においても需給動向の把握や安定供給に向けた対応を進めていただいており、当協会としても各所との連携を深めながら、会員の皆様が安心して事業を進められるよう、業界の安定に資する情報共有に努めている所存です。
さて、本年3月に閣議決定された新たな住生活基本計画では、良質な住宅ストックの供給、既存住宅の活用促進、カーボンニュートラルの実現が最重要テーマとして位置づけられました。加えて、住宅・建築物のライフサイクル全体での脱炭素化(ライフサイクルアセスメント:LCA)の制度化に向けた法案も国会に提出されており、本日の議題では、脱炭素社会への貢献を協会の目的に明記する定款改定をご審議頂くこととしております。
木材の活用は、環境負荷低減に資するだけでなく、居住者の心身の健康、すなわち「Well-being」の向上にも寄与するものです。木造住宅・建築物に携わる私どもにとっては引き続き追い風が吹いており、当協会への期待も一層高まっているものと感じております。
当協会は設立以来、経済情勢の変化や多様化する社会的ニーズに対応しながら、質の高い木造住宅・建築物の技術開発、性能向上、普及に努めてまいりました。設立40年を一つの契機とし、会員の皆様とのコミュニケーションをさらに深め、情報発信の強化とともに、地域・支部のニーズを踏まえた研修・セミナーなどの会員サービスを一層充実させてまいります。また、新築住宅着工戸数が減少する中にあっても、会員各社の持続的な発展に向け、非住宅木造建築物やリフォーム事業への取り組みを支援する施策についても検討を進めてまいります。
今後とも会員の皆様の協会活動への一層のご参加とご協力をお願い申し上げ、総会のご挨拶とさせていただきます。
記者会見後の懇親会では、市川会長の挨拶に続き、国土交通省住宅局長・宿本尚吾氏、林野庁林政部長・清水浩太郎氏、住宅金融支援機構理事長・毛利信二氏、住宅生産団体連合会副会長・井上俊之氏がそれぞれの立場から祝辞を述べた。

左から宿本氏、清水氏

左から毛利氏、井上氏

懇親パーティー(約460名が参加した)
国内最大・最高層 三井不「日本橋本町三井ビルディング&forest」現場見学会

「日本橋本町三井ビルング&forest」
三井不動産は5月21日、「EMA WISH PROJECT~森とまちを願いでつなぐ~」メディア向け発表会の一環として、国内最大・最高層となる「日本橋本町三井ビルング&forest」建設現場見学会を実施した。木造ファンの記者は、同時間帯に不動産協会の総会後の懇親会があったため、集合時間に間に合わず、ほんの一部しか見学できなかったが、素晴らしい賃貸オフィスビルになることを確信した。
説明会場となっていた8階部分についたときは説明会は終わっていた。目に飛び込んできたのは約1200ミリ角の現しの構造柱。施工の竹中工務店東京本店作業所工事長・福田義広氏によると、構造柱と構造柱をつなぐ梁の部材はカラマツで、カウンターはヒノキ材だった。
現場には、1時間耐火、2時間耐火、3時間耐火の柱の見本が置かれており、手に触れることもできたので、下層階-中層階-上層階によって太さも重さも異なることがよくわかった。構造的には1階から4階まではS造で、4階の一部に竹中の特許技術である3時間耐火の「燃エンウッド」が、5~14階が2時間耐火の「燃エンウッド」が、15~18階が1時間耐火の「燃エンウッド」がそれぞれ採用されている。耐震壁・制震壁にCLTを多用している。
同社担当者は「画期的プロジェクト」「環境経営と人財確保、心地よい空間で働けることなどが評価され、オフィスは満床」と説明した。
一つ残念だったのは、外観は明るくてお洒落ではあるが、木造と思えるデザインはほとんどなかったことだ。
「EMA WISH PROJECT~森とまちを願いでつなぐ~」は、同社グループ保有林の木材から製作した絵馬に、保有林が所在する北海道・旭川市の旭川市立永山南小学校の児童が描いたイラストをあしらい、小学生や地域住民、竹中工務店、同社社社員に加え、「三井のすずちゃん」こと俳優の広瀬すずさんをはじめとする著名人・アスリートなど約700人が未来への願いを記入し、これらの絵馬を日本橋エリアでビルの高さと同じ全長約84mにわたり掲出するもの。
プロジェクトには北口榛花さん、小谷実可子さん、坂本花織さん、小塚崇彦さん、渡邊雄太さん、冨永啓生さんなど72人のアスリートが名を連ねている。
「日本橋本町三井ビルディング&forest」は、中央区日本橋本町一丁目3番地に位置する敷地面積約2,500㎡、18階建て延床面積約28,000㎡。オフィス基準階(専有面積)は 約1,180㎡、構造は木造・鉄骨造、設計・施工は竹中工務店。竣工は2027年1月予定。規模は国内最大・最高層となる。都心型の賃貸ラボ&オフィス「三井リンクラボ」も予定している。
国内初適用となる木造・耐火技術を多数導入し、同社グループの北海道の保有林約5,000haの木材を構造材とエントランスホールの壁など内装仕上げ材に使用。国産木材使用量は1,100m3超。一般的な鉄骨造オフィスビルと比較して、躯体部分での建築時CO2排出量約30%の削減効果を想定している。
屋上には、有機質肥料を用いた水耕栽培システムや、省エネ効果が期待される室外機芋緑化システムを導入する。共用部には、アサヒ飲料の「CO2を食べる自販機」を新築のオフィスビルとして初めて設置する予定。
環境対策としては、ZEB Ready認証、いきもの共生事業所®認証(ABINC認証)などの取得を目指すほか、次世代の環境配慮型オフィスビルとして、フィルム型ペロブスカイト太陽電池の導入や建築廃材のアップサイクルなどの先進的な取り組みを実施する。
同社は、木造建築ブランドを「&forest」として、第二弾の鉄骨・木造・SRCの11階建て延床面積約18,000㎡のハイブリッド賃貸ビル「(仮称)日本橋本町一丁目5番街区計画」を建築中で、2028年2月竣工を目指している。設計/施工は山下設計/大林組。


