アパホテル サブスク30日9.9万円/コロナ宿泊施設1.8万室のうち73%1.3万室
新型コロナが全国で猛威を振るっている。緊急事態宣言は9都道府県で発令されており、今年に入って、客室稼働率(OCC)・客室平均単価(ADR)・RevPAR(1室あたり収益)とも回復しつつあったホテル業界は再び苦境に立たされている。酒の提供もできない。禁酒法時代と一緒だ。昨日(5月17日)、自衛隊高官はどういう意味か、大規模接種を控え「最後の砦」と発言した。
それでも営業を停止するホテルは少ないはずだ。何とか稼働させ、リモートやコワーキング用に居室を提供したり、マイクロツーリズムのプランを用意したりして工夫を凝らし苦境を乗り越えようとしている。帝国ホテルのサービスアパートメントは世間を驚かせた。
記者はもう一つ、全国・海外で665ホテル102,708室(建築・設計中、海外、FC、パートナーホテルを含む)を展開するアパホテルが5月7日から始めた創業50周年企画第5弾の、100以上のホテルを対象にした30日間を99,000円(税込)で宿泊できるマンスリープラン(サブスク)にも注目している。1日3,000円だ。
同社は第1波のとき、1泊2,980円のキャンペーンを張ったはずだが、今回はそれ以上だ。電車利用など移動でのコロナ感染リスクは小さいとは思うが、歩いて職場に通える同社のホテルは少なくないはずだ。この際、客室面積が狭いことなど二の次だ。
宿泊客には、元谷芙美子社長が考案した「アパ社長カレー3個セット」(記者ももらったことがある)プレゼントも用意されている。
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これだけではない。さらにもう一つ。5月14日現在の厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の軽症者等に係る宿泊療養のための宿泊施設の確保状況」によると、受入可能室数は全国18,254室で、現入室数は567室となっており、受入可能室数に占める現入室室割合は3.1%だ。一方で、アパホテルのホームページによると、厚労省や各都道府県の要請に応じて1棟貸しを行っているのは全国32ホテル13,376室だ。
この宿泊施設数は多いのか少ないのか、利用率は高いのか低いのか、厚労省と同社のデータは符合するのかしないのか判断できないが、符号するとすればアパホテルの占有率は実に73.3%に達する。
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アパグループの2020年11月期決算は、売上高90,432百万円(前期比34.1%減)、営業利益2,044百万円(同94.3%減)、経常利益1,009百万円(同97.0%減)、純利益949百万円(同95.5%減)。
帝国ホテル 激安のサービスアパートメント 業態変革を促すきっかけとなるのは必至(2021/2/4)
東急不動産 大阪・箕面萱野駅前交通広場の上空立体整備に選定
完成予想図
東急不動産は5月18日、大阪府箕面市の「箕面萱野駅前交通広場の上空立体利用(土地賃貸借契約)等にかかる提案募集」で同社の事業企画提案が4月16日付で選定されたと発表した。
箕面萱野駅前交通広場は、2023年度(令和5年度)に北大阪急行南北線の延伸により開業予定の新駅、箕面萱野駅に隣接。新駅は千里中央駅に代わって大阪の大動脈である地下鉄御堂筋線・北大阪急行南北線のターミナル駅となり、一日当たり28,000人の乗降者数が見込まれており、バスターミナルも整備される。
同社の事業提案は、箕面の山並みとの調和や交通広場への自然光の取り込みに配慮しながら、隣接するかやの広場や千里川といった豊かな自然環境を最大限に活かすため、広場のにぎわいの起点となるオープンカフェや駅ビルと広場をつなぐ大階段を計画。施設を訪れる人へ〝'憩い〟をもたらす空間づくりを目指すという。同社が隣接地で開発し2003年10月から運営している大規模商業施設「みのおキューズモール」との調和も図る。
駅ビルは敷地面積約2,200㎡、3階建て延床面積約5,500㎡。用途は店舗・バスターミナル。高架下店舗は敷地面積約1,000㎡、1階建て延べ床面積約900㎡。用途は店舗。
