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「プラウド京王聖蹟桜ヶ丘」

 京王電鉄と野村不動産は7月26日、京王線聖蹟桜ヶ丘駅から徒歩3分「プラウド京王聖蹟桜ヶ丘」の物件ホームページをオープンしたと発表した。3LDKの住戸は全戸72㎡超で、逆梁ハイサッシ(サッシ高2.2m)を採用、居室天井高を約2.6m確保しているのが特徴。

 物件は、京王線聖蹟桜ヶ丘駅から徒歩3分、多摩市関戸四丁目に位置する18階建て全134戸。専有面積は61.22~89.54㎡。竣工予定は2025年12月下旬。設計・施工・監理は東急建設。

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 モデルルームが公開されたら、見学を申し込みたい。価格はいくらになるかだが、坪単価は多摩市最高峰となる350万円でどうか。他の沿線と比較して割負けしている京王線だが、今後は新宿に近い幡ヶ谷、笹塚あたりは坪単価700万円以上、調布で坪450万円くらいのマンションが供給されることになる。

 

カテゴリ: 2024年度

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「グレーシアウエリス横浜ゆめが丘」

相鉄不動産は722日、相鉄いずみ野線ゆめが丘駅前のマンション「グレーシアウエリス横浜ゆめが丘」のメディア向け見学会を行った。725日にオープンする駅直結の大規模複合商業施設「ゆめが丘ソラスト」のプレス説明会・内覧会の一環として行われたもので、「駅徒歩1分」×「総戸数100戸超」は同沿線で22年ぶりの供給。価格がいくらになるか注目される。

物件は、相鉄いずみ野線ゆめが丘駅から徒歩1分、泉ゆめが丘土地区画整理事業地内の第一種住居地域(建ぺい率60%、容積率200%)に位置する敷地面積約12,523㎡、10階建て全335戸。専有面積は55.8088.38㎡、価格は未定。販売開始は9月上旬。竣工予定は20261月。売主は同社(事業比率は非公開)のほかNTT都市開発。設計・施工・監理は長谷工コーポレーション。デザイン監修はスタジオゲンクマガイ(鬼塚知夏氏)、共用部監修は乃村工藝社(林浩平氏)。販売代理は東急リバブル、長谷工アーベスト、相鉄不動産。

 現地は、施行面積約23.9haの泉ゆめが丘土地区画整理事業地(施行期間平成268月から令和73月、事業費約109億円)に位置。。同駅圏では約600戸のマンションが予定されており、今回の物件はその第一弾。

建物は南向き・東向き・西向きを中心とする5棟構成(基準法では1棟)で、一般の人も利用できる芝生広場、遊歩道、複合用途施設(エリアマネジメントが入居予定)を整備することなどを条件に横浜市市街地環境設計制度の適用を受け、高さ規制25m⇒30mの緩和を受けている。

 主な基本性能・設備仕様は、ZEHM Oriented取得(予定)、二重床・二重天井、リビング天井高23802480ミリ、ディスポーザー、食洗機、良水工房、ソフトクローズ機能付き引き戸、浴室タオル掛け1か所、スロップシンク、LowE複層ガラス、ウォシュレット一体型トイレなど。共用施設はエントランスラウンジ、ワークスタディラウンジ、富士ビューラウンジなど。

 34日から物件ホームページを開設し、これまでのエントリー数は2,150件、モデルルーム来場者は320件。来場者の居住地は神奈川県が約8割(うち泉区内は22%、横浜市内が57%)、都内が11%、年代は3040代が4割、50代以上が4割。

 同社は「価格は未定だが、坪単価は近年分譲された沿線のなかでもっとも高くなりそう」と話している。

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モデルルーム(写真提供:相鉄グループ、以下同じ)

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モデルルーム

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乃村工藝社監修による共用施設

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模型

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「ゆめが丘ソラスト」

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「ゆめが丘ソラスト」

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 記者の最大の関心事は坪単価だ。同社担当者は明言を避けているので、以下は記者の予想。

同沿線ではバブル期には坪300万円の〝億ション〟も供給されたはずだが、近年では2016年分譲の「グレーシアタワー二俣川」(421戸)の坪280万円、2020年分譲の大京「ライオンズ横濱瀬谷」(144戸)の坪単価300万円が最高値だと思う。

これを上回るかどうか。比較する物件は見当たらないが、駅周辺には小さな飲み屋が1軒しかなかった羽沢横浜国大駅から徒歩1分の「リビオタワー羽沢横浜国大」(全357戸)は坪単価340万円だった。単純比較はできないが、「ゆめが丘ソラスト」の魅力を考えれば、坪300万円を突破する可能性が高いと見た。50代以上の人にも注目されているのは、後背地に大量の戸建て住宅地が広がっていることと関連する。

見学会でびっくりしたことが一つある。西向き住棟の4~5階住戸(南向き住棟の角住戸も含めると42戸か)からは富士山が眺望できるそうで、7577㎡の3住戸は12,400ミリのワイドスパンで、うち2戸は風呂に入りながら富士山が眺められる。

記者は風呂嫌いなので、浴室から富士山が眺められる価値はいかほどかわからないし、富士山が見える特権は単なる僥倖で、誰も保証などしてくれない(国立市のマンションのように、自発的にその権利を取り下げるケースもないわけではないが)。

ところが、このマンションの西側は市街化調整区域に指定されている。線引き見直しによって市街化区域に編入され、西側エリアに同等の建物が建つ可能性は限りなくゼロに近いと思う。

