時短にもつながる洗面・収納の新商品3つ/興味深い新発見3つ 三菱地所レジ
「+Habit(プラス ハビット)」
三菱地所レジデンスは9月19日、赤坂にある同社の水回り商品などを展示している「EYE’S PLUS LAB」で新商品発表会を開催し、お客様の声を商品企画に生かす「EYE’S PLUS(アイズプラス)」新商品として、家事労働の時間短縮にもつながる新・洗面化粧室「+Habit(プラス ハビット)」「充電ステーション」「シューズインクローゼット」を開発し、今後分譲するマンションに採用していくと発表した。
「EYE’S PLUS(アイズプラス)」は2013年に発足したもので、キッチンの作業スペースを広くし、浴室のシャワースライドバーを2本にし、さらにディスポーザー、食洗機、ミストサウナ、開閉両側ソフトクローズ機能付き引き戸などを基本的に標準装備すると画期的な取り組みを発表した。その後、これらの商品企画は〝三菱地所と、次に行こう〟につながっているはずだ。
「+Habit」は、仕分け・整頓/習慣・秩序/時短・効率のサイクルに着目し、洗面化粧室からはじめる新習慣を提案。洗面化粧台下の収納は収納力を高める工夫を凝らし、洗濯カゴを定位置化。三面鏡は奥行を4センチ深くして整理・整頓がらくにできるようしている。洗濯機上にはハンガー・収納を設置する。第一弾として、2024 年10 月5 日(土)に事前案内会を開始する「ザ・パークハウス 板橋本町」に導入する。
「充電ステーション」の「EYE’SPLUS STORAGE CHARGE」として、キッチンカウンター下部にオープン空間を設け、スマートスピーカー、Wi-Fi ルーター、小物の電子機器類、タブレットやノートPCなど大型の電子機器の充電場所として利用できるように工夫している。
「シューズインクローゼット」の「EYE’S PLUS SHOES IN CLOSET」では、可動棚やハンガーを多用、ベビーカーを入れられるようにしている。
発表会で、同社クオリティ業務部長・鴨志田武氏は、「当社グループはこれまで人と街にフォーカスし、マンションも付加価値の高いものを提供してきた。今回の3つの新商品は快適に暮らせる提案の一つで、今後も選ばれ続ける住まい商品を提供していく」と話し、同社クオリティ業務部リーダー・安永理美氏は「家事の主戦場」として洗面所をとらえ、新商品を開発するに至った背景、特徴などを説明した。
三面鏡収納
充電ステーション(記者はこの左側のキャスター付き収納にほれ込んだ。写真は不可とか)
シューズインクローク
◇ ◆ ◇
洗面室が「家事の主戦場」と語った安永氏の言葉は、20年以上も家事労働を行っていない記者はよくわからなかったが(主戦場はキッチンではないか)、同業の取材をかなり行ってきたので納得できる部分はたくさんあった。一つひとつコメントしないが、収納でもっとも優れた取り組みを行っているのは、他ではポラス、大成有楽不動産、伊藤忠都市開発だと記者は思う。
それより、大変面白いというか、記者のレベルがわかる、考えさせられた新発見が3つあった。
一つは同業の記者の質問だった。小生は先述したように収納はそこそこ取材しているし、現在もチェックは欠かさないので質問することなど一つもなく、馬鹿な質問をして馬脚を現したくなかったので黙っていた。
すると、ある記者の方が「購入検討者にはお客様の声を反映した商品を選ぶことができるが、(すでにマンションに住んでいる)入居者の声は届かないではないか」と質問した。
えっ…言い得て妙。マンションに限らず、新商品は既存の利用者はそれを買わない限り手に入れることはできない。しかし、デベロッパーに限らず、あらゆるメーカーは消費者の声を商品に反映しなければ生き残れない。三菱地所レジデンスは商品企画にもっとも熱心なデベロッパーだと記者は断言できる。その意味で、この記者の意見・質問は珍妙でもある。
2つ目も別の記者の質問だった。あるゼネコンの名を挙げ、同社に限らず、デベロッパー全てが顧客の声を商品に反映させているかのような質問をした。
