ワクチン接種効果 高齢者の感染・比率が激減 気掛かりな20歳未満の年少者の激増
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東京都の新型コロナ感染者は、70歳以上の高齢者の実数も感染比率も減少する一方で、20歳未満の年少者の実数、比率が増加するなど対照的な動きを見せている。高齢者や医療従事者へのワクチン接種が進んでいる効果がはっきり表れているが、年少者にも感染しやすいといわれる変異株の影響か、気掛かりな材料だ。
別表・グラフは、東京都の5月8日以降の新型コロナ感染者の推移を見たものだ。感染者は5月上旬では1,000人を超える日もあったが、その後は漸減し、6月14日には209人まで減少した。1週間ごとの感染者は5月上旬の5,000~6,000人台から6月の第3週は2,644人へ減少した。
この間の大きな特徴は、70歳以上の感染者・比率が確実に減少していることだ。5月8日は91人(比率8.1%)で、5月26日は83人(比率11.2%)にのぼっていたのが、この10日間では感染者は30人を割っており、比率も数%台に減少している。6月24日は2.5%、25日は2.7%と3%を割った。
都のデータによると、約311万人の65歳以上を対象としたワクチン接種者は6月24日現在、 1回目が1,660,474人、2回目が605,415人となっており、1回目接種者は53%となっている。また、約56万人の医療従事者を対象としたワクチン接種者は6月25日現在、1回目が494,036人、2回目が423,361となっている。
しかし、一方で気になるのは20歳未満の年少者の実数と感染比率の増加だ。5月9日は132人(比率12.8%)と100人を超えたが、その後は徐々に減少し、比率も10%前後で推移してきた。
ところが、6月23日には92人(比率14.9%)に増加し、実数・比率は増加傾向にある。変異株は若年層へも感染しやすいと報告されていることを裏付けているのか。
感染経路不明率も6月8日に60%を超えたのをきっかけに25日までの18日間で60%を割ったのは6月23日(58.3%)しかなく、18日間の不明率は62.8%に達している。都のデータでは、6月25日現在の7日間移動平均値は114.5%と増加傾向を示している。
隈研吾氏の〝十八番〟外観は吉野杉のルーバー 日本財団「THE TOKYO TOILET」PJ
「鍋島松濤公園トイレ」(撮影:永禮賢氏、提供:日本財団)
日本財団は6月24日、誰もが快適に使⽤できる公共トイレを渋⾕区内17か所に設置するプロジェクト「THE TOKYO TOILET」の9カ所目となる、建築家・隈研吾氏がデザインした「鍋島松濤公園トイレ」のメディア向け見学会を行い、同日から⼀般利⽤を開始した。
タイトルは「森のコミチ」で、緑豊かな松濤公園に、集落のようなトイレの村をデザイン。ランダムな角度の耳付きの吉野杉の杉板ルーバーに覆われた5つの小屋は「森のコミチ」で結ばれて森の中に消えていくというもの。
⼦育て、着替え、車いすなど多様なニーズにあわせて、村を構成するひとつずつのトイレの、プラン、備品、内装も異なるそれぞれの個室を分棟とすることで、公園に開かれた⾵通しの良い、通り抜けのできる「公衆トイレの村」としている。
隈研吾氏は、「今回様々な候補地がありましたが、⼀番緑の深い鍋島松濤公園に設計することで、これまでの公共トイレのイメージを払拭できると思い、この場所を選びました。トイレだけでなく、動線となる道も含めて設計しています。建築物に加えて、その周辺の環境など、トータルな体験として捉えていただければと思います。 また、従来の公共トイレは全て均⼀なデザインでしたが、今回はお子さんが利⽤できるトイレや、イベントの多い渋谷の街に合わせて着替えができるトイレなど、小さな5つのトイレを設計しています。これまでの公共トイレと異なり、様々な人に使⽤いただける点も大きな特徴です」と述べた。
⽇本財団常務理事・笹川順平氏は、「プロジェクトは、今回の鍋島松濤公園トイレで9か所⽬になります。このプロジェクトは建築までが半分、適切に維持管理しながらご使⽤いただくことが残りの半分だと考えています。従来の公共トイレに持たれている〝暗い・汚い・臭い・怖い〟といったイメー ジを取り払うモデルケースになることを⽬指すべく、ご使⽤いただく皆さまにもご協⼒いただけますと幸いです」と語った。
