性犯罪に加担し隠蔽してきたマスコミの罪は大きい ジャニーズ問題を考える
自動車保険金を不正に請求していた問題で、中古車販売大手のビッグモーターが特別調査委員会の調査報告書を公表したのは7月5日だった。また、前社長が長期にわたって反社会勢力と関係を持っていたことに関して、東証プライム市場に上場している三栄建築設計が第三者委員会の調査報告書を公表したのは8月15日だった。
そして8月29日、故ジャニー喜多川氏の性加害を巡り、ジャニーズ事務所の「外部専門家による再発防止特別チーム」による調査報告書が公表された。
記者はエンターテイメントには全く関心がなく、ジャニーズ事務所がどのような会社組織なのか知らなかったのだが、少しは知るべきだろうと思い、その報告書を読んだ。報告書は70ページ以上にわたるもので、読み進むのもためらわれるほどおぞましい性加害の実態がつづられている。
報告書が指摘する「20歳頃から80歳代半ばまでの間、性加害が間断なく頻繁かつ常習的に繰り返された事実は、ジャニー氏に顕著な性嗜好異常(パラフィリア)が存在していた」「メリー氏はジャニー氏より4歳年長の姉であり、戦前、戦中、戦後の日本とアメリカでの暮らしの中で、幼い頃から姉弟で苦楽を共にしてきた間柄である。ことにジャニー氏が2歳のときに母親が他界してからは、メリー氏は母親代わりとなって末弟のジャニー氏に愛情を注いでおり、両者の関係は姉弟というよりも母親と息子のようであった」ことを初めて知った。
そして、注目したのは「芸能事務所の経営トップでもある芸能プロデューサーが、その芸能事務所所属の中学生・高校生を中心とする未成年の同性のタレント候補(又はタレント)に対して1970年代前半から2010年代半ばまでの間の長期間にわたって性加害(強制わいせつ罪等に該当し得る犯罪行為)を繰り返し行い、その被害者数は多数に上るであろうという、極めて悪質な事件」を暴けなかった背景には「マスメディアの沈黙」があると指摘していることだ。
報告書は「ジャニー氏の性加害の問題については、過去にいくつかの週刊誌が取り上げてきたものの、2023年3月にBBCが特集番組を報道して、その後、元ジャニーズJr.が性加害の被害申告の記者会見を行うまで、多くのマスメディアが正面から取り上げてこなかった」とし、「テレビ・新聞等の日本の主だったマスメディアが性加害の事実を報道せず、その批判にさらされないという状況の下、性加害の実態を徹底的に調査してジャニー氏を解職するなど再発防止を図ることや被害者を救済することを怠った」と批判している。
4時間以上にわたった9月7日のジャニーズ事務所の記者会見も視聴した。東山紀之新社長は「人類史上最も愚かな事件」と述べた。どこかの記者の方が屋号を存続させることに対して、「スターリン株式会社やヒットラー株式会社に匹敵する」と指摘したのに、東山氏は明快に答えることはなかった。「人類史上最も愚かな事件」に加担し、隠蔽し続けてきた「マスコミの沈黙」に言及する記者は、この記者の方を除きほとんどいなかった。
その一部始終を各局はテレビドラマのように延々と垂れ流した。会見を視聴していて、東山氏や前社長のジュリー氏が悲劇を演じる役者にみえた。茶番劇ではないかと。
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この問題に関するマスコミの社説、コメントもチェックした。以下の通りだ。
「メディアも真価を問われる局面となった」「これまでの経緯の検証をしないままジャニーズに関わり続けることは、朝日新聞を含め、もはや許されない」(9月9日付朝日新聞社説)
「国際社会に向けて発信された国辱的な『事件』である」(8月8日付産経新聞主張)「(報告書の)この厳しい指摘には、抗すべき言葉もない。産経新聞をはじめとする新聞、テレビがこの問題の報道に及び腰であったことは事実である」(8月31日付同)
「多くの未成年者が被害にあう中で、メディアとしての役割を十分に果たしていなかったと自省しています。より深く真実に迫ろうとする姿勢を改めて徹底し、取材や番組制作に取り組んでまいります」(9月7日付NHKコメント)
「『(報告書で)マスメディアが正面から取り上げてこなかった』などと指摘したことを重く受け止め、性加害などの人権侵害は、あってはならないという姿勢で報道してまいります」(9月7日付日本テレビコメント)
皆さんはどう読まれたか。朝日新聞はやや踏み込んでいるが、みんな何だかよそ事のようにとらえている。「国辱的な『事件』」を起こしたのはマスコミ自身ではないのか。
作家・作家・辺見庸氏は著書「言葉と死」(毎日新聞社、2007年刊)でマスコミの「社説」について次のように書いている。
「ごくまれな例外を除き、新聞の社説というものが発する、ときとして鼻が曲がるほどの悪臭。読まなくても、べっして困ることはないのだし、中身のつまらぬことは分かりきっているのだから、いっそ読まずにおけばいいのだけれど、ひとたび向きあってしまえば、必ず鼻につく、独特の嫌み、空々しさ、絵にかいたような偽善、嘘臭さ…。あれは、いったい、なにに起因するのだろうか。…世すぎとして言説をもてあそぶ者たちの、無責任な論法と卑怯な立ち居振る舞いを、なによりも新聞社説が象徴していると、まずは難じたくなる。あの古臭く酸化した表現の土壌では、言説のおおかたが、つとに根腐れしているのである」(214ページ)
