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「Night Farm」(プランティオ リリースから)

 

 次世代アグリテインメントプラットフォーム「grow」を展開するプランティオと三菱地所は9月30日、三菱地所の「大手町ビル」屋上に新たに整備した農園スペース「The Edible Park OTEMACHI by grow」でカクテルパーティ「Night Farm」を開催した。

 申し込みが殺到したため、当初予定の定員60名を増員し、この日は2倍以上の約140名が集まり、屋上農園で採れたバジル、パクチーなどのカクテルやナス、オクラ、ピーマンなどの素揚げを堪能した。

 「Night Farm」は、コロナ禍で中止を余儀なくされていた恵比寿で行われていたイベントで、時間は18:30~20:30、参加費用は2,500円。普段はアルコール禁止のビルの屋上にステージを設け、農園で採れたバジル、パクチーを利用したソムリエによる4種のカクテルを振舞い、有機栽培のナス、ピーマン、オクラなどの素揚げも供された。

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農園で採れた野菜

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虫食い状態の野菜(安全だから虫も食べる)

 

 

◇        ◆     ◇

 農園を運営するプランティオ代表取締役 共同創業者CEO・芹澤孝悦氏から「晩夏の旬の野菜やハーブたちが農園で元気に育っております。それらをその場で食し、農の懐の深さに触れつつ、みなさんでワイワイたのしめれば」とメールで勧められたので参加した。

 記者は、お酒というよりは甘いジュースのようなカクテルなる飲み物はもう数十年間も飲んだことはないので、割り当てられたカクテル2杯分のチケットを利用し、スタッフの方に了解を頂いて、アルコール度数40~50%と思われるジンを2カップ80CC(他の参加者は1カップ40CC)に農園で栽培されているバジル2葉を入れて2杯飲んだ。ジンが強すぎるためか、バジルの香りはほとんど確認できなかったが…。

 採れたてのオクラ、ナス、ジャガイモ、ピーマンの素揚げも食べさせてくれるというので食べた。オクラの甘さは格別だった。

 栽培されている葉ものは、有機野菜であることを証明するように虫に食われた穴がたくさん開いていた。都心の一等地の10階の屋上に虫が飛来し、安全性に問題がないことを確認できるその鑑識眼の確かさと生命力、繁殖力に感動した。

 記者も大好きな虫も食わないパクチーは、人間の手によってちぎられ、帰るころには無残な姿をさらけ出していたが、パクチーも繁殖力が強いようで、たちまちたくさんの葉を茂らせるに違いない。

 酔いも手伝ったか、夜の暗さの分だけ色白が際立った天女のような女性にも出会えた。「こんな素敵なイベントなら毎晩やって」と話したら、「野菜が育つには4~5カ月かかるんだ」と誰かに一喝された。

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バジル

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イベントが始まったころのパクチー(終わることろには虫ではなく人間にく食いちぎられていた)

 

 

消化不良なのが残念だが素晴らしい農園 三菱地所「大手町ビル」リノベ完成見学会(2022/5/26)

 

 

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「n’ estate(ネステート)」

 三井不動産レジデンシャルは9月29日、多拠点居住サービス「n’ estate(ネステート)」を開始したと発表した。「多拠点居住」の金銭的なハードル、時間的なハードル、心理的なハードルを解消し、同社の賃貸マンション「PARK AXIS(パークアクシス)」やグループ企業、パートナー企業の施設を活用し、個人が「働く」「憩う」「楽しむ」拠点を選択しながら生活するライフスタイルを提供するのが特徴。

 予約・利用可能なのは同社の会員組織「三井のすまいLOOP」会員で、「PARK AXIS」の<都市型拠点>と、就農体験や自然とのつながりを感じることができる<郊外型拠点>の2種類の10拠点。「PARK AXIS」は主に2年単位での賃貸借契約だが、今回のトライアルでは住宅宿泊事業法(民泊新法)を活用し、1泊・1か月単位で利用できるようにしている。「KURKKU FIELDS」(千葉県木更津市矢那2503)と「畑住処」(埼玉県加須市陽光台2丁目)の2か所。