「THE TOKYO TOILET」は、日本が世界に誇る「おもてなし」文化の象徴であるはずの公共トイレが利用者に不評であることから、性別、年齢、障害を問わず、誰もが快適に使⽤できる公共トイレを2021年秋までに区内17カ所に設置するもの。プロジェクトには建築家の隈研吾氏、伊東豊雄氏、安藤忠雄氏、坂茂氏、槇文彦氏、クリエイティブディレクターの佐藤可⼠和氏など16人の専門家が参画している。トイレの設計施⼯は⼤和ハウス⼯業、現状調査や設置機器・レイアウトの提案はTOTOが担当している。
THE TOKYO TOILETの特設ウェブサイトはhttps://www.nippon-foundation.or.jp/what/projects/thetokyotoilet
撮影:永禮賢氏、提供:日本財団
撮影:永禮賢氏、提供:日本財団
※以下は全て記者写す
◇ ◆ ◇
上段は、日本財団のプレス・リリースをほとんどコピペした記事だ。隈氏は、実際にはたくさん面白い話をされた。忠実に再現したいのだが、申し訳ない。その後、別の取材があり、うちに帰ってから酒も入ってしまったので、記事を書けなくなった。
とりあえず、写真だけを紹介します。続きは明日、明後日にします。
(続き)
隈氏の木の格子デザインはたくさん見学してきたので、今回も鉄やコンクリではなく木がふんだんに採用されているのではないかという予感はあった。その通りだった。ただ、使用されている木の名前はわからなかった。スギのようには見えたが、木目が密で、記者の田舎・三重のスギとは異なっていた。
直接、隈氏から吉野杉であることを聞き、納得もした。三重のスギも美しいと思うが、関係者の間では吉野杉のほうが建築材としては使用部位にもよるが優れていると評価されているのだろう。
トイレの個室に採用されているメタセコイア、サクラ、コナラ、ケヤキ、イチョウなどの木片は、「相模原津久井産材」の廃材・端材になるものをそのまま生かしたことも聞いた。
素晴らしい公園トイレに仕上がったのは、隈氏と笹川氏のやり取りからもよく伝わってきた。
公衆トイレについて隈氏は、「1990年にバブルがはじけて、東京の仕事が全部キャンセルとなり、仕事がなくなったとき、いちばん最初に頼まれた仕事は高知県の梼原(ゆすはら)町の公衆便所でした。町長さんから『隈さん、公衆トイレの設計できる? 』と聞かれ、『公衆便所すごく得意です』と答えました。木を使った建物の設計は公衆便所から始まりました。私の人生にとっても大きな転機でした。30年たってもう一度公衆便所に出会え、公衆便所を通じて新しい都市像を提案できた。縁の深さを感じている」と語った。
笹川氏は、「最初に先生の事務所に伺い、依頼したときは断られると思ったが、『これまで関わったプロジェクトの中で一番面白そうだ』と仰っていただいて、とても嬉しかった。これまでの9か所のプロジェクトの中で自然との共生をテーマにしたのは今回が初めて。もっと驚くことに、トイレを楽しもうというコンセプトも今回が初めて」と返し、嬉しさを隠しきれない様子だった。
高知県梼原町は、隈氏の作品がたくさんある町として知られているが、公衆トイレが最初の案件だったのを初めて知った。
隈氏はまた、自らが審査委員長となり、在学生を対象とした東大赤門脇のトイレデザインコンペを行い、採用案も決定したと話した。
この件に関し、ネットで調べた。隈氏は講評として次のように述べている。
「小さな公共トイレを入り口にして、これほどに深い世界にはいってゆけるとは、僕自身正直なところ全く予想していなかった。
『インクルーシブな社会の実現』が重要であるということについて、反論する人はいないであろう。しかし、その総論に賛成な人も、それが具体的にどんなトイレのプランニングになり、どんなデザインになるべきかと問われると、はたと考え込んでしまうだろう。それほどに、僕らは無意識にトイレを使い、無意識に様々な人たちをエクスクルード(排除)したり、差別したりして、毎日を過ごしているのである。建築に携わり建築を作っている人間が、実はその問題に対して最も無意識で、無知であったかもしれない。
審査していて、その事実をつきつけられ、僕自身にとっても貴重な体験をさせていただいた。
