入社式祝辞 「凡事徹底」信頼される人、未来切り拓く人へ 東京建物・野村均社長
皆さん、本日は入社おめでとうございます。新しい仲間を迎えることができ、大変嬉しく思います。(一部省略)
当社は、1896(明治29)年10月に旧安田財閥の創始者・安田善次郎翁により設立され、近代日本資本主義の父である渋沢栄一も創業に深くかかわりました。昨年創立127年を迎えましたが、これまで一世紀を超えて企業活動を続けられたのは、安田善次郎翁が旨とした「お客様第一」の精神と、時代の流れを先んじて捉える進取の精神を社員一人ひとりが原点として大切にしてきたからだと考えます。
また当社は、これまで創始者らの「道徳と経済は両立させることができる」という志を色濃く受け継ぎ、常に時代の要請に応え、人々の安全・安心な暮らしや豊かな社会の実現に貢献することを旨としながら事業の歴史を積み重ねてきました。この長年の積み重ねこそが、結果的に様々な成果や信頼の獲得へとつながり、当社が現在のデベロッパーとしての地位を確立できた所以と考えます。
当社の企業理念は「信頼を未来へ」です。お客様や地域の方々から信頼を得るためにはどのようにすればよいか、社員一人ひとりが考え抜き、行動し続けることによって、初めてその意味するところが相手に伝わり、理解されるものです。また、この企業理念は社外に対してのものだけではありません。社内や東京建物グループ内においても、お互いに仲間として信頼し合い、「この人とまた一緒に仕事がしたい」「この仲間と最後までやり遂げたい」と互いに思い合うことにより、初めて本当の意味でのシナジーが生まれてくるものと考えています。是非とも、「信頼」される人、「未来」を切り拓く人となるよう期待しています。
現在当社では、様々な事業を推進していますが、当社がデベロッパーとして事業を継続していくうえで欠かすことのできないものが社員の「人間力」です。自分に係わる方々から信頼を得るためにはどのようにすればよいかを常に意識することにより、内発的に生まれる行動に価値があります。こうした意識は日常の「挨拶ができる」「約束を守る」「相手の目を見て話す」といった当たり前のこととして行動に表れるものです。これから社会人としての生活をスタートする皆さんにも「凡事徹底」の心を決して忘れないようにしてください。このことこそが、「人間力」につながり、ひいては企業の力につながると強く信じています。私は、当社の競争優位性は、社員一人ひとりの「人間力」や、それを形作る「人間性」にあると考えています。一人ひとりが自分の持ち場、現場で行う日々の言動の積み重ねが、お客様や地域の方々に認められて当社のブランドになっていくということを深く理解してください。
さて、本年当社は、政府からの「賃金と物価の好循環」実現への要請を踏まえ、賃上げを通して日本経済の成長の一助とすべく、消費増が投資を呼び、賃金の上昇を伴って物価が上がるいわゆる「良いインフレ」の定着に向けて、一歩先んじて高水準の賃上げを実施することとし、全社員の年収を平均10%超引き上げる水準としました。更なる会社の発展に向け、社員一人ひとりの一段の活躍を期待し、社員と会社の未来に投資するという考え方に基づき、賃上げについて会社側が労働組合の要求を超えて回答したものです。新たに当社の一員となる皆さんにも是非、この期待に応えるよう励んでいただきたいと思います。
最後に、何事においても身体はすべての資本であり、健康なくして何事も成し得ることはできません。
当社は、優れた健康経営を実践している企業として、健康経営優良法人の認定を8年連続で取得し、上位500社のみに与えられる「ホワイト500」の称号も4年連続7回目の取得ができました。今後も一人ひとりの健康維持・増進に繋がる施策を積極的に推進しますが、健康管理は自らで責任を持ち、くれぐれも留意し社会人生活を過ごしてください。
皆さんと一体となって信頼を未来へつなげる企業であり続けるその挑戦の歩みこそが、すべてのステークホルダーの皆様への価値提供であると私は信じています。皆さんの挑戦と成長が当社発展の原動力となることを期待しています。
以上、私からの祝辞といたします。
入社式挨拶 いま最も求められるのは「妄想、構想、実現」 三井不動産・植田俊社長
入社おめでとうございます。皆さんを心から歓迎します。本日、皆さんが社会人として第一歩を踏み出されるにあたり、私からお話をさせていただきます。
三井不動産グループは創立以来、時代の変化をチャンスと捉え、多くの挑戦を続けてきました。埋め立て事業、日本初の超高層ビル「霞が関ビル」をはじめとするオフィスビル事業、住宅事業、商業施設事業、物流施設事業、東京ドームをはじめとするスポーツ・エンターテインメント事業など、常に新たな価値創造を推進してきました。そして、ミッドタウンや日本橋に代表されるようにそれらを統合したミクストユースの街づくりを進め、より豊かな暮らしを提供、人々のクオリティ・オブ・ライフを高めてきました。
さらに、ビジネスの舞台はグローバルに広がり、業容は大きく拡大、人材のダイバーシティも進み、企業として大きく成長したと感じています。このような中で、私たちは様々な価値創造を進めてきましたが、今や、「不動産デベロッパー」の枠を超え、ハードな建物だけでなく、街づくりを通じた「場」や「コミュニティ」、ソフトサービスの提供を通じてそこに集う人々や企業がイノベーションを起こすお手伝いをする「産業デベロッパー」というプラットフォーマーへと進化を遂げました。
ところで、今から46億年前に地球が誕生しましたが、その長い地球の歴史の中で、約5億年前にカンブリア紀という時代がありました。カンブリア紀には、遺伝子の爆発的変容というパラダイム転換が起き、多数の生物が誕生しましたが、この時代の勝者は最強の捕食者ではなく、弱々しいナメクジウオの祖先であるピカイアという生き物でした。ピカイアは脊索動物である私たち人類の祖先と言われていますが、環境の変化に対応できたもの、つまり、「適者生存」したものだけが、生き延びたことが分かっています。
皆さんも各種報道で日本の「失われた30年」という言葉を目にされていると思います。30年前のスタートは当然皆さんが生まれる前です。デフレの時代では、付加価値が評価されず、報われず、心が委縮してイノベーションが起きづらい時代でした。
また、日本にとって今年は「失われた30年」に遂にピリオドを打てるか、勝負の年だと思います。コスト上昇を原因とするプッシュから始まった物価上昇を、各企業が賃金上昇や適正な商品価格の上昇という好循環に繋げることができれば、ついに日本もデフレから脱却できる、大きなパラダイム転換のチャンスに来ています。デフレから脱却できれば、付加価値は正当に評価され、イノベーションが促進される、まさに付加価値を競い合うビジネスのカンブリア紀に突入することになります。これは、今までも付加価値創出に貢献し、差別化を目指してきた当社にとっては大きなフォローウインドです。
このような、変化が激しく、不確実性が増す時代に、最も大切なことは「顧客志向」だと、私は考えています。前例踏襲やマニュアルに従うだけでは環境変化や多様化する顧客ニーズには対応できず、突き抜けた発想で付加価値を創出しなければ、激しい競争に打ち勝つことはできません。
