三菱地所 インドに初進出 350億円(同社持分50%)のビル事業に参画
アトリウム
三菱地所は8月22日、同社グループとして初のインド投資事業となる、チェンナイでのビジネスパーク開発「International Tech Park Chennai, Radial Road」に事業参画したと発表した。
事業は、シンガポールの大手デベロッパーCapitaLandグループの投資運用会社CapitaLand Investment Limitedが推進するプロジェクトに参画するもの。チェンナイは、ベンガル湾を望む南インドの玄関口に位置するインド第4の都市で、今後10年超にわたってアジア全域でも有数の成長が見込まれるという。事業地は「New IT Corridor」と呼ばれるIT企業等が集積するRadial Road沿いに立地。敷地面積約5.25ha、11階建て2棟、延床面積約240,000㎡。総事業費は約200億インドルピー(約350億円)、同社事業持ち分は50%。既に着工済みで、竣工予定は2024年末~2025年初。インドのビジネスパーク開発としては、初のネット・ゼロビル認証を取得する予定。
同社は、引き続きマーケットの特性を総合的に勘案しながら、チェンナイに限らず、インドでの事業機会を模索していくとしている。
外観
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わが国の不動産投資事業のことすら分からないので、海外事業のことなどさっぱりわからないのだが、国連人口基金(UNFPA)の「世界人口白書2023」によると、これまで人口が世界最多とされてきた中国は14億2,570万人なのに対し、インドは14億2,860万人だ。いつの間にか抜き去った。出生率からしてこの差は拡大するのは間違いない。
カントリー・リスクが高い中国を始め東南アジアにどんどん進出しながら、どうして有望市場であるはずのインドにデベロッパーは進出しないのか、記者はずっと不思議に思っていた。
現状はどうか。在インド日本大使館がジェトロと共同で作成した2021年10月時点での「インド進出日系企業リスト」によると、進出日系企業は1,439社で、拠点数は4,790か所(2020年4,948か所)。業種別では「製造業」が全体の48.7%を占めており、不動産業は大和ハウス工業のほか10社くらいしかない。
三菱地所の進出で後続するデベロッパーが続出することになるのか。
旭化成ホームズ・松本吉彦氏「一緒に登山…」 故・小林秀樹千葉大名誉教授を語る
松本氏
既報の通り、千葉大学名誉教授・小林秀樹氏(享年68歳)が昨年(令和4年)10月11日、癌のため亡くなったが、小林氏の後輩で旭化成ホームズくらしノベーション研究所・二世帯住宅研究所所長・松本吉彦氏(64)に小林氏のエピソードをお願いし、快諾していただいた。以下に全文を紹介します。
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小林先生とは私が卒論を書いている際に東京大学工学部建築学科の建築計画研究室(鈴木成文・高橋鷹志研)博士課程でご一緒したのが出会いとなります。当時は集合住宅の住まい方調査を基にした居住者の行動や心理の考察など、建築学に心理学や社会学、動物の生態学などの本を参照しながら研究室内では研究を進めていたと思います。今回の追悼する会のコメントで小林先生の研究の特徴としてこうした分野を導入した研究が高く評価されていたのですが、これは当時の研究室内全体のトレンドでした。私が未だに仕事で居住者調査を基に研究しているのはこの時の原体験が効いていると思います。
その頃の小林先生の研究の多くは1992年刊行の名著「集住のなわばり学」に記されています。集合住宅の共有領域に住人の「日常的支配」が及び、それが防犯の観点からオスカー・ニューマンの「まもりやすい住空間」などで指摘された「自然監視性」を生んでいること(P81-83)、LDKの窓は共有領域に面しているほうが日常的な関わりを生じやすいこと(P82)、コミュニティ形成には10戸前後のクラスターに分割することが有効であること(P153)など、実際の設計に役立つノウハウにまとめられています。
「集住のなわばり学」は、中古価格が1万円前後の高値となっていることについて、生前小林先生ご本人が、もっとたくさん持っておけばもうかったのに、みたいなことをおっしゃっていました。
ナワバリ学を家族関係に発展させたものが2013年刊行の「居場所としての住まい」です。住戸内の室配置の構成原理を家族関係から読み解き、二世帯住宅のような親子同居、シェアハウスのような他人同士の集住にも応用した点がユニークで、nLDK型など実際の間取りと家族関係を対照しながら考察しています。この著作を題材として、2014/1/21に第12回のくらしノベーションフォーラム「ナワバリ学で家族と住まいを読み解く」を開催し講演していただきました。
