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 三井不動産は5月10日、2024年3月期決算を発表。売上高2兆3,832億円(前期比5.0%増)、営業利益3,396億円(同11.2%増)、経常利益2,678億円(同1.0%増)、純利益2,246億円(同14.0%増)となり、いずれも業績予想を上回り、売上高は12期連続、各利益は2期連続して過去最高を更新した。年間配当は84円(前期62円)に増配。

 セグメント別では、賃貸事業は売上高8,150億円(前期比597億円増)、営業利益1,678億円(同180億円増)。前期に竣工した「50 Hudson Yards(米国・オフィス)」の収益・利益の拡大に加え、既存商業施設の売上伸長や「ららぽーと門真・三井アウトレットパーク 大阪門真」の新規開業が寄与した。2024年3月末の単体首都圏オフィス空室率は2.2%(前期末3.8%)。

 分譲事業は、売上高6,276億円(前期比140億円減)、営業利益1,319億円(同138億円減)。国内分譲住宅は増収増益となったが、投資家向け・海外住宅分譲などが前期の物件売却の反動や、米国物件における利上げに伴うキャップレートの上昇などによる評価損の発生により減収減益となった。国内分譲マンション計上戸数は「HARUMI FLAG」(事業比率は非公開)など3,280戸(前期比84戸増)、1戸当たり価格は8,554万円(同1,181万円増)、戸建ては420戸(同増減なし)、1戸当たり価格は8,057万円(同251万円減)。完成在庫は中高層が24戸(前期末は55戸)、戸建てが22戸(同7戸)の合計46戸(同89戸)。国内マンションの次期計上予定の3,650戸に対する契約進捗は84.4%で、過去最高スタート。

 マネジメント事業は、売上高4,628億円(前期比169億円増)、営業利益662億円(同29億円増)。リパークが増収増益となり業績に寄与した。三井不動産リアルティは取扱高1兆9,345億円(前期1兆9,184億円)、取扱件数38,680件(同39,106件)。

 施設営業は、売上高1,945億円(前期比499億円増)、営業利益263億円(同300億円増)。ホテル・リゾートのADRが大幅に上昇したほか、東京ドームの稼働日数・来場者数の増加などが業績を押し上げた。

 次期予想は、売上高2兆6,000億円(前期比9.1%増)、営業利益3,400億円(同0.1%増)、経常利益2,600億円(同2.9%減)、純利益2,350億円(同4.6%像)を見込む。年間配当は30円(前期末84円、同社は2024年4月1日付で1株につき3株の株式分割を行っており、実質的に90円)に増配する予定。

 決算説明会で同社は「HARUMI FLAG」の事業比率は非開示で、都の契約についても回答できないと答えた。

 小池都知事は2019年7月26日、「(HARUMI FLAGの)最終的な住宅分譲販売収入が当初の想定を1%以上上回った場合、増収分の半額を特定建築者が東京都に追納することで合意した」と語っている。

 

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Asu-haus(アスハウス)」モデルハウス

旭化成グループの20243月決算は、売上高2兆7,849億円(前期比2.1%増)、営業利益1,407億円(同10.2%増)となり、セグメント別では「住宅」(旭化成ホームズグループ+旭化成建材)の売上高は9,544億円(同6.2%増)、営業利益は830億円(同10.0%増)となり、旭化成全体の売上高の3分の134%)、営業利益の2分の1超(59%)を占めた。「住宅」の2024年度売上高予想は1兆円、営業利益900億円を見込む。

旭化成ホームズグループは、売上高9,129億円(前期比6.2%増)、営業利益795億円(同7.6%増)で、双方とも3年連続過去最高を更新。セグメント別では建築請負部門は減収減益となったが、不動産部門、リフォーム部門、海外事業部門が増収増益となった。20253月期は売上高9,600億円(前期比5.2%増)、営業利益860億円(同8.1%増)を予想。

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旭化成ホームズは510日、木造戸建て住宅の新ブランド「Asu-haus(アスハウス)」を立ち上げ、同日から販売を開始したと発表。61日には宿泊体験が可能なモデルハウスを東京都日野市にオープンする。

