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「ヴェレーナグラン赤羽北ザ・マークス」

 大和地所レジデンスは7月14日、人気のうちに完売した「ヴェレーナグラン赤羽北フロント」に並列する「ヴェレーナグラン赤羽北ザ・マークス」のモデルルームをオープンすると発表した。

 外観は、双子星の意味の〝BinaryStar〟をデザインテーマに、シンメトリーな高低差をもって大空をシャープに切り取る大庇のスカイライン、ライムストーン仕上げの柱と、隣接する「ヴェレーナグラン赤羽北フロント」(分譲済)から連なる約100mに及ぶライン照明で存在感を創出した南向き中心の配棟計画。

 商品企画では、3階スキップフロア&ストレージを設け、コンサバトリースペースやアイランドキッチン、ロフト、テラス、最上階ルーフバルコニー付き住戸など、約44㎡台~約100㎡台、29の多彩なプランを用意。

 3階フロアの「SKIRAGE スキップフロア&ストレージ」は、リビング天井高約3.0m、約2.5mのハイサッシを採用、高さ約0.74m(一部0.64m)の床下収納を設置している。

 物件は、JR埼京線北赤羽駅から徒歩3分、北区赤羽北二丁目に位置する12階建て全96戸。入居予定は2023年3月下旬。施工は森組。

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.ルーフバルコニー付き最上階住戸

◇       ◆     ◇

 記者は、この種のマンションデベロッパーの販売開始のプレス・リリースは書かないことにしている。「猿が木に登った」と書いても誰も読まず、「豚が木に登る」から記事になるのと一緒だ。

 それでもコピペして紹介したのは、メディアの方も含めて関係者の皆さんにぜひともモデルルームを見学していただきたいからだ。その理由は、添付した記事を読んでいただきたい。卓越した商品企画もさることながら、教えてくれるかどうかはわからないが〝仕入れの妙〟にうなるはずだ。

 デベロッパーの広報担当の方々にもお願いだ。新型コロナ感染リスクを避けるためメディアの見学を断っているところがたくさんある。〝お客さま優先〟というのもよくわかる。

 だが、しかし、メディアもお客さんとつながっている。消費者のニーズがどこにあるか、アンテナを四方八方に張り巡らし情報を収集することを怠ったら記者でなくなるのと同様、一方的に情報を発信するだけで、メディアの取材を断る姿勢は顧客第一主義に背馳する。

 顧客対応に追われている現場の方々の苦労はよくわかる。しかし、対策をしっかりとれば、ゼロではないかもしれないが、感染リスクは抑えられる。わが業界紙の記者の皆さんも現場取材ができず、窒息状態にあるのではないか。

 大和地所レジデンスは小生の取材依頼を断ったことは全くない。

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スキップフロア

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床下収納

天晴れ!大和地所レジ 仕入れの妙 商品企画にも生かす「赤羽北フロント」(2020/9/9)

またまた千葉NT中央で驚異的な売れ行き 大和地所レジ「アリーナ」176戸(2021/7/12)

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 書評家・東えりか氏が朝日新聞で紹介しなかったら読まなかったはずの日本看護協会出版会編集部編「新型コロナウイルス ナースたちの現場レポート」(A5版/756ページ、税込み定価:2,860円)を小生も読んだ。

 同書「はじめに」は、「2020年1月の中国・武漢への自衛隊の災害派遣から、第3波が来る12月までの約1年間にわたる、医療・ケア現場の様子と日々の暮らしを綴ったレポート。医療従事者としての使命感、未知のウイルスへの恐怖心、差別・偏見に対する怒りや悲しみ、大切な人への思いなど、看護職であり生活者でもある1人の『人』としての姿を垣間見られる貴重な記録」とあり、執筆者は162人、756ページに上ると記されている。

 それぞれ執筆者の文量は少ないもので2ページくらい、多いものでも10ページくらいの完結型なので、小説と違ってどこから読んでもよく理解できるのが特徴で、これまで報じられてきた医療現場の映像とはまた違った説得力がある。

 小生は比較的冷静に読めたのだが、同編集部に寄せられている読者の感想文に衝撃を受けた。「表紙を見るだけで、涙がでます」とあるではないか。小生も、滂沱の涙と鼻水でハンカチをべとべとになるまで濡らし、電車に乗っているのが恥ずかしくて途中下車した小説はたくさんあるが、表紙を見るだけで涙がでる書物に出会ったことは一度もない。

 読後感想文には「この本は、国民全員が読むべき!」ともある。ぽっぺたをひっぱたかれたような気になった。

 多分この読者の方も当事者で、この書籍には全国121万人といわれる看護師の皆さんの万感の思いが込められているのだろう。

 以下長くなるが、同編集部の了解も得られたので、生々しい現場レポートを引用する。(順不同、敬称略)

 「納体袋に収納するまで、個人防護服の交換と遺体周辺の清拭消毒を三度繰り返すため、1時間半程度要する。…家族は『ああ、袋に入っている』『顔が見える』とお別れの数分間を過ごされる。業者が棺の蓋をテープで密閉すると、もう顔を見ることができない。この数分間の顔を見せることが非常に大事な看取りのケアだと考える」(佐藤奈津子)