小林先生の業績では、資産や投資としての建築、といった経済的、実務的な取り組みを扱うことに特徴があるかと思います。学術研究に留まらず、実際に社会で使われるノウハウの開発では、共同研究で大変お世話になりました。二世帯住宅の居住者インタビューや空き世帯の活用を模索した二世帯住宅シェアハウスプロジェクトhttps://www.kobayashi-lab.net/project/2010/nisetai.pdf (最終講義記念冊子プロジェクトNo17)や子育て共感賃貸住宅「BORIKI」の居住者調査(同No19)など、いくつかの共同研究をさせていただきました。
学生時代より長きにわたってお世話になってきた先輩を失うことが残念でならないのと、近年登山にご夫婦ではまっておられたので百名山全山登頂達成者である私としては、一緒に登山する機会がなかったことが悔やまれるところです。
千葉大学名誉教授「小林秀樹先生を追悼する会」に約210名(2023/8/5)
秩父宮ラグビー場が「未供用」の謎 「広場」は都市公園ではない 神宮外苑再開発
神宮外苑イチョウ並木(左がロイヤルガーデンカフェ青山)
「神宮外苑地区まちづくり」の事業者・三井不動産ら4者は8月7日、プロジェクトサイトに設けた質問受付ページに寄せられた質問に対する回答を掲載したと発表した。
質問は7月17日から7月26日までに受け付けた174件で、質問部分を抜粋し、質問ごとにまとめ全て回答したという。多かった質問は「スポーツ施設における建替えの必然性」「風・日照・騒音など周辺環境への影響」「各施設の施設計画」「高層ビルを建てる目的」「樹木本数やみどりの割合の算定方法」など。
今後も、「質問受付ページや住民説明会で頂いた意見をしっかりと受け止め、より良い計画となるよう検討を進めていく」としている。
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全てではないが、主だった質問と回答を読んだ。再開発は都の公園街づくり制度を適用して行うものだが、適用要件である「未供用区域面積が2.0ha以上」にどうして秩父宮ラグビー場が該当するのか、その理由が分かった。この点について、日本イコモスは疑義を呈しているが、制度の手続き上の瑕疵はないのではないか。その根拠は以下の通り。
東京都は令和3年7月、公園街づくり制度を適用する旨を事業者に通知した。平成25年12月に東京都が創設した同制度は、センター・コア・エリア(首都高速道路中央環状線内側の地域)内にある長期未供用区域を含む都市計画公園・緑地エリアを対象に、民間の力により街づくりと公園緑地の整備を両立させるのが狙いだ。
適用要件としては、都市計画決定からおおむね50年以上経過し、未供用区域面積が2.0ha以上ある区域で、「再開発等促進区を定める地区計画」を定め、都市計画公園を削除する面積の60%以上、かつ1.0ha以上を緑地として確保することを求めている。
どうして現在も様々な大会が行われている、ラグビーの聖地と言われる秩父宮ラグビー場が「未供用」なのか不思議だが、都によると、明治神宮外苑が完成した大正15年10月当時ラグビー場はなく(完成は昭和22年)、昭和32年に都市計画明治公園として指定されたときの記録は辿れないが、記録が残っている昭和50年当時は「未供用」扱いにされており、昨年4月に削除されるまで「未供用」のままだったという。再開発計画を同制度に適合させるために「未供用」としたものではないと話した。
つまり、実態として広く一般に開放されていても「開園の告示」がされなかった秩父宮ラグビー場が再開発を可能にした施設であるともいえる。この点について、ラグビー場の所有者で事業者でもある日本スポーツ振興センターに問い合わせたら、「『未供用』の告示を行ったのは東京都だから、この問題については答えられない。『広く一般に開放していた』かという点については、敷地内は公開空地ではない。管理上、日常的に不特定多数の方に開放しているわけではない。開催日に敷地内の立ち入りを可能にしている」(広報)との回答があった。
都市計画公園とは都市計画決定された都市施設である公園・緑地のことで、「供用」とは、都市公園の開園が都市公園法に基づいて告示され、広く一般に開放されていることをいい、「未供用」は供用以外の状態をいう。
以下、軟式野球場(5月撮影)
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今回のQ&Aには本質的な問題に触れる応答がある。
質問には、「絵画館前の軟式野球場、バッティングセンター、フットサルコートがなくなりますが、何か代替策はお考えでしょうか」「秩父宮ラグビー場脇のテニスコート、軟式野球場、第2野球場などリーズナブルに都民が利用できる施設が減る設計ですが、その代替施設はあるのですか。公園は多くの人が利用できるようにするのが本来の目的だと思います」「建設予定の芝生地域で野球をしたり、テニスをしたりゴルフをしたりできるのですか」などがある。
これに対して、事業者は「軟式野球場のある絵画館前エリアは、現状、野球をする人しか利用できない施設ですが、創建時の『開かれた外苑』という考え方を継承していくため、誰でも入ることができる広場の整備を計画しております。ゴルフ練習場、軟式球場、打撃練習場の3施設は事業を終了いたしますが、新ラグビー場、絵画館前の広場、中央広場、複合棟Bの低層部に計画している室内球技場を合わせた四つの新たな空間では、スポーツの種類を限定することなく、その時々に応じ、一般の方々の様々なご利用が可能になる計画です。…なお、神宮外苑の街づくりは、民間事業者が所有する土地において、多くの方が利用できる広場などを整備するものであり、国や自治体等が管理する公園を整備するものではありません」と答えている。