大学という場所は、専門家を育てる場所である以上に、専門家が傲慢と偏見に陥りやすいことを教えるべき場所でもある。今回のコンペは、小さなトイレを通じて、そのとても大事なことを発信できたように、僕は感じた」
この隈氏の言葉は重くて深い。これまで9か所すべてのトイレを見学してよかった。「THE TOKYO TOILET」プロジェクトは凄い展開を見せてきた。「無意識にトイレを使い、無意識に様々な人たちをエクスクルード(排除)したり、差別したりして、毎日を過ごしている」われわれの意識を劇的に変えるはずだ。
今回採用されたスギの学名「クリプトメリアヤポニカ(Cryptomeria japonica)」は「隠れた日本の財産」というではないか。隈氏の作品は5年、10年、20年と時間が経過することで色合いが変化し、周囲の風景によく馴染み、同化していくに違いない。
隈氏(左)と笹川氏
「鍋島松濤公園」入口
里山を所有し維持管理も行う 小田急不他「橋本」に高い評価 バス便の難点克服
「リーフィアレジデンス橋本」
小田急不動産は6月23日、大規模マンション「リーフィアレジデンス橋本」が竣工したのに伴うメディア向け内覧会を行った。JR・京王相模原線橋本駅からバス便の全425戸で、分譲開始から1年半で約9割を成約するなど極めて好調に推移している。敷地内の里山を所有し、維持管理も行うというほとんど前例のない企画がヒットした。
物件は、JR横浜線・京王相模原線橋本駅から徒歩19分(バス3分、バス停徒歩3分)の町田市小山ヶ丘六丁目に位置する敷地面積約21,850㎡、12階建て全425戸。平均専有面積は78.7㎡。最多価格帯は3,300万円台、坪単価は150万円。売主は同社(事業比率50%)のほか、積水ハウス(同40%)、神鋼不動産(同10%)。設計・施工は長谷工コーポレーション。竣工は2021年4月。
2019年12月から販売を開始し、当初は町田市、相模原市などの地元中心だったのが、昨年6月以降は広域からの集客ができており、これまでに累計来場者は2,000件を突破し、約9割が成約済みとなるなど好調に推移している。
約21,850㎡の敷地の4割を占める「民有緑地」=「里山」の保全・維持管理を居住者が行うという提案が支持された。行政、環境シンクタンクとの協議や緑地内の環境調査などを重ね、20201月に「いきもの共生事業所認証(ABINC=エイビンク)」の「優秀賞」を受賞している。
内覧会に臨んだ同社住宅事業本部開発企画部長・髙橋浩朗氏は、「敷地は小田急電鉄が所有していたのを吸収分割手法により当社が取得したが、事業化するにあたって2つの課題があった。一つは、バス便で400戸を超える需要が果たしてあるのかということ。もう一つは、敷地は市の地区計画による『民有緑地』に指定されており、一切自然の植生に手を加えてはならないという規制があったこと。開発を断念することも考えたが、思い切ってチャレンジした。販売状況は当初の想定をはるかに超えている。自然と共生する取り組みが高い評価を得た」と語った。
「さとやまの森」木道もあるので登るのに苦労しない
「さとやまの森」登り口
フォレストテラス
2層吹き抜けラウンジ(正面にフォレストテラスが額縁絵のように見える)
キッズルーム
◇ ◆ ◇
この物件については、同社が2019年10月7日に行った記者内覧会を取材しており、「坪単価は都内ではまずない150万円くらいに落ち着きそうだ」とし、「売れるかどうかは価格もさることながら、カギは『さとやまの森』の魅力をアピールできるかどうかだろうと思う…似たような事例は『フォートンヒルズ』がある。ここは信じられないような売れ行きを示した」と記事に書いた。
分譲価格(単価)は、土地代がただでも建たないような破格値で、大型商業施設が近接するのは訴求力があるが、橋本駅からバス便というのはネックになるはずで、で400戸を超えたら、いかに隣接地に大型商業施設があるとはいえ、売れるのは年間100~150戸として、完売まで3~4年かかるのではないかと予測した。「いきもの共生事業所認証(ABINC=エイビンク)」認証は必ずしも販促につながらないこともこれまでの事例で分かっていた。
そしてまた、当時は「マンションは『駅7分以内』しか買うな!」というプロパガンダが新型コロナのように市場に蔓延していた。下手をすると在庫は根雪のようにずっと残るのではないかと危惧もした。