 「いざ病棟内に入ると、思っていた何倍も何十倍も状況は悪かった。患者数は1病棟40人ほどいたが、3分の2は陽性患者であり、それを看護師2人で看ていた。看護師もまた、約半数が陽性となって休んでいたのだ」「火葬場に向かう際も、病院内で棺へ移すのだが、袋ごと棺に入れ、蓋を閉めた後にテープでぐるぐる巻きに固定し、消毒スプレーをびしょびしょになるまで噴霧する。…人生の最期に、全身防護服で顔もよく見えない人間に囲まれ、テープでぐるぐる巻きにされるなんて、本人は生前思いもしなかっただろうなと思うと、いたたまれない気持ちになった。看取る際もマスクを外すことも許されず、即時病院のドアを閉めなくてはならないこの状況を呪った。なぜ、こんなことになってしまったのかと毎日思った。病棟に戻り、こっそり一人で泣いた」(中島ひとみ)

 「病棟看護師の残業は増え、病院の方針に恨みが募るくらい皆、疲弊していた。『自分は所詮使い捨ての看護師なのだ…』何度も思った」(むつき つゆこ=仮名)

 「コロナウイルスの由来となった『太陽コロナ』が日食で陰った太陽の暗闇周辺を明るく輝かせているように、看護師の働く姿は本当に美しく輝き、笑顔は患者さんの希望の光になっている。2020年は人類の歴史に残る年になる。私たちが今、まさに実践している看護こそが、歴史として後世に語り継がれるのである」(山田眞佐美)

 「疲れ切って、ベッドに入ってもなかなか寝つけない。薄闇に天井を見やると、涙が自然にあふれてくる。こんな日がもう3日ぐらい続いている。悔い無き人生を締めくくるべく、穏やかにがんばろうと決めた矢先だというのに…」(深井喜代子)

 「『濃厚接触』を『濃厚な接吻』と思い込んでいた夫は、その意味を知ると、思わず笑いだした私に、理解できる説明がなかったことを真剣に怒った。専門用語を翻訳し、生活の知恵や工夫につなげることができるレベルにすることこそ、看護職が力を発揮しなければならないことだ」(吉田千文)

 「保健所はこの30年間で半減してしまった。多くの都道府県で職員採用も抑制したため、保健所保健師は全国的に30代後半から40年代前半の中堅層が薄い」(村嶋幸代)

 「『何かあったら、あなたが責任をとってくれるんですか』と返され…問答となってしまい、終わりが見えなかった。なかには1時間近くこのようなやり取りが続いたこともあった。…次第に私は、この業務が相談者の役に立っているのか疑問に感じるようになった。電話は途切れることなく鳴り続けていた。1つの相談が終わり受話器を置くと、息つく暇もなく眼前の電話が鳴る。数をこなし、たらい回しを続けているだけの機械のように思えてくる」(坂井志織)

 「(電話相談は)1週間に1~2回順番が回ってきたが、連続36時間対応することもあった。事情があって事実を話したくない方などの調査に2時間以上要することもあった」(東口三容子)

 「(積極的疫学調査は)感染症対策として最も重要だ。濃厚接触者と感染源の特定とハイリスク者の追跡により、感染拡大を最小限に抑えることになる。…(患者発生の)公表は、住民の感染予防の注意喚起が目的だが、個人や店舗を特定し攻撃するようなクレーム、SNSへの投稿、噂の流布など、患者の人権に配慮のない言動は後を絶たない」(竹林千佳)

 「本書を読み進めていくと、想像を絶する困難な中でも看護職の強い使命感に支えられた行動力に感謝と敬意の気持ちが膨らむばかりでした。初期の頃は重症化した患者さんは家族にも会えず、亡くなった後でさえ遺骨になってからの対面という現実に、残された家族の切なさ、看取った看護師が感じた憤りや悲しさ、申し訳なさをひしひしと実感し、涙せずにはいられませんでした。つらく理不尽な現実も含めて、新型コロナに看護職がどう立ち向かったのか、貴重な歴史書となり得る本だと思っています」(髙橋則子=読者)

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 皆さん、いかがか。小生は常磐大学特任教授・吉田千文氏の「『濃厚接触』を『濃厚な接吻』と思い込んでいた夫は、その意味を知ると、思わず笑いだした私に、理解できる説明がなかったことを真剣に怒った」に仲良し夫婦を思い浮かべたのだが、吉田氏のご主人の思い込みに同感だ。

 小生はこの1年5カ月、徹底してコロナから逃げている。外食をやめたのは自分の判断で、かみさんに濃厚接触を拒否されたのは自業自得・自己責任だが、東京都の多くの区市は公園での飲食・飲酒を禁止し、公衆喫煙所なども閉鎖した。「経路不明者の大半は飲食関係」などとする専門家の知見とやらを唯一の根拠に、再三再四の緊急事態宣言で国は飲食店などでの酒の提供自粛を求めた(ほとんど強制)。