回答は、「広場」「オープンスペース」などは事業者が所有・管理するものであることをはっきり示している。プロジェクトのホームページには、整備する区域内に「公園」設けるとは一言も触れていない。「絵画館前広場」「オープンスペース」「中央広場」などは「都市公園」ではないということだ。
樹木を避けて整備 都の日比谷公園整備PJ/「生き物を殺していいの」 二の句継げず(2023/8/7)
歴史・文化の破壊に疑義を唱える声に耳を傾けるべき 神宮外苑再開発 地元説明会(2023/7/21)
威風堂々〝聖地〟神宮外苑野球場の巨木 事業者VS.イコモス 鳥や虫の視点で考えて(2023/5/23)
樹木を避けて整備 都の日比谷公園整備PJ/「生き物を殺していいの」 二の句継げず
第二花壇
東京都が8月4日(金)~6日(日)開催した「バリアフリー日比谷公園プロジェクト」に関するオープンハウス会場を見学した。目的は、同プロジェクトで謳っている「整備工事は樹木を避けて実施する」ことが事実かどうかを確認するためだった。都の建設局公園緑地部職員は「このような文言を盛り込んだのは今回が初めて。緑に関する関心が高まっていることを考慮した」と話した。
同プロジェクトは、令和3年(2021年)7月に策定した「都立日比谷公園再生整備計画」に基づく実施計画としてまとめたもので、「日比谷公園を年齢、性別、国籍、障害の有無などに関わらず、誰もが利用しやすく、楽しめる公園に進化させ、将来の都民へ引き継いでいく必要がある」とし、基本的な考えとして①歴史的文化的な価値を継承しつつ、誰もがより楽しめるWell-beingとなる公園に進化させる②公園の緑を守っていく③アクセシビリティを向上させ、より多くの方が公園を訪れることを目指す-としている。
樹木の取り扱いについては、①樹木を避けて整備を実施する②移植が必要となる場合には樹木診断を行い、公園内で移植する-としている。
オープンハウスは、同プロジェクトを都民に告知するとともに、アンケートなどで意見を聞くために実施したもの。3日間で約120名が訪れた模様。
整備工事は、令和5年9月の「第二花壇周辺」を皮切りに、開園130周年を迎える令和15年(2033年)までに公園を9つのエリアにわけ段階的に行われる。
オープンハウス会場
第二花壇周辺で行われていたイベント
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以下は、添付した記事とあわせて読んでいただきたい。都が「樹木を避けて整備を実施する」と謳っているのに満足したのだが、会場の近くで整備計画に反対する人たちに話を聞いて、頭をどやされたような気がした。
神宮外苑の再開発に反対するビラ配りの活動をしているという「ただひとりの母親としてこの国が心配」の女性に「神宮外苑の四列イチョウ並木を残す? これは本質から目をそらす罠。地下40mまで杭を打つんですよ。イチョウの根が傷つけられないわけがない。伊藤忠のビルは190mですよ。その隣は180m。日陰になっちゃう。神宮球場は古い? 同じくらい古い甲子園球場は改修工事でリニューアルに成功しました。ビル風の影響も受けます。軟式野球聖地もなくなっちゃう。日比谷公園の樹木の移植? 移植すれば樹木に負担がかかるんです。土中にはセミが生息しているんです。ミミズもいる。ものとしか見ていないからそんなことができるのです。生きものを殺していいんですか。そもそも移植にどれだけの費用がかかるか。知らないでしょ。樹種にもよるでしょうが、巨木となると1本1億円もすると専門家から聞きました。都民の税金で賄うんですよ」とやり込められた。
この言葉に記者は二の句が継げなかった。仰る通りだ。自分で「鳥や虫の視点で考えて」と記事にしたばかりだ。数年から10年、土中にひっそりと暮らすセミを殺してもいいとは思わない。イチョウは劣悪な環境でも育つと思うが…。神宮球場はZOZOマリンの比でない風の影響を受けるかもしれない。
さらに、別の方から追い打ちをかけられた。「神宮外苑も日比谷公園も主導しているのは三井不動産。あなた、魂まで売っていいんですか」と。
記者は、基本的には是々非々で取材しているつもりだが、立場・見解が異なるとそのような見方もできるかもしれない。なさけない爺と映るのだろう。「樹木を伐採せず、避けて整備する」に膨らんだ胸は〝ハチの一刺し、二刺し〟でいっぺんに萎んだ。
すごすごとその場を離れ、目的の一つだった松本楼でクラフトビールを飲み、ビーフカレーを食べ、第二花壇周辺を観察して歩いた。花壇周辺では屋台のイベントも行われており、また一杯。それにしてもキッチンカーのビールは高い。1杯700円とは。多摩センターは500円くらいだ。
松本楼
心字池
威風堂々〝聖地〟神宮外苑野球場の巨木 事業者VS.イコモス 鳥や虫の視点で考えて(2023/5/23)