だからこそ、「妄想、構想、実現」、これが今、最も求められていることだと思います。 突拍子もない「妄想」でも、そこに大義があれば仲間が集まって「構想」になり、「実現」につながっていく。本気でイノベーションを起こし、圧倒的な「付加価値」を創出し、産業競争力を高めることが求められています。皆さんの若くてフレッシュな「妄想」が、新しいビジネスの芽を育てて「構想」となり、「実現」されていくことを期待しています。
もし、失敗したとしても、ベストを尽くした結果が失敗であるならば、それは皆さんの将来にとって必ず大きな財産となるでしょう。
なお、本日付で、当社グループは、新たな経営理念を策定し、この中で私たちに受け継がれているDNAを改めて見つめ直し、グループDNAを策定しました。「共生・共存・共創」により新たな価値を作り出すための挑戦を続ける、これが私たちのグループDNAです。また、今回私たちの企業ロゴである&マークも新たにしました。この&マークは「あれかこれか」の二者択一でなく、「あれもこれも」を取り込む柔軟な姿勢を表しています。更に、今月11日には当社グループの新たな長期経営方針を公表予定です。
目下、業績は大変好調に推移していますが、今の立ち位置に安住していては、生き残ることはできません。
我々を取り巻く環境がダイナミックに変化するなか、我々はイノベーションを通じて新たな価値創造に貢献し、社会・経済におけるリーダーシップを高めながら持続的に成長していくことを目指します。この挑戦に果敢に立ち向かい、次なる一歩を共に踏み出しましょう。
最後に、あらためて三井不動産グループの事業は、社会的意義が大きく、人々に夢と感動を与えられる産業だ、と私は心から信じています。そして三井不動産は、仕事を通じた自己実現によって、日本全体、ひいては世界全体のイノベーションに大きな影響を与えることのできる会社だと信じています。高い志を持って自己実現を目指す者にとっては、最高のステージとなるでしょう。
三井不動産グループが、さらに魅力あふれる企業グループであり続け、また今後もたくましく成長していけるよう、共に頑張りましょう。
入社式訓示 柔軟でケガのない「伸び」に期待 大和ハウス工業・芳井敬一社長
約600名の新入社員の皆さん、入社おめでとうございます。役職員を代表して、当社を選んでくれたことを心より感謝します。当社は今年創業70年目に入り、来年4月5日には創業70周年を迎えます。そうした年に、人生の新たな物語をスタートさせる皆さんに期待と希望を込めてお願いしたいことをお話しします。
1点目は、私が掲げた2024年の一文字「伸」です。まっすぐに伸びる、勢いよく伸びるという意味もありますが、大和ハウスグループは柔軟でケガのないストレッチの効いた伸び方をしていきたいと考えていますし、皆さんにもそのような伸び方をしていただきたいと願っています。
2つ目は、”将来の夢”の実現です。2024年3月期には売上高5 兆円を超える見込みであり、創業者の「夢」である「100周年に売上高10兆円」の折り返し地点が見えています。その中で当社は創業100周年(2055年)に向けてありたい姿として“将来の夢”(パーパス)を策定しました。その実現に向けて、多様な人財が主体的に考え動きやすい環境をつくるために、「さん」付け運動、服装や社内の言葉遣いの見直しの実施などにも取り組んでいます。いずれの施策も、風通しが良く、多様な価値観を受け入れる組織を作るためのものです。是非皆さんも自分の考えを積極的に発信し、自分の強みを発揮してください。
3つ目は、創業者の著書「わが社の行き方」で行動の指針を定めることです。これから皆さんが仕事を進める中で、当社の原点が進むべき方向を示してくれます。私は「困った時・迷ったとき」と「調子がいいとき」に熟読しています。困った時や迷ったときに再読すると、昔に読んだ時には感じることができなかったことを感じることができ、迷いが吹っ切れることもあります。調子が良いときに読めば、まだまだだと戒めてくれます。この冊子は皆さん一人ひとりに語りかけてくれますので、困ったときや調子が良いときなど、常に「わが社の行き方」に戻ってください
4つ目が、感謝と初任給です。今月末、皆さんは社会人としての初任給を得ることになりますが、これまでお世話になった家族や先生など、大切な人に今の自分の気持ちを伝えてください。決して皆さんはここまで一人の力で来られたわけではありません。これまで多くの人に支えられて本日の入社を迎えましたので、そういった方々に感謝の気持ちを表して欲しいと思います。
最後に、働くうえで、最も優先されるのは皆さんの健康と家族です。病気にかかった場合は、無理せず休んでください。体調を整えるのも仕事のうちです。今日からが始まりです。私たちも皆さんとともに、当社グループを今後も成長させていきたいと思います。一緒に頑張りましょう。
本社内に空き家などの相談窓口 杉並区の公募により協定 細田工務店
細田工務店は4月1日、本社内(杉並区阿佐谷南3-35-21)に「杉並区空家等利活用相談窓口」を開設したと発表した。「杉並区空家等利活用相談窓口業務公募型プロポーザル」で同社が選定されたもの。協定期間は2024年4月1日から2029年3月31日までの5年間。
「相談窓口」では、専門家(建築士、弁護士、司法書士、税理士等)と連携・協力して、区内の空き家の相続、賃貸、改修、売却などの相談に対し、ワンストップで利活用に関する助言・提案を行う。
問合せは下記の通り。
・電話:03-5397-7717
▪メール:このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。
▪ WEB:https://www.hosoda.co.jp/contact/vacant-suginami/
・受付時間:午前9時~午後6時(定休日:水・日曜日※夏期休業、年末年始除く)
2月の住宅着工 9か月減 持家27か月、分譲戸建て16か月連続減 貸家は微増
国土交通省は3月29日、令和6年2月の新設住宅着工戸数をまとめ発表。総戸数は59,162戸となり、前年同月比8.2%減、9か月連続の減少となった。内訳は持家16,307戸(前年同月比11.2%減、27か月連続の減少)、貸家24,934戸(同1.0%増、2か月連続の増加)、分譲住宅17,327戸(同17.7%減、2か月連続の減少)となった。分譲の内訳は、マンション7,483戸(同23.3%減、2か月連続の減少)、一戸建住宅9,710戸(同13.3%減、16か月連続の減少)。
首都圏は貸家(同1.3%増)が増加したものの、持家(同8.5%減)、分譲住宅(同16.7%減)が減少したため総戸数は同8.1%減少した。
首都圏マンションは4,169戸(前年同月比23.8%減)で、内訳は東京都2,224戸(同21.0%減)、神奈川県885戸(同27.3%減)、埼玉県868戸(同161.4%)、千葉県192戸(同82.6%減)。
長期優良、ZEHに★3つの「みどり」 住友不・長谷工の建て替え「多摩川」900戸