 どなたか執筆者の方は医療現場を「まるで戦場のよう」と形容されていたが、飲酒・喫煙を禁止するのはヒットラーと同じだ。暴動どころか、こぶしすら上げられない情けない世の中になってしまった。

 ここまで辛抱強く読んでいただいた皆さんに感謝する。が、しかし、小生の言いたいことはこれからだ。あとは明日以降。

 三菱地所は7月14日、2021年7月21日(水)に予定していた常盤橋タワー内の商業ゾーン「TOKYO TORCH Terrace(トウキョウトーチテラス)」の開業を延期すると発表した。緊急事態宣言の発令に伴い決定したもので、変更後のグランドオープン日については、今後の状況を踏まえ判断するとしている。

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外観

 コスモスイニシアは7月14日、「“ゆるやかな隣人”のいる新しい暮らし」をコンセプトにした賃貸シェアレジデンス「nears(二アーズ)川崎」を11月に開業すると発表した。

 ミレニアル世代を中心に広がっているシェアハウスに、「多様性のあるコミュニティ」や「職住融合の暮らし」などを付加したプランが特徴で、家族でも、友人でも、同僚でもない、他人同士が同じレジデンスに住み、仕事をする時間、食事をする時間、趣味を楽しむ時間、さまざまな時間を共有することで“ゆるやかな隣人”となっていく空間・機会を提供する。

 共用フロアはキッチン・ダイニング・ラウンジ・ライブラリー・暖炉・オープンテラスを設置。働きやすい家具、ドリンク、Wi-Fiを備え、オンライン会議や集中作業、アイデア創出など、働き方によって空間を使い分けられるよう工夫を凝らしている。

 標準的な居室は14.4㎡で、家具家電(ベッド、チェア、エアコン、冷蔵庫、Wi-Fi)や水回り(シャワー、トイレ、洗面)を備える。

 物件は、JR川崎駅から徒歩4分、川崎市幸区中幸町に位置する14階建て全69戸(他に共用スペース、店舗2戸)。竣工予定は2021年10月下旬。

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居室プラン

 セーフティネット住宅の登録件数・戸数が激増していることは先に書いたが、激増をけん引している大東建託パートナーズから記者の質問に対して以下の回答があった。

 2021年7月12日現在、同社の全国登録住棟は63,686棟、住戸450,435戸となっている。同社は登録戸数に関し、「条件を満たす物件情報をデータで提供しており、直接登録作業を行っているわけではございません。登録作業につきましては、国交省の委託先企業様と各自治体において行われているため、1年間で登録された戸数に関しては、国交省の委託先企業様に確認作業が必要」としている。

 このため、セーフティネット住宅情報提供システムに登録されている現在の総登録件数67,728件(棟に読み替えることができるのか)、総登録戸数496,884戸とデータは必ずしも一致しないかもしれないが、単純比較すると、同社の比率は棟数にして94.0%、戸数にして90.7%に達している。平山教授が指摘する「住宅セーフティネットとは大東建託物件のこと」を裏付けている。

 登録を増やしている理由について同社は、「住宅セーフティネット制度発足時に、国交省より弊社に登録の協力依頼がありました。担当官より、制度の主旨および内容の説明を受け、それに賛同した為、ご協力させていただいております。弊社が進んで登録を行うことで、制度の認知度拡大や他社様の登録促進に繋がればよいと考えております」と回答している。

 今後の方針については、「建物オーナー様や賃借人様への積極的なアピール等は実施しておりません。昨年より、国交省の委託先企業様へセーフティネット住宅制度の条件に合致する物件データを提供しております。提供した物件データは、各自治体の審査を経て、システムが整い次第、順次、セーフティネット住宅情報提供システムにアップされる仕様となっています。今後も国交省および各自治体と協力しながら登録を進めてまいります」としている。

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 記者は賃貸住宅市場や同制度のことはよくわからないのでこれ以上書かないが、「住宅確保要配慮者の入居を拒まない」セーフティネット住宅法の趣旨からして賃貸管理トップ企業の同社が積極的に登録を進めているのはよく理解できる。

 「住宅セーフティネットは-少なくとも現在の制度では-住宅困窮への対応に関し、ほとんど役に立ちそうにない」と結論づけた平山論文(「世界」2021年5月号)に関係者は向き合い、法が実効あるものになるよう取り組んでいただきたい。絶対的な量不足時代の陋習にしがみつく、利回りありきの賃貸市場から脱却してほしい。

激増セーフティネット住宅1年で政府目標の2.8倍 大東建託がけん引/必読の平山論文(2021/7/12)

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 リストは7月13日、同社が開発したAI査定システム「mAI List(マイリスト)」を用いた高額帯マンションの査定額騰落率ランキングを作成・発表した。

 東京23区内の築15年以内、新築時の平均販売価格が2億円以上の高額帯マンションに絞って作成したもの。

 リストグループで都心の高額帯物件の仲介を行うリストインターナショナルリアルティ ウェルス事業部執行役員・銀座オフィス支店長の福島麦氏は次のようにコメントしている。

