2か所に花粉対策施したポラス「花小金井」 涙が出るほどうれしくなり、鼻水も止まる

「ルピアコート花小金井」
ポラス中央住宅が3月中旬に分譲するマンション「ルピアコート花小金井」モデルルームを見学した。駅からの徒歩11分のうちほとんどが美しい緑道を利用できる立地と、ピアキッチン付き(44戸のうち41戸)、業界初の花粉対策を2か所に採用しているのが特徴。その良さを訴え切れるかどうかが早期完売のカギを握るとみた。
物件は、西武新宿線花小金井駅から徒歩11分、小平市花小金井六丁目の第一種住居地域(建ぺい率60%、容積率200%)に位置する5階建て全44戸。専有面積は62.81~95.73㎡、価格は未定だが坪単価は340万円になる模様。竣工予定は2026年2月中旬。売主は同社のほか三信住建。設計はアム・ザイン一級建築士事務所。施工はオープンハウス・アーキテクト。販売代理は東京中央建物。
現地は、駅から徒歩11分のうち、ほとんどは通勤・通学に利用されている「小平グリーンロード」を利用できるのがポイント。建物は2棟構成で、標準階11戸のうち南西向きが6戸、南東向きが1戸、東向きが4戸。
主な基本性能・設備仕様は、ZEH-M Oriented、「おかえりシャワー」「窓マスク」、二重床・二重天井、リビング天井高2400ミリ、食洗機、収納・無垢材ダイニングテーブル付きピアキッチン(44戸のうち41戸)、「変身クローク」「FUTON収納」「まもるんドア」「タオル掛け2か所」「バルコニー水栓」など。
商品企画担当の同社マインドスクェア事業部 マンションDv営業企画課営業企画係リーダー・西牟田奈津子氏は「当社のマンションは、ピアキッチン付きで、角・妻住戸だけでなく中住戸も風が通るプランに高い支持を頂いている。今回は、国民の3人に1人の割合で発症するという花粉対策として、エントランスに花粉など80%以上防げる『おかえりシャワー』を設置し、さらに、花粉が気になる季節でも風通しができる『窓マスク』を設けた。いずれも当社オリジナル」と語った。
昨年11月から物件ホームページを立ち上げ、これまでの反響数は350件、2月8日にオープンしたモデルルーム来場者は50件。

「おかえりシャワー」(左)と「窓マスク」

模型

「まもるんドア」
◇ ◆ ◇
同社はこの花粉対策を施した物件について2月4日付でリリースしている。記者は、いまさら花粉対策もないと判断してスルーし、逆にモデルルーム見学会を提案した。
この日(2月19日)見学会が実現したわけだが、冒頭の西牟田氏の説明は半信半疑で聞いていた。発症の原因とされるスギ花粉などの飛来を防止するのは難しく、森林・林業をないがしろにしてきた罰が当たったのだと記者は考えているからだ。山林の中で生まれ育ち、花粉まみれの生活をしてきた記者は花粉症の症状は全くない。免疫ができているのだと思う。
「おかえりシャワー」はそれなりに効果があるのだろう。スイッチを押すと風速30m/sの暖かい風が10秒間天井から吹き出し、風の力で花粉やPM2.5なとの有害物質を落とすことができるというものだ。何度も浴びるのも可能だ。禿げ頭の人はともかく、紙のセットは乱れる。
似たような花粉対策マンションを取材しているので、この段階でも高をくくっていた。驚いたのは、西牟田氏が「皆さん、花粉症の人は手を挙げてください」と呼び掛けたところ、記者を除く13人のうち何と7人が手を挙げたことだ。半数以上だ。症状は〝鼻水が出る、鼻が詰まる〟〝目がかゆい、痛い〟〝くしゃみがする〟などだ。
モデルルームの「窓マスク」は心底驚いた。初めて見るものだった。花粉対策だけでなく、好きな時に風を取り込むことが出来るスグレモノだと思った。同業の記者の方々はさながら首相のぶら下がり取材のように西牟田氏に殺到した。
この様子を冷ややかに眺めていた小生は、「記者の方々はポラスのサクラじゃないの」と口走ったら、そばにいた同社広報担当は「サクラじゃありません。スギ(花粉)ですよ」とやり返してきた。一瞬、鼻ではなく息が詰まり、かゆいところに目が届く同社の取り組みに涙が出るほどうれしくなった。したたり落ちていた鼻水(寒さのせい)も止まった。
だが、しかし、記者の皆さん、注目すべきなのはバージョンアップしたピアキッチンだ。ヨーロピアンウォーク材の無垢のカウンターは80万円はするし、バックカウンターはこれまでの1200mmから1800mmに広げられている。そこには炊飯器、トースター、ロースター、ケトル…なんでも置けるというものだ。全部で百数十万円はするはずだ。これを標準祖エビしているマンションデベロッパーは皆無だ。ピアキッチン付きでない3住戸はほかにもたくさん魅力がるプランだ。
「東京こどもすくすく住宅の設計認定」を受けている「まもるんドア」には絶句した。室内を締めきり、換気扇を使用すると負圧状態になり、突然玄関ドアなどをあけると、開けっ放しのドアなどが締まることがあるのだそうだ。よちよち歩きの子どもがドアの隙間に手が挟まれた事故もあるという。「まもるんドア」はそんな事故を防ぐ効果があるという。実用新案を申請したとか。
このほか、この物件は、浴室・玄関下足入れ窓付き、ソフトクローズ機能付きリビングドア、プッシュプルドア(けが防止にもなる)などたくさん魅力がある。
問題は価格だろう。記者は坪単価300万円なら申し込みが殺到すると考えていたが、やはりそんなに安くはならない。郊外部でも「300万円の壁」は突破された。「取得限界の壁」との綱引きが始まった。
同社マンションディビジョン部長・中島教介氏は、記者がこの前書いた「18坪の3LDK」の記事を意識されたか、「当社は3LDKは70㎡以上が基本。よほどのことがない限り、70㎡以下の3LDKをつくらない」と語った。その言や良し。同社は貴重なデベロッパーだ。

