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 野村不動産と阪急阪神不動産は4月16日、参加組合員として事業参画している「立石駅南口東地区第一種市街地再開発事業」の再開発組合設立が2024年4月15 日付で東京都から認可されたと発表した。

 事業地は、京成立石駅の南側に位置する葛飾区立石一丁目及び立石四丁目の施行面積約1.0ha。葛飾区有数の商業集積を誇る賑わいのある街並みである一方、老朽化した建物が密集し、狭隘道路が多数存在しており、防災面に課題があった。事業を通じ地区内の基盤整備を進め、防災性の向上、商業機能の更なる強化、質の高い住環境の整備などに寄与する。

 住宅の予定戸数は約440戸で、高さは約120m。事業協力者は長谷工コーポレーション。事業コンサルタントは総合不動産鑑定コンサルタント。着工は2027年度、竣工予定は2030年度。

 同駅北口の2.2haでは「立石駅北口地区市街地再開発組合」による再開発事業が行われており、東京建物、旭化成不動産レジデンス、首都圏不燃建築公社が参加組合員として事業参画している。マンションは36階建て710戸の予定で、全体竣工予定は2030年。


 

 

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「木と生きる」イントロダクション

 三井不動産とディスカバー・ジャパンは4月16日、東京ミッドタウン日比谷で開催するイベント「木と生きる」のプレス内覧会を行った。イベントは、木や森との持続的な共存と未来を考えるのが目的で、トヨタ自動車、三井物産、パナソニックグループ、ソニー、竹中工務店、サントリーホールディングス、乃村工藝社、東京都など18団体が共同参加。初日の「オープントーク」では建築家・藤本壮介氏が「大阪・関西万博 大屋根リング」の意義、今後の展開などについて語った。様々なシンポジウムのほか、音など五感で体感できるイントロダクションや18団体のパネルエキシビション・ワークショップも行われる。イベントは4月21日までの6日間。

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 建築家・藤本壮介氏とDiscover Japan統括編集長・髙橋俊宏氏による「木と生きる」をテーマにしたトークセッションに集まったのは、参加予定の300人をやや下回ったようだが、その数の多さに驚いた。

 どのような人が集まったのか知りたかったのだが、高橋氏が冒頭、ヒントを与えてくれた。高橋氏は「木の文化に興味のある方」「環境に興味のある方」「藤本さんの話に興味のある方」「ディスカバー・ジャパンをご存じの方」と4つの質問を発し、手を挙げてくださいと問いかけたところ、それぞれ数十人が応じた。半数くらいの人は18団体関係者か、森林・林業や環境問題、木造建築物に興味のある方だろうと判断した。

 記者は、藤本氏の話を集中して聞いた。藤本氏は自ら手掛けた4つのプロジェクト「大宰府天満宮の仮殿」「博多・明治公園のPark-PFI事業」「岐阜・飛騨市の共創拠点施設」「大阪・関西万博の大屋根リング」について語った。「仮殿」は屋根の上に緑を配し、周囲の緑との調和を図ったもの。「明治公園」は5層からなる立体公園の提案で、都立明治公園と同様、東京建物がPark-PFIの代表提案者になっている。「共創拠点」は飛騨市が盆地であることに着想を得てすり鉢状の自然と一体となる施設を整備するものだ。

 「大屋根リング」については「炎上、世間をお騒がせしている」と笑わせたあと、なぜリングなのか、どうして木造としたのか、解体する理由は何かなどわかりやすく説明した。わが国の大規模木造建築の取り組みは海外と比べ遅れているとも指摘し、持続可能な社会の実現に向け、新たな可能性を提案したものだと強調した。

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藤本氏(左)と高橋氏

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トークセッション

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 1階アトリウムのイントロダクションエリアの演出が素晴らしい。空間プロデュースを担当しているのは乃村工藝社で、同社クリエイティブ本部第一デザインセンター デザイン4部・井上裕史氏は、一般には流通しない木端(こっぱ)と呼ばれる木くずを敷き詰め、歩くことで音、香り、感触など五感で自然を体感しながら、東京芸大院生や卒業生の木彫作品を鑑賞できると説明した。井上氏は、わが故郷・三重県の皇学館大学で神学を学んだことも明かした(小生はその隣の高校出身)。

