夏季、冬季とも睡眠や血圧に好結果 慶大と共同研究 野村不「床快full(ユカイフル)」

野村不動産は3月6日、同社が開発した住戸全体の床空調システム「床快full(ユカイフル)」が居住者の健康に及ぼす影響を慶應義塾大学と共同研究を行った結果、転居前後で睡眠や血圧に良い影響を与えることが分かったと発表した。共同研究は、慶應義塾大学伊香賀俊治教授(現名誉教授)、川久保俊准教授と行ったもの。
夏季の調査は、転居前調査(2022年7~8月)と転居後調査(2023年7~8 月)に実施。その結果、①転居後は転居前に比べ、測定期間中の平均気温が日中約3.6℃、夜間約1.5℃上昇したにもかかわらず、全館空調の効果で水回りを中心とした室温の低下が見られた。転居前後でのアンケート調査では「体のだるさ」「疲れ」「イライラ」といった指標において改善が見られた②就寝中の寝室環境において、平均室温は0.2℃と若干上昇するも、相対湿度は9.6%と大幅に低下、平均CO2濃度も低下が見られた。転居前後の質問において、「暑くて眠れない」「ジメジメして眠れない」と回答した割合が大幅に低下、また、睡眠効率においても2.4%の改善と有意な効果が見られた。
冬季の調査は、転居前調査(2022年12月~2023年1月)と転居後調査(2023年12月~2024年1月)に実施。その結果、③転居後は転居前に比べ外気温は1.5℃程度上昇。各室の室温は、転居前では居間を除く全ての室でWHO(世界保健機関)推奨最低室温の18℃を下回る時間が存在したが、転居後では18℃を下回る時間はなく、1日を通して室温が高く維持されている。「手足が冷える」と感じる人の割合が低下した④参加者のうち転居前に起床後収縮期血圧が、日本高血圧学会の定める正常高値血圧(115mmHg)以上と以下に分類して比較したところ、正常高値血圧では血圧が3.9mmHg低下するなど、血圧が高い人ほど有意に低下するという結果が見られた。
研究成果は、2024年3月の日本建築学会関東支部研究発表会、8月の日本建築学会大会で発表された。
AQ Group 新社長に取締役・加藤博昭氏 宮沢社長は代表取締役会長に

加藤氏
AQ Groupの代表取締役社長に取締役・加藤博昭氏が3月1日付で就任した。創業社長の宮沢俊哉氏は代表取締役会長に就任する。2025年5月28日開催予定の定時株主総会で正式決定される予定。
加藤氏は1986年、AQ Group(アキュラホーム)初の新卒社員として入社。営業職や工務店支援事業に従事。その後、支店長、本社部長、関連会社社長を経て2018年に執行役員、2023年に常務執行役員、2024年に取締役を歴任。
大成有楽不動産 新社長に取締役執行役員・植草健史氏

植草氏
大成有楽不動産は3月3日、新社長に取締役執行役員経営管理本部副本部長(経理担当)兼不動産事業統括本部副本部長・植草健史氏が4月1日付で就任すると発表した。代表取締役社長・浜中裕之氏は取締役に就任する。
植草氏は1964年11月21日生まれ。千葉県出身。1988年3月、早稲田大学卒、同年4月、大成建設入社。2012年4月、社長室コーポレート・コミュニケーション部IR室長、2017年4月、企画調査部長、2024年1月、大成有楽不動産取締役執行役員(現職)に就任。
3.11から14年 仙台市も2年連続人口減 増加は名取市のみ 太平洋岸39市町村人口
2011年3月11日の東日本大震災から明後日で14年が経過する。警察庁の発表によると、令和7年3月7日現在、死者は19,500人、行方不明者は2,520人で、昨年からの増加はなかった。復興庁によると、関連死は令和6年12月31日現在、3,808人で、前年より6人増加した。令和7年2月現在、避難者は27,615人で、前年から988人減少した。施設別では仮設住宅や賃貸住宅が10,515人(前年より97人減)、親族・知人宅などが16,995人(同888)人減)となっている。
令和7年度の復興庁の予算概算(東日本大震災復興特別会計)は4,864億円(れいわ6年度当初予算は4,707置く円)。「第2期復興・創生期間」の最終年度においても必要な取組を精力的に進めるとしている。
別表の通り、震災被害を受けた太平洋岸に位置する岩手、宮城、福島、茨城県の39市町村の令和7年2月1日現在の人口をまとめた。
前年同月比で人口が増加したのは宮城県名取市のみで、仙台市も0.2%減少(前年より0.1ポイント増)。39市町村全体では前年から0.9%(前年より0.1ポイント増)、約2.2万人減少した。
被災前人口との比較では、人口が増加しているのは仙台市(4.7%増)、名取市(7.9%増)、利府町(3.0%)のみ。女川町が40.5%、南三陸町が36.5%、大槌町が34.5%それぞれ減少している(原発被災地は除く)。
3.11から13年前年比で仙台市も人口減少増加は名取市のみ太平洋湾岸の39市町村(2024/3/10)
「死んだ家が蘇った」オーナー 空き家リノベラボ「太子堂の家」完成 Jam