ピアキッチン

2か所タオル掛け(左)と本物の観葉植物(皆さんは軽視するが、記者は一つひとつチェックする。コストカット対策としてタオル掛けをなくすデベロッパーは結構あるし、観葉植物はフェイクだらけ。購入者はフェイクの植物越しに食事をし、会話を交わすことがあるだろうか)
柏駅圏最大389戸 18坪(62㎡)の新型3LDKに注目総合地所「ルネ柏ディアパーク」(2025/(2/16)
駅東側10分、70㎡以上では8年ぶりポラス「大宮」坪単価400万円に挑戦(2024/4/5)
郊外部も坪300万円の時代へ予算額との隔たりどう埋めるか 総合地所「花小金井」(2023/10/25)
「ライオンズ関町北グランヒルズ」で見た第4世代の大京パッシブデザイン(2016/6/29)
一人暮らし環境を劇的に変える 野村不「コリビング賃貸」第一弾「品川中延」

「TOMORE(トモア)品川中延」
野村不動産は2月18日、コミュニティ運営付き大型賃貸レジデンス「コリビング賃貸レジデンス」の第一弾「TOMORE(トモア)品川中延」が竣工したのに伴うメディア向け内覧会を行い、2月22日から現地内覧会を開催し、3月から入居を開始すると発表した。
「コリビング賃貸レジデンス」は、同社の社内起業第一号案件。都内のシングル向け賃貸住宅はこの10年間で家賃は22%上昇しているにもかかわらず、20~30代の賃金上昇率は10%にとどまり、20年超の築古が71%、30人未満の小規模が95%を占めていることに着目。20~30代の社会人単身者の〝ひとり暮らし環境〟のアップデートを目指すもの。
専用面積は、シャワールーム、トイレ・洗面台を備えた12~15㎡に抑える一方で、約90㎡のコワーキングスペース、約100㎡のコリビングスペース、シェアランドリーなどの共用部を充実させているのが特徴。
1階の24時間稼働の約100㎡コワーキングスペースでは、専属運営スタッフ 「コミュニティオーガナイザー」がコミュニティ運営を行い、利用者の「居心地づくり」「交流づくり」「活動づくり」を通じ、緩やかで活発なコミュニティ形成を育む。
7階のルーフバルコニー付き約95㎡の「コリビングスペース」では、キッチンで料理をつくり、ダイニングで隣人と一緒に食卓を囲み、ソファで気ままに過ごしたりするなど様々なシーンに合った心地よい空間をデザインしている。
シェアランドリーでは、パナソニック製のドラム式洗濯乾燥機を全15台(女性専用6台、男女兼用9台)設置し、洗濯機の利用状況がアプリから確認でき、待ち時間のストレスなく利用できるランドリーサービス 「LAUNDROOM」を初導入する。
また、初期費用のうち 「仲介手数料・敷金・礼金0円」(一部条件あり)とするほか、2025年3月末までの入居申込者を対象に「1ヵ月フリーレント」の「新規入居キャンペーン」 を開催する。
2月18日現在の内覧会予約は200件超で、男女割合は女性56%、男性42%、年齢割合は20代36%、30代44%、属性は会社員が78%、居住割合はシェア型住宅が40%で、60%は一般住宅など。
内覧会に臨んだ同社住宅事業本部賃貸・シニア事業部賃貸住宅事業二課長・黒田翔太氏(36)は「現在の一人暮らしの住環境は家賃が高い、築古が多い、設備が古い、規模が小さい、(シェアハウスは)水回りがない、初期費用が高いなどハードルが高い。これらを一挙に解決するのが『コリビング賃貸』。内覧会申込者は想定した通り。これまで検討しなかった層の潜在的なニーズを開拓できている」と語った。
世界のコリビング市場規模は2022年に132億万米ドルに達し、2028年までに638 億百万米ドルに達すると予想されている。
物件は、都営浅草線中延駅から徒歩1分(東急大井町線中延駅から徒歩4分)、品川区豊町6丁目の商業地域に位置する敷地面積約577㎡、建築面積335㎡、11階建て延床面積約2,424㎡全135戸、専用面積12.00~15.01㎡(居室設備 Wi-Fi・シャワールーム・独立洗面台・トイレ、一部家具付き住戸、バスタブ付き住戸あり)。月額賃料は90,000~、共益費は15,000円、水道光熱費は13,750円。入居開始は2025年3月(予定)。設計はフォルム建築計画研究所、施工は野村建設工業。デザイン監修はUDS。

