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B/N大宮区大成町 リミテッドエディション」

 ポラスマイホームプラザの「B/N北浦和」、「フォレストレ リミテッドエディション(FORESTLE Limited Edition)南浦和」に次いで「B/N大宮区大成町 リミテッドエディション」について。戸数は1戸で価格は1億円超。物件名に「リミテッドエディション」を付しているように、一分の狂いも許さないぞと言わんばかりの同社設計課営業企画係主任・塚原俊紀氏の徹底したこだわりにあきれ返るほかなかった。注文住宅そのものだ。

 物件は、JR大宮駅から徒歩11分、さいたま市大宮区大成町1丁目の第2種住居地域(建ぺい率60%、容積率200%)に位置する敷地面積112.41㎡、建物面積120.69㎡、価格10,280万円。建物は木造2階建て。施工はポラテック。竣工は20231月中旬。昨年7月に販売し、同月内に完売している。

 さて、塚原氏のこだわり。記者は全然気付かなかったのだが(それが狙いか)、巾木の見付けは7ミリだと説明を受けた。同社の標準は14ミリだそうだから、その半分だ。〝シンプル イズ ベスト〟-余分なものは見せたくないという考えだろう。

 光を取り込む高窓・スリット窓を多用したこだわりがまた凄い。数えたわけではないが、通常の窓と合わせば20数か所はあるはずだ(今回見学した他の2物件も数は同じくらいか。他社物件と比較して間違いなく多い)。数が多いだけでなく、窓枠に黒または白を採用し、しかも天井いっぱいまで高さを取るなどしてデザインとして取り込んでいる。

 照明計画もしかり。調光機能付きだと思うが、間接照明、ダウンライトを多用し光の演出を行っている。

 まだある。1階のLDK22.0帖)に面した方丈の間くらいの中庭にベンチ付き吹抜け空間を設置し、そこにシンボルツリーのシマトネリコを配することで緑を取り込み、また玄関、玄関手洗い、書斎コーナーから眺められる坪庭を設置し、やはり光と緑を取り込む工夫を凝らしている。限られた空間に意味を持たせる仕掛けが施されている。

 このほか、ヘリンボーン柄の壁などへの採用、ストリップ階段・ガラス引き戸、木の格子リビング天井、2.38mのハイドア、ウッドパネル、ミストサウナガス衣類乾燥機(乾太くん)、タンクレストイレなどを装備。家族それぞれが自分の衣類などを片付け・整理できるバックヤードを1階キッチンの裏側に設けているのも目を引いた。

 塚原氏は、「シンプルデザインをテーマに、オンとオフが切り替えられる間取り、動線などに力を注ぎました」と語った。

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リビング

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巾木見付

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トイレ(収納は隠れて見えない)

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寝室の照明

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検眼手洗い(右側が坪庭)

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唯一理解できなかったのは浴室ドアにタオル掛けがなかったこと

LDK天井高最大4m 1棟現場にN1手法用い成功 本来そうあるべき ポラス「南浦和」(2023/3/8

Z世代の声反映 可変性、多様性、シェア…住宅本来の役割具現化 ポラス「北浦和」(2023/3/8)

 


 

 

 

 

 

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「フォレストレ リミテッドエディション(FORESTLE Limited Edition)南浦和」

 ポラスマイホームプラザの「B/N北浦和」に次いで「フォレストレ リミテッドエディション(FORESTLE Limited Edition)南浦和」を紹介する。1棟現場だから可能にしたのだろうが、分譲住宅の難点である誰でも住めそうな無難なプランではなく、欲しいひと一人にターゲットを絞り込んだ企画が奏功した。これまた住宅分譲の基本だ。

 物件は、JR南浦和駅から徒歩9分、さいたま市南区文蔵二丁目の第一種住居地域(建ぺい率60%、容積率200%)に位置する敷地面積約110.71㎡、建物面積約102.89㎡、価格7,998万円。建物は木造2階建て。施工はポラテック。建物竣工は2022年9月。

 同社の7つのブランドの一つ「FORESTLE」は、森を意味する「Forest」と、心地よい、寄り添うの意味を持つ「Nestle」を組み合わせたもので、「Limited Edition」には注文住宅のようにリアルな顧客の声を生かそうという想いが込められている。

 現地は、戸建てが建ち並ぶ住宅街の一角で、敷地は東南角地。建物は外からの視線を遮るため高窓にするなど窓の位置にも配慮。2階LDK(20.2帖)はこう配屋根を採用することで最大天井高4000ミリ、二連大開口窓、スキップリビング、大容量の収納、1階と2階をつなぐ吹抜け空間などを実現。

 このほか主な基本性能・設備仕様は長期優良住宅認定、挽板の床、ソフトクローズ機能付き開き戸・引き戸、ガス乾燥機(乾太くん)、1.25坪の浴室など。

 同社設計課営業企画設計2係主任・金井琢哉氏は、「マーケティング手法の一つであるN1分析により、近隣に居住し、エリア特性も熟知している方のお宅を訪ね、どのような住まい方をしているかなどをヒアリングしました。その結果、1階リビングを2階リビングにし、スキップフロアを止め、キッチンを回遊性にするなど当初プランを3回変更しました。反響が20~30件に達し、昨年4月の販売時には2組の申し込みがあるなど更地の段階で完売しました」と語った。