 「n’ estate」は、多拠点を表す「N拠点」や「New(新たな)」、「Next(次の)」、「Necessary(必要な)」、「Nature(自然豊かな)」、「Natural(自然体でいられる)」、「New normal(新時代的な)」の頭文字と、財産、不動産、くらし向き、生涯のある時期といった意味を表す「estate」を組み合わせた造語。

 トライアルに先行して2022年3月から実施した「三井のすまいLOOP」会員向けのモニター体験では、1日、10日間、1か月単位のいずれのプランに対しても募集定員を超える応募があったという。

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◇        ◆     ◇

 記者は、同居、隣居、近居をはじめ多拠点居住のニーズはあるとずっと思っていた。なかなか実現しないのは、やはり金銭的な問題と、職場に縛り付ける就業形態が大きな壁として立ちはだかっているからだ。

 今回の同社の新サービスは、コロナ禍で急激に普及した在宅勤務・テレワークが可能にしたものだ。「すまいを、くらしを、こころを、動かす。」というコピーがいい。都心居住、郊外居住は賃貸でも分譲でも可能だと思う。

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パークアクシス本所吾妻橋サウスレジデンス

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KURKKU FIELDS

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「リストレジデンス武蔵野御殿山」

 リストグループのリストデベロップメントが9月24日に分譲開始した「リストレジデンス武蔵野御殿山」を見学した。三鷹駅から徒歩6分の「武蔵野市御殿山」アドレスで、敷地の南側は御殿山通りを挟んで玉川上水という閑静な低層住宅街の一角。第1期供給34戸のうち30戸前後が契約見込みとかで、好調なスタートを切った。

 物件は、JR・東京メトロ三鷹駅から徒歩6分、武蔵野市御殿山2丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率50%、容積率100%)に位置する敷地面積約3,275㎡の3階建て全45戸(事業協力者住戸2戸含む)。専有面積は58.11~92.10㎡、9月24日に登録を締め切った第1期34戸の価格は8,090万~、坪単価は491万円。竣工予定は2023年7月上旬。デザイン監修はプランテック。設計・施工・監理は川口土木建築工業。販売代理は伊藤忠ハウジング。

 物件パンフレットによると、1995年以降武蔵野市で供給されたマンションは137物件で、そのうち「御殿山」アドレスは6物件で、九年ぶりの供給という希少立地。従前は畑。現地周辺は低層住宅街。敷地は30m×100mくらいの南北に細長い形状で、敷地南側は、一方通行の御殿山通りを挟んで玉川上水隣接。「風の散歩道」は徒歩3分。

 主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、リビング天井高2550ミリ(1階)・2450ミリ(2・3階)、ディスポーザー、食洗機、ハンズグローエ水栓、フィオレストーンキッチン・洗面天板、良水工房など。

 7月にモデルルームをオープンし、これまでの資料請求は1,734件で、来場者は259件。来場者の約6割は三鷹市、武蔵野市居住者。評価ポイント低層、井の頭公園まで徒歩8分、平置き駐車場18台など。9月24日に申し込みを締め切り、第1期34戸のうち30戸前後が成約の見込み。

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敷地南側

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「風の散歩道」(市のホームページから)

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 土地は入札で取得したというが、よくぞ仕入れられたものだ。現地周辺は何度か歩いたことがある。絶好の住宅地だ。玉川上水はフェンスで囲われているので降りることができないのは残念だが、自然林がそのまま残されている。太宰治が入水自殺したのはもう少し下流の武蔵野市下連雀だ。当時は水量も豊かだったのだろう。

 敷地形状が南北に細長いので、プランニングは難しいだろうとは思ったが、設備仕様レベルを上げて富裕層をターゲットにしたら坪単価は600万円を超えても不思議ではないと考えていた。坪500万円を切ったのは驚いた。(それでも三鷹駅圏最高値だが…駅北口徒歩2分の物件は坪500万円くらいだと聞いたが、これまた納得)

 敷地の南側正面には樹高にして十数メートルはありそうな桜の巨木が植わっている。南側の住戸は75㎡の2スパンと83㎡、84㎡の全4スパンだが、小生が企画担当だったら、3スパン1戸100㎡にして2億円くらいで勝負する。売れると思うが、どうだろう。