 高級マンションが立ち並ぶ3Aエリアや人気の番町エリアが上位に来ていることは納得。また、有名建築家デザインのマンションや供給の少ない立地のマンションが上位に来ている印象。平均価格2億円以上の高額帯のマンションは、強固なセキュリティやコンシェルジュサービスなどソフト面の充実、大型車が置ける駐車場付きであることが必須条件に挙げられることが多い。

 加えて、ペントハウスや庭園付き、300㎡以上の広々とした専有面積、眺望が良いなどの条件は、都心エリアでは供給が限られるため希少性が高く価値がつきやすい傾向にあり好まれる。

 特に最近は、在宅時間の増加から広い家を求める富裕層顧客も多く、広い住戸は価値がより一層つきやすいのではないか。

 インバウンド顧客は眺望を最も重視することが多い。また、新築マンションの供給は限られているので、築年数にこだわる顧客は減っている。

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 この10物件のうち1位の「パークマンション三田日向坂」、10位の「ブリスベージュ神宮前」は取材しておらずよくわからないが、他の8物件は全て取材している。記事を検索した。「プラウド南青山」「パークマンション白金台サンク」はヒットしなかったが、残りの6物件は記事が残っていた。添付したので参考にしていただきたい。絶賛した物件もあり、それがAIに評価されているのはとても嬉しい。

 現在の査定価格でもっとも坪単価の高いのは「パークコート青山 ザ・タワー」の1,510万円だ。この価格に記者も納得。コロナが収束し、再び経済が活性化すればまだまだ都心の好立地・高額マンションの価格は上昇するはずだ。新築で坪3,000万円は時間の問題だと思っている。

 10物件のうち半分が三井不動産レジデンシャルの物件で、大和ハウス工業が2物件、野村不動産、三菱地所レジデンス、オリックスが各1物件だが、三井不動産レジデンシャルが高額マンション市場で独走しているのもよくわかる。2位以下との差は大きい。

 機会があったら、同社のAIと対決したい。どちらの見る目が正鵠を射るか勝負しようぜ。

新国立競技場だけでない 三井レジ「赤坂檜町」も隈氏デザイン監修 圧倒的人気(2015/12/22)

マンションはアートだ 三井不レジ「パークコート青山 ザ タワー」竣工(2018/4/11)

大和ハウスが青山で驚嘆の億ション(2005/4/20)

乃木神社に隣接 垂涎の立地 三菱地所「乃木坂パークハウス」(2008/3/7)

「地価公示日本一」六番町にフェルメールを見た 大和ハウスが億ション(2016/3/14)

「麻布霞町」を超えるか 三井不レジ「パークマンション三田綱町ザ フォレスト」(2014/7/4)

 

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「ヴェレーナシティ千葉ニュータウン中央アリーナ」

 大和地所レジデンスが分譲中の「ヴェレーナシティ千葉ニュータウン中央アリーナ」を見学した。駅北口から徒歩5分のイオンモールに近接する100㎡中心の全176戸で、3年前に分譲した「ヴェレーナシティ千葉ニュータウン中央ザ・フロント」234戸からまだ2年半というのに、分譲開始2か月ちょっとですでに100戸弱を成約するなど信じられない売れ行きを見せている。

 物件は、北総線・成田スカイアクセス線千葉ニュータウン中央駅から徒歩5分、印西市中央北一丁目の商業地域(建ぺい率は角地緩和により90%、容積率600%)に位置する15階建て全176戸。8月分譲予定の第2期1次(戸数未定)の専有面積は85.28~100.35㎡、価格は3,800万円台~4,900万円台、坪単価は160万円。竣工予定は2022年10月下旬。設計・監理・施工は長谷工コーポレーション。

 5月から販売を開始し、これまでに100戸弱を成約している。買い替え希望は約4割。買い増しも目立つ。

 現地はイオンモールに徒歩3分、二方接道の角地。従前は駐車場(所有者はUR都市機構)。建物はL字型で、標準階の住戸は南南西向き7戸:南南東向き5戸。100㎡超の住戸割合は約67%。

 主な基本性能・設備仕様は、奥行き約4メートル、広さ約10畳大のオープンエアリビングバルコニー付きが74戸、直床二重天井、リビング天井高2500ミリ、ディスポーザー、食洗機、メーターモジュール廊下、スロップシンク、1620浴室(85㎡除く)、天然御影石キッチンカウンター(11階以上)など。共用施設としてキッズルーム(集会室)・パーティルーム(集会室)など。駐車場は全戸分。

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モデルルーム

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玄関・廊下

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 今回も坪単価から。この前の東京建物「ブリリアタワー前橋」も大成有楽不動産「オーベル戸田公園レジデンス」も単価予想はズバリ的中した。今回も的中させて3連勝といきたいところだが、同社が3年前に分譲した「ヴェレーナシティ千葉ニュータウン中央ザ・フロント」(記事参照)の例もあるので一筋縄ではいかないのは百も承知だ。

 振り返ってみる。「中央ザ・フロント」は、駅南口から徒歩5分、住戸プランは8mワイドスパンの100㎡が中心で、その他の設備仕様レベルは今回とほとんど同じだった。(坪単価は140万円)