これは改めて書くが、すべてが完結する「ゆめが丘ソラスト」からは、記者など比較にならないほど速い時速6キロの自動配送ロボットのサービスが受けられる。

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時速6キロで歩く配送ロボット

相鉄グループ初の木造賃貸 三井ホーム最大級の「モクシオン」「ゆめが丘」に完成(2024/5/23

駅1分の利便性・資産性受けたか 県外が5 日鉄興和「羽沢横浜国大」好調スタート(2022/6/25

大京 駅直結の再開発複合「瀬谷」 全戸の半分以上の第1期70 ほぼ完売(2020/12/7

記録的な一挙供給量380 相鉄不他「グレーシアタワー二俣川」は坪280万円(2016/8/22

カテゴリ: 2024年度

 マンション管理業協会は7月19日、「マンション管理トレンド調査2024」の調査結果をまとめ概要を発表した。調査対象は全会員社348社(調査時)で、回答社数は333社(95.6%)。主な質問と回答は次の通り。

 令和4年度からスタートした同協会の「マンション管理適正評価制度」については、20%の会員社(68社)が、既に管理適正評価制度に登録したマンションがあり、50%の会員社(173社)が対応中で、28%の会員社(96社)が、特に提案予定はないとしている。提案予定がない理由としては、仮評価で低評価であったため、インセンティブが不明のため、高経年のためなどの回答があった。

 「管理計画認定制度(適正化法)」の取組みについては、18%の会員社(64社)が既に管理計画認定を受けたマンションがあり、54%の会員社(187社)が、対応中としている。

 IT活用の取組み状況については、80%の会員社(268社)が、「WEB会議システム」を導入または検討中、64%の会員社(214社)が、「テレワーク」を導入または検討中と回答。

 マンション標準管理委託契約書の反映状況については、60%の会員社(206社)が、提案済みまたは提案中で、マンション標準管理規約の反映状況については、78%の会員社(273社)が、改定を報告し、改定を提案または要望により改定をサポーしている。

 長期修繕計画における修繕積立金不足への対応については、多くの会社が修繕積立金の値上げ、長期修繕計画の見直し(修繕周期を長期化など)で対応していると回答。一方で、積立金の増額に至らなかったケースでは、事前の説明会やアンケートで反対意見が多く、理事会として議案上程を見送ったため(144社)、総会で否決された(83社)など全体では336会員社(複数回答含む)が何らかの理由で値上げしなかったと回答した。また、保険料はじめ物価上昇の影響が著しく、管理費支出を削減して修繕積立金に充てられる状況にないなどの回答もあった。

 働き方改革等の実施状況については、72%の会員社(249社)が、取り組み済み、または取り組みを検討中と回答している。

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 マンション適正管理評価制度については、同管理協は今年度末までに登録件数を全管理物件の1割に該当する1万件にする目標を掲げ取り組んでいるが、このまま推移すれば目標は達成されそうだ。

 この数字をどう考えるかだが、制度がスタートしてから2年間で1割はやはり少ないと言わざるを得ない。登録は任意ではあるが、同協会が管理組合に引き続き登録を促す取り組みを強化することに期待したい。

 回答には、「管理組合に具体的なメリットが感じられにくい」(管理計画認定制度)「インセンティブか不明」(適正管理評価制度)があったが、そんなことはないことを、横浜市立大学(国際教養学部・齊藤広子教授)、同大(データサイエンス学部・鈴木雅智准教授)が首都圏(1都3県)の427棟2,567戸のデータを分析し、同制度で総合評価水準が★3以上の場合、評価を取得していない物件と比べ価格は高いとし、★5のマンションの場合、11%の価格プレミアムが生じていることが確認できたとしている。

 この11%は凄い額だ。首都圏の中古マンションの平均成約坪単価を250万円として、11%のプレミアムは20坪換算で500万円以上だ。管理協のデータは公表されているのだから、不動産流通会社はこのデータとレインズ情報を駆使すればほとんど瞬時に登録物件が市場でどのように評価されているかはじき出せるはずだ。

 管理会社も管理組合も、劣等生・落第生(★1~2つ)でも取り組み次第では優等生(★4~5つ)になれることを居住者にきちんと説明すべきだ。

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 修繕積立金の増額が容易でない実態も浮かび上がった。複数回答を含め336社が値上げ案が否決されたとか、提案を見送ったとあるから管理組合数にしたら相当の数にのぼるはずだ(国土交通省の平成30年の調査によれば、34.8%のマンションが修繕積立金不足)。

 このようなマンションは野垂れ死にするしかないのか。暗然たる気持ちになる。

マンション管理適正評価 ★5つは11%のプレミアム横浜市立大・齊藤教授らが報告(2024/4/2)

カテゴリ: 2024年度

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「オーベル葛西ガーラレジデンス]

 大成有楽不動産(事業比率60%)、FJネクスト(同30%)、三信住建(同10%)の3社JV「オーベル葛西ガーラレジデンス]モデルルームを見学した。葛西臨海公園駅から徒歩15分(バス便だと徒歩時間を含めて10分以内)とややあるが、坪単価は300万円弱になる模様で、23区立地では希少のファミリーマンションだ。

 物件は、JR葛西臨海公園駅から徒歩15分、江戸川区南葛西5丁目の第一種住居地域に位置する10階建て全155戸。専有面積は62.72~86.83㎡、予定価格は4,600万円台〜8,900万円台(最多価格帯5,900万円台・6,000万円台・6,300万円台=各13戸)、坪単価は300万円弱になる模様。竣工予定は2026年2月。施工は大京穴吹建設。販売代理はFJネクストレジデンシャル。

 主な基本性能・設備仕様は、ZEH-M Oriented認定、直床、標準階のリビング天井高2400ミリ、食洗機、スロップシンク、浴室タオル掛け、ブレーキ機能付き引き戸など。

