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「シティタワー綾瀬」

 住友不動産が先月から分譲を開始した、綾瀬駅前の千代田線沿線のタワーマンションとしては1995年以降、千代田線を最寄りとする、かつ、徒歩1分の単独事業主の物件では、最高峰・最大規模の「シティタワー綾瀬」のモデルルーム同社の総合マンションギャラリー北千住館で見学した。販売担当から約1時間、一般のお客さん向けと同様の丁寧な説明を受けた。これまでこのような詳細な説明を受けたことはないので、デベロッパーは消費者に何をアピールするか、消費者の関心事は何かを知ることができた。

 物件は、東京メトロ千代田線綾瀬駅から徒歩1分(50m)、足立区綾瀬三丁目の商業地域(建ぺい率80%=防火地域内の耐火建築物による緩和あり、容積率500%=東京都総合設計制度による割増あり)に位置する敷地面積約3,643㎡、32階建て全422戸。これまで約50戸が成約済み。現在先着順で販売中の住戸(19戸)は17階以上で、専有面積は58.93~74.18㎡、価格は7,600万円~12,800万円(最多価格帯7,600万円・9,900万円)。坪単価は約450万円。完成予定は2025年11月中旬。設計・施工は長谷工コーポレーション。

 現地は千代田線綾瀬駅東口から徒歩1分。道路を隔てて西側はイトーヨーカ―ドー、東側は東綾瀬公園と一体的な整備が行われる東口駅前交通広場。

 主な基本性能・設備仕様は、都の総合設計制度適用、制震構法、ダブルアウトフレーム、内廊下方式、二重床・二重天井、リビング天井高2650ミリ(一部住戸除く)、ディスポーザー、天然石キッチンカウンタートップ、食洗機、二重サッシ(南向き)など。共用施設はテレワークラウンジ、ハーティルーム、キッズルーム&ペアレンツスペース、ゲストルーム、フィットネスルームなど。モデルルームは約72㎡の2LDK。デザインは白が基調。

 また、同じギャラリーで顧客対応している、京成電鉄本線千住大橋駅から徒歩5分の42階建て「シティタワー千住大橋」(462戸)は60戸超が成約見込みで、現在先着順で分譲中の住戸(17戸)の専有面積は54.99~75.68㎡、価格は6,500万~12,800万円(最多価格帯7,300万円)。坪単価は390万円。

 単純比較はできないが、2013年分譲の「アクア ヴィスタ」の坪単価は182万円だった。10年間で倍増だ。

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エントランスホール(天井高は約7.8m)

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モデルルーム

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 担当者の説明で〝なるほど〟と感心したのは千代田線の利便性だ。大手町駅へ直通21分もさることながら、始発駅なので10分間くらい待てば座れる(※)ことと、朝7時台~8時台の電車の運行本数は49本(うち始発は9本)で、山手線の36本より多いことだった。

※2023年5月時点、状況によっては変更する場合あり

 市場の説明も、これは当然だが怠りなかった。大手町駅を起点とすると、綾瀬は代々木上原、池袋、押上、白金高輪と大手町直通21分以内の始発駅と言う意味では同じだ。価格相場は読者の皆さんもご存じだろうから省略するが、押上を除けばみんな坪単価は500万円をはるかに突破している。綾瀬駅北口ではいよいよ坪400万円超に突入したということか。担当者はまた、足立区は待機児童ゼロで、犯罪率も減少していることなども話した。

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 総合設計制度についてはもっと時間を割いてほしかった。

 同制度は1970年に創設されたもので、敷地内に一定割合以上の公開空地を設けた建築物の容積率制限や斜線制限、絶対高さ制限を緩和する制度。容積率はおおよそ1.5倍増となる。東京都では、これまで777件の建築物がこの制度により許可されている。

 説明する意義は、都の許可件数は激減しており、他方でこの制度の適用を受けた建築物の資産性と大きな関連があるからだ(同様の特定街区、再開発等促進地区計画、高度利用地区、都市再生特別地区などを活用するケースもあるが)。

 平成22年に許可要綱が改正され、許可要件が厳しくなったことにより、以前は年間数十件あった許可件数は、ここ10年間はもっとも多い年で11件にとどまっている。制度の許可を受けた共同住宅も減少しており、令和2年度は7件のうち1件、令和3年度は11件のうち6件、令和4年度は5件のうち4件だ。この制度の適用を受けた同社のマンションはデベロッパーのなかでトップクラスのはずだ。

 もう一つ、関連することだが、この物件は断熱性、省エネ性、再エネ設備・電気、維持管理・劣化対策、みどりの5項目を★の数(最大で15個)で評価する東京都の「マンション環境性能表示」制度の適用を受けている。★の数は12個だ。「みどり」は★1個なのは商業エリアなのでやむを得ないか。

 天井高ももっとアピールすべきではないか。いま供給されている首都圏マンションのうち天井高約2650ミリ以上は2割あるかどうかではないか(以前は4割くらいあったが)。マンション購入検討者は今も昔もいわゆる3K(交通便・価格・環境)、3P(PRICE・PLACE・PLAN)が物件選好の要素だろうが、記者はこれに3S-つまり将来の(S)、資産形成と生活スタイル(S)を見据えた総合設計力(S)が必要だと思う。

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 以下は蛇足。モデルルームは北千住駅の近く。取材を終え昼食をとった。牛ホルモン盛り合わせと冷やしトマト、ランチビール2杯で〆て1,474円。安い!コンロの炭は本物で、後の祭りだったが〝火に氷〟の威力も知った。〝住むなら北千住〟だ。

 牛ホルモンは、記者の故郷・三重県の松阪市が本場なので小さいころからよく食べたが、大人になっても自分で焼くようなことはしてこなかったので焼き方が分からず、一度に肉をコンロに架けた。すると、だしぬけに火の手が上がり、慌てて肉片を皿に取ったら、表は真黒、裏は生焼け。残りの2片は手遅れ。焦げ付いてはがすことができず、肉が炭化するのを茫然と眺めた。