日比谷公園の樹木1,000本伐採は本当か 「日比谷公園整備計画」勉強会に参加して(2023/5/22)
千葉大学名誉教授「小林秀樹先生を追悼する会」に約210名
「小林秀樹先生を追悼する会」(建築会館ホールで)
昨年(令和4年)10月11日、癌のため亡くなった千葉大学名誉教授・小林秀樹氏(享年68歳)の「小林秀樹先生を追悼する会」が8月5日、港区芝の建築会館ホールで行われた。会場に用意された約210席は満席となり、関係者らが最後のお別れを行った。
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記者は小林先生が亡くなったのを昨日(8月4日)知った。千葉大学のある先生を検索しようとしたとき、小林先生のことが頭によぎり、「小林秀樹」で検索したら、千葉大学工学部小林秀樹研究室のホームページトップに「小林秀樹先生を追悼する会」が表示された。
〝万に一つ〟の奇跡が起きることを望んでいたが、そうはならなかった。神も仏もない。
早速、実行委員会に連絡を取り、追悼の会への出席は許可されたが、遺族の方や関係者への取材は「不可」だった。やむを得ない。
先生、わたしは、先生の若々しくて格好のよさに、先生とほぼ同学年の西城秀樹さんとダブらせ嫉妬しながらファンになり、陰ながら応援し、これから本領を発揮するのではないかと期待もしておりました。
それがかなわなくなった。残念至極。さようなら、先生。先生の後継者が現れることに期待しようじゃありませんか。
献杯!
「実践派」の千葉大名誉教授・小林秀樹氏 マンション長寿化フォーラムで講演へ(2022/6/18)
課題山積のマンション・戸建て 再生・活性化の道示す 国交省 住宅団地の再生検討会(2019/4/1)
〝羽ばたけないかごの鳥〟国交省 団地再生検討会 エアコンなし 議論白熱30度超に(2018/6/8)
平成の田園調布になるか1区画200坪の街づくり つくば市の「春風台」(2015/5/26)
厚くて高い法の壁 合意形成の難問も立ちはだかる 国交省「団地再生あり方検討会」(2015/3/18)
国交省 住宅団地の再生検討会 「無反応者」を母数に含めない是非(2014/12/17)
「理想の間取りは普通の間取り」 小林秀樹・千葉大大学院教授(2014/1/22)
〝複合〟でつなぐ地域の暮らしと福祉「もう一つの住まい方推進協議会(AHLA)」フォーラム(2010/11/29)
増大する不動産&不動産業向け融資 「今後気を付けて見ていく」日銀・植田総裁
日本銀行・植田和男総裁は7月28日、会見を行い、金融緩和策の柱である「イールドカーブ・コントロール(YCC)」の運用を柔軟化し、これまで定めてきた長期金利の上限幅「0.5%程度」の基本を維持しつつ、「1.0%」まで容認すると発表した。
会見で、記者団の「一般物価もそうだが、都内23区のマンション価格が1億円を突破したように資産価格の上昇はバブルの様相を呈しているのではないか」という質問に対して、植田氏は「都心部のマンション価格はものすごく上昇しているが、かなりの部分は個別要因によるものだ。それにしても不動産投資、不動産業向け融資などのデータはかなり高い水準で推移しており、今後気を付けて見ていきたい」と述べた。
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YCCの柔軟な運用がわが国の経済、物価にどのような影響を及ぼすのか記者は分からないが、欧米などが利上げに踏み切ったことと無関係ではないはずだ。ここでは、植田氏が「今後気を付けて見ていきたい」と述べた不動産価格について考えた。
日本銀行のデータによると、金融機関の不動産業向け融資はこのところ増え続けており、2023年3月末の融資残高は98兆2,521億円(前年同期は92兆4,286億円)となっており、全融資残高に占める割合は17.0%に達している。個人による貸家業へも27兆7,242億円(前年同期は27兆7,278億円)と高い水準が続いている。双方を合わせると全融資残高の実に21.8%を占める。
国土交通省の「令和4年度 民間住宅ローンの実態に関する調査」では、令和3年度の個人向け住宅ローンの新規貸出額は20兆7,948 億円となり、前年度から9,811億円、2.0%増加した。令和3年度末の貸出残高は191兆5,725億円で、令和2年度末より9兆9,224億円増加している。
不動産経済研究所の調査によると、2022年の首都圏マンション供給戸数は2 万9,569戸(前年比12.1%減)で、1戸当たり平均価格は6,288万円(同0.4%上昇)、坪単価は313.8万円(同1.6%上昇)となった。平均価格は4年連続、坪単価10年連続のアップで、平均価格、坪単価ともに最高値を更新した。
東日本レインズのデータによると、東京都の2022年度の中古マンション成約件数は15,590件(1992年度比316.6%)、坪単価は335.4万円(同131.1%)、価格は5,827万円(同136.0%)、専有面積は57.34㎡(同107.0%)となっている。
坪単価は、過去30年間でもっとも低かった2001年の140.2万円から約2.4倍、価格はもっとも低かった2000年の2,409万円の約2.4倍に上昇している。
