トーセイ 無限の可能性秘める賃貸アパート新ブランド/業態似るサンフロンティア

「T's Cuore BLISS自由が丘」
トーセイの賃貸アパート事業の新ブランド「T's Cuore BLISS(ティーズ クオーレ ブリス)」の第一弾「T's Cuore BLISS自由が丘」を見学した。「コスパ」ではなく、「好き」だから選ぶという価値観を前面に打ち出した3階建て木造賃貸6戸で、1階は<料理好きが暮らす>、2階は<本好きが暮らす>、3階は<アート好きが暮らす>がコンセプト。一般的な賃貸アパートにはまずないプランだが、それだけに無限の可能性を秘めていると見た。
物件は、東急東横線自由が丘駅から徒歩6分、目黒区自由が丘1丁目の商業地域・第一種中高層住居専用地域に位置する敷地面積約112㎡、延床面積約224㎡、木造3階建て全6戸。専用面積は30.95~35.29㎡、賃料は18.5万~20.9万円。竣工は2026年2月27日。コンセプト企画はアーキセプトシティ(室井淳司氏)、設計は松本悠介建築設計事務所。施工は大悟建設。
現地は、様々なショップや飲食店が建ち並ぶ「サンモア通り」と「女神通り」から少し離れた東急東横線線路に近接した狭小敷地だが、敷地東側と南側の日照は確保されている。敷地南側は谷畑弁財天。
1フロア2戸構成で、1階は約2畳大の土間付き<料理好きが暮らす>34・35㎡。2階は冊数にしたら数千冊が並べられそうな本棚付きの<本好きが暮らす>30・33㎡。3階は天井高約3mでロフト付きの<アート好きが暮らす>33・33㎡。いずれもデザインは白が基調で、アール形状を多用、キッチン・カウンターを明るい窓側に設置しているのが特徴。
同社は2025年11月末時点で23棟の賃貸アパートを保有しており、2026年11月期以降に竣工予定の木造賃貸アパート用地を含めると37棟になる。

1階の<料理好きが暮らす>

2階の<本好きが暮らす>

3階の<アート好きが暮らす>

現地
◇ ◆ ◇
〝自由が丘〟と聞いてどのようなイメージを描くかは人それぞれだが、物件を見学して、その商品企画意図を理解した。万人受けするプランではないが、1階の土間付きはカフェや趣味のアクセサリーなどを販売する〝なりわい賃貸〟にぴったりだ。2階の<本好きが暮らす>も本好きにはたまらないプランだ。3階の<アート好きが暮らす>は天井高3mが圧巻。
2万円近い坪賃料は決して安くないのでリーシングがどうかだが、同社が賃借人をサポートすれば他の物件でも展開できる。登記は可能なのだろうか。
◇ ◆ ◇
同社の2025年11月期決算説明資料を読んだ。売上高946億円(前期比15.2%増)、営業利益223億円(同20.8%増)、当期利益147億円(同23.3%増)。セグメント別の売上高は、不動産再生事業が391億円、不動産開発事業が230億円、不動産賃貸事業が91億円、不動産ファンド・コンサルティング事業が90億円、不動産管理事業が90億円、ホテル事業が71億円だ。
業態・業績はサンフロンティア不動産とよく似ている。サンフロンティアの2026年3月期決算予想は売上高1,170億円(前期比13.4%増)、営業利益238億円(同12.0%増)、当期利益155億円(同9.4%増)。セグメント別では、不動産再生事業が813億円、ホテル・観光事業が214億円、不動産サービス業が140億円だ。
株式の時価総額はトーセイが1,499億円、サンフロンティアは1,297億円。株価は、本日(3月24日終値)時点でトーセイは1,540円、サンフロンティアは2,661円、サンフロンティアの株価が高いのは、伊藤忠商事が2月25日付でサンフロンティア株の公開買い付けを発表したことが大きいと思われる。
よく似てはいるが、ヒストリーは全然異なる。トーセイは、もともとはマンションや分譲戸建て、ビル事業が中心で、2006年に社名を東誠不動産から現社名に変更し、その後、不動産再生事業、不動産ファンド・コンサルティング事業、ホテル事業などに参入し、業容を拡大してきた。一方で、マンションは記者が取材した「相模原」の後は1物件しかなく、次の物件は2028年の「反町」しかないという。分譲戸建てもこの3年間は1戸もない。
サンフロンティアはどうか。1999年に設立した当時は不動産仲介が中心で、2001年にリプランニング事業(ビル再生‧活性化事業)を開始してから業績を拡大してきた。不動産開発(ホテル事業)はこの10年くらい前だ。最近、賃貸マンション事業に参入した。
いずれにしろ、名だたる中堅デベロッパーが相次いで破綻したリーマン・ショックを両社が乗り越えられたのは、リスクが大きいマンションなどの開発事業に手を出さなかったからともいえそうだ。
両社にはもう一つ共通点がある。先に伊藤忠商事がサンフロンティアにTOBを実施したことを紹介したが、トーセイは2024年に名古屋鉄道と資本業務提携を結んだ。首都圏と名古屋圏の不動産開発事業の拡大を狙ったものだ。
記者は三重県出身なので、名鉄都市開発を応援したい。これまでの首都圏マンション事業は仕入れなど課題も多い。同じ中部圏では中部電力グループ入りし、破竹の勢いにあるエスコンに負けないようにしてほしい。「THEパームス相模原パークブライティア」の記事も添付する。
相模原市初の「児童公園(街区公園)以外の提供公園第1号」 トーセイ「相模原」(2020/8/7)
旭化成ホームズ「Asu-haus」第二弾 三方良しの賃貸事業モデル構築目指す(2026/3/1)
小田急バス&ブルースタジオなりわい賃貸「meedo」街びらき想定の倍2000人超(2025/7/14)
在宅避難に対応 防災配慮型第4弾1号 大東建託「ぼ・く・ラボ賃貸FEEL」満室稼動