 これまでのモデルルーム来場者は170件強。今月末に第1期が分譲される予定。

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モデルルーム

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模型

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 昨日は痛飲し、この日(7月12日)の朝方には酒は抜けていたようにも思ったが、そうでもなかったようだ。マンションを出るとき雨が降っていたのに、ままよと傘を取りにいかずそのまま出た。モデルルームに着いたのは9時。スーツはグレーで、文字通りぬれねずみになった。

 基本性能、設備仕様レベルをモデルルームで確認しながら、胡乱な頭をフル回転させて坪単価を予想した。駅に近かったら坪400万円しても不思議でないが、徒歩15分だと坪300万円くらいかとはじいた。それでもちょっと高いか。

 担当者に聞いたら「坪300万円弱」とのことだった。酒は飲んでも、マンションのこととなると正気に戻るらしい。23区内で坪300万円を切る物件は近く枯渇するはずだ。基本性能・設備仕様はこんなものだろう。強調材料は、大成有楽不動産の〝十八番〟「オレンジラボ」がフル装備されていることだ。

 もう一つ、肝心なことだが、物件ホームページに「葛西臨海公園」へ徒歩16分のほか「江戸川区の公園総面積は23区NO.1の約776万㎡。本プロジェクトの徒歩10分以内にも8つの公園がある」と紹介されているように、江戸川区のみどりは他区より豊かであることだ。

東京都の調査による平成30年の江戸川区のみどり率は30.8%で、区部平均の24.2%を6.6ポイント上回っている。23区でみどり率が高い千代田区(皇居が多くの面積を占める)、練馬区などに住んでいる人はともかく、その他の区に住んでいる人が江戸川区内の街を歩くとその緑の量の多さに驚くはずだ。記者は、この「みどり」の価値を可視化することを願っている。 

 「みどり率」は、「緑被率」に「河川等の水面が占める割合」と「公園内で樹木などの緑で覆われていない面積の割合」を加えたもので、東京都はこの指標を用いており、今年度中には新しい2023年のデータを公表する予定だ。一方で、各区や他の道府県は「緑被率」や「緑視率」の数値を重視しているところが多い。当然のことだが、「みどり率」のほうが「緑被率」より高い数値を示す。このあたりを整理する必要がある。

 今回の記事とは関係ないが、具体的な例を示す。いま話題となっている神宮外苑の再開発。日本イコモスが2023年5月に事業者宛てに「緊急要請」を行ったのだが、その「回答」として、事業者は「絵画館前の軟式野球場の緑については2018年の航空写真(google earth)を参照し、野球場の内野エリア等が土系舗装等であることを確認しております。『日本イコモス国内委員会』による算定では、土系舗装等の緑で被覆されていない部分も含んでいるため、現況の緑の割合に違いが生じておりますが、土系舗装等を含まない算定が正しいものと考えます」としている。

 つまり、みんな都合のいいように数値を解釈しているということだ。ちなみに、生物多様性センターのデータによると、47都道府県で緑被率がもっとも高いのは京都府で、もっとも低いのは東京都でも大阪府でもなく埼玉県だ。滋賀県の緑被率は全国平均を少し上回っているくらいだが、県域面積の6分の1を占める琵琶湖を「みどり率」に加えると、間違いなくベスト10入りするはずだ。

威風堂々〝聖地〟神宮外苑野球場の巨木事業者VS.イコモス鳥や虫の視点で考えて(2023/5/23)

カテゴリ: 2024年度

 東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は7月10日、首都圏の6月の中古マンション・戸建て市場動向をまとめ発表した。

 中古マンションの成約件数は3,259件(前年同月比4.8%増)、坪単価は257万円(同7.9%増)、価格は4,956万円(同7.5%増)、専有面積は63.57㎡(同0.3%減)となり、成約件数は13か月連続、坪単価は50か月連続、成約価格は49か月連続でそれぞれ前年同月を上回った。

 成約坪単価を都県別にみると、東京都は341万円(8.1%増)、神奈川県は196万円(同7.9%増)、埼玉県は139万円(同0.9%減)、千葉県は134万円(同7.5%増)。

 中古戸建ての成約件数は1,302件(同14.4%増)、価格は4,016万円(同7.1%増)、土地面積は146.79㎡(同4.2%増)、建物面積は104.29㎡(同0.5%増)となった。成約価格は5か月連続で前年同月を上回った。

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 レインズデータによると、都心3区(千代田・中央・港)の成約件数は237件(前年同月比2.2%増)、坪単価は604万円(同17.1%増)、価格は10,097万円(同11.8%増)、専有面積は55.14㎡(同4.5%減)、築年数は20.05年(同0.35年増)。一方で、新規登録件数は964件(同13.5%減)、坪単価は739万円(同25.0%増)、価格は12,331万円(同25.9%増)、専有面積は55.04㎡(同0.7%増)、築年数は23.54年(同0.4年減)となっている。

 城東地区(台東・江東・江戸川・墨田・葛飾・足立・荒川)の成約件数は411件(同12.6%増)、坪単価は282万円(3.2%増)、価格は5,243万円(同0.7%増)、専有面積は61.32㎡(同2.4%減)、築年数は21.02年(同2.2年増)。新規登録件数は1,893件(同9.1%減)、坪単価は261万円(同5.3%増)、価格は4,283万円(同4.3%増)、専有面積は54.07㎡(同1.0%減)、築年数は26.06年(同0.44年増)となっている。

