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うめきた公園を含む開発エリア全体に植樹される1,600本以上の樹木の樹種・本数・胸高直径から年間のCO2固定量を算出すると、年間の総CO2固定量は35.9tという結果となり、これは出力370Wの太陽光パネルが発電する際のCO2削減量に換算すると約190枚分に相当する

 三菱地所を代表企業とするグラングリーン大阪開発事業者JV9 社は7月17日、開発を進めている「グラングリーン大阪(GRAND GREEN OSAKA)」が米国のグリーンビルディング協会(USGBC®)による国際的な環境性能認証制度「LEED®」のまちづくり部門「ND(Neighborhood Development:近隣開発)」のプラン認証と、ランドスケープのサステナビリティを主に評価する「SITES® (The Sustainable SITES Initiative)」の予備認証でGOLD評価を同時取得したと発表した。「LEED-NDプラン認証」と「SITES予備認証」を同時取得するのは、都市公園を含む複合開発で日本初となる。

 「LEED-NDプラン認証 (GOLD評価)」は、USGBC(U.S. Green Building Council)が開発したビルト・エンバイロメント(建物や都市の環境)を評価する認証制度で、審査はGBCI®(Green Business Certification Inc.)が行い、LEED NDは、建物単体ではなく、エリアの環境性能評価を目的としたLEED 認証システムで、ウォーカビリティ、職住近接、多様な用途、コンパクトシティ、自然資源保護などを評価するもの。

 「SITES予備認証 (GOLD評価)」は、ランドスケープのサステナビリティを評価する米国の認証制度で、GBCIが審査を行い、計画・設計の内容だけでなく、敷地の選定や計画プロセス、施行時・施行後の運用維持管理段階も評価対象となり、生物多様性保全や水資源保全、省エネルギー、資源循環、ヒートアイランド現象緩和、健康増進、教育など多面的な要素を評価する。

 「グラングリーン大阪」は、地区面積約91,000㎡のうち約45,000㎡を都市公園とし、地区面積の約3分の1となる約30,000㎡に約320種(在来種約270種を含む)、1,600本以上の樹木で多様な緑地を形成し、西日本最大のターミナル駅前に圧倒的なみどり空間を創出する。上記認証のほか、「DBJ Green Building 認証」、「ABINC ADVANCE認証」、「ZEB Oriented認証(事務所部分)」「CASBEE スマートウェルネスオフィス認証」の6つを取得している。

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 記者は、この「LEED-NDプラン認証」「SITES予備認証」なるものの価値がさっぱりわからない。プレス・リリースをコピペしたに過ぎない。専門家ならいざ知らず、読者の方も同じように受け取られるのではないか。これまで何度も書いてきたが、わが国の「みどり」の価値を可視化する取り組みが圧倒的に遅れている証左だ。

事業者は、都市公園のオープンセレモニーを9月に行うはずで、しつかり見学してレポートしたい。今回のプロジェクトは、公園指定管理者制度に基づくものだが、「都市公園リノベーション協定制度」や都の「公園まちづくり制度」を活用した都市公園と民間施設を一体的に開発する事例は加速度的に増えるはずだ。

 一つ、分かりやすく説明すると、都市公園面積約4.5haそのものはそれほど大きくはない。都内の駅に近い公園と比較すれば、77.8haの葛西臨海公園や60.7haの光が丘公園などとは比較にならず、わが多摩市の11.3haの多摩中央公園の4割だ。規模的には4.3haの芝離宮恩賜庭園に近い。

 地区内約3.0haに1,600本以上の樹木を植えることについても何とも言えない。この3.0haは都市公園を含む面積だから、都市公園全体が樹木でおおわれるわけではない。今日も記事にしたが、東京都は「公園内で樹木などの緑で覆われていない面積の割合」も「みどり率」にカウントしている。このモノサシで測ると、「グラングリーン大阪」は相当のみどりが植えられることになる。

 樹木の本数1,600本以上というのも比較するものがないが、例えば、いま話題になっている「神宮外苑再開発」はどうか。開発面積約28.4haに現在の1,904本(質は問わない)から1,998本(同)に増える計画だ。断っておくが、「神宮外苑再開発」は都市公園の整備ではないことだ。都市公園と都市計画公園は似て非なるものであることを我々は知る必要がある。

「グラングリーン大阪」9月6日まちびらきうめきたMMOが公園指定管理者に決定(2024/2/24)

「多摩中央公園改修」の疑問氷解樹木5000本うち伐採予定1125本の8割は実生木(2023/10/21)

 


 

 

 R.E.port716日、「東京カンテイは16日、424日に99歳で死去した同社取締役会長・長田高明氏のお別れの会を、オークラ東京オークラプレステージタワー『オーチャード』」で開催。故・長田氏は19247月、山梨県北杜市生まれ。東京第三師範学校を卒業後、陸軍幹部候補生として兵籍に編入。陸軍特攻隊訓練中に終戦を迎えた。その後、小学校教員などを経て、63年に三共建物(現・朝日管理)を設立。79年に東京カンテイを設立した」と報じた。

見出しだけ読んだだけだが、不動産経済通信も同日、長田氏の「お別れの会」が「しめやかに行われた」と報じた。

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この記事を読んで、記者は複雑な気持ちになった。確かに長田氏は東京カンテイの創業者ではあるが、同氏が設立した旧朝日建物について触れないのはいかがなものかという思いだ。この記事を書いた記者の方は長田氏に会ったこともなく、朝日建物がどのような会社だったかを知らないはずだからやむを得ないのだろうが…せめて長田氏をよく知る参列者の声を載せてほしかった。(経済通信は載せたのか)

斯くいう記者も、長田氏とは23回くらい会っただけ、話し込んだことは一度もない。陸軍特攻隊員だったのを初めて知った。ただ、朝日建物のマンションは昭和50年代の後半から60年代の前半にかけてかなり見学した。準都心部で今でいう〝駅近〟マンションを供給していた。最後に見学したのは、1996年竣工の「朝日パリオ越谷」だった。