 今回は駅北口のイオン近接の一等地だ。「中央ザ・フロント」のような価格では無理で、坪175万円以下はありえないと読んだ。

 しかし、予想は大幅に外れ坪160万円。「奥の手を使ったのか」と担当者に質問したが、用地を安く仕入れられたことをにおわすのみで、それ以上の回答は得られなかった。

 これ以上は深入りしない。同社は、千葉ニュータウンエリアで今回の物件を含め6物件1,420戸、戸建て274戸の合計1,694戸と他社を圧倒する供給量を誇り、街づくりに貢献していることが考慮されているのではないか。

 商品企画では、「中央ザ・フロント」と異なっているのは玄関で、「中央ザ・フロント」では幅1.4m×奥行1.6mだったのを今回は1.4m×2.2mとし、広くなった部分にはコートなどが掛けられる収納にしていることだ。それにしても1坪近い玄関スペースを設ける郊外型マンションなど皆無だろう。100㎡だからこそできる芸当だ。主寝室はほとんどが8畳大。

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 今回の取材でさもありなんと思ったことが一つある。これは同社に限ったことではないが、マンションが分譲されるたびに近隣住民が見学するケースは多い。ましてや同社は1,420戸もの住宅を分譲している。既購入者がわが家と比較しようと見学に訪れるのは当然だ。

 そこで、同社はコロナ禍でもあり、一般にモデルルームを公開する前に既購入者限定の見学会を実施したところ、紹介契約が10件前後もあったという。レベルが低いマンションならまずありえないことだ。

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建設現場

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 記者は全国住宅産業協会(全住協)とずいぶん前に縁を切ったが(切られたのではない)、同協会の優良事業表彰に同社は第8回の「ヴェレーナシティパレ・ド・シエル」、第9回の「ヴェレーナガーデン千葉ニュータウン中央Ⅰ街区」、第10回の「ヴェレーナグラン山手」、第11回の「ヴェレーナシティ上大岡」と4年連続で受賞した。

 記者はこれら全てを見学しているが、11回の「上大岡」は2019年に分譲された首都圏の代表的なマンションだと思う。来年の12回では「ヴェレーナグラン赤羽北フロント」が受賞するのはほぼ間違いない(エントリーすればだが)。

 このところの建築費の高止まりを背景に、マンションの基本性能・設備仕様はどんどん退行している。第一次取得層向けの専有面積は70㎡を割り込み、昭和50年代後半に流行った66㎡(20坪)の3LDKが堂々とまかり通っており、天井高も2400~2450が主流になり、床暖房、ディスポーザー、食洗機もない郊外部マンションがたくさん供給されている。

 それだけに同社の商品企画は異彩を放つ。完成在庫を出さないのは商品企画が優れているからだ。100㎡住宅を3年間で400戸超も供給するデベロッパーなどほかにない。中堅所得層にとって希望の星というのは言い過ぎか。

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駅前の広場

駅近100㎡ 商業隣接 驚愕の坪140万円 大和地所レジ「千葉NT中央ザ・フロント」(2018/10/30)

価格と駅距離の壁跳ね返す 大和地所レジ「西新井」5カ月で半数成約(2021/5/10)

大和地所レジデンス2020年3月期 計上870戸 期末まで全戸完売(2020/4/2)

大和地所レジデンス 横浜磯子区の第一種低層で大規模マンション 商品企画に力(2016/9/23)

大和地所レジデンス 千葉NT中央でユーロデザインの戸建て全275区画分譲へ(2016/11/2)

景観風致地区の一角 大和地所レジデンス「ヴェレーナグラン山手」(2018/5/8)

2019年ベスト3マンション 三井他「晴海」地所「北千住」大和レジ「上大岡」(2019/12/24)

天晴れ!大和地所レジ 仕入れの妙 商品企画にも生かす「赤羽北フロント」(2020/9/9)

免震、超高層、ディスポーザー、億ション…初尽くし 公・商・住の東京建物「前橋」(2021/7/6)

駅6分のアプローチは緑道 現地は公園隣接 大成有楽不「戸田公園」好調スタート(2021/7/9)

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 7月6日付「週刊住宅」がセーフティネット住宅について次のように報じた。

 「当初政府は20年度末までに全国で17万5000戸の登録住宅確保を目指すとしていたが、本紙の取材で、21年度6月末の段階で登録数は47万8102戸と予想を大幅に上回っていることがわかった」

 最近の同紙はニュース・リリースのオンパレードで、独自取材記事などほとんどないのでびっくりした。

 登録数増加の背景としては、「現在空き家の数が過去最高の846万戸(2018年住宅・土地調査統計)に上っていることが挙げられるが、一方で、シェアハウスに関しても基準を満たしていれば賃貸物件として登録が可能になったこと、また、高齢者の入居支援を行うNPOや社会福祉法人、さらに関連業務を行う企業も『居住支援法人』として都道府県から認められたことが大きい」としている。

 なるほど、そうかもしれない。しかし、同紙は政府目標をはるかに上回る戸数に伸びたその具体的な理由については触れていない。同制度の普及に国土交通省などが力を入れてきたことは理解できるのだが、常識的に考えればそんなに一挙に伸びるはずはないし、空き家の増加は今に始まったことではない。コロナ禍とはいえ、住宅困窮者向けの申請もまたそんなに激増することなどありえないではないか。