 城南地区(品川・大田・目黒・世田谷)の成約件数は337件(同7.3%増)、坪単価は366万円(同6.4%増)、価格は6,657万円(同9.0%増)、専有面積は60.00㎡(同2.4%増)、築年数は24.39年(同0.75年増)。新規登録件数は1,695件(11.0%減)、坪単価は350万円(同6.3%増)、価格は5,318万円(同6.7%増)、専有面積は50.43㎡(同0.4%増)、築年数は32.40年(同1.85年増)となっている。

 城西地区(新宿・渋谷・杉並・中野)の成約件数は262件(同4.0%増)、坪単価は448万円(同12.2%増)、価格7,175万円(同11.0%増)、専有面積は52.84㎡(同1.0%減)、築年数は25.68年(同0.61年増)。新規登録件数は1,321件(同13.4%減)、坪単価は444万円(同19.9%増)、価格は6,205万円(同22.6%増)、専有面積は46.10㎡(同2.3%増)、築年数は32.82年(同0.48年増)となっている。

 城北地区(文京・豊島・北・板橋・練馬)の成約件数は281件(同7.7%増)、坪単価は294万円(同3.1%増)、価格は5,001万円(同3.6%増)、専有面積は56.20㎡(同0.5%増)、築年数は24.28年(同0.02年増)。新規登録件数は1,362件(同19.2%減)、坪単価は275万円(同1.1%増)、価格は3,964万円(同0.8%増)、専有面積は47.52㎡(同0.3%減)、築年数は30.52年(同0.92年増)となっている。

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 このデータから何を読み取るかだが、記者はエリア分けが適切かどうかと思う。都心3区はわかるが、これを都心4区、又は5区として、渋谷と文京を加えたほうが正確なデータが得られるのではないか。渋谷と文京の坪単価は練馬・北・板橋などと100~200万円は高いはずだ。

 この問題はさておき、成約件数が増えているのに登録件数が減少していることをどう読むか。これは先高観による売り惜しみも多少影響しているのではないかと思う。

 坪単価は成約、新規登録とも上昇しているが、都心3区の新規登録が前年同月比25.0%上昇していることに注目したい。新規マンションも価格は著しく上昇していることから、中古も一層上昇するという読みが働いていると読める。

 興味深いのは、城北エリアだ。新規登録単価は成約単価より坪19万円下落していることだ。これは、成約物件の築年数が24.28年に対して登録物件は30.52年となっており、その差が単価に表れていると読み取れるが、専有面積は成約物件の約56㎡から登録物件は約47㎡へと2.7坪も縮小している。これはなぜか。最近の城北エリアの新築マンションは坪400万円どころか、500万円をはるかに突破しつつあることや、成約件数の約5倍という登録件数の多さなどとの関連はあるのかないのか。

 城北地区ほどではないが、城東地区、城西地区も成約単価より新規登録単価のほうが低い。今後どうなるか注視する必要がありそうだ。

 価格について。都心3区の成約価格は他の地区より4割から2倍となっており、新規登録価格は他地区の2~3倍へと拡大している。都心への交通利便性を重視するからこのような数値になるのだろうが、住宅の基本的な性能としての住環境をもっと重視すれば結果は異なってくるはずだ。記者はこの〝モノサシ〟が理解できない。

 専有面積圧縮は成約、新規登録とも続いているが、成約⇒新規登録は都心3区が55⇒55㎡、城東が61⇒54㎡、城南が60⇒50㎡、城西が53⇒46㎡、城北が56⇒48㎡へと縮小しているのはなぜか。これは築年数とも関連がありそうで、成約⇒新規登録は都心3区が20⇒24年、城東が21⇒26年、城南が24⇒32年、城西が26⇒33年、城北が24⇒31年となっており、築古物件が増加している。築古より築浅が選好されていることの表れか。専有面積と築年数は相関関係があるはずで、築古物件の価格調整がありそうだ。

 築25~30年といえば、バブルが崩壊し、新たな市場が形成されだしたころだ。新築マンションは、都心部でも坪300万円超はほとんどなく、首都圏平均で180万円から250万円くらいだったはずだ。購入者はバブルの痛手を受けていない層が中心だった。

 現在の新築マンション市場は、どんな郊外でも坪200万円以下はありえず、一定水準のところでは坪250万円以上、23区では300万円以上となっている。質は数年前より間違いなく退行している。都心部は異常だと思うが、中古市場が全体として活況を呈しているのは理解できる。

 最近の新築マンションは坪300万円、400万円が当たり前になっているが、設備仕様レベルは10年前の坪単価180万円くらいの郊外マンションとほとんど同じか、それ以下だ。10数年前の新築のリビング天井高2400ミリなどありえない。普通で2500ミリ以上はあった。

 リノベーションの提案次第だろうが、中古マンションが新築価格を上回っても全然不思議でないと思う。

 

カテゴリ: 2024年度

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「ブランズタワー橋本」

 東急不動産をはじめとする小田急不動産、名鉄都市開発、総合地所、旭化成不動産レジデンス、ジェイアール東海不動産の6社は6月27日、リニア中央新幹線の新駅(神奈川県駅[仮称])に近接する分譲マンション「ブランズタワー橋本」のモデルルームを6月22 日(土)にオープンしたと発表した。この日はメディア向け見学会も行われたようで、価格は70㎡で7,000万円台~8,000万円台で、坪単価は400万円を超える模様だ。

 物件は、京王相模原線・JR横浜線橋本駅から徒歩4分、相模原市緑区橋本二丁目の商業地域に位置する敷地面積約10,472㎡、29階建て全458戸。専有面積は34.39~119.23㎡。竣工予定は2026年6月。販売代理は長谷工アーベスト。設計・施工・監理は長谷工コーポレーション。デザイン監修はケミカルデザイン。

