京王線初か1低層の大規模 環境性能表示 満点の★15個 旭化成不レジ他「千歳烏山」
「アトラスシティ千歳烏山グランスイート」
旭化成不動産レジデンスと丸紅都市開発が分譲中の「アトラスシティ千歳烏山グランスイート」を見学した。築52年の第一種低層住居専用地域に位置する旧耐震の「給田北住宅」の建て替え事業で、新耐震基準に適合させ、空地を確保したことから容積の緩和を受けている。東京都「マンション環境性能表示」制度で5項目満点の★15個を獲得している希少性の高いマンションでもある。
物件は、京王線千歳烏山駅から徒歩9分・仙川駅から徒歩14分、世田谷区給田三丁目の第一種低層住居専用地域・第一種住居地域(建ぺい率49.59%、容積率138.61%)に位置する敷地面積約12,032㎡、4階建て全248戸(非分譲104戸含む)。専有面積は43.88~86.35㎡。現在先着順で販売中の「杜ノ棟」の住戸(4戸)の専有面積は69.02~72.20㎡、価格は8,998万~9,498万円。坪単価は450万円。竣工予定は2025年7月下旬。設計・監理はNEXT ARCHITECT & ASSOCIATES。施工は大末建設。
現地は、1971年竣工の7階建て東京都住宅供給公社「給田北住宅」(171戸)の跡地。2012年に耐震診断を実施した結果、耐震性不足が明らかとなり、建て替えの検討が始まり、2018年4月、旭化成不動産レジデンスと丸紅(現丸紅都市開発)が事業協力者として選定され、2021年5月、一括建替え決議が成立、2023年7月、本体工事が着手された。
建て替えに当たり、新耐震基準に適合させ、空地を確保したことから容積率が100%から137%へ緩和された。この結果、階数は7階建てから4階建てになったが、戸数は増加し、延床面積もほぼ倍増した(マンション円滑法第105条による容積率の緩和=※)。
建て替え後の建物は、京王線線路側の南向き中心の「風ノ棟」121戸(非分譲48戸含む)と、その北側の中庭付きの「杜ノ棟」127戸(同56戸含む)の2棟構成。「風ノ棟」の70㎡中心の1階住戸(17戸(非分譲除く)は専用庭付き&ミストサウナ付き。「杜ノ棟」は中央に配した955㎡の中庭を囲むように配棟。道路、敷地形状に合わせて雁行設計となっているのも特徴の一つ。
主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2450ミリ、食洗機、二重サッシ(風ノ棟の南側窓)、フィオレストーンキッチン・洗面天板、浴室タオル掛け、ソフトクローズ機能付き引き戸など。
旭化成不動産レジデンス開発営業本部販売部首都圏営業課課長・富永高弘氏は「世田谷区・調布市などの近隣にお住いの方が約7割、その他は沿線居住や京王線に縁のある方も多いが、外観デザインに惹かれて全く地縁の無い方にも多数来場いただいている。第1期として2月に『杜ノ棟』51戸を供給し47戸が成約済み。6月から『風ノ棟』の販売を開始します」と語った。
※マンション建替え円滑化法第105条では、耐震性不足による要除却マンションの認定を受けたマンションの建替えにあたり、一定の敷地面積を有し、市街地の環境の整備改善に資するものについて、特定行政庁の許可により容積率制限を緩和できることになっている。
中庭
モデルルーム
◇ ◆ ◇
坪単価は450万円くらいではないかと予想していたが、どんぴしゃりだった。京王線は、小田急線などと比較して割負けしており、新宿から15分の調布ですら坪500万円に届かない(今秋分譲の小田急不動産の調布の物件は坪500万円を突破するはず)。
現地も確認した。電車の音は二重サッシで遮断できるはずだ。周辺はほとんど戸建て住宅。いいと思ったのはランドスケープデザインだ。設計が『アトラス調布』と同じと聞いて納得した。
もう一つ、東京都「マンション環境性能表示」制度で公表されている980件のうち「建物の断熱性」「設備の省エネ性」「太陽光発電・太陽熱」「建物の長寿命化」「みどり」の5項目すべて★3つの満点★15個を獲得しているのに注目している。
これまで満点の★15個を獲得しているマンションは、この物件のほか「三田ガーデンヒルズ」「Brillia 聖蹟桜ヶ丘」「HARUMI FLAG」「ヴェレーナグラン二子玉川」「ベイズ タワー&ガーデン」など14物件しかない。
また、「みどり」で満点を獲得する物件は、「太陽光発電・太陽熱」の66件に次ぐ160件だ。他はどうかといえば「断熱性」は450件、「省エネ性」は779件、「長寿命化」は539件だ。「ZEH」も大事だが、自然エネルギーを積極的に取り込むパッシブデザインの視点が欠かせないと思う。
模型(東側から)
◇ ◆ ◇
京王沿線居住歴約50年の記者と、生まれも育ちも京王線という富永氏(年齢は30代か)とこれまでの京王線沿線の優れたマンションについてしばし話し合った。京王井の頭線の「浜田山パークシティ」は別格として、記者が最右翼だと評価しているのは「桜上水ガーデンズ」で、このほかでは同社の「アトラス調布」「アトラス国領」や「グローリア芦花公園」などを上位に挙げる。
今回の「千歳烏山」は完成していないので何とも言えないが、京王沿線の第一種低層住居専用地域での大規模マンションは、URのタウンハウスは別として記憶にない。今回が初めてではないか。全体として「桜上水」に次ぐかどうかは完成を待って評価したい。同社のランドスケープが優れていたのは、屋上に森を作った同潤会の建て替え「アトラス江戸川アパートメント」(旧同潤会江戸川アパートメント)だ。
現地
「HARUMI FLAG」で美しい花を咲かせたい光井純氏建築美を語る(2023/1/30)
「類まれな」レベルの高さ野村不・三井レジ「桜上水ガーデンズ」完成(2015/8/28)
「道」を景観に取り込んだプラン秀逸 旭化成不動産レジ「アトラス調布」完成(2015/5/20)
大成有楽不動産「オーベル蘆花公園」竣工 想像以上の出来栄え(2013/7/24)
分棟配置と雁行設計が優れた セコムホームライフ「グローリオ蘆花公園」(2008/10/15)
建て替えマンション「アトラス国領」人気必至(2007/2/13)
植栽が見事「東京テラス」「玉川上水グランドメゾン」(2006/5/31)
間取り自由自在の「ツクリエ」にマンション初の軟水器採用 伊藤忠都市「横浜沢渡」
「クレヴィア横浜沢渡」
伊藤忠都市開発が6月半ばに分譲する「クレヴィア横浜沢渡」のモデルルームを見学した。横浜駅からはややあるが、高台立地の南東向き、扁平梁や居室の広さや部屋数、収納の形状などを自由に選べる「TSUKURIE(ツクリエ)」を導入し、差別化を図っているのが特徴。最上階には、分譲マンションには初めての家庭用軟水器が採用される。
物件は、横浜駅西口から徒歩16分、横浜市営地下鉄ブルーライン三ッ沢下町駅から徒歩10分、横浜市神奈川区沢渡の第一種中高層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率150%)に位置する敷地面積約1,681㎡、6階建て全36戸。専有面積は58.21~86.77㎡、6月中旬販売開始予定の第1期(10戸程度)の予定価格は6,300万円台~11,000万円台(最多価格帯7,600万円台)。竣工予定は2025年8月下旬。設計・監理は古沢建築工房。施工は松尾工務店。販売代理は伊藤忠ハウジング。
