垂涎の的 巨人2軍戦がタダで観戦可 フージャースコーポ「東京ジャイアンツ」

「デュオセーヌ東京ジャイアンツタウン」バルコニー(眼下に東京ジャイアンツ球場)
フージャースコーポレーションは10月16日、入居条件が40歳以上のシニア向け所有権付き「デュオセーヌ東京ジャイアンツタウン」のメディア向けモデルルーム見学会を行った。もう70年近くの〝西鉄・西武ファン&アンチ巨人」の記者だが、巨人・ゴルフファンにはたまらない立地だ。プロ野球「読売巨人軍」の2軍戦(年間60~70試合)が外野スタンドから60m離れてはいるが、居室・バルコニーからタダで観戦できる価値は計り知れない。反響者の約3割は野球ファンというのも納得だ。
物件は、京王相模原線京王よみうりランド駅から徒歩14分、多摩都市計画事業稲城南山東部土地区画整理事業90街区3画地の第一種中高層住居専用地域に位置する敷地面積約7,149㎡、7階建て全222戸。専有面積は49.00~110.60㎡、価格は未定。入居条件は満40歳以上で、自身で身の回りのことができること(入居には一定の審査がある)。竣工予定は2027年2月下旬。設計・監理は企画設計事務所オルト。施工は飛島建設。デザイン監修はウイ・アンド・エフ ヴィジョン(石倉雅俊氏)。売主は同社のほかダイヤモンド地所。販売開始は2025年11月中旬の予定。
7月1日からエントリーを開始し、これまで反響数は850件。ホテル説明会に参加した100組のうち興味を示した野球ファンは約3割で、このほかゴルフなどスポーツファンもかなりいる模様。
現地は、施行面積約87.5haの、野村不動産などが2015年からマンションや戸建てを継続して分譲している区画整理事業地内の一角。敷地面積約約76,000㎡の「東京ジャイアンツタウン」に隣接。「タウン」内には収容人数約2,900席の球場が2025年3月にオープンし、水族館、飲食施設が2027年オープン予定。
マンションは、球場外野敷地から約60m離れて立地。同社が〝日本初のボールバーク隣接シニアレジデンス〟と謳っているのは、プロ野球1・2軍/ファームの26チームの拠点球場に近接するシニア向けはわが国初で、「ボールバーク」とは野球だけでなくスポーツ関連のアミューズメント施設を指す。
建物は、内廊下を挟んでグラウンドが一望できる北東向きと、隣接するよみうりゴルフ倶楽部に面した南西向きが3~4割:6~7割。主な基本性能・設備仕様は、直床、リビング天井高2400ミリ、IHクッキングヒーター、フィオレストーンキッチン天板(プレミアムのみ)、メーターモジュール廊下幅、ベンチ付き玄関収納、トイレ、浴室を含めドアは全て引き戸、車いす利用が可能な洗面・キッチンなど完全バリアフリー仕様。共用施設は、ラウンジ、プレイルーム、他木質、カラオケルーム、ゲストルーム、大浴場、レストラン、ゴルフレンジなど。
同社プロジェクトマネージャー・青木一真氏は「最近の〝デュオセーヌ〟は入居年齢を40歳に引き下げている物件もあり、親子入居やセカンドユースも想定しています。確認はできていませんが、居室からプロ野球が観戦できるファミリーマンションはあまりないと聞いています」と話した。

「デュオセーヌ東京ジャイアンツタウン」外観

バルコニー(モデルルーム)

玄関(モデルルーム)
◇ ◆ ◇
「東京ジャイアンツタウン」が建設されることは、もちろん計画が発表された時点で知っていた。しかし、もう70年近く昔から〝西鉄・西武ファン&アンチ巨人〟の記者は、よみうりランドは子どもを連れて何回も行ったことがあるが、読売ジャイアンツ球場には一度も行ったことがなく、「東京ジャイアンツタウン」には全く関心がなかったので、今年3月に開業し、2軍の試合が行われていることも全然知らなかった。
現地とモデルルームを見て飛び上がらんばかりに興奮した。北西向きの49㎡のタイプからは、真正面にグラウンドが見渡せることができる。位置としては外野席の左翼寄り(タイプによって中堅、右翼寄りもあるはず)。双眼鏡を使えば、選手の動きは手に取るように捕らえられるはずだ。写真撮影も自由だ。
何よりいいのは、冷暖房完備の居室で夫婦が熱戦を繰り広げながら、あるいはまたバルコニー(約10㎡)でタバコはNG(管理組合がOKにする可能性はあり)だが、酒を飲飲みながら観戦することができることだ(ヤジはやめた方がいい。隣近所から迷惑行為として通報されるだろうし、第一グラウンドまでは声は届かない)。
そこで考えた。価格次第で間違いなく売れると。その肝心な価格だが、同社は「未定」としているが、記者は最低で坪単価は300万円(下層階)で、平均だと坪320~350万円になると予想する。
誰が買うか。巨人軍関係者やファンには垂涎の的だ。球場が見渡せるタイプは全体の3~4割だが、その多くは巨人ファンが買うのではないか。北西・南西角の110㎡は坪単価400万円として15,000万円でも売れるはずだ。抽選になるか。
〝アンチ巨人〟はどうか。今でも読売(ドクウリ)新聞を読まない記者は湯水のように使える金があっても絶対買わない(テレビでも巨人が負けそうな試合しか観ない)。〝巨人〟〝ジャイアンツ〟の言葉を聞くだけで不愉快な気分になる。約10分間のシアターで「東京ジャイアンツタウン」が5度も6度も耳に聞こえたのに腹を立てた。「読売巨人軍」なら許せるが、どうして「東京」と「ジャイアンツ」をくっつけるのかと。しかし、わが西武ライオンズも正式名称は頭に「埼玉」がつくし、12球団で都道府県名や都市名が付かないのは「オリックス」と「中日」と「読売巨人軍(この軍がいやらしいではないか)」だけだ。「阪神」は固有名詞というより、記者は阪神地方を指す一般名詞だと小さいころから理解していた。
余分なことを書いたが、この球場で行われる年間60~70試合のイースタンリーグをタダで観戦できる価値は大きい。野球ファンは1軍の贔屓チームの成績は毎日のようにチェックするものだし(記者は以前、フクニチを購読し、数日遅れで西鉄の記事を読んでいた)、2軍の選手の成績もチェックしているファンがほとんどではないか。報知新聞は2軍の試合も詳しく伝えている(さすがだ)。〝アンチ巨人〟も検討する人がいるかもしれない。
また考えた。この球場で行われる試合を、ネット・WEBなどで伝えたら爆発的に読まれるのではないかと。重要事項説明書に書かれているかどうかは分からないが、写真を撮ること自体は盗撮にも著作権にも肖像権にも触れないはずだ。ただ、その情報を有料にしたら問題が発生するかもしれない。公園などは商業目的で撮影するのは許可が必要だ。
またまた考えた。ホームページで確認したら、この球場では毎日のようにイベントが行われており、高校野球の地区予選や女子野球も行われているようだ。この価値をお金に換算したらいくらになるか。2軍戦の観戦料金は外野席で1,000円とある。特等席のマンションはその2倍の価値があるはずで、年間60試合として60×2,000=12万円だ。そのほかの試合、イベントもタダで観ることができるのだから、1日1,000円として30.5万円。合計42.5万円とはじいた。日がな一日、ベランダで酒を飲みながら、さわやかな葉擦れの音や小鳥の愛の交響曲を聞き、グラウンドでもまた発情期を迎える少年少女の溌溂とした黄色い声を聴くことができる。至福の時間を過ごせる。馬鹿馬鹿しいテレビを観るよりずっと価値は大きいはずだ。
南西側のよみうりゴルフ倶楽部側は、野球ファンはまず買わないとみた。会員権を持っている人はお金持ちも多いはずで、食指が動かされるかもしれない。見事なグリーンだ。もう一つ追加すると、NPO東京里山義塾が管理している「篭谷戸の森」をはじめ、近くには自然そのものの里山「南山」が近くにある。1日散歩しても飽きない。入山権は設定されていないはずだ。ネットで確認した。オオタカは棲息しているが、クマもイノシシも確認されていないようだ。子どものころよく食べたし、精力剤として効き目があるとかで近所のおじいさんに売ったサンショウウオも東京都が飼育しているはずだ(捕獲したら罰せられるはず)。
〝デュオセーヌ〟はこれまで10物件は見学している。基本性能・設備仕様もいい。記者はシニアも子どももユニバーサルデザインが一番いいと思っている。難点は入居制限があることだ。記者は独りになっても、年寄りばかりのマンションには住みたくない。住むなら、山・川・海・飲み屋が徒歩10分圏にあるのが最高の「官能都市」だと思う。