左から1時間耐火、2時間耐火、3時間耐火(柱の太さが異なり、灰色のモルタルの幅が異なるのが分かる)

柱と梁

竹中工務店木造・木質建築推進本部営業・プロモーショングループ長・本谷雄気氏(左)と同社東京本店作業所工事長・福田義広氏

現地
三井不2棟目のハイブリッド木造賃貸オフィス「日本橋本町一丁目5番街区」着工(2025/11/10)
〝美は現しにあり〟木と鉄骨のハイブリッド実現野村不&清水建設「溜池山王ビル」(2023/11/23)
全て流通材、組子格子耐力壁を現しで表現AQ Group「8階建て純木造ビル」見学会(2023/8/26)
ダ・ヴィンチかビュフェか 光井純氏の線描デッサンに驚嘆 「東京建築祭2026」

光井氏が25歳の頃に描かれたと思われるデッサン
5月21日~26日まで開催される「東京建築祭2026」の会場の一つ、光井純&アソシエーツ建築設計事務所を21日のぞいた。他の取材もありわずか30分間の見学だったが、若かりし頃に光井氏が描いた極めて微細で正確、かつ大胆なデッサンに、絵画が趣味だった小生は驚愕し、嫉妬するとともに軽いめまいを覚えた。先生、もう古希を迎えたのだから本業は優秀なスタッフに譲り、気随気儘の線描画家に転出されてはいかがか。大ヒットするはずだ。
「HARUMI FLAG」で美しい花を咲かせたい光井純氏建築美を語る(2023/1/30)

光井氏は人物描写を大切にしている
会場に入ってすぐ、壁にラフな絵がたくさん張られているのが目に入った。建築家がよく描くデッサンだ。何枚かは力作もあったが、少しは絵の素養があると思っている、かつては油絵が趣味だった記者(小学生のとき描いたクレヨン画は全国の学校で展示されたようだが、下手の代表作としてではないはず)はうまいとは思わなかった。
その旨を担当者に正直に話したら、その方はどこかから光井氏が40~50年前にイェール大学に送ったスケッチブックを持ち出し、記者に見せた。パラパラと数ページ見ただけだが、めまいを覚えるほど驚嘆した。ダ・ヴィンチの微細な人体解剖図かビュフェの線描画に勝るとも劣らない。
そこで考えた。ル・コルビュジエは建築家かつ画家として知られる。先生、先生は古希を迎えられた。もう本業はスタッブに任せて、線描画家に転身されてはいかがか。わが国の厳しい設計業の内幕・内実は、「書くな」(影響が大きすぎるという意味)と厳命されたので書かないが、プリツカー賞を受賞する前に山本理顕先生から聞いている。神経をすり減らす激務から解放されて自由気まま、融通無碍に線描画を描いたら埋もれていた才能が花開くのではないか。
こんなことを書いても誰も信用しないだろうから、1年に1作品としていくらで売れるかの計算をした。公共施設やホテル向けに100号50万円として500枚で2億5,000万円、一般向けに10号5万円として2,000枚で1億円、合計3億5,000万円だ。小生も5万円だったら1枚購入する。画商に手数料として半分渡しても、1億5,000万円は手元に残る。向こう10年間で15億円だ。
参考までに。小生は安藤忠雄先生の「仙川」、隈研吾先生の「原宿」のマンション購入を真剣に考えたが、予算が足りなかった。絶賛した「HARUMI FLAG」の記事にはアクセスが殺到した。少しは購入検討者の役に立ったはずだ。
驚いたのは、先生のデッサンだけではない。同社のスタッフの一人でシニアアソシエイト・武田美紀氏も参画したという大和ハウス工業「プレミスト首里金城町」67戸(2023年竣工)の模型もそうだ。飛び上がらんばかりに驚いた。素晴らしい傾斜地マンションだ。
首都圏の傾斜地マンションといえば、第一ホテルエンタープライズ「ヒルサイド久末」65戸(1985年竣工)、同「ゆりが丘ヴッィレッジ」82戸(1986年竣工)、丸紅「テラス寺尾台」43戸(1986年竣工)、谷脇建築設計事務所「熱海パサニアクラブ」279戸(1989年竣工)、三武「ヒルサイドテラス平山城址」42戸(1991年竣工)などを思い出すが、「首里金城町」もわが国を代表する傾斜地マンションの一つと言えるのではないか。
大和ハウスは年に2回くらいメディア向けマンション事業説明会を実施しており、担当者もこの物件について触れているはずだが、記者は全然覚えていない。
プレス・リリースも読んでいないので今確認したら、物件概要に光井純&アソシエーツ建築設計事務所の記載はない。小生はデザイン監修や設計者を必ずチェックするが、記載されていない物件のほうがはるかに多い。
光井氏の代表作の一つである「HARUMI FLAG」の展示は1室があてがわれていた。約60年の分譲マンションの歴史の中で、記者が優れた大規模マンションを3物件上げるとすれば、「広尾ガーデンヒルズ」「パークシティ浜田山」「HARUMI FLAG」だ。詳細は省略する。見学者はぜひとも「浜田山」「HARUMI FLAG」を見学していただきたい。実際にものを見ないとその良さは分からない。
「HARUMI FLAG」を観たあとは、「三井ショッピングパーク ららテラスHARUMI FLAG」内の「1階レストラン「Cafe&Restaurant CENTRALE」を利用することをお勧めする。トマトが抜群においしい。以前記事にも書いたが、「家計は火の車のわが家のトマトの年間消費額は一般的な家庭の年間消費額6~7千円の3倍以上だ。まずいトマトは食べない。血糖値の数値が安定しているのはトマトのおかげだと思っている。酒のつまみにしている」