コワーキングスペース

コリビングスペース

居室

シェアランドリーイメージ図
◇ ◆ ◇
同社が昨年11月に行った事業説明会での黒田氏のプレゼンを聞いて〝これはいける〟と直感したのだが、この日の黒田氏の話を聞き、商品企画の狙いがズバリ的中したことを改めて確認した。
それは、200件超の現地内覧会希望者の属性にはっきり表れている。男女比、年齢割合もさることながら、現居住形態はシェアハウスが40%で、他は1R・1K(27%)、1LDK以上(11%)、実家(17%)、その他(5%)と多数を占めたことだ。新規需要を掘り起こしたことを証明している。
これまでにないタイプなので、検討者がどう判断するかだが、1階のコワーキングスペース、7階のコリビンズスペースがとてもいい。1階は明るく温かい雰囲気を、7階はリラックスできる空間をそれぞれ演出している。観葉植物はすべて本物で、付け梁、家具・調度品なども本物の木を多用するなど質も高い。
もう一つ、この事業の成否のカギを握るのは、入居者同士を緩やかにつなげコミュニティを育むソフトサービスだと思う。その意味でコミュニティオーガナイザーの役割は大きいし、「COMMUNITY LUNCH」「HOME PARTY」「TOMORE TALK」などの「交流体験」を育む運営が重要になる。
この日(18日)、コミュニティオーガナイザーのミライ インスティチュート・田中三浪氏(ビジネスネーム)に浅煎りコーヒーのサービスを受けたのだが、小生は「私は深煎りが好き。蒸らしは30秒」と話したら、田中氏は「これも30秒」と返した。こんな一言二言が、お互いを認め合い、仲良くなるきっかけになる。
さらにもう一つ。バイリンガルだ。これからは外国語を話せないと生きていけない。外国語を習得できるサービスがあっていい。
ハード面では、敷地面積や建築面積、延床面積からして、コワーキング・コリビングスペース、シェアランドリーなどの共用施設を充実させながら、階段は容積に算入されない外階段にするなどレンタブル比率を高くしている工夫がなされていたのに注目した。

黒田氏(手前の花は本物)

田中氏

タオル掛け付きシャワールーム(左)とバス付き

本物の花

現地

1階エントランス
社内起業第一号 シェア型賃貸×コワーキング「TOMORE(トモア)」開発 野村不(2024/11/13)
CLTの断熱性能の高さ実感 大東建託 賃貸住宅第三弾「Forterb(フォルターブ)Ⅲ」

「Forterb(フォルターブ)Ⅲ」
大東建託は2月18日、CLT賃貸住宅の第三弾「Forterb(フォルターブ)Ⅲ」の1号棟の完成現場見学会を開催した。京王線つつじケ丘駅圏の調布市に完成した3階建て全12戸。賃料はエリアのRC造と同等価格で満室稼働。外気温は6~7℃だったにも拘わらず、26℃設定のエアコン1台で居室内は温かく、CLTの断熱性能の高さを実感した。
物件は、京王線つつじヶ丘駅から徒歩10分、調布市西つつじヶ丘4丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率40%、容積率80%)に位置する敷地面積776㎡、準耐火CLT工法構造木造3階建て。住戸は12戸、専用面積は40.45㎡。賃料は13.9~14.5㎡。省エネ性能はZEH-M Oriented。満室稼働。
壁に60mmの燃えしろ層を設け、1時間準耐火構造を採用し、共用廊下の天井と居室内の一部天井と壁にCLTの現しを設置したのが特徴。木材使用料は207㎥で、うちCLTは122㎥、、国産材が172㎥。。木材全体の炭素貯蔵効果は一般家庭37世帯分の年間CO2排出量に相当する。CLTの木材は岡山県産材。
同社は2019年9月に国内初となるオリジナルCLT工法による賃貸住宅「Forterb」の第一弾を、2021年11月に第二弾の戸建て注文住宅「GrounDK(グランDK)」を、2024年5月から第三弾「ForterbⅢ」をそれぞれ販売開始。今回、第三弾の1号棟が完成した。同社は2028年までにCLT使用量を現在の8倍2,000㎥を目指している。

玄関

内装

内装
◇ ◆ ◇
満室稼働にはやや驚いた。賃料(坪単価1万円超)は高いような気がしたが、見学会場となった住居には、見学の1時間前に26℃に設定したエアコン1台がつけられていたが、全住戸内は設定温度と変わらなかったはずだ。入居者もCLTの断熱性能の高さに満足するのではないか。
率直な感想を言えば、もう少し現しの部分を増やしてほしかった。(木の構造躯体をケミカル製品で覆った場合、木がもたらす様々な効果はどうなるのかものすごく興味がある)

現地

外廊下
◇ ◆ ◇
商品説明を行った同社技術開発部次長・岡本修司氏は、賃貸住宅は入居者募集のポータルサイトでは「賃貸マンション」でなく「アパート」に該当すると話した。
この問題に少し触れてみよう。記者は「賃貸マンション」だろうと「アパート」だろうと、これは呼称の問題で、商品の質の優劣を示すものではないと思うが、実際は「アパート」のほうが劣るとみなされ、賃料設定でも安くせざるを得ない現実があるようだ。今回、同社が賃料は〝RC造と同等価格〟と強調したのはこの現実を物語っている。
いくつかのポータルサイトで「アパート」とは何かを検索してみた。
「SUUMO」は、「一般的に、木造や軽量鉄骨造などの賃貸住宅を指す。対して鉄筋コンクリート造などの耐火構造の賃貸住宅は、一般的に『賃貸マンション』と呼ばれている。アパートは、マンションのように大きく張り出した柱などがないので間取りとして使いやすいが、壁や床などが比較的薄く、隣や上の階の物音が響くことも。その分、マンションより家賃は安め」とある。
「LIFULL HOME'S」は。「集合住宅・共同住宅の一種であり、1つの建物を仕切ってそれぞれ独立した住居にしたものを指します。似た建物として“マンション”がありますが、2つの言葉に明確な違いはなく、不動産会社が独自の基準で使い分けているケースがほとんどです。アパートと呼ばれる建物の例としては、木造もしくは軽量鉄骨造である、2階建て以下である、外観の雰囲気や設備が比較的簡素であるなどがあります」とある。
「at home」は、「英語の『アパートメント(apartment)』を略した言葉。わが国では1階建てもしくは2階建ての共同住宅で、建築構造が木造または軽量鉄骨構造のものを一般的に指している。しかし最近では2階建ての共同住宅であっても、重量鉄骨構造のものがあり、また外壁・内壁も軽量気泡コンクリートパネル等としているものもある。このため、マンションとアパートの外観上・構造上の区別がつきにくくなってきている」と定義している。
皆さんいかがか。どこも似たり寄ったりだ。はっきりした定義はないとしている。「賃貸マンション」と「アパート」に分けるからこのような混乱が起きる。統一するか、別の呼称に変更すべきだと思う。
2021年12月に行われた三井ホームの「MOCXION INAGI(モクシオン稲城)」見学会の記事を添付する。
当時の同社施設事業本部事業推進室営業推進グループ長&事業推進グループ長・依田明史氏は、「これまでこの種の賃貸マンションは『アパート』としてしか募集できなかったが、プレハブ協会と大手の募集サイト運営会社がマンションの定義を決め、首都圏不動産公正取引協議会の了解を得た結果、今年12月6日からは『マンション』として募集することが可能になったインパクトは大きく、『木造=安い』というイメージ・課題が払しょくできたと話した」と書いている。参考になるはずだ。(記者はタグを「マンション」として記事をアップした)
賃料は「調布並み」でも申し込み殺到三井ホーム「稲城」の木造5階建て賃貸(2021/12/9)
1フロア1戸の全7戸 30坪で価格2.7億円 シーラ初の「渋谷富ヶ谷」早期完売