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北千住の飲食型

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北千住の飲食街

大成有楽不動産が変わる 「OBER(オーベル)」リブランディングを具現化(2014/1/21)

駅近で坪182万円 23区で希少の低単価「アクア ヴィスタ」(2013/10/1)

 

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中庭「翠園」から望む「ザ・パークハウス 板橋大山 大楠ノ杜」

 三菱地所レジデンスは11月13日、板橋区大山町の邸宅跡地マンション「ザ・パークハウス 板橋大山 大楠ノ杜」が竣工したのに伴うメディア向け内覧会を行った。敷地内に植わっていたクス(楠)の巨木やソメイヨシノをそのまま残した中庭をはじめ、築100年の母屋や蔵、井戸などの一部を再現した共用部に息を飲み、声を失った。同社の矜持をみた。

 物件は、東武東上線大山駅から徒歩7分、板橋区大山町に位置する14階建て全187戸(分譲は185戸)。専有面積は57.76~117.62㎡。価格は5,698万~15,990万円、坪単価350万円。竣工は2023年9月22日。売主は同社のほか三菱倉庫。施工は東亜建設工業。販売開始時期2021は年11月で、ほぼ1年間で完売。総問い合わせ件数は4,230件、総来場件数は1,290件。いきもの共生事業推進協議会(略称ABINC)の第3回ABINC賞「優秀賞」を受賞している。

 購入者の属性は、居住地は板橋区29.3%、豊島区10.3%、練馬区6.0%など。年齢層は30代41.9%、40代20.1%、20代14.1%、50代12.5%など。評価された点は①「再開発に対する資産性」「大山駅徒歩7分」「池袋3駅5分」など②中庭やジャグジー付ゲストルーム、地下駐車場、蔵など。

 最大の特徴は、同社の生物多様性の保全の取り組み「BIO NET INITIATIVE(ビオネット・イニシアチブ)」を導入し、敷地の約2割に当たる1,000㎡超の中庭「翠園」を設置していること。「翠園」には、小川を設け、敷地内にあった樹齢約90年、樹高10m超のクスの巨木2本や※ソメイヨシノ(樹高12m)をそのまま残し、カキ、ヤエザクラなども移植している。

 ※ソメイヨシノは2019年5月に行った樹木の精密診断の結果、根元に腐朽が見られたことから、接ぎ木から苗木をつくり、敷地内への植栽を行うことにしている。

 もう一つは、歴史の継承。巨木を残すこともそうだが、中庭に面して配置されている約30畳大のコモンハウス「和」は、築100年超の母屋の破れ障子や桐ダンスなどの家具、床・柱・壁材、欄間、天井板などを活用・リデザインしている。

 約10坪のマルチルーム「蔵」は、既存の房州石を外観に残し、多目的空間として利用できるよう防音工事を施し、プロジェクターやWi-Fiを完備している。室内の壁はスギの浮造り仕上げ。

 このほか、約130㎡の1階のゲストルーム「泉」は、庭園を眺めながら入浴できる大型ジャグジーバス付とするなど大胆な提案を行っている。

 内覧会に臨んだ同社プロジェクト開発部長・亀田正人氏は「当社のフラッグシップといえる物件。これまでのノウハウを最大限注ぎ込み、自然との共生を実験し、SDGsにも貢献した」と語った。

 施工を担当した東亜建設の技術者らしい方も「難しい部分が多かった分だけやりがいのあるプロジェクトだった」と話した。

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中庭「翠園」から望む「ザ・パークハウス 板橋大山 大楠ノ杜」

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小川

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既存樹のクスノキ

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クスノキ

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コモンルーム

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ゲストルーム

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ジャグジーバス

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 分譲開始時の記事を参照していただきたい。見出しに「ランドスケープ抜群」と書いたが、この種のマンションは珍しくはない。記憶に残っているものを列挙すると、同社物件では樹高約23mのケヤキなど40本以上の既存樹を保存した国分寺崖線エリアの「ザ・パークハウス二子玉川ガーデン」があり、徳川邸跡地に植わっていた松を避けるよう配棟したプロパスト「レゾンデパン大磯」、屋上に公園を再現した旧同潤会アパート建て替えの旭化成ホームズ「アトラス江戸川アパートメント」、既存樹約100本を残し「里山」を再現した積水ハウス「グランドメゾン狛江」、樹齢100年超のユリノキをエントランスに配した積水ハウス「江古田の杜プロジェクト」(同社の「東京テラス」「玉川上水」「杉並」「伊勢山」なども素晴らしい)、駐車場を地下化した三井不動産レジデンシャルの最高峰「パークシティ浜田山」…がある。

 分譲戸建てでは、江戸末期に建てられた蔵を残したポラス「ことのは 越ヶ谷」、オフィスなどの複合施設では、旧九段会館の一部を保存した東急不動産・鹿島建設「九段会館テラス(KUDAN-KAIKAN TERRACE)」が記憶に新しい。

 しかし、敷地規模、単価(記者は納得したが)からして、列挙した物件レベルになるとは全然考えていなかった。完全に読み違えた。同社と読者のみなさんに謝るほかない。亀田氏が話した通りだ。

 中庭も素晴らしいが、130㎡のゲストルーム「泉」にも驚いた。この広さと設備仕様レベルから判断して1泊3万円の価値があるはずだ。無料(1家族3連泊まで)とのことなので、1家族につき年間2日は利用できる計算だ。ジャグジーバスは覗かれる心配はないとみたが…(東武東上線池袋駅の階段ステップには「盗撮される貴方、みんなが見ていますよ」とあった。ドキリとし、階段を踏み外しそうになった)

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マルチルーム「蔵」蔵

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天然スギの浮造り壁(床はシート貼り)

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エントランスホール

旧九段会館を保存・復原 最新鋭のオフィスとの融合 東急不・鹿島「九段会館テラス」(2022/9/9)

反響3000件超 ランドスケープ抜群 三菱地所レジ他「板橋大山 楠ノ杜」(2021/12/11)

緑の質量に圧倒 エントランスに樹齢100年巨木「江古田の杜」街びらきに千数百人(2018/9/23)