この日(6月23日)、販売住戸は残り約1割と聞いて安堵した。記者の予想を覆したのは、大型商業施設に隣接し、新型コロナによる〝新しい生活様式〟も大きな要因だろうが、「フォートンヒルズ」と同等かそれ以上の取り組みが自然志向の消費者の心を捉えたからだと思う。高橋氏も「想定外の売れ行き」と語ったように、ここまで売れると考えていなかったようだ。
約21,850㎡の敷地を戸数で割ると、1戸当たりの持ち分は約51㎡。1戸当たりにするとそれほど大きくもないが、これをみんなで所有し、維持管理をし、毎日のように散策したり様々な交流イベントなども行ったりできる〝価値〟はお金には代えられないものがある。維持管理費として1戸当たり月額500円を徴収するというのも妥当な価格のはずだ。
1階部分からの比高差約30mの里山にも上った。枕木などで木道が整備されており、年寄りでも苦もなく登れる。樹木はクヌギが多く、草花を含めて約200種とのことだった。山椒の木がたくさん生えており、タラの木もあるとのことだった。原始規約では喫煙禁止というのはどうかと思うが、飲酒は定めがないので、飲めるはずだ。(入居者の1~2割は喫煙者のはずで、管理組合も喫煙くらい認めてもいいのではないか)
里山は八王子市との市境にもなっており、フェンスの先には八王子市が所有する手つかずの雑木林が広がっていた。
このヤギは記事とは関係ありません。多摩センターの駐車場の雑草狩りに駆り出されているヤギです(「さとやまの森」のイベントに出演させたら受けるはず)
〝汚い・臭い・暗い・危険〟公共トイレ利用率13.5% 日本財団 18歳意識調査
安藤忠雄氏が担当した「神宮通公園トイレあまやどり」(撮影:永禮賢氏、提供:日本財団)
⽇本財団は6月22日、オリンピックを契機に⽇本の「おもてなし」⽂化としても注⽬の⾼まる「公共トイレ」をテーマに実施した「第38回18歳意識調査」結果をまとめ発表した。
調査は、2021年5月14日~18日、全国の17歳~19歳男女1,000名を対象にインターネットにより実施したもので、外出した際に公共トイレを利⽤すると答えた⼈は70.5%に上る⼀⽅で、設置場所によって利⽤率やイメージに大きな差があることが明らかになった。
調査によると、「デパートや映画館など商業施設内のトイレ」の利⽤率が57.1%ともっとも⾼かったのに対し、「公園内や歩道にあるトイレ」は13.5%と低い数字となった。「公園内や歩道にあるトイレ」は、他の設置場所と⽐べ「汚い(67.6%)」、「臭い(28.6%)」、「暗い(23.4%)」、「危険(22.8%)」といったネガティブなイメージが特に強く、「綺麗」や「安全」といったポジティブなイメージを想起する⼈は約3%に留まっている。
とりわけ、⼥性の場合は「危険(27.2%)」というイメージを持つ⼈が多く(男性では18.4%)、安全⾯や防犯⾯の改善を求める声も多く寄せられた。
公共トイレの現状が「おもてなし」⽂化の象徴としてふさわしいかという質問には約3 割が「そうは思わない」と回答。その理由として掃除不⾏き届き(71.2%)、⼊ろうと思えないような外観(36.9%)、盗難などの利⽤者のモラル(30.3%)などが挙げられた。
◇ ◆ ◇
「公共トイレ」が嫌われているのは、国土交通省などの調査でも明らかになっているが、若い人も同じであることを今回のアンケートは示している。
だからこそ、記者は同財団の渋谷区の「THE TOKYO TOILET」プロジェクトを支持し、応援したい。6月24日には、隈研吾氏が設計・デザインを担当した「鍋島松濤公園トイレ」が公開される。隈氏は何を語るか楽しみだ。
「THE TOKYO TOILET」の第1号が開設されてからもうすぐ1年が経過する。同財団と渋谷区には、他の公共トイレと比べ、利用者にどのような変化があったか、維持管理費などはどれだけ差があるのか公表してほしい。
コンセプトは温故知新 デザインはNIGO®「神宮前」 日本財団 渋谷区公園トイレPJ(2021/5/31)
三井不レジ・野村不・三菱地所レジ JR三河島駅前の再開発 都市計画決定
三井不動産レジデンシャル、野村不動産、三菱地所レジデンスは6月21日、事業協力者として参画している「三河島駅前北地区第一種市街地再開発事業」の都市計画が同日決定されたと発表した。住宅予定戸数は約760戸(一般住宅、シニア住宅)。2026年度の竣工を目指す。
