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 長谷工総合研究所「CRI」最新号№546(2024年2月6日発行)の特集記事で、最寄り駅からの徒歩時間別分譲マンション単価の推移を示した図表に目が留まった。

 図表は、首都圏の20階以上の超高層物件を除いたデータで、「駅徒歩5分以内」「駅徒歩10分以内」「駅徒歩15分以内」「駅徒歩16分以上・バス便」それぞれの㎡単価を07年から23年の17年間の推移をグラフ化している。

 分譲平均価格は07年の4,644万円から23年は8,101万円へ74.7%上昇しており、専有面積圧縮が進行していることを考慮すると、坪単価の上昇率はそれ以上であることが予想されるのだが、「駅徒歩5分以内」の単価上昇が突出している。

 詳しく見てみよう。07年は、「駅徒歩5分以内」は坪単価に換算すると198万円(図から推定、以下同じ)、「駅徒歩10分以内」205万円、「駅徒歩15分以内」161万円、「駅徒歩16分以上・バス便」165万円となっている。

 その後、14年くらいまではいずれも横ばいか微増にとどまっているが、15年以降は著しく上昇し、とくに19年を境に「駅徒歩5分以内」の上昇幅が目立つ。23年は、「駅徒歩5分以内」492万円、「駅徒歩10分以内」360万円、「駅徒歩15分以内」271万円、「駅徒歩16分以上・バス便」261万円となっており、19年比の上昇率は「駅徒歩5分以内」が65.7%、「駅徒歩10分以内」が35.3%、「駅徒歩15分以内」が8.4%で、「駅徒歩16分以上・バス便」は1.1%マイナスとなっている(単価が下落した分だけ基本性能・設備仕様もダウンしていると思うが)。

 分譲価格そのものは、19年から23年まで35.5%の上昇だから、「駅徒歩5分以内」がいかに著しく上昇しているかが分かる。

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 駅距離によってこれほど単価差があることに注目したいのだが、その前に注意すべきことが一つある。データには、20階建て以上、いわゆるタワーマンション(タワマン)は含まれていないということだ。全供給量に占めるタワマンの比率はどれだけあるか知らないが、ひよっとすると4~5割くらいに達するかもしれない。ほとんどが駅徒歩10分以内で、単価も相対的に高いタワマンを含めたらデータは違ったものになるということだ。単価差はもっと拡大しているはず。同社がどうしてタワマンを除いたのか、これは分からない。

 このことはともかく、これほどまでに単価が異なるのはなぜか。消費者の物件選好が変化したのか、それともデベロッパーの用地取得、戦略によるところが大きいのか。

 コロナによって消費者の物件選好が変わったのかについては、正直よく分からない。変わったようで変わっていないとも読める。

 例えば、SUUMOが2014年12月12日~2014年12月15日に行った首都圏在住者アンケート調査(有効回答400件)。物件選びで重視したポイントは1位:家賃・価格91.5%、2位:間取り82.0%、3位:最寄駅からの徒歩分数76.0%、3位:面積・広さ76.0%、5位:路線・駅やエリア74.5%、6位:立地・周辺環境74.0%、7位:通勤・通学時間72.0%、8位:築年数(新築含む)59.5%、9位:住戸の向き・方角59.0%、10位:設備・仕様58.5%の順だ。

 一方、三菱地所ハウスネットが2022年6月10日~6月22日に行った「コロナ禍における住まいへの意識調査に関するアンケート」(調査数:2,239名)では、「特に考え方に変わりはない」は60.3%にのぼり、「スーパーやコンビニが近い場所に住みたくなった」16.7%、「自然・公園が近い場所に住みたくなった」15.7%、「駅から近い場所に住みたくなった」13.7%、「治安のよいエリアに住みたくなった」13.1%、「医療機関の近い場所に住みたくなった」11.7%、「自治体のサービスが充実したエリアに住みたくなった」10.7゜%、「郊外に住みたくなった」7.4%、「都心部に住みたくなった」7.15、「閑静な住宅街に住みたくなった」6.3%などが続く。(他の調査ではテレワーク用のスペースを求める声が多い)