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木端(こっぱ)

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 地階の「パネルエキシビション・ワークショップ」はゆっくり見学する時間がなかったが、トヨタ自動車のブースは他団体よりひときわ大きく、わが故郷・三重県の宮川村の社有林(1,689ha)も紹介されていた。皆さんはご存じないだろうが、この山林はかつて〝日本一の山林王〟と称された諸戸家から譲り受けたもので、管理しているのは地元の速水林業だ。

 他では、40種の好きな匂いを選択しかぐことができるソニーの「におい提示装置」にほれ込んだ。値段は250~300万円とやや張るが、コストダウンしたら多様な用途に使える。乃村工藝社のブースは井上氏の作品も展示されている。これがまた素晴らしい。MUJI HOUSEの「SE構法」(エヌ・シー・エヌ)もいい。

 三井不動産は神宮外苑地区まちづくりはそれぞれ別々に展示されていた。「神宮外苑」の街づくりについては詳細な説明・展示はなかったが、せっかくの機会だから、大きなスペースを割いてしっかり説明してほしかった。新たなコーポレートメッセージ「さあ、街から未来をかえよう」を発表したばかりだ。同社の街づくりランドスケープデザインは他のデベロッパーに負けない。「HARUMI FLAG」はその集大成だ。反対者の中には同社に対するかなりの誤解もある。誤解は解かなければならない。

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トヨタ自動車

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ソニー

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ワークショップ

18団体が共同参加 「木と生きる」イベント4/16~4/21 三井不 ミッドタウン日比谷(2024/4/9)

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「Brillia Tower 千葉」

 東京建物(幹事会社)・野村不動産・中央住宅・ファーストコーポレーション4社JV「Brillia Tower 千葉」を見学した。千葉駅圏の一等地、三越千葉店跡地の23階建て免震タワーマンションで、第1期90戸は千葉駅圏最高値となる坪単価421万円だが、地元の富裕層を中心に約7割に申し込みが入り、好調なスタートを切った。

 物件は、JR千葉駅から徒歩4分、千葉市中央区富士見二丁目の商業地域(建ぺい率80%、容積率800%=緩和あり)に位置する敷地面積約3,805㎡、23階建て全491戸 (販売住戸481戸、募集対象外10戸)。専有面積は33.99~160.10㎡。第1期90戸の専有面積は58.26~160.10㎡、価格は6,588万~29,998万円(最多価格帯8,400万円台)。坪単価は421万円。6月に分譲する第1期2次の専有面積は33.99~109.68㎡、価格は3,900万円台~19,000万円台。竣工予定は2026年8月下旬。設計・施工はファーストコーポレーション。デザイン監修は光井純アンドアソシエーツ建築設計事務所、オイル。

 現地は、三越千葉店の跡地で四方道路に接道。敷地北側は幅員約50mの大通りに面している。建物の1・2階に店舗、保育施設が入居し、住戸は3階以上で、中央部を吹き抜け空間とした外階段方式。標準階の住戸は南向きが10戸(角住戸含む)、東向きが4戸(同)、西向きが6戸(同)、北向きが8戸(同)。最上階の14戸は100㎡以上のプレミアム住戸。

 2023年9月のホームページ開設以来、総エントリー数は3,000件超、2024年1月6日からオープンしたモデルルーム来場者は約800件。3月9日から申し込みを受け付けた、前建の影響が少ない15階以上の南向き中心の第1期は約7割に申し込みが入った。申込者の約7割は地元の富裕層が中心で、残りの3割もほとんどが千葉に地縁のある人。最上階のプレミアム住戸は12戸販売し、10戸に申し込みが入った(2戸キャンセル)。

 主な基本性能・設備仕様は、2階と3階に免震装置を設置した中間層免震構造、二重床・二重天井、リビング天井高2500ミリ(最上階2800ミリ)、サッシ高2000ミリ(同2260ミリ)、ディスポーザー、食洗機、バックカウンター・カップボードなど。共用施設はコワーキングラウンジ、フィットネス・スペース、ハーディルーム、オーナーズスイートなど。