ポラス 蔵のある街づくりプロジェクト「ことのは 越ヶ谷」蔵の補修が完了(2015/8/6)

里山を見るような見事な植栽 積水ハウス「グランドメゾン狛江」竣工(2013/9/21)


 

 

 

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ISLAND」と名付けられた6階(緑は一部がフェイク)

三菱地所は119日、メディア向け「本社オフィス体験・懇親会」を開催した。20181月に本社機能を「大手町パークビルディング」に移転してから実証実験的に様々な取り組みを行い、その成果を踏まえ、今年6月に大規模リニューアルした6階部分を公開し、その後は3階のカフェ「スパークル」で懇親会を行った。

「大手町パークビル」は20171月に竣工した29階建て延床面積151,700㎡。本社移転は20181月で、36階部分の約3,600坪(1フロア約1,000坪)で、従前の「大手町ビル」などから約20%削減し、共用スペースの割合は従前の約10%から約30%に増床。移転当初の社員数は約800名、座席率100%(現在の社員は約1,100名、座席率80%)。

この結果、紙力枚数を約50%削減、キャビネット本数を約70%削減、会議室稼働率は42%から68%へアップし、生産性は3.8%向上した。また、ペーパーストックレスを実施し、各部署の所有キャビネットを50.6%削減した。

本社移転後の社員アンケートでは、本社ファシリティ満足度は90%の人が上ったと答えたほか、偶発的なコミュニケーションは88%の人が増え、会議は効率化されたと思う人は89%、企業風土が変わると答えた人は86%、新しいアイデアが生まれやすい環境になったと思う人は71%に上った。

その後の調査でも、自席執務環境満足度は74.5%を占めるなど社員の高い評価が継続していることが分かった。ディスカッション特化型ルームの利用件数は1.6倍に増加した。また、平均在館率は2018年の78.0%から2023年には56.3%に減少、本社共用スペース利用率は7.6%から4.8%へ減少した。

こうした働き方の変化や利用実態を踏まえ、「ISLAND」と名付けられた6階は「知のシンカ」「リラックス」の行動(Do)と、「Wellbeing」の状態(Be)を掛け合わせる空間にリニューアルした。

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3階オフィス

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 同社の本社オフィスを見学するのは、大手町パークビルが完成した2017年と、2年後の2018年に続いて今回が3度目だ。

 同社ビル営業部担当部長FMコンサルティング室長・竹本晋氏の説明&案内はとても面白く、中身の濃いのはよく分かったが、時間は約40分しかなく、耳も遠くなっていることからよく呑み込めなかった部分も多かった(その前の野村不動産の記者懇の酒は関係ない)。

ISLAND」で印象に残ったのは、全フロアに配置されていたヤシノキの鉢から波の音などが聞こえ、ガラス張りだが外の人の動きなどを気にしないで済むよう特殊フィルムを張った空間「AQUARIUM」、移転直後はフェイクグリーンだらけだった「VILAGE」はほとんどが本物の緑に変わっていたことだ。

3階のカフェでは、通常は330円のクラフトビール「MARUNOUCHI」(製造はわが故郷の角谷麦酒)も220円の「ASAHIビール」も火曜・水曜日は100円で飲めるのに驚いた。缶ビールの税金は63.35円のはずで、税金の値引きはできないから、同社が負担するということか。懇親会ではビールはもちろん、軽食も振舞われたが、移転後の見学会で頂いたとても美味しかったトマトはなかった(値段が高くなったためか)。

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ISLAND

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AQUARIUM」

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本物の緑がびっしり配された「VILAGE

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本物の緑がびっしり配された「VILAGE

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懇親会場の「夜カフェ」メニュー

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 上段のBeforeAfterの数値は予想できたことだ。へそ曲がりの記者は一つくらいマイナスになったものもあるはずだと考え、見学前に同社が公表しているESGデータのうちS:社会データを調べた。

 ダイバーシティ関連では男性育休取得率は2018年が21.2%だったのが2022年は110.6%と飛躍的に増加しており、女性管理職比率も2018年の5.5%から2022年は7.3%に上昇。従業員満足度(ES)/高評価割合は84.588.5%と高水準で推移している。

 健康経営関連はどうか。社員を対象にしたメタボハイリスク層の割合は1019年の36.4%から年々上昇しており、2021年は42.3%に増加(2025年目標は25.6%)。健康層の割合(40歳以上の従業員が、定期健康診断において、生活習慣病の判定に影響する項目の全てが正常値の範囲内の人の割合)は20182021年は10%前後で推移している(2025年目標は20.85%)。高ストレス者は2019年の5.5%から2021年は4.0%に下がっており、全国平均の10%をかなり下回っている。

 その他のデータでは、従業員欠勤率は1%を下回り、ボランティア活動費補助利用人数は2018年の16人から2022年は70人へ激増。人権、セクハラ、男女差別などはない。従業員の平均賃金は2018年の約1,248万円から2022年の約1,246万円へ横ばいとなっている。

 皆さん、いかがか。小生が読んだ通りマイナスになっている項目があった。メタボハイリスクと健康層だ。

 メタボハイリスクだが、これは労働環境の変化というより、コロナ禍で家から外出する機会が減り、食事を摂る時間が不規則になったり間食なども増えたりした結果ではないかと思うが、「メタボ」=「悪」という考えに小生は反対だ。メタボのどこが悪いのか。小生は成人男性より3割近く体重が軽く「痩せ」の部類に入る。腕相撲も女性に負ける。おまけに糖尿だ。それがどうした。人の生き死にを他人がとやかくいうべきはないと思う。

 健康層の割合が10%前後ととうのはやや驚いた。オフィス空間の快適性との因果関係はないだろうが、これは考えたほうがいいと思う。

 もう一つ、竹本氏に考えて頂きたいことがある。フェイクグリーンと本物の緑の併用についてだ。つい先日見学した御社の「ザ・パークハウス上野毛テラス」は全戸全居室の床は無垢フローリングだった。ぜひ見ていただきたい。やはり本物がいい。小生は、本物とフェイクを併用した場合は、本物の効果は半減すると考えている。学術研究もあるはずだ。「ザ・パークレックス天王洲」にはフェイクはひとつもなかったはずだ。