同事業は、JR常磐線三河島駅北側に位置する老朽化した木造建築物が多い約1.5haの区域で、再開発により駅前にふさわしい拠点性・利便性を備えた施設として住宅・商業・業務施設・体育館を一体で整備する。
これまでの経緯は、1999年1月に協議会発足、2004年6月に準備組合設立が設立されている。2022年度に再開発組合設立認可(予定)で、2023年度に建築工事着工(予定)、2026年度に竣工(予定)する。
三菱地所「丸の内ストリートギャラリー」 オールナイトニッポンで音声ガイダンス
三菱地所と彫刻の森芸術文化財団は6月21日、「第42回丸の内ストリートギャラリー」の作品全16点中13点を対象に、有楽町に本社を構えるニッポン放送の「オールナイトニッポン」とのコラボ企画として、同番組パーソナリティによるアート作品の音声ガイダンスサービス「丸の内ストリートギャラリーガイダンスproduced by オールナイトニッポン」第3弾を開始したと発表した。
同企画では、丸の内仲通り各所に配置されたアート作品の台座にある二次元コードをスマートフォンで読み取ることで、各パーソナリティが作品を紹介する音声ガイダンスを聴くことができる。
音声ガイダンスを担当するのは女優・歌手・タレントのファーストサマーウイカ、HIPHOPユニット・Creepy Nuts、フリーテレビプロデューサー佐久間宣行、お笑いコンビ・三四郎、お笑いコンビ・マヂカルラブリー、YouTuber芸人のフワちゃんの各氏。
三菱地所は、1972 年から丸の内仲通りに彫刻を展示する「丸の内ストリートギャラリー」を実施しており、「第42回丸の内ストリートギャラリー」はその一環。
同企画は2022年3月末まで実施する。公式サイトはURL:http://www.allnightnippon.com/project/marunouchi/
「われは南瓜」(草間彌生)
「コズミック・アーチ'89」(鹿田淳史)
Hard Boiled Daydream (Sculpture/Spook) #1」(金氏徹平)
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いい企画だ。コロナ禍で外出もままならないが、記者は東京駅に行ったら、三菱一号館美術館の広場に面した丸の内ブリックスクエア1階のワインバー「マルゴ丸の内」に寄ることにしている。オープンタイプなので安心して安くておいしい、ほかなら倍くらいの値段のワインが飲める。
この広場には、公式サイトにも紹介されているアギュスタン・カルデナスの「拡散する水」(カラーラ産 白大理石)、エミリオ・グレコの「うずくまる女」(ブロンズ)、バーナード・メドウズの「恋人たち」(ブロンズ)が展示されている。
バーナード・メドウズ「恋人たち」
エミリオ・グレコ「うずくまる女」
アギュスタン・カルデナス「拡散する水」
「街の欠片」(記者写す)
「街の欠片」(記者写す)
三菱一号館美術館前の広場(「マルゴ丸の内」から撮影。「拡散する水」も写っている)
埼玉県 緑被率最低0.04の蕨市とワースト4の0.18の戸田市で異なる街路樹の量と質
写真①(左側が「KITATODA SOLID」の建設現場)
タカラレーベンが分譲中の埼京線「北戸田駅」圏3物件を見学した。駅から徒歩12分「KITATODA ATOMOS」72戸、駅から徒歩9分「KITATODA LUMINOUS」33戸、駅から徒歩7分「KITATODA SOLID」36戸だ。いずれもよく売れているのだが、面白いことに、この3物件の所在地は「ATOMOS」がさいたま市、「LUMINOUS」が戸田市、「SOLID」が蕨市と全て異なる。行政界が異なることで価格、購入者にも微妙な影響を与えているのだが、3物件の現場を歩いて、街並みの違いにも気づいた。その量と質の違いから先に書く。
写真②(左の「KITATODA SOLID」側と道路を挟んだ対面の街路樹の樹種が異なるのか剪定前なのか)
◇ ◆ ◇
西武池袋線秋津駅は、駅そのものが東京都と埼玉県の都県またぎになっており、さらに東村山市、清瀬市、所沢市の3つの市境にもなっているのはよく知られているが、今回の「北戸田」駅もよく似ているのはまったく知らなかった。