「THE SYLA SHIBUYA-TOMIGAYA(ザ・シーラ 渋谷富ヶ谷)」
シーラの同社初の分譲マンション 「THE SYLA SHIBUYA-TOMIGAYA(ザ・シーラ 渋谷富ヶ谷)」を見学した。敷地面積が約57坪の8階建て(管理人室1戸含む)全7戸-つまり、これまで前例がないと思われる1フロア1戸で、〝THE SYLA〟を冠した1戸平均2.7億円(坪単価900万円)の高額であるにもかかわらず、販売開始から3か月半で契約を完了した〝初物尽くし〟のマンションだ。快挙に拍手喝采。
物件は、東京メトロ千代田線代々木公園駅から徒歩5分、渋谷区富ヶ谷一丁目の 近隣商業地域(建ぺい率80%、容積率400%)、第1種低層住居専用地域(同60%、同150%)に位置する敷地面積約188㎡、8階建て全8戸(管理事務室1戸含む)。専有面積は90.99㎡(27.52坪)、バルコニー面積4.23㎡(1.23坪)、サービスバルコニー面積2.87㎡(0.86坪)。価格は平均2.7億円。間取りは1LDK。設計・監理はエム・エスデザイン、デザイン監修はSTUMP。施工はシーラ。建物は2024年12月に竣工済み。
分譲開始は昨年10月。ほぼ即日完売だったが、その後キャンセルが出たため最終契約は2月半ばとなった。
現地は、首都高速中央環状線と井の頭通りの交差点から一歩入った高層マンションなどが建ち並ぶ一角で、建物は1フロア1戸。敷地南西側は1低層の住宅街で、住戸はすべて東-南-西向き。
主な基本性能は、二重床・二重天井、長さ4700ミリのフィオレストーンキッチン天板+テーブル、Bosch深型食洗機、Whirlpool洗濯乾燥機、突板ヘリンボーン床仕上げ、木製玄関ドア・間仕切り壁、ワインセラー付き収納、バイオエタノール暖炉、全開口サッシ、調光機能付き照明など。共用施設は約1畳台の防災倉庫、冷凍・冷蔵機能付き宅配ボックスなど。
同社は、第一弾のマンションが好調裡に完売したことから、今後も用地が仕入れられればこの種のマンションを分譲する意向だ。

モデルルーム

主寝室
◇ ◆ ◇
冒頭、〝初物尽くし〟と書いたが、これまで40数年間、分譲マンションを見学・取材してきた記者にとっても、一戸建てを積み重ねたような1フロア1戸は見た記憶がない。多分、首都圏で初の1フロア1戸のマンションだと思う。
だが、しかし、考えてみればプライバシーを重視する人にとっては、理想のマンションかもしれない。購入者の属性も聞いたが、予想通り普通のファミリー契約者は1戸もない。同社の狙いが的中したということだろう。
シーラとクミカ(旧リベレステ)は2025年2月14日に開催した臨時株主総会で、クミカを完全親会社、シーラを完全子会社化とする株式交換による経営統合を議決。6月1日付で、クミカは社名をシーラホールディングスに変更し、シーラ取締役会長・杉本宏之氏が代表取締役会長に、シーラ代表取締役社長グループ執行役員COO・湯藤善行氏が代表取締役社長に就任する予定。
杉本氏(47)は業界の〝異端児〟として知られているようだが、記者は話を聞いた限りでは、〝異常〟なのはむしろ業界で、杉本氏は人間らしい生き方を貫いている〝正統派〟だと思う。かつてリベレステは温泉付きマンションを分譲して話題を集めた。新会社のシーラHDの今後の展開に注目したい。

エントランス

宅配ボックス(左の3ブースが冷凍・冷蔵機能付き)

エレベータ内(庫内は本物の布製)

内観(左はフィオレストーン天板、床はヘリンボーン、正面に暖炉)

南西側の全開口サッシからは富ヶ谷、松濤方面の邸宅街が見える)

主寝室の収納(下部は19着が収納できるスラックス・ズボンハンガー、上部はジュエリーボックス)
信頼性・透明性・認知度の向上へ不動産クラウドファンディング協会統合記念式典(2024/12/12)
住友林業と大東建託 幅広い分野で業務提携 国内最大級の2×4材製造目指す