これらの数値からすれば、1980年代後半の「土地神話」が生きていたバブル期に近づきつつあるといえなくもないが、当時と現在では大きな違いがある。当時は、金融緩和を背景にだぶつく資金は株と不動産投資に向かった。〝狂乱地価〟〝土地・マンション転がし〟という言葉に象徴されるように、投機が投機を呼ぶ異常な世の中になった。日経平均株価は1989年(平成元年)12月29日の大納会で史上最高値38,957円44銭を付けた。都内の一等地のマンション坪単価は2,000万円、3,000万円に上昇し、価格が10億円以上の〝ネオ億ション〟の造語も生まれた。「広尾ガーデンヒルズ」は瞬間的に坪3,000万円の値を付けた。
現在はどうかというと、海外からの投資マネーが流入し、国内の富裕層などが所得税や住民税、贈与税、相続税の節税対策として不動産を購入するケースも増えてはいるが、基本的には実需が市場を支えている。バブル期はほとんどなかった共働きが一般化した今では、低金利効果とともに高額物件の取得を可能にしている。さらに、単身者やDINKSなど新たな需要層が現在の市場を支えている。
さて、今後どうなるかだが、マクロデータだけで判断すると、首都圏マンションは新築も中古も一般的な世帯の取得限界を超えている。しかし、都心部の坪単価1,000万円超の物件の売れ行きは堅調であるように、富裕層向けはまだまだ伸びる余地はあると記者は見ている。近い将来、坪単価は2,000万円超ところが3,000万円を突破するのではないか。
いまタマゴ1パックの値段は306円で、2021年の217円から4割以上上昇しているそうだが、コンパクトマンションの坪単価はこの1~2年間で400万円は500万円へ、500万円は600へ上昇している。年率で2~3割というすさまじい上昇率だ。投資向けはそれよりさらに高い。
もう一つ、市場を左右する外資の動向だが、これはよく分からない。わが国への直接投資は増加しており、オフィス、ホテル、レジデンス、物流などは海外から見ても有望市場ではないか。
となると、植田氏が「今後気を付けて見ていきたい」というのは、不動産市場の何を見るのだろうという疑問もわいてくる。過熱すれば、かつて行った総量規制という蛇口を締めるような挙に出ることはないと信じたい。
ビッグモーター店舗前の街路樹が枯死!? ありえない 断じて許せない
自動車保険の不正請求が問題になっている中古車販売の最大手ビッグモーター(BM)だが、同社の店舗前の街路樹が枯死しているケースが多発していることをメディア各紙は一斉に報じている。そんな馬鹿なことはあるのか。人を殺すことは誰にも許されないように、街路樹を毒殺(除草剤か)する権利などどこにもないはずだ。故意で行ったとしたら断じて許せない。
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2023年7月27日12時00分付の東京新聞は次のように報じた。
「『1本だけ枯れることはあったと思うが、まとまって17本、そこだけ枯れていた』。群馬県の太田土木事務所の担当者は話す。
住民からの通報で、BM太田店前の国道沿いのトウカエデが枯れていることに気付いたのは昨年8月。土壌分析をしたところ、除草剤の成分が検出された。同事務所では除草剤を使用していないため、情報提供を求める看板を設置。太田署に被害届を出した。今年3月に伐採し、今後新たな樹木を植える予定という」
「25日の会見で兼重社長(退任)は『除草はするが、見栄えも悪いし、枯らすようなことは普通しない』などと語ったが、和泉伸二専務(現社長)は『環境整備で、出入り口は前後10メートルにわたり、雑草などを取り除こうと(指導しており)、除草剤をまいて街路樹に影響を与えてしまったことはあると思う』と認めた」
同様のBMの店舗前の街路樹の枯死は全国各市でも報告されており、各自死地位は調査に乗り出し、損害賠償請求も視野に入れているという。
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和泉氏がメディアに語ったことが事実であれば、完全な犯罪行為だ。過失ではない。刑法第261条には「他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する」とある。
この問題で気になるのは、どうして今になって発覚したのかということだ。報じられている画像などからして相当以前に枯死していると思われる。当の自治体や近隣住民は不思議に思わなかったのか。我関せず-世の中に蔓延している一種の病気だ。
これをきっかけに、千代田区の神田警察通りの街路樹であるイチョウ並木の伐採についても、東京新聞と朝日新聞を除くメディアは関心を払ってほしい。育ち盛りの健全な樹木に「死刑」を宣告する権利はあるのかという問題だ。(「国家による殺人」である死刑の是非はこの際問わないが)
「約束を反故。許せない」住民怒る 健全木のイチョウ 新たに4本伐採 千代田区(2023/7/7)
住民監査請求の行方 街路樹の価値の可視化必要 千代田区の「街路樹が泣いている」(2022/5/18)
生物多様性の純増と算出方法の標準化目指す 積水ハウス&シンク・ネイチャー提携