この方の質問の意図がいま一つ理解できなかったのだが、これは問題がある。ここ数年、マンション価格が高騰し、合わせてデベロッパーの利益率も改善・向上している一方で、基本性能・設備仕様は正比例(反比例か)して退行している。
この点については、これまで何度も書いてきたので詳細は省くが、少しは参考になりそうなので、同社が2006年に足立区で初めて分譲した「北千住パークハウス」の記事を添付する。記事には「プラン的には、天井高最大2.7メートル、二重床・二重天井、ワイドスパン、ディスポーザー、御影石の玄関床、複層ガラス採用など、間違いなく足立区や伊勢崎線の物件では水準以上だと判断した。坪単価は185万円で相場並みとみた」と書いている。
現在、この仕様レベルを満たしているマンションはどれくらいあるか。100に1つか2つあるかどうかだ。企業は消費者ニーズを無視して事業展開できないのは自明だが、コストダウン・カットのため平気で質を落とす。そうならないようするのが小生も含めた記者の役割だ。いま問われているのはメディア・リテラシーだ。
どうして、このような馬鹿馬鹿しい(失礼)の質問が飛ぶか。それは、マンションに関心がなく、家事労働をしないからだと思う。それを証明するやり取りがあった。新商品について説明した安永氏が、参加していた記者団9人に向かって「家事労働をされている方はいらっしゃいますか」と呼び掛けたところ、頭から滝のように汗を流していた方一人がためらいがちに手を挙げた。「独り身だから…」と
小生はこの20年間、家事労働をほとんどしていないので手を挙げなかったが、10年間〝主夫〟をやったので家事労働がどれほど大変かはよくわかる。記者団のうち2人の女性の方は手を挙げなかったのは、それが当たり前だと思っているのかもしれないが、これはこれで問題。堂々とどうして手を挙げないのか。それとも家事労働は夫任せなのか。家事労働を金額に換算し、税金控除の対象にすべきだと記者は思う)。最近のリンナイの家事労働に関する記事を添付する。
三菱地所レジは三井不レジの軍門に降ったのか 食洗機の位置
3つ目は、食洗機の位置だった。別掲の2013年当時の記事を読んでいただきたい。三菱地所レジデンスは、顧客の声を反映して食洗機はシンクの横に設置すると発表した。その後も、同社のマンションの食洗機はシンクの横に備えられてきたはずだ。
ところが、今回の「EYE’S PLUS LAB」のキッチンの食洗機はシンク下についていた。同社広報によると、「現在はこれが標準」とのことだった。写真を撮ったのだが、「新商品以外は不可」と言われた。
はしなくも「三井不動産レジデンシャルの軍門に降ったのか」と小生は声を荒げてしまった。当時、三井不動産レジデンシャルは食洗機をシンク下に取り付けていたからだ。いまもそうだ。
食洗機はシンクの下か横か、どちらがいいか。当時、記者は「三井×三菱の戦い」とは書いたが、どちらがいいとは書かなかった。それぞれ利点はあるし欠点もある。この記事を読んだら(それぞれ知らないはずの)三菱地所レジデンス宮島社長と、三井不動産レジデンシャル嘉村社長は何を言うか。聞きたいものだ。聞けば、聞こう、聞け。
同床異夢夫も妻も相手の家事労働に不満6割深刻な実態浮き彫りリンナイ調査(2024/9/1)
三菱地所顧客の声を生かす「EYE'S PLUS(アイズプラス)(2013/6/6)
三菱地所の足立区初の「北千住パークハウス」が完売間近(2006/3/10)
三菱地所 「エコファニ」拡大へ 三菱地所プロパティマネジメントへ業務移行
三菱地所は9月18日、は、三菱地所グループ社員から広く事業提案やアイデアを募集する「新事業提案制度」により生まれたサービス「エコファニ」を三菱地所プロパティマネジメント(MJPM)が2024年10月から運営すると発表した。
「エコファニ」は、2020年度の新事業提案制度における最終審査合格後、実証期間を経て2022年から本格展開しているもの。オフィスのレイアウト変更などで不要になったオフィス家具を企業から引き取り、検品・清掃のうえ、リユース家具として展示、法人・個人に販売している。