「プレミスト首里金城町」の模型

小生の油絵(左)とパソコンに張り付けているフラゴナール「読書する少女」
「プレミストを建替・リブネスとともに柱の一つに育てる」大和ハウス・芳井会長(2026/5/20)
東京建築祭2026にJMAが初参加|30年の取り組みを公開(2026/5/16)
槇総合計画事務所創立60周年展覧会「人と社会と建築と」3/10~4/5(2026/3/10)
抜群に美味しい「ザファーム」のミニトマト「ららテラスHARUMI FLAG」(2024/3/1)
ランドスケープ&デザイン、共用施設…最高に素晴らしい「HARUMI FLAG」板状棟(2023/11/23)
隈研吾氏が設計坪700万円超でも好調スタートプロポライフ「札幌宮の森」(2022/9/24)
三井不レジ・日鉄興和・三菱地所レジ・不燃公社麻布十番駅近接の2.5ha再開発(2020/9/19)
文句なしにいい街づくり・基本性能坪単価280万円か「HARUMI FLAG」(2019/4/24)
建築費高騰、環境対策、都市・住宅政策など5つの活動に力 不動産協会・吉田理事長

吉田氏(オークラ東京で)
不動産協会は5月21日、通常総会後の懇親会を開催。吉田淳一理事長(三菱地所取締役会長)は次のようにあいさつした。
本日は、公務ご多忙中にもかかわらず、金子恭之国土交通大臣、永井大臣政務官にご出席賜りますとともに、日頃からご支援・ご協力をいただいております関係省庁や友好団体、報道関係の皆様にも、多数のご出席をいただき、誠にありがとうございます。まず本日、当協会の定時総会が滞りなく終了いたしましたことをご報告させていただきます。
さて、国際情勢に目を向けますと、中東情勢の先行きが見通しづらい状況であり、今後も注視していく必要があります。
一方で、我が国の経済は、全体としては堅調に推移しているものの、物価上昇への対応等の課題に直面しています。不動産業を取り巻く環境においても、マーケットは総じて安定的に推移しているものの、建築費の高騰や金利の先高感など、確実に厳しさを増しつつあります。
中でも、建築費の高騰は、事業の持続可能性はもとより、市街地再開発などの都市再生、ひいては日本の経済成長に深刻な影響を及ぼす大きな課題と考えております。
この課題については、国土交通省のご協力のもと、今後日建連と合同で立ち上げる「協議体」の場で、不動産業界と建設業界が同じ方向を向いて、「担い手確保」「労務費の行き渡り」「生産性の向上」等について忌憚のない議論を行ってまいりたいと思います。
これらの状況も踏まえ、当協会といたしましては、これから申し上げる活動に重点的に取り組んでまいります。
第一に、環境政策に関する取組みです。環境政策のテーマは、「2050年カーボンニュートラル達成に向けた、建物の排出削減と経済成長の両立と、サプライチェーンでのGX推進加速による社会的要請への対応」です。2050年への道筋として、新築物件における2030年のZEH・ZEB水準の義務化、さらに、2035年や2040年に向けたエネルギー政策が示される中、省エネと再エネの両輪でさらに取り組みを加速して参ります。
また、引き続き中高層建築物における木材利用の普及を進めるほか、ライフサイクルカーボンの算定・届出の法制化や、サステナビリティにかかる情報開示に向けての対応を図ってまいります。
第二に、都市政策に関する取組みです。都市政策のテーマは、「成熟社会における人々の「共感」を呼ぶ国際競争力強化に資する持続可能なまちづくり」です。少子高齢化・人口減少の進行、自然災害リスクの増大や建築費の高騰といった課題に加え、ウェルビーイングの向上をはじめとした都市に求められるニーズも多様化しております。
都市の個性を磨き、新たな価値創造やイノベーションを創出する、災害に対するレジリエンスを強化するといった、まちを「つくる」ということに加え、まちを「育て、活かす」という視点で、引き続き、既存ストックの利活用の促進、持続可能なエリアマネジメン体制の構築に取り組んで参ります。
第三に、住宅政策に関する取組みです。住宅政策のテーマは、「安心・安全に誰もが暮らせる住まいの確保と既存ストックの有効活用、住宅・建築物における持続可能な社会の構築」です。4月に施行された改正マンション関係法に基づき、多世代にわたり活用されるストックを形成し、適正な維持管理等を通じて市場で適正に評価され、循環するシステムの構築を目指します。
また、こどもや高齢者、障害者の方々を含め、誰もが安心して暮らせる住まいの確保に向けて、新築住宅の供給と既存住宅の機能更新の両面で、支援の拡充等に必要な取り組みを展開して参ります。
加えて、老朽化マンションの建替えが円滑に進むよう、事業のボトルネックとなっている手続き等について、引き続き見直しを求めて参ります。
第四に、税制改正に関する取組みです。今年度期限を迎える、土地固定資産税の負担調整措置等の重要項目をはじめ、GXやDXの推進やイノベーション創出、経済社会構造の変化等に伴う課題に対応した環境、都市、住宅等の政策推進に関連し必要な税制の検討を行い、令和9年度税制改正要望をとりまとめて参ります。
第五としまして、昨年より対応を進めてまいりました「投機的短期転売問題」については、昨年11月に当協会から発信した対策について、会員企業各社の取り組みを引き続きフォローしてまいります。
不動産協会としては、これらの活動を通じ、魅力的なまちづくりや豊かな住生活の実現、さらには我が国経済の成長に貢献していきたいと思っております。
さて、話は変わりますが、いよいよ来年3月から横浜市で開催される「国際園芸博覧会」の開催まで1年を切りました。このイベントは、国土交通省をはじめ関係省庁、地方自治体、関連団体が連携して推進している、首都圏で初のA1(エーワン)クラスの国際園芸博覧会です。
本博覧会は、我が国の魅力や技術、そして自然との共生のあり方を世界に発信する貴重な機会です。昨年の関西万博の成功に続き、首都圏で開催されるこの園芸博覧会を成功させるため、皆様には是非とも応援をお願いしたいと思います。
本日ご参集の皆様方に、引き続き当協会へのご支援・ご指導をお願い申し上げまして、私のご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