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再開発や電鉄会社などの駅前整備はたくさんあるが、市が主導してこの種の事業を行うことを全く知らなかった。規模は大きくないが、とても面白い取り組みだと思う。
駅前は街の玄関口だ。皆さんはどうかわからないが、駅前が美しい街を上げろと言われれば、記者などは思いつく駅などほとんどない。
例えば山手線の30駅。東京駅は美しいといえば美しいが、利用者は極端に少ない。ベンチに座ってくつろぐ人などいない。渋谷、新宿、池袋、品川、上野、恵比寿、新橋、原宿、秋葉原…どこも代わり映えしないし、田端は道路と鉄道線が続き、鶯谷などは嫌悪施設が目の前に飛び込んでくる。
ほかはどうか。成城も田園調布も自由が丘も国立も、横浜だって浦和だって千葉だって同じだ。「住みやすい街大賞」の川口は西口だけは美しいが、東口は無法地帯のようだ。浦和美園などは喫茶店まで10分以上歩く。三郷中央は大きな公園に近接しているが、商業施設が貧しい。強いてあげれば、駅前の小公園とデッキでつながっている津田沼くらいか。
…ここまで書いてきて、やはり一番美しいのはわが多摩センターだ。ここより美しい駅前があったら教えてほしい。調布は電車の地下化で駅前広場の整備に期待していたが、既存の緑がほとんどなくなった。市も京王電鉄もなにを考えているのか。こんなプアな街並みだから、ポテンシャルが上がらない。
調布に限らす駅前は、交通、業務、商業施設の利便性を最優先し、緑の環境などまったく考慮しない街づくりが行われてきた結果だ。
箕面萱野駅前交通広場は完成予想図しかないが、みどりの「かやの広場」もある。この前はフージャースコーポが公園を整備した「「デュオヒルズつくばセンチュリー」の記事を書いた。昨日は三菱地所、積水ハウスの「海の中道海浜公園」Park-PFI活用のニュースが発表された。デベロッパーの出番だ。
「街のシンボルになる」来場者 公園との垣根なくしたフージャース「つくば」に感動(2021/4/28)
三菱地所・地所レジ・三井不レジ 金町駅前で再開発複合 マンション860戸
「東金町一丁目西地区第一種市街地再開発事業」
三菱地所、三菱地所レジデンス、三井不動産レジデンシャルは5月17日、「東金町一丁目西地区第一種市街地再開発事業」の東京都の認可を受け、5月14日の総会を経て再開発組合を設立したと発表した。
プロジェクトは、JR常磐線金町駅に近い約3.0haの大規模再開発。地上40階建の超高層マンションのほか、商業施設、業務施設(自動車教習所)、公益施設などを整備。事業エリアに面している理科大学通りを賑わいの中心軸として敷地の外周に歩道状空地を整備する。
工事を2期に分け、2022年度に第Ⅰ期(商業棟)を工事着工、2025年度竣工、2026年度に第Ⅱ期(商業棟・住宅棟)を工事着工、2030年度に竣工をそれぞれ予定している。マンションは約860戸の予定。
三菱地所レジデンス、三井不動産レジデンシャルは2016年から事業協力者として事業推進に協力しており、三菱地所は2017年から商業計画検討パートナーとして事業協力を行ってきた。
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金町駅圏では、これまで約10年間の間にコスモスイニシア他「ヴィナシス金町タワーレジデンス」476戸、住友不動産の「シティタワー金町」700戸と「シティテラス金町」610戸、野村不動産の「プラウドシティ金町」421戸と「プラウドタワー金町」190戸が分譲された。5物件で約2,400戸。街並みは一変した。
今回のプロジェクトの竣工は10年近く先なのでどうなるかわからないが、坪単価は300万円台の後半になる可能性もあるか。
三菱地所・積水ハウスなど 国営公園初のPark-PFI「海の中道海浜公園官民連携事業」
全体イメージ
三菱地所(代表会社)、積水ハウス、一般財団法人公園財団、オープン・エーは5月17日、国土交通省九州地方整備局がPark -PFIを活用して公募した「海の中道海浜公園官民連携推進事業」の事業計画にあたる公募設置等計画の認定を受けたと発表した。Park-PFI事業による国営公園の開業は日本初となる。2021年7月に着工、2022年3月の開業を目指す。
