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 コスモスイニシアは5月13日、2021年3月期決算を発表。売上高107,257百万円(前期比3.0%減)、営業利益2,376百万円(同60.5%減)、経常利益2,207百万円(同58.0%減)、純利益2,007百万円(同41.2%減)と減収減益。

 主力のレジデンシャル事業は、新築マンション、新築一戸建の引渡戸数が増加した一方で、売上総利益率が低下したため売上高40,700百万円(前期比8.9%増)、営業利益1,321百万円(同14.5%減)となった。内訳はマンションが20,779百万円(455戸)、一戸建が7,920百万円(92戸)、リノベーションマンションなどが11,248百万円(232戸)。期末完成在庫はマンションが135戸(うち未契約105戸)、一戸建が10戸(同6戸)。

 アパートメントホテル「MIMARU」は、新型コロナの影響を受け売上高593百万円(前期比95.3%減)、営業損失3,017百万円(前期は1,162百万円の利益)を計上した。

 次期業績予想は、売上高115,000百万円(前期比7.2%増)、営業利益3,000百万円(同26.3%増)、経常利益2,300百万円(同4.2%増)、純利益1,800百万円(同10.3%減)の見込み。


 

 住友不動産は5月13日、2021年3月期決算を発表。売上高9,174億円(前期比9.5%減)、営業利益2,192億円(同5.4%減)、経常利益2,099億円(同4.8%減)、純利益1,413億円(同0.3%増)となった。営業外損益の改善が進み、純利益は10期連続増益、8期連続最高益を達成した。

 セグメント別では、オフィス、ホテルなどの賃貸事業は、売上高3,982億円(同0.6%増)、営業利益1,552億円(同8.4%減)。ホテル、イベントホールなどは新型コロナの影響を大きく受けたが、オフィスは、空室率2.8%(前期末は1.4%)の低水準を維持するなど増収増益となった。

 不動産販売は、売上高2,633億円(同18.9%減)、営業利益539億円(16.0%増)。計上戸数は前期の5,431戸から4,164戸へ大幅に減少し、売上高も減少したが、広告費、販売費の減少、粗利益率の改善により営業利益は過去最高となった。マンションの期末完成在庫は1,184戸(前期末1,466戸)。次期計上予定戸数3,800戸の期首契約率は約80%(前期は約80%)まで進捗している。

 新築そっくりさん・注文住宅などの完成工事は、売上高1,887億円(同13.8%減)、営業利益155億円(同24.4%減)。計上棟数が9,940棟(同16.7%減)となったため減収減益。

 不動産流通事業は、売上高657億円(同7.6%減)、営業利益114億円(同21.3%減)。仲介件数は35,122件(同2,593件減少)。

 次期業績予想は、売上高9,200億円、営業利益2,280億円、経常利益2,210億円、純利益1,500億円の増収増益を目指す。不動産販売は減収減益を予想。

◇      ◆     ◇

 マンションが好調を維持している。同社は第八次中期経営計画(2020/3~2022/3)では「量を追わず利益重視で販売ペースをコントロールしていく」「競争激化の用地取得環境が続く中、『好球必打』で着実に確保する方針は継続する」と戦略転換し、マンション・戸建ての計上戸数は2019年3月期の5,948戸から2021年3月期は4,149戸へと約1,800戸も減らしながら、営業利益は過去最高となった。

 〝機を見るに敏〟の言葉がピッタリの値付けもさることながら、プロジェクトごとの販売事務所を設けず、総合マンションギャラリーを首都圏に7館、関西に2館、東海に1館に集約し、広告費、販売経費などを削減しているのも大きい。

 売上高を計上戸数で割った1戸当たり単価は2019年3月期の5,435万円から2021年3月期は6,083万円へ648万円も上昇しているのも「好球必打」を実践している証拠か。


 

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 3度目の緊急事態宣言が4月25日に発令されてから20日が経過したが、新型コロナ感染者は減るどころか増加傾向をみせている。第一波の今ごろは20~30人台で、5月17日(日)は5人まで減少したというのに、どうなっているのだろう。

 別表に、2度目の緊急事態宣言が3月21日に解除されてから5月12日までの東京都の感染者と経路不明者の推移を示した。

 500人以下だったのは4月6日の399人までで、7日に555人になると、その後は増勢を強め、5月12日までに500人以下は3日しかなく、1,000人超は4日を数える。