懇親会場
◇ ◆ ◇
上段は、同協会事務局の協力を頂き、吉田理事長のあいさつ全文を紹介した。現在、不動産業界が抱える問題を網羅し、同協会が取り組もうとしていることが示されている。
この日(5月21日)は、三井不動産のわが国最大の木造賃貸オフィスビル「日本橋本町一丁目3番計画」の現地見学会があり、吉田理事長のあいさつを聞き終えた時点で退席した(10分間もなかった)。懇親会が始まる前、同協会副理事長で三井不動産社長の植田俊氏にお会いしたので、「社長、木造ビルの取材のほうが大事ですよね」と聞いたら、「その通り」と答えた。木造ビルについては明日(5月22日)紹介する。凄いビルが完成する。
ラッキーだったのは、会場に入るとき、わが三重県を代表する同協会理事で三交不動産社長の中村充孝氏にお会いしたことだ。歓談する時間はなかったので、その場でコメントを求めたところ、中村氏は次のように話した。
「今年は三重県政150周年、伊勢志摩サミット10周年、伊勢神宮の遷宮に向けたお木曳も始まり、大変盛り上がっている。ぜひとも三重に足を運んでいただきたい。当社の住宅事業は、東京はもちろん、地元でも資材価格などの上昇から価格が高騰し厳しい取得環境が続いているが、安価で良質な住宅を提供できるよう鋭意取り組んでいる」
木造ビル建築現場でも三重に関するとてもいい情報を得られた。これも明日紹介する。

中村氏
環境、都市、住宅、税制への取り組みに重点不動産協会・吉田理事長(2025/5/14)
東京建築祭2026にJMAが初参加|30年の取り組みを公開

光井純&アソシエーツ建築設計事務所は、2026年5月21日・26日(10:00〜17:00)に行われる「東京建築祭2026」に初参加する。「HARUMI FLAG」や「麻布台ヒルズ」などのプロジェクト展示に加え、マスタープランから建築・空間・ディテールまでを一体的に捉えたJMAのデザインを紹介する。
東京建築祭は、東京の魅力的な建築を楽しむ大規模イベント。昨年は11万人以上が来場している。会場は会場:光井純&アソシエーツ建築設計事務所 東京本社(JMA)
(東京都品川区西五反田5-2-4 レキシントン・プラザ西五反田3F)。
「HARUMI FLAG」で美しい花を咲かせたい光井純氏建築美を語る(2023/1/30)
後藤太一+リージョンワークス「経営戦略としての都市再生」関係者必携の好著