「シティテラス多摩川」
住友不動産・長谷工コーポレーションが分譲中の建て替え「シティテラス多摩川」を見学した。全体で約49ha、賃貸・分譲合わせ約3,900戸の住宅団地「多摩川住宅」の再生を図るプロジェクトの先陣を切るもの。長期優良、ZEH、CASBEE、緑環境などで高い評価を受けているのが特徴で、同社が現在分譲している都内マンションの〝最安値〟の物件でもある。分譲は始まったばかりだが、まずまずのスタートを切った。
物件は、京王線調布駅からバス13分、バス停から徒歩4~6分(小田急線狛江駅からバス9分、徒歩4~5分)、調布市染地三丁目の第一種中高層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率200%)に位置する敷地面積約37,638㎡、12階建て10棟全900戸(非分譲住戸244戸含む)。専有面積は30.68~87.01㎡。先着順で販売中の住戸(17戸)の専有面積は55.57~82.62㎡、価格は4,200万円~7,200万円。坪単価は250万円。完成予定はⅠ工区:2024年12月上旬、Ⅱ工区:2025年10月上旬。設計・施工は長谷工コーポレーション。
主な基本性能・設備仕様は、長期優良住宅認定、ZEH-M Oriented認定、直床、リビング天井高2500ミリ(4階までは2550ミリ)、御影石キッチン天板、ミストサウナ、Low-Eガラス(廊下側)など。共用施設はオープンラウンジ、キッズルーム、ゲストルームなど。
これまでの反響数は1,200~1,300件、モデルルーム来場者は約300件。1月から販売開始しており、これまで約100戸を成約。同社販売担当者は、調布、狛江駅からのバス便だが、住環境、居住環境がいいこと、リモートワークが定着し、都心へのアクセスもよいことからファミリー、プレファミリーのほか近隣の高齢者などからも幅広い支持を受けていると話した。坪単価は同社が現在分譲中の都内物件では〝最安値〟だという。
「多摩川住宅」は、東京都調布市と狛江市にまたがる約48.9ha(調布市約32.9ha・狛江市約16.0ha)のエリアに、東京都住宅供給公社によって賃貸住宅(1,826戸)と分譲住宅(2,048戸)の3,878戸のほか商業施設、幼稚園、小・中学校などの生活利便施設が整備された1968年竣工の大規模住宅団地。当時、モデル団地として話題になった。
建物の老朽化が進んだことから2007年に「多摩川住宅まちづくり協議会」が結成され、2017年、調布市・狛江市は地区の地区計画を決定。全体を生活拠点地区、住宅福祉複合地区、住宅再生地区(A地区・B地区)、住宅再生促進地区、住宅公益複合地区、公共公益地区に分け、12の地区計画が定められている。建て替えは「住宅再生地区」計画に沿って行われるもので、両社は事業協力者として2015年11月に選定された。
隣接地の狛江市側では、積水ハウス、小田急不動産、長谷工コーポレーションの3社が参加組合員として事業参画している「多摩川住宅ニ棟団地マンション建替事業」1,217戸(分譲戸数未定)が進行しており、2024年度内に着工される予定。このほか12ある計画のうち、調布市内に位置する約820戸の「イ」号棟、約1,400戸の東京都供給公社の賃貸住宅「ロ」・「ハ」号棟は現段階で具体的な建て替え案は決まっていない。