「パーク・ツーリズム」をコンセプトに、公園内に宿泊やアクティビティの機能を備えた「滞在型レクリエーション拠点」などの整備を進める。
海の中道海浜公園は、福岡県東区に位置する東西約6km、面積約300 haの規模。「パーク・ツーリズム」を実現するため「憩う」「学ぶ」「遊ぶ」を体験できる宿泊施設やレストラン、アスレチックなどを整備し、「滞在型レクリエーション拠点」を創出する。
三菱地所は初のPark-PFI事業となるが、複合開発及びエリアマネジメントのノウハウを活かし、公園を拠点とした賑わいのあるまちづくりを推進する。
積水ハウスは長年の〝住〟を基軸とした事業展開により得られた技術力や住生活研究のノウハウを活かし、高い品質を備えた木造住宅シャーウッド構法を用いた宿泊施設「ヴィラ」の設計施工を担当する。
オープン・エーは球体テントなどの宿泊施設のほかにレストランや浴場施設の企画・設計・運営業務を担当する。
公園財団は公園施設の運営管理にかかるノウハウを活かし、国営海の中道海浜公園事務所などと連携して施設全体を日常的に管理し、多様なアクティビティやワークショップ、アウトドアイベントを地域と連携して取り組む。
宿泊エリア
宿泊ヴィラ
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Park-PFI、PPP事業は昨年、三井不動産の「MIYASHITA PARK」を見学して驚愕した。従前はほとんど1層で利用者もなかった公園(記者が学生のときは夜空を眺めながら彼女と永遠の愛を誓った「宮下公園」だったが)が4層になり、若い人で溢れかえっていた。この事業は公園を劇的に変える。
海の中道海浜公園はずいぶん昔だが、タクシーから眺めたことがある。施設が完成したら見たいが、まず無理か。規模は昭和記念公園の2倍近くあるというから凄い。
全体イメージ
大和ハウス 2021年3月期 期初予想上回る着地 芳井社長 1時間にわたり説明
大和ハウス工業は5月17日、2021年3月期決算に関するマスコミ向けオンラインスモールミーティングを開催。同社代表取締役社長CEO・芳井敬一氏、代表取締役副社長CFO ・香曽我部武氏、経営管理本部財務部長IR室長・山田裕次氏が出席した。
芳井社長は冒頭、「新型コロナの感染拡大を防ぐため、このようなオンラインでの説明になったのは残念。みなさんの顔をしっかり見ながら話したかった」と断りながら、3月期の決算概要を15分間説明し、メディアの質問についても約45分にわたり答えた。
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記者は、この種のオンライン説明会をかなり視聴した。ただ、醜悪な顔はもちろん、自分ですら聞くのが嫌になるほど不快な声を晒すのは恥ずかしく、チャットで質問しようかと思ったが、これまた大変失礼と判断して沈黙を守った。
質問したかったのは取材フィールドの分譲マンション事業についてだった。記者はこの1年間、同社のマンションは「築地」「白金」「船橋塚田」「平和台」などを見学し、コスモスイニシアの物件もいくつか取材した。物件は今期計上の物件が中心なので、数字には反映されていないのだろうが、商品企画は間違いなく水準以上で、デザイン性も高かった。
2021年3月期の賃貸・管理を含むマンション事業は、売上高3,393億円(前期比8.92%減)、営業利益53億円(同66.5%減)、営業利益率1.6%(同2.7ポイント減)だった。売上高はともかく営業利益・率が大きく減少したのは意外な感じがした。完成在庫1,458戸(うち契約済み91戸)は前期の1,077戸(同39戸)より381戸増加している。
マンションブランド〝プレミスト〟は、他の大手デベロッパーの〝マンションはハ行〟に合致するのに、なぜこれほど営業利益・率が低いのか(他の記者の方は誰も質問しなかった)。記者はコスモスイニシアも含めてイメージ戦略、ブランディングに問題があるような気かしてならないのだが…。やはり、恥を忍んで芳井社長に質問すべきだったか。