これまでの展開により、一定のサービス認知と体制構築が図られたことから、より現場に近い組織からの機動的なサービス供給とソリューションメニューの拡大を目指し、MJPMによる運営体制へと移行する。
アッパーミドル・富裕層さらに増加 5人に1人が課税標準額1,000万円超 東京都港区
港区役所
納税者の5人に1人が課税標準額1,000万円以上-東京都港区のアッパーミドル・富裕層が増加していることが分かった。同区の行政資料によると、令和6年7月現在の課税標準額1,000万円を超える納税義務者は前年の27,680人(全納税者に占める割合は18.5%)から29,400人(同19.8%)へ1,720人、1.3ポイントそれぞれ増加し、これらの層の所得割額も前年の632億円(構成比72.7%)から809億円(同76.7%)へ28.0%増加した。
令和3年の全国納税義務者数は約5,951万人で、課税標準額が1,000万円以上の人は約110万人だ。その割合は1.8%だから、港区は桁違いのお金持ちがいることがわかる。
これらアッパーミドル・富裕層の増加が区の財政力を高めている要因の一つだ。財政力を示す令和5年の区の経常収支比率は70.7%で、中央区の60.4%、65.6%の渋谷区、70.5%の江戸川区に次いで4位。特別区平均の76.4%、全国平均の92.2%と比較して極めて高い。また、令和5年の自主財源比率も69.3%で、これも23区内でトップクラスとみられる。
アッパーミドル・富裕層の増加と人口動態の相関関係についてはよくわからないが、興味深いデータも行政資料は示している。
人口は平成27年の約24.0万人から令和6年は約26.6万人に10.7%増加しているが、5歳階層別にみると、30歳~44歳までの人口は平成27年の約7.4万人から令和6年は約6.5万人へ11.9%減少している。このほか65歳~69歳の人口も約1.2万人から約1.0万人へ16.4%減少している。その一方で、5歳~24歳、50歳~64歳、75歳以上の各層は大幅に増加している。
これは、働き盛りの人が結婚に際して住宅を取得しようと考えても、価格が高くて区外へ転出せざるを得ない現実の反映かもしれない。65歳~69歳の人口が減少しているのは、定年による住み替えが影響しているのだろうか。
この推測は的外れでないことを示すデータもある。人口動態がそれで、令和元年から令和5年までの他道府県からの転入は9,927人、転出は7,852人で差し引き2,075人増となっているのに対し、都内間移動では転入が14,011人、転出は13,689人で差し引き322人増となっている。これほどの差し引き差が出るのは、お金持ちの他道府県居住者が港区に転入し、転出者は〝都落ち〟の観がぬぐえない他道府県への転出をためらうからではないか。
富裕層の移入と関係があるかどうかは不明だが、国別外国人居住動態も興味深い。令和5年現在、区内の外国人居住者は21,863人で、もっとも多いのは6,481人の中国で、以下、韓国及び朝鮮3,583人、アメリカ2,700人、フィリピン980人、イギリス790人、フランス605人、ドイツ292人の順。中国は令和元年から2,156人増加している一方で、韓国及び朝鮮は微増している以外はすべて減少している。
コロナ禍でも億万長者は11.4%増の1,392人令和5年度の港区所得割額は2.4%減(2024/10/15)
中長期滞在想定 全室に洗濯乾燥機・電子レンジ・冷蔵庫 三井不「銀座築地」ホテル
「三井ガーデンホテル銀座築地」
三井不動産と三井不動産ホテルマネジメントは9月17日、「三井ガーデンホテル銀座築地」のプレス内覧会を実施し、9月30日に開業すると発表した。インバウンド客の中長期滞在・宿泊を想定し、「三井ガーデンホテル」シリーズとしては初めて全室に洗濯乾燥機・電子レンジ・冷凍冷蔵庫を備えたほか、本物の木や観葉植物やアップサイクルの素材を多用したデザインにより、〝上質なくつろぎと安らぎ〟を演出しているのが特徴。