 変異種の影響か、感染者は20~40代の働き盛りの人だけではなく、10代や50歳以上も増えている。

 記者が心配しているのは、経路不明比率が減少しないことだ。3月21日から5月12日までの経路不明比率は平均57.3%だ。50%割ったのは8日間のみ。逆に60%超となったのは15日もある。半数以上の人は身に覚えがないか、コロナ自警団恐れて沈黙を守っているのだろうか。無症状の人が3~4割いると言われているのが感染拡大に拍車をかけているのだろうか。

 不明比率が50%を割らないと感染者は減らないのは素人でもわかる。菅総理が仰った「経路不明の大半は飲食関係」というのは本当だろうか。

 疑問符ばかりだ。

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 三菱地所は5月13日、2021年3月期決算を発表。売上高は1兆2,075億円(前期比7.3%減)、営業利益は2,243億円(同△6.8%減)、経常利益は2,109億円(同3.9%減)、純利益は1,356億円(同8.6減)と減収減益となった。

 新規オフィスビルの通期稼働や竣工、及び既存ビルの賃料増額改定等によりビル賃貸利益は増加し、マンション利益率も改善したが、新型コロナウイルスの影響を受けた商業施設、ホテル事業の利益の減少、海外事業の物件売却収入・利益が減少した。

 固定資産売却益、有価証券売却益など特別利益として1,660億円、固定資産除却関連損、子会社清算損、新型感染症対応など特別損失として263億円を計上した。コロナ影響額は、ホテル、商業施設とも約170億円など全体では400億円としている。

 セグメント別では、オフィス、商業施設、ホテルなどのコマーシャル不動産事業は売上高6,724億円(前期比7.1%減)、営業利益1,807億円(同3.8%減)。オフィスは、四谷タワーなどの通期稼働、みずほ丸の内タワー・丸の内テラス等の竣工、既存ビルの賃料増額改定などにより賃貸収入・賃貸利益が増加した。空室率は2.35%(前期末1.86%)と若干上昇した。商業施設やホテルは、新型コロナの影響を受け、収入、利益とも大幅に減少した。

 住宅事業は、売上高3,627億円(同5.9%減)、営業利益240億円(同1.0%減)。国内分譲マンションの売上計上戸数は増加したが、首都圏郊外や地方都市での売上計上物件が多く、平均戸当たり単価の低下により減収。一方、粗利益率の上昇により利益は増加した。海外は、アジアでの分譲マンション事業利益などが増加した一方で、前期に計上した英国での物件売却による収入・利益の反動減があった。

 2022年3月期業績予想は、新規ビル竣工やキャピタルゲイン増加などを見込み売上高1兆3,260億円(前期比9.8%増)、営業利益2,450億円(同9.2%増)、経常利益2,200億円(同4.3%増)、純利益1,420億円(同4.7%増)、と売上高・営業利益・経常利益とも過去最高を見込む。配当は33円を予想している。

 なお、純利益が前回予想を上回ったため年間配当を30円予想から31円に増配する予定。

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 記者の取材フィールドであるマンション事業がどう着地するか注目していた。前日の東急不動産ホールディングスが完成在庫を827戸(前期比82.6%増)も出したからだ。

 マンションの売上高2,035億円(前期比0.2%増)、計上戸数3,214(前期は3,476戸)、粗利益率18.7%(同17.8%)、完成在庫213戸(前期比160戸減)となり改善した。2022年3月期は2,030億円、計上戸数2,900戸、粗利益率20.0%を予定している。

 オンライン決算説明会で、同社取締役兼代表執行役執行役専務・片山浩氏は「当初はコロナの影響で在庫が増え、値引きも想定していたが、予想以上に好調に推移した。しっかりと良い物件・エリアを選んで、そのエリアにマッチングしたスペックの良いものを創っていけば、都心も郊外も好調は持続できる」と語った。

 記者は、同社のマンションをこの1年間1物件も見学していないのでよくわからないのだが、業界全体としては価格が上昇する一方で、その分だけ専有圧縮、設備仕様レベルダウンしていると思っている。質問したかったが、決算資料を読み込んでおらず、パソコンの操作の仕方もよくわかなかったのでやめた。同社のスペックは落ちていないと理解することにした。

 ナイスは5月12日、2021年3月期決算を発表。売上高は2,140億円(前期比14.9%減)、営業利益は44億円(同273.5%増)、経常利益は39億円(同1,004.2%増)、純利益は20億円(前期は純損失37億円)となった。売上高は減少したが、粗利益率の改善、販売用不動産の売却などを行った結果、大幅な増益となった。

 次期業績予想は、売上高2,050億円、営業利益32億円、経常利益26億円、純利益18億円を計画。

 また、同社は同日、前回2020年11月発表の期末15円復配に加え、創立70周年を記念して期末配当を30円に修正すると発表した。配当は3期ぶり。

 