 販売担当の東京建物住宅営業第二部営業グループ グループリーダー・岡部伸一氏は、「第1期は15階以上の南向きをメインに分譲しましたが、地元の富裕層の方々を中心に〝待ってました〟という評価を頂きました。第1期2次の戸数は未定ですが、第1期とは逆に都内居住者の反響が地元を上回っており、投資目的の方も目立っています」と話した。

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エントランスラウンジ

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モデルルーム

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 記者の最大の関心事は、坪単価はいくらになるかだ。都内準都心部は言うに及ばず神奈川、埼玉の主要都市、札幌、仙台、福岡、那覇などの地方都市も軒並み坪400万円を突破するなど、坪400万円は都市の値打ちを測る分水嶺となっており、政令都市で人口が仙台に次ぐ12番目の県都・千葉も高値圏側への仲間入りを果たしても全然不思議でないと思っている。県内の船橋、柏、おおたかの森などの駅近は坪400~500万円必至と言われている。東京建物は「目黒」や「堂島」で劇的に相場を引き上げた〝実績〟もある。

 しかし、第1期の坪単価421万円は、15階以上の南向きやプレミアム住戸が単価を引き上げた結果で、今後は下層階や東向き、西向き、北向きが供給されることから全体として坪400万円を超えることはなさそうだ。

 坪400万円を超えられないのは、デベロッパーの値付け云々ではなく市場がそのように評価しているからだ。地価公示もその一つだ。令和6年の千葉市の商業地の最高価格は仙台市に大きく水をあけられている。都道府県庁所在地の住宅地価格は、平成元年比で上昇しているのは福岡市、札幌市、仙台市など5市しかなく、42の都道府県庁所在地が下落しているのだが、下落幅が最も大きいのは千葉市の58.4%だ。

 ただ、市場の評価はどうであれ、決めるのは購入検討者だ。記者は幅員50m道路に面し、対面のビルの高さも14階以下の北向き住戸に魅力を感じる。例えば1スパン20戸ある44.80㎡の1LDKタイプ。間口は6900ミリだ。このほか北向き住戸は20坪前後・以下がほとんどだ。人気になると見たが…。岡部氏も「北向きも人気」と話した。

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模型(北側)

千葉駅の一等地三越千葉店跡地東建他「Brillia Tower 千葉」(491戸)第1期は90戸(2024/2/25)

坪270万円第1期1次100戸即完スタート新日本建設など5社JV「ザタワー」(2022/4/1)

坪300万円の壁厚く…駅2分のマリモ「千葉駅前」はいくらか競合物件は早期完売狙う(2022/1/17)

 

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 三井不動産は4月11日、新グループ経営理念を策定するとともに、2030年度までの新グループ長期経営方針「&INNOVATION 2030」を策定したと発表した。 

 2018年に策定した長期経営方針「VISION2025」によりグループの業容はグローバル規模で拡大・進化を遂げたとし、新グループ経営理念では新たな時代の価値創造へ目指すべき方向性を明確にするコーポレートメッセージ「さあ、街から未来をかえよう」を策定し、グループロゴ「&マーク」を刷新した。

 新経営方針では、ありたい姿として「産業デベロッパーとして、社会の付加価値の創出に貢献」を掲げ、グループの2030年度の「ありたい姿」を妄想(DREAM)し、戦略を構想(VISION)することで、 その実現(REALITY)に繋げていくとしている。

 定量目標としては、EPS(1株当たり純利益)年率成長率8%以上、ROE(自己資本利益率)10%以上を設定。事業利益を約3,130億円(2022年度)⇒4,400億円以上(2026年度)、純利益を約1,769億円⇒2,700億円以上(同)とし、セグメント別事業利益では賃貸約1,500億円(2022年度)⇒1,800億円程度(2026年度)、分譲約1,530億円(同)⇒2,100億円程度(同)、マネジメント約630億円(同)⇒700億円程度(同)、施設営業約△40億円(同)⇒300億円程度(同)に拡大する。

 事業戦略として①コア事業の更なる成長②新たなアセットクラスへの展開③新事業領域の探索、事業機会獲得-の「三本の道」を設定し、コア事業の成長投資2兆円(2026年度までに)、戦略的資金として6,000億円程度(同)、M&A投資枠として4,000億円以上(2030年度までに)、スタートアップ出資枠として1,000億円以上(同)を設定している。