 このように、コロナ以前とコロナ禍で住宅選好に変化が起きたとは思えない。これほど駅距離によって単価差が激しいのは、〝駅近〟〝資産性〟を全面に打ち出した、マンションデベロッパーの牽強付会そのものの販売戦略が奏功していると判断せざるを得ない。

 日照権はまったく考慮されず、用途規制もほとんどない〝なんでもあり〟の商業地域立地の物件よりも、広さやみどりを中心とする住環境を重視する消費者がもっと増えていいような気がするのだが…。小生が2018年に書いた「マンションは『駅7分以内』しか買うな!」の記事は却って〝タワマン〟ブームに火をつけることになったのか。

また怒り沸騰 「マンションは『駅7分以内』しか買うな!」の本は買うな!(下)(2018/2/8)

住友不も反論「マンションは『駅7分以内』しか買うな!」の本は買うな!(中)(2018/1/25)

羊頭狗肉だ「マンションは『駅7分以内』しか買うな!」の本は買うな!(上)(2018/1/24)

 

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「POHAUS大谷口の家」

 ポラスグループは2月16日、国際的なデザインアワード「International Design Awards(IDA)2023」で、「体感すまいパーク東浦和」のモデルハウス「POHAUS大谷口の家」を設計したポラテック・舘林寛佳氏が金賞を受賞したのをはじめ、銀賞6作品、銅賞5作品、佳作8作品を合わせ、過去最多の20作品が受賞したと発表した。

 「大谷口の家」は、日本の文化である「和の心」を継承しながら、現代の生活スタイルにあわせた暮らし方ができる住まいを提案した作品で、舘林氏は「格子や障子、土間等、日本古来の建築技術は空間をあいまいに切り結び、独特の中間領域を創り出します。外部空間と内部空間を緩やかに繋ぐだけでなく、縦の『間』、横の『間』を重ねることで間仕切りを無くし、そこに住まう人々が『空間』や『人』の繋がりを感じられるよう設計しました」とコメントしている。

 このほか銀賞を受賞した6作品は次の通り。作品名、所属・リードデザイナーの順。

・リーズン馬込沢SuBaCo 中央住宅戸建分譲設計本部・山下隆史氏

・共有樹木を中心とした街づくり 中央住宅戸建分譲設計本部・鈴木征道氏

・マインドスクェア・収育スタイルズ 中央住宅マインドスクェア事業部・佐野公彦氏

・AKUNDANA 中央住宅マインドスクェア事業部 マンションDv・西牟田奈津子氏

・NOEN 柏・逆井 ポラスガーデンヒルズ・工藤政希氏

・道と広場 ポラテックPOHAUS・齊藤吉己氏

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 「大谷口の家」は見学しているのでよく覚えている。記事には「『POHOUS』はこれまで数か所は見学しているが…ほとんど瞬時に〝これが一番〟と評価した。記者の見立ては間違っていないはずだ」「玄関を入ってすぐにおしゃれな手洗い場があり、壁は塗り壁、床はカバサクラの突板、巾木は集成材、リビングのテーブルは木目が美しい杉の一枚板、通り土間から差し込む自然光を取り込んだ畳リビング、リモートワーク用の書斎、高低差を演出したスキップフロア、自然木のウッドデッキを敷いた天井付きのインナーバルコニー、檜風呂…」「デザイン性、設備仕様などから判断してコストパフォーマンスが最高に素晴らしい」と書いた。断熱性能も高かった。

 銀賞を受賞した各氏の作品はそこそこ見学している。以下に記事を添付する。「柏・逆井」は分譲戸建ての最高傑作だと思う。「デザイン各賞を総なめにする」と書いたが、その通りになったのではないか。 

ポラス3か所目の単独住宅展示場「体感すまいパーク東浦和」 開設2か月で550組来場(2021/3/19)

初めて見た30%・50%×200㎡の分譲戸建て まるで別荘 ポラス「柏 逆井」(2023/5/2)

世界3代デザイン賞の一つ「iF デザインアワード」受賞 ポラス「我孫子」/志賀直哉(2023/5/9)