施設は、東京メトロ日比谷線・都営浅草線東銀座駅から徒歩3分・東京メトロ日比谷線築地駅から徒歩4分、中央区築地4丁目の商業地域に位置する敷地面積約761㎡の14階建て全183室。客室面積20.2㎡~46.6㎡(中心は約26㎡)。直床、天井高は2500ミリ、浴槽は一部のタイプで、シャワー室が中心。客室単価は3万~6万円台を想定。付帯施設は大浴場(地下1階)、カフェ(1階)、リフレッシュスペース(2階)、フィットネスジム(9階)、レストラン・バー(14階)。
プロジェクトコンセプトは「少し上質な日常を過ごせる場所〝LIFE PLAACE〟」。外構や屋内に本物の緑をふんだんに取り入れ、同社グループの社有林の木材を活用した家具や、アップサイクルのアートなどサステナブルにも配慮している。
デザインコンセプトは「築地だからこそ〝素(しろ)から始まる〟。染色していない絹の素材の色を多用し、アール形状のデザインを取り込むことで、全館が優しい雰囲気を醸し出すように工夫されている。
客室は、インバウンド客の中長期滞在・宿泊を想定し、「三井ガーデンホテル」シリーズとしては初めて各室に洗濯乾燥機・電子レンジ・冷凍冷蔵庫を備えている。
内覧会で三井不動産ホテルマネジメント三井ガーデンホテル銀座築地総支配人・櫻井賢子氏は「着工した2022年11月は、『Stay in the Garden』へリブランディングしたのと同時で、新たな舵を切ったホテル。上質なくつろぎと安らぎを表現している。中長期滞在のニーズに応え、街に開かれた空間も設け、新たなサービスも付加した。オールデイで楽しんでいただける」と話した。
ロビー(上部の緑はフェイク)
デラックストリプル
洗濯乾燥機・電子レンジ・冷凍冷蔵庫
リフレッシュスペース
大浴場
櫻井氏
◇ ◆ ◇
櫻井氏が話した「Stay in the Garden」「上質なくつろぎと安らぎ」そのもののホテルだ。ラグジュアリーホテルによくある奇を衒ったデザインなど一つもない。〝優しさ〟がストレートに伝わってきた。
何より素晴らしいのは、本物の観葉植物を多用していることだ。1階には沖縄から探してきたという2本のシンボルツリー(アムステルダムキング、ベンガレシスリオ)が配されており、天井高6mのロビーの上部の緑はフェイクだったが、レストランや客室のベランダにも本物の植物が植えられていた。木製の家具やアメニティにはサステナブルな取り組みが見て取れた。木調の家具、伝統工芸品の有松絞「suzusan」を纏ったランプシェード、フラワーアートも目を引いた。
驚いたのは、福岡・京都を中心に多彩なレストランを展開するONO GROUPが東京に初出店した14階のレストラン「GINZA ONO Gratia-Smoke Dining-」だった。
「薪焼き」を得意とするレストランで、ヒノキやクヌギの本物の薪がデザインとして取り込まれており、1000度以上の火で柔らかくした鉄をアトランダムに叩いて造ったというアート(炎をイメージしたそうだが、記者は人間に見えた)と、その背景のえもいわれぬ臙脂にしばし見とれた。
客室料金について。高いのか安いのかわからない。新型コロナが猖獗を極めていたとき、あるホテル会社はキャンペーン料金として「一泊2,980円」を打ち出し話題になった。記者はその2年後、初めてその会社のホテルを利用した。値段は確か5~6,000円だった。いま、そのホテル料金を調べたら15,000円だ。すべての商品は市場が値段を決めるのだろうから、何も言うことはない。
取材を終え、タバコを吸いたくて喫茶店を探したがなかった。〝せんべろ〟の日高屋があった。300円のビールを頼み、タバコを2本吸った。これは安いと思う。
レストラン「GINZA ONO Gratia-Smoke Dining-」
「GINZA ONO Gratia-Smoke Dining-」
「GINZA ONO Gratia-Smoke Dining-」バルコニー
ロビー
有松絞「suzusan」を纏ったランプシェード
木製のアメニティ
エレベータホールのアート(階数により異なる)
◇ ◆ ◇
あらゆる建築物を分譲マンションに置き換えたらいくらになるかを考えるのが記者の習い性になっている。数年前まで、銀座・築地エリアでは大量のマンションが分譲された。三井不動産レジデンシャルも2015年に坪単価415万円の「パークリュクス銀座mono」を分譲し圧倒的な人気を呼んだ。しかし、ここ数年間は銀座・築地アドレスのマンションは供給されていないはずだ。