辺見氏は同著で次のようにも指摘する。「ひとつの芝居が、もはや喜劇の域を超えて悲劇に変じつつある。メディアは、ここは敢えて(アジサイの)花色を変えず、時代の病理を執拗に摘出すべきなのだが、反対に、時代とどこまでも淫らなチークダンスを踊るばかりなのである」(212ページ)「アジサイの花言葉も、そういえば、『高慢』であった」(213ページ)
これら今回の3件の事件に共通するのは、一人の権力者とその同族の暴走を、誰も止められなかったということだ。順法精神など欠片もなく、ガバナンスは全く機能しておらず、取締役も任務を懈怠していたことが白日の下にさらされたわけだ。こうも矢継ぎ早に信じられない事件・犯罪が起きると、これはもう氷山の一角ではないかと思えてくる。なんともやるせない。
もう一人、記者がもっとも好きな作家・丸山健二氏の最新作「BLACK HIBISCUS Ⅱ」(いぬわし書房)の一節を紹介する。
「経済優先の基本に端を発する 非道徳性と違法性にくるまれた厳命を受けたからには 自らを欺くしかないという 勤め人たちの憐れな立場が繁栄の裏に透けて見え」(321ページ)-本質を突いたアイロニーに絶句するほかない。
坪800万円をはるかに突破? 三菱地所レジ フラッグシップの「代々木大山」
「ザ・パークハウス 代々木大山レジデンス」
三菱地所レジデンスは9月8日、「ザ・パークハウス」のフラッグシップマンションと位置付ける「ザ・パークハウス 代々木大山レジデンス」のモデルルームを2023年10月7日にオープンすると発表。同日、メディア向け見学会を行った。坪単価は最寄り駅の代々木上原駅圏の最高値となる800万円を超える可能性が高い。
物件は、東京メトロ千代田線・小田急電鉄小田原線代々木上原駅から徒歩7分、京王新線幡ヶ谷駅から徒歩11分、渋谷区大山町の第2種低層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率200%)に位置する敷地面積約8,002㎡、地下1階・地上4階建て全140戸(募集対象外住戸7戸含む)。専有面積は63.05~153.13㎡、価格は未定。販売予定は2023年11月中旬。竣工予定は2025年11月下旬。施工は東亜建設工業。デザイン監修はSKM設計計画事務所
現地は、駅からなだらかな坂を登った標高40mのヒルトップに位置。比高差約1.5層の西下がりの傾斜地。従前は企業社宅。敷地南側は道路を挟んで第一種低層住居専用地域、北側は代々木大山公園。
建物は、南向きのSouth Hillを中心に、東向きのEast Hill、南向き・北向きのNorth Hillの3棟構成。ガラスを多用した陰翳のあるファサードデザインを採用している。建物の絶対高さ規制12mを受けている。
主な基本性能・設備仕様は、ZEH-Oriented認定取得予定、全熱交換式換気システム、全33タイプ平均専有面積92㎡、リビング天井高2500ミリ、奥行き約3mバルコニー、奥行き3~7mテラス、食洗機、ディスポーザー、全戸戸別宅配ロッカー、スロップシンク、共用施設はワークスペース、パーティールーム、ホールドルーム、ルーフトップテラス、ゴルフレンジ、ゲストルームなど。
見学会に臨んだ同社執行役員・岡橋志郎氏は「直近のマンション市場は、当社はマイナーだが『三田』『WORLD TOWER(浜松町)』などが飛ぶように売れており、投資マインドが高まっている。今回の物件は『住む』をコンセプトに、長く住んでいただき、愛着を持っていただけるよう企画した。当社の代表的な物件になるのは間違いない。環境にも配慮しており、住み心地がよく、その先に資産価値がある」などと挨拶した。
物件概要について説明した同社プロジェクト開発部開発第四グループ リーダー・安達圭史郎氏は「希少性高い唯一無二のフラッグシップになりうる。デザイン監修にSKMさんを起用して、どのシーンをとっても象徴的なデザインになるよう企画した。オーダーメイドにも対応する」と語った。
販売概要について説明した同社販売二部販売第二グループ主幹・渡邊聡氏は「年内に南棟と東棟を分譲する。ターゲットは地元のオーナー経営者をはじめ港区や世田谷区居住の方など。多様なニーズに応える。6月27日にホームページを立ち上げてから反響は約2,800件。オンラインによる事前説明会を8月に行い、参加者は960件。近く3回目を実施するが申し込みは200件入っている。『大山』アドレス、100㎡超などに関心を持たれている方が多い」などと話した。
左から渡邊氏、安達氏、岡橋氏
センタースクエア
木調グランドエントランス
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3氏は〝フラッグシップ〟〝唯一無二〟を連発した。話を聴きながら相当力が入っていることは分かったのだが、105㎡のモデルルームを見学して、その力の入れようは半端でないことを確認した。