 1階に医療モール、2階にロングテーブル、パーソナルスペース、リモートワーク対応可能な個室ブース、コワーキング・ラウンジ、コミュニティ・ハウス、2室のゲストルームを設置する。28階のスカイラウンジには「文喫 六本木」によるライブラリー&カフェバー、約400冊の選書と食事と酒を含むドリンクメニューを用意する。このほか、ヤナセとの業務提携による輸入車EVカーシェア、モンベルの商品を導入した防災備品、住民同士のコミュニティ醸成サービスの「GOKINJO」、パナソニックの地域情報コミュニケーションサービス「まちベル」、多摩美術大学との産学連携によるワークショップなど、東急不動産初の様々なサービスの導入を予定している。

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「つながる森」イメージ

 

 

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 記者は見学会に呼ばれていないので設備仕様レベルはよくわからないが、プレス・リリースや業界紙の記事を読んだ限りでは〝環境先進マンション〟の名に恥じないものだと思う。標準階のリビング天井高は2500ミリ、29階のプレミアム住戸(12戸)は3000ミリ。

 問題は価格だ。リニア中央新幹線の開業が当初予定の2027年だったら、記者は坪単価450万円でも売れるとみていた。地元橋本駅圏の実需はもちろん、沿線の東京都、山梨県、長野県、愛知県からの需要が見込める。自ら居住ではなくとも、子どもに住まわせようと考える人も多いはずだ。品川は坪2,000万円を突破するはずだから、坪450万円はかなり安い。

 ところが、開業は白紙に戻され、早くても現在から10年後の2034年という。10年後に市場がどうなっているか全く読めない。金が有り余っている投資をもくろむ人は買うかもしれないが、投資案件は他にもある。開業時点で考えても間にあう。10年先を読んで不動産投資を考える人はどれくらいいるのだろうか。多分、そんなにいないはずだ。

 リニアを考えなければ、橋本駅圏のマンション相場としては坪300万円台の半ばがアッパーだろう。京王線は他の沿線に比較してかなり割負けしている。今秋に分譲される小田急不動産の「リーフィアレジデンス調布小島町」(50戸)は坪単価450万円と予想しているのだが、どうだろう。

 競合はしないだろうが、単価が近い物件として野村不動産「プラウドタワー相模大野クロス」(687戸)がある。

立地、性能、地域共生など評価される野村不「相模大野クロス」坪単価400万円超か(2023/10/31)

 

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「プライムパークス横浜並木 ザ・レジデンス」

 京浜急行電鉄・京急不動産・相鉄不動産・総合地所が分譲中の「プライムパークス横浜並木 ザ・レジデンス」を見学した。シーサイドライン幸浦駅圏では実に28年ぶりの供給で、「東敷地」「西敷地」2棟構成の全509戸。ファミリー層をターゲットにした「海と森と空に愛される街へ」のコンセプトは明瞭で、販売は順調に進捗している。

 物件の共通概要は、シーサイドライン幸浦駅から徒歩4・5分、横浜市金沢区並木三丁目の第一種住居地域(建ぺい率60%、容積率200%)に位置する東敷地は敷地面積約7,139㎡、7階建て全199戸。竣工予定は2025年2月下旬。西敷地は敷地面積約11,271㎡、7階建て全310戸。竣工予定は2025年4月下旬。先着順で販売中の住戸(12戸)の専有面積は58.86~81.44㎡、価格は4,140万円~6,640万円(最多価格帯4,500万円台(2戸)。販売代理は京急不動産、長谷工アーベスト、施工は長谷工コーポレーション。

 現地は、1971年に発足した市のアーバンデザイン構想により、車道や歩道の広さ、フラットな道、住宅や商業施設、学校を結ぶ歩行者専用ブリッジなどが計画的に整備されたエリアの一角。

 敷地は三菱重工の社宅跡地。全体敷地約19,500㎡は、公道により「東敷地」と「西敷地」に分かれていることから、管理組合は別々。ただ、それぞれの共用施設は共同利用が可能となっている(一部除く)。敷地北側は道路を隔てて大規模商業施設「ピアレ横浜/イオン金沢シーサイド」に、敷地南側は道路を隔てて並木中学校に、敷地東側は緑道に隣接。この他、近隣には金沢スポーツセンター、長浜公園、並木第四小学校、コストコ、金沢プールなどが揃っている。自転車で「海の公園」へは10~11分、三井アウトレットパークへは10分。

 主な基本性能・設備仕様は、ZEH-M Oriented認定など。共用施設はパーティルーム、グリーンサイドカフェ、キッズスクエア、パティオ、テラス、ゲストルーム、ランドリー、ラウンジなど。

 販売開始は5月からで、これまで第1期1次(44戸)のうち33戸成約済み。エントリー数は1,000組以上。計画通りのスタートを切っている。

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モデルルーム

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 モデルルームは70㎡の1階住戸と68㎡の中住戸タイプの2通り。京急オリジナルのテーブル付き収納が洗面室についており、前者はテラスとインタロッキング仕上げの専用庭付き。7棟構成の1階住戸はほとんどテラス・専用庭付きだそうだから、このタイプは人気を呼ぶのではないか。浴室が1616タイプなのもいい。68㎡のプランは間口が6300ミリ、LDKの長辺が約4.8mあり、使い勝手がよさそうだ。

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「海の公園」

槇、藤本、宮脇、内井…「金沢シーサイドタウン」に感動横浜市立大が見学会(2016/3/16)

初めて見た泣かせるマンション総合地所「ルネ花小金井」(2011/5/17)

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〝駅まえ海ちか〟港区など〝セカンド〟ニーズが大半 NTT都市ほか「三浦海岸」

京急電鉄他「品川シーサイド」資産性アピール多様なニーズ取り込む戦略

 