光吉氏(左)と竹内氏
住友林業と大東建託は2月13日、両社の企業価値向上と脱炭素社会の実現に向け森林から住宅・不動産まで国内外の幅広い事業分野で業務提携することに基本合意したと発表した。合意したのは①海外事業分野②国内事業分野③木環の杜・国産材関連分野④その他。
提携の第一弾として、大東建託が住友林業子会社の木環の杜(こわのもり)(本社:福島県いわき市)に出資。地域のステークホルダーとも協働し国産構造用製材(ディメンション材※)の安定した供給・調達体制を構築し、国産材の利活用拡大と付加価値の最大化を図る。木環の杜が新設する四倉工場(福島県いわき市:2026年3月稼働予定)は年間原木投入量11万㎥を計画し、国内最大規模となるディメンション材の製造を目指す。
住友林業代表取締役執行役員社長・光吉敏郎氏は「木材の付加価値最大化と国産材の利用促進に向けた木材コンビナートの設立を掲げており、第一弾が木環の杜でのプロジェクトです。賃貸住宅の最大手である大東建託様と木造注文住宅を手掛ける当社の協業で質の高い国産材の構造用製材を供給し、国内林業の活性化に寄与していく」と、大東建託代表取締役社長執行役員CEO・竹内啓氏は「当社は2007年に地産地消による国産ディメンション材の利活用を開始しました。この度、住友林業様と森林から住宅・不動産まで国内外の幅広い事業分野において協業し、脱炭素社会の実現に貢献していきます」とそれぞれコメントを寄せている。
※ディメンション材とは「2×4(ツーバイフォー)材」をはじめとする構造用製材。主に木造枠組壁工法(2×4工法)による住宅に使用されている
大和ハウス 新社長・COOに取締役専務執行役員・大友浩嗣氏 芳井社長は会長へ

大友氏
大和ハウス工業は2月13日、新しい代表取締役社長・最高執行責任者(COO)に取締役専務執行役員・大友浩嗣氏が、現在の代表取締役社長・最高執行責任者(COO)・芳井敬一氏は代表取締役会長・最高経営責任者(CEO)・海外本部長にそれぞれ4月1日付で就任すると発表した。異動の理由は、次期中期経営計画を見据え、経営体制を変更することで、国内外での事業展開を更に加速させるためとしている。
大友氏は、1959年8月31日生まれ。1984年12月、同社入社。2011年4月、執行役員、2015年4月、常務執行役員、2022年10月、経営管理本部経営企画部長、経営戦略担当、2024年4月、取締役専務執行役員に就任(現)。
◇ ◆ ◇
同社が社長交代のリリースを発表したのは2月13日の午後2時過ぎ。ちょうどその時、記者は三菱地所ホームの神戸元町の一等地での木造2階建て延床面積約20坪のメディア向け見学会に出席していた。
異動のニュースを知ったのは午後7時過ぎだった。リリースには、同日午後5時から大阪証券取引所ビルで芳井氏と大友氏が同席して記者会見を開くとあった。残念至極。神戸から移動しても楽々間に合った。SNSなど一度も利用したことがない弊害がこんなところで現れた。
同社のこれまでの社長の任期からして、交代は近いと見ていた。最近の芳井氏の動き言動からして〝仕上げ〟の段階にあると思っていた。
柏駅圏最大389戸 18坪(62㎡)の新型3LDKに注目 総合地所「ルネ柏ディアパーク」

「ルネ柏ディアパーク」
総合地所が京成電鉄、FJネクストとともに共同で分譲している「ルネ柏ディアパーク」を見学した。柏市指定の「景観重点地区」内に位置していることから緑地率を23%確保し、ZEH-M OrientedとABINCの認証を受け、全389戸のうち約9割に可動収納ユニット「UGOCLO(ウゴクロ)」を採用し、新型コンパクト3LDKプランを提案しているのが特徴。
物件は、JR常磐線柏駅から徒歩15分(バス約9分「向原住宅」バス停徒歩1分)、柏市豊四季台1丁目の第一種中高層住居専用地域に位置する敷地面積約13,972㎡、14階建て全389戸。先着順で販売中の住戸(25戸)の専有面積は62.43~84.61㎡、価格は4,188万~7,598万円(最多価格帯5,400万円台)、坪単価250万円前後。竣工予定は2026年8月中旬。設計・施工は長谷工コーポレーション。販売代理は長谷工アーベスト。
現地の従前はUR都市機構の賃貸住宅で、2023年5月に同機構の入札により用地を取得。建物はコの字型で、東向き、南南西・南西向き、西向きがそれぞれ3分の1ずつ。
物件ホームページ開設は昨年4月で、これまでの反響数は約800件、モデルルーム来場者は約360件(1/19現在)。うち約6割が地元からの反響・来場。販売開始は昨年12月で第1期として100戸を供給し、これまで70戸を成約している。
主な基本性能・設備仕様は、ZEH-M Oriented認証、ABINC認証、市条例の14%を上回る23%の緑地率、直床、リビング天井高2500ミリ、ディスポーザー、食洗機、可動収納ユニット「UGOCLO(ウゴクロ)」、「U’s スタイル」など。共用施設はパーティールーム、マルチラウンジ、ゲストルーム、サウナルーム、スタディラウンジ、ランドリールームなど10施設。管理会社管理者方式「smooth-e(スムージー)」も採用している。
開発担当の同社分譲事業部マンション開発部開発1課課長・石井大祐氏は「戸数は柏駅圏最大級で、当社の物件としては全439戸の『ルネ横浜戸塚』に次ぐ規模。(記者の「遠い」という質問には)、物件のすぐそばには、通勤時間帯は2~3分置き、1日約200本が運行されている豊四季エリアの玄関口となるバス停『向原住宅』がある。来場者に対する成約率は23%と高い。(この単価帯の競合物件はかなりあるという質問には)共用施設を充実させ差別化はできている。今後、中広域からの集客を目指す」と語った。