「太子堂の家」

〝不動産・建築・リノベーションのプロフェッショナルチーム〟をうたうJam(Japan asset management株式会社)は3月8日、空き家活用プロジェクト「太子堂の家」竣工見学会&懇親会を開催。築68年の借地権付き64㎡の専用住宅オーナーと同社が8年間の定期賃貸借契約を結び、共同投資して約1,200万円の工事費をかけ、隣接地事業者に転貸する仕組み。転借人は「民泊」として活用する。プロジェクトには同社のほか、地元でコミュニティ施設を運営する空き家リノベラボパートナー・三茶ワークカンバニーなど多くの企業・団体がかかわっている。
プロジェクトは、オーナーが相続で建物を取得したが、再建築が不可であることから世田谷区の空き家相談を介してJamが紹介されスタート。現行法では第一種住居地域・近隣常行地域にまたがっており、建ぺい率60%・80%、容積率200%・300%のエリア。建物は耐震補強を行っているが、「大規模修繕」「大規模の模様替え」に該当せず、2025年4月以降の建基法改定による申請は不要だった。現在の土地所有者は、底地権者が物納したため財務省。
建物オーナー(61)は「三茶WORK 茶や」で行われた懇親会で、「もともとは祖母の家で、祖母、父母と私の4人で30年くらい住んでいた。私は30代のとき大田区に移り住んだ。以後は父が住んでいたが、死亡してから4~5年空き家になっていた。家も死んだと思っていたが、生き返った。心から嬉しい」と語った。
Jam代表取締役/仕掛人・内山博文氏は「この3年間、地域の方々とつながるプロジェクトに取り組んできた。今回の物件はその集大成。街づくりの形が見えてきた。わくわくしている」と話した。
空き家リノベラボ(通称「あきラボ」)は、不動産・建築・金融 の多角的な視点から、空き家・相続不動産の課題解決をあきラボパートナーと連携し、ワンストップでサポートするプラットフォーム。

耐震補強の柱と梁

階段

水槽(オーナーのお父さんは30センチもする金魚を飼っていたとか)

道路幅は約1.5m

内山氏
◇ ◆ ◇
Googleの地図検索を頼りに現地に向かったのだが、丁目と番地までしか表示がなく、号にたどり着くまでは番地を一周りしなければならなかった。細い路地に入ってすぐ既存不適格建築物であることが分かった。道路幅は2mどころか1.5mくらいしかなかった。同様の既存不適格建物はこのほか数軒あった。
頂いた資料のBeforeには接道なし、再建築不可/旧法借地権付き、用途/規模は専用住宅木造2階建て、築年数は昭和31年、建築面積/延床面積は40.94㎡/64.12㎡とあった。
昭和31年は記者が7歳のときだ。既存の玄関ドア、天井現し、13段の階段、柱、窓、壁、水槽、庭石、樹木などを見て、懐かしさがこみあげてきた。
と同時に、合法的に建てられたのかの疑問が湧いた。関係者によると、現状の敷地面積は83.9㎡だが、当時の敷地面積は不明で、着地権でもあることから建築当時はおおらかな形で申請がなされ、当時の建ぺい率60%(容積率は定めがなかった)には適合していたのではないかということだった。

和室(6畳)


現し天井
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懇親会では多くの方と歓談した。不動産は排他的・絶対的な支配権を有し、空き家はテーマが大きすぎ、権利関係も複雑なので記者は取材を避けてきた。この種の対症療法的な空き家リノベは根本的な問題の解決にはつながらないと考えているが、「古いものが残ってよかった。新しいものとの共存が大事」「地域の住民にとって(空き家のままより)安心できる」「転借人は地域とのコミュニケーションを大切にしている方」「路地が大好き」「私も相模原に空き家がある。何とかしたく、見学会に参加した」などと切実な声を聴いた。
メディアは信用されていないことも感じた。「取材です」と声を掛けると、眉をしかめる人もいた。「あなた、神宮外苑をどう思ってるの? 」と問われたので、「三井不動産は『経年優化』を目指している。いい街になると思いますよ」と答えたのがいけなかった。集中砲火を浴びた。(RBAタイムズのホームページで「神宮外苑」を検索していただきたい。野球記事もあるが全部で143件ヒットする。記者は嘘は書かない)
築60年、既存不適格、借地権…難問クリア空き家リノベラボ「house matsubara」(2024/8/7)
自立と低自立の二重円構造くっきり 高齢者の住まいと暮らし ケアリングデザイン調査