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「レーベン小田原THE TOWER」

 MIRARTHホールディングス(ミラースHD)は6月25日、JR新幹線・東海道線小田原駅(小田急線小田原駅)から徒歩1分の商業施設・マンション建て替え事業「レーベン小田原THE TOWER」が竣工したのに伴うメディア向け内覧&事業概要説明会を開催。マンションの共用部分や専有部などを公開した。マンションは、坪単価260万円の高値だったにもかかわらず、2021年10月の優先分譲から2022年7月までわずか9か月で完売した。告知をセーブするほどの「大変な人気」(同社)となった。

 内覧会に臨んだ建て替え事業理事長で、地元の温浴施設などを手掛ける万葉倶楽部グルーブ副社長・髙橋眞己氏は、「建物は、1975年に竣工した築45年の通称『新幹線ビル』。耐震性に問題があることが分かった2013年、当社は店舗部分と住宅12戸を取得して、再開発計画をスタートさせた。全89戸のマンションのうち実際に住んでいるのは20~30世帯、テナントと居住者の仲は悪く、建て替え協議の土俵に乗らなかった。デベロッパーなどにも相談したが、建て替えを前提した提案にはどこも興味を示してくれなかった。いち早く手を挙げてくれたのがタカラレーベンさんだった。そして2018年11月、マンション建て替え円滑法と優良建築等整備事業をクリアして替えを決議した」などと建て替えの経緯について説明した。

 事業者のMIRARTHホールディングス取締役(不動産セグメント管掌)秋澤昭一氏(タカラレーベン代表取締役兼社長執行役員)は「2018年5月に事業協力者として当社が選定されたが、還元率20%の数字が示す通り、居住者の高齢化が進んでおり、資金不足、2度の引っ越しなどの壁が立ちはだかっていた。地権者の方々が一致団結し、一枚岩となって建て替え決議に至るまでの経緯は〝奇跡的〟だったと思う(高橋氏から「その通り」との声)。分譲マンションは大変な人気になり、地元の実需はもちろん、東京都の居住者が3割弱を占めたように投資・将来拠点としても評価された。当社は現在、駅東口で全286戸の『小田原市栄町二丁目中央地区優良建築物等整備事業』も推進している。当社は昨年、長期ビジョンで〝地域のタカラ〟を打ち出しました。小田原のランドマークになる施設にする。期待していただきたい」と語った。

 物件は、JR東海道新幹線・東海道本線・小田急小田原線小田原駅西口から徒歩1分、小田原市城山一丁目の商業地域に位置する17階建て190戸(うち非分譲住戸38戸、優先分譲住戸72戸)。専有面積は35.90~82.56㎡、価格は2,500万円台~17,000万円台(最多価格帯4,200万円台・5,600万円台)、坪単価は260万円。竣工は2024年5月下旬。設計・監理は三輪設計。施工は西武建設。売主は同社のほか万葉倶楽部。事業主は小田原駅前分譲共同ビルマンション建替組合。

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ブックラウンジ

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パーティールーム

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髙橋氏(左)と秋澤氏

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 内覧会が行われたこの日(6月25日)、小生は午後からブロガー「融通無碍」の方と情報交換を兼ねて夜まで飲んだ。二人で焼酎のボトル1本を空けた。家に帰った時はへべれけに酔っぱらっており、西武が1-0で辛勝したことを確認してそのまま眠ってしまった。

 翌朝(26日)、「R.E.port」の記事を読んだ。この「小田原」の記事がほぼ完ぺきに紹介されていた。読者の方はこの無料の「R.E.port」も読んでいただきたい。来週には有料業界紙が1週間遅れで書くはずだが、多分、この記事を上回ることはない(失礼)。

 斯くいう記者はどうか。言いたいことは添付した過去記事を参照していただきたい。坪単価については触れていないが、「単価については触れない」という約束で書いた記事だ。先の「R.E.port」記者と一緒だった。前回も記事は先を越された。記事は先に書いたほうが勝ちだ。

 当時、小田原駅から徒歩1分のマンションが坪単価260万円もするのに驚愕した。しかし、地元の人で買えるのは少数派だろうが、小田原に縁のある人は食指が動くだろうということは容易に想像ができた。品川で新築を買おうとしたら坪単価は1,000万円をはるかに超える。20坪で2億円だ。それと比べたら5,000万円台、つまり4分の1で買える(賃貸に回せるかどうかはわからないが…)。「大変な人気」になったのもよく分かった。

 そして、この日(25日)。同社は「小田原市栄町二丁目中央地区優良建築物等整備事業」を推進していると公表した(プレス・リリースが発表されているから旧聞か)。19階建て全286戸の規模で、竣工予定は2028年3月末だ。大規模商業施設の跡地再開発で、持続可能な「まちなか居住」をテーマに総合設計制度を活用する。

 分譲はいつかわからないが、坪単価は300万円を超えるのだろう。同社は昨年、長期ビジョンで「地域社会のタカラ」を打ち出した。地方での再開発に注力するということだろう。小田原市も人口減少に歯止めがかからないようだ。同社は地域活性化にどこまで貢献できるか。常識的に考えたら、小田原の坪300万超はありえないような気がするが…。

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 「融通無碍」のブロガーの方から記事転載の承諾もいただいた。積水ハウス「国立マンション」もそうだが、書き出しに「壁に耳あり、障子に目ありという諺があるが、ボクのように職業『記者』で生計を立てている身にとって、物事を見つめる『目』と話を聞く『耳』は5器官の中でも極めて大事な部位といえる。その『右耳』の聴力が昨日突然に失せた」とある「大変!耳が聞こえない」は腹を抱えるほど面白い。ちょっと「耳が痛い」話でもある。是非読んでいただきたい。写真も実に美しい。

http://kamakura-photo-press.cocolog-nifty.com/blog/2024/06/post-24b8db.html

タカラレーベン小田原駅徒歩1分「レーベン小田原THE TOWER」完売(2023/8/18)