フージャースシニア向け分譲 10年間で15棟約2800戸「さいたまサウス」見学会(2025/3/15)
野村不戸建て「プラウドシーズン稲城南山」全87戸が早期完売へ(2018/7/15)
「おいでよ!南山」イベントに約500人エリアマネジメント南山・野村不(2014/9/29)
地域の魅力をどうアピールするか 野村不動産「プラウドシティ南山」 (2015/2/9)
市街化区域編入から44年稲城・南山の区画整理で分譲開始(2014/9/25)
多摩ニュータウン学会 稲城市の南山東部区画整理・里山を学ぶ(2012/3/26)
訪日外客数 9月は過去最多326万人 過去最速で3,000万人突破
日本政府観光局(JNTO)は10月15日、9月の訪日外客数は前年同月比13.7%増の3,266,800人となり、9月として過去最高を更新し、9月までの累計では31,650,500人となり、過去最速で3,000万人を突破したと発表した。
中東地域で単月過去最高を更新したほか、台湾や米国、ドイツなど18市場で9月として過去最高を記録した。
大和ライフネクスト第三者管理者方式183件 月1000円/戸 検討に値する額ではないか

大和ライフネクスト柏氏(左)と中氏
主に大和ハウス工業が分譲するマンションの管理を担当している大和ライフネクストは10月14日、記者の取材に応じ、2022年にスタートさせた外部管理者方式「TAKSTYLE(タクスタイル)」の2025年9月末の導入件数は183件に上っており、2025年度中には200件規模になるとの見通しで、現状その通りに推移していることを明らかにした。1件当たりの戸数は50戸未満が中心で、同社が管理するマンションの約5%に該当する。
他の大手デベロッパー系管理会社が主に新築マンションを対象に第三者管理者方式の採用に力を入れているのに対し、同社は居住者の高齢化と共働き世帯の増加による担い手不足と、専門的な知見・知識がなく、空き家、所有者不明、管理費滞納、修繕積立金不足、建て替え論議…などの課題が山積する一般的な50戸未満の既存マンションを中心に、1戸当たり月額約1,000円というリーズナブルな価格設定を行っているのが特徴。
同社マンション事業本部新領域創造部外部管理者サービス課課長・中雄佑氏は「組合運営に困っている既存マンションを中心に提案しており、1戸当たり約1,000円の月額管理業者委託費は新築マンションでも既存マンションでも変わらない」と話し、また同課統括管理者業務執行者・柏勇次氏は「管理の主体は管理組合員であるということを、事前に十分説明している。導入に関しては、お客さま(区分所有者)が判断されることであり、管理の運営方式の選択肢一つとして検討していただくことを提案している」と語った。
この問題について国土交通省は昨年6月、マンション管理業者による外部管理者方式(管理業者管理者方式)の適正な運営を担保することなどを目的に「マンションにおける外部管理者方式等に関するガイドライン」を策定し、2027年4月1日に施行される改正区分所有法との整合性を図っている。
その一方で、弁護士ら専門家は、管理業者管理者方式は利益相反(トレード・オフ)の関係にあるとして懸念を示しており、重責を担う監理体制をどう整備するかの課題も残っている。
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旗幟を鮮明にしておく。以下は、管理業者管理者方式に積極的に取り組んでいる同社に取材し、管理組合の管理者(区分所有者の代表)の担い手不足、専門的な知見・知識がなくて困っている全国の管理組合と区分所有者(居住者)向けに発信する、費用対効果を考えれば、管理業者管理者方式の採用を検討すべきという趣旨の記事であるということだ。
少し長くなるが、管理業者管理者方式について整理する(添付記事参照)。この方式の実態が明らかになったのは、2023年9月と12月に国土交通省が行ったマンション管理業協会会員会社351社を対象にしたアンケート調査だった。9月調査では、管理業務と管理者業務の担当部署が同一で、責任者も同じというのが42%、業務分担も不明確なのが26%だった。12月の調査では、第三者管理者方式を採用しているのは48社(約3割)で、管理組合数は1,991件(うち投資用マンションが1,055件)で、全国の管理組合数の3.7%、新築マンションで第三者管理者方式の採用を検討しているのは48%、管理者業務の報酬を設定していないのは40%、監事の報酬がないのは53%などが明らかになった。
この結果について、弁護士など専門家は、管理業者=管理者=利益相反(トレード・オフ)として批判した。記者もどんぶり勘定、管理業者への丸投げが多いのにびっくりした。マンション管理業協会の記者懇親会で質問したこともある。大手系のファミリーマンションを中心に管理受託している管理会社は、管理業務と管理者業務の担当者や部署を別にしており、契約書などで明確に区別しているとの回答を得てほっとした。
そんな折の2024年5月、大和ハウス工業と大和ライフネクストが「マンション管理業(分譲マンションの第三者管理者方式)篇」をテーマにしたメディア向け勉強会を実施し、2022年度から取り組み始めた管理業者管理者方式「TAKSTYLE(タクスタイル)」の導入組合は76組合にのぼると報告。2025年度中に200組合に拡大する見込みであることを明らかにした。
そして2025年9月、同社は導入組合は2025年8月末で138組合にしたと発表。今回の取材で件数は1か月間で45件増加したことが分かった。
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さて、マンション居住者の皆さん、上段の大和ライフネクストの月額管理業者委託費1,000円/戸、50戸で5万円は妥当かどうかを考えていただきたい(他の大手系管理会社の新築マンション管理業者委託費は月額2,000円/戸とも言われている)。
その前に、前提となる第三者管理者方式を採用する余力があるかどうかを検討する必要がある。一般的なマンションの駐車場使用料等を含む管理費の平均は月額759円/坪で、20坪だと約1.5万円、50戸だと75.9万円。年間だと戸当たり18万円、全体で約910万円だ。このうちの大半は管理業者委託費や共用部光熱費、保険代など経常的費用に消える。組合活動費(管理者)から外部管理者に報酬を支払える余力のある組合は極めて少ないはずだ。
しかし、理事になることの負担や円滑な組合活動などを行うことと相殺したら、間違いなく管理業者管理者方式を採用したほうが利益は大きく、月額1,000円/戸なら何とか捻出できのではないかというのが記者の考えだ。