多摩川住宅(建て替え工事前)
◇ ◆ ◇
記者は、結婚したときに調布に住み、それ以降今日までずっと京王線沿線に住んでいる京王線ファンで、同社には貸し借りなど一銭もないが、取材をセットしてもらった女性広報担当者の名前を聞くと年甲斐もなく胸がキュンとなり、彼女が眉をしかめるような記事は書けない。マンション購入検討者の方は、このことを念頭に置いて、以下の記事は多少割り引いて読んでいただきたい。
京王線沿線に住んで40年以上が経過する。見学すべき沿線のマンションはほとんど観ている。数にして数十物件をくだらない。従前の「多摩川住宅」も何度か訪れている。団地が完成してから56年。建物の老朽化、間取りの陳腐化は避けられないが、樹木は年を経るごとに成長し続けている。ケヤキを中心とする保存樹木は調布市、狛江市双方で数十本はあるはずだ。多摩川もすぐそばだ。緑環境・住環境は申し分ない。地区計画の目標でも「豊かに育った街路樹等を活かして,景観性及び機能性を備えた快適な歩行者空間ネットワークの形成を図る」と明記されている。
この緑環境についてもう少し触れる。2005年(平成17年)10月、住宅用途の床面積が2,000㎡以上の建築物(分譲又は賃貸マンション)を対象とした東京都マンション環境性能評価制度がスタートした。「建物の断熱性」「設備の省エネ性」「再エネ設備・電気」「維持管理・劣化対策」「みどり」の5つの環境性能をそれぞれ★1~3個(満点は★15個)で広告に表示を義務付けているものだ。これまで認定を受けた分譲マンションは845件、このうち「みどり」で★3つを獲得しているものは186件だ。都内では年間1,000物件くらい供給されているはずで、認定を受けている物件比率は4.2%、「みどり」★3つの比率は0.9%だ。調布・狛江市内に限定すると、「みどり」★3つは8件しかなく、うち「多摩川」が7件を占めている。(認定物件は棟数でカウントされているので、物件比率にするともっと低くなる)
ちなみに、先の5項目すべて★3つ(15点満点)のマンションは9物件しかない。そのうち一物件は同社が事業参画した「武蔵小山パルム駅前地区第一種市街地再開発事業」だ。
同社を含めたマンションデベロッパーは、高さが日本一だとか規模が最大だとか駅距離が近いとかなどを最大の売りにして宣伝するが、この「みどり」の価値についてもしっかり伝えるべきだと思う。欧米では、街路樹などが果たしている役割・価値を金額に換算する樹木による生態系サービス評価ツール「i-Tree」が普及していると聞く。わが国も導入すべきだ。
このように考えると、今回の物件の現段階での坪単価250万円は妥当どころか割安感がある。ディスポーザーは付いておらず食洗機はオプション、浴室タオル掛けは1か所などにはやや驚いたが、このレベルが当たり前になりつつあるということだ。このところ供給が目立つ東武野田線(東武アーバンパークライン)でも駅に近い物件の坪単価は250万円になっている(同社の女性広報担当はこの東武野田線を知らなかった)。バス利用を含めて新宿まで30分圏内の「調布」と、都心まで1時間はかかる野田線がどうして等価なのか。
積水ハウスなどがいつ分譲するか分からないが、記者は坪300万円超もありうるとみている。10月に完成販売される小田急不動産の調布駅近マンションは坪450万円くらいになるのではないか。「多摩川」は半値に近い。多摩川住宅はバス便だが、通勤時は1時間に7~8本運行されている。渋滞も少ないはずだ。