草加市初 景観協定&全棟ZEH 敷地分断・送電線…難点克服 ポラス「草加松原」(2023/11/23)

ピアキッチンだけでない ポラスのマンションはなぜ売れるのか 中央住宅「和光本町」(2023/4/1)

 

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「MOCXION ESPOIR(モクシオン エスポワール)」

 三井ホームは2月15日、関西エリアで初となる同社の設計・施工による3階建て木造マンション「MOCXION ESPOIR(モクシオン エスポワール)」が完成したと発表。同日、報道陣にも公開した。

 物件は、OsakaMetro谷町線千林大宮駅から徒歩4分、大阪市旭区大宮3丁目の第2種中高層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率200%)に位置する敷地面積約763㎡、木造(枠組壁工法)3階建て延べ床面積約1,324㎡の全47室。専用面積は23.23㎡。家賃は非公表だが6万円前後になる模様。着工は2023年1月、竣工は2024 年2月。管理運営は学生情報センター。

 構造躯体に237.2t-CO2(スギの木470本相当)の炭素を貯蔵しており、建物の劣化対策として耐震等級「3」、BELS評価の「ZEH-M Oriented」を取得、一次エネルギー消費量を20%以上削減。同社独自開発の「高性能遮音床システム「Mute(ミュート)」と、構造強度に優れた木質構造断熱複合パネル「ダブルシールドパネル(DSP)」、エントランスの壁、天井などにナラ材の木をそれぞれ採用している。

 見学会で同社関西コンサルティング営業部営業グループ長・楢橋隆氏は「管理運営を担当する学生情報センターの意向も考慮し、エレベータは設置しておらず、部屋は全て同じタイプとした。コストを抑え、利回りを上げるために1時間耐火ではなく1時間準耐火構造としているのもポイントで、ZEH-M仕様は差別化につながるはず」と説明した。

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エントランス

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 これまで見学した「MOCXION」の「稲城」でも「四谷三丁目」でも「北千束」でもなかった。学生マンションだからそうなのだろう。管理人室もなければエレベータもなし。本物の木はエントランスの壁と天井、ベンチくらい。他は居室を含め「木」に見えるのは全て木調シート。居室の天井高は2400ミリ、キッチン(幅約1.2m)、洗面、浴室、トイレ付き。

 もう一つ、これまで取材した女子学生会館や学生マンションとは異なるのも特徴だ。千林大宮駅圏には大阪工大キャンパスがあり、ターゲットは同大学の学生が中心になるようだが、男子、女子の入居区別はないという。

 これは結構なことだ。〝爺さん〟〝婆さん〟は禁句のようだし、そのうち女流作家、処女作、女流棋士、女子会も死語となるのではないか。女郎花はほとんど絶滅した。(記者の好きな作家の丸山健二氏は「ブラックハイビスカス」で「不平等社会の陰画にほかならない法の前の平等」と喝破しているが…)

 RC造とのコストについて報道陣から質問が飛んだ。同社はRC造とのコスト比較は行っていないと答えたが、間違いなくRC造よりは安いはずだ。建築費だけでなく、レンタブル比も90%を超えているはずで、かなり高い利回りが期待できるのではないか。延べ床面積が法定容積率を余しているのは、敷地条件や1時間準耐火構造としたのも理由の一つという。

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 現地について、おやっと思ったことがある。駅前の幹線道路沿いの用途地域は商業地域のはずで、高層マンションなども建っていたが、表通りから一歩入った現地周辺の建物は「MOCXION」を含めてほとんど2~3階建てだった。低層の店舗や高層マンション、駐車場も点在していたので、第一種低層住居専用地域ではないことは理解できた(大阪市内には第一種低層住居専用地域は存在しない)。

 後で確認したところ、現地は第2種中高層住居専用地域だった。にもかかわらず2~3階建てばかりというのは、道路が狭く土地も細分化されているからだろうが、〝なんでもあり〟の大阪の気質なのだろうか。

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千林大宮駅前

三井不動産グループ初 木造4階建てカーボンゼロの賃貸「北千束MOCXION」完成(2023/9/6)