「ぼ・く・ラボ賃貸FEEL(フィール)」
大東建託は3月23日、防災配慮型賃貸住宅シリーズ第4弾「ぼ・く・ラボ賃貸FEEL(フィール)」の完成第1号物件「ノール・エトワール」のメディア向け見学会を行った。横浜市営グリーンライン北山田駅から徒歩12分の2×4工法2階建て全6戸で、満室稼動。テーマの〝防災〟がどこまで訴求したか分からないが、周辺は建ぺい率40%、容積率80%の閑静な住宅地。坪賃料約9,000円は安いと思った。
物件は、横浜市営グリーンライン北山田駅から徒歩12分、横浜市都筑区北山田6丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率40%、容積率80%)に位置する2×4工法2階建て全6室。専用面積は1階の1LDKが約43㎡~、2階の2LDKが約57㎡~。賃料は約12.4万~約14.7万円。竣工は2026年3月で、満室稼動。
「FEEL(フィール)」は2025年5月に発売開始した商品で、高い基本性能とフェーズフリーの設計がコンセプト。主な基本性能は耐震等級3(同社は等級1が多い)、ZRHオリエンテッド、長期優良住宅認定。
太陽光発電システムは、大東建託がオーナーから屋根を借り、京セラから購入した太陽光パネルを設置し、京セラが余剰電力を買い取る「DK-ZEHα」を採用。居住者は停電時は太陽光パネルで発電した電気と蓄電池内の電気が使用できる。太陽光は10キロワット、蓄電池は5.5キロワット。専用部の特徴は、充電しながらしまえる「コンセント収納」、ローリングストックに最適な「パントリー収納」、大型ウォークインクローゼットなどで、ペット飼育も可能。
見学会で同社総務部防災管理課兼総務課課長(防災士)・仲宗根昌則氏は、「当社は従来からグループ個社でそれぞれ防災の取り組みを行ってきたが、同じ方向を目指すため2023年に『大東建託防災ビジョン2030』を策定した。2024年の能登半島地震では当社グループが管理する石川県内の2,204棟は倒壊建物はゼロで、復興支援として100人を超えるスタッフが参加して、38戸の無償提供、水(11,696ℓ)、水タンク(13,570ℓ)、簡易トイレ(57,100個)、食料提供(12,344食)などを行った。現在、全国213か所にある災害支援拠点を2030年までに250拠点に増やす。とくに激甚災害リスクが高い『防災town』拠点として東海エリアの和歌山・姫路・四日市に先行的に開設したが、今年は名古屋市を加え、2030年には10都市に拡大する」と語った。
防災配慮型賃貸住宅シリーズの商品企画について同社商品開発部商品開発課課長・櫻井正雄氏は、「『FEEL』は、住宅の基本性能を高め、在宅避難にも対応できる進化型にした。昨年10月に着工するまでにほとんど申し込みが入った」と語った。
「ぼ・く・ラボ賃貸」の受注棟数は、2022年3月に発売した「niimo(ニーモ)」は3棟、2022年に発売した「Yell(エール)」は81棟、2024年1月に発売した「DOMO(ドーモ)」は13棟、2025年5月に発売した「FEEL(フィール)」は16棟。

上が太陽光、下が蓄電池のコンセント(使用可能時は点灯する)

「パントリー収納」

仲宗根氏(左)と櫻井氏
◇ ◆ ◇
都筑区北山田は、港北ニュータウンの北部に位置し、北山田駅は平成20年(2008年)に横浜市営地下鉄グリーンラインの開通に伴って新設された駅だ。
初めて降り立ったが、駅周辺にはタバコが吸えるカフェなどはなく、現地まではかなりきつい坂(駅のホームは地下4階で、地上からの比高差は数十メートル)があるのは難点だが、従前は田んぼだったという山田富士公園を通り抜けていけるアプローチは最高に素晴らしい。
写真を見ていただきたい。現地は良好な住宅地を形成している。かつて、同社の「いい部屋ネット 住みここち』ランキングで首都圏で3位、神奈川県で1位になったのもうなずける。この住環境を加味したら、賃料は安いと思う。着工前にほとんど満室になったのも当然だ。

「ぼ・く・ラボ賃貸FEEL(フィール)」

現地の隣接地で咲いていたオオイヌノフグリ(左)とホトケノザ

北山田富士公園のユキヤナギ

北山田富士公園

公園の蓮田

カメ(子どもだ一緒に遊んでいた。このほかコイ、ザリガニ、タニシ、アオダイショウ、メダカ、カモ、白鳥などが生息しているとかで、公園は生物多様性の宝庫)
約8,700人を対象とした地域ぐるみの防災訓練三菱地所レジなど「津田沼奏の杜」(2026/3/8)
CLTの断熱性能の高さ実感大東建託賃貸住宅第三弾「Forterb(フォルターブ)Ⅲ」(2025/2/19)
天晴れ大和ハウス・芳井社長&大東建託・竹内社長の即断即決賃貸に関する災害協定(2023/3/5)
〝20:00の門限ありがとう〟聖徳大学女子寮経験者 ポラス55回目の「棟下式」