小野氏(左)と阿久津氏
一般社団法人ケアリングデザイン(代表理事:小野由記子氏)は3月7日、2024年「100年人生 自立をかなえる住まいと暮らし」をテーマにした調査報告発表会&トークセッションを開催。小野氏がショッキングな調査結果を報告したほか、国内外のエイジングテックの第一人者である千葉大学医学部附属病院特任准教授・阿久津靖子氏がデンマークなどの先進的な取り組みを紹介し、小野氏と阿久津氏のトークセッションも行われた。
調査は、75歳以上の高齢者1,000人を対象に、外出習慣や生活動作など身体的機能6項目と、意思決定などの人生マインド8項目の回答を点数化し自立度を設定。調査の結果、自立度の高い「自立シニア」は39.0%の390人、「中自立シニア」は38.9%の389人、自立度の低い「低自立シニア」は22.1%の221人となった。
自立して暮らすことが難しくなった場合、すまいをどうするかの問いに対しては、自立シニアも低自立シニアも自宅に住み続けたいと回答した人は約70%に達した。
自立シニアは外出機会が多く、周囲とのコミュニケーションが活発で、有職者も2割。食事の準備、掃除や洗濯、お金の管理を自分で行い、外出に積極的であることを明らかにした。一方、低自立シニアは健康上の課題を抱えている人が4割程度に達し、外出頻度は33.0%(自立シニアは68.7%)と低い数値にとどまっていることが分かった。
自立シニアの考えや行動については、①自分の意見や行動に責任を持っている②人から指図されず自分で判断して行動する③自分の考えに自信を持っている④趣味や楽しみ、好きでやっていることがある⑤状況や他人の意見に流されないほう⑥何か夢中になれることがある⑦これからの人生に目的を持っている⑧何か人のためになることをしたい-と答えた人は8~9割に上った。他方で、非自立シニアは①②⑤以外は5割を割っている。⑦は19.0%、⑧は26.2%の結果になった。
自立シニアの住まいに関する考えでは、50%以上の人がポジティブな考えを持っている反面、低自立シニアは20%未満の回答となった。
住まいで大切だと思う点のトップ10を自立シニアと低自立シニアとで比較したところ、日当たり、風通しや湿度、くつろげる場所、機密性・断熱性、浴室・洗面所の室温。生活上十分な広さ、収納、安全な階段などすべての項目で自立シニアはほぼ6割の人が高い関心を示した一方で、低自立シニアは2~3割台にとどまり、ドーナツ状の二重円を描いた。
ありたい暮らしの実現度では、自立シニアは様々な項目で高い実現度に達している一方で、低自立シニアは低い数値にとどまり、「自宅に人を招く」は31.0%(自立シニアは75.1%)と大きな隔たりがみられる。
住まいの満足度と自立度は比例しており、幸福度については自立シニアは「高い」が28.7%(低自立は5.4%)、「ふつう」が56.4%(同43.9%)、「低い」が14.9%(同50.7%)と大きな差が出ている。
調査結果について小野氏は「心身共に健康な自立シニアは思い通りに生き生きと暮らしを楽しんでいることが分かった。100年人生を自立して幸福に過ごすために、暮らしを下支えする住まいのあり方について今後も調査していきたい」と語った。
調査は、公益財団法人日本財団の2024年度助成プログラムを受けて実施したもの。
小野氏に続いて登壇した阿久津氏は、国内外の高齢者政策を紹介し、わが国はデンマークなどの先進国と比べかなり遅れていると指摘。今後必要なのは、高齢者が自立して暮らす、テクノロジーと一緒に暮らすことが必要と強調した。エイジング・イン・プレイス(Aging in Place)があるかどうか、テクノロジーを活用するかどうかで経済格差、健康格差が広がると語った。具体的には、高齢者の「孤独」「移乗・移動」をサポートするかが重要であると指摘した。
一方で、高齢者の金融資産は増加し、スマートシティ、スマートホームが普及し、住宅メーカーの取り組みも加速し、最近の人は抵抗なくスマホ・アプリ、AIなどを自由に扱えるようになったプラス面での現状にも触れ、マンションの管理会社が日常的にサービスを提供する絶好のチャンスであり、今後は図書館やスーパー、薬局などで相談ができる仕組みを構築したいと語った。
阿久津氏は今後3年間、千葉大大学院で研究し、具体的な取り組みなどを提案するのだそうだ。