さて、では理事活動を金額に換算したらいくらになるか。規約に定めのある場合を除き、理事はほとんどが輪番制で50戸に5人くらいだから10年に1度は回ってくる。理事会の開催件数は規模などにより異なるだろうが、月に1~2回、各種のイベントや総会議案書の作成なども含めると年間20回くらいではないか。1回当たりの拘束時間を3時間として、皆さんの時給からその理事活動費を金額に換算していただきたい。年間数十万円になるはずだ。
ただ単に時間が拘束されるだけではない。理事会は組合員全員の財産を預かっている。自分の財産ならどのように費消しようが勝手だが、他人の財産はそういうわけにはいかない。一銭たりとも説明のつかない収入・支出があってはいけない。これは神経を使う。
この重労働から解放しようというのが管理業者管理者方式だ。弁護士、マンション管理士、税理士、公認会計士などの専門家からは管理業者=管理者=利益相反(トレード・オフ)の関係にあると指摘されているが、大手デベロッパー系の管理会社が利益相反となるような行為(悪意を防ぐのは容易ではない)を行うはずがない。やったら、その損失額は利益の数倍に達するはずだ。
では、管理会社以外の専門家が外部管理者になるかどうか。記者は知人のマンション管理士に聞いたことがある。「あなたを外部管理者に選任するとしたら、月額報酬5万円でどうか」と。管理士は「絶対受けない。カスハラが怖い。リスクのほうが大きい」と言下に否定した。他の専門家も同様だろう。年収にして1,000万円、多い人は1億円を超える個人弁護士がそのような安価な報酬で管理者を受けるはずがない。
少しわき道にそれる。日弁連アンケートによると、1時間5,000~10,000万円の法律相談のみで完結(問題解決)した事例はたくさん紹介されているが、そのトータルの数は公表されていない。ここが味噌だ。法律相談だけで諸々の問題が解決したら弁護士稼業は成り立たない。AIが解決する。訴訟などに持ち込めるから法律相談の数倍から数十倍の報酬が得られる。辣腕弁護士は1日15時間働くともいわれている。弁護士には残業という概念がない。
いくら懇願されても、このような高額所得者が煩わしい管理者を受けるはずはない。まだある。管理会社を通じて、居住者からは毎日のよう新聞配達のバイクの音、風鈴の音、子どもの泣き声、夫婦げんかの声、ハイヒールやキャスターの音がうるさいとか、換気扇からタバコやニンニクの匂いが流れてくる、ハトの糞が布団につく、ハチの巣をなんとかしろ、樹木の日影で日が当たらない、猫がいなくなった…などが管理会社を通じて報告される。ほとんどは〝受忍限度〟に収まるものだが、対応を誤ると刃傷沙汰にまで発展することもある。このストレスは理事を経験しないと分からない。
監事も同様だ。個人専門家が利益相反をどうしてチェックするのか。〝安物買いの銭失い〟〝損して得取れ〟という言葉もあるではないか。個人専門家がタッグを組めば別だが、総合力では管理会社=管理者が上回る。リスク管理、チェック機能を働かせば管理者と管理会社がWin-Winの関係を構築することは可能だと思う。
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10月31日(金)インテックス大阪で開催される「マンション総合EXPO2025」の「令和8年4月1日改正マンション管理法令施行!合計300組合の管理業者管理者2社の取組み公開セミナー」に中氏はモデレーターとして、柏氏は長谷工コミュニティsmooth-e運営部課長・前田崇行氏とともにパネラーとして出席する。参加費は無料。
管理業者管理者方式大和ライフネクスト137件三井不レジサービス100件超(2025/9/11)
マンション再生メニュー 2つ⇒7つへ旭化成ホームズ区分所有法改正セミナー(2025/7/19)
改正マンション関連法に関する説明会に約480人国土交通省&法務省(2025/7/8)
2つの老いへの対応管理業者管理方式など具体策示す国交省(2025/2/8) .
管理会社管理方式、自治体の体制強化など論議国交省・マンション政策小委員会(2024/12/20)
マンション管理会社3割が投資用中心に第三者管理者方式(2023/12/26)
大和ライフネクスト第三者管理者方式既存中心に76組合受託 2026年に200組合へ(2024/5/22)
マンション管理適正評価制度 9月末の登録件数は9,702件 マンション管理協
マンション管理業協会は10月10日、2025年度第2四半期終了時点のマンション管理適正評価制度の登録状況と評価結果集計をまとめ発表した。
2025年9月末現在、登録件数は9,702件。最も多い登録(星別)は★つが4,080件(全体の約42.1%)、★5つは3,133件、★3つは2,114件。最多登録都道府県は東京都の2,968件(全体の30.6%)。戸数別登録マンションの割合の最多戸数帯は50戸未満(全体の51%)。最多竣工年帯は1991年~2000年竣工(全体の29.4%)。評価×戸数別登録数では、2021年以降竣工における★5の割合は58.2%、400戸以上における★5の割合は80.7%。
同協会は、今後の加点ポイントとして、①規約の規定、規約改正②長期修繕計画の作成③国の基準額を上回る修繕積立金の設定、改善などを挙げている。
7月の首都圏中古マンション・戸建て 成約件数はともに大幅増 東日本レインズ
東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は10月10日、令和7年9月の首都圏不動産流通市場動向をまとめ発表。中古マンションの成約件数は4,475件(前年同月比46.9%増)となり11か月連続で増加、成約坪単価は281.1万円(同12.3%増)と20 年5月から65か月連続で上昇、成約価格は5,352万円(同10.1%増)と11か月連続で上昇、専有面積は62.83㎡(同2.0%減)と2か月ぶりに縮小。在庫件数は43,850 件(同3.4%減)と2か月連続で減少した。
中古戸建ての成約件数は1,986件(同55.0%増)と11か月連続で増加、成約価格は3,906万円(同3.8%減)と3か月ぶりに下落、土地面積は142.85㎡(同2.3%増)と2 か月ぶりに増加、建物面積は102.62㎡(同1.1%減)と2か月連続で縮小、在庫件数は23,538件(同5.3%増)と22年9月から37か月連続で増加した。
誰のための調査か 森記念財団「日本の都市評価特性」とLIFULL「官能都市」比較
「日本の都市特性評価DATABOOK 2025」合計スコアトップの大阪市のチャート