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現地

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MIRARTHホールディングス 事業戦略発表会」(神田明神で)

  タカラレーベンは101日、「MIRARTH(ミラース)ホールディングス株式会社」を設立し、称号をMIRARTHホールディングスへ改めるとともにタカラレーベングループは持株会社体制に移行した。その前日930日、「MIRARTHホールディングス 事業戦略発表会」を開催し、同社代表取締役兼グループCEO兼グループCOO兼社長執行役員 タカラレーベン代表取締役兼CEO兼社長執行役員・島田和一氏(101日付)が、今後の3つの柱とする不動産事業、エネルギー事業、アセットマネジメント事業について成長戦略を語った。

 「MIRARTH」は、Mirai(未来)とEarth(地球)を組み合わせたもので、「不動産総合デベロッパーの枠を超えて、未来環境デザイン企業へと進化していく決意を込められている。同社が今年で創業50周年を迎えたのを機に決定された。

事業成長イメージとして、2025年度の売上高2,000億円、最終利益100億円を目指す。

第一の柱である不動産事業では、全国で安定的に供給するための体制を整備し、中期的に2,500戸の売り上げ計上を目指す。駅前再開発、老朽化マンションの建て替え再生、再開発事業にも積極的に取り組むほか、分譲戸建て、リニューアル再販、流動化、不動産管理などにも注力する。

エネルギー事業では、脱FITに向けたビジネスモデルの構築や電力の相対取引への積極的参入を目指す。発電規模は2021年の240MW2025年度には360MWに増やす。

アセットマネジメント事業は、インフラファンド、リートや私募ファンドなどの運用受託を拡大し、資産運用規模は20223月期の2,099億円から2025年度は3,000億円を目指す。

島田氏は、持ち株会社体制への移行を決断したのは「国内の市場環境や生活者・世の中の価値観を踏まえ、不動産だけではなく人々のライフスタイルに関わり、総合的に環境をデザインしていく多角的な視野が必要で、不動産総合デベロッパーの枠を超え、地域社会と共創し、未来の街づくりに取り組む新たな企業体」に脱皮するためと説明し、「不動産事業に軸足を置きつつ、エネルギー、アセットマネジメント事業を通じて安心・安全・快適な社会の実現のため、スピード感を持って邁進していく」と語った。

同日付で「株式会社タカラレーベン西日本」は「株式会社タカラレーベン」へ商号を変更する。

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記者は、中板橋に事務所を構えていた「宝工務店」時代の1994年、第一号マンションを見学取材してから約36年間、年間36物件のマンションを取材してきた。少なく見積もっても累計150件は取材しているはずだ。感慨深いものがある。

MIRARTHホールディングス体制に移行してどうなるかだが、エネルギー事業はよく分からない。

しかし、マンション事業とアセットマネジメントについては、長期的にはともかく、中期的にはまだまだ成長の余地がある環境下にあると思う。中でも同社のマンション事業は、大手と互角に戦える地歩を築きつつあるような気がする。創業50周年記念として供給した「福岡天神」「東川口」「小田原」などエリア最高峰の物件にその競争力の高さがうかがえる。

これらの物件でみせた商品企画力は一朝一夕でできるものではない。バブル崩壊とリーマン・ショックを無事に乗り切れたマンションデベロッパーは、大手を除けば10社あるかどうかだが、同社はその1社だ。浮利を追わず、堅実経営に徹し、一つひとつ積み重ねてきた実績が花開いたと解すべきだろう。

それを可能にしたのは、大手との競合を避けるどころか、「逆手」に取る戦略を徹底してきたことがあげられるのではないか。

例えば、大手デベロッパーが駅近の高単価のマンションを分譲するときなどだ。同社はその駅からやや離れた地域で、単価にして数十万円から100万円もの差がある物件をぶつけて分譲し、成功した。太陽光発電搭載が大きな武器になったときもあった。大手の市場占有率が高まったリーマン・ショック後は、地方に活路を見出した。タカラレーベン東北(新体制では東日本支社)は今では圧倒的なシェアを占めるようだ。