玄関を入っていきなり突板〝ナグリ〟仕上げ(一部はシート張り)のシューズインクロークや居室、リビングドアドア、壁が目に飛び込んで来た。織り上げ天井のLDKは約23.5畳大、奥行き3mのバルコニーに面したKは約4.9畳大、L型の約100畳大の主寝室・約8.7畳大もよくできている。食洗機はMiele、水栓はグローエ。家具・調度品・衣類などはエルメスで統一されていたようだ(記者は、あの鮮やかなオレンジの箱がエルメスであることを知ってはいるが、その価値はさっぱりわからない)。ガラスを多用したファサードデザインも秀逸だ。
坪単価について。記者は最高の立地であることから、代々木上原駅圏では最高値となる坪800万円と踏んでいた。記者からの質問に同社は、南棟3階住戸の85㎡住戸が2.3億~2.6億円台、南棟108㎡住戸が3.3億~3.6億円台の予定であるし説明した。ざっと計算すると坪1,000万円前後だ。
これらのほか、地階住戸や中庭に面した住戸の単価は低くなりそうだが、記者予想の坪800万円をはるかに突破する可能性が高い。完敗を認めざるを得ない。この前は、積水ハウスの坪700万円をはるかに突破し、グロスが2億、3億、5億の横浜・山手のモデルルームを見学したが、単価はバブル期のそれに限りなく近づきつつある。
モデルルーム
主寝室
〝ナグリ〟仕上げのドア
エルメスのコーヒーカップ
バルコニー
代々木上原の1低層 デザイン性高く借景見事 小田急不・大和ハ・地所レジ「上原」(2021/3/11)
駅4分の1低層 息をのむほど美しいサペリの建具 三菱地所レジ「代々木上原」(2018/12/14)
三井レジ他「パークコート渋谷大山町」 低層住宅街の大規模 単価は470万円(2014/12/3)
神宮外苑再開発の撤回を ICOMOS(イコモス=国際記念物遺跡会議)が警告
ICOMOS(イコモス=国際記念物遺跡会議)は9月7日、神宮外苑地区再開発事業の撤回を求めるHeritage Alert(ヘリテージ・アラート)を発出した。
ヘリテージ・アラートは、「再開発により、都心の貴重なオアシスに超高層ビルが建設され、野球場、ラグビー場が解体、新設される。これに伴い、9月から開始される第一期工事だけでも、3,000本の樹木が伐採・移植され、100年にわたり育まれてきた森は、完膚無きまでに破壊される」「神宮外苑は、市民の献金と労働奉仕により創り出された世界の公園史でも類例のない文化的資産である」としている。
このため、「三井不動産、明治神宮、日本スポーツ振興協会、伊藤忠商事は、速やかに再開発事業の撤回を行い、国際的企業、宗教法人、公明正大なスポーツ推進者としての社会的責務を遂行すべきである」「東京都は、都市計画公園を削除し、超高層ビルを建設することにより、永久に市民が公園を使用する権利を剥奪したという重大事に鑑み、都市計画決定の見直しを行い、環境アセスメントの再審を行うべきである」としている。
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上段は、ICOMOS JAPAN(日本イコモス国内委員会)のホームページに掲載されている日本語訳の一部をそのままコピペしたものだ。
「Alert」は、スマホが突如けたたましく鳴り響く緊急地震速報や、弾道ミサイルが日本の領土・領海に落下する可能性、または領土・領海の上空を通過する可能性がある場合に発令されるJアラートで知ってはいるが、「100年にわたり育まれてきた森は、完膚無きまでに破壊される」「永久に市民が公園を使用する権利を剥奪した」などと強い調子で警告しているのにいささか驚いた。
〝先物買い〟になるか レベル高い 大和地所レジ・三菱地所レジ「鎌倉深沢」
「ヴェレーナシティ鎌倉深沢」
大和地所レジデンスと三菱地所レジデンスが近く分譲開始する「ヴェレーナシティ鎌倉深沢」モデルルームを見学した。2028年度の街開きを目指す、鎌倉市役所本庁の移転も計画されている約31haの大規模区画整理地内に隣接し、直線距離にして約1,200m先にはJR東海道線の新駅も計画されている。〝先物買い〟となるが、圧倒的な人気を呼ぶ可能性を秘めていると見た。
物件は、湘南モノレール湘南深沢駅から徒歩7分、鎌倉市寺分字上陣出の第一種住居地域(建ぺい率60%、容積率200%)に位置する8階建て全158戸(他にパーティールーム&キッズスペース、オーナーズラウンジ・ワーキングスペースなど)。9月中旬に分譲する第1期1次(9戸)の予定価格は5,100万円台~8,400万円台。竣工予定は2024年11月中旬。設計・監理はプラスデコ 一級建築士事務所。施工は馬淵建設。デザイン監修はインターデザイン・小寺源太郎氏。
現地は確認していないが、街の将来性は担保されているようだ。隣接地には旧国鉄と市役所が所有する約31haの土地の大規模区画整理事業「深沢地区」が予定されており、市役所本庁舎のほか商業施設、業務施設、行政施設、住宅などが整備される。また、現地から直線距離にして約1,200m先には2032年開業を目指す東海道線の新駅も計画されている。
敷地は、比高差約3mの南傾斜地で、三菱電機の社宅跡地。建物は、高さ規制20mの地域にあるため8階建てに抑えられており、南向きを中心に東向き、西向きの3棟構成。オール3LDKで、平均専有面積は74㎡。