「日本の都市特性評価DATABOOK 2025」23区合計スコアトップの港区のチャート

LIFULLの社内シンクタンクLIFULL HOME'S総研が「Sensuous City(センシュアス・シティ)[官能都市] 2025」報告書を発刊したことは先に紹介した。モノサシが異なるものを同じ俎上に載せ批評するのは適当ではないことを承知のうえで、ほぼ同時期に発表された森記念財団都市戦略研究所「日本の都市特性評価DATABOOK 2025」とどこが同じで、どこが異なるのか比べてみた。改めて分かったのは〝何のためか、誰のためか〟ということだ。
まず、「日本の都市特性評価」から。これは、森記念財団都市戦略研究所が2018年から調査・発表しているもので、国内の政令指定都市、都道府県庁所在地、人口17万人以上の136都市と東京23区を対象に、「都市の力を定量・定性データをもとに相対的かつ多角的に分析し、都市の強みや魅力といった都市特性を明らかにすること」が目的となっている。
調査は、「経済・ビジネス」「研究・開発」「文化・交流」「生活・住居」「環境」「交通・アクセス」の6分野の28指標グループごとに平均値を算出し、合計スコアとしてまとめたもの。配点は2,800点満点(経済・ビジネス600点、研究・開発200点、文化・交流500点、生活・居住700点、環境500点、交通・アクセス300点)。
調査の結果、23区を除く全国上位10市は、1位大阪市、2位名古屋市、3位福岡市、4位横浜市、5位京都市、6位神戸市、7位仙台市、8位金沢市、9位札幌市、10位つくば市の順。東京23区は1位港区、2位千代田区、3位中央区がベスト3で、最下位は江戸川区。合計スコアは、中央区(1,378.1点)より大阪(1,355.8点)のほうが低い。
大阪市は、経済・ビジネスと文化・交流の両分野で高い評価を維持。名古屋市は、研究・開発と交通・アクセスで高い評価を獲得した。福岡市は、経済・ビジネスでは2位を維持し、特に「ビジネスの活力」の新規不動産業用建築物供給面積でスコアが上昇した。横浜市は、文化・交流で3位と高評価を得ている。京都市は、文化・交流で昨年に引き続き首位を維持している。
分野別では、経済・ビジネスは大阪市、研究・開発は名古屋市、文化・交流は京都市、生活・住居は名古屋市、環境は鎌倉市、交通・アクセスは大阪市がそれぞれトップ。アクター別では、シングルは名古屋市、ファミリーは福岡市、シニアは松本市、観光客は大阪市、経営者は大阪市、従業員は大阪市がそれぞれトップ。
47都道府県庁所在地のワースト3は那覇市(136位)、高知市(134位)、福島市(86位)。那覇市は、分野別スコアで「文化・交流」は15位にランクされたが、「経済・ビジネス」は78位、「交通アクセス」は70位で、「研究・開発」「生活・居住」「環境」は最下位になっている。47都道府県庁所在地より上位は10位つくば市(水戸市は72位)、12位松本市(長野市は17位)、21位浦安市(千葉市は50位)の3市。
首都圏では、東京都は全国合計スコア25位府中市、26位三鷹市、39位調布市、47位立川市、48位八王子市、73位日野市、75位小平市、107位町田市、108位西東京市。人口17万人未満の武蔵野市などは調査対象外。
神奈川県トップは全国合計スコア4位の横浜市で、16位鎌倉市、60位藤沢市、109位相模原市、110位横須賀市、111位平塚市、112位茅ヶ崎市、113位大和市となっている。人口14万人の海老名市は調査対象外。
埼玉県のトップは全国合計スコア32位のさいたま市で、92位川越市、93位熊谷市、94位川口市、95位所沢市、96位春日部市、97位上尾市、98位草加市、99位越谷市の順。人口17万人未満の新座市、久喜市、三郷市などは調査対象外。
千葉県は、浦安市、千葉市の次は76位に流山市が入り、100位市川市、101位船橋市、102位松戸市、103位習志野市、104位柏市、105位市原市、106位八千代市。人口17万人未満の佐倉市、野田市、木更津市などは調査対象外。
三県とも5~8市が〝群(塊)〟として連続してランク入りしているのが特徴。他の地域も同じような傾向がみられ、81位の函館市から85位の八戸まで北海道・東北が、116位富士市から120位鈴鹿市までは東海が、121位堺市から130位加古川市までは大阪圏が、131位呉市から136位那覇市までが中国・四国・九州がそれぞれ連なっている。
◇ ◆ ◇
「官能都市」の順位は別表の通り。島原氏は「本来の趣旨は都市に優劣をつけて序列化することではない。ランキングは、あくまで、こういう指標で測ればこういう結果になった、というかたちで指標のアイデアにリアリティを与えるものであり、それ以上でもそれ以下でもない。また、すべての都市がセンシュアス・シティを目指すべきだと主張する意図もない」と断っているので、そのつもりで見ていただきたい。
島原氏は、市街地再開発に対しては辛らつではあるが、致命傷になる、修復が不可能になるような攻撃を加えていない。大手デベロッパーの地道なエリアマネジメント活動などをきちんと評価している。「官能都市」が何よりもいいのは、主語が「私」であり、述語は「キスした」などの動詞であることだ。ただの願望に過ぎない「ナンパしたい」「住みたい」などの助動詞でないことだ。
島原氏は終章で次のように記している。
「自分にとっての意味によって語られる物語のことを『ナラティブ』と呼び、『昔々あるところに』で始まるようなストーリーの物語とは区別される。私たちが自分で住んでいる都市について誰かに語るとき、そこで語られるのは、よほど特殊なシチュエ―ションでない限り、緯度経度や面積や人口やGDPなど客観的なデータではなく、自分自身のナラティブである。だから自分が住んでいる都市に対して大して語る言葉がないとすれば、それは自分が住む都市が、自分にとってあまり意味化していないことを表している」
そして、またナラティブ度順位の高い横浜市中区、千代田区・中央区、文京区、横浜市西区、目黒区、港区、松本氏、函館市、世田谷区、武蔵野市などを紹介し、「下関市(都市特性評価133位=記者注、以下同じ)、那覇市(同136位)、高知市(同134位)、長崎市(同43位)、奈良市(同18位)、山口市(66位)、川越市(同92位)などもナラティブ>センシュアスギャップが大きい」としている。
島原氏が絶賛している吉江俊氏の「<迂回する経済>の都市論」(学芸出版社)を買って読んでいる途中だ。記者のような素人を対象にしていないのだろうが、全体の骨組みを補強する役割を果たす金物(参考文献の古典・論文)が多すぎる(ハワードの田園都市構想は分かるが、「都市と農村の結婚」「農工両全」はありえないことは過去の歴史が証明していると思う)。ただ、「『何か大切なことが書いてある気がする。手元に置いておこう』と思ってくれる人がもしいたならば、私の試みは半分、実現したようなものだ」(序章)と述べられている、その一人だ。著作で紹介されている「下北線路街」もこの前見学・取材してきた。機会があったら記事にしたい。
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以下は、双方を比較して思いつくままに記すものだ。
「都市特性評価」上位のつくば市(10位)、浜松市(15位)、鎌倉市(16位)、奈良市(18位)、豊田市(26位)、浦安市(21)、府中市(25位)、三鷹市(26位)、豊橋市(29位)、盛岡市(30位)、松山市(33位)八王子市(48位)などは「官能都市」の106位までに入っていない。これはなぜか。
逆に、「都市特性評価」136位まで入っていないのに、「官能都市」106位までにランクインしているのは武蔵野市(39位)、狛江市(調布市とともに46位)、日野市・多摩市・稲城市(1括りで94位)、国立市・国分寺市・小金井市(1括りで95位)。人口17万人未満の武蔵野市を敢えて入れ、複数市を1括りにしているのはある程度理解できる(記者は調布市、三鷹市、日野市、多摩市に居住経験があるが、住宅選好で重視したのは子育て環境と緑環境)。ただ、調布市と立川市が入っているのに三鷹市と八王子市が入っていないのは解せない。また、〝住みたい街ランキング〟などで上位にランクされるつくば市、浦安市、鎌倉市などが106位以下なのはどうしてか。
「都市特性評価」の配点にも疑問を挟まざるを得ない。2,800点満点で「環境」の配分は500点。比率は17.9%だ。記者が重視する「都市地域緑被率」は全体で87項目のうちの1つに過ぎないこれは少な過ぎないか。環境は何よりも重視すべき指標ではないか。お金持ちは緑被率の高い区に住んでいるという研究論文はあるが、お金を出せば環境を買えるということか。
また、「生活・住居」では、23区はほぼ地価水準・マンション価格水準の高い順にランクされているが、これは何を意味するか。23区内のマンション価格は、どんなに駅から遠いところでも坪単価は300万円をくだらない。利便性の高いところは500万円以上だ。早晩、都心の一等地は坪3,000~5,000万円になると記者は見ている。一般的な給与所得層は住めなくなる。「住宅の広さ」「住宅コストの低さ」を重視したら、庶民にとっては最悪の点数どころかマイナスだ。調査は、地価が高く、居住水準が低いほど高い評価となっていることが分かる。
全ての調査・ランキングに言えることだが、何のためか、誰のためかを考えることが必要だ。積水ハウス「男性育休白書」では、「男性の家事・育児力全国ランキング2025」は2年連続して沖縄県がトップだ。
◇ ◆ ◇
長谷工総研の「CRI」10月号からエッセイスト・広瀬裕子氏の巻頭エッセイが紹介されている。「官能都市」報告書のセンシュアス、ナラティブに通じるものがあると思うので、以下の通り「『住む』は『生きる』」から少し引用する。
「毎朝、目覚めた時に漂う静けさ、帰宅して窓を開けた時の風景、駅に降り立った時の香り、近隣から流れてくる音。
条件やそれに伴う事項は、金銭的な余裕があれば、いくらでも選択できます。でも、条件に掲載されていない多くのことや五感が、『生きる』ことを形作っていきます。
不動産情報で条件が合い内見したけれど『ここではない』となることが度々ありますが、それは、条件には挙げられていない本質的なことが『そこではない』と感じるからだと思います。
…『住む』は、すべての『生きる』とつながっている-。あの家の、あの季節の、あの場所だから、気づいたことです。大切なことは、情報として発進されること以外、日々のなかで展開することがほとんどです」
所得の多い人は緑被率の高い地域に住むその差100万円立正大・榎本氏の論文(2025/9/28)
「Sensuous City(センシュアス・シティ)[官能都市] 2025」発刊 LIFULL HOME'S(2025/9/25)
夫の育児・家事の満足度高いのは佐賀、沖縄、山梨、三重積水ハ「男性育休白書」(2025/9/22)
〝訳あり不動産〟845万戸 山積する課題浮き彫りに ネクスウィル調査