(提供:リージョンワークス)
「第16回 不動産協会賞(2025年刊行分)」を受賞した3作品の一つ、後藤太一+リージョンワークス著「経営戦略としての都市再生:チームによるエリアマネジメントの実践と手法」(学芸出版社、A5変判・272頁)を読んだ。受賞理由の「福岡、神山、渋谷、福井で都市の経営を30年実践してきた実務のプロが…知見を示す内容は、まちづくりの現場で役立つヒントが詰まった、実践者のための指南書となる一冊」であるのは間違いない。都市再生、街づくり・地域活性化に取り組むすべての関係者必携の好著だ。
読むことを決めたのは、2026年4月16日に行われた同賞表彰式で同協会理事長・吉田淳一氏(三菱地所会長)が「今回は特に不動産業界に深く関わるさまざまなテーマの課題について、示唆に富んだ著作が選ばれた。どれも中身の濃い素晴らしい著作」(不動産流通研究所WEB「R.E.port」)と述べ、書籍の帯には馬場正尊氏(建築家/OpenA代表)と藻谷浩介氏(地域エコノミスト)の〝絶賛〟メッセージがあったからでもあるが、何よりも「福岡、神山、渋谷、福井で30年、まちの経営を支えた実務のプロが導く戦略・組織・事業のつくり方」のうたい文句に引き付けられ、また、あれやこれやのデータをかき集め、同業の学者・研究者の論文で自論を〝補強〟する、ありきたりの学術論文ではないと確信したからだ。
読み始めたのは、「この本は、まちづくりやエリアマネジメントに取り組むデベロッパー、鉄道会社、自治体などにお勤めの方、飲食店や集会施設を含めて人が集まる場づくりをしている方、まちづくりの仕事に関心を持つ学生や実践しているコンサルタントにぜひ読んでいただきたい。同時に、まちに関心を持つ、さまざまな方に読んでいただけるよう、どこから読んでも、気になる章だけ読んでも、あるいは(主にⅢ部は)参考書のように都度参照していただいて大丈夫なように、アラカルトの構成にもなっている。さあ、新たなる希望と武器を得て、都市に出て行こう」(「はじめに」19p)という呼びかけに従い、第Ⅰ部「ケーススタディ」の章末に紹介されている、「現場の手触り感や体温が伝わる」(19p)の座談会からだった。
この選択は正解だった。福井の座談会で後藤氏は「これからの福井の物語をみんなで紡いでいきましょう」と締めくくっているが、この言葉がストンと腑に落ちた。同著にある「貿易や戦争における日本とアジアの玄関口であり続けた福岡が、その発展史を未来志向で伸ばしていく必然性に、関係者がストンと腹落ちしたのである」(215p)と同じ感覚だ。
あらゆる人を巻き込み、その地域ならではの歴史や文化を織り込みながら街を再生し次世代に継承していく活動は、まさにその地域の綿や繭などの天然資源をよりをかけて糸にし、自然由来の草木などを用いて得も言われぬ色に染め上げ、それを縦糸と横糸にして丁寧に織り込み、丈夫で長持ちする布に仕上げる「紬」そのものだ。小さいころ、祖母がカラン、コロンと音をたてながら蓆を編み、昔話を聞かせてくれた記憶を、この書籍は呼び覚ませてくれた。
「物語を紡ぐ」ことの重要性については、スーザン・ジョージ著「これは誰の危機か、未来は誰のものか」(岩波書店・荒井雅子訳)で、変化を実現するため必要な「6つのM」が提示されている。つまりMoney(資金)、Management(マネジメント)、Media(メディア)、Mission(使命)、Motivation(意欲)、Myth(神話・物語)」が参考になる。スーザン氏はこの「6つのM」の中で「Myth(神話・物語)」がもっとも重要だと述べている。
もう一つ、ストンと腑に落ちた座談会での会話がある。「複眼的なメンバー構成と、組み合わせが多様にある柔軟さ、そしてトリガーを引く人が複数いる体制があることは大きい」(71p)と、松岡恭子氏(スピングラス・アーキテクツ代表取締役)は述べている。
この「複眼的なメンバー構成」はとても重要なことだと思う。徳島県神山町プロジェクトのワーキンググループ(WG)を立ち上げる際に「WGは役場と民間とそれぞれ14名ずつの計28名で構成された。役場職員はさまざまな課から、民間人は町内で生まれ育った人と移住者がバランスするように配慮し、男女比も半々に近づくようにした」(78p)結果、「町民・町内バスツアー」の参加者は延べ1,000人を超えている」(102p)。同町の人口は約4,500人だから、ものすごい人数だ。
「複眼的」で思い出すのは、令和4年10月に亡くなった千葉大学名誉教授・小林秀樹氏(享年68歳)の「複眼の視点」だ。小林氏は2010年11月のフォーラムで「『縦割り制度』を見直し、私たちの暮らしの実態に近づけようとする複合・混合・連携・協働・総合・合築・中間などの言葉で表現される試みを『複合』という言葉に代表させて『複合の可能性を追及しよう』」と語った。
小林氏に関する記事は何本か書いたが、いま検索したらアクセス数は1万件近いものもあった。小林氏には多くのファンがいたということか。惜しい方を亡くした。
ケーススタディ座談会のあと、第Ⅱ部「フレームワーク」、第Ⅲ部「メソドロジー(方法論)」を読んだ。書き出すと止まらないので詳細は省くが、データ収集による予習が重要、各自治体が公表するデータはCSVにすべき、自分の目で街を観察すること、東京を物差しにした論議は視野狭窄に陥りやすいこと、どの都市でも中心地から半径2㎞の範囲に個性的な地区が隣り合っていること、見えない情報は個別のインタビューで補うこと、大規模なシンポジウムよりも、皆で対話するセミナーなどのほうが、人数が少なくても共感が得られる…とし、総括として図示されている日本のエリアマネジメント実務に必要なスキルセットはとても参考になる。
4市のケーススタディは飛ばし読みした。〝100年に1度〟の再開発で沸く渋谷では、「MIYASHITA PARK」は何度も取材(飲む目的もあるが)した。「渋谷川」と「玉川上水旧水路緑道」も歩き、課題(都市公園もそうだが、利用・歩きたくなる仕掛けが圧倒的に欠ける)も見つけた。
他の都市再生プロジェクトは、メディアなどが報じている以外のことは知らない。福岡は、近年では数年前に2度取材しただけだ。神山は一度も行ったことがない。そもそも徳島は大歩危・小歩危を電車の中から眺めただけだ。福井は、水上勉の出身県なので好きな県ではあるが、永平寺に行ったことしかない。知らないことは書かないのが記者の基本姿勢だ。