会場(KARIMOKU RESEARCH CENTER)
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もうすぐ76歳になる記者は、調査結果が自立シニアと低自立シニアのドーナツ状の二重円構造を明らかにしたことにショックを受けた。住宅価格が上昇し、あらゆる面で分譲より劣る賃貸住宅の賃料も安くない現実を改めて突きつけられた。6割以上の高齢者が自立できない何らかの問題を抱えているということだ。〝お前は自立できているか〟と問われれば自信はない。
社会全体が高齢者の居住環境の改善に取り組まないといけないことを痛感させられたセミナーだった。
小野由記子氏もハイブリッドキッチン提案 西武池袋本店「くらしのデザイン展2022」(2022/3/21)
わが国初の女性活躍推進に特化した支援ファンド設立 東京都、三菱地所など

東京都、三菱UFJ銀行、三菱地所、塩野義製薬、MPower Partnersは3月7日、女性活躍推進に特化した国内初のスタートアップ支援ファンド「WPower Fund I投資事業有限責任組合(WPowerファンド)」を設立したと発表した。同ファンドを通じ、日本から世界へ羽ばたき活躍する女性起業家を育成し、女性活躍を推進するスタートアップを支援する。ファンド規模は最大80億円。
同ファンドは、わが国のスタートアップ投資はこの10年で10倍になったものの、女性起業家への投資額は全体のわずか2%にとどまっている一方で、女性創業者の数は年々増加し、新規起業の34%は女性によるものに着目。多くの優れた女性創業のスタートアップおよび女性関連ビジネスが資金調達に困難を抱えていることにより、イノベーションが阻害され、経済の活力が失われているとし、同ファンドを通して女性起業家および女性活躍推進に資する事業を支援する。
ファンド名はWPower Fund I 投資事業有限責任組合。投資対象はアーリーステージの女性創業スタートアップ、女性活躍の推進等に資するサービス・商品を展開するスタートアップ。投資家は無限責任組合:WPower Fund GP有限責任事業組合、有限責任組合員は東京都、株式会社三菱UFJ銀行、三菱地所株式会社、塩野義製薬など。ファンド規模は最大80億円。
三菱UFJ銀行は、「女性活躍推進は世界を大きく変貌させる可能性を秘める重要な取組として捉えており、この度組成する本ファンドが担う社会的な意義・責任は極めて大きいものと感じております。三菱UFJ銀行はアンカー投資家として、本ファンドを通じて日本を、世界を前に進めるチカラとして全力で支援してまいります」とコメントしている。問い合わせは広報部TEL:03-5218-1814。
三菱地所は、「多様性豊かなまちづくり、多様な価値観・人材が生み出すイノベーションこそが、当社が社会に対して提供すべき価値と捉えており、国内の総合デベロッパーとしては初めて、女性のエンパワーメント原則(WEPs)に参画するなど、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの取り組みを推進しています」とコメント。問い合わせは広報部TEL:03-5218-1814。
塩野義製薬は「本パートナーシップを通じて、社会課題解決に貢献するとともに、年齢や性別、人種、異文化等を超越したダイバーシティを有するSHIONOGIとして、今後一層、その融合を図り、継続的なイノベーション創出につなげ、持続性ある経営を推進し社会に対する責任を果たしていきたいと考えています」とコメント。問い合わせは塩野義製薬 https://www.shionogi.com/jp/ja/quest.html#3
ポラス 6か所目の単独展示場「体感すまいパーク吉川美南」/記者一押しは「Leche」