それより、顔は誰かのように似顔絵でよく、声は美声ランキングトップの福山雅治さん似に変換してくれるソフトはないのか。
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同社の2021年3月期は、売上高4兆1,267億円(前期比5.8%減)、営業利益3,571億円(同6.3%減)、経常利益3,378億円(同8.1%減)、純利益1,950億円(同16.5%減)となった。
新型コロナの影響を大きく受けたが、既受注の請負工事の施工や投資不動産の売却が順調に進捗したほか、米国での住宅事業も堅調に推移し、企業年金制度の資産運用益420億円(費用の減少)が発生したことなどにより、通期業績予想を上回った。売上高・営業利益は11期ぶりの減収減益、純利益は2期連続の減益となった。
セグメント別では、戸建住宅事業が売上高5,161億円(前期比3.7%増)、営業利益218億円(同20.7%増)と増収増益。コロナ禍でもWebサイト上で楽しく簡単に家づくりを体験できる「Lifegenic(ライフジェニック)」の販売が好調に推移し、海外も堅調に推移した。
賃貸住宅事業は、売上高9,827億円(同2.3%減)、営業利益908億円(同7.9%減)。新型コロナの影響で請負工事の受注が減少したが、集合住宅の入居率は史上最高の98%に達している。
住宅ストック事業は、売上高1,247億円(同14.4%減)、営業利益104億円(同37.6%減)。新型コロナ影響に伴いリフォーム工事の受注が減少した。
商業施設事業は、売上高8,083億円(同0.2%増)、営業利益1,228億円(同12.6%減)。
事業施設事業は、売上高9,899億円(同14.1%減)、営業利益1,159億円(同3.9%減)。多角化を進め、物流事業は健闘したが、新型コロナの影響で一部の企業の設備投資計画が中止・延期されたのが響いた。
その他事業は、リゾートホテルやスポーツクラブ事業が新型コロナの影響を受け売上高5,073億円(同4.3%減)、営業利益107億円(同44.1%減)。
次期業績予想は、売上高4兆3,000億円(前期比4.2%増)、営業利益3,200億円(同10.4%減)、経常利益3,160億円(同6.5%減)、純利益2,150億円(同10.2%増)としている。
また次期配当は、2021年9月に同社創業者・石橋信夫の生誕100周年を迎えることから年間普通配当116円に、記念配当10円を加え126円とする予定。
東急不動産 代官山の一等地に賃貸など複合施設 基本設計は隈研吾氏
「(仮称)代官山町プロジェクト」
東急不動産は5月17日、渋谷区代官山「代官山東急アパートメント」の建て替え複合プロジェクト「(仮称)代官山町プロジェクト」を着工し、デザイン設計に隈研吾氏が担当すると発表した。
プロジェクトは、東急東横線代官山駅から2~3分、渋谷区代官山町119に位置する敷地面積約4,084㎡、10階建て延べ床面積約21,875㎡。用途は賃貸住宅、店舗、事務所、駐車場。基本設計は隈研吾建築都市設計事務所。実施設計は竹中工務店・東急設計コンサルタント共同企業体。施工は竹中工務店。竣工予定は2023年秋。従前は複合施設「TENOHA代官山」。
賃貸住宅、オフィス、商業施設で構成する複合施設を建築し、「暮らす」「働く」「遊ぶ」をシームレスに融合する「新しいライフスタイル」を提案する。
隈氏はプロジェクトにかける「想い」として次のコメントを寄せている。
コロナは建築と都市の歴史にとって大きな転換、折り返しポイントになるであろう。コロナ以前の建築のテーマは「集中」であった。都心部に集中させることが効率的であり、幸福であると考えられていた。コロナのあと、われわれは都市の様々な活動を分散、多様な存在へと作り変えていかなければならない。『代官山町プロジェクト』はそのような新しい試みの一つのモデルとなるであろう。そこで、われわれは集中の時代の単調な箱にかわる、新しい自由でやわらかな建築を提案しようと考えた。
代官山は様々な意味でそのような自由な建築をつくるために最適な場所である。
まず、多様な地形を持ち、丘があり、川があり、それによって風の流れ、光の射し方も複雑で豊かである。