同社は質の高いマンションを供給したが、実兄の故・長田庄一氏(元東京相和銀行取締役会長)との関係も触れないわけにはいかない。中古マンション価格が新築マンション価格を上回った異常なバブル期に同社は中古マンションを買い漁り、いわゆる〝マンション転がし〟の急先鋒の役割を果たした。直接、同社に取材したわけではないが、年間にして数百億円、数百戸を売買していたはずで、その事業資金は東京相和銀行から流れていたというのは業界の周知の事実だった。

1999年、東京相和銀行の破綻により、朝日建物は東京地裁に和議を申請し、その後、セコムが営業権を譲り受け、ホリウチコーポレーション(堀内建設)と合併させてセコムホームライフとしてマンション分譲を継続してきた。セコムホームライフは2020年、穴吹興産グループ入りし、社名もあなぶきホームライフに変更された。そして昨年10月、穴吹興産は同社を吸収合併し、あなぶきホームライフは解散した。

 東京カンテイと朝日管理の社長は、長田氏の実子の長田千江美氏のようだが、記者は東京カンテイが設立された時、目黒駅前の雑居ビルに取材に行ったのを覚えている。今のような大きな会社になるとは夢にも思わなかった。

余談だが、「お別れの会」は本当に「しめやかに」行われたのか。記者などはこの年(75歳)になって「しめやかに」葬られるのはまっぴらごめんだ。参列者(来てくれるかどうか)に失礼だ。葬儀には好きなヘンデルの「水上の音楽」を流すよう身内に頼んでいる。

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「オーベル葛西ガーラレジデンス]

 大成有楽不動産(事業比率60%)、FJネクスト(同30%)、三信住建(同10%)の3社JV「オーベル葛西ガーラレジデンス]モデルルームを見学した。葛西臨海公園駅から徒歩15分(バス便だと徒歩時間を含めて10分以内)とややあるが、坪単価は300万円弱になる模様で、23区立地では希少のファミリーマンションだ。

 物件は、JR葛西臨海公園駅から徒歩15分、江戸川区南葛西5丁目の第一種住居地域に位置する10階建て全155戸。専有面積は62.72~86.83㎡、予定価格は4,600万円台〜8,900万円台(最多価格帯5,900万円台・6,000万円台・6,300万円台=各13戸)、坪単価は300万円弱になる模様。竣工予定は2026年2月。施工は大京穴吹建設。販売代理はFJネクストレジデンシャル。

 主な基本性能・設備仕様は、ZEH-M Oriented認定、直床、標準階のリビング天井高2400ミリ、食洗機、スロップシンク、浴室タオル掛け、ブレーキ機能付き引き戸など。

 これまでのモデルルーム来場者は170件強。今月末に第1期が分譲される予定。

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モデルルーム

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模型

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 昨日は痛飲し、この日(7月12日)の朝方には酒は抜けていたようにも思ったが、そうでもなかったようだ。マンションを出るとき雨が降っていたのに、ままよと傘を取りにいかずそのまま出た。モデルルームに着いたのは9時。スーツはグレーで、文字通りぬれねずみになった。

 基本性能、設備仕様レベルをモデルルームで確認しながら、胡乱な頭をフル回転させて坪単価を予想した。駅に近かったら坪400万円しても不思議でないが、徒歩15分だと坪300万円くらいかとはじいた。それでもちょっと高いか。

 担当者に聞いたら「坪300万円弱」とのことだった。酒は飲んでも、マンションのこととなると正気に戻るらしい。23区内で坪300万円を切る物件は近く枯渇するはずだ。基本性能・設備仕様はこんなものだろう。強調材料は、大成有楽不動産の〝十八番〟「オレンジラボ」がフル装備されていることだ。

 もう一つ、肝心なことだが、物件ホームページに「葛西臨海公園」へ徒歩16分のほか「江戸川区の公園総面積は23区NO.1の約776万㎡。本プロジェクトの徒歩10分以内にも8つの公園がある」と紹介されているように、江戸川区のみどりは他区より豊かであることだ。

東京都の調査による平成30年の江戸川区のみどり率は30.8%で、区部平均の24.2%を6.6ポイント上回っている。23区でみどり率が高い千代田区(皇居が多くの面積を占める)、練馬区などに住んでいる人はともかく、その他の区に住んでいる人が江戸川区内の街を歩くとその緑の量の多さに驚くはずだ。記者は、この「みどり」の価値を可視化することを願っている。 

 「みどり率」は、「緑被率」に「河川等の水面が占める割合」と「公園内で樹木などの緑で覆われていない面積の割合」を加えたもので、東京都はこの指標を用いており、今年度中には新しい2023年のデータを公表する予定だ。一方で、各区や他の道府県は「緑被率」や「緑視率」の数値を重視しているところが多い。当然のことだが、「みどり率」のほうが「緑被率」より高い数値を示す。このあたりを整理する必要がある。

 今回の記事とは関係ないが、具体的な例を示す。いま話題となっている神宮外苑の再開発。日本イコモスが2023年5月に事業者宛てに「緊急要請」を行ったのだが、その「回答」として、事業者は「絵画館前の軟式野球場の緑については2018年の航空写真(google earth)を参照し、野球場の内野エリア等が土系舗装等であることを確認しております。『日本イコモス国内委員会』による算定では、土系舗装等の緑で被覆されていない部分も含んでいるため、現況の緑の割合に違いが生じておりますが、土系舗装等を含まない算定が正しいものと考えます」としている。

 つまり、みんな都合のいいように数値を解釈しているということだ。ちなみに、生物多様性センターのデータによると、47都道府県で緑被率がもっとも高いのは京都府で、もっとも低いのは東京都でも大阪府でもなく埼玉県だ。滋賀県の緑被率は全国平均を少し上回っているくらいだが、県域面積の6分の1を占める琵琶湖を「みどり率」に加えると、間違いなくベスト10入りするはずだ。