 最後に、同社の皆さんに朗報。RBA野球大会の東京ドーム決勝戦(11月22日0:00~)に三菱地所チームはエース&主砲の社が頑張り、実に28年ぶりに進出することが決定した。これも本社移転の効果の一つではないか。

全戸全居室に無垢材フローリング&ZEH認定 三菱地所レジ「上野毛テラス」(2023/11/10)

 

三菱地所、社-柴田の継投決まる 鹿島建設は10残塁 再三再四の好機逸(2023/10/22

 

三菱地所 王者ケンコーポを破る 社が投打に活躍 ケンコーポ上松 初回に連打浴びる(2023/7/10

自然と共生するワークスペース「コモレビズ」実装した「ザ・パークレックス天王洲」(2022/7/27

有休取得10%増、会議減り、コピー、文具購入ほぼ半減 三菱地所 本社機能移転効果(2019/1/24

三菱地所の本丸を見た 機能一新 士気高揚 トマト最高 地所が新本社公開(2018/2/12

皇居に隣接三菱地所 最高級Sクラスの「大手町パークビルディング」竣工(2017/2/14

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HIRAMEKI提供

 記者が見学し、素晴しい商品企画だと思ったタカラレーベン「レーベンプラッツ大泉学園」と総合地所「ルネテラス船橋」の分譲戸建ての植栽計画を担当した株式会社HIRAMEKI・重松剛氏から以下のようなメールが届いた。

◇        ◆     ◇

 当社(HIRAMEKI)の業務は、外構や植栽計画の「設計業務」を行っています。

 一般的に戸建分譲住宅の外構は、設計と施工を同時に行うような大手造園会社もしくはエクステリア会社に依頼することが多く、そのメリットとしては設計と施工をスムーズに行い、予算管理をしやすくするということです。

 しかし、設計と施工(工事費)をインクルーズしているがゆえにデメリットもあります。建築計画にそぐわない資材を使用したり、植栽も環境に合わないものを採用したりするなど、一見すると予算内に収まり、非常に良い業務効率と言えますが分譲住宅の連続する風景や集合体の良さが感じられないようなものとなりがちです。

 ローコスト住宅においても、使い勝手や駐車場の出入り、タイヤ痕の残りにくさ、最小限かつ最大限の魅力を作る植栽計画によって、分譲住宅の商品価値を高めることもできると思います。

 設計業務と施工業務を分離することで、コスト管理は多少面倒な部分が生まれますが、事業主の商品価値・魅力を最大限に発揮することが出来ると思っています。<株式会社HIRAMEKI><簡易外構植栽図作成サービスについて>

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 「設計・施工分離」か「設計・施工一体(デザインビルド)」かは、古くて新しい問題だ。従来は「設計・施工分離」が基本だった公共事業でも「デザインビルド」を採用する事例が増えている。

 現状はどうか、少し考えてみた。記者は取材するとき、設計、施工、デザイン監修は必ずチェックする。物件特性に顕著に表れるからだ。分譲マンションの場合は、「設計・施工分離」方式が採用される物件は大規模など特殊なものに限定されており、デザインビルド方式のほうが圧倒的に多い。比率にしたら8割くらいを占めるのではないか。

 このほか、最近増えているのはデザイン監修の形で全体を統括するものだ。例えば、「HARUMI FLAG」では光井純氏がマスターアーキテクトとして街全体のデザインを統括している。今後はこの種のデザイン監修が増えるのは間違いない。

 分譲戸建ての場合はどうか。まれに外構や植栽計画を著名な造園会社が担当することを明示している物件はあるが、物件概要を読んでも、「設計・施工分離」か「デザインビルド」なのか分からないものがほとんどだ。

 地球温暖化防止、街のポテンシャルアップに緑環境が大きな役割を果たしていることは言うまでもないことだが、残念ながら、現状は退行しているといわざるを得ない。

 大手ハウスメーカが参加しているプレハブ建築協会の建売住宅も例外ではない。同協会は環境行動計画「エコアクション」で、敷地の緑化面積率を40%以上確保した建売住宅の供給比率を50%以上とする目標を掲げていたが、2019年実績は14.5%にしか過ぎなかったことからか、この数値データの公表をやめてしまった。

 これはやむを得ない部分もある。住宅着工統計によると、首都圏の分譲戸建ての敷地面積は東京都は100㎡を割っており、神奈川県は111㎡、埼玉県は118㎡、千葉県でも133㎡に過ぎない。仮に建ぺい率60%の地域だとして、30坪(約100㎡)の敷地に制限いっぱいの18坪の住宅を建て、残りの12坪すべてを緑化するのは不可能だ。駐車スペースは最低4.5坪必要とされている。残り7.5坪を緑化しても緑化面積比率は25%にしかならない。

 プレ協の会員会社ですらそうなのだから、全国で供給されている分譲戸建ては推して知るべし。緑化面積比率を40%以上確保するには建ぺい率が40%のエリアか、屋上・壁面緑化を採用するほかない。1低層の比率が50%を超える世田谷区ですら緑被率は23.6%(23区平均は17.6%)だ。

 なぜ、都市の緑化は進まないのか。現行の都市緑化法、都市計画法にも問題があるといわざるを得ない。

 都市緑地法第34条は「良好な都市環境の形成に必要な緑地が不足し、建築物の敷地内において緑化を推進する必要がある区域については、都市計画に、緑化地域を定めることができる」と規定しているが、同法第4条により「緑の基本計画」を定めているのは、対象となる都市計画区域を有す全国1,374市町村のうち695市町村(50.6%)にしかすぎない。首都圏では東京都が89.5%、神奈川県が93.8%、埼玉県が73.8%、千葉県が64.6%だ。相対的に埼玉や千葉の緑環境が劣っているのはこのためだ。「緑化地域を定めることができる」とあるように、強行規定ではなく任意規定であることに一因がある。