 

 マンション管理業協会(理事長:高松茂・三井不動産レジデンシャルサービス会長)は4月12日、2023年度第4四半期終了時点におけるマンション管理適正評価制度の登録状況、評価結果集計データをまとめ発表した。

 2024年3月末現在の登録は4,180件で、内訳は★5つ1,062件、★4つ1,726件、★3つ1,064件、★2つ321件、★1つ1件。うち国のマンション管理計画認定制度に認定されているのは396件。

 評価データの主な特徴は、管理体制のポイントの平均点は17.67点/20点満点、建築・設備のポイントの平均点は16.03点/同、管理組合収支のポイントの平均点は27.96点/同40点満点、耐震性のポイントの平均点は9.32点/10点満点で、400戸以上の★5の割合は78.3%、50戸未満の★5の割合は19.3%、新耐震基準の割合は91.8%、旧耐震基準の割合は8.2%(うち耐震診断未実施の割合は70.6%)など。

 同協会は2024年度末までに登録件数を1万件に増やす目標を掲げている。

マンション管理適正評価 ★5つは11%のプレミアム横浜市立大・齊藤教授らが報告(2024/4/2)

 


 

 

 東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は4月10日、令和6年3月の首都圏不動産流通市場動向をまとめ発表。中古マンション成約数は前年同月比10.7%増の3,810件で、10か月連続して前年同月を上回った。㎡単価は75.88万円(前年同月比8.7%増)で47か月、成約価格は4,821円(同8.6%増)で46か月連続でそれぞれ前年同月を上回った。専有面積は63.54㎡(同0.1%減)となった。

 中古戸建住宅の成約件数は1,349件(同13.7%増)、成約価格は4,137万円(同5.7%増)、土地面積は145.15㎡(同5.8%増)、建物面積は105.10㎡(同2.0%増)となった。

 

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「ルネ松戸みのり台(マツドリームPJ)」

総合地所(事業比率非公表)と三交不動産(同)は410日、長谷工コーポレーションの新しい間取り提案「BeFit」を初採用した「ルネ松戸みのり台(マツドリームPJ)」のメディア向け見学会を行った。価格上昇・専有圧縮が続く中、建築コストを抑制しながら収納スペースを集約し、廊下収納などを提案することで限られた空間を効率的に利用できるようにしている。田の字型プランから脱却し、デッドスペースを生かすアイデアだ。劇的にヒットする可能性を秘めているとみた。販売開始は5月中旬予定。

物件は、新京成線みのり台駅から徒歩10分、松戸市稔台七丁目の準工業地域に位置する12階建て全173戸。専有面積は58.7082.75㎡、予定価格は3,500万円台~7,200万円台(最多価格帯4,200万円台)、坪単価は230万円の予定。竣工予定は20261月。施工は長谷工コーポレーション。

現地は、駅前の商店街、戸建て住宅街を抜けた一角で、従前は聖徳大学学生寮。用途地域は準工業地域だが嫌悪施設はほとんどない。建物はくの字型で、南東向き(85戸)と南西向き(88戸)がほぼ半々。

主な基本性能・設備仕様は、ZEHM Oriented認定、直床、リビング天井高2550ミリ(階数により異なる)、LowEガラス、浴室タオル掛けなど(食洗機、バックカウンター・収納などはアイセルコ対応)。共用施設はワークラウンジ、クリエイティブラウンジなど。

これまで資料請求は約250件、モデルルーム来場者は約60組。来場者の居住地は松戸市内が約80%、年代は30代の第一次取得層が中心。

BeFit」の開発提案を行った総合地所分譲事業部の女性担当者は、「当社など長谷工グループ15名ほどのプロジェクトチームがあり、多様性が謳われる社会の中で、田の字型プランに追加して、お客さまの選択肢を増やす間取りを作りたい、という考え方から『Be-Fit』は誕生しました。モデルルームをオープンしたばかりですが、いい評価をいただいている」などと語った。