もう一つ、同社の武器はデザイン・提案力だ。同社のマンションのイメージを劇的に変えたのは2011年分譲の「ディプティエレメンツ project」だった。販売事務所もモデルルームもまさに驚天動地、非日常の極みで、小生はあきれ返って言葉が出なかったのを思い出す。采配を揮っていたのは当時副社長だった島田氏は「いいんじゃない」とこともなげに言った。演出したのは、記者が「業界のレディ・ガガ」と呼ぶ現執行役員の髙荒美香氏だった。

その後の約10年間、多少の増減はあったがほぼ一貫して業績を伸ばし続けてきた。今はどうかというと、同社の派手なモデルルームは他社が真似るようになっている。

それと、これは蛇足だが、同社はややもすると諸刃の剣にもなりかねないリスクもある、評論家をしてゴマすり記事を書かせるようなことはしてこなかったはずだ。賢明な判断だ。

        ◆     ◇

 事業戦略発表会の質疑応答では、聞きたいことが2つ、3つあったので手を挙げたのだが、この日はメディアだけで75社も駆けつけていたので、指名はされなかった(島田氏は退席されるとき、記者に手を振ってくれたように思う)

聞きたかったことの一つは、なぜ発表会の会場を「神田明神」にしたのかだ。1013日にはパレスホテル東京でパーティを開くくらいだから、経費を節約するためであるまいと思った。後から同社広報から回答が届いた。「神田明神への参拝は、約10年近く前からスタートした。毎年期初(4月中旬)に役員・監査役で揃って参拝しております」とのことだった。神田明神は縁結び・家内安全・商売繁盛・社運隆昌・除災厄除・病気平癒のご利益があるそうだ。なるほど。

もう一つは、社会人としての育ての親であるはずのタカラレーベン取締役会長・村山義男氏へどのような報告をしたのかだ。これも広報を通じて「度重なる協議を経て、ホールディングスへ体制変更することを相談し、商号変更も報告した」との回答があった。なるほど。

あとのもう一つは、極めて私的なことだ。同社は平成12年、東京ドームで行われたRBA野球大会の決勝戦に進出し、準優勝したのだが(優勝したのはリクルートコスモス北関東)、島田氏は同社野球部監督として出場している。その後チームはじり貧の一途で、参加しない年もあった。再び強いチームを作ってくれるよう頼みたかったのだが…。

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「目指すは企業価値の向上」タカラレーベン・髙荒美香氏 女性活躍の視点から注目(2021/11/4)

 第16回キッズデザイン賞の審査委員長・益田文和氏が、表彰式後のシンポジウムで「目からうろこ、大発見」と称えた受賞作が3つあった。こどもたちを産み育てやすい部門優秀賞を受賞したUnited family「ハンズフリー電動さく乳器」(少子化対策担当大臣賞)、秋山隆浩建築設計事務所/Atelier HMC「町屋高架下保育園」(少子化対策担当大臣賞)、エバーセンス「パパninaru」(男女共同参画担当大臣賞)だ。

 「電動式さく乳器」は「ブラジャー内に装着することができ、ハンズフリーでさく乳しながら動けるというメリットは大きい」というのが、「高架下保育園」は「マイナスイメージのある高架下に違和感なく、しっかりと子どもの空間を作っている点」が、「パパninaru」は「妊娠から出産育児の必要な情報を、『パパ』に届けるという開発の視点の良さ」がそれぞれ高く評価された。

 記者も、「電動式さく乳器」なるものがあることなど全く知らなかった。最初は親子が牛の乳しぼりでもするのかと思ったほどだ。United familyの担当者によると、1日当たりの授乳回数は普通の人で8~10回、多い人は15回くらいあるという。その負担を軽減し、さく乳した母乳は冷凍保存ができ、必要なときに子どもに与えることもできるというスグレモノだった。

 「高架下保育園」は、言われてみればもっともふさわしい立地条件だ。音や振動は保育に支障はないということだった。記者などは都心部のガード下の飲み屋しか思い浮かばない。〝母になるなら〟〝父になるなら〟で子育て世代にヒットした流山市は、駅に近いところに保育施設を設置して話題を呼んだ。