Asu-haus(アスハウス)」は、木造軸組工法(平屋~2階)の切妻屋根で、断熱等級7Ua0.26W/㎡・K以下)、耐震等級3、耐風等級2。坪単価は135万円から。家庭用エアコン1台稼働で快適性が保たれる全館空調を採用。販売棟数は2024年度16棟、2025年度25棟を上限とする限定販売。販売エリアは東京都城南・城西地区、都下の一部。展示場は東京都日野市多摩モノレール甲州街道駅圏(公式サイト:https://www.asahi-kasei.co.jp/asu/index.html/

同社・川畑文俊社長は「2年前から『ニセコミライ』を通じて木造建築のノウハウを学んできた。別部隊を立ち上げてトライアルする。(住宅の木質化は)時代の流れ。どのように評価されるか結果を待って本格参入するかどうかを決める」と語った。

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旭化成ホームズグループの20243月期決算は、戸建て・集合住宅の大型化・高付加価値化が奏功し、不動産部門やリフォーム、海外事業が伸びた。

戸建て・集合住宅の大型化・高付加価値化1000尺は、ここ数年の取り組みから予想できたことだ。2020年に発売された富裕層向けの「RAUMFREX(ラウムフレックス)」に驚愕したが、20234月発売の「RATIUS|GR(ラティウス ジーアール)」も順調に受注を伸ばしたようだ。分譲マンションも利益率が高い都心部へシフトしている。

 今回の木造注文住宅へのチャレンジ・トライアルも全然驚かない。2年間で41棟の受注目標は、1か月で1.7棟だ。戸建て住宅と「木造」は極めて親和性が高い。多分、大楽勝だろう。(モデルハウスをメディアに公開するというから、しっかり商品企画をチェックしたい)

同社は20224月に発表した中期経営計画「2030年のあるべきVision for 2030」で、新ビジネスの仕込みを打ち出した。当時の事業ポートフォリオは、売上高7,865億円(2024年度は9,600億円)のうち「建築請負部門」が51.3%(2024年度は43.5%)、「不動産部門」が23.2%(同23.3%)、リフォーム部門が6.7%(同6.3%)、「海外事業部門」が18.6%(同26.5%)だ。海外事業は大幅に伸びてはいるが、「その他」の部門はほとんどゼロに近い。

木造戸建て事業が「その他」になるかどうかはわからないが、参入障壁はゼロに近く、「へーベル」と「アトラス」のブランド力をもってすれば目標達成は容易なはずだ。

アーチ型天井と列柱の無柱空間に驚嘆 旭化成ホームズ 「新宿」に富裕層向けモデル(2020/6/16

 東急不動産ホールディングスは510日、2024年3月期決算を発表。売上高11,030億円(前期比9.7%増)、営業利益1,202億円(同8.9%増)、経常利益 1,103億円(同10.9%増)、純利益685億円(同42.1%増)となり、売上高、営業利益、経常利益、純利益は、ホールディングス体制への移行前も含めて過去最高を記録。中期経営計画の最終年度である20263月期の営業利益目標1,200億円、純利益目標650億円を2年前倒しで達成した。

セグメント別では、都市開発事業は売上高3,654億円(前期比5.6%増)、営業利益532億円(同9.3%減)。202311月に竣工した「Shibuya Sakura Stage」を除くオフィスビル・商業施設の空室率は1.1%。分譲マンションは「HARUMI FLAG」など1,280戸(前期は2,194戸)を計上し増収となったが減益。期末完成在庫は127戸(前期末200戸)と改善。マンションの次期売上予想996戸に対する契約済み割合は74%(同8ポイント減)。

戦略投資事業は売上高1,080億円(前期比37.1%増)、営業利益151億円(同0.8%減)。再生可能エネルギー事業、インドネシアの分譲マンションの計上戸数増などから増収となったが、北米における費用増加などからセグメント全体では増収減益となった。

管理運営事業は、売上高3,715億円(前期比10.2%増)、営業利益228億円(同85.8%増)と大幅増益。

不動産流通事業は、売上高2,856億円(前期比8.6%増)、営業利益385億円(同14.4%増)と大幅増収総益。不動産仲介取扱高は1,872億円(同230億円増)、仲介取扱件数は30,265件(前期は29,577件)。

20253月期予想は、売上高11,300億円(前期比2.4%増)、営業利益 1,300億円(同8.1%増)、経常利益1,175億円(同6.4%増)、純利益700億円(同2.1%増)。年間配当は32円(前期は31円)の増配を予想している。

 
 
 

 