レンタブル比67% わが国初の社会人・学生・賃貸の複合 長谷工「コムレジ赤羽」(2022/3/2)

東急不 学生マンション第二弾「赤羽志茂」完成 利回り8%超か 年間1000戸へ(2019/2/28)

 


 

 

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 213日の東京株式市場の日経平均は終値37,963円をつけ、19891229日の大納会に記録した過去最高値38,915円にあと952円まで迫った。342か月ぶりに記録を更新する可能性が高まった。当時と現在の主な住宅・不動産会社の株価を比較してみた。

当時と現在の社会経済状況は、よく似ているところもある。1989年といえば、世の中はリクルート問題が沸騰しており90人以上の政治家などがリクルートコスモスの未公開株を譲り受けたことから、収賄罪、政治資金規正法に抵触する罪で起訴・逮捕された関係者も出た。天安門事件もこの年だった。

為替は、円は1ドル120150円台で推移し、公定歩合は3度引き上げられ、年初は4.5%だったのが年末は7%に乗った。長短期金利の逆転現象が起きた。

 別表を見ていただきたい。19891229日の時点で東証に上場していた不動産会社は一部、二部、店頭を含めて26社。株価は、飛ぶ鳥を落とす勢いにあったマンションデベロッパーの大京が5,800円をつけ、同社に次ぐ供給量を誇っていたダイア建設が8,140円、リクルートコスモスが6,000円をつけている。〝マンション転がし〟が流行語になったように、マンションや株式が投機マネーを呼び込んでいた世相を反映している。その他のデベロッパーやハウスメーカーも概ね2,000円を突破していた。

 ところがその翌年の19903月、いわゆる銀行の土地融資を抑制する総量規制が実行され、8月にはイラクがクウェートに侵攻した湾岸戦争が勃発。原油高も重なり、9月には株価が付かないストップ安が続き、マンションの契約率も5060%台に急落。バブルは完全に崩壊した。

 別表の上場企業も、親会社に吸収合併された企業を除きエルカクエイ、ニチモ、ダイア建設、マルコー、第一コーポレーション、セザール、箕輪不動産、殖産住宅、ニッセキハウスの9社が破綻、市場から消えた。さらに2008年のリーマン・ショックにより多くのデベロッパーが市場から退場を余儀なくされた。 

さて、現在の株価はどうか。19891229日の株価を上回っている当時の住宅・不動産上場企業は三井不動産、東京建物、住友不動産、スターツ、大和ハウス工業、積水ハウスと関連の長谷工コーポレーションの7社のみだ。このうち上場来の高値圏にあるのは三井不動産、大和ハウス、積水ハウス(スターツも株式分割を行っているので理論値では過去最高値圏にある)。現在も東証に上場している当時の不動産銘柄は9社しかない。消長の激しさを物語っている。全ての企業が高値更新を射程圏に入れているわけでもない。

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 1989年のマンション市場について。記者は当時、前職で毎月マンションと分譲戸建ての販売状況を調べていた。少し紹介すると同年1112月のマンション坪単価は茗荷谷が890万円、代々木が1,694万円、高輪が1,082万円、平塚が426万円、相模原が445万円、溝の口が415万円、松戸が370万円、船橋が352万円、西川口が510万円、軽井沢が492万円…などとある。 その一方で、郊外部では坪200万円を割る物件も結構供給されており、郊外部でも軒並み坪200万円を超えてきている現在とはやや異なる市場を形成していた。

 戸建ても同様で、都内物件は軒並み1億円以上で、藤が丘が19,000万円台、柏逆井が8,000万円台、高坂が6,300万円台、佐倉が8,000万円台、成田が4,600万円台…それでも売れていた。

 

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「MOCXION (モクシオン)四谷三丁目」

 三井ホームは2月13日、4階建て木造マンション「MOCXION(モクシオン) 四谷三丁目」居住者を対象とした住み心地アンケート調査結果をまとめ発表した。総合的な住み心地については、全入居者15世帯のうち8割の12世帯が「満足」「どちらかといえば満足」と答えるなど、総じて高い評価が得られた。