 「パパninaru」は、夫婦お互いが直接話せないことをアプリが代弁してくれるもので、なるほどと得心がいった。

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 益田氏は「電動式さく乳器」の改良にも触れたが、記者は、赤ん坊の授乳はもちろんだが、冷凍できるのなら20年30年、あるいはもっと長期間保存して、子どもが成長してから母親の母乳を飲めるようにしてはどうかと思う。母親の母乳の味を記憶している人は皆無だろうから、これは価値がある。(まずくて飲めたものではないが)

 母乳といえば、モンゴルの馬乳酒はとてもおいしい。癖があるので慣れるまでは飲みづらいが、飲みだすと止まらない。小生は〝処女の酒〟と名付けた。〝騙し水〟とも呼ばれるのは、水はとても貴重で、馬乳酒は水の代わりとして日常的に飲まれているからだという。

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 赤池学・副審査委員長はシンポジウムの総括として、「提供価値を深めること」「凝然と観察すること」「当たり前のことを疑いの目で見ること」「温故知新を新しいものへつなげていくセンスが全てのことに共通する」などと含蓄に富んだ言葉を発した。

 その通りだと思う。小生もメディアの端くれだから、〝疑ってかかれ〟〝右向け左〟を実践している。

 その伝でいえば、キッズデザイン賞そのもののあり方も再検討してもいいのではないか。例えば、この前も書いた内閣総理大臣賞を始めとする大臣賞の冠の是非について。内閣総理大臣賞はスポーツ、ギャンブル、文化などの分野を中心に30~40ある。〇〇大臣賞を含めれば数百あるはずだ。毎日、何らかの大臣賞が授与されていることになる。これって、いったい何の価値があるのか、立ち止まって考えてみる必要があるのではないか。

 もう一つ。益田氏は、「これからはプレゼンを先にやって審査しようと言ったら、主催者はびっくりするだろうから言わないが」と話した。小生は冗談だと受け止めなかった。そうすべきだ。受賞作品の発表・表彰式を実施する前に、候補作のプレゼンを先に行い、消費者やメディアも参加できるようしたら、もっと盛り上がる。コロナ禍によるオンライン方式はそれを可能にした。〇〇大臣賞などのお墨付きより消費者や視聴者の評価のほうが価値ははるかに高いと思うがいかがか。

中央住宅と積水ハウスが奨励賞受賞 第16回キッズデザイン賞36点発表(2022/9/22)

「一般社団法人 日本ウッドデザイン協会」設立 会長に隈研吾氏(2021/12/9)

積水、旭化成、ケイアイスターが受賞/記者にも見る機会を 第15回キッズデザイン賞(2021/9/30)
 

 

 

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「サステナブルセットアップオフィス」(黒い部分のカーペットは従前のものを再利用)

 東京建物は9月29日、退去テナントが残した内装や什器備品を生かし、新たなテナントに提供する「サステナブルセットアップオフィス」が2022年9月20日に完成したと発表。同社が保有・管理するオフィスビル「東京スクエアガーデン」12階に整備したもので、入退去時の手間を削減し、より柔軟なオフィス選びを可能にするのが目的。同様のオフィスは新宿センタービル、J-6ビルでも提供している。メディア向け内覧会を行った。

 オフィスは、2013年3月に竣工した東京メトロ京橋駅直結の中央区京橋三丁目に位置する敷地面積約8,130㎡、24階建て延べ床面積約約117,000㎡の12階部分の525㎡。従前の間仕切り壁の約2割、カーペットの約6割を再利用し、什器備品35点をクリーニングしたうえで再配備した。

 また、社員間のコミュニケーションがとれる空間づくりの一つとしてキッチンを設け、マイボトルやマイカップ、マイ箸などの洗浄、保管を容易にし、サーモス製の真空断熱ケータイマグ(ボトル)を提供することなどで、使い捨て容器の削減を目指す。