そんなことを考えながらホテルを見て回っていたら、ホテル隣接地は三井不動産レジデンシャルがマンションを建築中だと聞いた。東銀座駅から徒歩3分、歌舞伎座や築地本願寺に近い明治通りに面しているのだから、坪単価1,500万円でどうかとはじいた。
しかし、すぐ下方修正した。敷地面積はホテルと同じくらいの805㎡だが、住所は銀座ではなく「築地4丁目」だからだ。坪1,000万円はくだらないだろうが、高値追及は難しいと思った。賃貸になるのではないか。
2024年の地価公示を調べた。同じ「築地4丁目」で坪1,424万円(容積率800%)とあった。実勢はこの倍でも買えないのではないか。
〝業界のイチロー〟目指すのか 絶好調の住友不 マンション「銀座東」竣工(2019/5/23)
銀座の柳の下に泥鰌? 人気「パークリュクス」近接 モリモト「ピアース銀座8丁目」(2017/10/28)
「銀座初」に北海道から沖縄まで問合せ2,500件 NTT都市開発「銀座二丁目」(2015/5/12)
バブルだ!中古が新築を上回る 三井レジ「パークリュクス銀座mono」(2015/2/23)
まちづくりGXセミナー~都市の未来が緑で変わる~大阪開催10/16 国交省
国土交通省は「まちづくりGXセミナー~都市の未来が緑で変わる~」の第一弾を令和6年10月16日(水)、大阪で開催する。
国交省は、緑地を確保する取組を評価し民間投資を呼び込む仕組みづくりを進めており、全国でセミナーを開催し、緑地にまつわる有識者の講演や事例紹介を行うことで、「緑×まちづくり」を考える場を設け、都市の良質な緑の創出・維持に向けた取組促進を図るのが目的。
第1弾の大阪開催は10月16日(水)14時~17時、大手前合同庁舎1階共用会議室1。国交省のTSUNAG(優良緑地確保計画認定制度)の紹介のほか、打田篤彦氏(神戸大学ウェルビーイング先端研究センター 助教)の基調講演、日本政策投資銀行、積水ハウス、大阪府都市整備部公園課のまちづくり×緑の取り組みが紹介される。定員は100名(先着順)、申し込み締め切りは10月9日(水)。
詳細は以下へ。
https://www.kkr.mlit.go.jp/news/top/press/2024/20240912-2matidukurigxsemina-.html
平均77㎡で坪単価400万円超 南傾斜利用したバルコニー設置 三菱地所レジ「宮前平」
「ザ・パークハウス 宮前平二丁目」
三菱地所レジデンスは9月13日、駅から徒歩3分の南傾斜に立地する、ZEH仕様で平均77㎡の「ザ・パークハウス 宮前平二丁目」の第1期(54戸)を9月14日から販売開始すると発表した。「トランクルーム付きバルコニー」と「奥行き約2.8m のハーフバルコニー」を設置しているのが特徴の一つ。
物件は、東急田園都市線宮前平駅から徒歩3分、 川崎市宮前区宮前平2丁目の第1種中高層住居専用(建ぺい率70%、容積率200%)に位置する7階建て全154戸。専有面積は59.50~94.19㎡(平均77㎡)、第1期54戸の価格は8,388万円(74.95㎡)~14,288万円(94.19㎡)、最多価格帯は9,400万円台。竣工予定は2025年11月中旬。施工は木内建設。
現地は、同沿線の停車駅で過去10年間に分譲された新築マンションのうち、住居専用地域で駅徒歩3分以内の物件は全体の2.4%(リリース)しかない希少立地で、建物はZEH-M Orientedを取得。
外観デザインは垂直ラインと水平ラインを異なる素材を使用し、「丘×樹×風」の建築コンセプトを石・木・ガラスで表現した3棟構成。
南向きVISTAと戸建街が広がる東向きGLAREの2棟のバルコニーにはトランクルーム付きバルコニーを設置。もう1棟の北向きSERENEは、奥行き約2.8mのハーフバルコニーを設置し、物干し金物はマンションで初めての採用となる取り外し可能な「屋外用ホスクリーン」を採用している。
ハーフバルコニー