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「種音(たね)」プロジェクト 

 ブルースタジオは5月11日、練馬区田柄3丁目の新築賃貸住宅「種音(たね)」のメディア・事業者向け上棟時現場見学会を行った。光が丘駅に近いことから宅地化が進み、緑被率が低下しているエリアの地域課題に向き合い、コミュニティ醸成にも配慮した店舗併用賃貸住宅を整備するプロジェクト。見学会では地域住民を対象としたお餅、お菓子まきも行われた。

 物件は、都営大江戸線光が丘駅から徒歩12分、練馬区田柄3丁目の第一種中高層専用地域・第一種低層住居専用地域に位置する敷地面積約1,200㎡、木造2階建てA棟4戸、B棟9戸の合計13戸。店舗兼用住宅/店舗併用住宅の専用面積はA棟が70.16~76.78㎡(店舗・アトリエスペース:23.27〜31.49㎡)、B棟が46.78~69.56㎡(同:10.09・17.64㎡)。建築主はGRAT。建築設計はブルースタジオ、設備設計はEOSplus。施工は大和工務店。竣工は2024年10月の予定。「HEAT20グレード3」の取得を予定している。

 約1,200㎡の敷地に残っている母屋、既存樹木・庭木、漬物石などをそのまま残し、あるいはデザインにと煮込み、原風景の屋敷林の歴史・文化を継承し、店舗併用賃貸住宅によって地域のコミュニティ向上に貢献する狙いもある。

 プロジェクトについて、ブルースタジオ専務取締役クリエイティブディレクター・大島芳彦氏は、「田柄地区は練馬大根の漬物の産地で、戦時中は戦地で重宝がられた軍需産業として栄えた。昭和の40年代ころまでは漬物屋を中心とする屋敷林が残っていた。その後は宅地化が進み、区内でもっとも緑被率の低下が著しい地域となっている。この地域の歴史・文化を継承し、かつ地域のコミュニティを重視する『なりわい賃貸』提案が、オーナーの上野さん(達也氏=42)の『自分たちの敷地の中で家族のように暮らしたい』という意向と一致した。HEAT20のグレード3は賃貸ではそうないはず」と話した。

 同様の店舗併用住宅の小田急バスとの「hocco(ホッコ)」の効果も大きいようで、大野氏は「大手ゼネコンやハウスメーカーとも相談していたが、『hocco』を見学してから計画が進んだ。敷地内に予定している店舗はかみさん主導ですが、私としては酒類も提供したいし、前職のアパレルの経験を生かした古着屋を考えている」と語った。

 見学会には小田急バス取締役不動産ソリューション部長・下村友明氏も私服で顔を見せており、「hocco」の第二弾「深大寺」を着工したことを明かした。

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計画図

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大島氏

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 「hocco」と似たプロジェクトだが、一低層に位置する「hocco」は店舗などの建築は禁止されているのに対し、今回の物件は道路に面した敷地は一中高なので店舗建設が可能になったのが異なる。将来、母屋をどうするかは決まっていないようだが、市の歴史・文化施設として保存するのもいいのではないか。(ポラスの「蔵」がそうだ)

 環境配慮にも力を入れているのもいい。大島氏は「HEAT20のグレード3は賃貸ではそうないはず」と語ったが、同社・水越俊宇氏は「区の指導で緑被率25%を確保するよう求められているが、新たに樹木を植えるので余裕でクリアできる」と語った。記者の希望は最低で30%、できれば40%を目指してほしい。

 賃料はいくらになるかわからないが、1,200㎡(363坪)をわが家の庭のように利用でき、かつて経験したことがない「「HEAT20 グレード3」の居住性を享受でき、地域と緩やかにつながる価値をお金に換算したらいくらになるのか。新築マンションだったら坪単価は300万円はする。賃料をはじいていただきたい。

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手前の漬物石とその奥の庭木も利活用される

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建物の南側のケヤキの大木(藤井氏の熱弁に拍手鳴りやまず 会場100人+オンライン180人 三鷹で講演会記事と一緒に読んでいただきたい)

裏山の借景活かし断熱等級6クリアブルースタジオ賃貸住宅「SUNKA(サンカ)」(2023/12/26)

爛漫の春満喫「hocco(ホッコ)」イベントに1000名超小田急バス×ブルースタジオ(2022/4/2)

出来すぎだ!焼杉!見どころ多い小田急バス×ブルースタジオ「hocco(ホッコ)」(2021/10/7)