 設計・内装デザインは、東京スクエアガーデンと同じく東京都中央区京橋に事務所を構えるディー・サインが担当。植栽は日比谷花壇が施工し、グリーンを多く設けることで緑視率を高めている。

 これによりテナントの退去時の原状回復工事や入居工事の負担を減らすとともに、環境に配慮したオフィスづくりを行っている。

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オフィス内

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キッチン

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入居者に提供されるマイボトル

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 いい取り組みだ。記者は全然知らなかったのだが、2台の「WEB会議BOX」がとてもいい。広さは一人で利用できるくらいしかないが、BOX内は音がほぼ完ぺきに遮断できる。音も漏れることがないので、大声で話しても外に漏れることがない。かなり高価なようで1台100万円くらいするそうだ。

 一つ、いかがなものかと思ったのは日比谷花壇によるフェイクによるグリーン(植栽)だ。緑視率を高めることで癒し効果があるとのことだが、フェイクは逆効果という報告事例もある。記者は、同社が2018年に分譲し、人気になった「Brillia 一番町」で、本物の生け花がいけられていたのを見学取材している。

 最近では、パソナ・パナソニック ビジネスサービス(PBS)のファシリティマネジメント事業の一つ「COMORE BIZ(コモレビズ)」を実装した三菱地所レジデンスのワークプレース「ザ・パークレックス天王洲[the DOCK]」を取材して感動した。コストをかけるだけの価値=生産性の向上が図れると思う。

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「WEB会議BOX」

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オフィス内(天井からぶら下がっているのはフェイクグリーン。1台100万円もする「WEB会議BOX」を2台も設けているのに…)

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「東京スクエアガーデン」

自然と共生するワークスペース「コモレビズ」実装した「ザ・パークレックス天王洲」(2022/7/27)

坪750万円でも好調 「Brillia」最高峰 東建・地所レジ「一番町」 サロンに乃村工藝(2018/4/18)

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「なないろこまち」(右の調整区域内の農地、左の住宅地に挟まれたエリア)

 キッズデザイン協議会は9月28日、「第16回キッズデザイン賞」表彰式・シンポジウムを開催。最優秀賞の「なないろこまち」(黒田潤三アトリエ / なないろレディースクリニック)をはじめとする全優秀賞に賞状を授与するとともに、シンポジウムでは最優秀賞・優秀賞9作品の関係者によるプレゼンテーション、益田文和・審査委員長と赤池学・副審査委員長によるコメントが発表された。

◇        ◆     ◇

 同賞には、住宅・不動産業界からは、中央住宅の「育てることで育む『農』のある暮らし ハナミズキ春日部・藤塚」と、積水ハウス「エルミタージュクール」がそれぞれ奨励賞を受賞したことは紹介したので省略する。記事を参照していただきたい。記者は、表彰式のみ取材して帰ったので、リアルのシンポジウムは参加しなかったが、黒田氏に話を聞き、シンポジウムもアーカイブで視聴した。

 なにが素晴らしかったかといえば、最優秀賞の内閣総理大臣賞を受賞した「なないろこまち」(黒田潤三アトリエ / なないろレディースクリニック)の作品だった。

 作品は、つくばエクスプレス線つくば駅から車で20分のつくば市西大沼の調整区域の農地を転用したもので、敷地面積約9,972㎡、RC造+木造平屋建て(一部2階)延べ床面積約4,432㎡の施設だ。

 子どもが生まれる前に受診する「外来棟」と産んでから静養する「入院棟」からなる産婦人科を中心に小児科棟、ホール、カフェ、託児などの機能を持つコミュニティ棟から構成されている。

 入院棟は、耐火構造にしなくてもよかったが、耐火・耐震性など総合的に判断してRC造としているとのことだ。他は平屋の木造としているのが大きな特徴で、外壁には焼杉を張り、内装材も木調を基本にしている。

 なぜ、1万㎡近くもある敷地にこのようなゆったりした配棟の施設にできたのかといえば、都市計画法市第34条第1号(1号店舗)の適用を受けているからではないかと記者は考えた。市内の地価公示からして、隣接する松代町の住宅地は坪30万円くらいするはずだが、調整区域は10分の1くらいだろう。住宅地であれは土地代だけで約9億円だが、調整区域は1億円以下だ。1号店舗の条項を活用したからこそ実現した施設ということができる。中央住宅「ハナミズキ春日部・藤塚」も調整区域内の開発だった。