トランクルーム付きバルコニー
トランクルーム付きバルコニー
モデルルーム
◇ ◆ ◇
上段は、第1期の価格の部分を除き、プレス・リリースをそのままコピペしたものだ。リリースを読んで考えたのは、分譲開始直前にリリースしたのはどうしてか、週刊の業界紙が記事化すれば分譲開始後の週明けのはずなのに、便宜を図らず価格をどうして「未定」としたのかだ。
リリースを発信した意図はよくわかる。沿線の駅から徒歩3分の南傾斜の住居系用途立地はいかに希少であるかを、専有面積を平均77㎡確保し、南下がりを利用したトランクルーム付きバルコニーやハーフバルコニーを設置した商品企画が理解され、全154戸のうち3割超の54戸を供給できるほど人気になっていることをアピールしたいからだろう。
分譲開始1日前なのに、「価格は未定」としたのはやや理解に苦しむ。記者がそのままコピペ記事を書かなかったのは、価格は物件ホームページには記載されているはずで、その価格をチェックしてから書こうと決めたからだ。その通り、価格は翌日の本日(14日)にはきちんと物件概要に記載されていた。
最多価格帯9,400万円台を平均専有面積77㎡で割ると、坪単価は403万円になる。皆さんはこの坪400万円超えをどう判断されるか。渋谷まで約30分圏だ。わが京王線なら聖蹟桜ヶ丘駅だ。同駅圏では駅から3分の野村不動産と京王電鉄のJV「プラウド京王聖蹟桜ヶ丘」134戸が分譲される。坪単価は間違いなく300万円を突破するが、400万円は無理だろう。これが田園都市線との差だ。既存住宅街を走る京王線と異なり、田園都市線は起伏が激しい地形を利用し、駅は低地に、その北側の高台に住宅地を配している。東急の街づくりはさすがというべきか。
それにしても、坪単価が400万円を突破し(渋谷から30分圏の駅近で坪単価400万円はよく理解できる)、77㎡の9,400万円台が売れる田園都市線と三菱地所のブランド力は凄いとシャッポを脱がざるを得ない(尻尾は絶対振らない。京王頑張れ)
見慣れている人ほど評価が高い中規模でも差別化徹底大和ハウス「宮崎台」(2024/8/30)
リノベマンションをZEH水準に改修・販売 阪急阪神不動産 初の取り組み
「ジオ阪急千里山田センターウィング」
阪急阪神不動産は9月13日、買取再販事業「Styles」で「ジオ阪急千里山田センターウィング」の一室にZEH水準を満たす省エネ改修を行い、8月24日から販売を開始したと発表した。中古マンションのリノベに際しZEH化を施したのは「当社では初、関西でもおそらく初かと思われますが裏付けは取れておりません」としている。
リノベに際し、外気に面する壁面に断熱材を付加し、全窓にLow-E複層ガラスの内窓を採用、特殊金属膜を室外側のガラスに施すことで、一般複層ガラスと比較し約1.5倍の断熱効果を実現。さらに省エネ効率の高い水栓、高断熱浴槽、エコシャワー、節水トイレ、LEⅮ照明を採用。断熱等性能等級(断熱等級)5、かつ一次エネルギー消費量等級6に関する基準をクリアした。
物件は、阪急電鉄千里線山田駅から徒歩 1分、販売住戸は71.16 ㎡で、価格は4,780万円。建築年月は2003年2月。
◇ ◆ ◇
とてもいい取り組みだ。記者はリフォーム・リノベマンションの市場はよくわからないのだが、矢野経済研究所の調査によると、中古住宅の2023年の買取再販市場規模は42,000戸だそうだ。 このうち、ZEH化を施した物件はどれくらいあるのか。
不動産情報サイト「SUUMO関東版」の中古マンションで「ZEH リノベ」を検索したら7件ヒットした。また、最近、日新ハウジングを取材したら、同社は4~5年前から買取再販物件ではサッシ交換を積極的に行っていると聞いた。
国土交通省も今年6月、マンション標準管理規約を改正し、「区分所有者は、管理組合が前項の工事(窓ガラス等の改良)を速やかに実施できない場合には、あらかじめ理事長に申請して書面による承認を受けることにより、当該工事を当該区分所有者の責任と負担において実施することができる」としている。
断熱窓も含めて中古住宅のZEH化が進んでほしい。
