三井不 社内ベンチャー企業 山梨とNZで生食用ぶどう生産 通年で〝旬〟を販売
三井不動産は3月26日、新事業分野への展開を目指す新会社「株式会社GREENCOLLAR(グリーンカラー)」を設立し、日本とニュージーランド(NZ)での生食用ぶどう生産・販売事業を推進していくと発表した。
GREENCOLLARは、同社グループの新規事業提案制度により生まれた社内ベンチャー企業。ホワイトカラーでもなくブルーカラーでもない「より人間らしく、自然と生きる=“グリーンカラー”」というライフスタイルを提案する。
事業は、4月から9月に北半球の日本(生産地:山梨県)で生産を行い、10月から3月に南半球のニュージーランド(生産地:ホークスベイ地方)で生産を行うことにより、日本で生産ができない時期でも旬の生食用ぶどうを供給することが可能となる。
当初は日本(山梨県)5ha/ニュージーランド(ホークスベイ地方)10haで事業を開始し、順次事業を拡大していく予定。
また、ハイレベルな生産技術の承継・革新を通じて、後継者不足など農業分野における社会課題の解決に取り組むことで、SDGsにも貢献する。
GREENCOLLAR代表取締役・大場修氏(生産担当)は「日本式の生食用ぶどうの生産は繊細な技術が必要で、手間がかかります。青空の下、手間をかけ、丁寧に育てた『本物』の生食用ぶどうを世界中の人々に食べてもらいたいという思いから本事業を開始いたしました」とコメントしている。
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なるほど、いいね。GREENCOLLARにお願いだ。旬と言えば、いまは記者の大好きなフキノトウ。これが通年で食べられたらどんなに幸せか。この前、天ぷら屋で食べたら1個500円(消費税込み)近くもした。〝山菜の女王〟と呼ばれるコシアプラも食べたいし、シカの生肉は日本酒にもワインにもあう。
三菱地所グループ総力結集 国内初の高層ハイブリット木造ホテル 札幌で着工
「(仮称)⼤通⻄1丁⽬プロジェクト」
三菱地所は3月26日、北海道産⽊材を積極的に活⽤した国内初の⾼層ハイブリット⽊造ホテル「(仮称)⼤通⻄1丁⽬プロジェクト」を先に着工したと発表した。
同社初の北海道でのホテルアセット開発事業で、設計監理は三菱地所設計が担当し、竣⼯後は同社グループのロイヤルパークホテルズアンドリゾーツが運営する同社グループの総合⼒を結集したプロジェクト。
低中層部の天井を⽊質化した鉄筋コンクリート造、中層部の1層を鉄筋コンクリート・⽊造のハイブリット造、⾼層部を純⽊造とするハイブリット⽊造建築。構造材に使用する⽊材約1,050㎥のうち約80%が北海道産。
プロジェクトは国⼟交通省の「令和元年度 第2回募集 サステナブル建築物等先導事業(⽊造先導型)」に採択されている。
1〜7階は鉄筋コンクリート造で、同社が開発、特許出願済みの通常廃材となる型枠材をそのまま内装(天井)の仕上げ材として利⽤することで、ローコスト化と客室内の⽊質化を実現するとともに、⼯事⼯程の簡略化・短期化を可能にした。
8階はハイブリット造(鉄筋コンクリート造・⽊造)とし、床材は北海道産トドマツを活⽤したCLTを使⽤。
9〜11階は、同社が開発した⾼耐⼒枠組壁⼯法を採用した純⽊造。床は北海道産トドマツを活用したCLTとする。
建物デザインは、北海道産タモを活⽤した⽊製ルーバー、新素材の外装⽤炭化コルクパネルを採⽤するほか、敷地前の⼤通公園及び沿道空間の街路樹の⾵景を建物内へ取り込んでいる。
物件は、地下鉄⼤通駅から徒歩1分、札幌市中央区⼤通⻄1丁⽬に位置する敷地面積約695㎡、11階建て延床⾯積約6,160㎡。構造・規模はRC造・⽊造(壁:枠組壁⼯法・床:CLT)。客室数は約130室。設計・監理は三菱地所設計。施⼯は清⽔建設。⽊材使⽤量(構造材)は約1,050㎡。2021年秋開業予定。
エントランス
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同社の最近の木材利用・建築物の木質化の取り組みは他の大手デベロッパーを圧倒している。「みやこ下地島空港ターミナル」、「PARK WOOD ⾼森」、「PARK WOOD 岩本町」、「CLT PARK HARUMI」などだ。
ホテルの木質化では、昨年、三井不動産の「三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミア」を見学し感動した。施工は、今回の三菱地所と同じ清水建設だった。
ロビー
さすが三井不動産 わが国初の本物の木造〝杉乃木〟ホテル「神宮外苑」に誕生(2019/11/13)