 そこで、裏に何かが隠されていると直感し、セーフティネット登録住宅の推移を調べた。別表・グラフがそれだ。その激増ぶりは目を見張るものがある。平成30年11月では全国で4,448戸しかなく、令和2年4月の段階でも約3.0万戸だったのが、同7月には約6.0万戸へと倍増し、同11月には約13.6万戸へとさらに倍増し、令和3年2月には約30.2万戸へと一挙に政府目標を達成すると、同7月には約48.2万戸へ政府目標の実に約2.8倍に達した。同紙は「本紙の取材で…分かった」としているが、同制度の登録件数などはセーフティネット住宅情報提供システムで誰でも自由に閲覧できるから、実際は取材で分かったのではなく、取材してこなかったから〝知った〟というべきだ。(かくいう記者も同様だ)

 なぜ、そんなに増えたか。国土交通省は「法改正当初はなかなか認知されなかったが、その後、普及活動に力を入れ、公共団体とも連携し、申請にかかる手数料を減免し、煩雑だった申請手続きの簡素化などを図ったのが大きな背景」としている。

 東京都と埼玉県にも聞いた。東京都は、昨年の今ごろは二千数百戸しかなかったのが現在約4.1万戸に増加したことについて「大東建託パートナーズさんの申請があったため」と答えた。令和元年度末では800戸弱だったのがいまは約4.5万戸に増加した埼玉県は「特定の法人の申請がたくさんあったため」としている。なぜ増加したかについては、双方からは「申請が増えたため」と木を鼻でくくるような回答しか得られなかった。

 しかし、「大東建託パートナーズ」という具体的な名前が得られたのは大きな成果だった。さらにネットで検索したら、凄いデータに突き当たった。

 全国借地借家人組合連合会の2021年5月15日付の全国借地借家人新聞だ。それには「平山(洋介)神戸大学大学院教授は国交省の登録住宅のインターネットに掲載されている『セーフティネット住宅情報システム』から、住宅セーフティネット登録住宅の実態について分析し、日本住宅会議会報2021年111号に発表しました」とあり、「登録住宅21万7308戸(2月5日現在)の実に85%は大東建託の物件で、ビレッジハウスが9.8%を占めています」とあるではないか。

 つまり、「昨年まで低迷していた登録住宅が大東建託の物件の大量登録で国の目標を一気に超過達成」した理由であることを平山教授が突き止めたというのだ。

 記者は2018年11月、東京都の登録物件を全部調べ、現地取材も行い、ずさんな審査(失礼)と億ション並みの家賃設定に批判的な記事を書いたが、平山教授は全国の21.7万件を全て調べたというから脱帽する以外ない。

 平山教授からは、「世界」2021年5月号に掲載された「これが本当に住まいのセーフティネットなのか」と題する8ページに及ぶ論文を送っていただいた。そこには「『住宅セーフティネットとは大東建託物件のこと』といっても、それほど過言ではない」とあり、住宅確保要配慮者のみを対象とする専用住宅は、登録住宅全体のわずか1.3%しかないと指摘し、「住宅セーフティネットは-少なくとも現在の制度では-住宅困窮への対応に関し、ほとんど役に立ちそうにない」と結論づけている。

 これには頭をどやされた。関係者の皆さんもぜひ「世界」5月号を買って読んでいただきたい。これを読まずしてセーフティネット住宅を語れない。必読の論文だ。ただ一つ、論文で気掛かりなことがある。住宅確保要配慮者のみを対象とした専用住宅は、なんだか姨捨山のような施設のイメージしか湧いてこないことだ。集合住宅を含めた街というものは、お金持ちも貧乏人も年寄りも若い人も健常者も障がい者も一緒に住めるのが本来の姿だとずっと前から考えてきた。画一的な街づくりやマンションの失敗例をたくさん見てきた。専用住宅の増加は手放しで喜べない。

 「いい部屋ネット」で全国展開している大東建託は、「当社の2020年3月末時点における居住用の管理戸数113万218戸が、(週刊「全国賃貸住宅新聞」)が調査した管理会社1,083社の中で第1位となりました。当社は、同ランキングにて1997年から24年連続で第1位を獲得」(同社ホームページ)している賃貸管理トップ企業だ。同社にはどうして申請が増えたかを問い合わせ中だ。回答が得られれば記事に追加する。

 平山教授が喝破したセーフティネット住宅の現実を突きつけられると、低所得者や被災者、高齢者、障がい者、子どもがいる世帯、その他住宅確保要配慮者が差別されない良質で安価な住宅が供給されるのは夢物語に過ぎないのか-「週刊住宅」には気づかせていただいたことには感謝するが、もっとしっかり取材していたら「シニア住宅にビジネス好機」の見出しは付けられなかったはずだ。小生もそうだが記者は〝全て疑ってかかれ〟というのが基本だ。

坪3.5万円!億ション以上 現地見ずに家賃判断 審査は適正か セーフティネット住宅(2018/11/9)