積水ハウスとシンク・ネイチャーは7月27日、2030年のネイチャー・ポジティブの実現に向けて、積水ハウスの「5本の樹」計画やシンク・ネイチャーの生物多様性ビッグデータ、A Iを活用して、「生物多様性の純増と算出方法の標準化(生物多様性ネットゲイン)」を目指し、共同で推進する連携協定を7月1日に締結したと発表した。
積水ハウスは2001年から生物多様性保全・再生を推進する「5 本の樹」計画に取り組んでおり、その効果を琉球大学理学部久保田研究室とシンク・ネイチャーと共同検証し世界初の都市の生物多様性の定量評価の仕組みを「ネイチャー・ポジティブ方法論」として2021年に公開した。
今回の連携提携によって、「生物多様性ネットゲイン」につながる住宅建設に関する新たな商品・サービス、ビジネスモデル、その他の実現アイデアの創出などを行い、「生物多様性ネットゲイン」を最大化できる植栽の樹種・本数のシミュレーション提案ツールの導入を2024年の春頃に考えているとしている。
「5本の樹」計画は2023年1月現在、年間植栽本数は88.6万本、累積植栽本数は1,900万本を達成。また、シンク・ネイチャーとの共同検証を行い、「5本の樹」計画開始前の2000年を基準として、緑地の劣化が著しい三大都市圏2070年までの変動をシミュレーションした結果、地域の生き物にとって活用可能性の高い在来樹種を植栽することで2030年には37.4%、2050年には40.9%、さらに2070年には41.9%まで生物多様性を回復できることが予測されたとしている。
要諦は「名前」を覚えること 「推しの木図鑑」と「5本の樹」計画に期待(2023/6/29)
「しわぶき」を「しわ(wrinkle)」と誤訳 高度な言語表現に適応できない ChatGPT
前回書いた記事「『ChatGPT』を初体験…」の続き。7月24日付朝日新聞デジタルで、今井むつみ慶応大学教授は、「(チャットGPTは)単語や文の『意味』を考えて文章を生成しているわけではない。チャットGPTは、最初に膨大な言語データを読み込み、高速で情報処理をして、言語データの統計的な規則性を抽出します。加えて、人がどんな文章を好むのかというデータと掛け合わせ、文章を生成していく。だから、単語一つ一つの意味は全然分かっていないし、人間の問いかけの意図も考えていません」と語っている。
今井氏の仰る通りだと思う。ChatGPTとの次のようなやり取りを経験したからだ。
記者は大和言葉の魔術師ともいうべき作家の丸山健二氏が大好きで、物事の本質を突く言葉に酔いしれることがしばしばある。
例えば、「聞こえよがしの年寄りのしわぶき一つ」。何の小説だったか、この通り書かれていたかどうか分からないのだが、年寄りを観察していると、そのような場面に出くわすことがよくある。〝バカなことをいうもんじゃない〟とたしなめる意味で、「咳」とか「咳払い」では具合が悪く、「しわぶき」が適切だ。
そこで、ChatGPTに、この言葉を英訳してもらった。回答は「A showy old person with not a single wrinkle of experience.」だった。説明文には「年老いているが経験や知識が全く感じられない人を指します。つまり、見た目や年齢は年配のように見えるが、実際には経験や知識が乏しく、若い人にも劣らないほど無知であることを意味します。
この英文は、そのような人を描写していて、『showy(見せびらかす)』という言葉が、その人が自分を重要視し、自分の見せたい面を強調している様子を示しています。しかし、その実態は『not a single wrinkle of experience(経験のしわひとつない)』と表現されており、その人が経験や知識がないことを強調しています」
ChatGPTは「しわぶき」を「咳(cough)」ではなく、「しわ(wrinkle)」と誤訳したのだ。「しわぶき」は小説の世界ではよく用いられるが、いまの日常会話ではほとんど使われなくなったのでやむを得ない部分はあるが、誤訳も甚だしい。「聞こえよがし」の日本語も理解していないようだ。高度な言語表現にChatGPTは適応できないことが明らかだ。課題も多い。
とはいえ、前回の記事でも紹介したが、質問によっては的確に答える能力を備えている。
記者は今、丸山先生の全4巻で10万円もする「ブラック・ハイビスカス」をある人から借りて読んでいるのだが、その第2巻の冒頭に「萎え萎んでゆく運命にある消化不良な愛」という文言が登場する。「愛」(記者のパソコンはしばしば「哀」に変換する)を経験した人すべてが味わう〝はかない〟愛を表現したものだ。この文章をGoogleで英訳してもらった。「Indigestible love destined to wither and wither」だった。「萎え萎んでゆく」を「枯れる(wither)」と訳した。つまり「愛が枯れる」と。
次に、この英文をChatGPTで日本語に訳してもらった。「枯れゆく運命の消化不良な愛」だった。