模型(バス停「向原住宅」があることが分かる)

説明する石井氏
◇ ◆ ◇
記者は、間口5400ミリ(フレーム奥行き1148ミリ)の62.43㎡(18.88坪)の新型コンパクト3LDKプランに注目した。全戸数の13%に当たる50戸で、リビングダイニングが約9.7畳大、キッチンが約3.6畳大で、洋室は約5.9畳大、約3.8畳大、約3.5畳大の3室。価格は4,000万円台の前半だろう。
今から10数年前の3LDKといえば73~74㎡が〝標準〟とされていた。その後、用地・建築費が上昇する一方で、実質賃金が底這いを続けたことから、デベロッパー各社は専有面積圧縮などで価格抑制に努めてきた。しかし、このところの建築費高騰は多少の専有圧縮では対応できなくなっている。
今回の物件で81㎡と62㎡の新型3LDKのモデルルームを設けたのは、建築費高騰対策として、さらにまた潜在的なニーズを掘り起こし、今後の展開に生かそうという狙いがあるはずだ。
モデルルームを見てすぐ、これは支持されると思った。何がいいか。吊り型クロゼットやランドリークロゼットを配することでスペースを有効に活用していることと、キッチンは壁付けとし、リビングとの間に広いカウンターを設け、カウンターにダイニングテーブルを配した提案だ。LDKは13.3畳大だが、もう一つの81㎡のモデルルームの約15畳大のLDKとそん色がなかった。(ポラスの「ピアキッチン」がどうして人気なのか考えていただきたい)
同社によると、第1期で供給した9戸は全て完売したという。購入者の中には5人家族もいたという。(ナイスがかつて70㎡の4LDKを供給したのをご存じか)

62㎡(D2タイプ)モデルルーム

62㎡(D2タイプ)間取り
◇ ◆ ◇
同社のマンション見学会には、同業の見学会にはないものが一つある。配布される資料は微に入り細を穿つ-完璧だ。〝価格は未定〟などと消費者や記者を馬鹿にするようなことはしないし、どんな質問にも丁寧に答える。
今回、小生が見学する前にメディア向け見学会が行われている。その際の記者と同社のQ%Aの資料がある。記者の質問は「竣工はいつか」「入居はいつか」「共用部には何があるか」「新型コンセプトは従来の60㎡台の3LDKと何が違うか」など、物件ホームページや概要を読めばすぐわかる、馬鹿馬鹿しい質問(要するに質問する記者は何もわかっていないことを露呈している)にもきちんと答えている。
的を射た質問では「近郊エリアでのマンション市場は? 価格相場、本物件の値付けの理由など」があり、同社は「同駅で住友不動産、三井不動産レジデンシャルが分譲中。沿線手前の松戸駅や流山市内の物件価格が大きく上がっており、本駅でも5,000万円前後の価格帯も相場内」と答えている。
この答えの成否は記者も分からない。質問自体、周辺物件を見ていなければあまり意味がない。小生が師と仰ぐ故・佐藤美紀雄氏はこのような場合、駅の反対側の徒歩15分のマンションが分譲されていれば、アポなしでモデルルームを見学した。担当者がまごつくと「私が何者かわからないのか」とすごんだ。歩くスピードは小生の2倍あった。タクシーを利用することはなかった。
柏駅や流山おおたか駅で駅近マンションが供給されれば坪単価は400万円を超えるかもしれないが、一方で坪250万円前後のマンションはかなり供給されている。戸建てや中古マンションとの競合も避けられない。
販売開始1か月で半数以上成約・申し込み東武鉄道&大和ハウス「新柏」114戸(2024/4/25)
感動の金児氏vs宮崎氏トーク全196戸のポラス「柏」3カ月で100戸成約(2020/10/10)
「二度とできない設備仕様レベル」長島部長総合地所「横浜戸塚」第1期108戸成約(2020/1/29)
坪245万円に納得コロナ禍で半分以上を成約三井不動産レジ「柏タワー」(2018/3/14)
容積率800%の元町の一等地 10坪の狭小敷地に木造2階建て店舗 三菱地所ホーム