 


 

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「オーベル戸田公園レジデンス」

 大成有楽不動産が分譲中の「オーベル戸田公園レジデンス」を見学した。駅から徒歩6分の全43戸で、車道をほとんど渡らずに済む緑道アプローチと、小公園に隣接しているのが特徴。5月末販売開始の第1期27戸のうち20戸が成約するなど好調なスタートを切った。

 物件は、JR埼京線戸田公園駅から徒歩6分、戸田市本町二丁目の近隣商業地域、第1種住居地域、第2種中高層住居専用地域に位置する11階建て全43戸。専有面積は55.82~66.59㎡。坪単価は250万円。竣工予定は2022年5月下旬。設計・監理は安宅設計。施工は東鉄工業。5月末から販売を開始し、第1期27戸のうち20戸が成約済み。

 現地は、二方道路に接道。敷地西側は「かじやさくら緑地」に隣接。建物は全戸南東向き。主な基本性能・設備仕様は、直床、リビング天井高2450~2800ミリ、食洗機、ミストサウナ、防音&Low-Eガラスなど。

 販売を担当する同社マンション事業本部事業室(第二)係長・岩橋亮介氏は、「この物件は、自社で直接販売も担当する第一号。わたしはかつて販売会社(大成有楽不動産販売)に在籍していたので、顧客対応は全く問題ない。販売状況はまずまずのスタート。立地条件は競合物件に負けない」などと語った。

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モデルルーム

◇       ◆     ◇

 マンション見学で何が楽しいかといえば、もちろん商品企画の優れた物件に出会い、街並みを確認できることが一番だが、単価予想を的中させることもそのうちの一つだ。自慢ではないが、8割くらい的中する。40年以上もずっと継続して取材しているからだ。

 今回も、駅に降り現地に向かいながら予想した。戸田市は財政力が豊かなのに、緑被率は埼玉県下で下から数えて4番目の0.18と極めて低い(最低は蕨市の0.04)のが難点だが、この物件は、埼京線の線路に沿って整備されているサクラやクヌギの並木が美しい緑道を通っていけるではないか。徒歩6分のうち車道を渡らなければならないのは2か所くらいしかない。駅と自宅の間にストレスがかからないのは何よりも嬉しいことだ。

 そこで思い出したのは、昨年11月に見学したタカラレーベン「レーベン戸田公園GRANVARIO」58戸だ。今回の物件とは方向は逆だが、やはり駅から続く緑道を抜けたところに立地していた。坪単価は260万円だった。

 今回の物件は、タカラレーベンの物件より1分だけ遠いので坪単価は250万円と予想した。前述したとおり予想はどんぴしゃり。

 モデルルームは、ハーフモデルだったが、専有面積が65~66㎡のコンパクトであることを考慮し、居室ドアは全て引き戸とし、使い勝手と収納力が〝売り〟の同社オリジナル「O-range STORAGE(オレンジストレージ)」が標準装備されている。TOTO製の偏心洗面ボウルは新製品なのか、美しい。

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この偏心洗面ボウルは美しい

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建設現場

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「かじやさくら緑地」(この背後がマンション)

決め手は3LDK70㎡超中心の企画 タカラレーベン「戸田公園」第1期40戸 販売好調(2020/11/18)

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「三井リンクラボ新木場1」

 三井不動産は7月8日、賃貸ラボ&オフィス事業「三井のラボ&オフィス」の都心近接型施設の第二弾「三井リンクラボ新木場1」が7月1日に開業したのに伴うメディア向け見学会を行った。通常のオフィス空間に加え、実験専用の排気ダクト、空調室外機、緊急用シャワー施設などの増設スペースを確保しているのが特徴。

 物件は、東京メトロ有楽町線・東京臨海高速鉄道りんかい線新木場駅から徒歩11分、江東区新木場2丁目に位置する敷地面積約3,300㎡、5階建て延べ床面積約11,169㎡。総貸付面積約7,867㎡。基本計画は日建設計。設計・監理・施工は鹿島建設。建物は今年3月に竣工済み。入居希望企業は、竣工後の仕様を確認してから決定したいということから、現段階では6~7割の入居率という。

 今回のプロジェクトは、国際基準の本格的研究が可能なBSL2対応のウェットラボ仕様とし、スタートアップ企業やCRO、異業種からの参入までを可能とするライフサイエンス領域の様々なイノベーションプレイヤーの入居を想定。1フロア約110~1,600㎡のニーズに対応する。また、100人収容の会議室も設置しているほか、社内外のコミュニケーションを活発にさせるためのラウンジ、カフェを設置し、エントランスにはキッチンカー専用の駐車場も設けている。

 「三井のラボ&オフィス」は、ライフサイエンス領域において一般社団法人ライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン(LINK-J)とともに2016年に立ち上げたもので、参加特別会員は461会員、2020年のイベント実施回数は357件に達するなど、国内外の連携の輪が広がっている。