〝20:00の門限ありがとう〟聖徳大学和心寮経験者の皆さん
ポラスグループの中央グリーン開発は3月21日、3月末に物件引き渡しを受ける聖徳大学和心寮の解体工事を始める前の「棟下式(むねおろしき)」を開催した。「棟下式」は、住宅開発として取得した土地に建っている建物などを解体する前に、従前オーナーや関係者、近隣住民などを呼び、神主による祝詞を上げ、思い思いの感謝の言葉をボードに落書きし、餅まきを行うもの。2017年に第1回目を開催し、今回が55回目。卒業生や町内会長も参加し、数十人が別れを惜しんだ。
同社CSV推進室室長・竹内逸人氏はメディアに対して、「2017年4月に『北越谷』で第1回目を開催してから今回が55回目。従前の建物などが取り壊されるのに心を痛めるオーナーもいらっしゃるので、心の整理をつけ、感謝の気持ちを込め別れを告げるのが目的」と説明した。
5人の友人とともに式典に参加した新潟県出身の寮生活経験者・鈴木未来さん(37)と同郷の佐々木美咲さん(36)は、「入寮したのは2007年から2008年の2年間」「門限が最初は20時で、その後21時までに延長されました」「楽しい思い出がいっぱい詰まっています」「今でも連絡を取り合って交流できるのは寮のお陰」「取り壊されるのはただただ悲しい」とこもごも感慨深げに語った。
落書きではみんな〝門限20:00ありがとう〟などと意味深な言葉を書き連ねていた。
寮が位置する松戸市常盤平六丁目町会会長・辻本廉さん(75)は、「町会は約1,000世帯で、町会加入者は620世帯。最盛期には120人くらいの寮生がいたのでとてもにぎやかだった。閉鎖されるのは残念だが、また新しい灯りをともしてほしい」と語った。
現地は、京成松戸線五香駅から徒歩10分、松戸市常盤平6丁目の敷地面積約1,6660㎡(504坪)。従前建物は6階建て。同大学が昭和55年に〝居抜き〟で取得し、定員127名の女子寮として近年まで運営していた。
1階に食堂、大浴場なとの共用施設があり、2階には防音機能付き楽器練習室、トイレ、化粧室があり、居室(個室)はガス暖房機、エアコンもついていた。

現地(手前は都市公園)

式典

〝かしこみ、かしこみ(恐み恐み)〟

餅まき

自由に落書きできる


竹内氏
◇ ◆ ◇
ビルやマンションなどの起工式、竣工式はたくさん見学・取材しているが、「棟下式」は今回で3回目。とてもいいイベントだと思う。デベロッパーは地域の歴史・文化を継承する役割を担っている。
一つ、お願いがある。神主さんはとても大事なことを話されているはずだが、〝かしこみ、かしこみ(恐み恐み)〟などの意味や、〝白す〟は「申す」と読むことも知らないはずだ、約30分間、頭を下げさせられたりしてとてもつらい。子どもたちもチンプンカンプンだろう。主催者は和訳したものを配布してほしい。大和ハウスが2019年に実施した横浜市栄区の「上郷ネオポリス」のコミュニティ施設が完成したのを祝うイベントで、神主さんが謳った祝詞を全文紹介したことがあるが、いま調べたらアクセス数は約15,500件に達している。記事は少しは役立っているということだ。
現地についてびっくりしたのは、周辺は一戸建て住宅ばかりなのに、この女子寮だけが6階建てだったことだ。現在は第一種低層住居専用地域だから既存不適格建築物だ。同大学は昭和55年に居ぬきで取得したというから、従前は社宅だったのだろうか。都市計画法の用途地域が定められたのは昭和45年(1970年)なので、それ以前の建物か。
個室は立派。いま流行りのシェアハウスより設備仕様はいいのではないか。初めて女子寮の大浴場をのぞいた。一度に20人以上が入れる大きさだった。想像をたくましくして、何か痕跡はないかと探したが、なにもなかった。普通の社宅・寮と変わらなかった。入浴時間は限られており、午後3時から夜10時くらいまで、1回限りということだった。
門限について。記者の従兄弟の娘さんが東京の大学に進学し、女子寮に住んでいたとき、突然電話がかかってきて〝今日、外泊するんですが、おじさんの家に泊まると学校に届けたので、もし学校ら問い合わせがあったらそのように言ってください〟ということだった。門限やら外泊禁止やらそんな制限は取っ払ったほうがいい。

大浴場の暖簾

浴場

防音室

居室
築50年 髙島屋⇒聖徳学園女子寮 元寮長の娘「これで安心」 ポラス「棟下式」(2023/9/23)
業界初「棟下式」「お宝発見ツアー」大賑わい700名超 ポラス 開発予定地でイベント(2017/4/16)
大和ハウス芳井社長「これほど心がこもった祝詞聞いたことがない」祝詞全文紹介(2019/11/2)
「桜ミニバッグ」に長蛇の列 三井不など「SAKURA FES NIHONBASHI 2026」

「SAKURA FES NIHONBASHI 2026」「桜みにバッグ」プレゼントに並ぶ人の列
一般社団法人日本橋室町エリアマネジメントと三井不動産は3月18日(水)~4月5日(日)、「SAKURA FES NIHONBASHI 2026」を開催する。開催当日の18日、イベントの注目コンテンツを体験できるプレスデーを実施したので少し見学取材した。参加者のお目当ては、昨年開催し、5日間で約6,000人を動員した「日本橋パウェス」の「桜ミニバッグ」のプレゼントようで、配布開始11:30までに数百人が長蛇の列をなしていた。
イベントは、日本橋室町エリアマネジメントが主催し、三井不が特別協賛し、COREDO日本橋、COREDO室町、TakashimayaS.G.、DAIMARU東京店、東急不動産、東京建物、三菱地所YUITOなど15団体・企業が協賛し、中央区と中央区観光協会が後援して行われるもの。今回が15回目の開催。
期間中、COREDO室町テラス大屋根広場を中心に桜ライトアップ、桜ちょうちん、桜暖簾、日本橋パフェス、ニホンバシ桜屋台&Night、桜メニュー&グッズ、桜シールラリーなどが行われる。