威風堂々〝聖地〟神宮外苑野球場の巨木事業者VS.イコモス鳥や虫の視点で考えて(2023/5/23)

 東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は7月10日、首都圏の6月の中古マンション・戸建て市場動向をまとめ発表した。

 中古マンションの成約件数は3,259件(前年同月比4.8%増)、坪単価は257万円(同7.9%増)、価格は4,956万円(同7.5%増)、専有面積は63.57㎡(同0.3%減)となり、成約件数は13か月連続、坪単価は50か月連続、成約価格は49か月連続でそれぞれ前年同月を上回った。

 成約坪単価を都県別にみると、東京都は341万円(8.1%増)、神奈川県は196万円(同7.9%増)、埼玉県は139万円(同0.9%減)、千葉県は134万円(同7.5%増)。

 中古戸建ての成約件数は1,302件(同14.4%増)、価格は4,016万円(同7.1%増)、土地面積は146.79㎡(同4.2%増)、建物面積は104.29㎡(同0.5%増)となった。成約価格は5か月連続で前年同月を上回った。

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 レインズデータによると、都心3区(千代田・中央・港)の成約件数は237件(前年同月比2.2%増)、坪単価は604万円(同17.1%増)、価格は10,097万円(同11.8%増)、専有面積は55.14㎡(同4.5%減)、築年数は20.05年(同0.35年増)。一方で、新規登録件数は964件(同13.5%減)、坪単価は739万円(同25.0%増)、価格は12,331万円(同25.9%増)、専有面積は55.04㎡(同0.7%増)、築年数は23.54年(同0.4年減)となっている。

 城東地区(台東・江東・江戸川・墨田・葛飾・足立・荒川)の成約件数は411件(同12.6%増)、坪単価は282万円(3.2%増)、価格は5,243万円(同0.7%増)、専有面積は61.32㎡(同2.4%減)、築年数は21.02年(同2.2年増)。新規登録件数は1,893件(同9.1%減)、坪単価は261万円(同5.3%増)、価格は4,283万円(同4.3%増)、専有面積は54.07㎡(同1.0%減)、築年数は26.06年(同0.44年増)となっている。

 城南地区(品川・大田・目黒・世田谷)の成約件数は337件(同7.3%増)、坪単価は366万円(同6.4%増)、価格は6,657万円(同9.0%増)、専有面積は60.00㎡(同2.4%増)、築年数は24.39年(同0.75年増)。新規登録件数は1,695件(11.0%減)、坪単価は350万円(同6.3%増)、価格は5,318万円(同6.7%増)、専有面積は50.43㎡(同0.4%増)、築年数は32.40年(同1.85年増)となっている。

 城西地区(新宿・渋谷・杉並・中野)の成約件数は262件(同4.0%増)、坪単価は448万円(同12.2%増)、価格7,175万円(同11.0%増)、専有面積は52.84㎡(同1.0%減)、築年数は25.68年(同0.61年増)。新規登録件数は1,321件(同13.4%減)、坪単価は444万円(同19.9%増)、価格は6,205万円(同22.6%増)、専有面積は46.10㎡(同2.3%増)、築年数は32.82年(同0.48年増)となっている。

 城北地区(文京・豊島・北・板橋・練馬)の成約件数は281件(同7.7%増)、坪単価は294万円(同3.1%増)、価格は5,001万円(同3.6%増)、専有面積は56.20㎡(同0.5%増)、築年数は24.28年(同0.02年増)。新規登録件数は1,362件(同19.2%減)、坪単価は275万円(同1.1%増)、価格は3,964万円(同0.8%増)、専有面積は47.52㎡(同0.3%減)、築年数は30.52年(同0.92年増)となっている。

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 このデータから何を読み取るかだが、記者はエリア分けが適切かどうかと思う。都心3区はわかるが、これを都心4区、又は5区として、渋谷と文京を加えたほうが正確なデータが得られるのではないか。渋谷と文京の坪単価は練馬・北・板橋などと100~200万円は高いはずだ。

 この問題はさておき、成約件数が増えているのに登録件数が減少していることをどう読むか。これは先高観による売り惜しみも多少影響しているのではないかと思う。

 坪単価は成約、新規登録とも上昇しているが、都心3区の新規登録が前年同月比25.0%上昇していることに注目したい。新規マンションも価格は著しく上昇していることから、中古も一層上昇するという読みが働いていると読める。

 興味深いのは、城北エリアだ。新規登録単価は成約単価より坪19万円下落していることだ。これは、成約物件の築年数が24.28年に対して登録物件は30.52年となっており、その差が単価に表れていると読み取れるが、専有面積は成約物件の約56㎡から登録物件は約47㎡へと2.7坪も縮小している。これはなぜか。最近の城北エリアの新築マンションは坪400万円どころか、500万円をはるかに突破しつつあることや、成約件数の約5倍という登録件数の多さなどとの関連はあるのかないのか。

 城北地区ほどではないが、城東地区、城西地区も成約単価より新規登録単価のほうが低い。今後どうなるか注視する必要がありそうだ。

 価格について。都心3区の成約価格は他の地区より4割から2倍となっており、新規登録価格は他地区の2~3倍へと拡大している。都心への交通利便性を重視するからこのような数値になるのだろうが、住宅の基本的な性能としての住環境をもっと重視すれば結果は異なってくるはずだ。記者はこの〝モノサシ〟が理解できない。

 専有面積圧縮は成約、新規登録とも続いているが、成約⇒新規登録は都心3区が55⇒55㎡、城東が61⇒54㎡、城南が60⇒50㎡、城西が53⇒46㎡、城北が56⇒48㎡へと縮小しているのはなぜか。これは築年数とも関連がありそうで、成約⇒新規登録は都心3区が20⇒24年、城東が21⇒26年、城南が24⇒32年、城西が26⇒33年、城北が24⇒31年となっており、築古物件が増加している。築古より築浅が選好されていることの表れか。専有面積と築年数は相関関係があるはずで、築古物件の価格調整がありそうだ。