現地は日本郵政社宅跡地。三ツ沢公園や軽井沢公園など大小の公園、県立横浜翠嵐高校、神奈川学園中学・高校が徒歩圏。敷地は幅員6.6mの南側道路から約3.1m高い位置にあり、建物はシンメトリックな外観で全戸南東向き。
主な基本性能・設備仕様は、扁平梁、ハイサッシ(2200ミリ)、リビング天井高2450ミリ、食洗機、フィオレストーンキッチン天板、タンクレストイレ、「TSUKURIE(ツクリエ)」など。浴室・洗面はタカラスタンダード製で、全23種類から3種類を無償で選べるマグネット小物付き。
モデルルーム
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記者はこれまで40余年、デベロッパーの数は100社以上、数千物件のマンションを見学取材してきた。このうち、期待以上の結果を得られたデベロッパー・物件は1割あるかどうか。数少ない期待以上の成果が得られた1割のデベロッパー・物件の中に同社は間違いなく入る。今も昔も同社ほど商品企画に熱心に取り組んでいる会社はそうない。伊藤忠アーバンコミュニティのマンション管理に関する記事も添付するので、読んでいただきたい。
今回の「TSUKURIE(ツクリエ)」は、収納をウォークインクローゼットにしたり、玄関脇をギャラリーにしたり、洋室を和室にしたりするなど、住戸内を複数のユニットに区分し、そのユニットごとに用意されたパーツを選ぶことで、居住空間を自在に組み合わせることができるもの。今回の物件では最大で776通りが可能という。2013年分譲の「クレヴィア豊田多摩平の森RESIDENCE」で初めて採用されたものだ。
坪単価は書かないという約束なので書かないが、物件概要からおおよその単価はわかる。リーズナブルな価格だと思う。
「TSUKURIE(ツクリエ)」の効果はさておく。それより三浦工業が開発・製造している家庭用軟水器「軟太郎ソフティナⓇ」に驚いた。水道水の硬度成分を限りなくゼロにするもので、入浴後のお肌カサカサ、水仕事後の手荒れ、浴槽・洗面室の汚れ、ヤカンやポットの汚れなどの悩みを解消する機器だそうだ。それを最上階住戸に採用するという。コストは安くないという。
記者も体験した。水道水で手を洗うとツルツルするのだが、「軟太郎ソフティナⓇ」だとヌルヌルする。石鹸が落ちていないのかとも思ったが、ヌルヌル=しっとり=すべすべなら合点がいく。女性はそのために時間とお金をかけて、入浴後や洗顔後に化粧水やらを塗りたくっているのだろう。
これまで「タカラの水」「良水工房」を取材してきており、その良さを理解しているが、これらと「軟太郎ソフティナⓇ」を組み合わせるとどうなるのか、飲料として、あるいは調理の水につかったらどうなるのか知りたい。相乗効果を発揮するのか、それとも相殺しあうのか。辛口の酒は硬水、甘口は軟水が多いはずで、秋田の酒は甘口(軟水)が多い。「秋田美人」と飲料水は関係があるのか。冷奴を「volvic(ボルヴィック)」でさらすと格別の味になるそうだ(「evian」はどうか知らない)。
浴室のマグネット
石鹸水を入れて振った後の軟水(左)と水道水の様子(軟水は泡立ち、水道水は泡はすぐ消えた)
星の数より件数 2年後の適正管理評価1万件目指す マンション管理協 総会・懇親会(2023/6/13)
退行する商品企画に一石 天井高2700ミリ&ワイドスパン 伊藤忠都市「新御徒町」 (2022/6/18)
天井高3.8m ロフト付き「七夕カップルの愛のある家庭内週末婚」公開 伊藤忠都市(2021/4/28)
相鉄グループ初の木造賃貸 三井ホーム最大級の「モクシオン」「ゆめが丘」に完成
「KNOCKS(ノックス)ゆめが丘」
相鉄不動産と三井ホームは5月22日、相鉄いずみ野線ゆめが丘駅前に完成した相鉄グループ初の木造賃貸マンション「KNOCKS(ノックス)ゆめが丘」のメディア向け内覧会を行った。設計・施工を担当した三井ホームは初の複合用途「MOCXION(モクシオン)」で、規模は過去最大。
物件は、相鉄いずみ野線ゆめが丘駅から徒歩2分、横浜市泉区(泉ゆめが丘土地区画整理事業地区内)の第1種住居地域(建ぺい率70%、容積率200%)に位置する敷地面積約1,054㎡、木造枠組壁工法(1階はRC造)による5階建て延床面積約4,291㎡。74戸(1階はクリニックモールが入居し、2~6階が賃貸。賃貸の専用面積は24.18㎡(1K)~62.85㎡(3LDK)、賃料は73,000円(坪約1万円)~165,000円(同約8,700円)。設計・施工は三井ホーム。入居開始は2024年6月22日(土)。
建築物は、国土交通省の令和4年度「優良木造建築物等整備推進事業」と、横浜市の「木材利用優良建築物」に採択されている。木材使用量は765㎡で、炭素貯蔵量(CO2換算)は654tCO2(スギ換算で1,295本)。「ZEH-M Oriented」を取得している。
現地は、開発面積約23.9ha、総事業費約109億円の横浜最大級の土地区画整理事業地内に立地。2024年7月に開業するシネコン、約130店舗などからなる大規模集客施設「ゆめが丘ソラトス」に近接。
施工にあたっては、三井ホームの独自技術である屋根断熱構造材「DSP(ダブル・シールド・パネル)」を最上階の屋根に使用することで日射熱を遮断しているほか、高強度耐力壁「MOCX WALL(モクス ウォール)」や「高性能遮音床システム Mute(ミュート)」を採用。2~5階まで11プランの壁位置を合わせることで構造的な負担を軽減。RC造と同等の遮音性、断熱性、耐震性を確保している。
一部の床根太に国産材を使用したLVL(単板積層)材を使用、1階風除室とエントランスホールの一部の壁に天然木クロスと天然木パネルで仕上げ、東側サッシには木製ブラインドを設置している。
内覧会に臨んだ相鉄不動産賃貸施設事業部 賃貸開発センター課長・櫻井大将氏は「賃料は近隣相場の1~2割高。『木造人気』を感じている」と話した。
◇ ◆ ◇
記者は、三井ホームの美しくてデザイン性に優れた住宅にほれ込んでいる。何が美しいかといえば、女性もそうだが、化粧を施していない「木」そのものだ。
「MOCXION(モクシオン)」を含めた同社施工の建築物見学会も皆勤賞のはずだが、その美しさを「現し」として仕上げているものはごく一部でしかない。同社施工に限らず、木造建築物はほとんど石膏ボードやケミカル製品で覆い隠される。今回も「木」が感じられたのは壁パネルとサッシのみ。居室内もすべて木調パネル仕上げだった。
これに異議を唱えようかと思ったが、この日はほとんど眠っておらず質問する気力はなく、〝お前はいつまで現しにこだわるのだ。木造コンプレックスの呪縛から抜け出せないのか〟と一喝されそうなのて、口をつぐんだ。(木材は輸入材か国産材かの論議も、グローバルな視点からすればそれほど重要ではないという主張もわからないではない)