「桜ミニバッグ」

12:00頃には三井タワーまで人の列ができていた

ライトアップ

ちょうちん

グッズ
◇ ◆ ◇
取材の誘いがあればNOと言わないのを基本姿勢にしているので、他の取材がなかった時間帯だけ取材することにした。
取材受付の11:00にはすでに数百人の老若男女(とは言え圧倒的に多いのは女性)が広場を取り囲んでいた。門前市をなすとはこのことだ。
何がお目当てかを聞いたら、1日4回に分けて参加者にプレゼントされる「桜ミニバッグ」(メディアには無料で配布された)のようだった。バッグは麻の布製で、中にはシャンプー、化粧品、美容液の試供品、ピンクリボン、回遊マップ、アートステッカーラリー、共通割引券200円などが入っている。
数少ない平服の男性に声を掛けたら、奥さんと小さなお子さんと一緒で、「育休中」とのことだった。ネクタイ姿の男性(57)は「近くの会社に勤務しており、昼休み中。妻に言われて並んでいる」とのことだった(多分、昼休みが終わるころには間に合わないはず)。
広場の中のテーブル席も瞬く間にパフェを食べる人で埋まった。辛口記者を自認する記者は甘いものはほとんど口にしないし、パフェなるものは一度も食べたことがない。メディアに配布された無料券は並んでいた参加者にあげた。
パフェの料金を見て仰天した。2,000円前後もするではないか。日高屋でビール5杯は飲める。一生懸命食べている女性に声を掛けてまたびっくり。「これ?2,200円。千疋屋さんより安いわよ。私は3食パフェのはしごをすることもある。病気? 全然。そこの三井タワーで毎年健康診断を受けているが、どこも悪くない」とのたもうた。
不思議な若い男性もいた。テーブルに置いたパフェを矯めつ眇めつし、高価そうなカメラ(後で聞いたら小生のデジカメの10倍の50万円とか)に収めていた。いわゆるインフルエンサーだろうと思い声を掛けたら、編集プロダクション・アルファブルームの代表・平木昌宏氏だった。
平木氏に「クレジットをつけますので写真を提供していただけませんか」図々しくもお願いしたら快諾していただいた。その写真も添付する。同社はテクノロジー・不動産・自動車・金融・エンタメ・グルメなど幅広い分野で企画・取材・撮影・記事制作を行っており、不動産領域では大手ハウスメーカーの会報誌の制作も行っているそうだ。写真も記事のうち。小生のデジカメではいい写真が撮れないのは分かっているのだが…。
12:00過ぎだったか。並んでいる女性の一人が、スマホを操りながら〝ベネズエラが勝ったわよ〟と歓声を上げた-世界の飢餓人口は約7.3億人、栄養失調で死亡する人は子どもを中心に1日4~5万人、人を殺すことが罪にならない戦争も起きている。〝戦争は平和〟だ。
以下の写真は全てアルファブルーム代表取締役・平木昌宏氏提供





村野藤吾が設計した旧横浜市庁舎 リノベホテル「OMO7横浜by 星野リゾート」開業

「OMO7横浜by 星野リゾート」
星野リゾートは4月21日、同社が全国で展開する「テンションあがる『街ナカ』ホテル『OMO(おも)』の18施設目となる「OMO7横浜by 星野リゾート」を開業する。JR関内駅前の旧横浜市庁舎跡地を活用した大規模プロジェクト「BASEGATE横浜関内」に位置し、建築家・村野藤吾が設計した旧横浜市庁舎行政棟の歴史的価値を継承するもので、コンセプトは「気分上々、ハマイズム」。村野のデザインをそのまま継承したり意匠を再構築したりして「歴史継承・新旧融合」のレガシーホテルにしている。
旧横浜市庁舎は、横浜開港100周年記念事業として1959年に村野藤吾の設計により竣工。市民に親しまれた旧市庁舎の景観を継承するため、行政棟を原位置に残し、観光の賑わいの拠点となるようレガシーホテルとして活用するもの。
パブリックスペース「OMOベース」には、1階と2階を繋ぐシンボリックな大階段には、旧横浜市庁舎の象徴であった旧市民広間 大階段のデザインを継承し再構築。村野のデザインを象徴する、滑らかな曲線を描く手すりの一部も再活用し、2階の窓際の椅子には旧市会棟本会議場の議員席を再利用している。
また、横浜で生まれた文化や歴史背景を知ることができる「ハマイズムコレクション」をOMOベースに展示。村野がデザインしたフロア階数の数字デザインを継承・発展させ、「エレベーター内階数ボタン」「各階階数サイン」「客室番号サイン」に再デザインしている。
客室は全276室、広さ20㎡から73㎡の全9タイプを用意。客室のテーマカラーである赤・青・緑は、それぞれ旧横浜市庁舎内で使用されていた色を落とし込んだもの。最大4名定員の「かたりばルーム」も用意。
愛犬との宿泊も可能で、客室タイプには「ドッグフレンドリーダブルルーム」「ドッグフレンドリーデラックスルーム」「ドッグフレンドリースイート」の全3タイプを用意。屋外ドッグランと屋内ドッグラウンジも備えている。
「食」では、「OMOダイニング」の朝食ビュッフェ「Yokohama Morning Specialties」を提供。夜は、横浜らしいナポリタンやドリアの他、オマール海老の麻婆ポットパイや、スパイシーなラムを包んだ赤の餃子など中華メニューも用意。街歩きの前後に「ちょい飲み・ちょい食べ」が楽しめるラインナップとなっている。
このほか、「ご近所マップ」「横浜レガシーウェーク」「野毛ホッピングセレクション」「気分上々、ハマナイト」等様々な展示や企画を用意し、宿泊者の多様なニーズに応える仕掛けを施している。
施設は、JR根岸線関内駅から徒歩1分、横浜市中区港町1丁目に位置する客室数276室。客室料金:1泊1室36,000円~(2名利用時、食事別、税込)。事業者は竹中工務店、東急、京浜急行電鉄。設計:当初設計…村野、森建築事務所、改修基本設計・実施設計…竹中工務店。ホテルFOH部 インテリア基本設計・インテリアデザイン監修は成瀬・猪熊建築設計事務所、ホテルFOH部 造作家具実施設計はアイリスオーヤマ・I.P.Mプロジェクトマネジメント合同会社。ホテルサインデザインはUMA / design farm、数字フォントデザインは村野、森建築事務所・MURANO design、FFE設計・監理は成瀬・猪熊建築設計事務所。当初施工は免震改修工事:戸田組(現・戸田建設)、改修施工は竹中工務店。