後藤氏(提供:リージョンワークス)
◇ ◆ ◇
神山町について。神山町は今年1月、「【第3期】まちを将来世代につなぐプロジェクトの策定について」を発表している。2016年に開始した創生戦略「まちを将来世代につなぐプロジェクト(つなプロ)」が10年の節目を迎えたことから、これまでの取り組みを整理し、2026年度から2030年度までの5年間を戦略期間とする第3期として策定したものだ。
しかし、同町の人口動態や財政状況を見ると、前途は容易ではない。令和7年度の人口は4,529人(前年度比65人減)。内訳は出生9人、死亡116人(自然減107人)、転入169人、転出128人(社会増41人)。転入は多いが、死亡・転出を埋めるには至っていない。
令和7年度予算は71.1億円で、町税4.4億円、繰入金2.1億円などの自主財源は3.0億円、自主財源比率は43.4%だ。財政力指数は0.2で、全国市区町村の中でも下位にランクされている。
書籍にも登場するリージョンワークスのメンバーで、神山町に移住してプロジェクトの主要メンバーを務める森山円香さんを含め、頑張れというほかないのだが…。
投稿によると、森山さんはいま、京都大学の大学院に通っているそうだ。片道5時間の道のりは全然苦にならないという。最近、ひよこを飼い始めたとある。森山さん、鶏は4~5羽くらいだと毎日家族分の卵を産みますよ。鶏小屋は近所の人が作ってくれるはず。雄も交えたほうがいい。〝コケコッコー(早く起きろ)〟とけたたましい声で鳴くのは雄だけ。飼育代はそんなにかからない。フンは肥料になる。

神山町ホームページから
◇ ◆ ◇
エリアマネジメントについて一言。この嚆矢は一般社団法人大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会のはずだ。1998年2月、 「ゆるやかなガイドライン」を策定し、発表したのが走りだ。
同協会は表に出ることはほとんどないが、三菱地所の取り組みなどを通じてずっと取材してきた。何がすごいかといえば、メインストリートの都道・丸の内仲通りのイベントだ。都道の占用(使用)許可は年間約3.2万件あるが、大半は道路工事関連だ。イベントなどの件数は公開されていないが、申請資料作成は大変なはずだ。それでも仲通りは訪れるたびに何らかのイベントで使用されている。車が通っている光景などほとんど見たことがない。もう廃道にしてはどうかと思うほどだ。
もう一つ、まだエリアマネジメントなる言葉がなかった時代に、街づくりをコントロールしていたのが、記者が〝奇跡の街〟と呼ぶ山万の「ユーカリが丘」だ。事業に着手したのが昭和46年。その後、50~60年代に入ってからか、他の事業から撤退し、退路を断って「ユーカリが丘」などの街づくり・開発中心に切り替えた。市場の好不況にかかわらず住宅の年間供給量は200戸くらいに絞り、人口動態を日々チェックし、高齢化が進むと若年層向けの住宅供給比率を高め対応した。街ですべてが完結するよう、それこそ〝ゆりかごから墓場まで〟の施設を整備した。ここもエリマネの見本のような街だ。
後藤太一+リージョンワークスと学芸出版社にお願いがある。この書籍をこれでおしまいにするのではなく、続編を出版していただきたい。出版されたのが2025年9月だから、この5年後の2030年あたりがいい。PDCA(Plan-Do-Check-Action)だ。各プロジェクトはどうなったのか。座談会に登場した方々でまた語り合っていただきたい。シリーズ化すれば、これまでにない人・街・文化を紡ぐ書籍になるはずだ。
その際には、2025年5月に発刊された「永山祐子作品集 建築から物語を紡ぐ」(グラフィック社)とまではいかなくとも、カラー版にし、各氏の顔写真ももっと大きくしてほしい。今回の書籍の粗を探すとすれば、学術書に多いA5変判であるからか、四六判のブックカバーに収まらず、各ページの余白は上下左右とも約1cmしかないことだ。
めっちゃ楽しい三菱地所など「仲通り綱引き大会2025」ソニー生命 2年ぶり4度目V(2025/5/22)
壮大な街づくりの一環 501㎡の「新国際ビル」路地裏を多目的空間にリノベ三菱地所(2022/5/27)
旭化成ホームズ・松本吉彦氏「一緒に登山…」故・小林秀樹千葉大名誉教授を語る(2023/8/5)
富裕層の心揺さぶるタカラレーベン創業50周年記念「福岡天神」約1年で完売(2023/2/4)
公園が旅の目的になるわが国初のPFI事業三菱地所他「光と風の広場」開業(2022/3/22)
期待の大きさの分だけ深い失望「渋谷川・古川の河川再生」現地を歩く(2020/10/5)
若い人で溢れかえる「立体都市公園制度」を活用した三井不「MIYASHITA PARK」(2020/9/6)
平成の田園調布になるか 1区画200坪の街づくりつくば市の「春風台」(2015/5/15)
奇跡の街〟山万「ユーカリが丘」で新たな試み(2008/7/31)
〝奇跡の街〟山万「ユーカリが丘」で「電気バス社会実験」出発式(2009/4/24)
「理想の間取りは普通の間取り」 小林秀樹・千葉大大学院教授(2014/1/22)
〝複合〟でつなぐ地域の暮らしと福祉「もう一つの住まい方推進協議会(AHLA)」フォーラム(2010/11/29)
大和ハウス 分譲型木造賃貸「MOKURIE(モクリエ)」全国展開