建築現場

爛漫の春 咲き乱れるハナニラ

「多摩川住宅ニ棟団地マンション建替事業」(これから解体工事が始まる)
◇ ◆ ◇

記者の昼食(隠れているのは2個入りカツサンド)
現地取材を終えたのが午後3時過ぎ。何か食べようと思ったが、飲食店はなし。マンションの建築現場に近い「CO-OP」では店内で買ったものを食べられると聞いたので利用した。酒もたばこも不可だったので、スタッフの了解を得てノンアルコールの白ワインを水代わりに飲んだ。
すると、別の女性スタッフから声をかけられた。「お客さん、上の者に確認しましたら、嗜好品(酒肴品と聞こえたが)のノンアルコールも酒扱いでして…もう飲まれているので今回は結構ですが、お子さんもいますし…次回以降はよろしくお願いします」と言われた。つまり、ノンアルコールはダメだと。
スーパーで食事をしたのは初めてだった。ノンアルコールも酒扱いとはこれまた初めて。嗜好品の定義はよく分からないが、品名を確認した。「21%ぶどう果汁入り飲料」とあった。隣の小さい子どもとお母さんらしき女性が飲んでいたジュースと変わらないのではないか。子どもに見せたくないのは、雑草を紙コップに活け、ビニールに包まれたトマトを食べる風変わりな枯れ木のような小生を指すのか。
トマトが好きなので、調布市産のトマトも買って食べた。アメーラほどではないが、美味しかった。
積水ハウス・小田急不・長谷工コーポ多摩川住宅ニ号棟建て替えへ(2023/8/7)
長期優良、ZEH、CASBEE…レベル高いはず住友不&長谷工「多摩川住宅」着工(2022/9/2)
大成有楽不動産 富裕層向け賃貸マンションブランド「UNUS.」(ウヌス)立ち上げ