主な基本性能・設備仕様は、ZEH-M Oriented認定、BELS最高等級(エネルギー消費量36%削減)、二重床・二重天井、リビング天井高2400ミリ、ディススポーザー、食洗機、御影石キッチンカウンター、ローシルエットトイレ(グロー自閉単水栓付き)、ミストサウナ、Low-Eガラス、リビングダイニング+居室床暖房、メーターモジュール廊下、スロップシンクなど。
販売担当の大和地所レジデンス課長・早川慶氏は、「7月に物件ホームページを開設してからエントリー数は400件。モデルルームオープンは8月28日で、これまで2週間の来場者は満席の90件。うち半数は鎌倉に縁のある方」と語った。
天井高2750ミリのスキップフロア住戸
オープンエアリビング&専用庭
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物件名でも分かるように、幹事会社は大和地所レジデンスだ。記者はマンションデベロッパーを「大手」と「中堅」に分けるのは好きではないが、仮に「大手」をいわゆるメジャー7とすれば、「中堅」のデベロッパーが幹事会社となる物件は極めて少ない。理由は言わずもがな。すぐに思い出せるのはモリモトくらいだ。同社はこれまで東急不動産、三菱地所レジデンス、丸紅などとのJVマンションを供給している。
大和地所レジデンスがメジャー7と組み、幹事会社となるのは今回が初めてという。同社が三菱地所レジに声を掛けたのではなく、従前の土地所有者が三菱電機だったためか、その逆のようだ。商品企画は、大和地所レジのそれで、間違いなく水準以上だ。
坪単価について。見学する前は坪250万円くらいではないかとはじいた。所在地は鎌倉市とはいえ、最寄り駅は湘南モノレール湘南深沢駅だからだ。
早川氏に話を聞くうちに上方修正した。比較検討したのは羽沢横浜国大駅から徒歩1分の、坪単価340万円でも好調の日鉄興和不動産「リビオタワー羽沢横浜国大」(357戸)だ。
「羽沢横浜」は駅に近く、商品企画レベルは高いが、駅周辺には小さな飲み屋が1軒あるだけで、他にはなにもない。それと比較したら、今回の「鎌倉深沢」の方がはるかに価値は高いと踏んだ。問題は、区画整理の街開きまで5年、JR新駅開業まで10年もあることだ。これをどう読むかだが、単価は記者が予想する範囲内に落ち着きそうだ。
参考までに紹介すると、大和地所レジデンスが昨年5月に分譲開始した湘南深沢駅から徒歩3分の「ヴェレーナ鎌倉深沢」(97戸)は坪単価250万円台で完売したという。
余談。早川氏から物件の説明を受けていたときだ。ウルトラファインバブルを生成する「キレイスト」を採用すると聞いた。いかにスグレモノであるかはくどくどと書かないが、その効果に記者は驚愕したことがある。これで手を洗うと(肌もそうだろう)、見違えるほどきれいになった。
早川氏もまた自宅をリフォームして「ウルトラファインバブル」を採用したというので、手の甲をさすってみた。老人斑か死斑かやけどの痕かは判然としない、骨と皮だけの、年を取ると静脈が浮き出る(ハンドペイン)が甚だしい小生の手とは比較にはならないだろうが、例えていえば搗き立てほやほやの餅、あるいは握手のし過ぎでふやけた政治家の手か。写真も添付する。(ただし、早川氏の手の甲が「ウルトラファインバブル」のお陰であることを証明するものではない。念のため)
モデルルームの組子格子のデザイン
汚い手をお見せして申し訳ない。左の写真の右手が「マイクロバブル」で洗った記者の手、右の写真の上が記者の手、下が早川氏の手
駅1分の利便性・資産性受けたか 県外が5割 日鉄興和「羽沢横浜国大」好調スタート(2022/6/25)
タカラレーベン 所在地が全て異なる「北戸田駅」3物件 立地よく販売好調(2021/6/29)
CO2排出量収支200%削減を目指す賃貸住宅の実証実験開始 大和ハウスなど
イメージ図
大和ハウス工業と大和リビングは9月5日、エネルギー事業を展開するサンワ(本社:群馬県前橋市)とともに、雨天時でも約10日間の停電に対応可能な、ネット・カーボンマイナス賃貸住宅の実用化に向けた実証実験を「(仮称)エコンフォート前橋駒形」で開始すると発表した。一般的な賃貸住宅と比較してCO2排出量収支200%削減を目指す。実証実験は2023年12月27日から2025年12月26日までの2年間。
実証実験では「全天候型3電池連携システム」と「カーボンニュートラルLPガス」を採用。前者は、太陽光発電システムとエネファーム、家庭用リチウムイオン蓄電池を大和ハウス工業が開発した「切換盤」で連携させることで、停電時の電力と給湯を確保するとともに、通常時の光熱費を削減するシステム。
後者は、原料採取から最終利用までの全ての過程で排出されるCO2を植林や森林管理などによる環境保全活動などにより差し引き、実質「ゼロ」とみなすことができるプロパンガス。
双方を採用することで、通常時はエネファームで発電した電力に加え、昼間は太陽光発電システムで発電した電力を家庭内で使用することができ、停電時には、家庭用リチウムイオン蓄電池が非常用電源として生活に必要な電力を供給し、雨天でも約10日間の電力と給湯を確保する。
「(仮称)エコンフォート前橋駒形」は、群馬県前橋市駒形町に位置する軽量鉄骨造・地上2 階建て2棟16戸で、総延床面積は935.78㎡。専用面積は52.51~64.46㎡。事業主はサンワ。設計・施工は大和ハウス工業。着工は2023年7月14日、竣工予定は2023年12月6日。全戸「ZEH」仕様、かつ住棟単位で「ZEH-M」の基準を満たし、「BELS」による第三者認証を取得している。