 同社はオフィスビル、住宅、商業施設、ホテル・リゾート、物流施設に続く「第6のアセットクラス」としてこの事業の拡大を図っていくとしており、2021年11月竣工予定の「(仮称)三井リンクラボ柏の葉」、2023年春竣工を目指す「新木場エリア2棟目」も計画。先に竣工稼働している「三井リンクラボ葛西」も含め4棟4棟体制となる。また、米国ボストンの「(仮称)イノベーションスクエアPhaseⅡ」(延べ床面積約28,400㎡)も2021年に竣工する予定。

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コミュニケーションラウンジ

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様々な配管が設置されているバルコニー

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会議室

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 オンラインで発表会に参加した記者の方が、事業費や賃料について質問した。同社は当然答えなかった。

 この記者の方は答えが返ってこないのを承知のうえで聞いたのか、それとも特別の意図があったのかわからないが、記者は全く別のことを考えていた。設計が日建設計で、施工が鹿島建設であったことだ。わが国を代表する設計会社とゼネコンが、約11,000㎡(3,000坪)程度のオフィスビルを設計・建設した事例はそうないはずだ。ここに隠された何かがある。単純計算だが、レンタブル比率は7,867÷11,169=70.4%だ。こんなビルも少ないはずだ。

 さらに言えば、賃料などは同社も入居を考える企業も二の次の問題ではないかということだ。普通のオフィスビル立地として、「新木場」はまずありえない。記者は計画が発表された2019年6月、現地を見学取材している。それまで知らなかったのだが、この新木場一帯は、規模にして皇居をはるかに上回る約151haが地区計画によって「住宅不可」に定められている。

 「住宅不可」といえば調整区域だが、調整区域は住宅や商業施設はないかもしれないが、その分だけたっぷりの緑環境が確保されている。ここ新木場は、図体がでかい分だけ大きな騒音を撒き散らすトラックの往来が激しく、飲食店や遊興施設、公園など一つもなかい。あったのは1軒のコンビニだけだった。いくら賃料が安くても、普通の企業はこんなところに事務所を構えようと考えないはずだし、そんな会社に入社を希望する人など皆無のはずだ。

 それでも「三井リンクラボ新木場1」を可能にしたのは、同社取締役執行役員/LINK-J専務理事・植田俊氏がいみじくも言ったように「バイオハザード」だろう。事務所で扱う有害化学薬品などか適正に処分できるか、社外秘の研究内容が漏洩しないかが最優先されるはずだ。

 だが、しかし、外界と遮断できる職場環境が整っていることに経営者は満足しても、ここで働く研究者などはストレスの固まりになるのではないかと取材したとき考えた。昼食はどうするか、同僚などとの飲み会は駅前のどこにでもある居酒屋で満足できるのか(駅前にはホテルがその後建設されたが)、緑など全くない環境で精神に異常をきたさないか…などだ。

 いまもこの疑問・懸念は払しょくされていないのだが、ここに入居しているNECソリューションイノベータ(デジタルヘルスケア事業推進室)シニアプロフェッショナル・堀井克紀氏は「(研究に)集中できるのでいい」と言い放った。同社が借りているのは約200㎡で、5人が勤務している。1人当たり約40㎡だ。大会社の社長室でもあるかないかの広さだ。ここで堀井氏らは抗体の一種であるアプタマーの研究を行っており、新型コロナウイルスのDNAなども調べているそうだ。(ワクチン開発は別の部署で進めているそうだ)

 記者などはもろもろの誘惑があってこそ生きるに値する世の中だし、仕事をするときはどんな誘惑にも負けないで集中する自信はあるが、そんなことより、同社にぜひとも聞きたかったことがある。現地を見学取材したときも感じたのだが、貯木場など一つも稼働していない。住宅不可の今日的意味はないのではないか。コンテナの積み下ろしなどの機能はあるのかどうかはわからないが、記者は都心に残された最後の大規模処女地だと思う。

 地区計画を変更し、商・住・公(あるいは工)の複合タウンは可能ではないか。すでに同社はそうすべく、その先鞭をつける、外堀を埋める突破口としてこのプロジェクトを位置づけているのではないか。

 そんなことを質問しようと、最初から最後までずっと手を挙げたが、指名されなかった。小生はきちんとマスクを付けており、外見はメガネザルに似た目と、白と黒の淫らではないまだらの髪の毛くらいのもので人畜無害のはずなのに…どこかの人も人気がないのは質問を無視したりまともに答えなかったりするからだ。(大和ハウスはその点偉い。質疑応答に1時間くらいかけることもある)

 愚痴っぽいことを書いたが、1階には150坪はありそうな入居者が自由に利用できる天然芝張りの立派な広場空間も整備されていた。サクラやヒマラヤスギ(未確認)の高木も植わっていた。

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エントランスロビー ラウンジ(壁、天井は本物の木材、観葉植物は本物とフェイク)

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誤って薬品などを浴びたときなど非常時に使用できるシャワー(日常的に使用できるかどうかはわからない)

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広場(左の樹木はヒマラヤスギとみたが)

住宅不可の151ha〝処女地〟新木場にライフサイエンス拠点 三井不の新事業(2019/6/1)

らしき建築物発見!住宅不可の151haの江東区・新木場に88人が住む不思議(2019/6/4)

 

 

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