「MOTOMACHI Wood Terrace」
三菱地所ホームは2月13日、非住宅木造かつ都市木造の先駆けと位置付けるプロジェクト「MOTOMACHI Wood Terrace」のメディア向け完成見学会を行った。神戸元町の容積率が800%の防火・商業地域に位置する敷地約10坪の木造2階建てで、延床面積を100㎡以下にすることで準耐火建築物とし、構造躯体を現しにし、環境にも配慮しているのが特徴。テナントは木造建築物と相性がいい天然素材を扱うアパレル企業で、〝相思相愛〟のプロジェクトでもある。
物件は、JR神戸線元町駅から徒歩3分、兵庫県神戸市中央区元町通1丁目の商業地域(容積率800%)に位置する建築面積34.38㎡(10.39坪)、延床面積68.13㎡(20.60坪)の木造軸組み工法2階建て。用途は店舗(テナント:マザーハウス)。
現地は、鯉川筋と元町北通りに面した一等地で、目の前はすぐ大丸神戸店。狭小敷地であるため、道路斜線制限と隣地斜線制限により4階建てくらいにしかならず、エレベータを設置すると店舗面積が確保できない難点を抱えていた。
この課題を解決するため、準耐火建築物が可能な木造2階建て100㎡以下とし、構造躯体を現しとした。同規模のRC造と比較して80%以上のCO2排出量を削減した。
建物デザインは、人通りが多い角地であることから木材の素材感が外からも感じられるよう二方向をガラス張りとし、ガラス面を大きく見せられるよう天空に向け張り出すようにしている。内装は、店舗内の1・2階の間にCLT(Cross Laminated Timber)を採用し、オウシュウアカマツの構造梁をたすき掛けの現しにすることで、見上げの美しさを演出している。
見学会に臨んだ同社代表取締役社長・ 細谷惣一郎氏は、「みやこ下地島空港ターミナル」「ザ ロイヤルパーク キャンバス 札幌大通公園」「CLT PARK HARUMI」「江北小路」など三菱地所グループのこれまでの中大規模建築物の木造・木質化の取り組みを紹介し、「当社は注文住宅、ソリューション、リフォームを3本柱として事業を展開しており、今年は『エアロテック』発売開始から30年を迎える節目の年。『MOTOMACHI Wood Terrace』は小さな一歩ではあるが、これを足掛かりに大きなプロジェクトに挑戦していく」と語った。
都市木造・ソリューション事業領域の常務執行役員 都市木造技術推進部長・越川喜直氏は、今回のプロジェクトは収益性とデザイン性、環境配慮の視点から木造2階建てにしたのがポイントであることを紹介し、「自然素材を扱うマザーハウスさんとはコンセプトが一致し、ほぼ即決で入居を決めていただいた」と語った。
営業担当の同社営業開発第一部長・鈴木正人氏は「プロジェクトがスタートしたのは2年半前。狭小敷地であり、建築費高騰の問題を抱えていたが、マザーハウスさんは早い段階から入居を決めていただいて、ともに進めてきた。着工は昨年7月、12月に完成。その後、内装工事などを行い、今回の引き渡しとなった」と説明した。
マザーハウス代表取締役副社長・山崎大祐氏は、「10年くらい前からこのような店舗を探していた。対面に大丸神戸店があり、ここは特別な立地。限られた面積ではあるが、自然素材を大事にしている当社と木造は相性がいい。ガラス張りなのも視認性が高く、完成してほっとしている」と語った。

左から細谷氏、越川氏、鈴木氏
◇ ◆ ◇
記者はこれまで、敷地面積が30坪以下のミニ開発などをかなり取材してきたが、今回のような敷地面積がわずか10坪の狭小敷地のソリューション事業を取材するのは初めてだった。往復8時間以上もかけて取材する価値があるのかとためらいもあったが、首都圏から約10人のメディアが参加するというので取材した。
見学会の冒頭、司会の同社広報担当・横須賀直人氏は「いつも通り、分かりやすく説明しますので大きく取り上げていただきたい」と話したのでその通りにしたつもりだ。
細谷社長、越川常務の話はよくわかったし、RBA野球で活躍した同社の名物監督・鈴木氏の説明も完璧で、マザーハウス副社長の山崎氏のコメントもまた素晴らしかった。なぜ20坪の木造にしたのか、その謎も解けた。今回の店舗を含めエリア一角は古い建物ばかりだった。早晩、再開発の計画が持ち上がるはずだ。そうなれば元町エリア最高峰の建築物になるのは間違いない。10年先か20年先か。同社はその布石を打ったのではないか。

1階店舗

オウシュウアカマツの現し集成材

この1~2階部分はCLT

山崎氏
◇ ◆ ◇
これはおまけ。マザーハウスの店舗内には値段が高そうな皮商品がたくさん展示されていた。小生の財布と同じサイズの財布を比べてみた。小生の財布はとても貧相に見えたので、すぐ引っ込めた。うちに帰ってかみさんに話したら、マザーハウス? 知ってるわよ。バングラデシュでしょ。あなたの財布もAquascutum。高くはないけど安物じゃない」と自慢げに話した(日高屋で食事をするといくらも残らないお金しか入れてくれないが)。

2階店舗(手前の財布は小生のそれと値段は同じくらい)

現地
素晴らしい!親子&木製シースルー玄関ドア三菱地所ホーム「江北小路」完成(2023/9/28)
三菱地所グループ総力結集国内初の高層ハイブリット木造ホテル札幌で着工(2020/3/26)
容姿端麗・眉目秀麗三菱地所×隈研吾「CLT PARK HARUMI」14日運用開始(2019/12/5)
工期短く堅牢、高い断熱性能、脱炭素にも貢献 三井ホーム「NLTコンテナ」販売開始

「NLTコンテナ」
三井ホームは2月12日、埼玉県加須市の同社埼玉工場で「NLTコンテナ」現場見学会を開催し、2025年2月から本格販売を開始したと発表した。同コンテナは15㎡で、価格は250万円(坪52万円)から。持家の着工戸数が減少する中、木造に注目が集まっていることを追い風に、非住宅のメニューの一つに加えようというのが狙いだ。
NLTとは、ネイル・ラミネイテッド・ティンバーの略称で、隣り合わせにした2×4材の側面を釘打ちすることを繰り返し束ねパネル形成したもの。同社の木造マンション「MOCXION INAGI(モクシオン稲城)」の一部の床根太としても採用されている。
工期は約7日間と短く、強固で断熱性能が高く、接合方法にはボルト・ナットを採用することで再利用が可能で脱炭素社会にも貢献し、3階建てにすることもできるのが特徴。
想定される用途はリゾートホテルバンガロー、グランピング施設の客室、事務所、展示会ブース、移動販売店舗、カフェ、離れ・勉強部屋など。
試作棟は幅6.7m×奥行き2.4m×高さ2.4m、重さ4t。構造は木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)、用途は木造コンテナ、工期は約7日間~(仕様により変更有)、価格は250万円(税別)~。設計・施工は三井ホーム。木材利用量は7㎥、炭素貯蔵量は4t-CO2、スギの木に換算すると約8本に相当する。