 築25~30年といえば、バブルが崩壊し、新たな市場が形成されだしたころだ。新築マンションは、都心部でも坪300万円超はほとんどなく、首都圏平均で180万円から250万円くらいだったはずだ。購入者はバブルの痛手を受けていない層が中心だった。

 現在の新築マンション市場は、どんな郊外でも坪200万円以下はありえず、一定水準のところでは坪250万円以上、23区では300万円以上となっている。質は数年前より間違いなく退行している。都心部は異常だと思うが、中古市場が全体として活況を呈しているのは理解できる。

 最近の新築マンションは坪300万円、400万円が当たり前になっているが、設備仕様レベルは10年前の坪単価180万円くらいの郊外マンションとほとんど同じか、それ以下だ。10数年前の新築のリビング天井高2400ミリなどありえない。普通で2500ミリ以上はあった。

 リノベーションの提案次第だろうが、中古マンションが新築価格を上回っても全然不思議でないと思う。

 

 

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 コスモスイニシアのアパートメントホテル「MIMARU」とニチレイフーズは7月12日、外国人宿泊客に対する試食アンケート調査結果を発表。食後の評価ナンバーワンは「今川焼(抹茶クリーム)」で、2位は「本格炒め炒飯®」、3位は「朝にGood!パンケーキ(メープルクリーム)」だった。

 ニチレイフーズが販売する冷凍食品の中から、「MIMARU」スタッフが「朝食におすすめ」「ランチ・夜食におすすめ」の6種類をセレクトし、ホテルに宿泊したゲストに、その中から食べたいものを1人1品ずつ選んで客室内で調理・試食してもらい、食べた結果を5段階評価してもらったもの。

 食べた後の評価第1位は「今川焼(抹茶クリーム)」で、「驚くほどおいしい」「抹茶が大好き」というコメントのほか、抹茶のイメージを活かしたパッケージも魅力的と評価された。

 第2位は「本格炒め炒飯®」で、最大の冷凍炒飯ブランド(最新年間売上:2023年)としてギネス世界記録に認定された実力を発揮。「風味豊かで本当に美味しく、また買いたいと思う」という声があがった。

 第3位は「朝にGood!パンケーキ(メープルクリーム)」で、「子どもたちは朝食のパンケーキをとても気に入っていた!」と家族で楽しんでもらえたという。

 また、自国に帰っても食べたい商品の第1位は「本格炒め炒飯®」、2位は「たいやき」、3位は「焼おにぎり」だった。

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 記者は、かみさんが好きなので、取材に行ったときは人形町・柳屋、麻布十番・浪花家総本店の「たいやき」を数個必ず買うが、食べるのは半分くらい。「今川焼」はもう数十年も食べたことがない。この他は見たこともない。

 それにしても、「今川焼(抹茶クリーム)」や「たいやき」は饅頭じゃないのか。外国人は朝食やランチで本当に食べるのか。記者のおすすめは固形のふかひれスープ。袋入りラーメンに入れるとふかひれラーメンになる。

 この前、品川のカフェ&バー、スーパーでビールの値段を見たら、アメリカのクラフトビールが800~1,000円前後、わが国の缶ビールは200円強。どうなっているんだ。

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篠塚氏

 三井不動産は7月11日、ロジスティクス事業記者説明会を開催。2024年4月に公表した新グループ長期経営方針「& INNOVATION 2030」に基づく戦略について、同社執行役員ロジスティクス本部長・篠塚寛之氏は国内新規8物件の開発を決定し、国内外開発施設は75物件、延床面積約600万㎡、累計総投資額約1兆2,000億円に事業拡大すると発表した。が次の事業を強化すると説明した。主な重点事業は以下の通り。

 ①広場などの整備や、地域の防災拠点・交流の場の設置、ドローンの実証実験フィールドを併設するなど「街づくり型物流施設」の開発を推進

 ②DXを活用した物流の自動化や、物流ソリューションの提案・提供により荷主企業のサプライチェーン改革を支援

 ③冷凍・冷蔵倉庫の開発推進、データセンター事業の拡大、工場・インフラの設備など事業領域を拡大

 ④テナント向け「グリーン電力提供サービス」など物流業界における先駆的な環境配慮の取り組みを推進 

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「MFLP・LOGIFRONT東京板橋」

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 記者は、物流は素人だが、同社が行う事業説明会や施設見学会などは欠かさず見学している。強烈な印象として残っているのは2018年5月に行った事業記者説明会で、当時、同社常務執行役員ロジスティクス本部長・三木孝行氏(58)=現顧問=が「もはや、後発ではない。嫌悪施設ではない」などと約1時間40分にわたって熱弁をふるったことだ。

 三木氏は「2012年4月に事業参入して7年目を迎えたが、当初10人足らずだったスタッフは60人体制になり、稼働施設は18棟、開発中は14棟、総施設数は32棟、総延べ床面積約270万㎡、累計総投資額は約4,800億円に達した」と語った。

 あれから約6年。施設数、延べ床面積、投資額とも2倍以上に達した。篠塚氏も当時からロジスティクス事業に携わっていたはずなので、質問したいことが2つあった。

 一つは、現在の物流業界で同社はどのような位置を占めるのか、アナログ業界と言われる業界にどのようなソリューションをもたらすかだ。この点について、篠塚氏はかなり詳細に説明し、「地域の誇りとなれるよう」「地域に愛される」などと語ったが、いま一つわからなかった。

 もう一つは、物流施設が「嫌悪施設」でないのなら、業界全体として、われわれメディアもどう呼べばいいのかだ。「嫌悪施設」は法律用語ではなく、公益財団法人不動産流通促進センターが「物流施設」をそう呼んでいるに過ぎない。その一方で、建築基準法では「物流施設」は名称のいかんに問わず「倉庫」として定義されており、様々な建築規制が設けられている。住居系用途地域では小規模な施設を除き、倉庫の建築は不可だ。

 しかし、同社の施設もそうだし、最近の物流施設には保育施設や事務所、レストラン、公共施設などが入居し、公園など広場も整備されている。(倉庫が多い準工エリアはほとんどなんでも可の地域)