三井不 1,000億円のグリーンボンド発行 サステナブルファイナンス累計7,000億円超
「日本橋室町三井タワー」(左)と「日本橋三井タワー」
三井不動産は9月6日、「日本橋室町三井タワー」と「日本橋三井タワー」の2物件に係るリファイナンスを資金使途とする総額1,000億円のグリーンボンドを発行すると発表した。
グリーンボンド発行は、2023年6月の「東京ミッドタウン八重洲 八重洲セントラルタワー」、「Otemachi One タワー」、「日本橋室町三井タワー」に続く5回目となり、グリーンボンドを含むサステナブルファイナンスの累計額は7,000億円超となり、国内不動産会社として最大規模となる。
三井不動産グループ初 木造4階建てカーボンゼロの賃貸「北千束MOCXION」完成
「パークアクシス北千束MOCXION」
三井不動産レジデンシャルと三井ホームは9月5日、同社グループ初の木造4階建てカーボンゼロ賃貸マンション「パークアクシス北千束MOCXION」が竣工したことに伴う記者見学会を行った。「木」を構造材に用いることで、鉄筋コンクリート(RC)造と比較して建築時のCO2排出量を約50%削減し、再生可能エネルギーの一括受電とオール電化によりCO2排出量を実質ゼロにする。
「北千束」は、三井不動産レジデンシャルが事業主で、設計・施工を担当した三井ホームの木造「MOCXION」技術により、全フロアの構造部材に木を採用し、RCと同様の高気密・高断熱を実現した。共用部の一部には三井不動産グループの保有林から採取した木材を使用している。三井不動産レジデンシャルリースが運営する。
再生可能エネルギーの一括受電×オール電化と「太陽光パネル」の設置によりCO2排出量実質ゼロと創エネを実現。「LEED®認証」のほかBELS に基づく評価「ZEH-M Ready」を取得。国土交通省「優良木造建築物等整備推進事業」にも採択されている。
物件は、東急大井町線北千束駅から徒歩4分、大田区北千束二丁目の第一種中高層住居専用地域(建ぺい率40%、容積率200%)に位置する木造(枠組壁工法)4階建て33戸。専用面積は28.12~54.95㎡。家賃は129,000円~313,000円。平均坪賃料は1.7万円。竣工は2023年8月31日。事業主は三井不動産レジデンシャル。設計・施工は三井ホーム。
耐火・断熱・遮音性能を高めるため界壁厚380ミリ、界床厚490ミリ確保しており、RC造以上の厚さとなっているのが課題のようだ。(柱・梁型はでないが)
見学会では、遮音性能LH55、LL45をクリアしている界床の性能を確認できるよう、実験装置を使って、子どもがバタバタと飛び跳ねる音と同じくらいの音を上階でたて、下階ではどのように聞こえるか体験できるコーナーが設けられていた。記者はまったく聞こえなかった(他の若い記者の方はかすかに聞こえているとのことだった)。
賃料設定は、近隣相場より1割増の坪賃料1.7万円。募集を開始したばかりだが、3戸に申し込みが入っている。
「MOCXION INAGI(モクシオン稲城)」で行っている全館空調の実証実験のデータは収集しているが、実用化にはまだ時間がかかることを明らかにした。
木調バルコニー、ルーバーデザインを施した外観
木調庇デザイン
本物のカバザクラを採用した共用部分の天井
〝三井の森〟から採取した木片を共用部分の壁に採用
◇ ◆ ◇
記者は、わが国で一番美しい女性は吉永小百合さんで、もっとも美しい木造住宅を建てるのは三井ホームだと信じて疑わないのだが、同社の「MOCXION INAGI(モクシオン稲城)」を取材したとき、同社技術研究所研究開発グループマネージャー・小松弘昭氏が「現しにしないといけないというのは木造コンプレックスの裏返し。木の性能、コストなど科学的・合理的なことのほうが大事」と言い放ったアフォリズムがその後ずっと頭の片隅に棲みつき、ことあるごとに〝お前はまだその呪縛から解き放たれないのか〟という叱声がよみがえり、責め苦となっている。
今回も現しを期待はしていなかったが、やはり外観も内観もボードやらクロスなどケミカル製品にほとんどが覆われ、鉄やコンクリ造となんら変わらなかった。歌舞伎の女形は理解できるのだが、赤子の柔肌のように美しい木をなぜ覆い隠すのかさっぱり分からない。
気になったのは、にもかかわらず、プレス・リリース、説明資料にはCO2削減など木造が果たす経済的価値だけでなく、「1階の風除室からエントランスホール、共用部ラウンジの天井には、天然木である赤樺の仕上」「木調庇」「木目のバルコニースラブと縦ルーバーを外観デザインの軸として、『木』を強調するデザイン」「『木』ならではの安らぎを共用部で感じていただけるよう、共用ラウンジの壁面に三井不動産グループ保有林から採取した木材を使用」「木のぬくもりが心地よい」「木の香りに癒される」「室内の湿度を調整する」などと「木」(調を含めて)の効果を強調していることだ。
この建物に入居者は木のぬくもりや香りによって癒されるのか、「木調」デザインは「木」そのもののデザインと同じ効果をもたらすのか。家賃設定は相場の1割増と言うのは「木」の価値を価格に転嫁したためか。