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「身近な樹木にヒントがあった!【温暖化で熱い路面を20℃下げる方法】を街路樹の研究者に聞く」(三鷹市市民協働センター)

 ミライアクションみたかは5月11日(土)、千葉大学名誉教授・藤井英二郎氏と特別ゲストに「コモンズの緑を守る全国ネット」共同代表のロッシェル・カップさんを招いた講演会「身近な樹木にヒントがあった!【温暖化で熱い路面を20℃下げる方法】を街路樹の研究者に聞く」を行った。会場となった三鷹市市民協働センターには定員の70人を大幅に超える100人超が参加。オンライン参加者約180人と合わせ約280人が視聴した。予想外の参加者の多さに、主催者は急きょ席を増やしたり配布資料を増刷したりするのに奔走していた。

 講演会は2部構成で、藤井氏は「強剪定はダメ」「枝先は残さないといけない」「(市職員は)素人集団になっちゃった」「左脳は言語論。ここにヒントがある」「地下支柱も問題」「三鷹の宝」「天文台は自然の宝庫」などとトータルで2時間近く熱弁をふるった。講演終了後も人気アーティストのコンサートのように拍手が鳴りやまなかった。

ミライアクションみたかは、三鷹市在住の仲間数人で地域の問題解決のため今年から立ち上げた任意団体。517日から52423時まで、今回の講演会の録画配信を次の通り行う。https://youtu.be/YKHRIwIs6zY

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藤井氏

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 三鷹市の街路樹について藤井氏は、「天文台もそうですし、井の頭もそうです。あれだけの緑地があって、間をつなぐ街路樹をしっかり整備すれば、素晴らしい都市になる。それをぜひ実現していただきたい。三鷹市のポテンシャルは極めて高い。そんなに経費は掛からない。街路樹の剪定の仕方を変えるだけで劇的に変わります。昨日見た隣の武蔵野市の剪定はよくできていた。三鷹市はその点を見直さないといけない。そうすれば仙台がそうなったようにまちは劇的に変わる」とエールを送った。

 最後に藤井氏は、「強剪定された街路樹をみて多くの人々は無意識でストレスを感じているんです。感じていながら気づいていない。これは不幸でしょ。無窓疎石は『山水に得失なし 得失は人の心にあり』と言ってるんです。山水は庭です。庭に良し悪しはないよ、良し悪しは人の心の中にあるんだよと。街路樹もそうです。強剪定された街路樹は委縮した心と社会の表れです。だから、木とお互い様だよ、共認している生き物としての感覚でいえば、涼しくもなるし、心も豊かになる。そういう社会を目指そうじゃありませんか」と締めくくった。拍手が鳴りやまなかった。

 ロッシェル・カップさんは、神宮外苑の樹木伐採計画が発表されて以降、同時多発的に同様の問題が起きているとし、イギリス発祥のPark-PFIについて、「イギリスでは不人気なのに、日本は行政が音頭を取って推進している」と批判した。

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ロッシェル・カップさん

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 記者は、10年以上前から「街路樹が泣いている」をテーマに数十本の記事を書いており、藤井先生がどのような話をされるか興味があったので参加した。(講演会の前にもう一つ取材があり、また三鷹駅からの道に迷ったため、第一部の講演会はほとんど聴けなかった)

 会場に入って驚いたのは参加者の数だった。藤井氏とロッシェル・カップさんは〝全国区〟ではあるが、まさか街路樹をテーマにした講演会にこれほど多くの人が集まるとは全然予想しなかった。せいぜい20~30人くらいだろうと思っていた。

 参加者が多様だったのにも驚いた。この種の講演会はお年寄りの女性が圧倒的多数を占めるのだろうと思っていたが、そうではなかった。男女比はほぼ同じで、30代、40代、外国人と思われる人も多く参加していた。市内にある国立天文台敷地内に小学校を移転させる計画があり、敷地内の樹木が伐採されることに反対している住民も多く参加していた。質疑応答に多くの時間を割いていたのもよかった。講演会はこうあるべきだ。

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 藤井氏は無窓疎石の「夢中問答」(岩波文庫)を引用したが、疎石は最近読んだ中村元「慈悲」(講談社学術文庫)にもたびたび登場する。同著には「自己がすくわれるということは、他人をすくうというはたらきのうちにのみ存する」(248ページ)という疎石の考えを紹介している。生きとし生けるものに対する慈しみ=愛は無限であり、自他不二は真理だ。