 

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「中野駅新北口駅前エリア拠点施設整備事業」

 野村不動産を代表事業者とする東急不動産、住友商事、ヒューリック、東日本旅客鉄道は5月12日、中野サンプラザの再整備事業「中野駅新北口駅前エリア拠点施設整備事業」に関する基本協定書を中野区と5月6日に締結したと発表した。

 個人施行予定者として事業に参画し、2022年度末の都市計画決定・2028年度内の竣工を目指す。

 事業地は、JR中野駅北口の中野区中野4 丁目に位置する総面積約23,456㎡で、主要用途はホール、オフィス、住宅、商業、ホテルなど。隣接する約52,000㎡の土地区画整理事業と第一種市街地再開発事業(個人施行)の 一体的施行を予定している。

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集いの広場完成予想パース(今後変更になる可能性がございます).jpg

 アルヒは5月11日、住宅ローンの不正利用検知システム「ARUHI ホークアイ1.0」に、不適切な物件価格を検知する機能を追加した「ARUHI ホークアイ2.0」を本格稼働すると発表した。

 「ARUHI ホークアイ2.0」の検知機能により、住宅ローンの申込物件価格が市場価格と比較し不当に高い場合、アラートが表示されるもので、検知対象地域は東京23 区の中古マンションから開始し、今年度以降に対象地域を拡大する予定としている。

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 「ホーク」とは「鷹」であって、「アイ」とは「愛」ではなく「目」、つまり「ホークアイ」とは鵜の目鷹の目でもって厳しく不正を監視する意味と受け止めた。しかし、「物件価格が市場価格と比較して不当に高い場合」とはどのような場合なのかわからなかった。

 また、不当かどうかはともかく、〝なんと定価の5割引き。しかも今なら送料無料〟などとキンキン響く声がテレビのネット通販であふれかえっている。適正価格が分からない時代だ。

 マンションでも、設備仕様レベルなどの質を考慮すると、投資用ワンルームはファミリー向けより価格は5割高いのは常識だ。

 なので、同社に問い合わせた。同社広報によると、「ホークアイ」は社内の審査基準であって一般に公開する予定はないとのことだった。「不当」かどうかは中古マンションの取引事例などから判断するという。過去にどれくらいの頻度でこの種のケースがあったかも聞けなかった。投資用マンションは審査の対象外とのことだった。

 住宅ローンの不正利用が表面化した。悪徳業者を排除するために鵜の目鷹の目で監視をしてほしい。記者などは視力が衰え、みんな美しく見える。

 東急不動産ホールディングスは5月11日、2021年3月期決算を発表。売上高9,077億円(前期比5.8%減)、営業利益565億円(同28.7%減)、経常利益465億円(同31.0%減)、純利益216億円(同43.9%減)と減収減益となった。オフィスなどは堅調に推移したものの、新型コロナの影響を受けウェルネス、ハンズなどが営業損失となったのが響いた。コロナによる特別損失として66億円を計上した。

 オフィス・商業施設などの都市事業は売上高3,049億円(同4.2%増)、営業利益550億円(同4.7%増)と増収増益。オフィス空室率は1.3%(前期は0.6%)と低水準を維持した。

 マンションなどの住宅事業は、売上高1,463億円(同7.3%増)、営業利益は84億円(同1.2%減)となり、利益率が低下した。

 管理事業は売上高1,848億円(同3.1%減)、営業利益66億円(同4.2%減)、仲介事業は売上高1,284億円(同2.3%減)、営業利益123億円(同19.1%減)となった。ウェルネスは114億円、ハンズは44億円の営業損失を計上した。

 2022年3月期業績予想は、売上高10,400億円(同14.6%増)、営業利益800億円(同41.5%増)、経常利益665億円(同42.8%増)、純利益300億円(同38.4%増)。売上高は初の1兆円超を目指す。セグメントは従来の7事業から4事業に再編。人財と資源活用の観点から社会的役割の親和性が高い事業領域に区分する。

 また、同社は同日、2030年を目標年度とする長期ビジョン「GROUP VISION 2030」を発表。「WE  ARE GREEN」をスローガンに掲げ、コーポレートカラーであるグリーンを基調に、多様なグリーンの力を融合させ、魅力あふれる多彩なライフスタイルを創造するとしている。具体的数値ではROE10%以上、営業利益1,500億円以上を目指す。