 調査は、猛暑が続いた昨年6~10月の夏の住み心地を聞くのが目的で、2023年10月13日~31日の期間にアンケート形式で実施。全15世帯から回答が得られた。設問は「満足」「どちらかといえば満足」「どちらともいえない」「どちらかといえば不満」「不満」の5択。同物件は昨年5月に竣工、6月16日から入居開始。同エリアのマンションの相場賃料より高く、賃貸市況の閑散期でありながら約1か月で満室となっている。

 総合的な住み心地については、「満足」は27%、「どちらかと言えば満足」は58%で、8割以上が高い評価をした。「どちらともいえない」は20%(3世帯)だった。

 「次に住まいを探す際、省エネや脱炭素をどのくらい意識するか」の設問では、「どちらかといえば意識する」が67%、「どちらかといえば意識しない」は6%だった。

 「夏の夏の断熱性について」は、「満足」が27%、「どちらかといえば満足」が47%で、双方で7割以上が断熱性に満足している。「電気代があがった」という回答をした人はいなかった。「どちらかといえば不満」は13%(3世帯)だった。

 「遮音性」については、一般的な木造賃貸では半数以上が上下階の遮音性に不満を持っているが、当物件では低評価は上下階で26%、外部・隣住戸に対しては13%にとどまり、高評価が過半を占め、低評価は3割未満だった。

 デザインなどについては、外観デザインへの高評価は実に100%、木質感を演出するエントランスも9割以上が高評価という結果が得られた。

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 アンケートに回答した居住者の入居前の住居がどのような形態だったかが不明なので何とも言えないが、総合評価で「満足」が27で、「稲城」の53%より低くなっているのは、木造に対する期待値が高まっているからか、それとも居住環境、広さ、家賃なども影響しているのか。

23区内初の木造マンション「MOCXION四谷三丁目」完成 三井ホーム(2023/5/24)

木造賃貸&ZEH-M 満足度は98% 三井ホーム「稲城」入居者アンケート(2022/12/3)

 

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東日本レインズ プレス・リリースから

 東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は2月13日、首都圏の2024年1月の不動産流通市場動向をまとめ発表。中古マンションの取引件数は2,711件(前年同月比5.0%増)となり8カ月連続して増加。坪単価は250.7万円(同11.2%増)となり45か月連続、成約価格は4,860万円(同13.7%増)となり44か月連続でそれぞれ上昇した。専有面積は専有面積63.97㎡(同2.2%増)となった。

 地域別動向では、成約件数は横浜・川崎市と神奈川県他以外の地域が前年比で増加し、東京都区部は8か月連続で前年同月を上回った。成約坪単価はすべての地域が前年比で上昇し、東京都区部は45か月連続、横浜・川崎市と多摩は7か月連続で前年同月を上回った。

 中古戸建の取引件数は962件(同1.7%増)、価格は3,803万円(同0.6%減)、土地面積は142.22㎡(同6.4%減)、建物面積は102.96㎡(同1.1%減)となった。

 地域別動向では、成約件数は東京都区部と多摩、千葉県が前年比で増加し、東京都区部は3か月ぶりに前年同月を上回った。成約価格は東京都区部と埼玉県以外の地域が前年比で下落し、多摩と神奈川県他は2ケタ下落となった。

 

 飯田グループホールディングスは2月9日、2024年3月期第3四半期決算を発表。売上高1兆177億円(前年同期比0.2%減)、営業利益488億円(同43.9%減)、経常利益300億円(55.5%減)、純利益311億円(同53.0%減)となった。主力の戸建事業は売上高8,648億円(同0.2%減)、売上総利益率13.0%(同4.6ポイント減)、販売棟数28,711戸(同1.0%減)、平均価格3,012万円(同0.8%増)となった。