(提供:「株式会社モニタス」)
空き家・訳あり不動産の買取再販サービス「ワケガイ」・空き家・訳あり事業を展開しているネクスウィルは10月9日、メディア向け「訳あり不動産の実態に関する勉強会」を開催し、「共有持ち分」に関する訳あり不動産実態調査結果を発表した。
調査は、全国40歳以上の男女11,199人を対象にインターネットリサーチにより「株式会社モニタス」が実施したもの。「訳あり不動産」とは、相続や権利関係の複雑さなどにより、売却や活用が難しい不動産を指す。
調査の結果、40歳以上家計主世帯における3,112戸の現住戸の持ち家数のうち、共有持ち分付き住宅は全国で845万戸(現住戸が612万戸、現住戸以外が233万戸)にのぼり、大都市圏に集中し、「隠れ資産」の存在感が浮き彫りになったとしている。
「共有持ち分の住宅や土地を売ることができる」と認識している人は全体で16.5%にとどまり、共有持分所有者の売却可能性の認知度は28%にしか過ぎないことも分かった。相続後に必要となる手続きや、手続きを行わなかった場合に起こり得るリスクの理解も2割程度にとどまっている。
共有持ち分を所有する人の9.4%が「困っている」と回答し、その悩みとして「税金や管理費用などの費用負担があること」(46.7%)のほか、「共有者との関係が良くない」「一部の共有者だけが使用しており、自身にメリットがない」「共有者の所在や連絡先が不明である」などと、人間関係や権利の不透明さに悩みを抱えていることがわかった。
このような悩みを抱える人のうち約7割が「時期を問わず解決したい」と考えており、「すぐにでも解決したい」と答えた人は10.3%にのぼった。
一方で、共有持ち分に関する専門家などへの相談経験がある人はごくわずかで、「相談したことはない」と答えた人が88.7%を占めた。
同社は結果について、同社代表取締役・丸岡智幸氏は、「買取再販業は、銀行からの融資を受けて事業展開しているが、このような『訳あり物件』は融資が下りない。当社はこれまで約300件の実績を通じてノウハウを蓄積してきた。問題を次の世代に先送りするのではなく、早め早めの対応が求められる。当社は、空き家対策に悩んでいる全国の自治体と連携を強化し、社会的課題の解決につなげたい」と話した。
同社の2024年度の買取実績は27.4億円(425件)で、うち「共有持ち分物件」は116件。2025年予測は42億円(800件)で、うち「共有持ち分物件」は200件を予測している。累計の「共有持ち分物件」取り扱い件数は約300件。自治体との連携による成約件数は約10件。