「体感すまいパーク吉川美南」
ポラスグループの注文住宅を手掛けるポラテックとグローバルホームは3月6日、ポラスグループ6か所目の単独展示場「体感すまいパーク吉川美南」のメディア向け見学会を行った。展示場は3月1日(土)にオープンしたもので、土・日曜の2日間で200組以上の来場者があった。2022年1月に開設した、同社本拠地の「越谷」は2日間で140組だったことから、ポラテック取締役・橋本裕一氏は確かな手ごたえを感じているようだった。
同展示場は、JR武蔵野線吉川美南駅から徒歩13分、吉川市による施行面積約59.1haの吉川美南駅東口周辺地区土地区画整理事業地内に位置する敷地面積約6,000㎡(1,800坪)。モデルハウス4棟と技術展示スペースを設けたオフィス棟、ポラス暮し科学研究所の研究棟と実験棟を併設。吉川美南駅東口開発はこれから本格化することから、同社は地域の新たな顧客開拓を目指す。
橋本氏は「これだけのエリア(ポラス商圏)に人材(ポラス従業員約4,500人)を投入している会社はほかにない。『吉川美南』は営業拠点だけでなく、支店の一部、非住宅部門も移転し、ポラス暮し科学研究所の研究棟と実験棟も入る。これらは、広い土地を購入できたからこそ実現した。展示スペースは木造建築の学びの場とし、さらに地域交流拠点として新たな顧客を掘り起こしていく。この1年間で120棟の受注を目指す」と語った。
オープンしたモデルハウスは、「PO HAUS ARZILL」「PO HAUS 和美庵」「北辰工務店 心」「HaS casa Leche」の4棟。延床面積はすべて20坪後半から30坪台のリアルサイズが特徴で、宿泊体験も可能。
「PO HAUS ARZILL」は延床面積115.22㎡(34.85坪)、ホワイトスペース、フォイヤーなど多目的に利用できるスペースを随所に設け、プライバシーとオープンな空間の相反する要素の両立を目指す。価格は100万円/坪~。
「PO HAUS 和美庵」は延床面積99.78㎡(30.18坪)。ダイニング天井、天井ルーバー、造作風呂、吹き抜け空間、ヌックなどに本物の木を多用している。価格は100万円/坪~。
「北辰工務店 心」は延床面積96.54㎡(29.20坪)。共働き世帯を想定し、「最新住宅設備×IoT 技術」が助ける家事ラク住宅がテーマ。価格は80万円/坪~。
「HaS casa Leche」は延床面積86.86㎡(26.22坪)。外観はライトブラウン(茶色)一色。ツーバイシックス工法と超高断熱仕様で曲線美と機能美をアピールしている。価格は90万円/坪~。

橋本氏

技術展示コーナー

「PO HAUS ARZILL」

「PO HAUS 和美庵」
「北辰工務店 心」

「HaS casa Leche」
◇ ◆ ◇
これまでもそうしたように、4つのモデルハウスについて、独断と偏見に満ちた記者の格付けを行うことを決めた。設計担当者による「PO HAUS ARZILL」、「PO HAUS 和美庵」、「北辰工務店 心」のプレゼンが終わった時点で甲乙は付けられず、互角だと判断した。そして最後、およそ家らしくない、奇怪な形と目立つようで目立たない土気色をした「HaS casa Leche」が紹介された。担当者いきなりシュールレアリズムの奇才サルバドール・ダリを口にした。ややあってサグラダ・ファミリアで知られるアントニ・ガウディとモダニズム建築の巨匠ル・コルビュジエの名前が飛び出した。
担当者の方は最初から最後まで数分間、唯我独尊、わが道を行く。聴衆(同社関係者を含め50~60名か)を無視し、タブレットに神経を集中していた。
3人の巨匠の名前に圧倒され、事大主義に侵されている記者はこの時点で、モデルハウスを見ていない段階でナンバーワンは「HaS casa Leche」にしようと決めた。早速、名刺交換した。グローバルホームHaS casaDv設計課注文設計1係主任・浅井直林氏だ。浅井氏は「外観は大地の色、ライトブラウン。アール? 人と地球にやさしい」と語り、好きな建築家としてアルヴァ・アアルトと安藤忠雄を挙げた。
この外観に惚れ込む人はどれだけいるか、やたらと多いR形状(記者の自分自身の軟弱な性格を見るようでR形状は好きではない)に眉をしかめたのだが、決め手となったのは、リビングとキッチンをつなぐ白い壁にポツンと宙に浮いているような黒い帽子だった。ダリの再来かと。コーカサスの織物キリムのクッションと、階段の鉄のフレームをそのまま伸ばしLDKのテーブルにも物書きデスクにもなる提案もいいと思った。
モデルハウス4棟を見終えた時点でも「Leche」の首位は揺るがなかった。次点は「PO HAUS 和美庵」だ。ナグリ仕上げの床、浴室壁のヒノキ(浴槽をヒノキにすると掃除が大変)、額縁絵のような窓枠・窓台も本物の木でできていた。「Leche」とはタッチの差だ。
3位は「PO HAUS ARZILL」、4位は「北辰工務店 心」とした。「ARZILL」の幅6.3mの棒状キッチンとダイニングは人を呼ぶのにとてもいい。ただ、フォイヤーとLDKの使い方がいま一つよくわからなかった。「北辰工務店」は坪単価がもっとも安く、収納が多いので、むしろ検討者の一番人気になるかもしれない。実利的だ。最下位にして申し訳ないが、モデルハウス1棟につき見学時間が10分に制限されていたことと、意図を読む「心」が記者にはないためか、いま一つ「心」が伝わってこなかった。