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最大天井高4mのLDK(正面は二連大開口窓)

◇        ◆     ◇

 この種の手法は、大量供給時代にもあった。分譲住戸全てに異なるプランを提案し、成功した事例もある。最近の事例では、先日記事にもした大和地所レジデンス「ヴェレーナグラン茅ヶ崎東海岸」だ。全111戸に対して63タイプを提案して人気を呼んだ。ましてや戸建てだ。一つひとつ潜在的な顧客ニーズを引き出す企画力が問われている。どんなエリアであろうと敷地形状が異なろうと、経済設計のブロイラーのような「箱」そのもののマンションや分譲戸建てが売れることこそ異常だ。

 金井氏は「家を建てる体験ができ、そのまま買ってもいいというビジネスモデルにしたい」と語ったが、ぜひともそうしていただきたい。街づくりは無理としても、このような手間暇をかける手作りの手法は支持されるのではないか。

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吹抜け空間

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洗面(左)と浴室

Z世代の声反映 可変性、多様性、シェア…住宅本来の役割具現化 ポラス「北浦和」(2023/3/8)

光と風、照明計画、巾木見付一分の隙もないこだわり ポラス「大宮区大成町」(2023/3/9

 

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「B/N北浦和」

 ポラスグループのポラスマイホームプラザは3月6日、いずれも1~2棟の、それぞれコンセプトが異なる分譲戸建て3現場の竣工見学会を行った。Z世代の声を反映させたり、注文住宅を建てるような体験が出来たり、細部まで設計者のこだわりを盛り込んだことなどが評価され、早期完売。分譲戸建てはかくありきの商品企画が光った。

◇        ◆     ◇

 まず、記者がもっとも注目した「B/N北浦和」から。「B/N(ビーエヌ)」は、同社の7つ目の最新ブランド。「B」は基本を意味するBASIC、「N」はNATURAL、あるいはNEUTRALの頭文字からとったもので、テーマは「シンプルモダンデザイン」。

 事前の説明で、物件は全世代向けだが、同社のZ世代のスタッフの声を企画に盛り込んだのが特徴で、北浦和駅からバス17分の全2棟、価格は4,000万円台の前半であることが紹介された。

 今の10代の前半から30歳未満と言われるデジタルネイティブのZ世代のことなどまったく分からない記者は、てっきり〝価格ありき〟のいわゆるパワービルダーと同じ土俵に上がり、消耗戦に参戦するのかと思った。

 しかし、現地について外観を眺めた限りではそのような気配はなかった。基本性能・設備仕様レベルをチェックしたが、パワービルダーの物件とは似て非なるものであることも確認できた。それどころか、価格からしてむしろ性能は高く、白と黒を基調としたデザイン・カラーリングセンスが抜群なのに驚いた。

 そして、物件の基本設計を担当した同社設計課営業企画設計係係長・高橋健太郎氏氏(47)の話を聞いて、「B/N」のコンセプト、Z世代の声をどうして反映させたか、その意図も分かった。

 高橋氏は、「敷地南側は対面の建物の室外機が目に入るので、開口部は北側に設けざるを得なかったが、北側に居室と緩やかにつながる明るい空間を設けることができた。子ども部屋は1つ、居室の扉を設けず、多目的に利用できるオープンな空間を演出することで、空間をシェアし、可変性を持たせたのが特徴」と話した。

 Z世代の声の取り込みかたユニークだ。一般的な社内プレゼンは、経験豊富な審査委員(上司)がプレゼンター(部下)の報告を評価・採点するのが普通だろうが、同社はその逆だ。スマホなどZ世代向けの商品が他の世代でも人気になっていることに着目。ベテラン事業担当者4名がZ世代の設計担当4名、営業スタッフ5名に対してプレゼンし、プレゼンターの提案を50点満点、Z世代の提案を50点満点、合計100点満点で採点。最高得点を獲得した高橋氏の基本設計をもとに、Z世代スタッフが全世代向けのプランを共同で商品化したものだ。

 実施設計を担当したのはZ世代の同社設計課実施設計係・田上彩水氏(26)で、田上氏は「わたしは姉と一緒に6畳間を寝室にしていました。違和感はありませんでした。勉強はリビング。プレゼンでは自由に提案していいということでしたので、フィットネスルームにも居室にもなる可変性のある空間、必要ない建具は極力少なくし、カラーリングもドアノブを白のドアと統一するなど目立たないようにしました。一つの写真で全て見える〝映える〟にも気を配りました」と、営業担当のZ世代の営業課2課・根本和磨氏(25)は、「フィットネスにも居室にもなるいろんな趣味が生かせる、多様性をアピールしました」とそれぞれ語った。

 写真を添付したので、じっくり見ていただきたい。LDKスペースをたっぷり取り、間仕切り壁を取り払った空間、大きめの主寝室と対照的な子ども部屋を想定した4畳大の居室などは、ライフスタイル・ステージに柔軟に対応することが求められる住宅本来の役割・機能を具現化、キーワードである「可変性」「多様性」「シェア」を見事に表現している。ドアノブ一つにこだわった田上氏はZ世代の特性なのか、それとも田上氏自身の感性か。これは分からない。次の作品を見たい。大化けするのではないか。