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BeFit

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モデルルーム

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20数年前だ。当時、需要を喚起する〝タレントマンション〟が流行しており、大成有楽不動産(当時有楽土地)・平和不動産「ティアラシティ」(279戸)はオードリー・ヘプバーンを起用した。販売事務所からパンフレットの袋にいたるまですべてピンク色に統一され、ヘプバーンのテレホンカードも来場者にプレゼントされた。記者も2枚もらった。その効果は絶大で、駅から10分以上あったにも関わらず人気となった。故人であるため、肖像権は格安だったことを関係者から聞いた。

 どうして、ヘプバーンを持ち出したか。今回の分譲マンションは、この「ティアラシティ」に近接しているからだ。現地も見学会前に確認した。準工地域だが嫌悪施設はなく、まずまずの立地だった。ただ、このところ新京成線や東武スカイツリーラインなどでは坪200250万円の物件がかなり供給されており、販売は容易ではないと判断した。完売まで3年はかかるだろうと考えた。

 「BeFit」も報道で知っていた。もはや常識の収納を集約した「Large-Storage(ラージ・ストレージ)」や「Out-Frame(アウトフレーム)」が強調されており、その効果は限定的と思っていた。

 女性担当者の話を聞き、モデルルームの玄関・廊下の「Fit-Zone」を見てびっくりした。記者は廊下幅をメーターモジュールにすべきというのが持論なのだが、なんと通常の廊下幅930ミリに収納スペース奥行き幅450ミリを足した幅1,380ミリもあるではないか。

 「Fit-Zone」の奥行き450ミリの分だけ居室面積は狭くなるが、玄関・廊下の空間は劇的に広くなる。その価値は天井高2100ミリ×幅1365ミリ×奥行き450ミリ=1.29㎥だ。同社の「アイセルコ」も利用できるので、35年ローンで月額601円だ。酒1合より安い。現金で購入することも可能で、その場合は24万円。背面支持金具と棚板は自由自在に移動することができる。女性担当者も「来場者に評価されている」と話した。爆発的にヒットするかもしれない。

似たものでは、ポラスの実用新案取得済みでキッズデザイン賞を受賞した「AKUNDANA(アクンダナ)」がある。これは可動式なので、奥行きはそれほどなく、重いものは置けない。コスモスイニシアもマンションや戸建ての〝魅せる玄関〟に力を入れており、大きな支持を得ている。

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現地

新京成線五香駅圏で17年ぶり ウルトラファインバブル装備 坪単価250万円超ポラス(2024/3/16

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「(仮称)北仲通北地区A1・2地区プロジェクト」

 

 住友不動産と大和地所は4月10日、横浜市中区で開発を進めている「(仮称)北仲通北地区A1・2地区プロジェクト」内のホテルと住宅の概要が決定したと発表した。ホテルは、ヒルトンのラグジュアリーブランド「コンラッド・ホテルズ&リゾーツ」、住宅は、住友不動産の最上級賃貸レジデンス「La Tour/ラ・トゥール」となる。

 物件は、横浜市中区北仲通6丁目の商業地域(建ぺい率80%、容積率750%)に位置する敷地面積約9,302㎡、40階建て延べ床面積約97,081㎡。1~16階がホテル(272室)、18~40階が賃貸住宅(224戸)。竣工は2026年11月。設計は久米設計。施工は鹿島建設。

 計画地は、都市再生特別措置法に基づく特定都市再生緊急整備地域の「横浜都心・臨海地域」に位置し、本計画を含む北仲通北地区は、多機能な国際交流拠点・みなとみらい地区と関内地区の結節点として位置づけられている。2階に横浜市役所から続くペデストリアンデッキを整備することで桜木町駅と馬車道駅への回遊性を向上する。

 賃貸住宅は、住友不動産の最上級賃貸ブランド「La Tour/ラ・トゥール」で、平均専有面積100㎡超、最大280㎡、全部屋バルコニーレス。パーティールームやフィットネスなどの共用施設を備え、24時間バイリンガル対応のコンシェルジュサービス、ヴァレーサービスなどラグジュアリーホテル並みのサービスを提供する。