小松さんは、あれ以来発表会には〝お現し〟にならない。もう一度、現しがもたらす効果・価値は経済的価値と比べれば低位なのか、しっかり説明してほしい。小生の呪縛を解いていただきたい。一日千秋の思いでお待ち申し上げております。(それでも小生を説き伏せることは無理だと思うが)
界壁(左)と界床
賃料は「調布並み」でも申し込み殺到 三井ホーム「稲城」の木造5階建て賃貸(2021/12/9)
外貌の呪縛を解き放つか 「現しを求めるのは木造コンプレックス」三井ホーム小松氏(2021/12/9)
建ぺい率40%、容積率80%の1低層に全6棟 積水ハウス「The 山手プロジェクト」
「グランドメゾンThe山手118」
積水ハウスが先にオープンした「グランドメゾンThe山手118」(7戸)と「グランドメゾンThe山手249」(18戸)のコンセプトルームを見学した。高級住宅街として知られる横浜市中区山手台で展開する3階建て全6棟74戸の「The山手プロジェクト」のうちの2棟。神奈川県で初めて坪700万円を突破するだけでなく、中心プランは120~130㎡以上、価格は2~3億円以上という桁違いのプロジェクトだ。同社の矜持を見た。
同プロジェクトは全6棟74戸の規模で、用地は山手エリアに点在していたインターナショナルスクールが校舎の老朽化により本牧へ移転するのに伴い、同社が取得したもの。2023年6月に竣工した「グランドメゾンThe山手241」(11戸)と今回の2物件のほか、「グランドメゾンThe山手253」の「Garden」(14戸)「Marks」(14戸)「Hills」(10戸)を順次分譲する。
現地は、建ぺい率40%、容積率80%の第一種低層住居専用地域に指定されており、旧外国人居留地として形成された街の歴史や文化を継承するため設けられている「山手地区都市景観形成ガイドライン」によって色彩、建築物の絶対高さ、眺望の確保、樹木・緑地の保全、屋外広告物の禁止などの厳しい規制が設けられているエリアの一角。
「グランドメゾンThe山手118」は、みなとみらい線元町・中華街駅から徒歩9分、横浜市中区山手町118番に位置する3階建て全7戸。専有面積87.64~164.56㎡。すでに4戸が分譲済みで、2023年9月15日から分譲される住戸(3戸)の価格は29,000万円(138㎡)~50,000万円(164㎡)、坪単価722万円。完成予定は2024年5月下旬。
「グランドメゾンThe山手249」は、同駅から徒歩6分の横浜市中区山手町249番に位置する3階建て全18戸。専有面積は76.06〜124.25㎡。すでに12戸が分譲済みで、2023年9月15日から分譲される住戸(6戸)の価格は12,800万円(79㎡)~22,000万円(124㎡)。坪単価572万円。完成予定は2024年6月中旬。全6棟のうち唯一90㎡以下の住戸が中心。
「グランドメゾンThe山手241」は、同駅から徒歩10分、横浜市中区山手町241番に位置する3階建て全11戸。9戸が分譲済みで、現在分譲中の住戸(2戸)の価格は28,000万円(130㎡)・32,000万円(133㎡)、坪単価753万円。建物は2023年5月竣工済。
3物件とも設計・監理は坂倉建築研究所。施工は佐藤秀。
ギャラリーは、元町・中華街駅から徒歩1分。大野幸子氏、守谷玲太氏、吉井こころ氏、大野愛氏の4氏のアーティストの19作品が展示されており、コンセプトルームは137㎡で、LD27.5畳大、K7.4畳大、主寝室14.5畳大、クローゼットルーム8.4畳大、玄関5畳大など。基本性能・設備仕様は、ZEH-M Oriented対応、リビング・居室天井高2500ミリ(一部除く)、突板ドア・建具、挽板フローリング、食洗機、ディスポーザー、ハイサッシ、ミストサウナ、スロップシンクなど。オーダーメイドにも対応する。
同社東京マンション事業部販売部リーダースペシャリスト・長嶺伸之氏は、「プロジェクトは、街になじみ調和することをコンセプトに、山手エリアの歴史と文化を継承し街並みになじむよう、時代の流行を追わず、正統派を追求しました。平均専有面積が162㎡だった『伊勢山』ほどではありませんが、住戸は130㎡以上を中心に、駐車場は100~150%、緑被率を20%確保しました。来場者の皆さんには当社の考えに共感を頂いています」と語った。
「グランドメゾンThe山手249」
「グランドメゾンThe山手241」
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同社がアーティスト・星野源氏を起用してグランドメゾンのブランド広告をスタートし、コンセプトルームを公開すると発表したのは8月17日だった。〝これは見ないといけない〟と考え、見学をお願いし実現した。
ギャラリーに着いた途端、その造り込みの丁寧さに相当力の入っているプロジェクトだと直感した。その通りであることは前段の記事を読んでいただければ分かるはずだ。同社は最近、「5本の樹計画」をオープン化し、東大との生物多様性と健康に関する共同研究、さらには地域工務店と連携した「SI(エス・アイ)事業」の立ち上げなど、環境共生、地域共生の取り組みを強化している。今回のプロジェクトもその一環なのだろう。