東急リバブル 物件探しに「AI相性診断」機能を導入
東急リバブルは3月26日、チームラボとの共同開発により、自社ホームページ上に掲載中の20,000件超の販売物件と購入希望者の希望条件をAIが照合し、マッチング率の高い順に物件を表示させる「AI相性診断」機能を導入したと発表した。
ホームページ上でエリア・価格・間取りなどの希望条件、パーソナル情報(家族構成やライフスタイルなど)を入力すると、AIが物件との相性を分析・診断し、相性の高い順に物件を紹介するもの。
同社が蓄積してきた不動産購入者の傾向分析データや常時2万件を超える販売物件データ、チームラボが培ってきたAI技術を活用し実現した。会員数10万人以上の同社ホームページ無料会員サービス「Myリバブル」に会員登録すると利用できる。
同社は今後、賃貸物件への拡大、さらには売買・賃貸間の連携も検討し、実際の営業活動にも活用することでネットとリアルの営業を融合させていくとしている。
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面白い。実際の営業現場では、顧客の家族構成、年収、ライフスタイルなどを勘案して希望物件とは異なる物件を紹介することもあるだろうし、逆に賃貸を勧めることもありそうで、その営業マンの提案をAI診断によって補強することにもつながるはずだ。想像もつかない〝掘り出し物〟が見つかるかもしれない。
そこで一つ提案だ。記者は〝…で逢った、…で逢った、…で逢ったらピッタンと〟のCMに惚れこんでいるのだが、「AI相性診断」に夫婦の相性診断を加え、〝夫婦別室にすべき〟〝子ども部屋はなくていい〟〝別れたほうがいい〟などの診断を下せるようにしたら顧客は爆発的に増加するのではないか…そんなことしたら全部ぶち壊しになるか。
三菱地所など9社JV「(仮称)うめきた2期」都市計画決定
鳥瞰パース
三菱地所を代表企業とするうめきた2期開発事業者9社は3月25日、「(仮称)うめきた2期地区開発事業」が同日、都市計画決定される見込みとなったと発表した。2020年度下期に着工(南街区、北街区)、2024年夏頃に先行まちびらき、2027年度に全体が開業する予定。
「うめきた2期」は、JR大阪駅をはじめとした7駅13路線が利用可能で、関西広域からの高いアクセス性を誇り、国内外からの広域アクセス起点である関西国際空港、大阪国際空港、新大阪駅へのアクセス性も高いため、今後さらなるインバウンドの増加や周辺の開発計画の盛り上がりなど、国内外から注目を集めるエリア。
2023年春にJR西日本が開業予定の「うめきた(大阪)地下駅」は、「関空特急はるか」などが停車し、関西圏の主要鉄道を結ぶ新たなターミナル駅となり、関西国際空港、新大阪駅へのアクセスが飛躍的に向上する。また、2031年には「なにわ筋線」の開通(予定)により、難波エリアにも接続するほか、将来的には、阪急電鉄による「なにわ筋連絡線・新大阪連絡線」(JR「うめきた(大阪)地下駅」から十三・新大阪方面へつながる新線)が計画されている。
全体敷地面積は約91,150㎡で、南街区と北街区から構成され、その中央に約45,000㎡の都市公園が整備される。
南街区は東棟と西棟からなる39階建て延べ床面積約320,000㎡の賃貸棟が整備され、オフィス、商業施設のほか5つ星級のラグジュアリーホテルとビジネスから観光まで幅広いニーズを取り込むホテルが併設される。敷地内には51階建て約600戸のマンションが建設される。
北街区は27階建て延べ床面積約69,200㎡のうめきた地区の新産業創出・産学官民交流施設、ホテル、商業からなる賃貸棟と47階建て約600戸のマンションで構成される。
三菱地所・小千谷市 「東京駅前常盤橋プロジェクト」に錦鯉が泳ぐ池設置
「錦鯉」が泳ぐ池 イメージ図
三菱地所は3月25日、同社が施行している再開発事業「東京駅前常盤橋プロジェクト」の大規模広場内に設置する「錦鯉」が泳ぐ池についてと新潟県小千谷市と合意に達したと発表した。池の完成は2021年夏頃を予定。
「錦鯉」発祥の地として知られる小千谷市と協働し、錦鯉が泳ぐ約70㎡の鑑賞池を設置。池を含む「小千谷市PR ゾーン」(約230㎡)を活用した錦鯉飼育セミナーや即売会、情報発信、交流・体験イベントなどを実施していく。
「東京駅前常盤橋プロジェクト」は、“日本を明るく、元気にする街”をコンセプトに、全国の様々な自治体と協働した取り組みを進めており、今回の「錦鯉」の池はその一環。約7,000㎡の広場空間の一部に約70㎡の鑑賞池を設置する。
錦鯉
開業時の暫定広場