 ホテルは、ヒルトンのラグジュアリーブランド「コンラッド・ホテルズ&リゾーツ」が運営する「コンラッド横浜」で、現在運営中の「コンラッド東京」「コンラッド大阪」、2026年開業予定の「コンラッド名古屋」に次ぐ4軒目の開業となる。約48㎡のスタンダードルームを中心とした全272室の客室のほか、料飲施設4店舗、ジム、スパ、屋内プール、エグゼクティブラウンジやウェディングチャペルに加え、宴会や会議の需要にも対応できる約360㎡のボールルームやミーティングスペースを備える予定。

 

 


 

 

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「カーメスト石川台」(JKK東京のホームページから)

48日付週刊住宅Web版トップ記事を読んで仰天した。黒地紋・白抜き文字の見出しに「『完全禁煙賃貸』人気/大田区石川町で最高倍率…JKK東京」とあるではないか。

物件は、石川町住宅の建て替え事業として建設された「カーメスト石川台」で、東急池上線石川台駅から徒歩9分、大田区石川町二丁目に位置する4階建てA号棟と3階建てB号棟の2棟構成の全118戸(募集戸数:106戸)。専用面積は34.3094.09㎡、家賃は119,400280,900円。抽選は312日(どうして記事は1か月遅れなのか)。

4つのこだわりをテーマとしており、「Comfort」ではシャワーブースタイプや多世代家族の同居を想定したコネクティングルーム、「Health」では完全禁煙棟、「Ecology」では太陽光発電設備、「Community」では共用部をそれぞれ整備している。

記事には、「募集戸数106戸に対して1,019件の申し込みが入り、全体平均倍率が9.6倍となった。同物件は2棟構成だが、専有(用の誤り=記者)部分以外を禁煙としたB号棟の平均倍率は6.2倍、専有(用)部分を含め敷地内全体を完全禁煙としたA号棟の平均倍率は12.1倍という結果となり、A号棟の方が好まれた」とある。

  喫煙家の記者は、これにはぐうの音も出ない-わけではない。むしろ逆だ。A号棟の倍率がB号棟の2倍になった理由を「完全禁煙」と断定するには根拠が希薄だ。A号棟とB号棟のプランを比較してみた。一目で異なることがわかる。

A号棟は62戸で、内訳は1DK1LDK20戸、2K7戸、2DK4戸、2LDK14戸、3LDK15戸、2LDK+1DK2戸。B号棟は44戸で、内訳は1DK1LDK1DKS23戸、2K4戸、2DK6戸、2LDK11戸。

A号棟は専用面積50㎡超の2LDK以上が半数を占めるのに対し、B号棟は逆に2LDKは25%しかなく、他は面積が44㎡以下の2DK以下だ。家賃は高くても広めの住戸を希望するファミリー層が多いであろうということは容易に想像がつく。倍率は広めの住戸のほうが総じて高い。「全面禁煙」も物件選考要因の一つかもしれないが、すべてではない。JKK東京のリリースを鵜呑みにした業界紙のリテラシーが問われる。JKK東京もそのようなリリースを発表したのか。

JKK東京にも一言いいたい。民間がペット飼育を禁止しようが、専有・専用部を禁煙にしようが勝手だ。しかし、公共住宅が「受動喫煙防止」のためとして敷地全体、専有・専用部を全面禁煙にし、ペット飼育を禁止するのはいかがなものか。

 もう馬鹿馬鹿しくて書きたくなどないが、受動喫煙と発がん発症との因果関係は医学的に証明されていない。国立がん研究センターの「がん発生の要因別PAF」データによると、間接喫煙によるがん発生率は男性0.2%、女性1.2%だ。男性1.9%、女性1.2%の塩分摂取、男性0.8%、女性1.6%の過体重・肥満のほうがリスクは大きい。喫煙、感染性要因、飲酒、その他の要因全てを含めても要因が判明しているのは男性が66.1%、女性が31.2%にしか過ぎない。要するに「日本人のがんの半分以上は原因がわからないまま」(同センター)ということだ。

断っておくが、受動喫煙によるがんの発生・死亡が取るに足りない数字だと言っているのではない。どうして受動喫煙のみをやり玉に挙げるのかということが言いたいのだ。人の嗜好、生き方に土足で踏み込むようなことはやってはならない。