 また、都市計画法施行令第25条第6号では、開発区域の面積が0.3ha以上5ha未満の開発行為では開発区域の3%以上の公園、緑地又は広場を設けることを義務付けているのみだ(条例で対象面積を300㎡に引き下げることが可)。自治体は、用途地域別に1区画当たり最低面積を条例で定めるところが増えているが、緑化地域制度を導入している自治体は名古屋市、横浜市、世田谷区、豊田市しかない。

 重松氏から送付された資料を添付する。分譲戸建ての植栽計画に一石を投じるものだと思う。重松氏が外構・植栽計画を担当した冒頭の「大泉学園」「船橋」と、その真逆の事例として「越谷」と「南栗橋」の記事を添付する。

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HIRAMEKIホームページから

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HIRAMEKIホームページから

敷地100坪 建物30坪の平屋 ミラースHDの戸建て「南栗橋」企画ヒット(2023/11/13

敷地延長の難点を解消したプラン光る 総合地所「ルネテラス船橋」(2016/10/1)

越谷レイクタウンで見た雑草すら生えない建売住宅の一群(2014/4/29)

タカラレーベン フェンス排除した驚嘆の戸建て「大泉学園」(2013/6/7)
 

 

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「ザ・パークハウス 上野毛テラス」

 三菱地所レジデンスは11月10日、同社初の全戸に天然無垢フローリングを採用した物件で、ZEH Oriented、低炭素建築物認定を受けた「ザ・パークハウス 上野毛テラス」の建物内モデルルーム見学会を11月18日(土)から開始すると発表した。10日、報道陣向け完成内覧会を行った。

 物件は、東急大井町線上野毛駅から徒歩8分、世田谷区中町4丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率50%、容積率100%)・第一種住居地域(同60%、同200%)に位置する5階建て全29戸。専有面積は38.70~84.64㎡、価格は未定だが38㎡台で6,000万円台(坪600万円台)、52㎡で8,000万円台(同500万円台)、84㎡で17,000万円台(同600万円台)の予定。販売開始は2024年2月上旬の予定。建物は2023年10月完成済み。引渡予定は2024年5月上旬。施工は木内建設。デザイン監修はスターテック一級建築士事務所。

 現地は、閑静な住宅街の一角。敷地西側に幅員15.62m、南側に幅員6.23mの道路にそれぞれ接道。西側道路を挟んだ対面は公園。建物は内廊下方式を採用、住戸プランは南西向きが20戸、北西向きが9戸。

 全戸に玄関・洗面所・トイレを除く全居室に厚さ15ミリのチーク材天然無垢フローリングを採用しているほか、螺旋階段付きルーフテラス住戸(4戸)を提案しているのが特徴で、主な基本性能・設備仕様は二重床・二重天井、リビング天井高2500ミリ、食洗機、浴室タオル掛け2か所、Low-Eガラス、キッチンバックカウンター・収納、全戸防災倉庫付きなど。

 8月に物件ホームページを開設してからこれまで1,300件超のエントリーがあり、11月18日からの予約制物件案内会は12月まで満席。世田谷区居住者中心だが、目黒区、品川区、大田区や東急線沿線に住む川崎や横浜からの反響もあるという。

 内覧会で同社開発二部開発第三グループ グループマネージャー・布田求氏は、「当社のZEH Oriented認定としては都内で最初に竣工する物件だが、国分寺崖線上に立地する特性を生かし、当社初の全戸無垢材フローリングを採用したほか、螺旋階段付きルーフテラス付き、ワイドスパン、専用庭付きなど自然素材や自然環境の心地よさを感じていただける物件にした」などと商品企画意図について語った。

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モデルルーム

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無垢材フローリング

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ルーフテラス

◇        ◆     ◇

 記者は天然無垢のフローリングを採用したマンションをこれまで何度も見学している。直近では、三菱地所ホームの「KIGOCOCHI(キゴコチ)」ショールームを見学したばかりだし、最近では「サンウッド青山」、少し前では「グランド ミッド タワーズ大宮」があり、40年前にさかのぼると床も袖壁も厚さ20ミリの無垢材を用いた松戸市の賃貸マンションを思い出す。

 思い出といえば、現地に着いたとき既視感を覚えた。既視感ではなかった。現地の対面に建っている三井不動産レジデンシャル「パーク・ハイム上野毛」(71戸)と、近接する日本ランデッィク「上野毛コートハウス」(198戸)は約40年前分譲されたマンションで、見学取材している。惚れ込んだ物件で、当時、圧倒的な人気を呼んだ。現地取材は、過去の記憶を呼び覚ませてくれる楽しみもある。

 今回のマンション見学で、もっとも驚いたのは無垢材フローリングだった。モデルルームに入った途端、歓声を上げた。素晴らしい。この一語に尽きる。木は何度見てもいい。素足で歩きたくなったほどだ。本物の木のよさなど改めて書くまでもない。同社は、お客さまの反応をみながら今後採用するかどうか決めるとしているが、いい反応が得られるはずだ。

 マンション購入検討者にも一言。デベロッパーは、無垢材は傷がつきやすいとか、反りが生じるとか難癖をつけ、なんとか安く仕上げて高く売ろうと姑息な手段をとるところが圧倒的に多いが、そんなデマゴーグに惑わされてはいけない。皆さんがマンションの歴史を変えるかもしれない。そんな可能性を秘めた物件だ。

 記者の希望としては、床は国産材でもいいから、いっそやるなら洗面、トイレなどの水周り、さらには腰壁、巾木に至るまで本物の木を使っていただきたい。

 物のついで。メディアにも一言。昨日は野村不動産グループの記者懇と三菱地所の本社ワークスペース見学会が行われた。両方で100人くらいの記者の方が駆けつけていたはずだ。そして今日。見学者は小生を含めて6人だった。野村・新井社長はなんと話したか。「皆さんは大事なステークホルダー。ご質問もありがたいが、有益な意見交換の場にしたい」と。プレス・リリースをコピペして記事にしていては、いつまでたっても意見など交わせない。