 物件は、JRB北浦和駅からバス17分、バス停から1~2分、さいたま市緑区に位置する全2棟で、土地面積は108.17・104.03㎡、建物面積は100.29・103.08㎡、価格は4,190万・4,290万円。木造2階建て、施工はポラテック。建物完成は2023年1月下旬

 2階リビングの1号棟は、LDK(20.6帖)、多目的に利用できるカフェ、ブックシェルフ、主寝室(9.0帖)、居室2室(5.3帖、4.6帖)など。1階リビングの2号棟はLDK(22.3帖、スタディルーム約5.8㎡含む)、主寝室(7.3帖)、居室(4.3帖)、スタディルーム、トレーニングルーム(1.0帖)、芯心1mの階段、ピクチャーレールなどが特徴。

 リビング天井高2700ミリ、床は挽板(1号棟除く)、ソフトクローズ機能付き引き戸・開き戸、階段ステップ15段などは標準仕様。

 同社部長・森田昌久氏は、「今回の3現場はすべて異なるコンセプト。一つひとつゼロから商品化したのが特徴。この『北浦和』はZ世代をターゲットにしたものではないが、全世代に興味を持っていただけるはず。今後の同様の商品を提供していきたい」と語った。

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〝映える〟LDK

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アメニティ、ドアノブにまで白にこだわったデザイン

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左から根本氏、高橋氏、田上氏

LDK天井高最大4m 1棟現場にN1手法用い成功 本来そうあるべき ポラス「南浦和」(2023/3/8

光と風、照明計画、巾木見付一分の隙もないこだわり ポラス「大宮区大成町」(2023/3/9

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菰田社長(東京ミッドタウン八重洲で) 

 三井不動産は3月7日、「六本木」「日比谷」に続き3か所目の〝東京ミッドタウン〟となる「東京ミッドタウン八重洲」が3月10日にグランドオープンするのに先駆け社長記者会見・プレス内覧会を行った。メディアの取材申し込みは300名に達し、同社も含めたデベロッパーのコロナ以降では最多となった。

 会見に臨んだ同社代表取締役社長・菰田正信氏は記者団の質問に対し、「2012年社長に就任したとき、8つのプロジェクトが進行中と話したが、『日比谷』に続き3つ目の『東京ミッドタウン八重洲』が完成し、しかもオフィスは満床稼働するのは、平板な言い方だが感無量」と語った。

 また、次のミッドタウンについては、「地権者次第だが、4つ目、5つ目を進め、さらに進化させたい」と意欲を見せた。

 日本橋・八重洲を中心とする東京に足りないもの・課題については「外国人の子供向けの教育と暮らしを支える医療、それとレジデンスは十分でない」と語った。

 菰田氏はまた、日本橋・八重洲エリアを「東京のゲートウエイ」と話した。

◇        ◆     ◇

 菰田社長が今後の日本橋・八重洲の開発について「レジデンスは十分でない」と語ったのは注目される。これまで、日本橋・八重洲の外周部の銀座、築地、茅場町、人形町などではマンションが供給されてきたが、日本橋・八重洲アドレスでは少なく、同社が2014年に建設した全54室の賃貸「パークアクシスプレミア日本橋室町」があるくらいだ。

 また、三菱地所の大丸有エリアでもマンションはほとんどなく、4月1日付で三菱地所の社長に就任する取締役兼代表執行役執行役専務・中島篤氏は2月16日の会見で、大丸有エリアについて「グループの総力を結集してビジネスだけでなく居住、文化、エンターテイメントなどを取り込んで魅力ある空間にし、国際化にも寄与したと考えている」と語っており、これまでにない住宅開発を行うことを匂わせている。

 この二人の発言からして、日本橋・八重洲、大丸有エリアに分譲・賃貸マンションが建設されるのは間違いなさそうだ。どちらが先にどこで供給するか。記者は分譲なら坪単価3,500~5,000万円、賃貸なら月額賃料200~300万円になるとみている。

 菰田社長は4つ目、5つ目の〝東京ミッドタウン〟の開発に意欲を見せたことから、次の東京ミッドタウンは同社の発祥の地・日本橋になると記者は予想する。これはほぼ間違いないはずだ。

三井不動産 ビルも賃貸も億ション並み「和」盛り込んだ「日本橋再生」(2014/1/29)

 

 


 

 

東急不動産ホールディングスは33日、「東急プラザ銀座」(敷地面積2,072㎡、簿価118,598 百万円、坪18,889万円)を三井住友トラスト・パナソニックファイナンスに売却し、20233月期決算で特別損失として211億円を計上すると発表した。運営は継続する。

        ◆     ◇

「東急プラザ銀座」は、同社が旧東芝銀座ビルを2007年に取得し、2016年3月に開業。周辺には大丸、高島屋、三越、松屋、GINZA SIX(旧松屋)などの名だたるデパートが群雄割拠し、「東急プラザ」は駐車場が少ないことなどから苦戦が伝えられていた。記者は、開業時の記者見学会を含めて数えるほどしか訪れていないが、最高のデパートだと思っている。