 樹木の倒壊を防ぐ支柱の整備に関する藤井氏の指摘・問題提起は貴重だ。藤井氏は、支柱を設置していない街路樹のほうが、設置している街路樹よりはるかに成長度合いが大きい調査研究を発表。「樹木は揺れることで成長する」と話した。確か「手荒な環境では、手荒な人間しか育たない」旨の発言もした。

-なるほど。死刑囚などが長期にわたって刑事施設に収監されることによる身体的精神的拘禁反応が問題視されているし、特殊学級教育にも通じることだろう。

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 街路樹の剪定を改めるだけで、街は劇的に変わるという藤井氏の指摘は全国の市町村に当てはまることではないか。緑被率だけを見ると、武蔵野市は24.3%、三鷹市は32.5%だ。三鷹市のほうがはるかに高い。

 武蔵野市のほうが街のポテンシャルが高いのは街路樹整備と無関係ではないと記者は思う。〝街路樹が泣いている〟記事を書くことにしたきっかけは、すべての街のポテンシャルを引き上げてほしいと思ったからだ。いま〝街路樹が泣いている〟をネットで検索すると、かなりの団体がヒットするが、最初にこの見出しを付けたのは記者だと思う。少しは街路樹に対する関心が高まったことに寄与できたかと思うとうれしい。

 今回の講演会参加者が一人でも二人でも今回の藤井先生の話を拡散すれば、ねずみ算に増え、行政を変えることができる。藤井先生は「主役は住民」と語ったではないか。

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三鷹中央通りの街路樹(藤井氏も指摘したように、きわめて貧弱)

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街路樹を拘禁する三鷹中央通りの金属支柱(金具に樹皮が食い込んでいた。何年間も放置されているはずで、市民はともかく、市民代表の市議が問題にしないのは問題。「ケヤキは絶対強剪定してはダメ」と藤井氏が言った三鷹市牟礼の記事も添付する)

街路樹が泣いている ~街と街路樹を考える~丸坊主にされていた三鷹市牟礼のケヤキ⑤(2012/5/15)

氷の微笑、根回し、考え方更新、都市公園とは…神宮外苑を考えるシンポ千葉商大(2023/12/19)

「まちづくりとはなんだ」専大生によるドキュメンタリー「変わりゆくまち神田」(2024/5/8)

「アレ」を「暗黒社会」「ファッショ」に置き換えた…千代田区の仮処分申立書(2023/12/2)

〝やめてくれよ区長さん千代に千代田のイチョウが泣いている(20230/12/1)

「約束を反故。許せない」住民怒る健全木のイチョウ新たに4本伐採千代田区(2023/2/7)

健全な街路樹を「枯損木」として処分問われる住民自治千代田区の住民訴訟(2022/11/12)

「苦汁」を飲まされたイチョウ「苦渋の決定」には瑕疵続「街路樹が泣いている」(2022/5/14)

民主主義は死滅した千代田区のイチョウ伐採続またまた「街路樹が泣いている」(2022/5/13)

千代田区の主張は根拠希薄イチョウの倒木・枯死は少ない「街路樹が泣いている」(2022/5/12)

ぶった斬らないで神田警察通りのイチョウの独白続またまた「街路樹が泣いている」(2022/5/11)

なぜだ千代田区の街路樹伐採強行またまたさらにまた「街路樹が泣いている」(2022/5/10)
 

 

 「HARUMI  FLAG」の板状型計上戸数は2,690戸で東急不動産の持分は12%-これまで杳として知れなかった「HARUMI FLAG」の事業主10社の持分のうち、東急不動産は12%であることが分かった。5月10日行われた同社の2024年3月期決算説明会で担当者が明らかにした。幹事会社の三井不動産(レジデンシャル)は「非開示情報なのでコメントできない」としている。

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 この日(10日)、記者は午前中の旭化成ホームズ、午後は東急不動産ホールディングスの決算説明会を取材することになっていた。旭化成ホームズの決算説明会はこれまで何度も取材しているが、東急不動産HDは、国土交通省記者会で開催するので取材を申し込んだ。