丸岡氏
◇ ◆ ◇
空き家問題に関心がないわけではないが、テーマが大きすぎて、手に負えないのでこれまでほとんど取材してこなかった。絶対的・排他的に保障されている財産権に踏み込むのは一筋縄でいかないからでもある。
なので、同社のような取り組みをしている会社があるのにびっくりした。累計で約300件の買取実績があるというではないか。しかも、連携している自治体は岩手県紫波町、愛媛県八幡浜市、岩手県宮古市、大阪府阪南市といえば、阪南市はともかく、往復の交通費だけで数万円、日帰りは無理だろうから1回の出張代を考えたら、ペイするとはとても思えない。それを社員が直接出向いて交渉するのだという。近親憎悪という言葉があるように、親族間のトラブルは容易に修復できないのはみんなよく知っていることだ。気の遠くなるような、複雑に絡み合った糸をほぐす、このようなビジネスモデルを構築した同社を応援したい。専門家に相談したら、アドバイスは得られるだろうが、解決策を提示する専門家は皆無のはずだ。
国土交通省の空き家対策総合支援・空き家再生等推進事業費の令和8年度予算概算要求額は70.80億円、1都道府県当たり額は約8,700万円だ。この額が多いのか少ないのかよく分からない。空き家の増加による社会的・経済的損失額をAIに聞いたら、「約3.89兆円の経済損失や、固定資産税の負担、資産価値の低下をもたらし、社会的損失としては、治安の悪化や犯罪の温床化、景観の悪化、近隣への被害、地域経済の衰退や過疎化を加速させるなどの問題を引きおこします」と返ってきた。
◇ ◆ ◇
いつか記事化を考えているのだが、国や業界に言いたいことが一つある。「有料老人ホーム」「特別養護老人ホーム」「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」もそうだが、「訳あり不動産」「事故物件」「嫌悪施設」「心理的瑕疵」などの文言を改めていただきたいということだ。
消費者は「訳」があるから不動産を売ったり買ったりする。空から人が降ってくる時代だ、世の中は「事故」だらけではないか(これは微妙な問題だが、「自死」はどうして「事故物件」になるのか。生きようが死のうが自由ではないか。生きづらい世の中を変えるべき)。「嫌悪施設」はほとんどエッセンシャルワーカーが勤務する施設だ。先祖代々が祭られている「墓地」を嫌悪することは、自己を嫌悪することにならないのか。
これらの文言・不動産用語は、問題を解決するのではなく、より問題を複雑化し、社会的・経済的格差を助長しているように思えてならない。
ZEH水準仕様で、窓面積を抑制しGX志向型に対応 ポラス「フォレストレ大和田」

「フォレストレ大和田GXgrade」
ポラスグループのポラスマイホームプラザは10月3日、ZEH水準を上回る「GX志向型住宅※」の要件を満たした分譲戸建て「フォレストレ大和田GXgrade」(全17戸)のメディア向け見学会を行った。「GX志向型住宅」の要件を満たしている分譲戸建てを見学するのは初めてだったが、ZEH水準の断熱仕様で、延床面積に対する開口・窓面積比率を一般的な住宅の約半分の12.4%にすることでGX志向型に対応しているのが特徴。また、同社初の床下に大容量の貯水用タンクを搭載しているのに驚いた。
「GX grade」の特徴は、①ハイブリッド給湯器や太陽光パネルによって、ZEH水準の住宅と比較し、年間85,259円(うち太陽光発電分75,369円)の水道光熱費を削減②住宅の室内は、断熱等級5と比較して冬場で1.8~2.0度の差がある③高出力・高効率を実現させた太陽光モジュールを採用④ハイブリッド給湯器「ECO ONE X5」を採用⑤アルミ樹脂複合フレームとLow-E複層ガラスにより国内最高レベルの断熱性能を実現したアルゴンガス入り窓を採用-していることなど。
また、レジリエンスの取り組みでは、①太陽光発電時でもスマートフォンの充電や家電の使用が可能②床下に大容量貯水タンク「マルチアクア」を搭載していることで常時36Lの水を貯蔵。水道水を普段使いしながら、災害時は4人家族3日分の飲用・調理用水が確保される③大型パントリーや保安灯を設置することで、多めの食材をストックでき、停電時も足元を照らすことができる。
見学会で、同社営業企画設計課課長・内野貴通氏は、「昨年、子育てグリーン住宅支援制度が創設されたのをきっかけにGX住宅開発に取り組んでいる。GXは世界的課題でもあり、分譲戸建てで取り組むことで業界をリードしていく。注文住宅検討者や未来志向のお客様にアピールできており、補助金(160万円)も販売促進材料になっている」と話した。

内野氏
また、同社営業企画設計1課係長・髙橋健太郎氏は「コンセプトは〝街と人のかけがえのない出逢い〟。ハード面だけでなくソフト部分のレジリエンスの取り組みを重視しているのが特徴」とし、細かな点についても配慮していることを説明した。

高橋氏
ポラス暮し科学研究所住環境Gグループ長・野田将樹氏は「当社グループは年間供給している2,500~2,600戸の分譲戸建ては全てZEH水準だが、この物件は性能の高い樹脂サッシと2重天井断熱を採用し、ZEH水準の断熱材と、高性能のサッシを採用することでGX型に対応できているのが特徴。延床面積に対する開口・窓面積比率は通常20%前半だが、この物件は12.4%。窓面積を半分にしたことが正解かどうかは分からないが、私は違和感を覚えなかった。2027年に予定されている改正ZEH基準の先行チャレンジになる。また、床暖房も搭載していないが、搭載してもGX型住宅に対応できることが確認できている。ちなみに省エネ率基準は35%以上だが、ここは42%確保できている。現在、30棟を対象に実証実験を行っているが、ほぼ狙い通りの数値が得られている」と語った。

野田氏
続いて、同社・森田昌久部長は同社の歴史や今後の展開について「当社グループの中では歴史の浅い会社だが、埼玉県子育て応援住宅供給量ではトップの418戸を供給しており、GX型住宅の取り組みを行っているのは当社のみ。今後も子育て、GX、レジリエンスに力を入れていく。蓄電池搭載も考えている」などと話した。

森田氏
物件は、東武アーバンパークライン大和田駅から徒歩14~15分、さいたま市見沼区堀崎町の第一種中高層住居専用地域に位置する全17戸。土地面積は100.10~109.45㎡、建物面積は93.46㎡~95.93㎡、価格は4,490万~5,990万円。
今年8月に第1期として10戸を分譲開始し、これまでに4戸が成約済み。反響数は61件。顧客の属性は年齢は30代後半、年収は900万円前後、注文住宅を検討している近隣居住者が中心。
同社はこのほか、昨年から「北浦和」(12戸)「桶川」(2戸)などを含めGX志向型37戸を分譲しており17戸が成約済み。GX志向型にすることで、ZEH水準よりコストは100万円アップするが、補助金や光熱費の削減で吸収できるのがセールスポイントになっているようだ。
※「GX志向型住宅」は、①断熱等性能等級6以上②再生可能エネルギーを除く一次エネルギー消費量削減率35%以上③再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量削減率100%④高度エネルギーマネジメントの導入の4つを満たすことが必要