 取材分担・分野を問わず、デベロッパーやハウスメーカーが声を掛けてくれる見学会は最優先して出席すべきだ。そうでないと、そのうちにAIに職を奪われる。小生は自慢などしたくないが、この種の見学会の誘いを断ったことはほとんどない。(きついことを書くからか、声を掛けてくれない会社があるが、これは名誉だと思っている)

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現地(対面の公園から写す)

木質化空間の〝匂い〟は心身にどのような影響をもたらすか 三井不×東大が共同研究(2023/10/29)

木質化PJ「KIGOCOCHI(キゴコチ)」マンションリフォーム提案 三菱地所ホーム(2023/10/14)

サンウッド 創業20周年の集大成 「青山」の全面ヘリンボーン床に驚愕(2017/12/8)

埼玉県の過去最高レベル 近鉄不動産他「グランド ミッド タワーズ大宮」(2010/6/2)

国分寺崖線に重なるランドスケープ秀逸 三菱地所レジデンス「二子玉川」(2014/11/25)

国分寺崖線に沿う高級住宅街の一角 三菱地所「パークハウス瀬田一丁目」(2009/2/23)

 

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野村不動産グループ記者懇親会(京王プラザホテル東京)

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新井氏

 野村不動産ホールディングスは11月9日、グループ記者懇親会を開催した。2部構成で、1部では同社代表取締役社長兼社長執行役員グループCEO・新井聡氏があいさつし、同社代表取締役副社長兼副社長執行役員グループCOO・松尾大作氏が役員紹介とグループ事業について説明した。2部では18名の役員と報道陣が懇談した。新井氏は次のように語った。

◇        ◆     ◇

 当社グループに加わって1年半が経過した。この間、事業を取り巻く環境は大きく変化し、先行きが見通せない厳しい状況になっていることを肌で感じている。

 当社グループは業界の中でどのような位置にあるかだが、1年半だからこそ客観的に見えている。かなりいい位置、いいポジションにいるのではないかと感じている。

 例えば住宅。金利上昇懸念はあるが、〝プラウド〟を買っていただくような客さまは賃金上昇、資産価値の上昇といういい効果が生まれており、金利上昇を打ち消すのではないかと思っている。

 オフィス、物流についていえば、われわれは長い間賃貸バリューチェーンモデルを追求してきたわけだが、そのようなモデルがこれから先行き不透明な中でリスクをコントロールしながら投資を続けられる可能性につながっている。

 バブル崩壊で中止していた海外事業は、再開してまだ10年経過していない。これから事業量を増やしていくことになるが、他社よりも遅れて再開した分だけ大きなチャンスもあると考えている。

 しかし、このようなよいポジションにあるいるというだけでは持続的な成長は望めない。大事なことは二つある。一つは、環境が大きく変わり、先行きが見えない中でしっかりと挑戦をし続けること。

 二つ目は、われわれシニアマネジメントを中心として的確な判断を行っていくこと。的確な判断をタイムリーに行っていくために大事なのは、独りよがりの判断ではなく、お客さま、株主など数多くのステークホルダーからご意見、お考えを聴きながら、判断の精度を高めていかなければならないということ。

 実は、皆さまメディアも大事なステークホルダー。環境の変化についてよく認識されており、業界動向にも気を配られている皆さんから意見を賜れるのは本当にありがたいこと。ご質問もありがたいが、できれば有益な意見交換の場にしたい。

◇        ◆     ◇

 懇親会で何が嬉しかったかといえば、新井氏がかなりの時間を割いてメディアは大事なステークホルダーであり、有益な意見交換の場にしたいなどと三顧(度)の礼を尽くされたことだ。

 これは期待に応えなければならないと、しこたま酒を飲み胃を洗った。あまりにもピッチが速かったためか、注ぐのが面倒だったためか、ホテル担当者は最後はグラスを2つ置いていった。周りを見渡したら、メディア関係者で酒を飲んでいたのは小生くらいだった。

 マンションや戸建てのことなら少しは意見をいえたが、18人の役員の方が入れ代わり立ち代わり席に来られ立ち去られたので、その時間が少なかったのは残念だった。

 

 国土交通省は10月31日、令和5年9月の新設住宅着工をまとめ発表。総戸数は68,941戸で、前年同月比6.8%減、4か月連続の減少となった。利用関係別では、持家は19,527戸(前年同月比12.3%減、22か月連続の減少)、貸家は29,735戸(同2.9%減、2か月連続の減少)、分譲住宅は19,266戸(同7.3%減、4か月連続の減少)。分譲住宅の内訳はマンション8,148戸(同2.8%減、3か月連続の減少)、一戸建住宅11,014戸(同10.4%減、11か月連続の減少)となった。

 首都圏マンションは2,947戸(同25.6%)で、都県別は東京都1,414戸(同41.0%減)、神奈川県778戸(同35.7%減) 埼玉県476戸(同336.7%増)、千葉県279戸(同13.0%%増)。

 首都圏一戸建ては4,627戸(同11.6%減)、都県別は東京都1,453戸(同3.0%減)、神奈川県1,091戸(同18.8%減)、埼玉県1,263戸(同4.2%減)、千葉県820戸(同23.6%減)。


 

 

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神宮外苑軟式野球場(11月3日写す、以下同じ) 

 「神宮外苑地区まちづくり」の事業者は11月1日、プロジェクトサイトの質問受付ページに寄せられた27の質問(令和5年10月1日~10月15日受付分)に対する回答をプロジェクトサイトのQ&Aのページ(https://www.jingugaienmachidukuri.jp/faq/)に掲載した。意見などは14件だった。

◇        ◆     ◇

 質問と回答はこれまでのものとほとんど同じだが、再確認・整理する意味で気がついたことを以下に述べる。あっちに振れたりこっちにぶれたりしてとまりを欠くが、これが正直な気持ちだ。

 まず、「見解の相違」について。今年1月、日本イコモス国内委員会から58項目にわたって問題が指摘された。これに対して事業者は、29項目を「指摘自体が事実と異なる」とし、29項目を「考え方や解釈の違い」と回答し、審議会もこれを了承した。