左からSTELLAR SCIENCE FOUNDATION 代表理事・武部貴則氏、三井不動産代表取締役社長・植田俊氏、ディー・エヌ・エー 代表取締役会長・南場智子氏、星野リゾート 代表・星野佳路氏

大階段室

エレベーターホール

床

屋上

ドッグラン

1階

手摺り

2階窓際の椅子

木製サッシ
◇ ◆ ◇
見学取材の時間を間違えたため、星野佳路代表のあいさつは聞けなかったのだが、同社広報から発言要旨を箇条書きの形で送っていただいた。そのまま紹介する。
・OMOというブランドは観光客がターゲット
・日本全国には多数の観光地があるが、数字的に観光客を一番集めているのは都市
・都市こそ観光の拠点
・都市にこそ観光客に楽しく滞在していただけるホテルがあるべきと考える
・関内を含めた横浜エリアをリゾートととらえて、今までビジネスホテルに宿泊していた方へ、都市観光でも「楽しむための」ホテルがあることを知っていただきたい
・モダニズム建築の巨匠が設計した建築を残すことはとても大事。そのため、この旧市庁舎をホテルにコンバージョンできる、という本プロジェクトはやりがいがある
・歴史的建造物を残すことはとても大切であると考える
・観光について:東京というブラックホールのような街が近くにある横浜は日帰りの方が多い。どうしたら泊まっていただけるサービスができるか、を考えていくことが重要と考える→横浜スタジアムにいらした236万人の方が全員宿泊をしてくれたら問題は解決する
・横浜のホテルに泊まっていただくためのサービスを引き続き考えていく→朝早いサービスは泊まっていただける理由になるかもしれない
以上

星野氏
記者は「横浜スタジアムにいらした236万人の方が全員宿泊をしてくれたら問題は解決する」がとてもいいと思う。約236万人がよこはまのホテルに宿泊すると仮定した場合、1日当たりの宿泊客は約3.3万人だ。野球観戦者がホテルに宿泊する確率はどれくらいあるだろうか。
記者には苦い思い出がある。仕事仲間数人と一緒に西武球場に行ったバブルの頃だ。序盤から西武打線が好調だったので勝利を確信し、仲間に〝西武が1点取るごとにビール1杯をおごる〟と声を掛けたのがいけなかった。確か8点くらい奪ったのだが、終盤に追いつかれたのまでは覚えていたのだが、〝お客さん、終電ですよ〟という声に目を覚ました。仲間はもちろん誰一人周囲にいなかった。つまり、西武多摩湖線を行ったり来たりしていたらしい。家に帰るお金がもったいなくて、ホテルも夜中では泊めてくれそうもないので、タクシーに乗り所沢市のラブホテルに泊まったことがある。
旧横浜市庁舎には若いころよく取材で訪れた。当時のままの素材がたくさん利用されており、とても懐かしく思った。さすがだと思ったのは客室は二重サッシになっており、客室側は木製サッシが採用されていたことだ。
残念だったのは、共用部分の観葉植物はみんなフェイクで、ドッグランの芝も人工芝だったことだ。
大ヒットするか DeNA 「BASEGATE 横浜関内」にライブビーイング&没入体験施設
大ヒットするか DeNA「BASEGATE 横浜関内」にライブビーイング&没入体験施設