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記者は、安倍首相が新型コロナ感染予防対策として「2週間のイベント自粛」を呼びかけた先月末からほとんど出社していない。デベロッパーやハウスメーカーも見学会などを「自粛」したため出社する意味がなくなったのと、〝害毒〟そのもの記事を垂れ流すこと以上に深刻な新型コロナを社員など関係者に感染させる事態を避けるため、つまり〝自分のため、会社のため、世の中のため〟と判断したからだ。
この間、現場取材ができなくなったのもつらいが、何が心配かといえば、新型コロナの世界的な蔓延によりリーマン・ショックをはるかに超える打撃を受けることだ。
記者とは因果な商売だ。かつてバブルが崩壊したとき、記者は〝不動産業界 氷河時代へ突入〟と大見出しをつけた記事を1面に書いた。業界から非難ごうごう総スカンを食らった。女房の乳がんが発症したのもそのころだ。
あれから30余年。妻の死、阪神淡路、アメリカ同時多発テロ、リーマン・ショック、3.11、そして今回の新型コロナ…どうしてこんなつらい目に合わなきゃならんのか…自身の顔を鏡で見た。正視(生死)に堪えなかった。〝神様、仏様…〟わが身を呪った。
これでオリンピックが2年延長になったらと考えるだけで思考が停まり、めまいがしたのだが、昨夜(3月24日)、オリンピック延長は1年にとどまった。安倍首相は「V字回復」を口にした。同感だ。
新型コロナにやられなければ、錦鯉を眺めることも、東京オリンピック・パラリンピックを観戦することもできそうだ。災い転じて福となす。V字回復に役立つ記事を書こう…少し勇気も出てきた。
「東京駅前常盤橋プロジェクト」
住友不、野村不、UR都市機構 豊島区役所隣接の再開発 組合設立 マンション1,500戸
「南池袋二丁目C地区第一種市街地再開発事業」
住友不動産、野村不動産、都市再生機構は3月23日、事業推進パートナーとして参画している「南池袋二丁目C地区第一種市街地再開発事業」の南池袋二丁目C地区市街地再開発組合(理事長:柳下清氏)が3月20日に設立されたと発表した。
再開発事業の施行面積は約1.7ha、主要用途は住宅、事務所、店舗、公共公益施設、子育て支援施設、駐車場など。建物は約190mと約185mの2棟、延べ床面積は約19万㎡。マンションは約1,500戸。建物竣工予定は2025年3月。
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現地は「エコミューゼタウン(豊島区役所)」と道路を挟んだ隣接地。完成は5年も先なのでマンションの値段がいくらになるか分からないが、このまま経済成長が続けは坪500万円の大台に乗るかもしれない。
賃貸住宅の申し込みから契約、管理、解約をWebで可能に 三井リアルティ
三井不動産リアルティは3月19日、入居申し込みから契約、管理、解約までに必要な手続きをWeb 上で行うことができる賃貸住宅サービス「スマートクラウド賃貸」の提供を同日から開始すると発表した。
一連の流れはつぎの通り。
①借主が入居申し込みを行う物件を決定すると、同社から入居申し込み手続き依頼メールが届き、メールに記載されたURLから専用のページにアクセスし、アカウントの作成と入居申し込みを行う
②借主は入居申し込み後に同社から郵送される重要事項説明書の原本をもとに、同社からテレビ電話で重要事項の説明を受け、重要事項説明書に記名・押印して1部を同社に返送する
③貸主と借主に同社から電子契約手続きに関するメールが届きき、賃貸借契約書の内容を確認して、双方が同意した時点で賃貸借契約が成立する
④貸主と借主は専用のページで賃貸借契約の内容確認や更新・解約などの各種手続きができる
同社は、新サービスの提供により従来入居申し込みから賃貸借契約締結まで約2週間かかっていた手続きの期間が最短2日に短縮でき、入居後の更新や解約などの契約関係の手続きや、借主の修理に関する申し込み、貸主の収支明細確認などがWeb 上でできるため、手間のかかる書類の受け取りや郵送、来店が不要となるとしている。
新型コロナ直撃 訪日外国人 2月は前年同月比58%減 中国88%、韓国80%減
日本政府観光局は3月19日、2020年2月の訪日外客数は前年同月比58.3%減の108万5千人となり、5か月連続で前年同月を下回ったと発表。中国からは前年同月比87.9%減の約72万人、韓国からは同79.9%減の約72万人とそれぞれ激減した。
昨年は2月であった春節が今年は1月になったことの反動減に加え、新型コロナウイルス感染症が流行し、団体ツアー等の販売が禁止されたため中国市場が減速(前年同月比87.9%減)するなど、東アジア市場において訪日外客数が前年同月を大幅に下回った(東アジア4 市場計で71.9%減)こと、東南アジア市場や欧米豪市場でも前年同月比20%以上減少した国があったことが、訪日外客数全体が前年同月を大幅に下回る要因となったとしている。