 そのような施設がどうして「嫌悪施設」としてひと括りにされるのか。記者が物流業界に身を置いていたら、不動産流通促進センターに削除を申し入れる。建基法の改正も必要だと思う。「物流施設」=「倉庫」ではない。マンションで人気の「駅近」だって、子育て環境としては最悪の「嫌悪施設」が林立しているではないか。

 この点について篠塚氏は「我々がそう呼んでいるわけではないので…」と言葉を濁した。

〝唯一無二 都内最大〟三井不・日鉄興和不「MFLP・LOGIFRONT東京板橋」着工(2023/1/27)

「最早、後発でない」「嫌悪施設でもない」三井不ロジスティクス本部長・三木氏(2018/5/21)

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「都市の生物多様性フォーラム2024」左から久保田氏、松本氏、井坂氏、井上氏、八木氏(KABUTO ONE HALL)

 積水ハウスは7月9日、第3回「都市の生物多様性フォーラム2024」を開催、二部構成で一部では冒頭、仲井嘉浩・同社代表取締役社長執行役員兼CEOがあいさつしたほか、環境省自然環境局生物多様性主流化室長・浜島直子氏が同省の取り組みを紹介、東京大学大学院農学生命科学研究科准教授・曽我昌史氏、琉球大学理学部教授(シンク・ネイチャー代表取締役)・久保田康裕氏がそれぞれ基調講演を行った。

 仲井氏は、「大変心強い企業」「都市の生物多様性に取り組んでいる第一線、第一人者」「大変光栄」「大変楽しみ」と「大変」を3度口にし、フォーラムに参加した東急不動産ホールディングスと三菱地所レジデンスを持ち上げた。

 曽我氏は研究の結果、在来種を中心とした庭の植栽が鬱(うつ)症状の発症リスクを抑える効果があることが分かったと報告。

 久保田氏は、新たに開発した「生物多様性可能化提案ツール」はネイチャー・ポジティブの効果を可視化するものとしてBtoCの展開に期待した。

 その後の二部構成のパネルディスカッションには東急不HDグループサステイナビリティ推進部部長・松本恵氏、三菱地所レジデンス商品企画部技術環境室グループマネージャー・井上直樹氏がパネラーとして出席、久保田氏と積水ハウスESG経営推進本部環境推進部環境マネジメント室長・井坂由紀氏、同室・八木隆史氏と「都市における生物多様性保全の取り組みの先に見据える未来」をテーマに語りあった。

 松本氏は、2010年のCOP10生物多様性交流フェアに参加したことが生物多様性の取り組みを重視するきっかけになったと紹介。生物多様性の保全優先度が高い「広域渋谷圏」の緑地割合面積は年々減少している一方で、同圏内にある同社の39拠点の緑地面積比率は2012年回復に転じていることなどを報告。TNFDレポートの一部を紹介した。

 井上氏は、2015年から分譲マンション「ザ・パークハウス」での「ビオ ネット イニシアチブ」、ABINC認証取得に積極的に取り組んできたことなどを紹介。ABINC認証マンションは25物件を超えたと報告した。

基調講演①_積水ハウス株式会社 代表取締役 社長執行役員 兼 CEO 仲井 嘉浩.jpg ご来賓ご挨拶_環境省 自然環境局 生物多様性主流化室長 浜島 直子 様   .jpg
仲井氏(左)と浜島氏

基調講演②_東京大学大学院農学生命科学研究科・准教授 曽我 昌史 様.jpg 基調講演③_琉球大学理学部教授、株式会社シンク・ネイチャー代表取締役 久保田 康裕 様.jpg
曽我氏(左)と久保田氏

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 同社は同日、同社の「5本の樹」計画とシンク・ネイチャーの生物多様性ビッグデータを活用して、顧客の庭における生物多様性保全効果を最大化できる樹木などを提案する社内ツール「生物多様性可視化提案ツール」を6月に共同開発したと発表。

 現在、1都3県(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)で試験運用を開始して効果を検証し、今後の全国導入を目指す。同ツールを用いることで、従前の提案と比較し約2.6倍の効果を見込んでいる。2001年から開始した「5本の樹」計画の累積植栽本数は2,000万本を達成したことも明らかにした。

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 同社は同日、東京大学大学院農学生命科学研究科・曽我昌史准教授と共同で研究している生物多様性と健康に関する最新の分析内容を発表。庭の在来樹種数が増えることで多様な生きものを呼び込み、敷地内での生きもの(鳥・昆虫)とのふれあい頻度が高まり、それが住まい手のウェルビーイングの向上(幸福感・人生の充実度の向上、鬱症状の低下)に寄与し得ることが分かったとしている。

 その一例として、鬱症状の場合、身近な生きもの(主に鳥)を見たり鳴き声を聞いたりする頻度が「全くない」から「よくある」に増加すると、鬱症状の発症リスクが54%から34%に減少する(20pt減る)ことが推定されたと報告した。

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 今回のフォーラムで不思議に思ったことが2つあった。一つは、久保田氏の基調講演は、積水ハウス「5本の樹」計画をもとにしたデータなので当然だとしても、首都圏の戸建て(分譲住宅)は土地の狭小化が進み、緑被率(みどり緑)は退行しており、ぺんぺん草も生えない分譲戸建てが圧倒的シェアを占めているのが現状であり、街路樹は電信柱のように強剪定され、公園などの樹木も大量に伐採されているネガティブの一方なのに、久保田氏はポジティブな話に終始したことだ。

 もう一つは、国や自治体の主催ならわからないではないが、積水ハウスが主催なのにどうして同業の東急不HDと三菱地所レジデンスがパネリストに名を連ねたのかだ。記者は、東急や三菱地所と同レベルかそれ以上の生物多様性の取り組みを行っているデベロッパーは少なくとも3~4社はあるとみている。