凄い人気優先72戸+一般分譲の第1期62戸は2.4倍即完タカラレーベン「小田原」(2022/6/17)

 

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 業界関係者なら当たり前のことだが、「HARUMI FLAG」の入居が始まったことから、マスコミ各社は不動産業者による投資・投機的購入を盛んに報じている。記者は興味がないから目を通さないが、その投資・投機のどこが悪いのかといいたい。投機的需要を容認したのは東京都だし、こうなることを予測できたはずのマスコミの姿勢こそ問われるべきだ。

◇        ◆     ◇

 バブルの絶頂期の昭和61年、〝民活第一号マンション〟「西戸山タワーホウムズ」(576戸)が分譲された。当時、マスコミは、「天皇陛下御在位60年記念10万円金貨」と、NTT政府保有株の第1次放出(購入は抽選で、記者は親戚・知人の名義を借りて2株購入した。売出し当日に初値はつかず、翌日に売出し価格約110万円より50万円高の160万円の値が付いた)とともに〝昭和の三種の神器〟としてマスコミは報じた。

 大手・中堅デベロッパーからなる事業者は〝過熱〟をあおるためか鎮めるためか、パンフレットは有料とし(500円くらいでなかったか)、契約書に完成後10年間の転売禁止条項を盛り込んだ。

 しかし、坪単価は260万円くらいで、相場の半値近くだったことから、北は北海道から南は沖縄まで申し込みが殺到。モデルルーム来場者は約6万人、申込者は約2.5万人に達した。真夏の炎天下、登録申し込み者が西戸山公園を蛇のとぐろのように何重にも取り巻き、申し込みを終えるまで数時間かかったのを覚えている。いまでもこの「西戸山」が空前絶後の人気マンションだ。

 もう一つ、信じられないような超割安のマンションが2008年9月に分譲された。期間72年の定期借地権付き住友不動産「シティタワー品川」828戸(分譲809戸)だ。東京都の「港南4丁目第3団地建替えプロジェクト」で、同社がコンペの結果、事業者に選定された。最多価格帯は3,200万円台で、坪単価は120万円。記者がはじいた当時の相場の245万円の半値だった。投資や賃貸目的の購入を排除するため「5年間の買い戻し特約」を設けたが、平均競争倍率は18倍に達した。

 この二つは例外だが、今も昔も価格の上昇期には新築、中古の別なくマンションが転売の標的になるのは常識だ。バブルの絶頂期には〝マンション転がし〟目的に年間200~300戸の新築・中古を購入した不動産会社がある。抽選券は数十万円で取引された。路上生活者が抽選券を得るため路上に並んでいるのを何度も目撃した。1戸も一般消費者の手に届かなかったマンションもある。「広尾ガーデンヒルズ」は瞬間的に坪単価3,000万円の値をつけた。

 近年では、三菱地所が2002年に分譲した〝モックン〟こと本木雅弘氏がイメージキャラクターに起用された「Wコンフォートタワーズ」 1,149戸がその代表例だ。坪単価165万円と超割安単価だったことから、相当数が不動産業者によって〝買い占め〟され、完成時には売り出し価格より1,000万円近くも上乗せされて転売された。

◇        ◆     ◇

 話を元に戻す。メディアがどのように報道しているか、興味がないからよく知らないが、転売のどこが悪いのか。法律に違反しているわけではない。転売益をもくろむ商売は数えきれないほどあるではないか。

 問題があるとすれば、都有地を当時の地価公示の10分の1以下の、容積率100%当たり1種坪単価8万円は適切だったかどうかで、転売禁止特約などを設けなかったことだ。

 当時の2016年、売却価格が異常に低いことに対する問題提起を行ったマスコミは、記者の知る限り「しんぶん赤旗」と「日刊ゲンダイ」しかなかった。とくに「赤旗」は、記者の記事より1週間近く早く記事化していたのをあとで知った。記者は1週間かけて不動産鑑定について勉強したので遅れをとった。

 今から2~3年前か、「あの記事を書いたのは私」と赤旗記者に声を掛けられた(この方は記者の記事を読んでいたのだろう)。顔が赤くなるほどカッとなった。記事は速さ、鮮度だ。出し抜かれることほど悔しいことはない。その記事を添付する。今でも間違っていないと思う。今現在、アクセス数は約15,000件に達している。

 あの時、業界紙も含めて他のメディアが同じように問題点を指摘していたら、今回のような報道にはならないはずだ。自らの失点、落ち度に頬かむりして正義面するのはいかがなものか。

 記者は、「HARUMI FLAG」について、裁判も含めて20回くらい記事を書いている。基本性能、ランドスケープデザインは最高だと書いたが、投機をあおるような記事は1本も書いていない。「利益折半」はありえないと思う。

ランドスケープ&デザイン、共用施設…最高に素晴らしい「HARUMI FLAG」板状棟(2023/12/11)

「HARUMI FLAG」土地代の安さ価格に反映を坪250万円が妥当と考えるが…(2019/4/21) 

「東京2020オリ・パラ選手村敷地売却価格は地価公示の10分の1以下の〝怪〟」(2016/8/4)

72年の〝超長期〟定借で価格も〝超々〟割安 住友不「品川」(2008/8/1)

住友不「品川」 最高378倍、平均17.65倍で即日完売(2008/9/5)