「マルチアクア」
◇ ◆ ◇
各氏がプレスリリースや配布資料に基づいて説明したのを、ふむふむと頷きながら聞いていたのだが、野田氏が話の途中で、リリースにも配布資料にもない窓面積比率に言及したのにびっくりした。ちょうど、大腸ポリープを切除したことで腹痛から解放されたときのように、ずっと疑問に思っていたことがストンと腑に落ちた。
なぜ腑に落ちたかについて、少し長くなるが説明する。記者は、2025年度の子育てグリーン住宅支援事業にGX志向型住宅と長期優良住宅とともに、ZEH水準住宅も対象になったのにはいささか驚いた。良質住宅の普及に誘導しようという意図は分からないでもないが、政府は2030年までにすべての新築住宅がZEH水準を満たすことを目標に掲げている。つまり、ZEH水準はあと5年で当たり前になる。当たり前になる住宅に対して国費を投入するのは如何なものかと思ったからだ。
この事業に、全国分譲戸建てシェア約3割を占める飯田グループホールディングスが敏感に反応した。同社は一昨年の「飯田グループホールディングスTCFDレポート2023」で、「2025年の『ZEH水準比率100%』等の検討を始めております」と謳っており、今年6月、2025年4月以降に確認申請を取得した新築分譲戸建住宅全棟でZEH水準に対応し、達成率が100%となったと発表した。
これはこれで結構なことだが、制度は全体的な住宅の質・快適性は問われないから、断熱等級を上げるには延床面積を小さくし、さらに熱の出入りが激しい窓面を少なくすればいいことになる。
記者はここに注目している。住宅の開口・窓面積と質・快適性との相関関係はいまひとつ分からない。ただ、最近はめっきり減ったが、各デベロッパーはかつて〝ワイドスパン〟〝ワイドサッシ〟〝ハイサッシ〟を3点セットにしてマンション広告で謳っていた。その効果があるのだろう。しかし、窓面積を広くすることは断熱性能を低くすることにつながり、断熱性能を高めるには窓面積を小さくすればよいことになる。住宅の質・快適性と窓面積はトレード・オフの関係にあるといっても言い過ぎではないと思う。
そうした疑問をずっと抱いていたので、今年7月に行われた中央住宅「ひととき 流山市松ヶ丘・南柏」見学会で、同社不動産ソリューション事業部不動産開発部企画設計課課長・村田嵩胤氏に質問したところ、村田氏は「様々な仕様を引き算すればZEH水準は可能。当社は居住性・快適性を犠牲にするようなことはしない。足し算で居住性を高めることが重要」と語った。
この日の野田氏の話と村田氏の考えは矛盾するようだが、森田氏が「GXに取り組んでいるのはポラスグループの中で当社のみ」と語ったことで説明がつく。「窓面積を小さくすることが正解かどうかは分からないが、国土交通省が改正を考えているZEH基準の先行チャレンジプロジェクトになるのではないか」(野田氏)。同社にはぜひとも実証実験の結果を報告してほしい。

モデルハウス(左の窓は幅1間、高さ2400ミリ)

現地
初の「ルネタワー」に続き初の最高峰 総合地所「ルネグラン上石神井」第1期が即完

「ルネグラン上石神井」
総合地所は10月2日、首都圏初の最高峰ブランド「ルネグラン」の「ルネグラン上石神井」のメディア向けプロジェクト見学会を行った。駅から徒歩5分の1低層の大型で、高さ規制の緩和を受けた4階建て全106戸の大規模物件で、ZEH・M Oriented、低炭素建築物認定、ABING認定、柱・梁型が少ない厚肉床壁構造など、全体的にレベルの高いマンションだ。第1期25戸が即日完売した。
物件は、西武新宿線上石神井駅から徒歩5分、練馬区上石神井四丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率50%、容積率100%)に位置する敷地面積約7.688㎡の4階建て106戸(販売対象戸数105戸)。専有面積は58.28~91.37㎡、第2期(戸数未定)の専有面積は67.55~75.66㎡、予定価格は8,000慢円台~12,000万円台、坪単価は470万円。竣工予定は2026年8月。販売代理は長谷工アーベスト。設計・施工は長谷工コーポレーション。
エントリー開始は昨年10月からで、これまでの反響数は約1,300件、7月から開始したモデルルーム来場者は約220件。9月28日に第一期25戸の販売を行い、即日完売した。反響・契約者の約3割は練馬区居住者で、他は23区広域にわたっており、30代から40代の年収1,000万円台~1,500万円台が中心。
現地の従前はテニスコート。用地は長谷工コーポレーションが土地所有者から相対で取得。駅徒歩5分の1低層の敷地5,000㎡以上の物件は過去20年間で23区では3物件(0.1%)しかない希少物件。
建物は都市計画法55条2項の適用を受け、高さ規制は10mから12mに緩和されている。形状はコの字型で、敷地南側は都の都市計画道路予定地で、その先は西武線の線路。同線は令和22年度完成予定で高架化(4層レベル)が決定されている。敷地東側は道路を挟んで小学校の校庭、北側は住宅地を挟んで中学校の敷地。西側は低層住宅地。敷地中央に約1,000㎡の中庭「五感の庭」が設けられる。
主な基本性能・設備仕様は、ZEH・M Oriented、低炭素建築物認定、ABING認定、柱・梁型が少ない厚肉床壁構造、環境配慮型コンクリート「H-BA」、二重床・二重サッシ、リビング天井高2450ミリ、2.3mハイサッシ、ディスポーザー、食洗機、フィオレストーンキッチン・洗面天板、分譲マンション初のTOTOの便スキャン付きトイレ「ネオレストAS-W」、可動式収納「ウゴクロ」(75戸)、洗濯物干し(4階のみ)、全熱交換型換気システム(パナソニック製)、管理会社管理者方式「smooth-e」(スム―シー)、T-2サッシなど。住戸のバルコニーにプランターが設置されるのも特徴の一つだ。
見学会で同社分譲事業部マンション開発部開発1課・岩月祥子氏は「駅から徒歩5分の1低層の小・中学校に近い希少立地、1,000㎡の中庭、柱・梁型が住戸内に出ない工法、2.3mのハイサッシなどが高い評価を得ている」などと話した。「ルネグラン」の首都圏第2弾はいまのところ予定はないそうだ。

中庭「五感の森」

外観
◇ ◆ ◇
同社の最高峰ブランドマンション「ルネグラン」(関西圏は3物件の供給事例あり)を初めて見学した。先の「ルネタワー八王子」もそうだったが、今回の物件の基本性能・設備仕様レベルは高い。坪単価470万円も安いと思う。都心へのアクセスはともかく、西武池袋線石神井公園駅圏のマンションの坪単価は600万円超だ。
販売事務所・モデルルームの観葉植物が全て本物だったのにも記者は感動を覚えた。「ルネグラン」への自負がうかがえる。〝フェイクをやめよ〟としつこく書いてきたことが理解されてきていると思うととてもうれしい。
以下は余談。前回の「八王子」もそうだったが、今回もメディア見学者は10人もいなかった。一昨日の三井不動産レジデンシャル「笹塚」の見学者はその倍以上の20~30人だったはずだ。
なぜ、こんな差が出るのか。既存メディアの〝大手志向〟〝事大主義〟が理由の全てだ。各メディアの取材体制は40~50年昔の紙媒体が中心で、大手デベロッパー、ハウスメーカー、行政担当、中小不動産会社などに細分化されている(もはやそんな垣根はない)。マンション取材もまたこの旧態依然の体制が基本なので、一部の大手マンションデベロッパー以外の見学会は極端に人数が減る(記者はそんな差別的な扱いをしたことがない。「ルネ」は数少ない老舗ブランドだ)。つまり、この日の見学者のほとんどは「笹塚」を見ていないはずで、双方を見学したのは記者だけかもしれない。
しかし、消費者の立場で見れば、物件の質・価値がもっとも重要で、大手も中小も関係ない。専門誌・紙の記者は双方を見ないと、その良し悪しは分からないはずだ。良し悪しが判断できなければ、見学するのは時間の無駄。見ないほうがいい。ただ、モノを見なければ、そのうち「記者」の職業は、AIにとって代わられるのは必至だ。「考える力」が備わっているのが人間だ。