説明文には「『Indigestible love destined to wither and wither』 という英語のフレーズは、非常に詩的な表現で、以下のような意味を持ちます。"Indigestible"(消化不良の)という形容詞は、愛情が理解しにくい、受け入れられない、または受け止めがたいことを意味します。"Destined to wither and wither"(しぼんでしぼんで行く運命にある)という表現は、その愛情が次第に弱まり、しぼんでいく運命にあることを示しています。
つまり、このフレーズは、困難な状況下で成立しない、長続きしない、または成長できない愛情の存在を表現しています。愛がうまく育まれないか、受け入れられない状況下であることを示唆しています」とあった。
説明文は的外れではない。「非常に詩的な表現」とあるのは、記者が「詩的な日本語」と質問で用いた言葉に対応したものだろう。質問者に阿る性格を持つのもChatGPTの特徴でもあるようだ。饒舌すぎるのはやや鼻につくが…。
「ChatGPT」を初体験「感情や主観的な意見を持たない」鵺(ヌエ)が支配する時代へ(2023/7/23)
「ChatGPT」を初体験「感情や主観的な意見を持たない」鵺(ヌエ)が支配する時代へ
「ChatGPT」を初めて体験した。素晴らしい!美醜を分けるとか小説などものを創造することなど(記者の仕事もそうだと思うが)は現時点でできないようだが、質問が適正であれば、ほとんど瞬時に正確な優等生的な答えが返ってくることを確認することができた。「感情や主観的な意見を持たない」鵺(ヌエ)が世の中を支配する時代へ突入したということだ。
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物は試しに、令和5年(2023年)4月18日付の横須賀市の横須賀市 デジタル・ガバメント推進担当部長名による、報道機関向けに発表した「自治体初!横須賀市役所でChatGPTの全庁的な活用実証を開始」のプレス・リリース全文を送り、「文章には文法上、または正確ではない文言が4か所くらいあります。それを指摘し、正しい文章にしてください」と質問した。
瞬時に返ってきた回答は、市のプレス・リリースと一字一句違わなかった。
そこで「この文章には誤りがないということですか」と質問したら、「申し訳ありませんが、前回の訂正後の文章にもいくつか誤りがありました。以下に修正後の文章を示します」とし、「①『横須賀市デジタル・ガバメント推進担当部長』の後に『様』を追加します。②タイトル部分で、「ChatGPT」と「全庁的な活用実証を開始」の間のスペースを削除します。③「一部の文の終わりに句読点を追加します」と返事が返ってきた。
「『担当部長』の後に『様』を追加します」と答えたのには驚いたが、記者の聞き方にも問題があったかもしれない。プレス・リリースや手紙などの基本的な体裁を知らせるべきだった。
これはさておき、記者は「市の文章には『質問に答えたり、文章を作ったり、言葉を翻訳したり、文章を要約することができます』とありますが、ChatGPTが質問することはあるのですか」と聞いたら、ほとんど瞬時に「ChatGPTは、自然言語処理技術を活用した言語モデルであり、人工知能が自然な会話を行うことができます。ただし、ChatGPT自体が質問する能力を持っているわけではありません。ChatGPTは与えられた入力に対して応答することが主な機能であり、ユーザーがChatGPTに対して質問をすることが一般的です。
例えば、ユーザーがChatGPTに『明日の天気はどうですか? 』と質問すれば、ChatGPTはその質問に対して天気予報などの情報を元に適切な応答を生成します。そのように、ChatGPTはユーザーが質問を投げかけた際に適切な応答を返すことができますが、ChatGPT自体が自ら質問をすることはありません。
言語モデルのChatGPTは、対話の一方向性である『質問と回答』の形式によって機能するものであり、ユーザーからの入力に対してより適切な応答を生成することを目的としています」と返ってきた。
完璧だ。そこで記者はまた「『質問に答えたり、文章を作成したり、言葉を翻訳したり、文章を要約することができます』の最後の部分は『要約したりすることができる』ではありませんか」と聞いたら、これまた瞬時に「申し訳ありません、おっしゃる通りです。最初の文章において…最後の部分は、『要約したりすることができる』が正しい表現です」と答えた。
やっぱりChatGPTはすごい。「~たり」の用法を理解しているということだ。
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もう一つ、この前のユニソンの「防災トークセッション」の記事の校正をお願いした。
記者が書いた「『東武動物公園』などの固有名詞などもそうだ」は「『東武動物公園』などの固有名詞もそうだ」と「など」を削除した。記者の文章「固有名詞など」も間違いではないが、省いたほうが分かりやすい。記者の記事のトートロージーを指摘したということだ。また、記事では「チャットGPT」と書いたが、「ChatGPT」に変更された。なるほど、その通りだ。