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 ウェルネス事業やハンズ事業が新型コロナの影響を受け営業損失を出したのはやむを得ないが、住宅事業でマンションの完成在庫を827戸(前期比82.6%増)も出したのに驚いた。3Qの段階でも453戸あったので増えるとは思っていたが、これほどの在庫を出すのは信じられない。

 同社は在庫増について、コロナの影響を受け販売を先送りしたことや期末に竣工が集中したためとしているが、これは同業他社と同じはずだ。

 他社はどうか。三井不動産は3Qの段階でマンション計上戸数2,969戸に対して完成在庫は151戸だ。先に決算を発表した野村不動産ホールディングスは計上戸数3,669戸(戸建て含む)に対して完成在庫は販売中が239戸で、未販売182戸と合わせ421戸だ。

 先日も書いたが、大和地所レジデンスは2020年3月期の870戸に続き、2021年3月期の完成戸数898戸を3月の時点で完売したと発表した。同水準のモリモトも完成在庫は少ないはずだ。

 これらと比較して同社の在庫の多さは異常だ。827戸といえば、三井不動産がリーマンショック後の2010年3月期で計上戸数4,651戸に対して、872戸の完成在庫を出したのと同水準だが、その時は最悪期だったし計上戸数がまったく異なる。

 コロナ禍でもマンションや分譲戸建ては堅調な動きを見せており、同社も今期売上予想に対する期初の契約済みは54%(前期比4ポイント+)としているので在庫を圧縮できるかもしれないが、完成後1年経過すれば「中古」とみなされ、売れ残りというイメージが広がる。販売経費もかさむ。営業マンだって疲弊する。

 同社のマンションはこの2年間一つも見学していないが、同業他社と比べて見劣りするのか。商品企画、ブランディングを考える必要があるのではないか。

 余計なお世話だし、同社に限ったことではないが、住宅評論家や専門家を起用し(ただではないはず)、狙い目だとか住みたい街だとか語らせるのはいかがなものか。逆効果だってある。タレントはお金がかかるかもしれないが、集客力は桁違いのはずだ。東京建物は「ブリリア」を打ち出したとき、これで成功した。大成有楽不動産は昔、オードリー・ヘプバーンを起用した。故人のため著作権料はものすごく安かったと聞いた。

 もう一つ。分譲戸建ても計上戸数はゼロだ。〝街づくりの東急〟はどこへ行ったのか。

 ついでにもう一つ。記者は〝マンションはハ行〟と書いたことがある。三井不動産「パークホームズ」、三菱地所「(ザ・)パークハウス」、野村不動産「プラウド」、東京建物「ブリリア」、大和ハウス工業「プレミスト」だし、住友不動産も「(シティ)ハウス」だ。「ブランズ」が負けるはずないではないか。

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「パークホームズ調布 ザ レジデンス」

 三井不動産レジデンシャルが分譲中の「パークホームズ調布 ザ レジデンス」を見学した。駅から徒歩6分の邸宅跡地。昨年10月の販売開始からこれまでに全162戸のうち約半数を供給。競合物件がひしめく中、割安単価で早期完売を狙う戦略と見た。

 物件は、京王線調布駅から徒歩6分、調布市小島町1丁目の近隣商業地域・第1種中高層住居専用地域(建ぺい率80.94%、容積率245.28%)に位置する敷地面積約4,587㎡、8階建て全162戸。専有面積は57.03~74.86㎡、先着順で分譲中の住戸(4戸)の価格は5,990万~7,190万円(67.30~70.75㎡)。坪単価は340万円。竣工予定は2022年2月下旬。設計・施工・監理は長谷工コーポレーション。

 昨年10月から販売を開始しており、4月末までに第1期の約半数を供給。ゴールデンウィークから第2期の販売が始まっている。

 現地は、みずほ銀行の前身「調布銀行」や、創設期の京王電鉄の取締役を務めた地元の名士・井上家の屋敷跡地。

 建物は3棟構成で、標準階の住戸は南向きが5~6戸、東向きが12戸、西向きが9戸。

 主な基本性能・設備仕様は、直床・二重天井、リビング天井高は1~3階は2550ミリ、4階以上は2500ミリ、人造大理石キッチンカウンター、食洗機、エコガラス(複層ガラスにLow-E膜をコーティング)など。

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エントランス

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旧井上家(ホームページより)

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 調布駅圏では、京王線の地下化工事が完了した2013年ころから駅前の相鉄不動産「グレーシア調布」120戸、住友不動産「セントラルレジデンス調布ステーションコート」190戸、旭化成不動産レジデンス「アトラス調布」331戸が相次いで供給された。その後は目立った物件は分譲されていなかったが、ここにきて供給が増加。その数は8物件815戸にのぼる。大激戦の様相を呈している。同社物件を除く7物件は次の通り。(順不同)