今回の決定は、よく言われる選択と集中の経営判断か。ホテルと同様、所有と運営を分離するのは時代の流れなのか。

東急不 「東急プラザ銀座」331日開業 ターゲットは玄人の「大人」(2016/3/28

 

 

 

 

アットホームは31日、過去2年以内に一戸建て・マンションを購入した人を対象に、途中でこだわるのを諦めた条件・設備に関する調査結果をまとめ発表。住まいの基本的条件では、価格は1.3倍妥協、広さは14.0㎡削減、最寄り駅からの徒歩時間は8.6分妥協。設備仕様では5人に1人が「収納スペース」「リビングの広さ」「外観のデザイン」を妥協していることが明らかになった。

調査対象は、過去2年以内(202010月以降)に住まいを探し、一戸建て・マンションを購入した1850歳の男女400名。内訳は新築マンション、中古マンション、新築一戸建て(注文住宅含む)、中古一戸建て各100名。

住まいの条件の住宅価格の妥協ラインは、「実際の住宅価格÷当初の住宅価格」で算出。予算の1.3倍まで妥協していたことが分かった。

築年数を妥協したと答えた人の中で、築年数の妥協ラインを「契約時の築年数-当初希望していた築年数の上限」で算出したところ、当初より11.1年古くても妥協していたことが分かり、その理由として「建物自体は免震構造で、共用部分の清掃・管理もきちんとなされていたため(中古マンション)」といった声があった。広さも同様、当初より14.0㎡狭い物件で妥協したと回答。

最寄り駅までの徒歩時間は当初より8.6分、通勤・通学時間は当初より17.6分遠くても妥協。その理由として、「自転車を使えばすぐだったから(新築一戸建て)」、「以前と同じくらいの時間帯の出勤で済んでいるから(中古一戸建て)」といった声があり、「在宅勤務が増えたので妥協しても問題なかった(新築マンション、中古マンション、中古一戸建て)」という回答も見られた。

このほか、妥協したものは27.0%の「収納スペースの広さ」がトップで、以下、「リビングの広さ」23.5%、「外観のデザイン」22.8%の順。その理由は、収納は「断捨離する良い機会になるから(中古マンション)」、「物を出しっぱなしにしないことで広々使えるから(新築一戸建て)」「住んでしまうと狭さを感じなかったから(中古一戸建て)」、外観のデザインは、「住んでみたら気にならなかったから(中古マンション)」「自分では妥協したと思っていても意外と来客に褒められたから(新築マンション)」など。

住まいの条件で「妥協はしていない」と答えた人は19%。

住まいの設備でもっとも妥協したものは「宅配ボックス」16.8%で、以下、「ウォークインクローゼット」15.5%、「床暖房」15.3%の順。その理由として宅配ボックスは「置き配を利用できるから(新築マンション)」「お互いの休日に上手く受け取ることができているから(新築一戸建て)」などの声があり、ウォークインクローゼットは、「普通のクローゼットで十分、使い勝手に問題はないから(新築マンション)」「和室の収納を工夫して、バッグやベルトなどの保管場所を増やしたから(中古一戸建て)」、床暖房は、「気密性の高い家にしたのでそんなに寒くないから(新築一戸建て)」「他の暖房機器があれば十分だから(中古マンション)」といったコメントがあった。

一方、「妥協はしていない」と回答した人は44.3%だった。

        ◆     ◇

 とても興味深い結果だ(同社は先に賃貸篇も発表しているが、賃貸はよく分からないので割愛した)。

 結果についてコメントする前に、課題を一つ指摘したい。今回の同社のアンケートに限ったことではないが、結果を全部足して、それを割って平均値や傾向を出しても、絵具と一緒、攪拌されて限りなくグレーに近くなる。実態はよく分からない。今回の調査でいえば、マンションと戸建て、新築と中古、そしてもっとも肝心なことだが、購入者の所得(購入価格)、年代によって回答はかなり異なっているはずで、その詳細な分析が必要だということだ。(同社リリースでは回答者の属性を一部紹介はしているが…)

 設問項目に注文もある。どうして基本的な条件に住環境、ランドスケープデザイン、断熱・遮音、天井高、サッシ高、廊下・階段幅、その他トイレなどのユニバーサルデザインに関するものはないのか。設備仕様では、同社は宅配ボックス、ウォークインクローゼット、床暖房、オール電化、シーズインクローゼット、食洗機、トイレ内手洗い、ディスポーザー、人感センサー付き照明、TV付き浴室、押入れ、複層ガラス、省エネ給湯器の12項目についても聞いているが、これでも少ないと思う。基本性能とも関連するのだが、間取り(可変性)、収納・引き戸のソフトクローズ機能、ミストサウナ、スロップシンク、キッチン天板仕様、食器棚、浴室タオル掛け、ドアノブ、トイレドア幅、床・壁仕上げ…などだ。

 これらをさておき、調査結果について。住まいの条件に対する妥協ラインが予算の1.3倍というのは正直驚いた。これは前述したように、億ションを買える人は1億円が1.3億円になっても買いあがることはできるかもしれないが、当初予算が3,000万円の人は4,000万円近くになっても購入することができるのか。