 ネーミングがまたいいではないか。「なないろ」は施設と地域を結ぶ虹の架け橋であり、新生児の未来を指し示す希望の光だ。「こまち」は、「子」であり、女の子であれば「小町娘」であり、英語であれば共同、繋ぐ意味を持つ「co」である。

 黒田氏のプレゼンテーションもよかった。「最初に道をつくり、街をつくった」と語った。記者はこの「最初に道をつくった」というフレーズに感動を覚えた。わが国の街並み設計に大きな影響を与えた建築家・宮脇檀の建築・街並み設計手法と同じだったからだ。

 宮脇氏が亡くなったのは24年も昔だ。黒田氏が宮脇氏の設計思想に影響を受けたかどうかは分からないが、赤池氏はシンポジウムで何度も「温故知新」を語った。偶然の一致ということか。

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中央が黒田氏

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益田氏

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 以下は付録だ。同協議会への注文をひとくさり。

 この日(28日)、表彰式の会場となった六本木ヒルズ49階「アカデミーヒルズ49」には主催者、受賞者、メディアなど200名以上集まっていた。10時から主催者の同協議会・坂井和則会長のあいさつに始まり、来賓の経産省、内閣府(少子化対策、男女共同参画担当)、内閣府(消費者担当)、東京都の祝辞・挨拶、同賞審査委員長・益田文和氏の総評、受賞36作品の賞状授与、iFデザインアワード日本オフィスの来賓あいさつが終わるまでの約1時間半、みんな身じろぎもせず聴き入り、しわぶき一つ聞こえなかった。その都度、拍手も湧いた。落ち着きなく左右に揺れていたのは小生一人くらいだったろう(小生は、小中学生のときは45分間の授業時間に我慢がならず、紙飛行機を飛ばしたり、前に座る女の子の髪と椅子をセロテープでくっつけたりしていたずらばかりしていたので、先生に怒られ、いつも廊下に立たされていた)。前日の国葬もそうだったが、なんてわが国の人々は行儀がいいのだろうと感服した。

 しかし、挨拶はみんな、記事にできるような気の利いたフレーズなど一つもなく、意味は分からなくとも美しい祝詞でもなく、枕詞の連呼ばかりだった。いったい総理大臣、経産大臣…などの冠に何の価値があるのか、小生はさっぱり分からない。

 もう一つ。赤池氏はシンポジウムで黒田氏に対し、自らも益田氏も審査委員を務めるウッドデザイン賞への応募を勧め「高い点数が付くはず」と呼び掛けた。記者はこれまでも書いてきたが、キッズデザインとウッドデザインとは極めて親和性が強く、グッドデザイン賞も含めて、世界に通用するユニバーサルデザイン賞(UD)と統合してはどうかと考えている。外国には「キッズデザイン」という概念はないようで、だからこそiFデザインアワードと連携することになったのだろが、日本発の「キッズデザイン」は世界に通用するのか。

中央住宅と積水ハウスが奨励賞受賞 第16回キッズデザイン賞36点発表(2022/9/22)

「一般社団法人 日本ウッドデザイン協会」設立 会長に隈研吾氏(2021/12/9)

積水、旭化成、ケイアイスターが受賞/記者にも見る機会を 第15回キッズデザイン賞(2021/9/30)

 

 大和ハウス工業が福岡市の大濠公園に近い一等地・大濠2丁目で坪単価500万円超のマンション「プレミスト大濠二丁目」を分譲することが分かった。現段階で同社のホームページには公開されていないので、いつ分譲するのか、あるいは公開しないまま販売するのかは分からない。

 物件は、福岡市空港線唐人町駅から徒歩6分、福岡市中央区大濠2丁目121151(地番)の第一種住居地域(建ぺい率60%、容積率200%)に位置する敷地面積約1,951㎡、10階建て全35戸。専有面積は82.33148.03㎡、価格は未定だが、坪単価は500万円を突破する模様。竣工予定は20233月下旬。施工は松尾建設。