この地は利便でありながら「集中の時代」の退屈な都市とは異なる豊かな自然がそこかしこに生きているのである。そのうえ、新しい自由な街を追求する、様々な試みがつくられてきた「街の実験場」であり「集合住宅の聖地」でもある。
戦前の実験的集合住宅の傑作、同潤会代官山のヒューマンなコミュニティに魅せられて僕は学生時代からその食堂や共同浴場を愛用していた。ストリート型集合住宅の原型を作ったといわれる槇文彦先生のヒルサイドテラスも僕の大事なデートコースであった。
そんな代官山の自然と伝統に助けられ、教えられてわれわれは新しいチャレンジをこの地に刻みたいと考えている。
『代官山町プロジェクト』は「集中の時代」の大きくて閉じた箱に換わり、様々なプロポーションの小さな木箱を積み上げようと考えた。木箱の多様性は街の自由とサステナビリティを象徴する。木箱と木箱の間には緑が植えられ、木箱のやさしいテクスチャーと緑が響きあって、街の緑につながっていく。その真ん中に空とつながるアトリウムを設けた。そのアトリウムから駅へとつながる路地がのび、木箱は空とつながるだけではなく、街とも結ばれ、木箱の生活は代官山の街の活動の一部となるであろう。われわれのデザインと街のシンボルが響きあって新しい時代の新しい生活が始まるだろう。
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記者は昨秋、現地を見ている。一等地だ。「代官山アドレス」に隣接し、道路を挟んだ対面は野村不動産の億ション「プラウド代官山フロント」が建設中だった。記事では「分譲なら坪1,000万円台に乗るか」と書いたが、分譲ではなく賃貸となる。
期待の大きさの分だけ深い失望 「渋谷川・古川の河川再生」現地を歩く(2020/10/15)
旭化成ホームズ 2021年3月期 減収減益/「宮益坂」は予想通り坪1000万円超か
旭化成ホームズは5月13日、2021年3月期決算概要を発表。売上高6,448億円(前期比0.7%減)、営業利益597億円(同11.5%減)となった。
建築請負部門(旭化成ホームズ)は、新型コロナの影響を受け、売上高3,947 億円(同5.1%減)、営業利益319億円(同21.8%減)。
不動産部門(旭化成不動産レジデンス)は、売上高1,701億円(同12.0%増)、営業利益221億円(同22.9%増)。賃貸化した分譲マンション「アトラス」3物件を不動産私募ファンドに譲渡し、投資型事業へ参入した。
リフォーム部門(旭化成リフォーム)は売上高529億円(同13.7%減)、営業利益45億円(同35.6%減)となった。
次期業績予想は、売上高7,400 億円(前期比14.8%増)、営業利益630億円(同5.6%増)としている。
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記者は昨年竣工した「(仮称)宮益坂ビルディング建替計画」がどのような形で報告されるか注目していたが、言及はなかった。私募ファンドに譲渡した3物件にも「宮益坂」は含まれていない。2桁増収増益になっているので、「宮益坂」はそれに寄与しているはずだ。
ただ、不動産情報サイトには地権者住戸と思われる物件が販売されており、36.09㎡の1Kが1億500万円、48.28㎡の1LDKが1億7500万円、48.72㎡の1LDKが2億1800万円の値が付けられていた。これらを坪単価に換算すると960万~1,477万円となる。
記者は昨年6月の段階で「坪単価は1,000万円を突破し、オークションにかけたら坪1,500万円でも売れるかもしれない」と予想記事を書いたら、関係者の関心は高いようで、アクセスが殺到した。単価予想は当たらずとも遠からずということか。
渋谷駅圏のマンションとしては、近くモリモトが駅から7分の「ピアース渋谷」67戸を分譲する。「渋谷駅桜丘口地区」再開発エリアに近接している。坪単価は最低800万円で900万円もありうると見たが、同社は高値追求しないはずだ。取材してレポートしたい。
オープンハウス 2021年9月期2Q 大幅増収増益 分譲戸建て好調