 築年数の妥協ラインは納得だ。基本性能・設備仕様レベルは最近のマンションより10年くらい前の物件のほうが高いものは少なくない。これは消費者が賢明な選択をしているということか。

 広さを14㎡(約4.2畳大)妥協したというのは、是非はともかく最近の住宅市場をストレートに反映している。

 最寄り駅までの徒歩時間は、デベロッパーが「駅近」(マンションだが)を最大の売りにしていることと全く異なる結果が出た(戸建ての回答が半数であることと無関係ではないが)。記者は、徒歩時間より大事なものがあると消費者は考えていると理解したい。

 その他の条件については、人それぞれだからコメントしないが、収納スペースについて一言。仮に住宅の収納率を10%としたら、価格が5,000万円だったら、収納スペースは500万円だ。それほど高価なスペースに後生大事にしまっておく価値のあるものはどれほどあるのか。小生などは本のみ。本は捨てられない。

 全体として住まいの条件を妥協しない人が19%というのには、やや驚いた。十全の物件など一つもない。全ての条件を満たした物件を買えるのはほんの一握りのお金持ちしかいないはずだ。

 設備仕様に関してはなにも言うことはない。「妥協しない」が44.3%というのは、このようなものか。逆に驚いたのは「複層ガラス」は7.5%、「省エネ給湯器」は6.5%の人が妥協しており、「妥協しても問題なかった」人は前者が56.7%、後者が53.8%にも達していることだ。マンションのサッシは一度付けたらほとんど変更できない。これからは樹脂サッシが当たり前の時代になる。消費者も住宅を見る目を肥やさないといけない。複層ガラスと省エネ給湯器を妥協した人の30%超の人が後悔していると回答しているのに注目すべきだ。

 全体として、調査は現在のデベロッパー、ハスウメーカーの供給するマンションや戸建てのレベルを反映していると思う。そして何よりもうれしいのは、5年前に「マンションは『駅7分以内』しか買うな!」の本について3回にわたって批判した記事は間違いではなかったことを、消費者の方が証明してくれたことだ。この記事には3回で2万件を超えるアクセスがあった。

また怒り沸騰 「マンションは『駅7分以内』しか買うな!」の本は買うな!()2018/2/1

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「ヴェレーナグラン北赤羽マスタープレイス&マナープレイス」 

 大和地所レジデンスは3月3日、同社の30周年記念プロジェクト「ヴェレーナグラン北赤羽マスタープレイス&マナープレイス」の第1期1次125戸の登録受付を開始したと発表した。登録締め切りは3月12日。

 2022年9月のホームページ公開から、物件エントリー総数は2,500件超、2022年12月から開催している事前案内会は連日満席で、約500組の来場があるという。

 全253戸の「マスタープレイス」と全65戸の「マナープレイス」からなる総敷地面積約11,500㎡超の全318戸の大規模物件。敷地の周囲と住棟周りにメタセコイヤ、ロドレイア、サクラなどの植栽計画、デザイン意匠、メゾネットやコーナーサッシ付住戸、スキップフロア、ロフトなどの74種類の間取りプラン、天然御影石のキッチン天板、充実した共用施設などが特徴。

 物件は、JR埼京線北赤羽駅から徒歩5分、北区浮間一丁目の工業地域に位置する敷地面積約9,315㎡の「マスタープレイス」は19階建て全253戸。第1期1次の販売戸数は100戸、専有面積は57.89~106.53㎡、価格は5,098万~13,798万円。敷地約2,186㎡の「マナープレイス」は15階建て65戸。第1期1次の販売戸数は25戸、専有面積は44.39~90.00㎡、価格は4,398万~10,498万円。登録期間は双方とも2月23日~3月12日。竣工予定は「マスタープレイス」が2025年1月下旬、「マナープレイス」が2024年8月上旬。設計・監理はスタイレックス。施工は長谷工コーポレーション。

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「マスタープレイス」 

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エントランス

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ルーフバルコニー

◇        ◆     ◇

 同社がこの物件を分譲するとリリースしたとき、用途地域が工業地域なので果たして大丈夫かと思った。「北区浮間」は昔は工場の街だったからだ。反響の多さから問題はなさそうだ。豊かな植栽計画で難点を解消しているのだろう。

 2020年10月に販売開始し、約650組の来場者を集め、わずか6か月間に完売した「ヴェレーナグラン赤羽北フロント」89戸と、隣接する全96戸の「ヴェレーナグラン赤羽北ザ・マークス」を2021年9月の販売開始から2022年2月までに完売した実績が今回も生かされているのだろう。

 市況がいいときも悪いときも手抜きなどせず、どちらかといえばそれほど恵まれた立地ばかりでもないのに、顧客の潜在的ニーズを取り込む商品企画力はデベロッパーのなかで突出している。

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ラウンジ

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メゾネット

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モデルルーム

天晴れ! 日本庭園とつなぐ共用部の演出見事 大和地所レジ「茅ヶ崎東海岸」(2023/2/22)