 同社は、販売価格については原価上昇分全てを売価に織込めず利益率が低下、市中在庫が過剰な状況が続いており、価格を上げにくい環境で、建物原価については木材価格が低下した一方で、その他資材はメーカー値上げの影響で増加、トータルでは建物原価は2Q比で20万円減少し、土地原価については2Q比で48万円増加。首都圏エリアの販売比率が高まっていることに加え、当該エリアでの仕入単価上昇の影響を受けているとし、適正在庫水準の維持に優先的に取り組む方針としている。

 セグメント別の戸建分譲販売棟数は次の通り。

・アーネストワングループ    7,580棟

・一建設グループ          7,229棟

・飯田産業グループ       4,368棟

・タクトホームグループ   3,579棟

・東栄住宅グループ     3,373棟

・アイディホーム      2,566棟

 

 国土交通省は2月9日、二地域居住の促進を通じて、地方への人の流れを創出・拡大するための「広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律の一部を改正する法律案」が閣議決定されたと発表した。コロナ禍を経て、UIJターンを含めた若者・子育て世帯を中心とする二地域居住へのニーズが高まっている一方で、「住まい」「なりわい(仕事)」「コミュニティ」に関するハードルが存在することから、都道府県、市町村、支援法人、地域住民、不動産会社などが連携して二地域居住を促進する基盤を整備する。

 法律案では、①都道府県が二地域居住に係る事項を含む広域的地域活性化基盤整備計画を作成したとき、市町村は二地域居住の促進に関する「特定居住促進計画」を作成可能②二地域居住者に「住まい」・「なりわい」・「コミュニティ」を提供する活動に取り組む法人の指定制度を創設。市町村長は、二地域居住促進に関する活動を行うNPO法人、民間企業などを「特定居住支援法人」として指定可能とし、空き家などの情報、仕事情報、イベント情報などの関連情報を提供する③市町村は、特定居住促進計画の作成などに関し協議を行うため、当該市町村、都道府県、特定居住支援法人、不動産会社、交通事業者、商工会議所、農協などを構成員とする二地域居住等促進協議会を組織可能とする。

 KPIとして、①特定居住促進計画の作成数:施行後5年間で累計600件②二地域居住等支援法人の指定数:施行後5年間で累計600法人を目指す。

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 不動産流通経営協会(FRK)が2020年7月、この二地域居住に関して極めて興味深い「複数拠点生活に関する基礎調査」を公表している。最後の「まとめ」の「(二地域居住)実現に向けた住居取得とそのハードル」をそのまま以下に紹介する。

 ①積極的目的での複数拠点生活を増やすために有効と思われる施策

 全体では、新たな滞在先の維持費・確保費用が最も実施のハードルとなっており、地域社会との交流・貢献などを目的とする人や20・30代ほど、この傾向は強い。また、20・30代の若い人たちは、住宅ローンが組めないことでも苦労しているようである。現在、検討している人も新たな滞在先を取得する上で税制優遇措置が受けられたり、住宅ローンを組めれば実現可能性が高まるとしたりしており、ローン要件の緩和、優遇措置を行うことで、こうした若者、または地域交流などを目的とする複数拠点生活実施者を増やすことができるのではないだろうか。

 ②消極的での複数拠点生活を支えるために有効と思われる施策

 介護など消極的な理由で複数拠点生活を実施する場合、移動時間や交通費が負担となっているようである。また、現在検討している人は、新たな滞在先を持つための初期コストや維持費を抑えられることが後押しになるとみている。介護問題など家族の絆を活かした安心社会を構築するという観点で、こうした目的による複数拠点生活を支えるためには、住宅に対する初期投資やその後の維持費・交通費等の負担を軽減するような政策支援が求められると言える。

 ――これらのニーズを救い上げ、課題を解決する官民連携に期待したい。船頭多くして…にならないことを祈りたい。

 

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「プラウドタワー平井」

 野村不動産・阪急阪神不動産が分譲中の「プラウドタワー平井」のモデルルームを見学した。2022年10月のエントリー開始から反響数は約4,900件、2023年1月からのモデルルーム来場者は約950件に達しており、2023年3月の販売開始から販売対象住戸268戸(未分譲23戸含む)のうち239戸(2月13日時点※)を成約済み。今月16日に受け付ける第5期23戸をもって販売を完了する予定で、極めて好調裡に進捗している。