館内外の「みどり」最高 延床は法定容積の22.5%増し 三井不レジ「PWS藤沢SST」
「パークウェルステイト湘南藤沢SST」
三井不動産レジデンシャルは9月12日、自立型シニア向けマンション「パークウェルステイト湘南藤沢SST」のメディア向け内覧会を行い、10月1日に開業すると発表した。
「パークウェルステイト(PWS)」は、60歳以上を対象とした有料老人ホームで、外構、エントランス、中庭には、湘南をイメージした豊かな緑を配し、館内に入ると藤原大氏や山本愛子氏など湘南に縁のあるアーティストの作品や、海や貝殻など湘南をモチーフにしたアート作品など合計86点を展示。館内BGMは、江の島、茅ケ崎の海岸、湘南平の山岳などの自然の音を録音・編集したオリジナルBGMを作成。共用施設には、ミシュランで星を獲得した「銀座おのでら」などを有するONODERA グループのLEOC が運営するダイニングとカフェを備え、湘南の魅力を五感で満喫できるというのが〝売り〟。共用施設のフローリングはほとんど突板仕上げだ。
この他共用施設は、CCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)が選書した1,200冊を揃えたライブラリー、修善寺温泉の運び湯・季節湯を楽しめる大浴場やスポーツ施設、ビリヤードルーム、麻雀ルーム、ピアノルーム、カラオケルームなどを併設。
契約は前払い方式と月額払いの選択制で、前払い方式を選択した場合、48㎡の居室は入居一時金が36,288,000円〜、月額利用料金は、共益費74,200円/1室、基本サービス料97,900円/一人入居、152,900円/2人入居、食事基本料35,200円/人。月払いを選択した場合は、月額利用料金のほかに家賃252,000円〜が加わる。居室は直床、リビング天井高2450~27500ミリ。
物件は、JR辻堂駅から徒歩24分、藤沢市辻堂元町六丁目の第一種住居地域(建ぺい率60%、容積率200%)に位置する14階建て全566室。専用面積は約43~約73㎡。竣工は2024年6月、開業は2024年10月。設計・施工は長谷工コーポレーション。外観デザインはUDS・長谷工コーポレーション。インテリアデザイン・外構デザインはUDS。介護・看護パートナーはALSOKグループ(らいふ)。医療連携は湘南藤沢徳洲会病院・医療法人社団MBS(湘南いしぐろクリニック)。償却期間は5年で、75歳の想定入居期間は15年。
これまでに約半数に申し込みが入っており、約4分の1は藤沢・鎌倉などの湘南居住者で3分の2は神奈川県内居住者。
外構
中庭
◇ ◆ ◇
今回の「藤沢」で、同社が行った「西麻布」「幕張」見学会に続き、すべて見学したことになる。この種のシニア向けは、有料老人ホーム、分譲型など数十件見学してきた。総じて共用施設は優れている。今回のようなタワー型大規模は業界で初めてのことなので、他社物件と比較はできないが、一言でいえば〝ラグュアリー リゾートホテル〟だ。
何が素晴らしいかといえば、ランドスケープデザインだ。分譲マンションを含めてこれほど豊かな植栽計画を施した物件はそうないはずだ。例えば、東京都「マンション環境性能表示」制度の「みどり」環境で★5つを獲得した物件はわずか160件しかないのだが、今回の3物件は★5つクラスではないか。
「みどり」が優れているのは施設内も同様だ。観葉植物はすべて本物。「みどり」と認知機能は相関関係があるはずで、同社にはぜひPWS施設入居者を対象にした研究調査を行っていただきたい。いい結果が得られるのではないか。
エントランス
エントランス
ダイニング
ダイニング
ライブラリ―
大浴場
◇ ◆ ◇
配布された資料をみておやっと思ったことがある。敷地面積約18,536㎡に対して延べ床面積は約45,340㎡とあるではないか。敷地面積に対する延べ床面積の割合は245%だ。用途地域は第1種住居地域で建ぺい率は70%、容積率は200%だから、法定容積率より22.5%も上回っている。
