フレキシブル住宅市場 現在3~4%⇒2030年には15%へ 三菱地所イベント
左から横手氏、アレックス氏、鈴木氏(日比谷国際ビルで)
三菱地所は10月1日、世界48都市、18,000室の家具付き賃貸住宅サービス事業を展開しているBlueground Holdings Ltd.(ブルーグラウンド)社のCEO兼共同創業者・Alex Chatzieleftheriou(アレックス ハジエレフテウ)氏らを招いて「Blueground Japan開業記念イベント」を開催した。
鈴木氏
イベントの冒頭、三菱地所住宅業務企画部長・鈴木智久氏は同社のフレキシブルリビング事業について説明。2019年にシンガポールのCo-Living(賃貸住宅)事業を展開しているスタートアップ・Hmlet社とJV事業を開始し、2023年11月には、三菱地所100%子会社のFL Japan Holdings(代表取締役:佐々木謙一氏)を設立。2024年10月現在、Hmlet Japan社は東京都心部で51拠点、1028室を運営している。
一方、米国Blueground Holdings Ltd.とは、日本国内での独占的ライセンス契約を締結し、2023年11月に設立した三菱地所の100%子会社Blueground Japan(代表取締役:横手翼氏)が今春から日本市場でのサービスを始動させている。
フレキシブル事業の特徴は、オンラインでの契約・契約期間の変更、申し込みから入居まで数日間、家具・家電・水道光熱費込みのオールインクルーシブル、24時間365日のトラブル対応、多言語によるサポートなど。
ブランド戦略として、Hmletのターゲットは若年層/子一人暮らし/フリーランスなどで、価格帯は20~40万円/月、運営方式はコミュニティ重視、ソーシングは1棟単位の借り上げ・運営。Bluegroundのターゲットはエグゼクティブ/ファミリーで、価格帯は40~100万円/月、運営方式はプライベート重視、ソーシングは1戸当たりの借り上げ。
将来展望として、この2ブランドの展開により2027年度は室数5,000室以上、売上高150億円以上、2030年は室数10,000室以上、売上高300億円以上を目指す。
アレックス氏
続いて登壇したアレックス氏は、創業する前の5年間は世界を飛び回り、ほとんどホテル暮らしで費用が高くストレスもたまることから創業を決断。設立当初は従業員10人、住戸数は100室だったのが、現在では従業員は1,000人以上、世界48都市で18,000室を運営している。2028年には100都市、1000,000室を目指すと語った。
日本市場については、①ホテル滞在は費用が掛かりすぎる②家具付き賃貸物件が少ない③手続きが面倒で時間がかかる④テクノロジーが活用されていないなどの課題を挙げ、「東京はニューヨーク、ロンドンに次ぐ世界トップ3の都市。賃貸住宅はデザインが優れており、メンテナンスが行き届いている。(同社が基準としている)機能が備わっている。まだまだ伸びる。わくわくしている。完璧なパートナー(三菱地所)を獲得できた。事業が成功することを確信している」と語った。同社が独自開発した物件管理プラットホーム-オペレーション-ダイナミックプライシングのテクノロジーで差別化を図るとしている。
横手氏
Blueground Japanの取り組みについては横手氏が説明。外国人から見た言語の壁、貸主側の躊躇、アナログな手続きを解消した世界基準のサービスと日本の不動産ノウハウを掛け合わせて展開しており、現在運営している都心7物件(36室)の平均面積は53㎡、稼働率は56%、年内に100室に拡大すると話した。
この後、Blueground Christos Misailidis氏、Alexandre Devoucoux du Buysson 氏、Hmlet Japan代表取締役兼Blueground Japan取締役・佐々木謙一氏によるトークセッション「フレキシブルリビング事業の現在」が行われた。