外観も内装もRC造と変わらないのに、賃料設定が相場の1~2割高なのはどうしてなのかも聞きたかったが…。これは相鉄&三井ブランドだからだと勝手に理解した。「木造現し」と「ケミカル仕上げ」は、身体的・心理的影響にどのような差があるか研究は進んでいるようだが、決定打となるものはあるのか。
収穫もあった。52㎡の1LDKのプランだ。間口は7200ミリ、キッチンと背面の洗面室・浴室との間は1010ミリ。同じ面積で一般的な2LDKの間取りもあり、どちらを選ぶかはライフスタイルによるだろうが、記者は1LDKがとてもいいと思う。分譲に採用したら圧倒的な人気を呼ぶのではないか。玄関と廊下は工夫次第で多目的スペースに変身する。
1LDKのキッチン(左)と洗面所とのスペース
現地
大和ライフネクスト 第三者管理者方式 既存中心に76組合受託 2026年に200組合へ
大和ハウス工業と大和ライフネクストは5月21日、業界動向勉強会を開催し、「マンション管理業(分譲マンションの 第三者管理者方式)篇」をテーマに大和ライフネクスト新領域創造部部長・沢登正一氏と同社新領域創造部第三者管理者サービス課課長・大塚威氏がマンション管理市場と課題、国の方針、同社の取り組みなどについて説明した。第三者管理者方式について事業者が自らの取り組みについて詳細に報告するのは今回が初めてのはずで、国土交通省もガイドラインを近く発表するタイミングに合わせて行うことで、関心を高めようという狙いがある。とてもいい勉強会だった。
沢登氏はマンション管理業界の市場について、マンションストック約69万戸のうち管理会社上位15社の市場占有率は55.4%にのぼり、大和ハウスグループは約40万戸を管理しており、業界5位にランクされており、CSを重視した方針のもと、リプレイスと言われる他社管理からの切り替え受託が36%を占めると報告。
国のマンション管理に対する方針としては、平成29年に示されたマンション管理士など外部専門家の活用を想定したガイドラインは普及せず、新築マンション購入者への十分な説明がなされないまま管理会社が管理者になっていた事例や、業務委託契約を締結せず、監査体制も不十分で、利益相反を防げないことなどからワーキンググループで旧外部専門家の活用ガイドラインを改訂し、今年3月「マンションにおける外部管理者方式等に関するガイドライン」(案)が発表されたことなどを紹介した。
大和ライフネクストの第三者管理者方式の取り組みについて大塚氏が説明。2022年4月、民法の改正を受けて利益相反の課題が解消され、委託者の承諾があれば無権代理ではなく委託者の行為とされることになったことを受けて、社内公募による新規事業として専門組織「TAKSTYLE(タスクタイル)」を立ち上げ、既存マンションを対象に第三者管理者方式のサービス受託に注力してきた結果、2023年度末では76組合、受託管理戸数は5,287戸に上っていると公表した。近く100組合になる予定。
受託物件を築年数別では、「5年以下(新築含む)」が34%、「31年超」が30%、戸数別では「50戸未満」が54%を占め、新築・既存別では、既存管理が55組合(72%)を占めると公表した。
大塚氏はまた、第三者管理者方式の導入のメリットとして、①組合員の時間的・精神的・身体的負担による理事の担い手不足の問題を解決②管理実績で培ったノウハウを活かした専門的知見や機動的な業務執行によるサービス提供③社内ガバナンスを徹底し、透明性のあるサービスを提供ことを挙げ、デメリットとしては①一定戸数以下の 場合は、管理組合の支出が増えてしまう場合がある②組合員の管理組合運営に対する関心が低下してしまう恐れがある③フロント部門と管理者部門が同一会社なので、利益相反に対する監視が必要となる―ことなどを挙げた。
デメリット対策として、第三者管理者サービスを独立した組織で提供し、各業務執行に複数の部門が関わることで牽制・内部統制を行い、社内ガバナンスを高めているとし、契約形態としては管理委託契約とは別途「管理者業務委託契約」を締結していると話した。報酬額は50戸程度で月額約5万円(1戸当たり1,000円)と報告。受託に際しては理事会がなくなることに伴う人件費の削減、DX採用による紙・印刷費のコストダウン提案も行うという。受託管理組合は2026年度までに200組合に拡大する意向を示した。この方式を採用する既存マンションは15%に上るのではないかとも話した。
沢登氏(左)と大塚氏
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記者は、国交省が2012年に「マンションの新たな管理ルールに関する検討会」を設置した時から第三者管理者方式(当時は第三者管理)とマンション標準管理規約のコミュニティ条項について取材を続けてきた。
新規マンションでは第三者管理者方式がかなり採用されていることは、国土交通省が昨年12月に行った管理会社を対象としたアンケート調査結果でも明らかにされた。しかし、マンション購入者に対する説明が不十分で、契約も結ばず、報酬も明確でなく、監査や利益相反についてもあやふやで〝どんぶり勘定〟そのものの実態が浮かび上がった。ガイドラインによって整備されることに期待したい。また、大和ライフネクストのように既存マンションの受託に力を入れるところも増えるはずで、リプレイスが激増し、大激戦が展開されそうだ。
気になるのは新築マンションだ。売主-設計・施工・監理-管理会社が同じ会社グループで一気通貫することの危うさも注視する必要がある。各社のガバナンス体制が問われる。また、月額1,000円は高いのか安いのか、規約改正の4分の3条項はハードルが高いのか低いのか、さらにまた新築と既存マンションはどうして報酬額の差が大きいのかの論議も出そうだ。
第三者管理者方式徴収額は月額1,000~2,000円/戸マンション管理協(2024/5/16)
マンション管理会社 3割が投資用中心に第三者管理者方式導入国交省(2023/12/26)
マンションコミュニティを否定するのか 国交省マンション管理検討会(2015/4/4)
「福井先生を連れてきたかった。残念」 山根・管理協理事長 「検討会」を批判(2015/3/13)
標準規約からマンションコミュニティ条項が消える? 第10回「管理ルール検討会」(2015/2/27)
迷走する「マンションの新たな管理ルールに関する検討会」 コミュニティや議決権などめぐり激しい論議(2012/8/30)
「機能不全マンション」に第三者管理方式の導入は適当か(2012/8/3)
国交省 第4回マンションの新たな管理ルールに関する検討会 的外れの安藤至大委員の主張(2012/4/10)
国交省 第3回「マンションの新たな管理ルールに関する検討会」第三者管理めぐって論議白熱(2012/3/16)
国交省 第2回「マンションの新たな管理ルールに関する検討会」利益相反 双方代理めぐり論議(2012/2/17)