他の「パークウェルステイト」を調べた。「西麻布」は655%(容積率600%と同300%の第一種中高層専用地域の2つの用途にまたがる)で、法定容積率より約9.2%上回っている。「幕張」は202%(容積率200%の第二種住居地域)で、こちらは、「幕張ベイパーク」内に位置しており、住宅などとの連坦建築物設計制度の適用を受けている。
有料老人ホームも集合住宅と同様、エントランスホール、エレベータホール、階段室、共用廊下、メールボックスなどは容積不算入の対象となるが、それにしても法定容積率より22.5%も上回っているのは容積不算入の部分が多いということだろう。分譲マンションはほとんど10%以内だ。
アート
アート
◇ ◆ ◇
吉永小百合さんのCMについて。記者は吉永さんから「あなたはいつだって、今がいちばん好き」とささやかれたとき、〝愛しているわよ〟と言われたような気がしてドキッとしたのだが、冷静になって考えてみると、「今が」は副詞的な意味ではなく、目的語ではないかと。つまり、吉永さんは〝今のあなたが好き〟と言っているのではなく、〝(自分勝手な)あなたの今はもっともあなたらしいから、これからも勝手に生きなさい〟と突き放しているように受け止められるということだ。吉永さんが小生のような(皆さんについてはわからないが)馬鹿を好きになるはずがない。
まるでラグジュアリーホテル素晴らしい外構デザイン三井不レジ「PWS幕張」(2024/8/31)
吉永小百合さん「あなたはいつだって、今がいちばん好き」に胸キュン(2024/7/29)
他に比肩するものなし三井不レジシニア向け「パークウェルステイト西麻布」開業へ(2024/7/30)
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神宮外苑地区まちづくり 樹木の更なる保全等に関する説明会 9/28開催
「神宮外苑地区まちづくり」の事業者は9月11日、計画エリアの新宿区と港区に在住・在所者を対象とした、緑化計画の見直し案に関する説明会を9月28日に開催すると発表した。
緑化計画見直し案は、2023年9月の東京都の要請を受け、伐採樹木本数を削減するとともに、新たな緑を創出することを取りまとめたもので、説明会では樹木の更なる保全と新たなみどりを創出する取り組みや9月9日に発表したリリース内容などについて説明する。
説明会の日時は、新宿区在住・在所者は2024年9月28日(土)10:00~12:00、港区在住・在所者は2024年9月28日(土)14:00~16:00、説明会場は日本青年館ホテル8階会議室。
事前の申し込みが必要で、2024年9月17日(火)13:00から事前予約フォームへアクセスが可能。先着順で定員に達した時点で受付を終了する。
プロジェクトサイト:https://www.jingugaienmachidukuri.jp/
神宮外苑再開発 樹木本数 当初計画の94本増から400本増の2,304本へ 都に報告(2024/9/9)
トイレドアにセンサー 異常時に迅速対応 大東建託 新たなセキュリティサービス
大東建託は9月11日、高齢者の独り暮らしや持病を持っている人、配偶者が単身赴任している家族の安心な暮らしを提供するため、新たな見守り機能を追加したホームセキュリティサービス「DK SELECTセキュリティプラス」を南首都圏・中京・京阪神エリアで10月から試行導入すると発表した。
2023年3月から導入している従来の「DK SELECTセキュリティプラス」には、外から守るホームセキュリティサービスと、中から見守るIoTインターホンという2つの機能があり、今回新たに追加される見守り機能は「ワイヤレスマグネットセンサーをトイレのドアに設置し、一定時間以上開閉がない場合に異常信号を警備会社に送信する仕組み。異常が発生した際は迅速な対応が可能となり、状況によって家族などに連絡する。サービスの利用を希望する入居者は追加費用なく無料でご利用できる。
2025年3月末までの試行期間中に得られたフィードバックと検討課題を確認し、2025年上半期中の全国運用と、導入率の低い地域の底上げを目指す。
「DK SELECTセキュリティ」サービス導入率は2024年3月末で50%となっている。