「THE LIVE Supported by大和地所」
三井不動産を代表企業とするコンソーシアム8社は3月12日、横浜市役所跡地の大規模複合施設「BASEGATE 横浜関内 内覧会・記者発表会」を開催。記者は、このうちディー・エヌ・エー(DeNA)が主催したライブビューイングアリーナ「THE LIVE Supported by大和地所」と没入型体験施設「ワンダリア横浜Supported by Umios」、既存施設をリノヘーションしたホテル「OMO7横浜by星野リゾート」を見学取材した。ホテルはともかく「THE LIVE」「ワンダリア横浜」は初めて経験するものなので、ただただ驚くばかりだった。取材の帰りの電車の中で高校生と思われる女性二人が〝マジ〟〝ヤバイ〟を連発していたので、それに倣って〝マジ〟〝ヤバイ〟施設というのが率直な感想だ。
DeNAの記者発表会の冒頭、同社代表取締役会長・南場智子氏は次のように語った。
「私は今日、特別な気持ちでここに立たせていただいております。今年は、横浜のシビックプライドである球団を取得してから15年目、横浜スタジアムの株式を取得してから10年目の節目の年になります。球団取得が第一幕、球場取得が第二幕とすれば、今日は、我々としては初めて街づくりに参加するという意味で第三幕の始まりとなります。
1978年に完成した横浜スタジアムは、市民有志の方々が発案し、市民の方々が出資し、市に寄贈するという当時としては画期的な公営民設の取り組みでした。大変な道のりだったわけですが、自分たちの手で横浜を盛り上げるんだという強い思いと決意が、行政を動かしました。
その運営を任せていただいてから10年、安心・安全の環境で観戦していただき、楽しんでいただくだけでなく、試合のない290日をどうするのか、どう盛り上げていくのか、建物を作り上げてきた皆様の思い、苦しみ、感動をどう具現化するかを考えて運営してまいりました。そして今回、新たなプロジェクト『BASEGATE横浜関内』に参加させていただき、2つの施設を完成させました。
『THE LIVE』に関しては、私も海外のスタジアムやアリーナ、チームを見てまいりました。その中から、スタジアムの横でやるということ、関内でやるということを考え、胸を膨らませて作ったものです。ライブ会場としてはおそらく世界最高のものができたのではないかと思います。これだけの大きさのビジョン、関内への街への溶け込み、素晴らしいものができたと思います。
没入型体験施設『ワンダリア横浜』は、お子さんに笑顔を届けようと作ってまいりましたが、カップルの皆さんも、いろんな世代の方も楽しんでいただけるものです。
わたしたちIT企業は、プロダクトを作って世の中に出した、その瞬間が始まりなんです。そこからお客さまからフィードバックをお受けしてどんどん進化させていただくのが我々の強みになります。今日、皆さんから、そしてお客さまからフィードバックさせていただき進化させていく、そのスピード感も見ていただきたいと思います。
本日、本当に球団運営、スタジアム運営から街づくりへの第一歩を踏み出した記念の日を皆様とともに迎えられること感謝申し上げます」
続いて登壇した同社ディー・エヌ・エー スポーツ・スマートシティ事業本部 本部長・對馬誠英氏は、「ホームゲームでは試合前、試合中、試合後も様々な企画を準備しており、大変なにぎわいになるはずです。ビジターの試合も全試合放映することが決まっており、このほかサッカーやバスケットなどのスポーツはもちろん365日楽しんでいただける仕掛けを準備しています。デベロッパーの街づくりは、集客力のあるテナントを誘致して収益を上げるのが基本でしょうが、我々はコンテンツをアップさせ、場所と掛け合わせることで足し算ではなく掛け算で収益増を図るのをポイントにおいています。目指すのはDelightfull Cityです」と語った。
また、横浜DeNAベイスターズ取締役副社長・林裕幸氏は、「球団設立から15年目を迎える今シーズンのコーポレートビジョンは『〝The 〟STAR』-唯一無二の存在になるべく新たな挑戦として今回の施設をオープンする。3つのフロアで見て、食べて、グッズで楽しい価値を提供する。その熱量、歓声が地域に広がる空間を演出する。常にアップデートさせていく」と話した。
「THE LIVE Supported by大和地所」は、「毎日が〝LIVE〟で満たされる、訪れた人々が心をひとつにする街の新しい居場所」をコンセプトに、横浜スタジアムでのプロ野球試合(年間71試合)のほか、ビジター試合(同)やその他のスポーツ、ライブエンターテイメント、飲食が楽しめる日本最大級のライブビューイングアリーナ。店舗面積は約2,800㎡。
1階の「LIVE FOOD HALL」は、日本最大級のライブビューイングアリーナで、入場無料。幅約18m、高さ約8mの大型LEDビジョンと9つの飲食店舗から構成。客席数はビジョンを直接鑑賞可能な246席と、FOODHALL内の座席の80席。「CENTRAL BAR」では球団オリジナルのクラフトビール「BAYSTARS SESSION IPA」が提供される。球団オフィシャルパフォーマンスチームdianaのOG4名が、MCとして毎試合2名ずつ登場する。ビジターゲームも放映するほか、バスケットボールやサッカー、音楽ライブなどのコンテンツも放映し、年間を通じて横浜の街の賑わいを生み出す。
2階の「BAYSTORE Flagship YOKOHAMA」は、約2,000アイテムの球団オフィシャルグッズを販売。
3階の「FOOD TERRACE」は、テラス付きのレストランで、バーベキューコーナー(最大利用人数56名)の利用料金は大人2,000円(平日)、小学生1,000円(同)。
全ての飲食店舗では、モバイルオーダーシステムを導入する。
「ワンダリア 横浜 Supported by Umios」は、DeNAが手掛ける没入型体験施設で、施設面積は約4,200㎡。営業時間は月曜日から木曜日が10:00~19:00、金曜日から日曜日/大型連休等が10:00~21:00。チケット料金は大人(18歳以上):2,900円~、中学生・高校生:2,200円、幼児(4歳以上):1,000円。3歳以下:無料。
没入空間は「高原」「深海」「原生林」「洞窟」「湖と大空」「都市」の6つのゾーンで構成し、日常では体験できないような生き物や自然との出会いを楽しむことができる。また、施設公式「ワンダリアアプリ」を使うことで、映像に登場する生き物の情報を入手することもできる。ワンダリアカフェも併設されている。

南場氏(左)と對馬氏

「LIVE FOOD HALL」

「LIVE FOOD HALL」

「CENTRAL BAR」

このクラフトビールが最高においしい

「BAYSTORE Flagship YOKOHAMA」

「FOOD TERRACE」
◇ ◆ ◇
プロ野球に興味のない方も多いだろうから少し説明する。横浜DeNAで特筆できるのは観客動員数だ。2025年は全71試合満席の約236万人(1試合平均約3.3万人)。12球団トップ阪神の約296万人、2位・読売の約282万人、3位・ソフトバンクの約272万人、4位・中日の約252万人に次ぎ5番目だ。これは収容人員によるもので、DeNAファンからは〝チケットが取れない〟などと贅沢な不満も聞かれる。わが西武は約173万人で、最小の東北楽天の約171万人に次ぐブービー。
DeNAの成績はどうかというと、12球団最低で通産勝率は.451。勝率トップは巨人の.579、わが西武はソフトバンクに続いて3位で勝率は.525。それまでは、球団名が大洋だった1960年、三原脩が監督に就任し優勝たのが最初で、1998年に権藤博監督のもとで優勝し、日本シリーズを制した。
ただ、DeNAが球団を取得してからの14年間を見ると、最初の4年間は5~6位に低迷していたが、その後の10年間はBクラスになったのは3度だけで、この4年間は連続してAクラス入りしている。一昨年の2024年はセ・リーグ3位からクライマックスシリーズを制し、日本シリーズでも福岡ソフトバンクホークスを下して1998年以来26年ぶり3度目の日本一に輝いている。
これらからすると、プロ野球球団の事業収益は、立地条件に恵まれていることは必須要件だろうが、観客動員数と成績の相関関係はあるようでないともいえる。一昨年亡くなった元巨人軍オーナーの渡邉恒雄氏は「野球は興行」として観客動員数を増やしてきたのは、ある意味で正解かもしれない。東京ドームシティの年間来街者は約4,000万人だ。DeNAがこのところ全試合満席なのもその運営手腕が奏功しているのかもしれない。観客動員数は球団取得前は約110万人だったのが、その後は、コロナ禍の3問間を除けば増え続けている。南場氏の人気も高いようだ。