天井高3m超、20畳大の床下収納など 大和地所レジ「赤羽北フロント」竣工見学会(2022/3/24)

大和地所レジ 早期完売「フロント」 隣接の「赤羽北ザ・マークス」坪300万円超えるか(2021/8/4)

 

 積水ハウス3月3日、小学生の長子をもつ全国の20~60代の既婚男女を対象に「小学生の子どもとの暮らしに関する調査」をまとめ発表した。以下、主経ったものを紹介する。

 ①子どもが小学校に入学してからどのように生活時間が変化したかを聞いたところ、女性は起床時間、就寝時間、夕食開始時間の全ての項目で4割以上の人が変化。起床時間は「早くなった」と回答した人は46.1%、就寝時間は「早くなった」が20.8%、「遅くなった」が22.5%、夕食開始時間は「早くなった」が14.5%、「遅くなった」が26.8%。男性は、全ての項目において変化した人の割合が約2割

 ②平日の生活時間の変化では、フルタイム勤務とパート・アルバイト・内職勤務(以下、パートタイム勤務)や専業主婦/ 主夫で差が見られた。フルタイム勤務では、「家事を行う時間が増えた」人が29.8%、「子どもと一緒に過ごす時間が増えた」人が25.1%。約3人に1人は「自分の自由時間が減った」と回答。パートタイム勤務や専業主婦/ 主夫では、約半数の人が「子どもと一緒に過ごす時間が減った」と回答。また、パートタイム勤務や専業主婦/主夫で「家事を行う時間が増えた」は24.8%、「睡眠時間が減った」人がフルタイム勤務では18.5%、パートタイム勤務や専業主婦/主夫では30.6%

 ③「宿題や勉強を見るようになった」が54.0%、「学校からのプリント確認の時間が増えた」が45.6%、「習い事の送迎が増えた」が35.7%。家事関連では「洗濯物が増えた」人が44.0%。さらに「家にある”もの”が増えた」が46.5%、収納が足りなくなった」が28.3%

 ④子ども部屋の保有率は、小学校1-2年生男子では37.0%、女子は45.7%。小学校5-6年生では、男子は58.3%、女子は73.2%

 ⑤勉強する空間では、「子ども部屋」と回答した人は22.2%、76.5%の人は「リビング・ダイニング」と回答

 ⑥コロナ禍で広がった在宅勤務をリビング・ダイニングで行っている男性は44.8%、女性は81.8%と回答。同じ空間にいることで親子両方が安心感を得られている半面、デメリットとして「在宅勤務中に子どもが同じ空間にいると集中ができない」32.4%、「Web会議や電話会議などに子どもの声が入ってしまうことがある」23.5%などが挙がっている

 ⑧子ども部屋や子どもの空間に関する悩みでは、3人に2人以上が「ある」と回答。「”もの“が増えて収納が足りなくなった」39.1%、「子ども部屋を片付け・整理してくれない」が25.8%

 これらの結果を踏まえ、同社執行役員住生活研究所・河﨑由美子氏は「調査では、子ども部屋を与えてもリビング・ダイニングで勉強したり遊んだりしている子どもが多いことがわかりました。親側にも「目が届くから安心」「宿題を見てあげられる」などのメリットがあります。リビング・ダイニング内に照明やテーブルの高さを工夫した勉強スペースや、居心地よく遊べるいどころをつくれるとよいですね。

でも、子どものころに初めて自分の部屋をもらったときの嬉しい気持ちを憶えていますか? リビングで過ごす時間が長くても、成長に合わせて子ども部屋も用意してあげたいものなのです。子ども部屋を用意したら、子どももインテリア・コーディネートに参加させてみませんか」とメッセージを寄せている。

 また、住まいの入学準備の4つの「幸せTips」として①リビングに子どものいどころを②リビングに勉強スペースを確保③ランドセルの居場所をつくる④片づけ力UPにつながるインテリアを挙げている。

◇        ◆     ◇

 小生も2人の子どもを育てた経験があるので、どれもがよく分かる。肝心なのは「哀」だ(どうしてわがパソコンはこんな字に変換するのか。恨みでもあるのか。もちろん「愛」)

 自らの小学生時代を振り返ると、やはり囲炉裏の存在が大きい。おばあちゃんの膝の上に座り、毎日の新聞のニュース、昔話などを聞き、父親が火箸で灰に書く字の読み方、書き順、算数の計算の仕方を覚えた。消しては書けるのでノートはいらない。隣近所の人たちが集まる定期的な集まりで世の中の動きを教わった。成長してから分かったことだが、猥談などもみんな平気でしゃべっていた。とてつもなく大きい金持ちと貧乏人、都市と田舎の〝格差〟を学んだのもこのころだ。

 子ども部屋は方丈の間(四畳半)で十分だと思う。減らした分を家族のスペースや夫婦の部屋にしたほうがいいとずっと考えているが、そんな提案を行うデベロッパーはほとんどいない。囲炉裏(風)の提案をかつて三井不動産レジデンシャルが「新浦安」のマンションで行ったのを覚えている。
 

 

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「レ・ジェイドシティ橋本」模型(手前から「Ⅰ」「Ⅱ」)