 物件は、JR総武線平井駅から徒歩2分、江戸川区平井五丁目の商業地域に位置する敷地面積約3,725㎡、29階建て全374戸(非分譲住戸106戸含む)。専有面積は25.93~120.59㎡、2月16日から申し込みを受け付ける第5期(23戸)の専有面積は52.96~120.59㎡、予定価格は6,200万円台~22,900万円台。2月13日現在※、先着順で分譲中の住戸(4戸)専有面積は93.55~120.59㎡、価格は13,488万~24,988万円。既分譲の坪単価は398.8万円※。建物竣工予定は2024年11月下旬。基本設計・実施設計・総合監修は佐藤総合計画。デザイン監修は光井純アンドアソシエーツ建築設計事務所。施工は前田建設工業。

 現地は、JR総武線平井駅北口に位置する四方道路に囲まれた施行面積約0.7haの「平井五丁目駅前地区第一種市街地再開発事業」地内に位置。事業は、安全・安心な歩行空間の確保とマンションの供給を通じ、地域の先導的プロジェクトとして位置付けられており、地域の人が利用可能な集会実、防災広場などを整備する。2014年に組合設立、2020年に権利変換計画の認定を受け、2021年3月着工。両社は参加組合員として事業参画している。

 建物は南北軸が長い長方形で、住戸は5階以上(28・29階はプレミアム住戸)。住戸プランは南東向きが1スパンのほか、南西・北西(角)、南西、南東・南西(角)向きと南東・北東(角)、北東、北東・北西(角)、北西向きがほぼ半々。主な基本性能・設備仕様は、免震構造、長期優良住宅認定(一部住戸除く)、二重床・二重天井、リビング天井高約2600ミリ(プレミアム住戸28階は約2700ミリ、29階は約2800ミリ)、ディスポーザー、食洗機、二重サッシ(一部除く)、ワイドスパン、幅広(約30cm)フローリング、御影石キッチンカウンタ-(プレミアム住戸はフィオレストーン)など。

 共用施設は、3階にCOMMUNITY LOUNGE、STUDY ROOM、LIBRARY LOUNGE、LOUNGE、PLAY AREA、KID’S ROOM、25階にSKY LOUNGE、GUEST ROOM。このほか、このほか、1・2階は商業施設、3階は認可保育園、4階は自転車置き場。

 販売担当者によると、2LDKは江戸川区、江東区を中心に集客できており、3LDKは二次取得層も多く、プレミアム住戸は地元の顧客が中心。10m前後のワイドスパン(約72㎡のモデルルームは約10.8m)が高い評価を得ているという。

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低層部(完成予想図)

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 この再開発計画が権利変換認定を受けた2020年の時点で、記者は坪単価は350万円と予想した。総武線の亀戸-新小岩間では再開発マンションだけでも5,000戸超が計画されており、野村不動産の記念碑的物件といえる「プラウドタワー亀戸クロス」(934戸)の坪単価370万円が上値圧力となると読んだからだ。

 ところが、皆さんもご存じのように、2022年ころから都心・準都心のマンション単価が暴騰した。城西・城南はともかく、城北エリアも坪400万円をはるかに突破した。

 城東エリアは、豊洲や勝どきの一部の物件を除き坪単価が400万円を突破した物件はないはずだが、「平井」は分譲前に坪400万円を突破すると上方修正した。

 予想はやや外れた。既分譲の単価は398.8万円だ。東京駅まで7.5キロメートル圏、乗車時間にして17分のエリアの〝駅近〟マンションでこれほど単価の安い、しかも基本性能・設備仕様レベルが高いマンションは皆無だろう。最終期の50㎡台は6,200万円台(坪単価386万円)というではないか。プレミアム住戸には記者の背丈ほどあるオーダーメイドのタオルウォーマーが提案されていたのには驚いた。

 総武線では今後、荒川を越える新小岩、小岩の再開発マンションなどが供給される(新小岩の駅周辺は江戸川区ではなくて葛飾区だが)。「亀戸」と「平井」の上値圧力がなくなるので、坪単価は400万円を超えるとみているのだが…。