 同省記者会を訪れるのは、耐震偽装にかかわる記者会見が行われたとき以来だから20年ぶりくらいだった。なつかしさかこみあげてきた。

 遅行指標の決算数字は予想されたことであるので、説明を聞いてそのまま帰ろうと思っていた。ところが、決算短信の「当期の分譲マンションは、『HARUMI FLAG』(東京都中央区)、『ブランズタワー大阪本町』(大阪府大阪市)を新規竣工引渡物件として計上した他、…」が目に留まった。

 そこで、ダメもとで次のように質問した。「『HARUMI FLAG』の計上戸数は何戸で、金額はいくらか、御社の持ち分比率は何%か。それと、都との契約では、利益が計画を1%でも上回った場合は協議を行い、利益は折半することになっているが、協議は行ったのかまだなのか」と。

 すると、同社担当者は「HARUMI FLAG」の板状型計上戸数は2,690戸で、持ち分は12%であると回答した。金額や都との協議については「担当者レベルではわかっているはずだが、ここではよくわからない」とのことだった。

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 これで十分。質問した甲斐があった。「HARUMI FLAG」の事業主は幹事会社の三井不動産レジデンシャルを筆頭に、三菱地所レジデンス、野村不動産、住友不動産、東急不動産、東京建物、大和ハウス工業、住友商事、NTT都市開発、日鉄興和不動産の10社だ。

 東急不動産の持分が12%ということは、10社が均等割りでないことは容易にわかる。記者は同社と三菱地所レジデンス、野村不動産、住友不動産、東京建物は同じ比率、つまり12×5社=60%だろうと読んだ。三井不動産はこの4社を差別することなど絶対にないと断言できる。

 幹事会社の三井不動産レジデンシャルはその働き、貢献度からして最低で20%だと読み、30%はないだろうから約25%と踏んだ。切りのいいところで24%とすれば、残り16%を4社で割れば4%だ。これまた、三井不動産はこの4社を平等に扱うはずだ。同社のさすがなのはこういうところに表れる。

 この数値を板状型計上戸数2,690戸、1戸当たり平均価格7,500万円に当てはめれば、東急不動産は約323戸、242億円だ。同社の「住宅」セグメント売上高1,882億円(前期は1,463億円)の12.9%、「住宅その他」の計上戸数987戸(同508戸)の32.7%が「HARUMI FLAG」であると推測される。「HARUMI FLAG」は少なからず同社の売上げ、利益に貢献していることが分かった。

 これで取材の目的は達せられたのだが、この数字を補強するため、予定に入っていなかった三菱地所と三井不動産の決算説明会の取材を急きょ申し込んだ。

 快く(そうでなかったかもしれないが)受け入れていただいたので、東急不HDに対する質問と同じ質問をした。三菱地所は「確認します」「幹事会社の三井さんに聞いていただきたい」との回答で、三井不動産は「事業会社の持ち分比率は非開示」「都との契約についても非開示」とのことだった。もう1社にも電話で「公表できるのであれば教えていただきたい」と聞いたら「三井さんに聞いてほしい」とのことだった。

 都との協議に入るかどうかは、まだタワーマンションの引き渡しが済んでいないので決まるのは来年度以降になるのではないか。九分九厘、利益折半になると読んだ。

 

 コスモスイニシアは5月9日、2024年3月期決算を発表。売上高1,245億円(前期比1.0%増)、営業利益74億円(同50.7%増)、経常利益66億円(同49.5%増)、純利益42億円(同21.4%増)となった。ソリューション事業やマンション事業などが減益となったが、宿泊事業がインバウンド需要の増加に伴い事業環境が改善したことなどから増収増益に寄与した。

 2025年3月期予想は、売上高1,340億円(前期比7.6%増)、営業利益680億円(同7.8%増)、経常利益69億円(同3.3%増、純利益47億円(同9.8%増)。年間配当は26円(前期は20円)と増配を予想。

 セグメント別では、レジデンシャル事業は売上高434億円(前期比5.9%増)、セグメント利益6億円(同64.9%減)と増収減益。新築マンションやリノベーションマンションの引渡戸数が増加した一方、販売が長期化した一部完成在庫に対する棚卸資産評価損を計上したことなどに減益となった。

 新築マンションの引渡戸数は476戸(前期427戸)、売上高230億円(同200億円)、売上総利益率は22.8%(同22.5%)、未契約完成在庫は232戸(同293戸)。リノベーションマンションの引渡戸数は367戸(同313戸)、売上高190億円(同160億円)、売上総利益率は11.8%(同13.4%)。