 日本エスコンが3月末に分譲する「レ・ジェイドシティ橋本 Ⅰ・Ⅱ」を見学した。リニア新幹線神奈川駅を中心とする約14haにも及ぶ再開発エリアに徒歩2分の立地であることから、実需、投資両面で検討する人が多いとかで、どのような販売結果になるか注目したい。坪330~350万円になりそうな価格設定も絶妙だと思う。

 物件は、京王電鉄相模原線橋本駅から徒歩4分、JR横浜線・相模線橋本駅から徒歩5分、相模原市緑区橋本2丁目の第二種住居地域に位置する「Ⅰ」は8階建て全69戸。専有面積は31.81〜70.55㎡のコンパクトタイプが中心。価格は未定だが坪350万円くらいになる模様。「Ⅱ」は8階建て全87戸。専有面積は53.39〜81.51㎡のファミリータイプが中心。価格は未定だが坪単価は330万円くらいになる模様。設計・監理は現代綜合設計。施工はファーストコーポレーション。竣工予定は2023年11月上旬。販売代理はリストインターナショナルリアルティ。

 現地は、リニア新幹線神奈川駅へ徒歩10分(再開発予定区域へは2分)。周辺は戸建てや中層マンションが建ち並ぶ一角。敷地は社宅跡地で、計画では「Ⅰ」と「Ⅱ」の隣接地で計画戸数74戸の「Ⅲ」(建築確認未取得)が予定されており、全体では約230戸となる予定。

 主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2400ミリ、カーテンレール天井直付、食洗機など。敷地全体で高さ5m以上の大径木を約50本、高さ3~5mの高木を約180本植栽する予定で、良好なランドスケープを目指しているのも特徴。

 これまで資料請求は約1,500件、モデルルーム来場予約は350件。来場者の特性は地元が約4割のほか、地縁のない都内居住者なども多く、実需が中心だが、投資目線で検討する人も多いという。第1期分譲は70戸くらいになりそうだ。

 販売代理のリストインターナショナルリアルティ販売営業部主任・山中勇樹氏は「事前案内会は1日10時、13時、16時、18時の4セット。スタッフは8名。平日は6件、土日は8件くらいのフル回転。これほど来場者の多いのはこれまで経験したことがありません。1件あたり約2時間、とても密度の濃い説明ができています。都心部での価格上昇が激しく、手が届かなくなっている現状から、郊外に目を移しているお客さんが増えていることを反映しています。横浜線の八王子、町田などと比較しても、橋本は負けていないと思います」と話している。

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81㎡のモデルルーム(壁を取り払った提案は面白い)

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モデルルーム

◇        ◆     ◇

 価格はわが多摩センターをはるかに凌ぐことになりそうなのでショックではあるが、やむを得ない。リニア開業は当初予定の2027年は無理のようだが、街は劇的に変わるのは間違いない。リニアが完成したら、品川のマンションは坪1,500万円を突破するはずで、品川から10分で坪330~350万円というのは納得の価格だ。小生の単価予想もズバリ的中しそうだ。

 建築確認未取得の「Ⅲ」は、近接する東急不動産などの29階建て458戸の様子を見ながらプラン決定する模様で、価格はさらに高くなる可能性大とみた。しかし、坪400万円に迫りつつある「調布」を抜くことはないのではないか。

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建設現場

調布には迫らないはずだが…リストが販売代理の日本エスコン「橋本」全230戸(2023/2/16)

リニア開業後の資産性を訴求 駅圏 初のコンパクト マリモ「橋本」販売好調(2022/6/28)

ワイドスパン、多面採光がいい リストが販売復代理の山田建設「橋本」(2020/2/20)

 

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中村氏(左)とシング氏(日本橋高島屋三井ビルで)

 Amazonと三井不動産レジデンシャルリース(三井レジリース)は3月2日、マンションの「置き配」促進の協業に関する発表会を行い、三井レジリースが運営管理する賃貸マンンションに対し、Amazonの「Key for Business」(KfB)を導入することで、オートロック付きマンションでの荷物の受け取りを便利にし、宅配ドライバーの再配達の負荷を軽減するとともに、CO2削減など社会課題の解決に貢献していくと発表した。

 KfBは、オーナー、管理会社の許可を受け、マンションのドアを制御するシステムに専用機器を設置することで、ドライバーがオートロックを解除し入館し、指定された場所に商品を届けるようにしたもの。工事の所要時間は60分程度で済み、初期費用・月額利用料は無料。年間最大1,000円の電気代はオーナー、管理会社負担。

 2021年3月に日本で初採用してから2023年2月末時点で19都道府県5,000棟以上のマンションに設置済み。今後2,500棟/年の設置目標を掲げている。

 三井レジリースは、現在サブリースしている大半がオートロックシステム付きの賃貸マンション約7.6万戸に順次KfBを採用していく。当面は10棟約400戸に採用する。

 記者発表会に臨んだAmazonロジスティクス事業本部本部長・Awanish Narain Singh(アヴァニシュ・ナライン・シング)氏は「KfBを導入したマンションでは80%以上の再配達削減を実現した。日本政府が掲げる再配達削減キャンペーンに貢献するとともに、物流業界の2024年問題解決にも寄与する。今回の協業は、宅配サービスのスタンダードとなる転機にしたい」と語った。