「MOKURIE(モクリエ)」
大和ハウス工業は5月7日、分譲型木造賃貸住宅「MOKURIE(モクリエ)」を2026年5月11日から全国展開すると発表した。外装材に地産材を活用したオリジナルルーバーを使用し、施工は地域工務店に依頼し、住まい手を対象とした現場見学会を行うことなどで、地域の林業振興と雇用創出・経済循環にも貢献する。
「MOKURIE(モクリエ)」の外装材には地域の間伐材を活用したオリジナルルーバーを採用し、10~15年の周期でルーバーを交換することで木材活用サイクルを実現するとともに、施工は地域工務店に依頼することで、地域の林業と木材加工業、建設業における雇用創出と経済循環を創出し、持続可能な地域経済の構築に貢献する。
あわせて、住まい手に地域の山を身近に感じてもらうために、林業の現場見学会や植樹体験なども案内する予定。
建物は、高断熱化、太陽光発電システム、LED照明、高効率空調などを導入することでZEH-Mに対応。石調仕上げの「DOMA(土間)」、フローリングや畳調仕上げの「ENGAWA(縁側)」を採用し、リビング天井高は3mを確保する。
販売対象は全国(北海道、沖縄は外観・仕様が異なる)で、事業形態は分譲賃貸・固定プラン、規模・構造は木造軸組工法2階建て重層長屋。
分譲型木造賃貸住宅は大東建託も力を入れており、両社のシェア争いが注目される。
「MoN Takanawa」世界的建築賞「Prix Versailles(ベルサイユ賞)」リストに選出

「MoN Takanawa:The Museum of Narratives(モン タカナワ: ザ ミュージアム オブ ナラティブズ)」
隈研吾氏が外装設計を、品川開発プロジェクト(第Ⅰ期)設計共同企業体(JR東日本建築設計・JR東日本コンサルタンツ・日本設計・日建設計)が内装設計を担当している「MoN Takanawa:The Museum of Narratives(モン タカナワ: ザ ミュージアム オブ ナラティブズ)」がユネスコによる世界的建築賞「Prix Versailles(ベルサイユ賞)」の「The World's Most Beautiful Museums 2026(世界で最も美しいミュージアム2026)」リストの一つに選出されたと、施設を運営する一般財団法人JR東日本文化創造財団が5月4日発表した。
リスト選出について、隈氏は「今までのミュージアムでは絶対に得られなかったような『自由』を獲得する」「都市に緑を復活させる試みであるだけではなく、都市に自由を復活する挑戦」と、共同企業体は「これまでにないミュージアムを創りたいという想いをもつ関係者との対話を重ね、この場を実現できたことに感謝します」と、世界ベルサイユ賞機構事務総長・Jérôme Gouadain氏は「世界の新設ミュージアムの中でひときわ存在感を放っています。この卓越した文化コンソーシアムが都市に溶け込む様は、サステナブルな建築の実現における野心的かつ深くインスピレーションを与える好例」とそれぞれコメントしている。
日本のミュージアムの選出は、2024年の下瀬美術館(広島県大竹市)に続く2館目。「世界で最も美しいミュージアム 2026」には「MoN Takanawa」を含む世界7施設が選出されており、最優秀賞、内装特別賞、外装特別賞は2026年末に開催される授賞式で発表される予定。
令和7年度の住宅着工戸数71.1万戸 前年度比12.9%減 マンション21.2%減 国交省
国土交通省は4月30日、令和7年度の建築着工統計調査をまとめ発表。新設住宅着工戸数は711,171戸で、前年度比12.9%減となり,昨年度の増加から再びの減少。利用関係別では、持家195,111戸(前年度比12.6%減)、貸家は308,906戸(同13.5%減)、分譲住宅は200,563戸(同12.6%減)。分譲住宅の内訳はマンション82,881戸(同21.2%減)、一戸建住宅115,200戸(同5.9%減)となった。建築工法別では、プレハブは88,669戸(同5.5%減)、ツーバイフォーは88,284戸(同10.8%減)。
首都圏は、持家42,353戸(同9.1%減)、貸家129,226戸(同4.5%減)、分譲住宅89,896戸(同17.1%減)。
首都圏分譲マンションは36,706戸(前年度比31.5%減)。都県別内訳は、東京都18,019戸(同39.2%減)、神奈川県10,744戸(同20.6%減)、埼玉県4,332(同11.6%減)、千葉県3,611戸(同34.9%減)。
首都圏分譲戸建ては51,208戸(前年度比3.8%減)。都県別内訳は東京都16,226戸(同2.8%減)、神奈川県13,353戸(同5.5%減)、埼玉県11,898戸(同8.9%減)、千葉県9,731戸(同4.4%増)。
令和8年3月の総戸数は63,495戸(前年同月比29.3%減)。内訳は持家16,659戸(同7.4%減)、貸家27,678戸(同35.2%減)、分譲住宅は18,530戸(同21.7%減)となった。
樹林地に定量的基準はあるのか 新宿区は「10㎡に1本の割合」仙川崖線を歩く