市場別ではインドネシア、フィリピン、ベトナム、豪州、ロシアで2 月として過去最高を記録した。
平成30年度 国の低層建築物 木造化率は9割超 多くは車庫など20坪 国交省
令和元年度木材利用優良施設コンクール 内閣総理大臣賞を受賞した屋久島町庁舎
国土交通省と農林水産省は3月18日、平成30年度に国が整備した低層建築物の木造化率が、木材利用促進法の施行以降、最高水準の9割に達したと発表した。
対象となった低層建築物は85棟で、うち木造化で整備したのは77棟、木造化率は90.6%(前年度76.9%)、延べ床面積は約9,051㎡(同9,457㎡)となった。内装などの木質化を行った公共建築物は169棟(同171棟)。双方の合計木材使用量は約4,206㎡。
農水省庁舎(森林管理署)
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結構なことだと思うが、延床面積約9,051㎡のうち規模の大きいのは農水省庁舎(森林管理署)の約2,075㎡(7棟)、環境省博物展示施設の約1,543㎡(2棟)など1,000㎡を超えるのは12棟しかなく、他は自転車・バイク置き場、物置、車庫、倉庫、トイレ、火薬庫などで、大規模12棟を除いた65棟の1棟当たり平均面積は約66㎡にとどまっている。
まあ、しかし、防衛省の火薬庫を木造化したのは〝木は火に強い〟ことをアピールしたと理解しよう。
木材利用推進中央協議会会長賞を受賞した三菱地所が整備したみやこ下地島空港ターミナル
宅建士×IT 自動追客ツール「プロポクラウド」100店達成 ハウスマート・針山社長
針山氏
「テクノロジーとデザイン×不動産専門知識の融合で『住』をもっと自由に」を企業理念に掲げるハウスマート(Housmart)の代表取締役・針山昌幸氏をインタビューした。
針山氏は、一橋大学経済学卒で、大手不動産会社で不動産開発、不動産仲介、用地仕入、住宅の企画などを担当。期するところがあり2011年、楽天に入社。マーケティング・ビックデータ・インターネットビジネスのノウハウを学び、2014年9月同社を設立し、代表取締役社長に就任した。
同社の主な事業は不動産仲介のサポートで、最近力を入れているのが自動追客ツール「プロポクラウド」の運営だそうだ。ネットを通じてお客さんと営業マンがつながる-わかる-選ばれるWin-Winの関係を構築するシステムだ。
詳細は同社のホームページなどで確認していただきたい。お客さんが購入したい条件などをスマホで選択すると、ほとんど瞬時に該当する物件がスマホに表示される。また、営業マンはお客さんがどのような物件や情報に興味を示し、閲覧した項目などを把握できるメリットがある。
針山氏は、「運営を開始して約1年が経過しますが、主要不動産仲介会社20社のうち約3割で導入していただいており、店舗数は100件に達しました。お客さんと直接会わなくても済む仕事はITに任せることはテレワークなどの働き方改革の方向に沿い、生産性向上にもつながる。(新型コロナ対策など)時代にぴったりのクラウドサービス」と話した。
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同社への取材目的は他にあったのだが、取材を申し込んだとき電話を頂いたのが針山氏だった。目的が達せられないことが分かり、断ろうと思ったが、針山氏の誠実そうな話し方に〝会ってみろ〟ともう一人の記者がつぶやいた。針山氏は、記者が好きな作家のひとり故・白川道氏と同窓の一橋大学卒というのにも興味をそそられた。(石原慎太郎氏は都知事としては立派な仕事をされたと思っている)
記者の第六感に狂いはなかった。お会いしてものの数秒で好きになった。何より惚れ込んだのは「業界ルールは守る」という基本姿勢に対してだ。(この種のコンサル会社にはいかがわしい会社は少なくないはずだ)
針山氏は、「小さいころはボロボロの社宅住まいでして、音などを立てるといつも叱られていました。小学3年生のとき、父親が(失礼だがそんなに質は高くなかったはず)中古住宅を購入し、飛び跳ねても怒られなくなったのが強く印象に残っています。『家』に興味を抱いたきっかけです」などと、不動産業に就職した背景などを話した。
同社の社員37名の内訳は宅建士とIT関連が半々だそうだ。記者は不動産仲介のことはよく分からないのだが、この二つを融合することは今後の事業展開に欠かせないはずだ。新型コロナなど吹き飛ばしていただきたい。