①住友不動産「シティハウス調布」65戸(徒歩4分)
②阪急阪神不動産「ジオ調布」73戸(徒歩10分)
③日鉄興和不・三菱地所レジ「調布ザ・ハウス」64戸(徒歩9分)
④東急不動産他「プランズシティ調布」305戸(徒歩7分)
⑤ブリス「ブリシア調布」31戸(徒歩12分)
⑥日鉄興和不・リビタ「リビオレゾンTHURSDAY」50戸(徒歩6分)
⑦大和ハウス工業「プレミスト調布クロス」65戸(徒歩8分)

 これらはそれぞれ立地条件が異なるが、坪単価は320万~370万円の範囲に収まっており、競合は免れない。このほか同沿線では単価水準が近いつつじヶ丘駅前の日鉄興和不動産「リビオつつじヶ丘 タワーレジデンス」105戸が分譲中で、府中駅圏では三菱地所レジデンス他「ザ・パークハウス府中」182戸が近く分譲開始となる。

 今回の取材は、競合他社から「三井さんが単価を引き上げてくれれば、うちも売りやすくなるのだが…」という声を聞いていたので、それを確認するためでもあった。

 坪単価340万円と聞いて、〝わが道を行く〟隣接の住友不動産「シティハウス調布」65戸を除いてみんな割を食うと思った。設備仕様レベルは普通の〝パークホームズ〟だろうが、立地もさることながら外観デザインはいい。同業他社の動向を睨みながら割安単価に設定することで〝いち抜け〟を企図したのではないか。〝仲良しこよし〟で足並みをそろえないのはいかにも同社らしい。

 京王線の〝割り負け〟については、この前書いた東京カンテイ「2020年 マンションPER」の記事を参照していただきたい。新宿から15分の調布は、小田急線だと成城学園前、東急線だと二子玉川、田園調布、JR中央線だと三鷹とほぼ同じだ。池袋からだと東上線の朝霞、西武線のひばりが丘、東京駅の総武快速だと亀戸あたりか。

 このうち調布が単価水準で勝てるのは朝霞、ひばりが丘で、亀戸とは互角か。成城学園、二子玉川、田園調布とは同格とは言わないが、単価は200万円くらい引き離されている。街のポテンシャルはそんな負けていないはずなのに。

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現地(手前が住友不動産のマンション)

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建設現場

◇       ◆     ◇

 京王線の同社のマンションでは、近く初台駅から徒歩2分の建て替え「パークホームズ初台 ザ レジデンス」115戸(一般販売対象住戸65戸)が分譲される。敷地北側に高速・甲州街道が走っており、京王線の鉄道の騒音も気になるが、南側は緑道に面しており、借景・住環境は申し分ない。坪単価450万円以下はありえないと見たが、500万円に届くかどうか。

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「パークホームズ初台 ザ レジデンス」の建設現場

「志茂」「多摩センター」は〝割安〟か 東京カンテイ「2020年 マンションPER」(2021/5/8)

〝北千住に負けるな〟割り負け京王線の希少免震 日鉄興和不「つつじケ丘」(2020/1/9)

「道」を景観に取り込んだプラン秀逸 旭化成不動産レジ「アトラス調布」完成(2015/5/20)

調布駅前の一等地 住友不「セントラルレジデンス調布ステーションコート」(2014/3/21)

相鉄不動産 調布駅前の一等地で再開発マンション(2013/10/3)

 

 エフジェーネクストは5月10日、2021年3月期決算を発表。売上高72,988百万円(前期比14.0%減)、営業利益7,351百万円(同29.4%減)、経常利益7,334百万円(同29.0%減)、純利益4,983百万円(同26.0%減)と減収減益となった。

 主力の新築マンション売上高は33,819百万円(前期比6.2%増)、売上戸数1,142戸(同8.3%増)。内訳は資産運用型ワンルーム「ガーラマンション」が売上高26,006百万円(同13.9%増)、売上戸数969(同14.4%増)、ファミリー向け「ガーラ・レジデンス」が売上高7,812百万円(同13.3%減)、売上戸数173戸(同16.4%減)。中古マンション売上高は21,484百万円(同41.1%減)、売上戸数871戸(同42.0%減)。

 2022年3月期の業績予想は、売上高810億円(前期比11.0%増)、営業利益80億円(同8.8%増)、経常利益80億円(同9.1%増)、純利益55億円(同10.4%増)を計画している。

 

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