コンテナ内部

NLT部材
◇ ◆ ◇
同じような商品は、三井不動産の「HUBHUB(ハブハブ)プロジェクト」、ミサワホームの「MISAWA UNIT MOBILITY『MOVE CORE』」を見学取材しているが、今回の「「NLTコンテナ」も負けず劣らずだ。試行段階のため、同社は具体的な販売目標は示さなかったが、確かな手ごたえを感じているようだ。無限の可能性を秘めていると思った。
何がいいか。まず、床も壁も天井も全てが木造ということだ。外壁は群馬県産材、内装壁は福島、栃木、茨城にまたがる八溝山脈産材のスギ材。中に入ると甘い香りが鼻腔を満たした。
断熱性能も高い。同社は具体的な断熱性能の数値を公表しなかったが、寒冷地の基準をクリアする自信を見せた。鉄骨造などとは比べようもなく優れている。
問題の価格だが、同社木材建材事業本部施設建材営業部施設営業グループ兼木構造研究所主任・山本剛氏は「(ゼネコンなどの)類似品と比較して高くはない。価格が商談を進めるうえでネックにはなっていない」と自信をのぞかせた。
記者は法令上の制限などはよくわからないが、トレーラーで運べるということのようだ。土地に定着させなければ建築物に該当しないから、固定資産税、都市計画税の課税対象にもならない。
山本氏は10㎡を超えると建基法の確認申請が必要との主旨の説明を行ったが、ならば、これを2つに分けるとか、6畳大(9.9㎡)のコンテナを開発して販売してはどうか。爆発的に売れるのではないか。記者なら、施設を回転式にして、太陽光を追尾し、窓面はいつも自然光を取り入れるようにするし、朝昼晩、四季によって自由に向きを変えられるようにする。
今回の見学会では、もう一つ、驚くべき光景を目の当たりにした。埼玉工場(敷地面積約4.7ha)内の25m×40m(約1,000㎡)の施設も公開されたのだが、全て一般で流通している木材を使用して建てられたものだった。普通の鉄筋、鉄骨、木造在来だったら至るところに大きな柱や梁があるはずなのに、それらは一つもなかった。その隣の約600㎡の「スマート倉庫」は大工さん2人がわずか3週間で完成させたという。

見学会(埼玉工場で)

説明する山本氏

工事用内の現しの天井
ミサワホーム 「いつも」「もしも」ZEH対応 トレーラーハウス「MOVE CORE」発売(2023/8/24)
「柳屋」に勝てるか 旅館業&トレーラーがミソ 三井不「HUBHUB 日本橋人形町」(2021/11/18)
三菱地所 生産者-産地-消費者つなげる屋外空間「バスあいのり3丁目テラス」開業(2020/9/5)
都心3区の成約件数は首都圏全体の7% 成約価格は全体の17% 東日本レインズ

東日本レインズのデータは、首都圏中古マンション坪単価はすさまじい勢いで上昇し続けていることを示している。
ただ、首都圏をエリア別にみると、東京都心3区(千代田区、中央区、港区)の価格高騰が全体の価格を引き上げており、郊外はそれほど上昇していないことも分かる。この1年間のエリア別坪単価の推移を別表・グラフに示した。
これによると、首都圏全体では2025年1月の中古マンションの坪単価は270.2万円で、前年同月比7.8%上昇している。エリア別にみると、都心3区は722.9万円(前年同月比30.8%増)、東京都区部407.8万円(同13.7%増)、東京都多摩185.5万円(同4.5%減)、神奈川県194.4万円(同1.1%増)、埼玉県139.7万円(同2.5%減)、千葉県136.3万円(同4.9%増)となっている。
もう少しデータを詳しく見ると、都心3区の成約件数は218件で首都圏全体の成約件数に占める割合は6.7%、平均成約価格は13,275万円で首都圏全体の成約価格に占める割合は17.3%になる。
この数字をどう見るかだが、記者は都心部の一等地は坪1,000万円どころか2,000万円、3,000万円に上昇すると見ているので、中古マンションはその7掛けとして現在の価格はわからないでもない。一般的な取得層の取得限界ははるかに超えているが、市場とはそのようなものだ。投機的な需要が価格を押し上げるのは十分理解できる。得をするのか損をするのか、それはわからない。
郊外はどうか。新築マンションは土地代がタダでも坪単価は200万円を突破しつつある。記者は、一般的な需要層の購入取得限界は坪250~300万円とみている。現在の住宅ローン金利水準が継続されればという条件はつくが、相対的に賃貸住宅の賃料が高く、面積を中心とする質の向上も期待できない現状を考慮すると、現在の中古マンションの坪単価はまだ上昇の余地があると見ている。
課題は、中古マンションの断熱性能を引き上げることと、管理組合運営を理事会方式から管理業者管理方式に切り替えることで、組合員の負担を軽減することではないかと考えている。
買取再販業者には、水回りのリフォームだけでなく、窓ガラスの断熱性能を高めてほしい。断熱フィルムを張るとか、断熱ガラスに改修すべきだと思う(区分所有法、標準管理規約上も可能になっている)。
管理業者管理方式の採用については、利益相反を懸念する声もあるが、仮に管理業者がそのようなことを行ったら、その会社だけでなく親会社、業界の大問題に発展する。そのような愚は冒さないはずだ。管理会社と組合のWin-Winの関係は構築できるはずだ。報酬(組合員の負担)も相場とされる1,000円/月というのも理事の負担を考えれば妥当な金額ではないか。
2025年1月の中古マンション・戸建ての約件数は2けた増東日本レインズ(2025/2/11)