没入空間

没入空間

没入空間
◇ ◆ ◇
施設について。どうしてもわが西武や巨人と比較してしまう。球場そのものは屋根付きの西武が勝るが、立地条件と顧客満足度の視点からすれば、西武の完敗を認めざるを得ない。記者はゲームやエンターテイメントには全く興味がなく、DeNAの売上高は他のプロ野球球団を所有する企業とは大きな差があるので甘く見ていたようだ。大型LEDビジョンや2,000種ものグッズ、眼がくらむような没入空間の演出などを目の当たりにして、この種の事業は無限の可能性を秘めていると考えを改めるに至った。
外野席で応援するより、この施設で応援したほうが安上がりで、飲食に回せる。喫煙ルームも完備している。映像・音響も素晴らしい。大ヒットする予感がする。
ただ一つ、課題もある。登壇者の話を座席で聞いていたのだが、外からの〝浜風〟(冷気)がストレートに入ってきた。震え上がるほどの寒さだった。「LIVE FOOD HALL」エントランスの風除機能は働いていないと感じた。これでは、夏場の熱波も防げないのではないか。
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戦国時代の滋賀の落人 なぜ千葉・流山で生き延びたのか 15代目・山田さんと歓談

「ギャラリー一平左衛門」エントランス
ポラスグルーブの分譲戸建て「ミライネス流山サード」の取材の帰り。他の記者の方はみんな、同社が用意した車で駅まで送ってもらった。〝右向け左〟のへそ曲がりの記者は、利根運河を見ないと取材したことにならないと判断し、運河に沿って整備されている遊歩道を歩くことにした。ものすごく寒かったが、運河の土手には春を告げるスイセンや、千葉県花の菜の花がたくさん自生していた。桜並木は160本あるそうで、散歩している人に聞いたら「とても楽しいですよ」ということだった。
運河駅まであと数分のところにカフェ「ギャラリー一平左衛門」があった。かなり古い屋敷だとすぐ分かった。見事な竹林と、庭石に大谷石や古色蒼然としたレンガが敷かれており、年代物の巨木もたくさん植えられていた。
次の取材まで時間があったので、一服してビールでも飲もうと入った。内装も全て本物の木が使用されていた。店の人は「窓の外の木は樹齢200年の梅の木。関ヶ原の戦いで敗れ、ここまで逃げてきた落人の末裔が建てた蔵もありますので是非見てください」と話した。
「蔵」といえば、そのままタイトルになっている宮尾登美子「蔵」もあり、ポラスが保存した越谷駅近くの「蔵」を見学取材したことがあるが、ここの「蔵」も素晴らしい。この蔵と庭、竹林などを見て回り、帰ろうと思ったら、店の人から「オーナーがもうすぐ戻りますので、少し待たれたらいかがですか」と声を掛けられた。しばらくしてオーナーの山田恵美子さんが現れた。年齢はもうすぐ喜寿を迎える記者と同じくらいか。「恵」は当時はやった名前だ。しばし歓談した。
山田さんからは、関ケ原の戦いで徳川家康に破れた石田三成の重臣だった山田上野之助の子孫が書き残した古文書が残っており、途中の家系図は一部不明だが、山田さんは15代目に当たり、「ギャラリー一平左衛門」は20年前に地域遺産として残そうと蔵の改修を行い開設したこと、敷地内で収穫したタケノコ、梅は食材やジュースとして提供し、隣接地にある平屋建て19戸の住宅地「TAKUMI流山運河」は、従前は山田家が所有していた畑だったこと、土手のヨモギは草餅にしたことなどを聞いた。
時間がたつのも忘れた。1時間半はここで過ごしたか。額縁のような竹林や梅野木を眺めながら、獲れたてのたけのこご飯を食べ、梅酒が楽しめる-この前のポラスの「矢切の渡し」もそうだったが、デベロッパー(メディアもそうか)はその地域の歴史や文化を検討者にきちんと伝えないといけない。

まるで額縁画(左が梅、右が竹林)

店舗内(周り縁を含めすべて本物の木)

竹林

庭

明治時代の消防ポンプ

蔵の1階

屋根(窓は後付け)

1階の引戸

格子には防犯対策として上から下まで鉄の棒がはめ込まれている(隙間にはネズミ対策として金網が張り巡らされていたとか)

根太(触ると手斧で削ったことが分かる)
◇ ◆ ◇
それにしても、今から約450年前、交通手段も通信手段も十分でなかったはずなのに、西軍の石田三成の家臣の子息が、滋賀県彦根から10年間もかけて、よりにもよってどうして東軍の牙城・江戸の近くの流山にたどり着き住むようになったのが。5人組や年貢米を通じて住民支配は徹底されていたはずだ。江戸幕府は知らぬふりをしたのか、村人がかくまったのか。
明治に入って蔵を2つも建てられるようになったのはなぜか。正業は何だったのか…昨年発刊された田村哲三著「『佐和山落城記』を読む 石田三成の重臣・山田家に残された古文書の謎」(図書出版みぎわ)を読めば謎は解けるのか。
桜並木が美しい運河に近接 4,000万円前後の価格が訴求ポラス「流山」(2026/3/14)
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共鳴しているような不思議な感覚「三井リンクラボ新木場3」に名和晃平氏アート