 三井レジリース経営企画部長・中村誠氏は、「検証の結果、安全性を確保しながら多様な受け取り方を可能にする結果が得られた。利便性の向上はもちろんCO2の削減など社会課題の解決への一助としたい」と話した。

◇        ◆     ◇

 置き配とは、受け取り側があらかじめ指定した場所、例えば玄関前・宅配BOX・メーターボックスなどに荷物を届けてもらうサービスだ。宅配サービスのあり方が社会問題化した2017年、大京がフルタイムシステムと共同開発した専用宅配ボックス「ライオンズマイボックス」のメディア向けお披露目内を開いたときは、業界紙だけでなく、一般紙やテレビ局など約40名の報道陣が集まった。

 その後、各社が競うように宅配ボックスの設置を進め、国土交通省も宅配ボックスの容積不算入を決めた。三井不動産レジデンシャルは、スマートロックとセキュリティカメラを連携させた、不在時でも食品や日用品を玄関内に配達するサービス「ナカ配サービス」を2020年に開始している(初採用の「月島」マンションの取材を申し込んだが実現しなかった)。

 最近はコンビニや駅に備えられている宅配ロッカーでも受け取れるようになっているようで、記事にするほどでもないと取材を見送ることに決めた。

 しかし、時間もあるし、何といっても三井レジリースの協業先はGAFAの一角であるAmazonだ。世の中がひっくり返るような新サービスを開始するのではないかと、その取材機会を自ら捨てたら悔いが残ると、取材を申し込んだ。

 発表会場の日本橋髙島屋三井ビルに集まったメディアは30媒体。記者と同じ考えの方が多いということか、それともさすがAmazonと言うべきか。三井不産レジの最高レベルのマンション見学会だってこれほど集まらない。

 そのサービス内容は上段の通り。確かに利便性は飛躍的に高まり、宅配ドライバーの負担を軽減する効果は大きく、わが国の喫緊の課題でもある働き方改革、CO2削減の社会課題解決に貢献することなどは言うまでもないが、世の中がひっくり返るようなサービスでもないようだ。Amazonのこのシステムがスタンダードになったら、宅配業界はパニックに陥るだろうが…。

 記者が疑問に感じたのは、大京の発表会から5年経過しているにも関わらず、再配達問題は全然進んでいないのかということだ。再配達をなくすには、送り手が送り先にいつ何時に届けますと連絡すれば解決できることであり、連絡先は固定電話でなく携帯、あるいはEメールにすれば再配達は劇的に減少するはずだ。それができないのが不思議だ。物流業界と同様、宅配サービス業界もアナログの世界なのか。汎用性のある開錠システムの開発はできないのかとも思った。

 これは、読者の方もメディアの方もご存じないだろうから紹介する。同社はこの4月1日で創業37年を迎えると中村氏は話した。この種の記者発表会を行うのは創業来初めてで、Amazonと協業することは凄いことだと思うが、もう一つ、凄いことがある。

 野球の話だ。同社はRBA野球大会(日曜ブロック)に平成18年の第18回大会から出場しており、途中1回不参加だったが、第29回大会までの通算成績は33試合9勝24敗、通算勝率.273。参加24チームのうち下から4番目。打てず守れず、まぐれで勝っても1シーズン2勝どまり。3勝すれば決勝トーナメント(ベスト10チームくらい)に進出できるのだが、一度も予選突破はできなかった。

 ところが、平成の終わり、令和の幕開けの記念すべき第30回大会では、彗星のように現れた左腕・渡辺の投打にわたる活躍と、愛知県の名門・東邦高校出身のスラッガー山際、ザルというよりタガが外れた桶同然の野手に足を引っ張られても、エースとして孤軍奮〝投〟してきた佐藤投手らの奮起で、あれよあれよという間に勝ち進み、決勝戦でも渡辺-佐藤の継投で、三菱地所リアルエステートサービスに4-0と完封勝ち。初優勝を飾った。

 三井グループでは優勝3回の三井不動産、1回の三井不動産レジデンシャルに次いで3チーム目の優勝チームとなった。三井不動産レジデンシャルサービスと三井不動産リアルティはそれぞれ準優勝1回。

 RBA野球大会はコロナの影響で第31回大会から第33大会まで中止を余儀なくされている。渡辺、山際は健在か、佐藤はアメリカ勤務から戻ってきたのか。

 同社野球部藤城監督のコメントを取ることができた。佐藤はAmazonとの交渉のため渡米したのではなく、今はアメリカから帰ってきて新宿本社で元気に勤務しているとのことだ。渡辺など他の選手も変わりはないということだった。ただ、コロナの影響で練習・トレーニングなどは各自任せとのことで、戦力が維持できているかどうかは不明。

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「置き配」デモ

第30回RBA野球大会 日曜ブロック 三井レジリース初優勝 渡辺が投打に活躍(2019/4/28)

〝再配達ゼロ〟宅配ボックス発表会に記者殺到 大京・フルタイムシステムが新商品(2017/4/10)

 


 

 

 

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