浅井氏

ぽっかり浮かぶ黒い帽子(左)とキリムを配したリビング床

なぐ率上げの床(左)と額縁絵のような窓
5か所目の単独展示場「体感すまいパーク朝霞」オープンボラスグループ(2023/9/2)
延床876㎡の木造事務所工期5か月、建築費坪110万円ポラス「体感すまいパーク柏」(2023/4/29)
メタセコイア11本 見事な植栽計画 大和地所レジ「ウェレーナグラン北赤羽」見学会

「ヴェレーナグラン北赤羽マスタープレイス&マナープレイス」(手前は「マナープレイス」の駐車場)
大和地所レジデンスは3月6日、販売開始からわずか1年で全318戸を完売するなど圧倒的な人気を呼んだ「ヴェレーナグラン北赤羽マスタープレイス&マナープレイス」のメディア向け竣工見学会を行った。高さ規制がない用途規制を逆手に取った床下収納・ロフト付きプラン(32戸)や黒御影石を多用したプレミアム住戸もさることながら、記者はメタセコイアを11本も植えたランドスケープデザインに惚れ込んだ。
物件は、JR埼京線北赤羽駅から徒歩5分、北区浮間一丁目の工業地域に位置する敷地面積約1,500㎡の全318戸(19階建て「マスタープレイス」253戸、15階建て「マナープレイス」65戸)。専有面積は44.39~106.53㎡(平均70㎡超)、価格は4,400万円台~1億3,000万円台、坪単価は330万円。全体竣工は2025年2月上旬。設計・監理はスタイレックス。施工は長谷工コーポレーション。
2022年9月にエントリーを開始し資料請求は5,100件。契約開始は2023年3月で、2024年3月に契約完了。契約者の3割弱が地元で、他は都内と埼玉など広域にわたっている。モデルルーム来場者は1,740件。

ロフト付きプラン

メゾネットプラン

ラウンジ中央のオリーブ
◇ ◆ ◇
商品企画が素晴らしかった「ヴェレーナグラン赤羽北フロント」(89戸)、「ヴェレーナグラン赤羽北ザ・マークス」(96戸)の記事と一緒に読んでいただきたい。
今回の見学会では、豊富な緑を配した植栽計画、共用施設、1億円超の最上階の100㎡前後のプレミアム住戸、高さ規制がない工場地域の規制を逆手に取った床下収納・ロフト付きプラン(32戸)などが紹介された。最近めっきり見かけなくなった黒御影石のキッチン天板を久々に見たし、サウナ付きプランにも驚いた。
ポイントは、今回の物件に限ったことではないが、同社が設計を担当していることだ。設計施工一括発注方式(DB方式)か設計施工分離か-古くから論議されてきた問題なので深入りはしないが、ゼネコンに〝丸投げ〟していたら、同社物件の特徴でもあるメーターモジュール廊下幅、御影石キッチン天板、ミストサウナ、二重床・二重天井などはまず標準装備にならない。同社がしっかり設計を担当し掌握しているからこそユーザーの支持を得ており、〝工場街〟のイメージが強い北赤羽駅圏で3物件合わせ503戸をわずか3年少しで完売する離れ業を演じることができたのだと思う。

荒川の借景
◇ ◆ ◇
今回の見学会でもっとも驚いたのは植栽計画だった。現地に着いたときは外構の整備中で、円錐形をした落葉樹の巨木が目に飛び込んできた。責任者らしき人に声を掛けたらメタセコイアだった。1、2本なら納得できるのだが、〝並木〟と呼ばれるエントランス周りには11本のメタセコイアが植えられていた。樹齢は30年くらいだそうで、樹高は10mくらいあったのではないか。
メタセコイアは街路樹として植えられるケースが多い。春先には青々と茂り、秋には赤く染まり、冬には落葉する。見事な樹形を描く。阿佐ヶ谷駅前の落葉した姿を見ていただきたい。ビュッフェの絵画のように美しい。
マンション敷地にこれほどのメタセコイアが植えられている事例を記者は知らない。事業所ではサカタのタネ本社には20本くらいが植わっていたのを見たことがある。
このほか、敷地内には河津桜、ケヤキ、常緑樹のカシ類などがたくさん植えられていた。同社は緑被率を公表していないが、これほど見事な植栽を施したマンションはそうないはずだ。(積水ハウスは負けないか)
もう一つ、すごい演出があった。1階のラウンジ中央のガラス張りの中に枝ぶりが見事なオリーブが植えられていた。ホテルや高額マンション、オフィス空間に本物の樹木が植えられているのは珍しくないが、このような演出は初めて見た。
関係者に話を聞いたら、「マスコミ嫌いの建築部長が渾身の力を込めた」植栽だそうだ。
〝マスコミ嫌い〟とは耳が痛いが、その理由は何となく分かる。事実を伝えず、嘘ばっかり書くからだ。樹木は嘘をつかない。部長さん、小生はフェイクの観葉植物の批判記事をたくさん書いてきたように、フェイク記事は書かないことにしている。お金がないので御社持ちで一献いかがか。意見の一致をみるはずだ。部長さんは同社だけでなく、業界の宝だと思う。