国交省 マンション管理の新たなルールづくりへ検討会(2012/1/10)
わが国初 VRとMR組み合わせたモデルルーム 三井不レジ「池袋サロン」
「三井のすまい 池袋サロン」3D家具を投影した画像
三井不動産レジデンシャルは5月21日、バーチャルとリアルを融合した販売拠点「三井のすまい 池袋サロン」で、わが国で初というVRとMRを組み合わせた空間を体験できるメディア向け内覧会を行った。すごいことなのだろうが、アナログ人間の記者は理解できなかった。
「池袋サロン」は、「三井のすまい 日本橋サロン」、「三井のすまい 新宿サロン」、「三井のすまい さいたまサロン」に次ぐ4か所目のマンション販売拠点として2023 年6月に開設したもの。施設は、池袋駅東口(北)から徒歩4分、豊島区東池袋1-17-8 NBF池袋シティビル1F・B1Fの延床面積約584㎡。
これまでのVRでは、7m×5m=35㎡(21帖大)×高さ2.5mの空間に窓から見える景色や床の家具などの配置がわかるものだったが、今回はMR技術を用いて3D家具を投影し、Meta社が開発した「Meta Quest 3」(写真参照)を眼前にかざすと、家具などが立体的に見え、動かしたりしたような体験ができるもの。同サロンで販売中の「パークホームズ上板橋」(138戸)などに導入する。
同社担当者は、「これなら実際のモデルルームを見なくて済む」というお客さまの反応を紹介した。
サロンには、ダイニングコーナー、リビングコーナー、書斎コーナー、カラーセレクトコーナーなども設けられており、検討物件の基本性能・設備仕様レベルが理解できるようになっている。
「Meta Quest 3」
◇ ◆ ◇
小生も勧められるままに「Meta Quest 3」を手にしバーチャル空間を眺めた。試しにキッチンにぶつかってみたが、何の手ごたえもなかった。別の記者の方がかがみこんで何かをつまむ仕草をしていたので、何をしているか聞いたら、テーブルを動かしているとのことだった。ここまで技術が進展しているのに驚いた。記者はその価値がわからない。透明人間になったような気分になれる子どもは大喜びだろうが…。家具などの質感、触感、重量なども体感できるようにはならないのか。
そんなことより、小生はサロンに入っていきなりフェイクの観葉植物が目に入り、リアル(実物)とごちゃまぜになった演出に戸惑った。野村不動産が昨年2月に開設した植物園のような「プラウドギャラリー新宿」の記事も添付する。野村に負けてほしくないから、敢えて苦言を呈する。
同社が今年3月に報道陣に公開した「SOCO HAUS KORAKUEN」はすべて本物の観葉植物が配置されていたし、昨年12月、綱町三井倶楽部で行われた三井デザインテック主催のセミナーでも世界的なフラワーアーティスト、ニコライ・バーグマン氏は「ビニール(フェイク)はよくない」といったではないか。
三井不動産の2024年3月期の国内分譲住宅の売上高は3,144億円、営業利益は497億円(営業利益率15.8%)、戸当たり単価は8,497万円だ。同業他社を圧倒しているはずだ。販売事務所やモデルルームはすべて本物の観葉植物にしたら、みんな感動するのではないか。
フェイクのラン
上部はリアル、下部はフェイク
これもフェイク
◇ ◆ ◇
「記事にしていい」と了解を得られたので小生とある記者の方のリアルな革靴を紹介する。左が24cmの記者で、右が身長184cmの方の29~30cmの靴。馬鹿なことを書いているという自覚はあるが、これが負け続ける西武と電柱のようにぶった切られている街路樹を毎日のように眺めさせられるストレスのせいかどうかはわからない。
小生(左)とある記者の方の靴
ミレニアル&Z世代の心つかむか三井不レジ単身女性向けリノベ賃貸「KORAKUEN」(2024/3/8)
「ビニール(フェイク)はよくない」フラワーアーティストニコライ・バーグマン氏(2023/12/6)
木質化空間の〝匂い〟は心身にどのような影響をもたらすか三井不×東大が共同研究(2023/10/29)
まるで植物園五感で体験できる野村不動産マンション総合ギャラリー「新宿」(2023/2/23)
立地にふさわしい防音室、循環ライブラリ三井不レジ「文京本駒込」人気(2022/12/6)
スーパー隣接 公園が通勤・通学路 人気の中央日土地「天王台」に納得
「バウス我孫子天王台」
中央日本土地建物が分譲中の「バウス我孫子天王台」を見学した。天王台駅圏での全戸南向きは16年ぶりの新規マンションで、3月23日に分譲した第1期1次30戸が即日完売するなど好調なスタートを切っている。
物件は、JR常磐線天王台駅から徒歩5分、我孫子市天王台四丁目の第一種中高層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率200%)に位置する敷地面積約3,720㎡、6階建て全89戸。5月下旬に販売予定の第2期(戸数未定)の専有面積は62.14~83.01㎡、予定価格は4,000万円台~6,400万円台㎡。坪単価は230万円近くと思われる。竣工予定は2025年2月。設計・施工は長谷工コーポレーション。販売代理は長谷工アーベスト。
現地は、駅からほぼフラットで、途中の「天王台西公園」を通勤・通学路として利用できる戸建てや中層マンション街。敷地は四方道路に接道。東西軸が長い形状で、東側は低層のスーパー・マルエツ、南側は中層マンションや戸建て住宅街。
住戸はすべて南向きで、1~4階は1フロア16戸で、角住戸のA/Agタイプ83㎡とO/Ogpタイプ62㎡を除き、ほとんどが69㎡・72㎡プラン、最上階は9戸で74~81㎡。
主な基本性能・設備仕様は、リビング天井高2500ミリ、直床・二重天井(1~4階)と二重床・二十天井(6階)、ディスポーザー、食洗機、床暖房、浴室タオル掛け1か所、最上階のワイドスパン(11,000~12,000ミリ)など。
モデルルーム
Uタイプ(81.70㎡)
◇ ◆ ◇
人気の要因は、駅から現地まで信号は1か所しかなく、途中(2分くらいか)緑にあふれた公園が通勤・通学路で、周囲は閑静な戸建て・中層マンションであること、敷地東側に大型スーパーがあることだと思う。
坪単価も納得だ。最近見学した都心から1時間~1時間30分くらいの物件はほとんどが坪220~250万円だ。最上階は6,000万円台だが、ワイドスパンで眺望も開ける。ソフトクローズにすべきだとは思ったが、引き戸を多用しているのもいい。
我孫子市に一言。駅北口の街路樹は立派なケヤキやクスノキが植えられているが、ほぼ3層(10m)で強剪定されていた。ここも電信柱。ケヤキの樹形は美しいほうき状になるはずが、逆三角形になっていた。唖然茫然。道路の付属物としか見ていないからだろうが、それを認める市民も問題だ。我孫子市は民力が高いと思っているのだが…。
「天王台西公園」
公園とは対照的な駅北口の街路樹
物流の2024年問題解決へ5社連携 伊藤忠商事・KDDI・豊田自動織機・三井不・地所