〝ハッとしてお台場、グッときて銀座〟〝トシちゃん〟マンション(2005)

 

 

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「デュオヒルズ蘇我ザ・スカイ」 

 フージャースコーポレーションは6月20日、JR京葉線蘇我駅圏のファミリーマンション「デュオヒルズ蘇我ザ・スカイ」とシニア向けマンション「デュオセーヌ千葉蘇我」を一体開発したメディア向けプロジェクト発表会を行った。従前はJFEの研修所で、道路面から約15m高い立地条件と、坪230万円台の価格の安さ、親世帯と子世帯が近居できるのが〝売り〟。同社の創業30周年記念プロジェクトでもある。ファミリーマンションは263戸で、近接する「オハナ」252戸と合わせると500戸超。

 「デュオヒルズ蘇我ザ・スカイ」は、JR蘇我駅から徒歩11分、千葉市中央区宮崎一丁目の第一種中高層住居専用地域に位置する敷地面積約16,332㎡、9階建て全263戸。7月下旬に分譲開始する第一期(戸数未定)の専有面積は68.75~85.46㎡、予定価格は3,900万円台~7,000万円台(最多価格帯4,500万円台。坪単価は230万円台。竣工予定は2026年2月下旬。売主は同社のほか大栄不動産。設計・監理・施工は長谷工コーポレーション。

 主な基本性能・設備仕様は、直床、リビング天井高2400ミリ、ディスポーザー、食洗機などのほか、同社オリジナルのシンクとコンロを分離したⅡ列型のアイランドキッチン「Fit キッチン」、洗濯の時短・効率化ができる「Arau ラック」など。

 敷地は、南側の公道から約15m(5階相当)高い高台立地で、ほとんどの住戸が南東-南-南西向き。主な基本性能・設備仕様は、直床、リビング天井高2400ミリ、ディスポーザー、食洗機などのほか、同社オリジナルのシンクとコンロを分離したⅡ列型のアイランドキッチン「Fit キッチン」、洗濯の時短・効率化ができる「Arau ラック」など。

 「デュオセーヌ千葉蘇我」は、JR蘇我駅から徒歩12分、千葉市中央区宮崎一丁目の第一種中高層住居専用地域に位置する敷地面積約4,955㎡、7階建て144戸。専有面積は54.48~63.73㎡、坪単価はファミリーマンションより安くなる模様。入居条件は満40歳以上(自分で身の回りのことができ、共同生活が可能な人。複数入居の場合、1名が40歳以上の条件を満たせば審査により入居可能)。竣工予定は2026年2月中旬。設計・監理・施工は長谷工コーポレーション。

 4月からホームページを開設してから反響数は約500件、モデルルーム来場予約は100件超。約7割は地元中央区内居住者、8~9割が千葉市内居住者。

 同社東日本事業部営業本部営業四部営業三課課長・井上健氏は「競合物件の『オハナ蘇我ガーデニア』の252戸と合わせ500戸を超えるが、当社の敷地は道路面から5層分高くなっており、日当たり・眺望がよく、駅からの距離が遠い分、単価は安く設定している。お客さんも双方を見学してから判断されるはず」と語った。

 シニア向けは15棟目の物件で、ファミリーマンションの北側に立地。メーターモジュール、引き戸多用などユニバーサルを採用し、「24 時間見守り体制」「介護事務所」「大浴場」「レストラン」併設など。共用施設としてラウンジ、レストラン、大浴場、カラオケ室、多目的室、健康相談室、介護事務所など。ファミリーマンションとシニア向けマンションの敷地はエレベーターでつながっている。

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「デュオセーヌ千葉蘇我」

◇        ◆     ◇

 同社の物件と「オハナ」を合わせて500戸超とは驚いた。しかも、施工は同じ長谷工コーポレーションだ。現地を見ていないので何とも言いようがないが、地元居住者だけではさばききれないはずで、中広域から集客できるかどうかがカギを握る。単価は安いと思うが、この価格帯はこれから千葉、埼玉で激増する。常識的に考えれば、双方合わせて月に10戸成約できるとして、完売まで約5年かかるプロジェクトだ。富倒れになるのか、それとも相乗効果を発揮するか。最近の「オハナ」はみていないが、植栽計画がいい。フージャースコーポは販売力がある。都心部の異常な価格上昇で、手に届かなくなった第一次取得層向けの郊外も好調物件が目立つ。追い風も吹いている。

 「オハナ」は、ディスポーザーはついておらず、食洗機、床暖房が標準、自走式駐車場が75%。同社はディスポーザー、食洗機が標準で、床暖房はなし、機械式駐車場+敷地外駐車場100%。

 モデルルームは、82戸(全体の3割)を占める「Fit キッチン」付き74㎡と、14戸ある85㎡の角住戸タイプの2つ。角住戸タイプはコーナーサッシ付きで広いので人気になるか。「Fit キッチン」付きは、ポラスの「ピアキッチン」と似てはいるが、「ピアキッチン」は収納・カウンター付きなのに対して、「Fit キッチン」は壁側にシンク・調理台があり、その背後のアイランド側にガスコンロがあり、収納やカウンターはない。I型やL形と使い勝手はどうなのか。

 シニア向けは書く余裕がなくなった。添付した「国立」&「豊田」の記事はアクセス末が1万件を突破している。

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「Arau ラック」

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「Fit キッチン」

♪時の流れに身をまかせ♪ 都心居住にはない魅力フージャースコーポ「青梅」(2024/5/8)

総合地所「ルネ蘇我ディアパーク」同社の23棟目の浴場付き(2015/5/26)

進化するシニア向け所有権付き「デュオセーヌ」 フージャース「国立」&「豊田」(2018/9/4)

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