「UNUS.」ブランド メインビジュアル
大成有楽不動産は3月28日、富裕層向け高級賃貸マンションの新ブランド「UNUS.」(ウヌス)を立ち上げたと発表。現在、第一弾物件「UNUS.白金長者丸」(16戸)を建設中で、今後も「UNUS.」ブランドにふさわしい都心立地での取り組みを検討していく。
「UNUS」は、「ひとつの」「唯一の」意味を持つラテン語。ブランドコンセプトは「普通じゃない、ちょっと特別な日常。」
同社は2014年、新築賃貸マンションシリーズ「TERRACE(テラス)」を、2020 年に既存賃貸マンションシリーズ「ReTERRACE(リテラス)」を立ち上げ、TERRACE シリーズはこれまで22物件・1,064戸を供給している。
2024年3月期引き渡し696戸全て完売 来期進捗も80% 大和地所レジ デンス
大和地所レジデンスは3月27日、2024年3月期に完成したマンション9物件696戸が全戸完売、全て引渡しを終え、来期(2025年3月期)完成を予定しているマンションの契約は、80%進捗していると発表した。
また、2023年は、首都圏で1,068戸のマンションを発売し、新築分譲マンション供給ランキングで第6位となった。主な供給物件は、設立30周年プロジェクトの「ヴェレーナグラン北赤羽(総戸数318戸)」や「ヴェレーナグラン菊名の杜(総戸数125戸)」など。
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これほど供給して完成在庫を出さないのは同社くらいだろう。オープンエアリビング・バルコニー、メーターモジュール廊下、御影石キッチン・洗面カウンター、ミストサウナ、スロップシンクなどの標準装備が他社を圧倒している。
フレキシブルオフィス 2030年までに1万坪⇒3万坪へ拡大 三菱地所 丸の内エリア

「xLINK(クロスリンク)丸の内永楽ビル」共用ラウンジ
三菱地所は3月27日、「丸の内永楽ビル」に4月1日に開設するフレキシブルオフィス「xLINK(クロスリンク)丸の内永楽ビル」の報道陣向け内覧・体験会を開催。同社執行役常務・荒木治彦氏は、現在同社が所有・転貸する丸の内エリアのオフィス貸付面積約52.4万坪の約2%、1万坪のフレキシブルオフィスを2030年には貸付面積約60万坪のうち約5%、約3万坪に増床し、多様な就業者100万人に最適な空間を提供し、自由でフレキシブルな働き方を実現すると語った。
また、同社フレキシブル・ワークスペース事業部部長・河野安紀氏は、フレキシブル・ワークスペースの事業戦略について「丸の内エリア120haの広域であらゆる形態のオフィスを提供できる強みを発揮し、選択肢の拡大によりワーカーマーケットを育て、サステナブル社会の実現、SDGsにも貢献する」と話した。
同社フレキシブル・ワークスペース事業部 ユニットリーダー・岩本祐介氏は、新設する「xLINK丸の内永楽ビル」の施設概要について説明し、「100坪で賃料は800万円(坪賃料8万円)」などと具体的な賃料も公表した。ラウンジでの酒類の提供は行わない(帰りに寄った丸の内北口ビルでは就業者向けラウンジで酒類の販売を行っていた)。
フレキシブルオフィス「xLINK丸の内永楽ビル」は、「丸の内永楽ビル」の最上階26階約834坪と25階約178坪、合計1,012坪の規模。2名~36名までの什器付サービスオフィス(40個室、約2~42坪)、20名〜40名程度で利用可能な専用エントランス・会議室付オフィス(8区画、約42~84坪)、30名〜70名程度で利用可能な専用エントランス、会議室、コミュニティキッチン、基本什器付ハーフセットアップオフィス(2区画、101坪・143坪)を整備。カフェ、ソロワークブース、フォーカスブース、ミーティングブース、ボックスシート、イベントスペースなど多彩な用途を持つビル共用ラウンジを併設する。
フレキシブルな契約形態、什器・造作付きのハーフセットアップオフィスとすることで、退去時の原状回復工事範囲を限定。成長企業のステージに応じたステップアップオフィスとして利用可能なのが特徴。
同社は2022年4月、フレキシブル・ワークスペース事業部を発足し、それまで新規事業として取り組んできたフレキシブルオフィス事業を統合する形で、本格的にフレキシブルオフィス事業に参入。2023年2月には、国内48都市・185拠点でフレキシブルオフィス事業を展開する日本リージャスホールディングスをグループ会社化。丸の内では、プロジェクトオフィスとして供給していた「xLINK」を3種類のフレキシブルオフィスにリブランド、ビルテナントが利用できる共用ラウンジの新設に合わせて、「xLINK」の併設も進めている。2023年4月に開業した「xLINK丸の内パークビル」「xLINK丸の内パレスフロント」が開業1年未満で稼働率80%以上の安定稼働に移行している。
今後、2024年秋には、「新大手町ビル」3階にビル共用ラウンジを開設すると共に、「xLINK大手町」3期増床を行うほか、2025年春には「丸ビル」に、2028年春には「Torch Tower」への開設を検討している。2030年までに丸の内エリアの貸付有効面積の約5%、3万坪まで拡大する。