「仙川崖線」
皆さんは「樹林地」をご存じか。「沼沢」「河川」「田畑」などとともに日常使う言葉だが、では「樹林地」の定義を聞かれたら答えられる人はどれだけいるか。
なぜこんなことを冒頭に書くか。実は一昨日(4月26日)、東京大学名誉教授・石川幹子氏による「樹林地とは? 」と題するオンラインセミナーが行われた。趣旨には「明治神宮外苑の建国記念文庫の杜は『樹林地ではない』と定義され、伐採されました。この定義を適用すると明治神宮内苑の杜も、『樹林地ではない』となり、極論をすれば伐採が可能となります。本セミナーでは、この論理を学術的、法的かつ政策的に検証し、『虚偽の構造』を明らかにします」とあった。記者も視聴申し込みしたのだが、時間を間違えて聴き逃してしまった。
なので、石川氏が何を話されたのかわからない。おそらく、神宮外苑再開発に関して、新宿区が風致地区に指定されている建国記念文庫の森の樹木伐採は違法であることを〝実証〟されたのだと思う。
さて、では「樹林地」とは何か。言葉の意味はともかく、都市計画法ではどうなっているか調べた。「樹林地」の言葉は1か所しか使われていない。良好な居住環境を確保するための地区整備計画で「現に存する樹林地、草地等で良好な居住環境を確保するため必要なものの保全に関する事項」を定めることができるとしているのみだ。
また、国土交通省「都市緑地保全法運用指針」には、「『樹林地』とは、当該土地の大部分について樹木が生育している一団の土地であり、樹林には竹林も含まれる」とし、「(都市計画)基本計画が対象としている緑地は、都市において『樹林地、草地、水辺地、岩石地…良好な自然環境を形成しているもの』であることから、基本計画においては、法に規定されている各種制度のみならず都市公園、風致地区、生産緑地地区、保存樹・保存樹林等都市における緑地の保全に資する施策を広く展開することが望ましい」としている。定量的な数値は示されていない。
これらを受け、「新宿区における東京都風致地区条例に基づく許可の審査等に関する基準」は「(風致)区域内に1,000㎡以上の一団の樹林地がある場合は、その50%以上を残存させるよう指導すること」と定めている。
ところが、新宿区は令和6年10月25日付「明治神宮第二球場解体工事等のための木竹の伐採許可通知書」で「(建国記念文庫の森を含む)申請区域に一団の樹林地は存在しない」と認定。その根拠として「樹林地とは一般的に平均高さ5m以上の樹木が10㎡に1本の割合で存する300㎡以上の土地」とし、建国記念公園の面積は約4,711㎡で樹木本数は135本なので、10㎡当たり0.28本となり、「10㎡当たり1本」の樹林地に該当しないとした。
この決定を不服とし、2023年7月、住民らが新宿区長を相手取り、樹木伐採は違法とし、区の許可取り消しを求めて東京地裁に提訴した。裁判は継続中。
令和8年3月6日に開かれた東京地裁の意見陳述で原告は「樹木伐採許可書を見た時に、『建国記念文庫は樹林地ではないので、風致地区条例の新宿区の審査基準で定められている、木を半分残すようにと事業者に対する行政指導の対象とならない』と書いてあり、私は驚愕しました(略)新宿区の担当課に聞いてみると、『川崎市の定義』によると、(樹林地は)『平均高さ5m以上の樹木が10㎡に1本以上の割合でまとまって存する300㎡以上の土地をいう』というものです(略)今回、この疑問を東京大学名誉教授の石川幹子先生にお伺いしたところ、先生は川崎市の環境審議会委員を10年以上にわたり務められ、部会長として法定計画である『緑の基本計画』の策定にあたられ、都市緑地法に基づく特別緑地保全地区の指定も20カ所以上、行ってこられましたが、この定義は一度もないということでした(略)先生は鎮座百年の明治神宮内苑調査の副座長も務められており、内苑の樹木調査を行っておられました。平成25年の樹木数は、21,139本(高木)、樹冠投影面積は、計測の結果、64haでしたので、10㎡当たりの樹木数は、0.3本でした」と述べている。


仙川崖線
◇ ◆ ◇
一昨日(4月27日)、調布市の特別緑地保全地区に指定されている「仙川崖線」を歩いた。「10㎡に1本」を念頭に、樹林地はどのようなものかを確認するのが目的だった(昔よく通った駅前の飲食店に寄る目的もあったのだが…)。樹林地にはシラカシ、クヌギ、コナラなどの高木が生い茂っていた。仙川では近くの保育園児、小・中学生などが制作した数千匹もの鯉のぼりが気持ちよさそうに泳いでいた。
仙川崖線内の樹木の数は、目視した限りでは10㎡(3坪)に1本の割合には達していないと思った。意外だったのは、植わっている樹木ほどではなかったが、枯死木の株がたくさんあったことだ。(写真参照)
そこで翌日(4月28日)、調布市役所に問い合わせた。目視した通りだった。仙川崖線の面積は約10,500㎡、樹木数は約370本とのことで、10㎡当たり0.35本だった。「10㎡当たり1本」とする樹林地の解釈について、市の担当者は「そのような視点で樹林地を見ていない。いかに既存の緑を保全するかが重要」と話した。
仮に、樹林地を「10㎡当たり1本」にしたら、調布市だけでなく、全国の樹林地は半減どころか、3分の1にもならないのではないか。「新宿区緑の実態調査報告書」第9次によると、令和3年時点で「区内の100㎡以上の樹林は1,761箇所、面積合計は1,581,190㎡、1箇所当たりの樹林面積は898㎡」とある。同報告書でも神宮外苑の建国記念文庫の森も「樹林地」として図示されている。
裁判の行方は分からない。新宿区の対応が合法となれば、この「10㎡に1本」が風致地区や緑地保全地区の樹木伐採の基準になる可能性がありそうだ。

仙川で泳ぐ鯉のぼり


電信柱のように強剪定された国道・甲州街道の街路樹