3物件間の距離はそれぞれ歩いて10分前後か。道に何度も迷い、休憩を挟みながら歩いたために2時間くらいかかり、万歩計は1万歩を軽く超えた。
戸田市の「LUMINOUS」、さいたま市の「ATOMOS」の見学を終え、最後の「SOLID」に向かう途中、行政界が変わったためか、街路樹に明らかな変化が表れた。
写真①②③は、敷地東側と南側に都市計画道路が走っている「SOLID」の東側道路の南北に伸びる錦町富士見線の街路樹を写したものだ。コンクリートの植栽マスにサツキツツジとは異なる低木が植えられており、その上に丸く剪定されたサザンカが植えられていた。
冬場に美しい花を咲かせるサザンカは歩道や垣根などにはよく用いられるが、街路樹として植えられているのを見たことはない。垣根などで見る樹高はせいぜい2~3mだ。樹形も面白く、葉っぱは丸く剪定されていた。
このような街路樹もありかと不思議に思いながら、道路を右折した。「SOLID」の所在地は蕨市だが、敷地のすぐ裏に戸田市との市境が走っており、敷地南側は東西に伸びる蕨中央通り線だ。
これまた不思議なことに、錦町富士見線には先に紹介したサザンカの街路樹が植わっているのに、蕨中央通り線の蕨市の中心街に向かうところには最近植えられたような〝貧弱〟な街路樹しかないことだ。(写真④)
ところが、数十歩も歩かないうちに、だしぬけに立派なブルーパシフィックと思われる地を這う樹木とカツラの街路樹が目に飛び込んできたる。(写真⑤)
行政界が異なるといってしまえばそれまでだが、街並みの連続性は無視されていた。
写真③
写真④(蕨市側)
写真⑤(戸田市側)
◇ ◆ ◇
これまで埼玉県の貧しい「緑」環境については戸田市、三郷市、越谷市、八潮市、白岡市などを記事にしてきた。県の「緑の量と県民意識の相関関係の調査」の市町村別緑被率によると、前段で紹介した蕨市は0.04で圧倒的な最下位だ。以下、ワーストランキングは0.11の草加市、0.15の川口市、0.18の戸田市となっており、さいたま市も下から13番目の0.37となっている(県平均は0.67)。
緑被率の低さは住民の緑の満足度にもストレートに表れており、最低が八潮市で草加市-蕨市-桶川市-川口市-越谷市-戸田市-久喜市などとなっている。
ところが、不思議なもので、蕨市民のアンケート調査では環境に対する満足度は高く、「公園や街路樹等の緑が豊か」とする意見が176 件(有効回答573件)ともっとも多く、「公園や緑の不足」を指摘している人は15件しかない。
県と蕨市のアンケート調査結果がこれほども差が出るのかはともかく、市が行った事業者アンケートでは、環境に配慮した取り組みを実施する上での問題点として「手間や時間がかかる」が42.4%、「費用がかかる」が39.4%もあったのは残念だ。
「緑」に関する意識の差なのだろうが、蕨市、戸田市、北戸田が最寄り駅のさいたま市南区には第一種も第二種も低層住居専用地域は1か所もない。アルヒ「本当に住みやすい街大賞2020」第1位の川口にも、川口駅から徒歩圏には低層住居地域はない。逆に、これらの市には工業系用途地域はかなりの比率を占める。
住宅地として人気が高い東京都世田谷区と比べてみよう。同区の用途地域は、第一種低層住居専用地域が全体の51.3%を占め、第二種低層住居専用地域の1.5%を合わせ52.8%が低層住居専用地域で、その他の住居系を合わせ実に91.3%を占める。商業地域は7.7%で、工業系は1.0%にしか過ぎない。緑被率は平成28年度時点で23.56%。同市は2032年度までに33%を目指している。
区は2018年から都市緑地法に基づく緑化地域制度を導入しており、建ぺい率60%地区の敷地面積300㎡~500㎡には10%以上の緑化率を、敷地面積150㎡~200㎡未満には中木3本の植栽をそれぞれ求めている。
蕨市はどうか。同市の開発指導要綱では、500㎡以上の開発行為に対して事業区域の5%以上の緑化を求めている。つまり世田谷区の半分だ。
緑の多寡が街のポテンシャルを大きく左右する。埼玉県には県を挙げて緑化に取り組んでほしい。
〝都心に戸建てを〟オープンハウス 〝一家に1本の樹を〟プロジェクト始動(2021/6/15)
貧弱な戸田市の緑・街路樹 市民の満足度が上がらないのは行政の責任(2012/3/13)