伊藤忠商事、KDDI、豊田自動織機、三井不動産、三菱地所は5月17日、2024年度中のフィジカルインターネットの事業化に向け共同検討することについて合意し、覚書を締結したと発表した。業界を横断したパートナー5社で物流改革を推進し、国内における物流の2024年問題の解決を含む持続可能な物流の実現を目指す。
以下、プレス・リリースをほぼそのまま紹介する。
物流は、日本の経済基盤を支える屋台骨であるにも関わらず、人口減少に伴う担い手不足に加え、トラックドライバーの時間外労働規制(「物流の2024年問題」)、カーボンニュートラルへの対応、燃料高・物価高等の影響を受け、業界を取り巻く環境は日に日に厳しさを増しており、このままでは将来的にモノが運べなくなる恐れがあります。物流を今後も持続可能なものとするには、荷主、事業者、一般消費者が一体となり現状の課題に向き合うことに加え、物流の標準化(パレット活用拡大等)やDX・GXによる効率化といった次世代の解決策を講じることが不可欠です。
次世代の解決策として期待されるのが、フィジカルインターネットです。フィジカルインターネットとは、荷物や倉庫、車両の空き情報などをデジタル技術で可視化し、業種を超えた複数企業の倉庫やトラックを相互接続させたネットワークで、発着点間で最適な輸送ルートを導き出し物流効率を高める、新しい共同配送の仕組みです。パケット単位で効率的な情報の送受信を実現しているインターネットの考え方を物流に適用しています。
経済産業省は2021年から各産業界にフィジカルインターネットの活用を働きかけ、2022年には実現に向けたロードマップを作成しました。フィジカルインターネットの活用によって物流業務を標準化・効率化することで、物流の担い手の負担を軽減することができます。また、トラックをはじめとした物流リソースを有効活用することができるようになるため、燃料消費量が抑制され、温室効果ガスの排出量削減にも寄与します。
5社は今後、本覚書に基づき、2024年度中のフィジカルインターネットサービスの事業化を視野に入れ、新会社設立に向けた具体的な協議を進めていきます。また、荷主会社や運送会社とも連携を行い、物流輸送網の構築を図っていきます。将来的には、フィジカルインターネットの活用による物流業務の効率化に加え、同サービスによって生み出されたコストメリットを荷主・運送会社等の利用者が享受できる仕組みを構築することで、物流の新たなスタンダードとなるサービス形態を目指します。5社は業界の垣根を越えて物流改革を推進し、2024年問題の解決および持続可能な物流の実現に向けて邁進してまいります。
◇ ◆ ◇
記者は、物流のことはよくわからないが、2019年9月、Hacobuが他業種企業との取り組みを通じ、オープンな物流情報プラットフォーム「MOVO(ムーボ)」上で物流ビッグデータを蓄積・利活用することで、ドライバー不足等の物流課題を解決する「Sharing Logistics Platform®(シェアリング・ロジスティクス・プラットフォーム)」構想を発表したのを取材している。
先日の大和ハウス工業の決算説明会で、どこかの記者の方が「2024年問題は、御社の業務に弊害はあるか、支障はないか」と質問した。これに対して、芳井敬一社長は「当社は以前、法令に触れることを行ったことがある。法律を守らないということはありえない。法律を守れないような無理な計画を立てるな、そんな数字を挙げてはならないとしっかり伝えている」と、その記者を諭した。(小生は、馬鹿な記者もいるもんだとあきれ返るとともに、ものすごく腹が立った。芳井社長の答えも怒気を含んでいるように思った)
大和ハウス工業も三井不動産も「Sharing Logistics Platform®」構想に参画している。あれから5年近くが経過する。その後の進捗状況を聞きたい。今回の5社連携は結構なことなのだろうが、遅すぎはしないのか。「業界を取り巻く環境は日に日に厳しさを増しており、このままでは将来的にモノが運べなくなる恐れがある」と危機感を募らせている割には、動きはスローだ。どうして他の物流大手企業やトラック業界は入っていないのか。アナログの世界の解消は遅々として進んでいないのか。
ナイスは今年の1月17日、「新春経済講演会」を開催し、「どうなる!? 2024」をテーマに物流、弁護士、シンクタンク、木材、建設、住宅設備メーカーによるトークセッションを行った。とても参考になった。記事を一部紹介する。
悲観することない着工減 住宅の資産価値向上に取り組む
住宅設備メーカー 山田昌司氏(パナソニック ハウジングソリューションズ代表取締役 社長執行役員)
山田氏
Ⅰ 2023年の住宅着工は約83万戸で、前年比3.9%減。2024年もほぼ同じ水準ではないか。棟数は減少しているが、住宅投資額は17兆円レベルをキープしており、それほど悲観する必要はない。住宅の省エネ化、カーボンニュートラルへの取り組みなど住宅の資産の維持・向上への政策に向き合うことが必要。業界構造変化では、いわゆるパワービルダーへ需要がシフトし、地域の注文住宅を中心とするビルダーは苦しくなる。一方で、大手メーカーによる地域工務店への支援によって新しいビジネスモデルが生まれる。リフォーム、リニューアルは堅調に推移し、非住宅は改修期を迎えているものが多く、市場は拡大する。
Ⅱ 物流に関しては、必要な時に届けてもらえなくなってきている。運んでもらえないことも発生しており、深刻な問題。サプライチェーンはこれからの課題で、資材を運ぶことが住宅建設工程の計画の一部であるという考え方に転換しないと物流問題は解決しない。
Ⅲ パナソニックグループは2050年までに現在の世界のCO2総排出量の「約1%(3億トン)」の削減を目指しており、「Panasonic GREEN IMPACT」と称する3つ取り組みを行っている。一つは、自社工場など28の拠点でCO2排出量をゼロにする「OWN IMPACT」で、これはすでに達成済み。二つ目は、既存の水素、省エネ、再エネ技術、廃材利用などの「CONTRIBUTION IMPACT」、3つ目は新しい技術で進める「FUTURE IMPACT」。着実に進めていく。
2024年問題は織り込み済み 工期延長にはならない
建設 熊野聡氏(長谷工コーポレーション取締役専務執行役員)
熊野氏
Ⅰ 東京のマンション価格が1億円を突破したなどとショッキングな報道がなされたが、これは一部を切り取った情報。都心部で高級マンションが供給されたためで、23区の平均価格は8,424万円と前年比で30%上昇した。それ以外の平均は5,300万円で、そんなに大幅に上昇したという印象は持っていない。近畿圏の市場はほぼ横ばい。超高級マンションは経営者など富裕層、スタートアップなどの需要が旺盛で、実需も伴っておりバブルではない。今年は金利先高観による買い急ぎはあるかもしれないが、底堅い市場に支えられ、それほどぶれないと予想している。
Ⅱ 2024年問題は工期に大きな影響はない。ゼネコンでは4週8休は取り込み済み。運送コスト上昇による価格上昇への影響はある。現場技術者の残業を減らすDX、IT、職人の働きやすい環境をつくる、ロス少なくするなど生産性を高める取り組みを進めていく。