エントランス部分(はっきり写っていないがメタセコイアの姿が何本か見える)

満開の河津桜

水盤を備えたエントランス(周囲は本物の石)
2024年3月期引き渡し696戸全て完売来期進捗も80%大和地所レジデンス(2024/3/29)
天井高3m超、20畳大の床下収納など大和地所レジ「赤羽北フロント」竣工見学会(2022/3/24)
大和地所レジ早期完売「フロント」隣接の「赤羽北ザ・マークス」坪300万円超えるか(2021/8/4)
天晴れ!大和地所レジ仕入れの妙商品企画にも生かす「赤羽北フロント」(2020/9/9)
隣接のサカタのタネのメタセコイア圧巻大京のZEH-M (2020/2/21)
価格10億円超 分譲戸建ての歴史を変えた 諸戸の家「代々木上原」 完売

「代々木上原の邸宅」
分譲価格が10億円を超えることからメディアで話題になった「諸戸の家」の分譲戸建て「代々木上原の邸宅」を見学した。代々木上原駅圏の第一種低層住居専用地域の邸宅街に位置する1邸で、竣工後ほぼ1か月で完売。5人のプロフェッショナルによる「技」が注ぎ込まれている、これまでの分譲戸建てになかったもので、新しい歴史を刻んだ記念碑的な物件だ。同社は今後、この種の分譲戸建てを年間10棟くらい供給する意向だ、
物件は、小田急線・東京メトロ千代田線代々木上原駅から徒歩8分、第一種低層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率150%、条例により最低敷地面積180㎡)に位置する南東、南西側に接道する敷地面積242.12㎡(73.21坪)、延床面積303.96㎡(91.95㎡)、価格は10億円超。構造は2階建て木造・パネル工法。2025年1月完成。
「諸戸の家」は、〝日本の山林王〟と称された三重県・桑名の諸戸家の事業を継承し、昭和50年6月創業(本社:桑名市)。これまで分譲住宅、自社設計・自社施工など5,000棟超の引き渡し実績がある。目指すのは〝「世代を超え、世代に継承される価値を生む〟スーパーラグジュアリー。
現地の所在地は紹介しないという約束なので書かないが、間違いなく代々木上原駅圏の一等地だ。これまで取材したマンションをいくつか紹介する。読んでいただければ、代々木上原駅圏の相場が分かっていただけるはずだ。
今はどうか。マンションの坪単価1,000万円をはるかに超えている。なので、土地が73坪で、建物が30坪近い戸建てが10億円を超えても全然驚かない。価格には驚かなかったが、プロフェッショナル人の〝競演〟には驚愕した。
一つひとつ紹介しないが、これまで50社を超えるメディアがあまり触れていないことを中心に紹介する。圧巻は2階の37帖大のLDKだ。天井高は3.6m、天井は本物の木ルーバー・突板仕上げ、壁はブラックウォルナットと障子。家具・調度品はイタリアのミノッティ。食洗機は幅60センチのGAGGENAU(ガゲナウ)製、冷蔵庫はスウェーデン・アスコ。ダイニングテーブル、チェア、ソファ、ローテーブル、シャンデリアなどは総額で2,000万円とか。
リビングドアがまたすごい。塗師・牧野昴太氏による世界にここしかない「ひび塗り」だそうで、本物の木に漆を9回塗り重ね、仕上げまで3か月、50工程を掛けたという。これまでたくさん高額リビングドアを見学してきたが、この「ひび塗り」は桁違いだった。
全フロアに用いられていたクロスがまたすごい。見る角度によって微妙に表情が変わり、微細な文様が現れたので、布クロスかと思ったが、吉川氏は「ビニールクロス」とこともなげに語った。これまで布クロスやレザ―仕上げはたくさん見てきたが、ビニールクロスでここまで表現しているものは見たことがない。
2階のトイレには絶句した。前日見学取材した旭化成ホームズ「FREX asgard(フレックス アスガルド)」の便器はグレーだったのに驚いたのだが、今回は「黒」だった。便器だけではない。手洗いカウンターの淵はデザイン処理された本物の木だった。
牧野氏の「技」だけではない。商品企画を担当した同社常務取締役・吉川政弘氏が物件パンフレットに商品化に至った経緯を次のように明らかにしている。「二の足を踏むほどの(土地)金額に、やはりリスクが大きすぎる…私は緊張していました…様々な可能性に賭けようと考えました…諸戸の家をよく知る世界的ランドスケープデザイナーの石原氏と…(5人の)奇才に恵まれ、プロジェクトをスタートさせることができました」と。
その5人の「技」を紹介する。「英国チェルシーフラワーショー」で12個のゴールドメダルを獲得するなど世界的なランドスケープデザイナーとして知られる石原和幸氏は1階の「緑の扉」やルーフバルコニー、バルコニー、リビングの植栽を担当している。
京表具伝統工芸士・田中喜茂氏(弘誠堂三代目)による引箔技法によるアートは迫力があった。
表現士・職人の肩書を持つ吉河清人氏による1階エントランスのアートは、天然石ソーダライトやラリマーを薄く何層も塗り重ね、スポンジやヘラを使用し、ここにしかない「青の存在」を表現したという。
エントランス正面には迫力のあるアーティスト・大森レイ氏の作品が飾られていた。シュールな抽象画であり古来の屏風絵のようでもあり、不思議な魅力をたたえていた。