各氏は、フレキシブル住宅市場は現在3~4%にとどまっているが、2030年には15%まで拡大すると話した。
左から佐々木氏、アレクサンドル氏、横手氏、アレックス氏、クリストル氏、鈴木氏
家具付きマンション運営会社Blueground Japan社長は野球部の横手氏三菱地所(2024/10/1)
わが国賃貸市場の後進性衝く家具付き「Weave Place」浅草など都内7物目オープン(2023/3/4)
わが国初の全棟「ZEH-M」全戸「ZEH」 駅徒歩3分の1低層 大京「八幡山」
「ザ・ライオンズ世田谷八幡山」
大京とグループの穴吹工務店は10月3日、都心物件のマンションギャラリー「ザ・ライオンズギャラリー新宿」オープン記者発表会を開催し、同ギャラリーを10月5日にオープンし、第一弾として「ザ・ライオンズ世田谷八幡山」の案内を開始すると発表した。物件はわが国初の住棟「ZEH」、全住戸「ZEH」認定で、国土交通省の「サステナブル建築物船頭事業(省CO2先導型)に採択されている。
物件は、京王線八幡山駅から徒歩3分、世田谷区八幡山3丁目の第一種低層住居専用地域(法定建ぺい率50%、容積率100%)に位置する3階建て全52戸。専有面積は43.00~84.31㎡、価格は未定だが、68㎡の3LDKで11,000万円台~(坪単価543万円~)。竣工予定は2025年9月。設計は共同エンジニアリング。施工は穴吹工務店。販売開始は2024年11月中旬。
現地は社宅跡地。閑静な1低層の立地を生かし、建物の断熱性能や省エネ性能の向上、屋上の太陽光発電設備を設置することで、基準一次エネルギー消費量と比べ一次エネルギー消費量を一住戸あたり120%以上削減し、日本で初めて全棟「ZEH-M」と全住戸「ZEH」の両方の基準を満たす。
建物はコの字型で、プランは南向き・東向き・西向き18タイプ。屋上には共用と住戸別の太陽光発電設備を設置。共用部には大型蓄電池、井戸(生活用水)を設置することで、災害時に「電気」「ガス」「水道」全てのライフラインが途絶しても、自宅で1週間以上生活を維持することができる大京独自の防災対策システム、「SONA-L SYSTEM(ソナエルシステム)」を採用。専有部にはそれぞれ蓄電池、「エネファーム」を導入する。
モデル住戸の試算で年間に約167,000 円の光熱費削減を見込む。断熱性能では、冬でも室温18℃以上をキープする。
主な基本性能・設備仕様は住棟「ZEH」全住戸「ZEH」認定、都の「マンション環境性能表示」制度満点の★15個とCASBEE「Sランク」のダブル取得、リビング天井高2500ミリ、Low₋E複層ガラス樹脂サッシ、食洗機など。パッシブデザインも採用する。
これまでの反響件数は約2,000件。地元世田谷区居住者が約3割で、中高域から集客できており、年代は40~60代が中心。パワーカップルが主なターゲット。
大京は2023年4月、同社の分譲マンションブランド「ライオンズマンション」を「THE LIONS」へリブランド。「人生には価値がある」をブランドステートメントに掲げ、モノの豊かさだけでなく、「人生を守り抜く強さ」「誇りを生むデザイン」「地域と地球との調和」「一歩先を行く感性」にフォーカスした「よい暮らし」を提供していく。
ギャラリーでは、都内の販売物件に関する建物模型やコンセプトルームを設け、VR による内覧体験や商談スペースを設置しています。コンセプトルームは、洗練・上質・モダンデザイン・ラウンドデザイン(曲線)をテーマに「THE LIONS」の住まいを表現する。
エントランスラウンジ
◇ ◆ ◇
京王線沿線の1低層マンションでは現在、千歳烏山駅圏の旭化成不動産レジデンス「アトラスシティ千歳烏山グランスイート」が分譲中だが、競合するかどうかはわからない。八幡山は各駅停車だが駅から3分、千歳烏山は特急停車駅だが、こちらは駅から徒歩9分。