セットアップオフィス(コミュニティキッチン)

xLINKスカイラウンジ
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この日配布された資料には、丸の内に本社を構える上場企業は135社で、連結売上高は約155兆円(わが国のGDPの9.12%。ちなみに三井グループ25社の連結売上高は約88兆円)、就業者は約35万人とあった。
坪賃料8万円には驚いたが、共用ラウンジやワーケーション施設、街全体をワークプレイスとして利用できる環境などを考えたら納得もできる。坪賃料で測れない価値がある。
荒木氏はあいさつの中で「コリアーズのアンケート調査でも、丸の内エリアは働きたい場所として圧倒的に高い支持を受けている」と語った。コリアーズは同社の「丸の内二重橋ビル」に入居しており、先日行われたアンケート調査発表会&記者懇親会を取材した。アンケートはZ世代に聞いたもので、「働きたい場所(駅)」は「丸の内」ではなく「東京」だが、ベスト3は「東京」25.0%、「大手町」19.3%、「有楽町」11.6%なので、「大・丸・有」地区が圧倒的支持を得ているのは間違いない。
これほど人気が高いのだから、皇居が一望できる一角にマンションを分譲したら「うめきた」の倍、坪5,000万円でも売れると思うのだが…。
オフィスワーカーの欲しい設備「食堂」/Z世代の働きたい場所「東京」 コリアーズ(2024/3/18)
「彩」「祭」「才」と「愛」をつなぐ 三菱地所「SAAI(サイ)」新東京ビルに移転(2023/11/17)
「水庭」と「ヴィラ」見事な人と自然の共生演出 タカラレーベン「那須 無垢の音」

「那須 無垢の音」(「水庭」)
タカラレーベンは3月27日、「那須 無垢の音」のオープニングセレモニー&メディア向け内覧会を開催した。従前の「アートビオトープ那須」をリニューアルしたもので、同社代表取締役・島田和一氏が開発の経緯、ブランドコンセプト、今後の展開などについて語り、ホテル事業の責任者である同社取締役兼執行役員・岩本大志氏が施設の特徴について説明し、施設の〝売り〟の一つである「水庭(みずにわ)」について、設計を担当した建築家・石上純也氏か設計手法などについて語った。ホテルは4月1日にオープンする。
島田氏は「MIRARTHグループ初となる自社ホテルブランド『HOTEL THE LEBEN』を立ち上げ、2022年に第一弾を大阪・心斎橋でオープンした。今では〝予約が取れないホテル〟として好評をいただいている。2026年12月にはかごしま空港ホテルを開業する。『那須 無垢の音』は、地産の美食と優雅な寛ぎを愉しめる『オーベルジュ』として開業する。ホテル事業は2030年までに2,000室にする目標を掲げている」などと語った。
岩本氏はホテルの特徴について、「石上純也先生が手掛けた『水庭』、フレンチレストラン、『スイートヴィラ』から構成されており、7月には『B&B(ベッド&ブレークファスト)」も開業する。那須の天然水を地下水脈よりくみ上げ客室に提供し、客室の半露天風呂(一部桧風呂)、那須の旬の食材を楽しんでいただける』と説明した。
石上氏は、「約50年前は水田だった土地の歴史と、この場所にある自然の素材を生かせないかと、自然と人とが共存するアート『水庭』を構想した。現在の宿泊施設エリアにあった約三百数十本の樹林を采配しなおし、160の池の水は小川から水をひき、昔の水田を表現した。夏には池の水、陸の草、光と影が交わる環境が作られ、秋には色づいた葉が池の中にたまる景色、冬には雪の白、影の黒のモノトーン景色に変化する。それぞれの景色を愉しんでいただきたい」と述べた。
施設は、JR那須塩原駅から車で30分、栃木県那須郡那須町高久乙道上に位置する敷地面積約35,418㎡、客室数はスイートヴィラ15室(1室82㎡)、カジュアルツイン20室(1室20㎡)、その他施設はレストラン、ワインバー、ショップ、カフェテラスなど。スイートヴィラの宿泊料金は年間平均112,000円~(2名様1室、1泊2日2食付き)。2024年7月にはカジュアルに愉しめるツインタイプの「B&B」をオープンする予定。運営は那須横沢ホテルマネジメント(タカラレーベン100%子会社)。
従前施設は1986年、栄光ゼミナールの文化事業「二期倶楽部」として創業。その後、様々な経緯を経て2007年、MIRARTHと共同事業を開始し、同年、二期倶楽部としては営業終了。2018年に 「水庭」完成。2020年、建築家・坂茂氏設計のスイートヴィラとレストランμ(ミュー)が完成。