 代表的な例を紹介する。日本イコモス国内委員会は、既存樹木の変化の程度について評価書の「一定程度の改変(消失)は免れないが、計画地内で最も緑量が多い緑地(並木東側)を保全、(略)、著しい影響は与えない」という記載に対し、「樹木の53%に及ぶ、1018本が伐採(743本)・移植(275本)されるため、一定程度という記載は、虚偽の報告である」「建国記念文庫の森、絵画館の樹林地、明治記念館を結ぶ緑のネットワークが破壊される。虚偽の報告である」と指摘している。

 事業者は、この指摘に対し「神宮外苑広場(建国記念文庫)等の緑地については、全てを改変するわけではなく、北側は保全エリアとして残す計画…将来にわたって緑地環境の保全を図る計画であるため、植物相及び植物群落の変化の内容及び程度は小さいと予測しており、虚偽ではございません」と回答している。

 皆さんいかがか。「虚偽の報告」「破壊」「事実無根」など激烈な文言が飛び交うのは、「見解の相違」によるものだ。今回の問題に限ったことではない。「見解の相違」はあらゆる事象で見られる。端的な例が戦争だ。ロシアは〝ネオナチからの解放〟を理由にウクライナに侵攻した。ウクライナは国家主権・領土侵害だとして反撃した。イスラエルのガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスはイスラエル側に攻め入り、イスラエルは反撃した。戦争は、均衡性(比例性)の原則など何の効果もないことを世に知らしめた。今回の問題は戦争ではないのだから、徹底した論議を交わしてほしい。

 次に、みどりの量と質について。Q&Aのコーナーの「みどりの割合・本数が増えるとのことですが、体積はどのように変化するのでしょうか。何年で元に戻りますか」という質問について、事業者は「みどりの割合は約25%から約30%に、樹木の本数は1,904本から1,998本に増加させる」「みどりの体積に関しては、現況の346,284㎥が完成後331,466㎥となり、約14,818㎥減少します。具体的な回復期間の試算は行っておりません」と回答。体積の減少について環境影響評価書は「現況の346,284㎥ をやや下回る」「緑の量の変化の内容及び程度は小さいと予測する」と記載している。

 記者は、みどりの量や体積も重要だろうが、みどりの質についてもっと論議すべきだと思っている。多くの専門家や都民の方が再開発計画に疑義を呈しているのは、神宮外苑の特別な歴史的・文化的価値が毀損されるのではないかという危惧と、樹齢にして100年超の畏怖を覚える巨木などが743本(既存樹木調査データ参照)も伐採されることに危機感を募らせているからだ。再開発計画を了とした東京都環境影響評価審議会の責任を問う声が上がるのも当然だと思う。この種の審議会・協議会は唯々諾々、行政機関の下請け機関化しているように思えてならない。

 この点について、「神宮外苑再開発事業の施行認可の撤回及び環境影響評価の継続審査に関する要請書」を小池都知事や同審議会会長宛てに提出した専門家有志を代表して元日本大学教授・糸長浩司氏は3月8日の記者会見で「科学的でない杜撰な環境影響評価書をしっかり論議しないで認可したのは専門家の研究者生命にもかかわる」と、批判とも同情とも取れる発言をした(審議会委員で認可に異議を唱えた齋藤利晃・日本大学教授と池邊このみ・千葉大学教授は、今年5月に選任された22期の審議会委員には入っていない)。

 もう一つ、記者がどうしてもわからないのは、記事にも書いたが、再開発計画地は「都市計画公園」ではあるが「都市公園」ではないことが再開発を可能にし、「公園街づくり制度」の適用条件である「未供用」が今回のような再開発を可能にすることを行政担当者や専門家は予知できていたはずで、そのときどうして問題にならなかったのかということだ。

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紅葉しているのはフウか(これらは保存される模様)

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スダジイ(これは残されるようだ)

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ヒマラヤスギ(これは保存されそう)

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絵画館前広場から写す

〝喬木は風に折らる〟誤解解く取り組みの見える化急げ「神宮外苑地区まちづくり(2023/10/21)

秩父宮ラグビー場が「未供用」の謎「広場」は都市公園ではない神宮外苑再開発(2023/9/8)

 

 京王電鉄は11月6日、京王多摩センタービル(旧京王プラザホテル多摩)を建て替えると発表した。今年11月から建物の解体工事に着手し、駅前のランドマークトなる商業施設・地域貢献施設と高層マンションを建設する。2028 年度 竣工・開業は2028年度の予定。

◇        ◆     ◇

 同社に聞いても、プレス・リリース以外のことは話してくれないだろうから、以下は記者の推測。

 ホテルは今年1月に営業停止となった。お金のあるころは和食レストラン「あしび」を中心に記者もよく利用した。素晴らしいホテルだった。

 営業停止後は様々なうわさが飛び交った。某ホテルが入居すると聞いたときはかなりショックを受けた。街のポテンシャルは一段と下落とすると思ったからだ。

 今回、商業施設とマンションに建て替えるのは次善の策だと思う。現地は、京王・小田急多摩センター駅から徒歩2分、完全歩車分離のペディストリアンデッキでつながっており、敷地面積は約5,500㎡。用途地域は商業地域、容積率は700%だ。総合設計を利用すれば容積は1000%くらいになるかもしれない。

 マンションはいったい何戸くらいで、価格はいくらになるかだ、戸数は400戸を超えると見た。京王電鉄の単独となるのか、グループの京王不動産やサンウッドが入るのか、それともいま京王聖蹟桜ヶ丘駅近くで共同してマンションを建設中の野村不動産と組むのか。

 価格は、立地・街の熟成度など総合的に判断して坪単価350万円なら大楽勝だろう。できれば、この前記事にした野村不動産「プラウドタワー相模大野クロス」(687戸)の坪単価400万円超に迫ってほしい。野村と組めばありうる価格だ。

立地、性能、地域共生など評価される 野村不「相模大野クロス」 坪単価400万円超か(2023/10/31)

ショック!ホテルに続き恵泉女学園大学も閉学へ 地盤沈下する多摩センター(2023/3/23)

 


 

 