 リューション事業は、売上高489億円(前期比12.6%減)、セグメント利益25億円(同51.8%減)を計上。引渡し数が減少し、利益率が低下した。

 宿泊事業は、ホテル施設運営の平均客室単価・稼働率が改善し、ホテル施設販売において高収益施設の引渡があったことなどから、売上高223億円(前期比93.9%増)、セグメント利益62億円(前期はセグメント損失9億円)を計上。

 

 住友不動産は5月9日、2024年3月期決算を発表。売上高は9,676億円(前期比3.0%増)、営業利益2,546億円(同5.6%増)、経常利益2,531億円(同7.0%増)、純利益1,771億円(同9.4%増)となり、営業利益、経常利益、純利益はいずれも過去最高を更新(営業利益2期連続、経常利益3期連続、純利益11期連続)した。東京のオフィスビルを中心とした不動産賃貸事業と、分譲マンションの引渡し戸数が増加した不動産販売事業がともに最高益となり業績を牽引した。

 セグメント別では、賃貸事業は売上高4,444億円(前期比190億円増)、営業利益1,765億円(同108億円増)と増収増益。既存ビルの収益改善と、ホテル、イベントホールなど施設営業分野の回復が業績に寄与。売上、営業利益ともに過去最高を更新した。ビルの空室率は6.9%(前期末6.0%)。

 不動産販売事業は、売上高2,412億円(同191億円増)、営業利益602億円(同6,2億円増)と増収増益。マンションと戸建ての契約戸数3,524戸(前期比+563戸)。次期計上予定戸数3,500戸に対しする期首時点で約90%(前年約90%)が契約済み。完成在庫は竣工1年超が771戸(前期末比57戸増)、竣工1年内が782戸(同281戸増)。

 完成工事事業部門は、売上高1,945億円(同8,1億円減)、営業利益208億円(同5億円減)と減収減益。受注棟数は「新築そっくりさん」事業が6,947棟(前期比849棟減)、注文住宅事業が2,222棟(同151棟増)。

 不動産流通事業部門は、中古マンションの仲介件数は31,502件(前期比3,404件減)、取扱高1兆3,928億円(同32億円減)と減収となったが、足元は回復の兆しがみえるとしている。

 2025年3月期予想は、売上高1兆円(前期比3.3%増)、営業利益2,670億円(同4.8%増)、経常利益2,650億円(同4.7%増)、純利益1,900億円(同7.2%増)。年間配当は70円(前期60円)と増配を予定。

 決算説明会で、含み益のあるビルなどの売却はあるかの質問に対し、同社は「例えば100で購入した物件が、時価で200、利益は毎年10出ているとして、売却してしまえば、同じ物件を新たに100で仕入れることはできません。一過性の利益は得られますが、毎年の収益はなくなってしまいます。そのため、我々のような賃貸資産で収益を上げるビジネスモデルでは、売却による含み益の顕在化に意義を感じておりません。230棟ものビルを運営する中、物件を保有し続けることによる事業性や効率は常に考えており、過去を含めてビルを一棟も売却していない訳ではありませんが、持続的な成長を経営方針に掲げる当社としては、含み益を顕在化するために売却し、一過性の利益を得て収益を先取りする手法は考えておりません」と答えた。

 不動産仲介部門が減収減益になったことに対しては「不動産仲介部門は、チラシやDMを廃止し、旧来の集客方法から脱皮して新たな取り組みとともにマーケットに立ち向かうという過渡期でもあります」と回答している。

 

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 大東建託は58日、企業が自然に及ぼすリスクや機会を把握して開示する枠組み「自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)」に賛同し、10の外構施策をとりまとめた「めぐる とまりぎ」を事業コンセプトにした賃貸住宅向け外構事業を510日から13県2でスタートさせると発表した。10月には戸建て住宅向けの外構事業も開始予定。

 「めぐる とまりぎ」事業は、環境事業を展開するグリーン・ワイズと協業。住宅の外構植栽で在来種割合を50%以上確保し、多孔質なエクステリア素材の導入、レインガーデン・雨水対策などを通じて在来動植物の保全を目指すとともに、持続可能な社会の実現と企業価値向上に取り組むもの。する。

事業試行開始に先立ち、昨年度、賃貸住宅と戸建住宅の中古物件にて外構リノベーションの検証を実施、賃貸住宅の入居者からは「景観が非常に良くなった」「明るい空間になった」などの声が寄せられたとしている。