長嶺氏とは「伊勢山」以来久々にお会いした。今回もまた桁違いの商品企画だ。長嶺氏は「グランドメゾンと街をつなぎ、価値を高めていく自負がある」とも語ったが、デベロッパーが分譲するタワーマンションの億ションとは一味も二味も異なるのは間違いない。
第一種低層住居専用地域(1低層)について補足する。建ぺい率40%、容積率80%の高級住宅街は今回の山手のほかでは芦屋市六麓荘、大田区田園調布、世田谷区成城、尾山台、等々力、上野毛など、千葉県の市川市国府台、菅野などがよく知られている。(埼玉県の都心寄り地域にはないはず)
この建ぺい率40%、容積率80%の1低層に位置するマンションとしては、三菱地所が2014年に分譲した「ザ・パークハウス上鷺宮」くらいしか思い出せない。(隈研吾氏が設計した建ぺい率40%、容積率60%の「プロスタイル札幌 宮の森」は別格)
マンションギャラリー外構
マンションギャラリーエントランス
吉井こころ氏のガラスアート
コンセプトルーム キッチン
コンセプトルーム リビング
コンセプトルーム 玄関
隈研吾氏が設計 坪700万円超でも好調スタート プロポライフ「札幌 宮の森」(2022/9/23)
23区最大の第一種低層 三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス上鷺宮」(2014/4/4)
億ションの歴史を変える積水ハウス「グランドメゾン伊勢山」(2011/5/13)
持家20か月、分譲戸建ては9か月連続減少 令和5年7月の住宅着工戸数
国土交通省は8月31日、令和5年7月の新設住宅着工戸数を発表。総戸数は68,151戸(前年同月比6.7%減)となり2か月連続の減少。内訳は持家が20,689戸(同7.8%減)で20か月連続の減少、貸家が30,170戸(同1.6%増)で先月の減少から再びの増加、分譲住宅が16,979戸(同17.6%減)で2か月連続の減少。分譲住宅の内訳はマンションが5,797戸(同28.0%減)で3か月ぶりの減少、一戸建住宅が11,066戸(同11.2%減)で9か月連続の減少。
首都圏マンションは2,425戸(同31.3%減)で、内訳は東京都1,885戸(同17.7%減)、神奈川県184戸(同77.7%減)、埼玉県286戸(同793.8%増)、千葉県70戸(同81.8%減)。
首都圏分譲戸建ては4,676戸(同7.3%減)で、内訳は東京都1,704戸(同10.7%増)、神奈川県968戸(同31.7%減)、埼玉県1,120戸(同6.2%減)、千葉県826戸(同7.3%減)。
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持家の減少が止まらない。近年の月次ベースでの持家の連続減は、2014年(平成26年)2月から2015年(同27年)4月まで15か月連続減という記録がある。消費増税の駆け込み需要の反動減によるものだった。今回はそれを大幅に超える20か月連続だ。
国土交通省や関係者は減少の理由を建築資材、物価高騰などによる消費マインドの低下によるものとしているが、果たしてそうか。
記者はそれだけではないと考えている。2022年(令和4年)の持家の年次ベースの着工戸数は253,287戸で、1960年(同35年)の233,259戸に次ぐ実に63年ぶりの低水準となった。この10年間は多少の増減はあるが、30万戸を割ったままだ。
国は需要喚起策として、様々な減税策のほかに「こどもエコすまい支援事業」を投入した。追加予算209億円を含め総額1,709億円で、注文住宅はZEHレベルを満たしているものに対して100万円を補助するものだ。2023年9月2日現在、予算に対する申請額割合は90%に達している。注文住宅の割合は60%程度と思われる。
それなりに効果があったとみられるが、関係者は継続して支援しないと効果は限定的とみている。予算額に達し、支援策が打ち切られたらどうなるのか(言葉は悪いが、子供だましのような小出しの支援策はいかがなものか)。
記者は、そうした支援策だけでは再浮上はないとみている。住宅購入(賃貸もそうだが)世代のいわゆるY世代(ミレニアル世代)の〝ものよりコト〟に訴える商品開発が必要だと思っている。
指摘が当たっているかどうかは分からないが、飯田グループなどは対応していると思う。この前も記事にしたが、同社の直近のリポートでは「2023年3月時点の基準において、当社グループで供給する約80%の住宅は、ZEH(ゼッチ)水準である『断熱等性能等級5』かつ『一次エネルギー消費量等級6』を取得している」としている。
「ZEH水準」というのが味噌だ。「ZEH」とは言っていないが、「こどもエコ住まい」の適合要件である「強化外皮基準に適合し、再生可能エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費量から20%以上の一次エネルギー消費量が削減される性能を有する住宅」を満たしている。巧みと言わざるを得ない。「ZEH100%」と「ZEH水準100%」を区別できる消費者は果たしてどれだけいるか。