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 このマンションについては今年3月、〝単価については触れない〟という条件付きでタカラレーベン「レーベン福岡天神 ONE TOWER」を取材したとき、同社マンション事業部 営業推進事業部 第1営業統括部 第1営業部1課長・松島勇一郎氏が「果たして大和ハウスさんはいくらの値を付けるか」と気にしていた。

 タカラレーベンの坪単価には記者も仰天したのだが、大和ハウスの「プレミスト大濠二丁目」は、同社広報から「坪単価は500万円超」との回答があった。タカラレーベンをはるかにしのぐ。もちろん、九州地方の最高坪単価マンションになる。少なくとも最低価格は1億円を突破し、最高価格は3億円を超える可能性もある。現段階ではホームページに公開されていないので、クローズドのまま販売するのかもしれない。

 この前は、坪単価が700万円超になる隈研吾氏が設計を担当した「プロスタイル札幌 宮の森」の記事を書いたばかりだ。いま地方、とくに札幌を中心とする北海道、福岡、沖縄を中心とする九州が元気だ。都内では、目をそむけたくなるような劣悪な住環境でも〝駅近〟などは坪単価は500万円を突破している。

 それと比べれば、地方の垂涎の的の一等地のマンションが坪500万円超というのは結構なことだと小生は思う。昨年分譲の坪単価650万円の東京建物「ブリリア タワー堂島」から、潮目は完全に変わった。

福岡の最高峰 第1100戸 圧倒的な人気 タカラレーベン50周年「福岡天神」(2022/3/15

隈研吾氏が設計 坪700万円超でも好調スタート プロポライフ「札幌 宮の森」(2022/9/23

〝どう見ても美しい〟大阪の市場を変える 東京建物「堂島」は坪単価650万円(2021/11/25


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国際ビル(左)帝劇ビル

 三菱地所、東宝、出光美術館は9月27日、皇居外苑のお濠と丸の内仲通り双方に面した千代田区丸の内3丁目に位置する三菱地所の「国際ビル」、東宝と出光美術館の「帝劇ビル」を一体的に建て替えると発表した。建て替え後は帝国劇場・出光美術館の再開を予定している。建て替えスケジュールは未定。

 帝劇ビルにある帝国劇場は、1911年に開設されたのち、1966年に建替え竣工した2代目。出光美術館は、出光興産の創業者である出光佐三が70余年の歳月をかけて蒐集した美術品を展示・公開するため開館され、現在、国宝2件・重要文化財57件を含む約1万件のコレクションを有する美術館。

 国際ビルは1966年9月竣工の敷地面積約5,623㎡、9階建て延床面積約76,918㎡。

 帝劇ビルは、1966年9月竣工の敷地面積約3,825㎡、9階建て延床面積約39,419㎡。

 

 野村不動産は927日、東京電力エナジーパートナーが提供する太陽光PPAサービス「エネカリプラス」を同社の戸建て分譲シリーズ「プラウドシーズン」に導入する第1弾「(仮称)杉並宮前プロジェクト」を着工したと発表した。

 PPAは、Power Purchase Agreement(電力販売契約)の略称で、顧客がPPA事業者に敷地や屋根などのスペースを提供し、PPA事業者が太陽光システムなどの発電設備の設置と運用・保守を行うもの。

「エネカリプラス」は、初期費用無料で太陽光発電設備を設置させてもらい、毎月定額で利用できる東電EPの定額機器利用サービス。余剰電力は東電EPへ売電する。

 同社は今後、同様のスキームで年間300戸相当への導入を予定しており、その総発電出力はメガソーラー発電と同規模の1,000kWとなる。

 物件は、JR荻窪駅から徒歩1920分、杉並区宮前3丁目に位置する全16戸。敷地面積は90.00107.89㎡、延床面積は91.50106.06㎡。設計・施工は細田工務店、三菱地所ホーム。

野村不 首都圏戸建て年間約300戸に1,000kWの太陽光発電 購入者の負担はなし(2022/5/19

 

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