 そこで、①都市の生物多様性の取り組みは全体として退行しているのではないか②どうして東急不動産と三菱地所レジデンスなのか-の2点についてストレートに質問した。

 ②の質問に対して積水ハウス・井坂氏は「久保田先生が定量評価されているデベロッパーとして紹介された」と回答した。

 ①について久保田氏は「定量評価した大手(積水ハウス、東急、三菱地所)の対象エリアでは(生物多様性回復は)底を打ち、改善の方向に向かっていることがデータでも示されている。現状ではまだまだ収益性を重視したものが多い。生物多様性の取り組みを重視することが幸せになることを、一般の人にどう広めていくか、メディアの発信力も大事」などと話した。

 この回答で疑問は氷解した。東急と三菱は久保田氏からの紹介であり、生物多様性が回復傾向にあるというのは、この3社の施設やマンション、戸建て(東急と三菱の分譲戸建てはほとんどゼロ)を対象にしたものであるということだ。確かに「5本の樹」計画は別格としても、最近の両社の取り組みは半端でない、だが、しかし、全体でみれば〝退行している〟との記者の考えはそれほど的を外していないと理解した。メディア(小生もその端くれ)の発信力が大事(「弱い」と同義語)という指摘はその通りだと思う。目に見えない価値を可視化し、どう伝えていくか、我々は問われている。

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背後には、左から本物のアオダモ、コナラ、アオハダ、ナナカマド、アカシデ、シラ菓子、ナツハゼ、アカシデ、アオダモの鉢植えが飾られていた

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「結美の丘 浦和 きときとプロジェクト」街びらき+富山マルシェワークショップ

 ポラスグループ中央住宅は7月6日、分譲戸建て「結美の丘 浦和 きときとプロジェクト」(全17戸)の街びらき+富山マルシェワークショップを開催、模様をメディアに公開した。全世帯に「ベジトラグ」が無償で提供されたほか、「朝採れ野菜」の試食・格安販売が行われ、市場には卸せない小ぶりのタマネギ一袋がプレゼントされた。購入者14世帯(4世帯は未入居)のうち6世帯が参加した。同様の取り組みは他の住宅地でも行っていく。

 同プロジェクトがスタートしたのは2022年11月。富山県は47都道府県の中で野菜生産量が最下位であることに頭を悩ませていた富山青果市場の職員・大石和さんが現状を何とかしたいとホームページで呼び掛けたのを、同社戸建分譲設計本部設計一部営業企画設計課主任・小瀧愛美さんが知ったのがきっかけ。

 小瀧さんは、SNSやりモートとリアルな体験を組み合わせれば、富山県産の食(農)を通じて「フードロス」「地球温暖化」「SDGs」などの社会課題に自分事として向き合えるのではないかと考えた。以来、5回富山県に赴き、全農家と話し合い、賛同を得て今回の食育提案にこぎつけた。

 小瀧さんはまた、その背景には、同社が4年前、春日部市の市街化調整区域内で分譲した「ハナミズキ春日部 藤塚」(全22戸)で、隣地に約300㎡の市民農園を確保し、「農のある暮らし」をサポートすることにしていたが、生産者の日ごろの作業や想いを知る交流は出来ず、住人の畑の管理が難しくなったこともあると話した。

 このため、今回のプロジェクトでは、「農」を軸とした地域交流を「日常」にし、人・モノ・地域をつなげ、生産者支援にも広げる工夫を凝らしたという。

 同プロジェクトは、浦和駅東口からバス・徒歩21分(自転車で17分)、さいたま市南区大字広ヶ谷戸の第一種中高層居住専用地域(建ぺい率60%、容積率200%)に位置する全17戸。土地面積は100~103㎡、建物面積は約30坪、価格は4,480万~5,980万円。昨年8月から分譲開始されており、これまで14戸が契約済み(うち4戸は未入居)。従前敷地は畑。

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提供された「ベジトラグ」(組み立て前)

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提供された「ベジトラグ」を前に記念撮影(小生が「浦和」駅前の再開発マンションは30坪で1億5000万円」と話したら驚いていた)

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 富山県といえば、面積は47都道府県の33番目に小さな県で、ホタルイカと日本酒「立山」、「三協立山」くらいしか知らないのだが、1級河川だけでも黒部川、常願寺川、神通川、庄川、小矢部川の5河が富山湾に注いでいる。急峻なアルプスから一挙に下るためだろう、水はとてもきれいだ。だから米どころとして知られているのだろう。しかし、野菜の生産量が最下位で、県民の野菜摂取量も愛知県に次ぐワースト2位とは全然知らなかった。

 この日のワークショップでは、ただで試食していいといわれたので、ミニトマトを1個食べた。抜群においしかった。やや酸味が勝っていたが、甘みもあった。生産者は「山下兄弟」とあった。

 自慢じゃないが、家計は火の車のわが家のトマトの年間消費額は一般的な家庭の年間消費額6~7千円の3倍以上だ。まずいトマトは食べない。血糖値の数値が安定しているのはトマトのおかげだと思っている。酒のつまみにしている。

 だから、1個食べただけでおいしいかまずいかがわかるのだ。この「山下兄弟」のミニトマトはアメーラには勝てないだろうが、控えめに評価してもスーパーのトマトの2倍はおいしい(同業の記者の方は「3倍おいしい」と言ったが、この方はよりまずいトマトを日常的に食べているからではないか=失礼)。7~8個食べ、1パック100円のトマト3パックと、1個100円のトウモロコシ4個(かみさんの好物。小生は買って食べようと思ったことはない。この差を皆さんは理解できるか)を買った。小生の買ったものをけなすのが趣味のかみさんもトマトを1個食べて「おいしい」といった。

 山下兄弟!記事も添付した。「三井ショッピングパーク ららテラスHARUMI FLAG」の「TEAM JAPAN 2020 VILLAGE Cafe&Restaurant CENTRALE」を研究していただきたい(好き嫌いはあるだろうが)。