AIによる自動文字起こしは誤変換が多いことについて、「先ほどの文章で( )内はAIが自動文字起こしで誤変換したものです。普通、文脈からして『日本列島』を『二本列島』に、『地震』を『自信』に変換することはありえませんが、どうしてAIはそのようなミスを起こすのでしょうか」と聞いたら、ChatGPTは次のように答えた。
「AIが自動文字起こしで誤変換を起こす原因はいくつか考えられます。
①言語モデルの学習データの偏り:AIの自動文字起こしは、大量のテキストデータを元に学習されています。しかし、学習データには同音異義語の文脈が完璧にカバーされているわけではありません。したがって、文脈から判別する際に誤変換が発生することがあります
②ノイズや口調の影響:音声を文字に変換する場合、ノイズや話し方の個人差などが影響を及ぼすことがあります。特に、話し方が不明瞭な場合や音声の品質が低い場合、AIは適切に認識するのが難しくなり、誤変換が発生する可能性が高まります
③言語の多義性:日本語などの言語には同音異義語が多く存在します。これらの単語は同じ発音であっても意味が異なるため、文脈を考慮しない場合に誤変換が生じることがあります
④モデルの制約:現行のAIモデルは高度な言語理解能力を持っていても、完璧ではありません。文脈を理解して正確な変換を行うためには、さらなる改良や学習が必要となります
これらの問題に対処するために、AIの自動文字起こし技術は常に改善されています。より多くのデータと文脈を考慮した学習、ノイズ対策の強化、言語モデルの進化などが行われ、精度の向上が期待されています。しかし、完璧な文字起こしを行うには、さらなる研究や技術の進化が必要となるでしょう」
この回答も満足できるものだ。外国語もそうだろうが、わが国の言葉は同音異義語が多い。話す人の言葉が不明瞭であった場合も誤変換が起きる。自動文字起こしした文章をChatGPTに校正させたらどうなるのだろう。
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答えられないとは思ったが、「『HARUMI FLAG』の坪単価は適正だと思いますか? 」と質問した。
これに対して、「私はAIであり、情報をリアルタイムで取得することはできません。したがって、『HARUMI FLAG』の具体的な情報や坪単価についての最新のデータは持っていません。『HARUMI FLAG』の坪単価の適正性について判断するには、現地の不動産市場の状況や競合物件の価格など、様々な要素を考慮する必要があります。坪単価は地域や建物のタイプ、設備、築年数などによって大きく異なります。坪単価の適正性を判断する際には、不動産専門家や不動産業者に相談することをおすすめします。彼らは現地の市場動向や詳細な情報を持っているため、より適切なアドバイスを提供することができるでしょう」との回答だった。
これまた完璧。その通りだと思う。
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さらにもう一つ。「わたしは喫煙者です。喫煙は文化であり、個人の趣向であり、基本的人権だと思います。あなたはどう考えますか」という質問にChatGPTは次のように回答した。
「私は人工知能であり、感情や主観的な意見を持ちませんが、喫煙に対する一般的な考え方についてお話しします。
喫煙に関しては、個人の自由や権利と文化的な背景によって、様々な意見があります。一部の人々は喫煙を自由な選択として考え、個人の趣向として尊重するべきだと主張します。彼らにとっては、喫煙が彼らの生活において重要な部分であり、その権利を尊重すべきだという立場です。
一方で、喫煙は健康への悪影響が科学的に証明されており、受動喫煙による他人への健康被害も懸念されます。そのため、喫煙に対しては公共の場所や職場などで制限が課される場合もあります。
喫煙については個人の権利と他者の健康を考慮しながらバランスを取る必要があります。一部の国や地域では喫煙規制が厳格化されている一方、他の場所では個人の選択として尊重されることもあります。
重要なのは、喫煙者も非喫煙者もお互いを尊重し、相互理解を持つことです。喫煙者は喫煙をする際に他者に迷惑をかけないよう配慮し、非喫煙者も喫煙者の権利を尊重する姿勢を持つことが大切です。
社会は多様性に富んでおり、異なる価値観が共存しています。その中で、相互理解と共に健康や環境への配慮も重要な要素となるでしょう」
この回答は、どこかで聞いたような気もするが、大学の試験だったら間違いなく「優」の評価を得るだろう。だが、しかし、学者先生はこの文章はChatGPTが作成したことをこれまた瞬時に見破るだろう。完璧すぎるのだ。
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「対話の一方向性である『質問と回答』の形式によって機能する」ChatGPTの課題も見えた。インタラクティブな双方向の対話は現段階では苦手のようだ。だが、しかし、そのうちこの課題は解消されるような気がする。凄い世の中がやってきたものだ。「感情や主観的な意見を持たない」鵺(ヌエ)が世の中を支配する時代に突入したということか。
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