※記事掲載は2月10日だが、その後、同社から修正依頼が入り2月13日時点とした。坪単価も当初は390万円としたが、399.8万円に修正した。

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モデルルーム

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SKY LOUNGE

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 「平井」を含む江戸川区について。城東エリアに縁のない方は総武線の「錦糸町」「亀戸」「新小岩」「小岩」はよく知っていても、「平井」を知っている人は少ないのではないか。マンションの供給もこれまでそれほど多くなかった。位置的には亀戸駅から一駅先、新小岩駅の一駅手前で、江東区との区界を流れる旧中川と駅の東側に流れる荒川に挟まれたエリアだ。

 駅を降りて街を歩くとすぐわかることだが、江戸川区の最大の特徴はみどりが豊富ということだ。物件ホームページには、23区の公園面積ランキングでは江戸川区は公園数515か所・総面積782.6haと1位にランクされている(2位は江東区の316か所・516.6ha)。公立小学校の数は23区トップで、公立中学校は3位、年少人口は3位となっている。

 区のデータによると、平成30年のみどり率は30.8%と、23区平均の24.2%を上回っており、江東区の36.0%に次いで第2位だ。緑被率は18.5%で、20%を超える千代田区、港区、練馬区、世田谷区、杉並区などに及ばない中位クラスとなっている。

 みとり利率は河川など水面を含み、緑被率は大規模公園などを抱える都心区が上位を占めているのでこのような結果になっているが、日常的に目にする街路樹の多さは江戸川区が他の区市を圧倒している。

 一般社団法人・東京都造園緑化業協会の「平成30年度東京都緑化白書」によると、街路樹本数を区市ごとに見ると、もっとも多いのは江戸川区の約61,000本で、八王子市の約38,000本、世田谷区の約25,000本、足立区の約23,000本、江東区の約18,000本、府中市と町田市の約16,000本、大田区の約11,000本、葛飾区の約11,000本がベスト10。

 人口1人当たりの街路樹本数は、トップが約8.9本の江戸川区で、以下、千代田区の約8.1本、八王子市と稲城市の約6.7本、府中市約6.2本、多摩市の約5.3本などが続く。

 みどり率や緑被率とも関連がある第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地域がない区は千代田、中央、台東、墨田、江東、荒川の6区で、建築規制が緩い準工業・工業・工業専用地域の割合は江東区は実に60.3%で、江戸川区は16.0%だ。緑環境に視点を当てた〝住みたい街〟ランキングをどこもやらないのはなぜだ。

1人当たり街路樹 最多は江戸川区の8.9本1本当たり維持管理費は1.5万円 (2022/8/17)

街のポテンシャル 劇的に変えた 野村不の商業施設「KAMEIDO CLOCK」4月28日開業(2022/4/26)

総武線(亀戸~小岩)の開発に拍車 再開発中心に5000戸超 「亀戸」の上値圧力も(2021/9/1)

圧倒的な価格の安さと平均74㎡の広さアピール 大成有楽不動産「平井」(2020/9/10)

 


 

 

Screenshot 2024-02-09 at 13-20-50 【ニュースレター(三井不動産レジデンシャル他)】「白金一丁目西部中地区第一種市街地再開発事業」権利変換計画認可のお知らせ.pdf.png

 東急不動産、大成建設、三井不動産レジデンシャル、大成有楽不動産、日本郵政不動産の5社は2月9日、参加組合員として参画している「白金一丁目西部中地区第一種市街地再開発事業」の権利変換計画の認可を受けたと発表した。

 同事業は、東京メトロ南北線・都営三田線白金高輪駅から徒歩3分の先行再開発が進む白金高輪エリアの中心地に位置する施行面積約1.6ha。地上39階建てには約980戸の共同住宅、商業施設や子育て支援施設を整備するほか、約3,300 ㎡の広場や地域住民の交流・活動の拠点として広場横に「地域交流スペース」を整備する。2025年6月に着工し、2028年度に竣工予定。

 

 

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