Ⅲ 当社も木造推進委員会を設けて研究している。すでに23件の共用部分の木質化を行っており、賃貸マンションの上層階の木造化も行っている。分譲でも生かせないか考えている。
残業規制は労働者の人権 脱法行為はありえない
法律 秋野卓生氏(弁護士 匠総合法律事務所 代表社員)
秋津氏
Ⅱ 最近は、人不足により残業時間制限720時間の上限を超えてしまうという相談が増えている。このような質問には、立法趣旨を説明する。月80時間以上残業すれば過労死する危険性があり、残業規制は労働者の人権を守ることで、法律を守らないということはありえないと。一方で、労基法は1日8時間、100%の力で働くことを経営者は労働者の要請していい法律。これを実践しているか、残業代が生活費の一部になっていないか、これをチェックする必要があると提案している。
Ⅱ DXで働き方改革が実現できるのであれば、建設業法、労働安全衛生法などの法律を改正すべき。デジタル臨調でもそのような論議がなされた。2027年度の全国展開を目指す国土交通省のBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)確認申請にも注目している。現場三次元の取り組みも加速させる必要がある。
長距離輸送に理解を 再配達は有料に
物流 馬渡雅敏氏(全日本トラック協会副会長)
馬渡氏
Ⅱ 残業制限は建設業などは720時間となっているが、トラック業界は960時間。われわれの業界の長距離輸送は3~4割占める。法令を守れないから撤退する、あるいは長距離を受けないというところも出てきている。また、厚労省の法律も今年4月からより厳しくなる。住宅関連では、持ち帰り、転送などが多々ある。再配達でも1回分の配達料金しかいただけない。再配達は有料にするなど改善しないといけない。国土交通省の商習慣の見直しのガイドラインでもそのような方向性が示されるはずだ。
Ⅲ 国内のCO2排出量の2割が運輸部門。その中でわれわれのみどりナンバーの営業用はその2割、全体の4%がトラック業界。2030年までに2005年比で3割削減を目標に掲げているが、大型トラックはEVもハイブリッドもわが国では開発されていない。再配達とか物理的な無駄をなくしていくほかない。軽くて頑丈な国産材のパレットを開発していただきたい。プラパレばっかり。
用材自給率80%へ 熱を逃がす窓、ドアの木造化急げ
木材 鈴木信哉氏(ノースジャパン素材流通協同組合理事長)
鈴木氏
Ⅱ いま木材自給率は50%を超えつつある。今後は山の中から丸太をどのように下すのが最大のポイントとなるが、林道の整備が進んでいない。おろすまで3時間も4時間もかかる。林道整備とともに、中間ストックヤードを設けることも必要。納入するのに20台、30台も並ばなければならないようなことをなくさないと、残業時間を減らすことができない。受け入れ時間を長くし、かつての日本通運のような大型の事業体が出現することに期待したい。川下、川中、川上が連携して安定的な発注システムを構築しなければならない。
Ⅲ 10年後の用材自給率は80%まで伸びるのではないか。問題は梁桁。レッドウッド、ベイマツの集成材からどうやって奪い取るか。国産集成材に頑張ってもらう必要がある。木造のきれいな公共建築物を見ると、唯一木が見えないのがサッシとかドアの開口部。アルミと木材の熱伝導率は3600倍違う。寒いところで熱を逃すために造っているようなもの。これは10年間で木に変えないといけない。バス、トイレ、キッチンにどうやって木を使っていくか。クオーター契約の導入も必要。
大阪の市場を劇的に変えた 東京建物&HPL「ONE DOJIMA PROJECT」竣工
「ONE DOJIMA PROJECT」外観(撮影:伊藤彰)
東京建物とHotel Properties Limited(HPL)、Four Seasons Hotels & Resortsは5月17日、わが国初の「Four Seasons Hotel」と「Brillia Tower 堂島」を一体開発した超高層タワー「ONE DOJIMA PROJECT」の竣工セレモニーとメディア限定内覧会を開催。多くの多くのメディアが駆けつけた。
プロジェクトは、建物高さ約195m、地上49階建ての建物を「旅とアート」をコンセプトに、日建設計が設計。上層階の建物形状を徐々にセットバックさせ、3種類のバルコニーを組み合わせることで、水都大阪にふさわしいヨットの帆をほうふつとさせるシンボリックな外観となっている。
共用空間のインテリアデザインは、Piet Boon(ピエト・ブーン)氏によって創設されたStudio Piet Boonがコーディネート。ウェルウッドの協力のもとキュレーター兼美術評論家の南條史生氏の監修により、国際的に活躍する彫刻家の名和晃平氏の作品をはじめ約50点のアート作品を住宅共用部などに設置している。
マンションは2021年11月から分譲開始されており、坪単価は、当時の大阪駅圏最高単価の約400万円を大幅に上回る650万円。販売も好調に推移したことから業界内で話題になった。特定街区の指定を受け、世界有数のホテルブランド、デザイナー、わが国を代表する設計、施工会社とコラボし、建物をアートとしたコンセプトが奏功したとみられる。
これまで供給した376戸(うち3戸は戦略上販売をストップ)はすべて完売。契約者の属性は、40代23%、50代23%、60代21%、30代20%、会社役員は36%、会社経営18%、会社員17%。地元大阪を中心に全国から集客できているようだ。一般分譲対象外の47戸を除く残り37戸は、賃貸の可能性もあるが、重要事項説明書で「分譲」としていることから分譲となる可能性が高い(概要は未定)。
「フォーシーズンズホテル」は、「東京大手町」「東京丸の内」「京都」に続く4施設目。今夏に開業予定。
同じ棟内にホテルとマンションが同居する複合は、竣工済みでは東急不動産他「ブランズ横濱馬車道レジデンシャル」、野村不動産「プラウド恵比寿ヒルサイドガーデン」、住友不動産「梅田タワーズ」などがあり、今後竣工する、または計画されているものでは相模鉄道・東急「THE YOKOHAMA FRONT TOWER」、野村不動産・ケン・コーポレーション「西麻布三丁目北東地区第一種市街地再開発事業」、三井不動産レジデンシャル「パークタワー大阪堂島浜」、住友不動産「コンラッド横浜・(仮称)ラ・トゥール横浜」、三菱地所「Torch Tower」などかある。
物件は、JR大阪駅から徒歩11分、大阪地下鉄四つ橋線西梅田駅から徒歩6分、大阪市北区堂島二丁目の商業地域(建ぺい率100%、容積率1200%の特定街区)に位置する敷地面積約4,828㎡、49階建て延床面積約82,507㎡。住宅は地下1~27階、38~49階、総戸数457戸(一般分譲410戸、募集対象外は47戸)。ホテルは地下1~2階、28~37階、総客室数は175室。着工は2020年4月、竣工は2024年1月。設計は日建設計。施工は竹中工務店。住宅共用部デザイン監修はStudio Piet Boon。住宅引渡開始は2024年5月24日(予定)。