        ◆     ◇

 とてもいい取り組みだ。記者は、取材などで街に出ると必ず街路樹を眺め、分譲であろうと賃貸であろうと、物件の植栽計画もチェックする。水準以上だと思うのは積水ハウス、三井不動産レジデンシャル、野村不動産、三菱地所レジデンス、ポラスくらいだ。総じて植栽計画は貧しい。建ぺい率や容積率と同じように、建築物の緑被率を定めるべきと思っている。

 今回、同社は戸建て住宅向け外溝事業を開始するとしているが、買取再販事業に乗り出すようだ。賃貸と分譲の大手がこの種の取り組みを行うのだから、同業他社も行わないといけない。

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「デュオヒルズ青梅ザ・ファースト」

フージャースコーポレーションと大京が5月下旬に販売開始する「デュオヒルズ青梅ザ・ファースト」を見学した。青梅駅から徒歩1分の商・住・公の再開発マンションで、同駅圏では13年ぶりの供給。多摩川へも徒歩10分。価格はリーズナブルなもので、地元居住者を中心に人気を呼ぶ可能性が高いと見た。

物件は、JR青梅線青梅駅から徒歩1分、青梅市本町の商業地域(建ぺい率80%、容積率500%)に位置する14階建て全112戸(うち権利者住戸2戸)。専有面積は51.3784.10㎡、価格は未定だが坪単価は210220万円になる模様。竣工予定は20262月下旬。設計・監理は南條設計室一級建築士事務所。施工はイチケン。販売開始は5月下旬の予定。エントリー数は地元を中心にこれまで500件超。

現地は、駅前の四方道路に囲まれた「青梅駅前地区第一種市街地再開発事業」地に位置。建物の1階は商業施設(11区画)、2階は公益施設(図書館の予定)。3階以上が住居で、標準階の住居は南向きが5戸(角住戸含む)、東向きが5戸(同)。

主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2500ミリ(一部2450ミリ)Arauラック(一部除く)、浴室タオル掛け2か所など。

同社管理本部企画総務部担当部長・友野珠江氏は「1月からのエントリー数は500件を突破しています。資材価格の上昇が続いていますが、商品企画には力を入れており、地元子育て世代からの強い『愛』を感じています」と語った。

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Arauラック

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お布団クローゼット

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基壇部

        ◆     ◇

 河辺駅に設けられているモデルルーム見学を済ませ、青梅駅に降り立った。現地から10数分かけて多摩川・釜の淵公園にたどり着いた。30年ぶりくらいだが、静かで美しい多摩川の景色が鮮やかによみがえった。水量は減ったように感じたが、霞がかかった新緑が視界いっぱいに広がった。風もなく、岩と戯れる水音とホトトギスのさえずりのほかに聞こえるものは一つもなかった。コンビニで買ったビールを飲みながら自然としばし会話した。

 釜の淵公園には「亀の井ホテル」(旧かんぽの宿)が隣接している。レストラン、カフェは営業していなかったので、売店で澤乃井の大吟醸と梅のつまみを買ってテラスで飲んだ。♪時は私にめまいだけを残してゆく だからワイングラスの角氷 眠りにつこうとする愛に ささやかないで♪-時間がたつのを忘れた。

 肝心のマンションについて。外観デザインがいい。基壇部には伝統工芸の「青梅縞」の藍色をモチーフにしたオリジナルタイルとガラスが採用されている。モデルルームに充てられている南東角住戸(84㎡)は立川だったら億ションになるはずだが、6,000万円台に収まるはずだ。同社オリジナルのArauラック付きの洗面室の提案やお布団クローゼット、ソフトクローズ機能付きの外付け引き戸もよくできている。東向きの51㎡のプランは間口が8620ミリ。廊下スペースを少なくし、機能的にできている。

 青梅線沿線では大和ハウス工業「プレミスト昭島 モリパークレジデンス」(481戸)が人気になっているが、この物件とはまた別の魅力がある。「時の流れに身をまかせ」という歌があったではないか。

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現地(右側が駅舎)

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多摩川

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シラサギ

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亀の井ホテルからの眺め

〝東京の軽井沢〟レベル高い 「来年6月までに完売」あるか 大和ハウス「昭島」(2023/5/26

 

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