街路樹比較 戸田市は35人に1本 多摩市は15人に1本の割合(2012/3/14)
続々「街路樹が泣いている~街と街路樹を考える」 支離滅裂の「新三郷」(2014/10/24)
続「街路樹が泣いている~街路樹と街を考える」流山と越谷、三郷の差(2014/10/17)
貧しい街路樹 低い緑被率 「緑」に対する市民の不満率44% 「八潮らしさ」を考える(2020/2/15)
樹齢30年以上 戸建てより低く〝伐採〟された「白岡ニュータウン」のケヤキの街路樹(2016/4/27)
三井不動産リアルティ 代表取締役副会長・山代裕彦氏が退任
三井不動産リアルティは6月18日、代表取締役副会長・山代裕彦氏が6月25日付で任期満了により退任すると発表した。
三井不レジ 西新宿5丁目の再開発 権利変換 マンションは470戸
「西新宿五丁目中央南地区第一種市街地再開発事業」
三井不動産レジデンシャルは6月17日、同社が参加組合員として事業参画している「西新宿五丁目中央南地区第一種市街地再開発事業」の権利変換計画が6月16日に東京都から許可を受けたと発表した。
同プロジェクトは、JR新宿駅から北西約1.2㎞(15分)に位置する約0.8ha の規模で、1992年6月に「けやき橋地区街づくり有志会」が発足して以来、2014年4月に不燃化推進特定整備地区に指定され、2017年12月に都市計画決定、2019年7月に再開発組合が設立された。
計画では、40階建て免震構造の住宅棟に住宅470戸を設けるほか、商業・業務・保育所からなる4階建ての施設棟を整備する。事業推進コンサルタントはINA新建築研究所。特定業務代行者は熊谷組。2024年度の竣工を目指す。
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近接する三菱地所レジデンス他「ザ・パークハウス西新宿タワー60」が完成してから4年が経過する。竣工は3年先だ。住宅は分譲されるはずで、価格はそんなに高くならないと読んだ。
日本最高階数 三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス西新宿タワー60」竣工(2017/10/24)
建物全体を緑で覆う PLPアーキテクチャー シンガポールのマンションデザイン公開
「Park Nova(パーク・ノヴァ)」
ロンドンを拠点にする建築家・リサーチャー集団・PLPアーキテクチャー(日本事務所所在地:東京都、駐日代表:中島雷太氏)6月17日、「ガーデン・シティ」として名高いシンガポールの一等地・オーチャードに建設する21階建て高級タワーマンション「Park Nova(パーク・ノヴァ)」のデザインを公開した。
「バイオフィリア(生命愛)」や「ウェルネス」をキーコンセプトに、タワー全体を緑で覆い、オーチャード(英語で"果樹園")という街の歴史コンテクストや緑豊かな立地に寄り添い、最大54世帯収容のビルを騒音や大気汚染から守るためのデザインとなっているのが特徴。
2〜5室からなる各住居は、床から天井まで続く開放的な掃き出し窓により、室内外がシームレスに繋がり、太陽の光を取り込みながらも緑化によってプライバシー空間を確保している。共用施設に瞑想スペースやジム、スカイテラスなどを整備。シンガポールの建築物環境性能評価システム「Green Mark」のゴールド認証を取得する予定。
◇ ◆ ◇
海外のマンションは、中国とモンゴル以外は全く知らないが、シンガポールには凄いマンションがあるものだ。いったい価格はいくらになるのか。わが国でもどこかがやらないか。外観はこの前見学したサンフロンティア不動産「+SHIFT NOGIZAKA」に似ているようで似ていない。「パークノヴァ」は三井不動産レジデンシャルがかつて分譲していたマンションブランドの一つだ。
◇ ◆ ◇
同社に価格、面積などについて問い合わせた。その回答があった。「一番小さいマンションの床面積は133㎡、1番大きいペントハウスで548㎡。販売価格については、270㎡で約1400万シンガポールドル、548㎡のペントハウスで約3400万シンガポールドル」とのことだ。1 シンガポールドル=約82 円とすると、ペントハウスは日本円にすると27.9億円か、坪単価は1,679万円。
「+SHIFT NOGIZAKA」