以下、竣工セレモニーに臨んだ関係者のコメント。
東京建物代表取締役社長執行役員・野村均氏 他に類を見ないプロジェクト。アート作品には特別な力がある。居住者の一人ひとりが自分らしい暮らしを実現する、魅力ある空間に仕上がった。地域の発展にも大きく貢献するものと信じている。(「目黒」もそうだが、どうして坪単価400万円の壁があった「大阪」で、倍に近い650万円で供給することができる市場調査力、商品企画力は何かという記者の問いに)やってみなはれということ
野村氏
共同事業者のHotel Properties Limited Country Representative・Michael Inman氏 特別な興奮を覚えている。日本で初めての大規模投資で、世界的ポートフォリオを拡大することができる。マンションプロジェクトは購入者や投資家に大きな価値を創造できると確信している。販売が絶好調あることはその魅力の証。『フォーシーズンズホテル』はその魅力を高めることになる。国内外で更なる共同プロジェクトができることを期待します
Michael氏
東京建物取締役専務執行役員住宅事業本部長・秋田秀士氏 建物の高さは195mで、梅田エリアでは最高峰。ホテルは8月開業。2021年から販売開始し、これまで供給した376戸(うち3戸は戦略上販売をストップ)はすべて完売。残り34戸は、概要が決定次第公表します
秋田氏
施工を担当した竹中工務店常務執行役員・河野修氏 2020年4月に着工して以来、新型コロナの世界的な蔓延、ロシアのウクライナ侵攻に伴う原油価格、資材の高騰、円安、2024年問題などアゲンストの風が吹き荒れている。建物の中央部13層にテルを併設するという相当高い難易度があった。日建設計をはじめとするステークホルダーの多大な協力によって完成した
河野氏
施工を担当した竹中工務店取締役社長・佐々木正人氏 昭和32年、この地(堂島)で本社ビルを建設した。その後の変遷を経て今回のプロジェクトとして再生された。施工を担当させていただき改めて感謝・お礼申し上げる
佐々木氏
共用部インテリアデザインを担当したオランダStudio Piet Boon・Founder Piet Boon氏 これほど高いクオリティの建物をわずか5年間で完成させたことに驚いている。アムステルダムでは10年はかかる
Boon氏
設計担当の日建設計常務執行役員チーフデザインオフィサー・大谷弘明氏 一つの建物にマンションとホテルを設計するのは難しい仕事だったので秘策を練った。アール状と3種類のバルコニーを組み合わせることだった。大阪にはタワーマンションは数十棟あるが、それらと全く違う。東京建物さんの理解と強さがあったからこそ実現した
大谷氏
アートコンサルティング担当のウェルウッド会長・廣井康士郎氏 アートな街づくりをしたいというテーマに共感した。このような面白いプロジェクトに参加できたこと感謝している。共用部に設置した50点にも上る作品を堪能していただきたい
廣井氏
アートを監修したエヌ・アンド・エー代表取締役/アートキュレーター・南條史生氏 話があったのは4年前。〝旅とアート〟がテーマと聞いて、これは失敗できないぞと取り組んだ。結果的に大きなプロジェクトになり、40人前後のアーティストが参加している。作品の半数以上はその都度話し合いを通じて制作したもの
南條氏
竣工セレモニー
愛称〝ミオちゃん〟もいいのではないか
公開空地にアルミ製のパブリックアートを制作した彫刻家の名和晃平氏 この作品は京都芸術大学で15年以上続く"ウルトラプロジェクト"のなかで、私が行う「ULTRA_Sandwich#18」というプロジェクトメンバーの学生たちと共に、現代彫刻の方法論を学ぶワークショップとして、大阪の堂島を訪れることがきっかけとなり、生まれた。iPhoneで簡単に3Dスキャンができるようになったため、その技術について学生たちへ説明しながら、パブリックアートとして彫刻作品を提案する予定のまさにその場所で、学生の一人〝ミオさん〟をモチーフにすることにして、もう一人の学生がスキャニングを行った。
美大生の〝ミオさん〟は、その日トートバッグを肩に下げ、厚底の変わった形のシューズを履いていた。午後の南の空には白い半月が浮かび、それを見上げた何気ないポーズをキャプチャした。
近い将来、人類が月や火星へ進出する時代が訪れるかも知れない、そんな未来の予感は、情報と物質の世界がパラレルに進行する現代の都市を行き交う人々の心のどこかに潜んでいるのではないか?そんな現代人のリアリティを捉えたかった。セル状の形と、波動やエネルギー体を思わせる形の対比をしながら、二つの姿が重なるようにした。後ろ姿も気に入っている。
タイトルは「Trans-Mio」だが、設営期間中に警備の方が〝ミオちゃん〟と呼んで頂いていたらしい。その通称も大阪らしく、良いなと思った。(構想1年、制作6か月、高さ約5m、重さ約500キロ)
名和氏
この〝大阪のミオちゃん〟の後姿が美しい
「Brillia Tower 堂島」統括所長・加覧憲一氏(かつての国学院久我山の主砲。他チームは震え上がったそうだ) 当社の最高峰プロジェクトにかかわれてとても幸せ
加覧氏
外観(撮影:ナカサアンドパートナーズ)
◇ ◆ ◇
完成したマンションの内部空間を見てめまいを覚えた。2度目の経験だ。最初は、2018年完成の三井不動産レジデンシャル「パークコート青山 ザ タワー」だった。記事には「ガラスの向こうから自分を見つめる(自分自身の)醜悪な顔に愕然とし、眩暈を起こしそうになった」と書いた。すべてがアール状の空間に三半規管がかき回されたからだ。
今回は、あの時の感覚とは少し異なる。ヨットに揺られたときの船酔いでもない。天井高が12m、14mのエントランス・2階ギャラリーラウンジの壁は白で統一されており、息を呑むほどの美しい空間に言葉を失い、圧倒されたからだ。
アートは40作家、約50点で、中にはキャンパスに地塗りしただけとしか思えないものや、グレーチングしたブルー一色のものなど値がつけられそうもない作品もあったが、ヘンリー・ムーアを彷彿とさせる1,000万円はしそうな彫像もあった。
居住者全員が利用できる1時間2,000円の49階のザ・ペントハウス、38階以上の居住者専用の43階のバーラウンジ、1時間500円で最大4時間=2,000円で独り占めでき、酒も飲める広さ100㎡の27階のパーティルーム(お金に換算すると2億円はくだらない)などは圧巻だ。
モデルルームを見学した2021年11月の記事の見出しには「〝どう見ても美しい〟大阪の市場を変える 東京建物『堂島』は坪単価650万円」と書いた。今回、完成した建物を見て、どのように書こうかと考えたが、ボキャブラリーの乏しい記者はふさわしい言葉が浮かばない。当時の記事も添付したので読んでいただきたい。
アート(左がNawa_dojima、右がOthoniel_dojima)
アート(Installation_view_2f_dojima.)