「Cell Tree・名和晃平」
三井不動産は3月13日、賃貸ラボ&オフィス事業の「三井リンクラボ」シリーズの一つである「三井リンクラボ新木場3」に設置した名和晃平氏のアート作品のプレス向けお披露目会を開催し、E&K Associates代表・長谷川 一英氏をモデレーターに、名和氏と同社常務執行役員イノベーション推進本部長・山下和則氏、Dioseve代表取締役社長・岸田和真氏の3氏によるトークセッションを行った。
お披露目会の冒頭、山下氏は「三井リンクラボ」事業を説明。「場」の提供と「資金」の提供を通じてライフサイエンス産業の発展に寄与する「LINK-J」の取り組みを10年前から開始し。現在、特別会員数は12,021人(企業・団体・個人)、イベント実績は1,254件に上っていると紹介。施設は、都心近接型の「葛西」「新木場1」「新木場2」「新木場3」「大阪・中之島」のほか、「横浜関内」(今年4月開設予定)「日本橋1」(2027年1月竣工予定)、シーズ近接型として「柏の葉1」「柏の葉2」で展開しており、今回敷地内に設置した名和氏の作品「Cell Tree」は、アートが研究者などの思考を刺激し、イノベーションを育む環境を創出すると語った。作品は一般にも公開する。

左から長谷川氏、岸田氏、名和氏、山下氏

「三井リンクラボ新木場3」

「Cell Tree・名和晃平」
◇ ◆ ◇
トークセッションは、必死でメモを取ったのだが半分も聞き取れなかった。テープにもとったので聞き直した。名和氏は「この場所を何度も見て、どのようなものが合うか考えたのだが、ラボはいろんなものが出逢ってリンクしているのでサイエンスとアート、サイエンスとサイエンスの関係を考えてCell(細胞)の概念から『Cell Tree』にした。木のように自立し、周囲の木とも馴染んで、生命の継承と変化を表現する普遍的な彫刻にした。制作に当たっては、子どもでも記憶に残るようにシンプルな形にした。シームレスに交歓し、集合し歩み寄って成長していく、100年後の未来を描いた」と語った。
記者は、街を歩くときはいつも街の景観を眺め、街路樹と会話し、ビルやマンションは外観デザインが美しいかそいでないかを判断し、内観は使用されている素材が本物か偽物か、自然素材かケミカル製品かをチェックする。
今回の作品は、確か山下氏も同じような感想を述べたような気がするが、記者はすんなりと受け入れられた。既視感すら覚えた。なぜかは分からないが、小生と作品が音叉のように共鳴し合っているのかもしれない。名和氏のアート作品を見るのは今回で3回目だ。記事も添付したので参照していただきたい。
トークセッションでは「街づくり」についても語られたが、記者は、151haにもわたる「新木場」エリアが地区計画により「住宅不可」となっているのが解せない。人が住むことを許されない「街」は「街」と言えるのか。

「三井リンクラボ新木場3」
大阪の市場を劇的に変えた 東京建物&HPL「ONE DOJIMA PROJECT」竣工(2024/5/18)
目の前は海 賃貸ラボ&オフィス最大規模 三井不「リンクラボ新木場2」竣工(2023/5/19)
様々な目線でかつてない試み実現 東大・藤田誠卓越教授 「三井リンクラボ柏の葉1」(2022/6/22)
第6のアセットクラス「三井のラボ&オフィス」 住宅不可の新木場に開業(2021/7/8)
らしき建築物発見!住宅不可の151haの江東区・新木場に88人が住む不思議(2019/6/4)
住宅不可の151ha〝処女地〟新木場にライフサイエンス拠点 三井不の新事業(2019/6/1)
街路樹に溶け込むアート 三菱地所&彫刻の森 第43回「丸の内ストリートギャラリー」(2022/6/29)
2月の集合住宅、事務所、工場、木造住宅とも原価上昇続く 建築物価調査会
一般財団法人建設物価調査会は3月10日、2026年2月の建設物価建築費指数(東京:2015年平均=100)をまとめ発表。工事原価は、集合住宅(鉄筋コンクリート造)が143.2(前月比0.1%増、前年同月比5.9%増)、事務所(鉄骨造)が140.9(同0.3%増、同3.6%増)、工場(鉄骨造)が139.5(同0.3%増、同3.7%増)、住宅(木造)が149.2(同0.1%増、同6.2%増)となり、いずれも上昇した。電線・ケーブル(材工)、型枠(材工)、鋼材(材)などほとんど全てが上昇のプラス要因となった。
3.11から15年 被災太平洋岸38市町村人口増は利府町のみ仙台は3年連続減
2011年3月11日の東日本大震災から明日で15年目を迎える。被災した太平洋岸39市町村の2月現在の人口は約238.7万人で、前年同期の約241.0万人から0.9%減少、4県平均の減少率0.9%とほぼ同じとなった。人口が増えたのは宮城県利府町の0.1%増のみで、仙台市は3年連続で減少、名取市も再び減少に転じた。震災前と比べると、福島県楢葉町、宮城県女川町、南三陸町、岩手県大槌町、山田町、陸前高田市などの減少が目立つ。
令和8年2月現在の太平洋岸被災39市町村の人口は約238.9万人で、前年同期の約241万人から0.9%減少している。県別では、岩手県が20.0万人で前年同期の約20.5万人から2.5%減、宮城県が約167.1万人で前年同期から0.5%減、福島県が約45.3万人で、前年同期の46.1万人より1.8%減少している。
昨年より人口が増えたのは昨年同期の35,018人から35,066人へ48人増加した利府町のみ。仙台市は昨年より969人減の約109.4万人と、3年連続の減少。名取市も減少に転じた。
震災時から人口が増えているのは、1,045,986人から1,093,769人へ4.6%増の仙台市、73,134人から78,348人へ7.1%増の名取市、33,994人から35,018人へ3.2%増の利府町のみ。
他は58.8%減の楢葉町をはじめ41.5%減の女川町、38.2%減の南三陸町、36.3%減の大槌町など3割以上減が12市町村に上っている。ただ、仙台市などの人口が増えているため。震災前からの減少率は8.0%で、4県平均の減少率9.5%より数値は小さくなっている。県別では岩手県は28.6%減で、県全体の減少率15.5%より13.1ポイント高いのが目立つ。