小池都知事は嫌煙家として知られるが、「たばこを吸う人も吸わない人も、誰もが快適に生活できる街づくりというのを目指していきたいと考えております」(平成30420日記者会見)とどう整合するのか。

 もう一つ、気になるのはペットの飼育は禁止で、住宅内では小鳥、魚類以外の動物の飼育は不可になっていることだ。これも理解できない。金魚はよくて、カブトムシ、スズムシ、カメなどはどうしてダメなのか。なぜそこまで規制するのか。面積だけでなく窮屈な生活を強いられるから賃貸を脱出し、分譲住宅に向かうのだ。

 昨年、JKKの「カーメスト興野町」を取材して、そのレベルの高さに驚き、見直したのだが、下方修正する。お金持ちも貧乏人も、お年寄りも若者も、あらゆる階層の人が住めるようにすべきだ。多様な人が住んでこそ豊かなコミュニティが形成される。

公園隣接 分譲に負けない設備仕様 圧倒的人気 JKK東京「カーメスト興野町」(2023/2/18

舎人ライナー江北駅13分の賃貸「カーメスト興野町」98 申込み倍率8.6倍 JKK東京(2023/2/8

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強まるバルコニーでの禁煙 「共同の利益」に反しないのか(2014/9/27)

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「オーベル練馬春日町ヒルズ]

 大成有楽不動産が近く分譲開始する「オーベル練馬春日町ヒルズ]を見学した。練馬春日町駅から徒歩6分の第一種低層住居専用地域に位置し、練馬城址公園(「としまえん」跡地)へも徒歩5分。南向き70㎡超のワイドスパンが特徴だ。

 物件は、都営大江戸線練馬春日町駅から徒歩6分、練馬区春日町三丁目の第一種低層住居専用地域に位置する敷地面積約2,279㎡、3階建て全31戸。専有面積は68.40~80.07㎡、価格は未定だが、坪単価は300万円台の後半、400万円には届かない模様。竣工予定は2025年1月下旬。設計・監理はアーバンライフ建築事務所。施工は南海辰村建設。販売代理は伊藤忠ハウジング。

 現地は、駅からフラットの高台の一角。従前は賃貸マンションで、周辺は低層戸建て・マンション街。2029年度開園予定の練馬城址公園(前豊島園遊園地)には徒歩5分。

 建物は3棟構成で、南向き24戸、東向き5戸、西向き2戸。住戸プランは東向きを除きすべて専有面積70㎡超、6,250~6,500ミリのワイドスパンが特徴。

 主な基本性能・設備仕様は、リビング天井高2,550ミリ(1階)・2,400ミリ(2・3階)、顔認証、食洗機、O-range LABOなど。

 モデルルーム(コンセプトルーム)オープンから5週目で、来場者は60件超。

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「OBER LOUNGE(オーベルラウンジ)」

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「OBER LOUNGE(オーベルラウンジ)」

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「OBER LOUNGE(オーベルラウンジ)」(「練馬春日」のキッチン仕様)

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 都心へのアクセス(新宿まで直通23分、池袋へ21分、渋谷へ33分)の良さを考えたら坪単価は400万円を突破しても不思議でないと考えていたが、同社はファミリー向けとして平均専有面積を70㎡以上確保したことから、単価は抑制気味で300万円台の後半に設定する模様だ。

 現地も確認した。閑静な住宅地だ。単価設定にも納得した。価格は8,000万円台の前半に落ち着くのではないか。高台なので南側の眺望も確認したかったが、工事用シートに覆われていたのでできなかった。図面によると、南側の隣地は4m前後低い戸建て住宅街のようだ。

 一部完成した練馬城址公園も見学した。「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京– メイキング・オブ・ハリー・ポッター」は好きな人にはたまらないのだろう。城址公園も年々成長する。

 同社本社1階に先月オープンした「OBER LOUNGE(オーベルラウンジ)」は、天井高が約3m超あり、とても気持ちがいい。コンセプトルームは、都内の坪単価にして500万円前後の物件を想定したもので、全体として設備仕様レベルは高い。今回のような「練馬春日町」レベルの設備も設置している。

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現地

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一部完成した練馬城址公園(「としまえん」跡地)

 

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