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「ほの国百貨店跡地プロジェクト」

 総合地所、大和ハウス工業、阪急阪神不動産は11月2日、愛知県豊橋市の「ほの国百貨店跡地プロジェクト」マンション「HONOKUNI RESIDENCE」のメディア向けモデルルーム見学会を行った。地方都市のマンション市場を知るのが目的で、取材した。駅前の一等地で、坪単価は200万円を突破する模様だ。地方都市も坪200万円を突破する時代に突入したことを実感した。

 物件は、JR東海道本線・飯田線・JR東海道新幹線・名鉄名古屋本線豊橋駅から徒歩6分、豊橋市駅前大通二丁目の商業地域(建ぺい率80%、容積率600%)に位置する敷地面積約2,513㎡、15階建て全156戸。年内に販売開始する第1期(戸数未定)の専有面積は72.07~105.42㎡、価格は未定だが、坪単価は200万円を突破する模様。竣工は2024年10月中旬。設計・施工は長谷工コーポレーション。販売代理は長谷工アーベスト。管理は第三者管理者方式を採用する。

 現地は、地元の人によく知られている市内唯一の百貨店だった「ほのくに百官店」跡地。敷地南側は幅員約50mの駅前大通りに面しており、東側は幅員約15m、北側は幅員約6mの道路に接道。

 建物はL字型で、1フロア南向き8戸、東向き3戸の構成。主な基本性能・設備仕様は、市初のZEH-M Oriented認定、直床、リビング天井高2400~2500ミリ、フィオレストーン・人工大理石キッチン天板、食洗機、Low-E複層ガラスなど。長谷工オリジナルの「UGOCLO(ウゴクロ)」も提案する。共用施設はキッズスペース、コワーキングスペース、ランドリールーム、カフェラウンジ、ゲストルームなど。

 総合地所名古屋支店マンション開発部部長・有本光男氏は、「100戸強の物件が毎年1~2棟供給されている。これまでの物件の坪単価は180~200万円。今回は場所がいいので200万円を超える予定。これまでのエントリー数は600件超。11月11日から集客を開始する」と語った。

 「ほのくに」とは、かつて豊橋は「穂の国」と呼ばれたことに由来する。エントランス部分には市の伝統的な技術である組子デザイン、織物の技がモニュメントとして採用される。

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モデルルーム玄関サイドに置かれた飾り物(豊橋市の伝統的手筒花火を模したもののようだ)

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市の伝統的技術を紹介するコーナー

◇        ◆     ◇

 豊橋駅に着いたのは午後2時過ぎ。政令指定都市にしては人通りは少なく、広い道路の割には車の数も少ないと感じた。

 他の地方都市と同じように、加速度的に高齢化が進み、人口も減少しているのではないかと考え、市のデータで調べた。総人口は平成22年国勢調査の376,665人をピークに減少に転じ、令和5年10月1日現在は368,996人。この13年間で2.0%減少。「豊橋市人口ビジョン」(平成27年)によると、2030年の将来人口は359,000~364,000人と予測されている。高齢化率も高まっており、平成27年の24.1%から2030年には28.9%に上昇すると予測されている。

 市は令和3年、「豊橋市中心市街地活性化基本計画」を策定、豊橋駅周辺の約125haを「ストック活用ゾーン」として位置づけ、駅東口と西口周辺を重点整備エリアとし、民間による再開発を促すことを打ち出している。

◇      ◆     ◇

 モデルルームを見学してから現地を確認した。ここも大通リにしては人通りは少なく、通りを横切るには地下歩道を通らなければならないのに、典型的な車優先の街づくりの街を見た。

 すると突然、現地南側の真正面の建物に目を奪われた。白が基調の正統的デザインのその建物は不思議と古い街並みに溶け込んでいた。品格がある。

 この建物が何者であることを確認しないでは取材したことにはならないと、遠回りして現場を確認した。

 工事中の仮囲いのボックスにB3サイズのチラシが入っており、「『住・商・公』複合開発16階建、総戸数110戸の新築分譲マンション 第1期完売御礼 『ザ・ハウス豊橋WEST』第2期先着順受付開始 」と大書きされているではないか。小さな字に難儀しながら読んだ。

 物件概要には、建物は16階建て総戸数110戸。第2期の販売戸数は20戸、専有面積は56.01~98.60㎡、価格は2,770万円~6,370万円(最多価格帯2,800万円台)。竣工予定は2024年5月下旬。売主は中部ガス不動産。事業主は豊橋駅前大通二丁目地区市街地再開発組合。施工は鹿島建設。設計・監理は北山孝二郎+K計画事務所、アール・アイ・エー。竣工予定は2024年5月下旬とあった。隣接する建物は、2年前に竣工した5階までが公共広場、飲食店、図書館、オフィス&行政サービスなどが入居し、6階以上がマンション「THE HOUSE TOYOHASHI」(129戸)だ。

 早速、インフォメーションセンターに飛び込み、来意を伝えたのだが、「物件概要に書かれていること以外には答えられない。写真撮影も不可」と取材を断られた。仕方なく、専有面積と価格が照応するか分からないが、単価をはじいた。最低は163万で最高は213万円だ。

 施工が鹿島で2年前竣工といえば、RBA野球日曜ブロック屈指の好投手遠藤が名古屋勤務に異動になってからしばらくしたころだ。この物件を担当したに違いない。いい仕事をしたものだ。鹿島は今年の大会も決勝を逃し、3回連続の準決敗退となったが、遠藤は今年年末には東京に戻ると聞いている。チームの負担で、3年連続惜敗の厄払いを兼ねた遠藤復帰の歓迎会をやろうではないか。遠藤は不摂生が祟って、もう投げられる体じゃないかもしれないが…。

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現地

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左が現地、右が「THE HOUSE TOYOHASHI」

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駅前から現地を写す

三菱地所、社-柴田の継投決まる 鹿島建設は10残塁 再三再四の好機逸す(2023/10/22)

ケンコーポ 絶体絶命のピンチ3度凌ぐ 惜敗鹿島 一死3塁 3度生かせず(2019/10/27)

 

 

 

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