オープンハウスは5月14日、2021年9月期第2四半期決算を発表。売上高3,639億円(前期比39.0%増)、営業利益416億円(同53.9%増)、経常利益406億円(同56.0%増)、純利益327億円(同80.6%増)。プレサンスコーポレーションの連結子会社化に伴い、負ののれん発生益154億円の特別利益と段階取得に係る差損110億円の特別損失を計上している。
主力の戸建関連事業は、売上高2,352億円(前年同期比26.1%増)、営業利益329億円(同57.5%増)。
プレサンスコーポの売上高は494億円(同セグメントは同社の連結子会社化に伴い新たに追加したため、前年同期比は記載なし)、営業利益は21億円(同)。
通期業績予想は、売上高8,800億円(前期比36.8%増)、営業利益960億円(同54.5%増)、経常利益930億円(同20.2%増)、純利益670億円(同12.6%増)としている。
ケイアイスター 2021年3月期 大幅増収増益 経常は倍増 期末配当34円⇒95円へ
ケイアイスター不動産は5月14日、2021年3月期決算を発表。売上高155,753百万円(前期比29.0%増)、営業利益12,561百万円(同95.5%増)、経常利益12,781百万円(同102.3%増)、純利益7,616百万円(同112.5%増)。大幅増収増益。売上高、各段階利益とも過去最高を記録。営業利益率は5.1%(同2.8ポイント増)と改善。期末配当は95円(前年同期は34円)へ、年間139円(前期は76円)へ増配する予定。
セグメント別では、分譲住宅の販売棟数は3,179棟(前期比588棟増)で、売上高101,348百万円(前期比30.9%増)。「デザインのケイアイ」を掲げ。地場不動産仲介業者との関係を強化し、土地の仕入れ強化やアウトソースによる販売強化を行った成果としている。
注文住宅は、不動産業者向けの注文住宅「フィットプロ」の受注拡大に注力した結果、計上戸数176棟(前期109棟)で、売上高1,461百万円(前期比19.9%増)。
福岡県での分譲住宅・注文住宅を展開するよかタウン事業は、分譲住宅742棟(前期は553棟)、注文住宅85棟(前期は36棟)を計上、売上高は20,248百万円(前期比28.0%増)。
次期業績予想は、売上高185,000百万円(前期比18.8%増)、営業利益15,400百万円(同22.6%増)、経常利益15,200百万円(同18.9%増)、純利益10,000百万円(同31.3%増)としている。年間配当も1株200円(前期139円)に増配する予定。
タカラレーベン 2021年3月期 減収減益/新中計策定 24年度 売上高2,037億円へ
タカラレーベンは5月14日、2021年3月期決算を発表。売上高148,397百万円(前期比11.9%減)、営業利益10,789百万円(同9.3%減)、経常利益9,933百万円(同11.3%減)、純利益4,693百万円(同12.5%減)と減収減益。営業利益率は7.3%(同0.2ポイント増)と改善した。
セグメント別売上高は、マンションなどの不動産販売が117,200百万円(前期比9.6%減)、不動産賃貸が5,753百万円(同3.5%減)、不動産管理が5,446百万円(同7.9%増)、発電事業が13,485百万円(同35.7%減)。マンションの計上戸数は2,129戸(JV持分含む)。利益率は改善した。
次期業績予想は、売上高158,600百万円、営業利益7,900百万円、経常利益7,100百万円、純利益4,800百万円としている。マンション期末計上予定戸数1,800戸に対する期初契約済みは891戸(契約率49.5%)。
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同社は同日、2022年3月期から2025年3月期までを対象とした、新たな中期経営計画を策定。基本方針として「コア事業のさらなる拡大」、「グループシナジーの最大化」、「事業ポートフォリオの最適化」、「安定的な財務基盤の確立」、「DX推進による生産性の向上と新たなサービスの創出」、「ESGへの積極対応」、「人材育成とやりがいのある職場環境の構築」の7つ柱を掲げた。
最終年度の具体的数値として売上高2,037億円、営業利益157億円を目指す。