 生産者・廣瀬琢磨さんの「新川(ニイカワ)きゅうり」も丸かじりしたが、いかんせん、生のきゅうりを丸かじりしたのは65年ぶりくらいだ。最近は味が付いたきゅうりもみしか食べたことがないので、比べようがなかった(多分、おいしいのだろう)。

 この日提供された富山産の野菜がおいしいのは、化学肥料を極力避け、有機・路地栽培だからだと思う。水も井戸を掘って地下水を利用しているとも聞いた。

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左から大石さん、廣瀬さん、小瀧さん

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無料のタマネギを袋詰めする参加者

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 市民農園付きの「ハナミズキ春日部 藤塚」(全22戸)は見学取材している。記事を添付したので読んでいただきたい。記者の皆さんにも市民農園は好評だった。しかし、農家出身の小生は農業の苦労をよく知っているので、以下のように書いた。その通りの結果になったようだ。

 「老婆心ながら、コロナの影響で〝田舎暮らし〟もいいなと考えている人に一つ忠告したい。佐藤春夫ではないが、『都会』より『田園』のほうがはるかに『憂鬱』だ。もはや田舎の里山はクマ、イノシシ、シカ、サルなどの獣に支配されており、主客が転倒した世界であることを認識すべきだ。怖いのは彼らが運んでくるヤマヒルだ。マダニ、スズメバチ、マムシなども里山を徘徊しており、山頂の風力発電は生態系を狂わせている。田舎暮らしは断じて楽園ではない。〝そんなはずはなかったと〟失楽園となるのは必至だ」

 ポラスに提案だ。この種のワークショップは全社的に取り組んではどうか。流通コストの問題はあるだろうが、無限の可能性を秘めていると思う。

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「結美の丘 浦和 きときとプロジェクト」

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この日買ったトマトを利用したわが家のメインデッシュ・酒のつまみ

調整区域の市民農園付き200㎡邸宅ポラス「ハナミズキ春日部・藤塚」企画秀逸(2020/7/3)

抜群に美味しい「ザファーム」のミニトマト「ららテラスHARUMI FLAG」(2024/3/1)

男性の家事・育児力 1位高知 2位沖縄 3位鳥取ワーストは山口積水「男性育休白書」(2022/9/14)

 大東建託は6月28日、2024年問題に関する記者説明会を開催し、中小規模の建設会社の業務効率化に寄与する「電子施工管理システム」を開発し、2025年4月から販売を開始すると発表した。

 中小規模の建設会社では、人材不足やデジタル化に向けた初期投資の負担が困難であることから業務の効率化は進んでいないのが現状で、同社は自社で開発した「電子施工管理システム」の利便性をさらに高め、導入ハードルの低い価格設定で販売することにしたと説明。見積書、注文書、請求書、作業員名簿の管理機能に加え、下請契約台帳や施工体系図の作成など、施工体制台帳に必要な書類のデジタル管理が可能。料金は、基本機能のみで初期費用は2万円~、月額980万円。

 このほか、記者説明会で同社上席執行役員工事統括部部長・泉和宏氏は、ウズベキスタンからの学卒社員の受け入れ、外国人労働者・監督の採用、自社訓練校の開校、女性施工管理職向けの支援制度、施工現場の平準化などの取り組みについて説明した。

◇        ◆     ◇

 泉氏の説明はさっぱりわからなかった。しかし、建設業界はDX化が全然進んでおらず、アナログ人間の小生と五十歩百歩の世界にとどまっていることだけはよくわかった。そこで、「申し訳ない。説明を聞いてもさっぱり理解できません。とにかく労働現場を見たい。見学させてください」とお願いした。泉氏はすぐさま「いつでも、どこでも」と快諾してくれた。

 具体的な日取りなどは決まっていないが、同社の建設現場の1日を近いうちにレポートできるはずだ。

「女性のほうがコミュニケーション能力高い」「じゅうたく小町」参加者の声(2017/5/31)


 

 

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「0707 CHANGE! SAVE 神宮外苑ミーティング」(神宮外苑絵画館前広場)

 神宮外苑の再開発(乱開発)に強く反対しているロッシェル・カップさんなどが呼びかけ人となっている「SAVE 神宮外苑ミーティング実行委員会」は6月29日、「0707 CHANGE! SAVE 神宮外苑ミーティング」を神宮外苑絵画館前広場で行い、斎藤幸平さん(経済思想家)、永井玲衣さん(哲学研究者)、ラサール石井さん(タレント)、岸本聡子さん(杉並区長)、竹内昌義さん(建築家)、北山恒さん(建築家)ら各界の著名人がそれぞれスピーチし、〝神宮外苑の樹木伐採反対!乱開発反対!〟などと気勢を上げた。イベントには約500人(主催者発表)か集まった。

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ロッシェル・カップさん

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左から斎藤幸平さん(経済思想家)、小野りりあんさん(気候活動家・モデル)

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左から竹内昌義さん(建築家)、北山恒さん(建築家)

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左からラサール石井さん(タレント)、サエキけんぞうさん(アーティスト)

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左から角井てんこさん(神宮外苑の緑と空と)、加藤なぎささん(明治神宮外苑を子どもたちの未来につなぐ有志の会)

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左から永井玲衣さん(哲学研究者)、岸本聡子さん(杉並区長)

◇        ◆     ◇

 イベントを知らせるメールをロッシェル・カップさんから受け取ったとき、時期が時期だから今が盛りの甘い香りのクチナシの話かと思ったが、そうではなかった。汚辱に満ちた政治の匂いが芬々と漂ってきた。

 やめようと思ったが、だれが何をやろうとやらまいと、人の行動はすべて政治的にならざるを得ない。小生のように政治に背を向ける「非政治」、あるいは逃げる「反政治」もまた「非政治」「反政治」の色彩を帯びる。

 なので、〝街路樹の味方〟として参加・取材することにした。質はともかく「街路樹が泣いている」の記事へのアクセス数は数十万件に達している。見出しは独り歩きし、あちこちに採用されている。見出しそのものには著作権などない。結構なことだ。