バルコニープランター

キッチンカウンター(オプション)緑は全て本物

模型の周りの床(チップも観葉植物も全て本物)

現地(手前から西武線線路、都市計画道路予定地、マンション)
〝ルネ〟最高峰で初の〝ルネタワー〟総合地所・JR東日本都市開発「八王子」(2025/8/28)
渋谷区最大級 京王線最高値 定借で坪単価700万円 三井不「笹塚」人気

「パークタワー渋谷笹塚」
三井不動産レジデンシャルは9月30日、「パークタワー渋谷笹塚」のプレス内覧会を実施。第2期(約100戸の予定)の販売を10月11日に開始すると発表した。これまでのエントリー数は約15,000件、サロン来場者は約1,500件に上っており、平均坪単価は第1期と同様700万円になる模様。第1期230戸は販売済み。
物件は、京王線笹塚駅から徒歩4分、渋谷区笹塚1丁目の商業地域に位置する、敷地面積約8,100㎡、期間70年の定期借地権付き28階建て全659戸(一般販売対象住戸643戸)。10月11日に登録を開始する第2期(戸数は100戸程度)の専有面積は43.94~108.56㎡、価格は7,000万円台~32,000万円台(前払い地代!含む)、最多価格帯は11,000万円台。坪単価は約700万円になる模様。竣工予定は2027年12月下旬。期間70年の定期借地権付き施工は大林組。
昨春にエントリーを受け付け、これまでの反響数は約15,000件、サロン来場者は約1,500件。今夏に分譲した第1期(230戸)は最高12倍、平均1.8倍で登録完売している。購入者は30~40代のプレファミリー、ファミリーが中心。
現地は、新宿・中村屋の本社・工場跡地。用途地域は商業地域で、従来の高さ規制は50mだったが、「笹塚駅南口地区まちづくり構想」により100mに緩和された。敷地北側には京王線の線路が走っているが、南側は20m以下(一部30m)の住居系エリアが広がっており、中・高層住居の日照・眺望が担保されている。駅からは高架下を通れるので、ほとんど雨に濡れない。
敷地内に650本の樹木を植栽、じゃぶじゃぶ池、広場などを設け、建物は制震構造で、外観デザインは、フィン、水平ルーバー、グラテーションガラス、石柱など玉川上水の自然を取り込み、形状はロの字型。1~3階は商業施設、共用施設などで、住居は4階以上。北側住戸は16階までは二重サッシ(住戸側は樹脂サッシ)。
主な基本性能・設備仕様は、ZEH-M、Oriented認定、二重床・二重天井、26階までのリビング天井高2550ミリ(27・28階のプレミアムフロアは2650ミリ)、ディスポーザー、食洗機、フィオレストーンキッチン天板、バックカウンター・食器棚、クォーツストーン洗面カウンター/陶器製ボウル、ローシルエットトイレ、Low-Eガラス、指はさみ防止玄関ドア/建具など。共用施設はラウンジ、ゲストルーム(5室)、ライブラリー、パーティルーム、プレイ&ライブラリー、スカイテラス、ランドリーなど。アートディレクター北川フラム氏が率いるアートフロントギャラリーが監修し、アーティスト7組のアート・オブジェなどか設えられるほか、パラアートも展示される。

外観 広場

じゃぶじゃぶ池

スカイデッキ
◇ ◆ ◇
まず、単価、昨年末の三井不動産グループ記者懇親会で、記者は嘉村徹社長に「坪単価は700万円でどうですか」と聞いたところ、「いい線だ」という回答があった。まさかその通りになるとは思っていなかったが、どんぴしゃり(価格は市場が決めるもの。記者はコメントしないが、京王線の最高値=所有権に換算して)。
問い合わせが15,000件に達しているのは正直驚いた。内覧会資料には、渋谷区内のこれまでの「広尾ガーデンフォレスト」「代官山アドレス」「パークコート渋谷」「パークコート神宮北参道」「青山パークタワー」「シティタワー恵比寿」「センチュリーフォレスト」などの人気物件が紹介されていたが、「笹塚」の規模はこれらを上回る区内最大級という。これが反響の多さにつながったのか。(同社はこれまで最寄り駅が京王線幡ヶ谷駅の「パークコート渋谷大山町」や「パークホームズ代々木西原」を分譲しているが、物件名にわざわざ「渋谷」「代々木」を付け、「幡ヶ谷」を付けなかった。今回も「渋谷」を付けている。「代々木西原」は「代々木上原駅」から徒歩9分、「幡ヶ谷駅」から徒歩5分、坪単価は780万円で早期完売した。すぐ隣の世田谷区、杉並区、京王電鉄は考えたほうがいい)
74㎡のモデルルームのスパンは9.8mのワイドスパンで、北向き住戸の45㎡でも6.17m。人気になっているのはよくわかる。この種(写真)の指はさみ防止ドア・建具は初めて見た。
もう一つ強調したいのはパラアートだ。この種のアートは同社をはじめ、三菱地所、野村不動産、東京建物もマンション、その他の施設に積極的に採用している。素晴らしい作品ばかりだ。記者はこれまで絵画などを鑑賞する際、作者の出自、経歴などを一応調べたりはするが、規制・固定概念は捨て、美しいか美しくないかの私自身のモノサシで測る。〝パラアート〟なる言葉が死滅することを願っている。
また、配布資料の最終頁(25ページ)に〝つけたし〟のように紹介されていた「東京都マンション環境性能表示」に記者は注目した。この制度は断熱性、省エネ性、省エネ設備・電気、維持管理、みどりの5項目を★セロから★3つで評価する「東京都マンション環境性能表示」で、「省エネ設備・電気」が★2つだったため、満点の★15個に一つ欠けてはいるが14個を獲得している。(自治体の〝お墨付き〟をどう評価するかだが、記者はこの制度はとてもいいと思う)
ひとつだけ残念だったのは、サロン内の観葉植物だ。ほとんど全てがフェイク・グリーンだ。野村不動産の「BLUE FRONT SHIBAURA」や新宿のマンション総合ギャラリー、日鉄興和のギャラリーなどを同社関係者は見ているはずだが…。(余談だが、記者はこのように思ったことを書く。是々非々だ。ある大手デベロッパーは、記者が批判的な記事を書いたためか、一切取材の呼びかけがなくなった。三井不動産はそのような愚行をこれまで一度もしたことがない。念のため)

指つめ防止ドア建具

パラアート

パラアート

サロン(グリーンはほとんどフェイク)
三井レジ他「パークコート渋谷大山町」低層住宅街の大規模単価は470万円(2014/12/3)