石原和幸氏によるルーフバルコニー

大森レイ氏によるアート

牧野昴太氏による「ひび塗り」

吉河清人氏によるアート

田中喜茂氏(弘誠堂三代目)
◇ ◆ ◇
価格について。記者は価格が10億円超でも驚かないと書いた。単純比較は難しいだろうが、バブル期のマンションの最高価格はドムス「南麻布」の44億円(坪単価は3,000万円超)で、最近では三井不動産「六本木・檜町公園」の55億円(同)のはずだ。
分譲戸建てはどうか。バブル期の最高価格はいくらだったか記者は全く記憶がないが、最近では、「成城学園」アドレスのコスモスイニシアと野村不動産のそれぞれ2.7億円が最高ではないか(5億円くらいの物件が供給されたとも聞くが)。10億円は単なる通過点にしか過ぎない。同社にも同業他社にも高額戸建てに挑戦していただきたい。敷地は100坪は欲しい。

エントランス

2階リビング

主寝室
◇ ◆ ◇
今から60~70年くらい前だ。なぜ〝日本一の山林王〟と呼ばれたか理由は知らなかったが、三重・伊勢出身の記者は小学生のころ諸戸家を知った。毎年、伊勢新聞から発表される長者番付でいつも諸戸家はトップにランクされていたからだ。全国ランキングでも30位くらいに入っていたはずだ。
Wikipediaによると、「諸戸宗家・本家の両家を合わせると、諸戸一族が所有する山林は巻間一万町歩といわれ、その財力や資産は数えることができないくらいの山持ちである」「初代清六(1846年~1906年)が米相場から、土地に手を出したのは1883年頃からであるが…わずか5年ほどで清六が買い集めた田地は5千町歩にものぼった。清六の土地買いは、田地田畑だけではなく、その後、東京の恵比寿から渋谷、駒場に至る住宅地30万坪を買いまくり、ひと頃は渋谷から世田谷まで、他人の地所を踏まずに行けたといわれる」とある。
その後、「初代諸戸清六には4人の子がいたが長男と三男は夭逝し、次男の諸戸精太と四男の清吾が残った。諸戸家の家督を継いだのは四男の清吾であり、二代目諸戸精六と名乗り『東諸戸家』に、次男の精太は分家して『西諸戸家』となった。…初代諸戸清六は『山林は一坪たりとも減らすな』『木を伐るな』との遺訓を残したが、東諸戸家では2007年に所有していた山林をトヨタ自動車に売却して今は山林事業から撤退」(三重県の諸戸家FC2Home)しているようだ。
ジョサイア・コンドルが設計した大正2年完成の二代目清六の邸宅・六華苑は国の重要文化財に指定され、一般に公開されている。
一方の西諸戸家の事業を継承する諸戸ホールディングスの保有林は約2.800haのはずだ。

クロスの文様

同じ文様なのに見る角度により表情は全然異なる

2階トイレ
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