「那須 無垢の音」

オープニングセレモニー(左から千葉拓海総料理長、石上氏、島田氏、岩本氏、永山総支配人)

島田氏(左)と石上氏

ヴィラ客室

ヴィラ客室
◇ ◆ ◇
この日は他社の取材を優先することに決めていたのだが、前日(26日)夜、「那須 無垢の音」を取材させていただくことに変更した。キャンセル・取材申し込みを受けていただいた両社に感謝申し上げる。
「那須」を取材することを決めたのは、同社のホテル事業がどのようなものかこの目で確かめたかったのと、島田社長が何を話すか、石上氏が設計した「水庭」とはどんなものか、とても興味があったからだ。
結果は大正解。同社が目指すホテル事業はワクワクするほど魅力的で、石上氏の「水庭」は人工ではあるが那須の自然木を見事に調和させている。さらにまた、ヴィラ、レストランμ(ミュー)の設計を建築家の坂茂氏が手掛けたことを初めて知らされたが、全てが本物でそのレベルの高さを確認することができた。
まず、島田氏の挨拶。リリースでは触れられていないが、島田氏は真っ先にこのリゾートに出会ったのは10年昔であることを明らかにした。10年前と言えば、島田氏が社長に就任した年だ。その数年前から同社のマンションが劇的に変わったのを記者は確認している。一言でいえば〝非日常の演出〟だ。その舵取りを行ったのが島田氏だ。
今回、島田氏直々に「水庭」を案内してもらった。島田氏は「現在ある『水庭』の場所は砂利敷の駐車場だった。こんなになるとは夢にも思わなかった」とも語ったが、ひょっとしたら、今日の姿を夢想していたのではないか。10年構想と考えれば腑に落ちる。
〝非日常の演出〟と書いたが、記者はマンションの究極はホテルだと思っている。自腹を切って名だたるラグジュアリーホテルに宿泊したのも、究極のマンションとはどのようなものかイメージするためだった。これ以上は書かないが、皆さん、どこでもいいから同社のマンションを見学していただきたい。「福岡天神」と「上尾」の記事を添付した。
「水庭」とはどんなものか。上段の石上氏のコメント通りだが、驚いたのはその設計手法だ。記者は造園のことはわからないが、樹木の移植はとても難しく、下手をすると多くは枯死するという。枯死させないためには事前の根回し・根巻がとても大事だと聞いている。
ところが、石上氏は根回し・根巻を行わず、自然らしさを演出するために普通の造園では考えられないミリ単位で設計し、日本に3台しかない機械を使って1日1~2本ずつ、2年間(冬場は作業できない)かけて三百数十本の高木(クヌギが中心)を移植したという。そうすることで、生物多様性の宝庫でもある地中のいきものたちへのダメージも軽減できるのだという。移植から6年経過しているが、枯死の事例は十数本にとどまっているという。そしてまた驚いたのは、倒木を防ぐため地中1~2mに支柱を埋め込み、池の水は川から引いたもので、水そのものはただで、循環させているという。写真を見ていただきたい。見事の一語に尽きる。
ヴィラも素晴らしい。何が素晴らしいかと言えば、全てが本物であることだ。樹林-テラス-室内のプランニングが素敵で、2階建てではなくスキップフロアを巧みに利用した平屋建てなのもいい。さすがプリッツカー賞の坂氏だ。(山形の「SUIDEN TERRASSE(スイデンテラス)」も見たいと思っているのだが…お金がない。今年、同賞を日本人として9人目の山本理顕氏が受賞したのもとても嬉しい)

水庭

水庭
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島田社長は、2030年までホテル事業を2,000室にすると語った。那須塩原も競争は激化するはずで、「楽観はしていない」ようだが、「水庭」と「坂茂のヴィラ」の素晴らしさを伝えきれれば、「大阪」のように〝予約の取れないリゾート〟に生まれ変わるかもしれない。
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