◇ ◆ ◇
大阪市は平成30年、今回の物件の敷地(堂島二丁目)を、「国際競争力の強化に資する宿泊施設及びにぎわい・交流機能等の導入、にぎわい施設と一体となった緑や文化に触れ合える高質な歩行者空間の整備とあわせて、良好な環境と健全な形態を有する建築物の建築及び有効な空地を確保する」特定街区に指定。容積率を480%から1200%に緩和した。
東京建物が従前の「電通大阪ビル」をいつ、いくらで買ったかはわからないが、おそらくこの前後だ。この特定街区指定がこのような素晴らしい建築物を誕生させた。
それにしても、同社が用地を取得したと思われる当時の大阪駅圏では、大和ハウス工業「プレミスト梅田」(133戸、平成32年2月竣工)が最高単価だったが、坪400万円を超えられなかった。その倍近い価格設定のプロジェクトに野村社長は「やってみなはれ」と太っ腹な対応をみせた。プロジェクトを主導したのは同社関西支店なのか。同社の関西圏でのマンション供給は上位10社にも入らないはずだ。乾坤一擲の勝負をかけたのだろう。まとめてすべてをひっくり返したチームに拍手喝采。東京の市場を変えた「Brillia Towers目黒」と同様にマンションの歴史に名を刻んだ。
共用部分 グランドエントランス(撮影:ナカサアンドパートナーズ、以下同じ)
ギャラリーエントランス
43階バー&ラウンジ
43階バー&ラウンジ
43階バー&ラウンジ
竣工セレモニー(以下はすべて記者撮影)
「マンションはバックシャンが大事」とある建築家は言った
記者の一押しアート(どこかヘンリー・ムーアに似ている)
目と鼻の先の三井不動産レジデンシャル「堂島浜」
三井不レジ&三井不大阪・堂島の一等地でマンションとホテルの複合開発着工(2023/6/2)
Four Seasonsとの複合東建「堂島」第1期1・2次185戸平均4.6倍で完売(2021/12/17)
〝どう見ても美しい〟大阪の市場を変える東京建物「堂島」は坪単価650万円(2021/11/25)
坪400万円の大台に乗るか全戸角住戸大和ハウス「プレミスト梅田」(2018/10/9)
マンションはアートだ 三井不レジ「パークコート青山 ザ タワー」竣工(2018/4/11)
資料請求18,000件今年前半の目玉マンション東建「目黒」は坪600万円(2015/4/2)
第三者管理者方式 徴収額は月額1,000~2,000円/戸 マンション管理協
高松氏(左)と谷氏
マンション管理業協会(理事長:高松茂・三井不動産レジデンシャルサービス会長)は5月16日、恒例の記者懇親会を開催。マンション管理適正管理評価制度の登録件数は4,370件(3月末で4,180件)に伸びており、今年度末までの目標1万件にあと10か月で約5,600件に迫ったこと、同制度で★5つのマンションは、市場価格より11%のプレミアムが生じていると分析した横浜市立大学の公開シンポジウム傍聴レポートなどを報告した。
◇ ◆ ◇
記者は2点質問した。一つは同制度について。昨年6月の総会後の懇親会で、同協会副理事長・小佐野台氏(日本ハウズイング社長)が「一言だけ皆さんにお願いしたい。2年後のマンション適正管理評価件数を1万戸にするには、会員354社の管理件数の1割で達成できます。ちょうど1割、たった1割(爆笑、拍手喝采)で達成できます」と呼び掛けた。今年はどのような挨拶を予定しているか聞きたかったのだが、小佐野氏は欠席されていたので、「(壇上の)皆さんの中で目標の1割を達成された会員はいるのか」と。
事務局は「1割達成はいますが、登録しているのは348社のうち62社」と回答。高松梨状は「一般会員への浸透が課題。今年の総会では1堀を達成した一般会員を表彰して披露したい」と話した(これに★5つ制度を採用し、未達の★1つか2つの大手会員会社の社名を公表するのはどうだろう)。
もう一つは、第三者管理者方式について(理事の方もメディアの方も「第三者管理」と認識しているようだが、国土交通省の方針に従って「第三者管理者方式」に改めたほうがいい)。おおよそ次のように質問した。
「国土交通省は近くガイドラインを公表するが、同省のアンケート調査結果によると、この方式を採用している会社48社のうち60%が報酬の設定を行っていないと報告している。これは問題。テレビショップで〝今すぐ申し込めば配達料無料〟と呼び掛けているのと一緒。担当者の業務を管理会社自らが評価していないことで、(時間とお金がかかる)理事会を軽視するものではないか。それと、居住者はこの第三者管理者方式をどのように受け取ればいいか」
高松理事長は「当社(三井不動産レジデンシャル)は新築マンションに採用しているが、きちんとフィーを明記している。既存マンションへ採用する場合は1,000円以下/戸にしている。無料はありえない。居住者のメリットは〝時間をお金で買えること〟」と語った。
また、同協会副理事長・谷信弘氏(長谷工ホールディングス・長谷工コミュニティ代表取締役会長兼社長)は「当社グループも積極的に第三者管理者方式を採用しているが、居住者が気軽に意見や提案ができるアプリが好評。管理受託とは別会計で、戸当たり1,000~2,000円」と話した。
高松氏や谷氏の話から、大手はどんぶり勘定にしていないのは安心したが、第三者管理者方式には問題が山積している。
監査や利益相反規定があいまいだとか、議決を経ないで行うことができる発注額を定めていない、マンションに欠かせないコミュニティ形成にどう対応するかなどだ。
第三者管理者方式の1戸当たり月額報酬が1,000~2,000円、10年間で120万円というのは悩ましい額だ。マンションの規模や管理組合の規約にもよるが、だれも無報酬の理事会役員になりたくない。理事としての職責を全うできない、お金を払ってでもいいから他の人にやっていただきたいという人が現れるかもしれない。しかし、理事は権利であり義務だ。これをお金に換算して売買することができるのかという問題もある。
高松氏は居住者のメリットとして「時間を金で買える」と話した。けだし名言だ。三井不動産レジデンシャルの2023年3月期の分譲マンションの戸当たり単価は8,554万円だ。これくらいの額のマンションを買える人にとって月1,000円を払えば、理事会役員にならなくてもいい安心感がずっと担保されるのなら、お安いものだ。
しかし、時間をお金で買えない年金生活者が多数派を占める高経年マンションはどうなるのかの疑問もわいたが、それ以上の質問は控えた。管理組合に取材すべきことだから。
◇ ◆ ◇
協会事務局の配慮だろう。懇親会のレイアウトがこれまでと変わっていた。従来は縦長の短辺に理事の皆さんが並び、長辺に記者が並ぶというものだったが、それが逆転していた。おまけにマイクまで席に用意されていた。各理事と記者団の距離はぐっと縮まった。視力が眼鏡をかけても0.2で、耳が遠くなった記者はとてもいいと思った。
しかし、質問者は記者をはじめみんな高齢者。何を聞いているのかさっぱりわからない人もいた。マンションは二つの老い、つまり建物と居住者の課題を抱えるが、これにメディアの老いも加わった。足腰が弱っているのはわかるが、テレビや新聞報道を元ネタにした質問はいかがなものか。知らないから聞くのはいいが、どのような回答が返ってくるかわからないことを聞いてはならないのは記者の基本だ。事前にしっかり勉強して、問題提起できるようにすべきだ。
記者が第三者管理者方式について質問したのは、懇親会に参加された方はお分かりだろうが、大和ハウス工業が第三者管理者方式をテーマにした業界向け勉強会を開くので、メディアとしてどのようなことに注目すべきかを尋ねるためだった。報酬が1,000~2,000円/月というのは大きなヒントになるはずだ。長文だが、国土交通省のガイドラインを記者の方々も読んで勉強会に臨んでいただきたい。
レイアウトが変わった懇親会
オープンハウスGr 2024年9月期2Q 戸建ては増収も利益率低下し減益
オープンハウスグループは5月15日、2024年9月期第2四半期決算を発表。売上高6,027億円(前年同期比11.3%増)、営業利益557億円(同20.0%減)、経常利益583億円(同13.6%減)、純利益519億円(同16.8%増)と増収、営業・経常減益となった。
戸建て関連事業は、販売は計画通りに推移したものの、市中在庫の調整により売上総利益率の低下等の影響があり、売上高は3,275億円(前年同期比10.7%増)、営業利益は314億円 (同10.7%減)となった。
マンション事業は、物件引渡しが第4四半期に集中するため、当第2四半期引渡しを迎えた物件は多くはないものの、販売契約は順調に進捗している。売上高は55億円 (同79.1%減)、営業損失は19億円(前年同期は41億円の営業利益)となった。
2024年9月期は、売上高1兆3,000億円(前期比13.2%増)、営業利益1,240億円(同12.9%減)、経常利益1,200億円(同12.4%減)、純利益925億円(同0.5%増)を見込む。