 イベントは予想通りだった。あるいはと思っていた、都知事選挙に出馬している蓮舫氏も飛び入り参加し、「神宮外苑再開発は立ち止まり、都民投票でその是非を問いましょう」などと演説をぶち、参加者の喝さいを浴びた。

 著名人のスピーチは、小生の心を揺るがすまでには至らなかった。和して同ぜず。外苑の樹木伐採に反対するのは基本的に賛成だが、的外れのトークもあった(記者はすべて伐採するなとは言っていない。樹木を避けて開発することは可能だと思っている)。

こんなことを明かしたら、主催者や参加者に袋叩きにあうだろうが、取材しながら、人気ブログ「融通無碍」のブロガー長谷田一平氏と「日高屋」で早く飲みたいとずっと考えていた。

 イベント開始から2時間くらい経過したころだ。やっと解放される時間だ。中高年ばかりの参加者(とはいえ、外苑の巨木と比べたらせいぜい幼木かやっと成木になったころに過ぎない)の中から若い女性がすくっと立ち上がり、「大学4年生です。もう泣けそうです。生まれてきてからずっと未来に不安を抱えてきましたが、皆さんのお話を聞き、希望の光が見えてきました。弱い人に目を向ける政治にしないといけない。幸せに生き、(樹木を守る)都民の権利が奪われてはならない。選挙に行って社会を買えましょう」と語った・

 この日の取材で唯一、もっとも感動した瞬間だった。

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発言したのは右の方、左は妹さんとか

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 この女性の話には感動を覚えたのだが、記者が注目したスピーチが一つあった。よく聞き取れなかったのだが、6月6日に亡くなった建築家の槇文彦氏(享年95)について建築家の北山恒氏が触れたことだ。神宮外苑にも槇氏は関与したことを話したのではなかったか。北山氏は何を話されたのか。

 記者はお会いしたことは一度もないが、槇さんが大好きだった。槇さんの最後の作品になったかどうかはわからないが、野村不動産の「BLUE FRONT SHIBAURA(ブルーフロント芝浦)」と日本財団の「THE TOKYO TOILET」プロジェクトのうちの一つ「恵比寿東公園」の記事を読んでいただき、トイレはぜひ見学していただきたい。こんな美しいトイレは全国どこを探してもないはずだ。

 隈研吾氏は6月14日付朝日新聞に「槇の建築だけは、まったく別の、さわやかで控えめで、しかも周囲の街と融(と)けあう、開放的な空気感をたたえていた。今から思い返せば、槇の建築はひとつの大きな転換の予兆であった」「槇は国際人であったからこそ日本人になれたのであり、日本人であったからこそ国際人になれたのである」「槇が造った街や建築は、専門家をうならせるだけではなく、実際に明るく、軽やかで楽しかった。独善的建築家と社会との分断というモダニズムの課題も、槇は見事に乗り越えてみせてくれたのである」などと寄稿している。

◇        ◆     ◇

 小生は、神宮外苑再開発が都知事選の争点になるかどうかはわからない。マスコミ報道によると、蓮舫氏は「いったん立ち止まる。都知事選の争点にしている」と主張。選挙公約に「再開発の前提となっている『公園まちづくり制度』の適用プロセスや環境アセスメントを、もう一度厳格に検証します」と掲げている。再開発の是非を問う都民投票を行うべきとしている。

 これに対し、「小池氏は『争点にならない。なぜなら今立ち止まっているから』と説明。事業主体である民間事業者に樹木保全策の提出を求めているとした」(6月19日付朝日新聞など)と述べた。

 しかし、この小池氏の「(再開発計画は)今立ち止まっている」と話したのは明らかに嘘だ。計画は立ち止まってなどいない。

 小池氏が「立ち止まっている」と語った根拠は、2022年5月26日付の都知事名による「神宮外苑地区におけるまちづくりに関する要請について」を指すと思われるが、要請書には「立ち止まれ」などと一言も触れていない。これに対して事業者は2023年2月17日付で報告を行っている。報告書にも「立ち止まります」などと書かれていない。その後、この報告書に対する都の再要請は現段階ではない。それを了としとしているのだろう。

 イベント参加者に「私は選挙に行かない」と正直に言ったら大ブーイングを食らった。「信念はないの」と聞かれたので、「そんなものありません」と答えた。

 なぜ選挙に行かないかくどくど説明しないが、小さいころから親に〝嘘つきは泥棒の始まり〟と強く諭されたし、敬愛する百瀬恵夫・明治大学名誉教授が「政治家は詐欺師か大馬鹿野郎かのどちらか」と喝破したのを、そして同じ長野県出身の大好きな作家・丸山健二氏も無視しているのに習っているからに過ぎない。詐欺師にはなりたくないし、大馬鹿野郎は自分一人で十分だ。

 小池さんのような嘘つきは大嫌いだが、事業者の法的な手続きには瑕疵(うそ)はないような気がする。行政(権力)による要請書は絶大な力を発揮する(無視し続けたら間違いなく行政処分に踏み切る)。事業者はきちんと回答している。

「公園まちづくり制度」については記事にしているので読んでいただきたい。これがみそだ。「都市計画公園」の「未供用」を活用する新たな都市再開発手法だ。そんな裏技があったかと小生は驚愕した。

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蓮舫さん

藤井氏の熱弁に拍手鳴りやまず会場100人+オンライン180人三鷹で講演会(2024/5/12)

神宮外苑再開発全エリア全樹木データ保存・移植・伐採と移植難易度の関係は不明(2024/1/15)

最多はカイヅカイブキ外来種のヒマラヤシダー、フウなど目立つ神宮外苑の既存樹木(2024/1/9)

秩父宮ラグビー場が「未供用」の謎「広場」は都市公園ではない神宮外苑再開発(2023/8/9)

野村不&JR東日本芝浦PJ「BLUE FRONT SHIBAURA」イメージは寄り添う夫婦(2024/5/31)

素晴らしい槇文彦氏、田村奈穂氏、片山正通氏日本財団渋谷公園トイレPJ(2020/9/21)

 

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