さらにもう一つ。これも添付した記事を読んでいただきたい。記者は、持家志向の相当数は価格が安い分譲戸建てに流れていると考えているのだが、持家志向の消費者の取得希望価格は飯田グループが分譲している戸建て住宅3,000万円とも一致する。
前段では、持家だけでなく分譲戸建ても9か月連続減少していることを紹介した。このまま推移すれば、今年の着工戸数は昨年(2022年)の145,992戸を下回るのは間違いないが、そもそも昨年の着工戸数は過去最多だった1996年(平成8年)の147,944戸(持家は643,546戸)、2番目の2019年(平成31年)の147,393戸に次ぐ多さだ。コロナ以降の勢いは完全に止まった。この先、持家のように長期にわたって減少するかどうかはもう少し様子を見る必要がありそうだ。
5か所目の単独展示場「体感すまいパーク朝霞」オープン ボラスグループ
「体感すまいパーク朝霞」
ポラスグループの注文住宅を手掛けるポラテックとグローバルホームは9月2日、埼玉県朝霞市の川越街道沿いに「体感すまいパーク朝霞」をオープンする。モデルハウス4棟とセンターハウスから構成されており、モデルハウスの延床面積はリアルサイズの30坪台で、全てZEH対応。単独展示場「体感すまいパーク」としては2018年にオープンした「船橋」「柏」、2021年の「東浦和」、2022年の「越谷」に次いで5か所目。オープンを前にした9月1日、報道陣に公開した。
記者見学会に臨んだポラテック取締役・橋本裕一氏は、「4棟の総延べ床面積は1,372㎡、総工費は7億7,000万円。来場目標は向こう3か月で300組以上。年間受注目標は100棟。待望の東武東上線に開設することができた。朝霞はわたしの出生地でもあり、沿線4市はとてもいい市場を形成しており、目標を達成したい。体験宿泊も予定し、災害時の帰宅困難者の受け入れ、一時避難場所としても提供する予定。沿線に新たな事業所を設けることも検討している」と語った。
次の「体感すまいパーク」は2025年に「吉川南」に開設することも明らかにした。
センターハウス
橋本氏
4棟のモデルハウスは次の通り。価格はモデルハウス仕様。
暮らし方をデザインする ~4×4 令和最小限住宅 (造りすぎない家)~「PO HAUS 和美庵」3,500万円(105.98㎡、坪単価109万円) 日本家屋の田の字(4間×4間)のオーソドックスな間取りをベースに、内と外を緩やかにつなぐ約8帖の「外の間」を設え、LDKに接する通り土間、隠れ部屋を設置。仕上げ・家具には大谷石、塗り壁、格子戸、造作ベッドなどで和風住宅のよさを演出。玄関は引き戸。
暮らし方をデザインする ~二つのヴォイドで繋がる都市型住宅~「PO HAUS ARZILL」4,000万円(124.18㎡、坪単価107万円) 多家族ファミリー居住を想定した木造3階建て。3層吹き抜けと2層吹き抜けのヴォイドを設置し、スキップフロア、ライトコートを多用して家族、自然、周辺環境とのほどほどの距離感を実現した5層住宅。回遊式キッチン、造作風呂、白と黒のサッシ枠などデザインにもこだわり。
家事と趣味を楽しむ家 ~屋上リビングの家づくり~「北辰工務店」3,000万円(116.54㎡、坪単価85万円) 共働きファミリーを想定。坪単価を抑え「家事ラク」動線を重視し、1階のキッチン、家事コーナー、洗面脱衣所、浴室、2階のランドリースペース、ウォークインクローゼットをつなげているのが特徴。リビング天井高は2950ミリ。屋上リビングも設置して狭小敷地でも空(そら)を実感できる。玄関は引き戸。
ペットとの生活を楽しむ家 ~ヒトもペットも”ここちいい”を詰め込んだオウチ~「HaScasa」3,700万円(110.61㎡、坪単価111万円) 同社グループ初の断熱等級7を取得したツーバイシックス工法を採用。エアコン1台で室内温度をコントロール。室内中央に大きな吹抜け空間を設け、それを取り囲むように玄関、DK、バルコニー、渡り廊下を配置。LD白の家形フォルムとフラワーウォール、R曲面のタイル張り外観も特徴の一つ。
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4棟のモデルハウスは、ターゲット、家族構成、年代、趣向によって異なるので良し悪しの判断は難しいが、記者は「PO HAUS 和美庵」にほれ込んだ。「外の間」の中央に屋根を突き抜ける大きさのイロハモミジを植えているのがいい。大谷石や長さ約4mのキッチン・テーブルの提案も素敵だ。
ペットと暮らすことを想定した「HaScasa」は、エアコン1台で全館空調並みが体感できる。最高に素晴らしい。記者はペットは嫌いではないが、好きでもないからよく分からないのだが、設計担当者は自宅で飼っている1歳半の♀犬を連れてきていた。キャンキャン鳴いたので、♂犬を飼ったらいいではないかと話したら、8歳の♀犬も飼っているという。
3階建ての「PO HAUS ARZILL」と「北辰工務店」は多家族のファミリー層向けにぴったりだろう。狭小敷地にも対応できる。
「PO HAUS 和美庵」
「HaScasa」で
ポラス 越谷市と帰宅困難者一時滞在施設提供に関する協定/頑張れ ポラネコ(2022/10/17)
家に帰りたくない〟宿泊体験した社員 ポラス「体感すまいパーク越谷」出足上々(2022/1/8)