「八幡山」は何といって1低層のZEHマンションというのがいい。パワーカップルをターゲットにしているため、専有面積は圧縮気味だが、その分、価格が抑えられている。坪単価は最低で600万円、強気設定なら700万円もあるかと思ったが、そこまではいかない模様だ。ZEHの良さが訴え切れれば早期完売が期待できる。
「ザ・ライオンズギャラリー新宿」
「自分の人生は豊か」8割が回答 世帯年収1,200万円以上のパワーカップル 大京調査
京王線初か1低層の大規模環境性能表示満点の★15個旭化成不レジ他「千歳烏山」(2024/5/24)
代々木上原の一等地〝徳川山〟大京の最上位ブランド「リジェ」全12戸が人気(2024/1/12)
リブランディングのヒントあり「大京ライフスタイルスタジオ」(2023/12/3)
隣接のサカタのタネのメタセコイア圧巻大京のZEH-M「仲町台」販売好調(2020/2/21)
蛍が湧き立つ川に隣接基本性能・仕様レベル高い大京のZEHマンション「長津田」(2020/2/18)
わが国初の大京NearlyZEHマンション坪単価は東急「芦屋」の3分の1(2018/7/29)
家具付きマンション 運営会社Blueground Japan社長は野球部の横手氏 三菱地所
「ザ・パークハビオ 麻布十番」リビングルーム
三菱地所は10月1日、同社100%の子会社Blueground Japan(本社:千代田区大手町、代表取締役:横手翼氏)が運営を開始した家具付き賃貸マンション「ザ・パークハビオ 麻布十番」のメディア向け内覧会を行った。
マンションは、2021年10月に完成した、東京メトロ・都営大江戸線麻布十番駅から徒歩7分、港区六本木6丁目に位置する全106戸。うち6室をBlueground Japanが運営している。ホテルのように身体一つで入居が可能なのが特徴で、ベッド、ソファー、食器類、洗濯、洗面・トイレ備品のほか「柿の種」「コアラのマーチ」のおまけつき。契約は1か月から。家賃は季節変動型で、67㎡で60万円/月(坪単価3万円)が目安。
Blueground Japanは2023年12月設立。世界の約48都市で約18,000室の家具付きアパートCo-Living(賃貸住宅)を展開しているBlueground Holdings Ltd.(ブルーグラウンド)社と日本国内における独占的なライセンス契約により、Blueground事業施設の運営を行う。
三菱地所は2019年からシンガポール拠点のCo-Living運営事業会社Hmlet Pte. Ltd.(ハムレット:現Habyt Pte.Ltd)社と合弁会社・Hmlet Japanを設立し、2023年11月に設立済みの子会社FL Japan Holdingsの傘下であるHmlet JapanとBlueground Japanを運営会社として設立。今後はHmletとBluegroundの2ブランドで展開し、2030年までに10,000室以上の運営を目指す。
「ザ・パークハビオ 麻布十番」
◇ ◆ ◇
外資系会社が運営する家具付き賃貸マンションを見学するのは2度目で、「麻布十番」を見学するのも2度目だった。
素晴らしいマンションのラウンジにBluegroundのロゴが入ったかっこいい2人の男性が現れた。名刺交換したら、逆に横手氏から「地所の野球部」と声を掛けられた。
一瞬、誰かと考えたが、すぐ思い出した。RBAのホームページから「横手」で検索していただきたい。「横手投げ」も含めてだが43件ヒットする。横手氏は三菱地所が昨年、28年ぶりに優勝した時の主力選手の一人だ。
チームを優勝に導いたエース社は現在、米国・ボストン勤務だし、かつての主力選手の一人・明嵐二朗市氏は、今年4月1日付け人事異動で、三菱地所レジデンス常務執行役員経営企画部、人事部、経理部担当兼経営企画部長に就任した。
今年の同社野球チームは、兄弟チームの三菱地所リアルエステートサービスに敗れて予選敗退したが、OBも現役も頑張っている。メタボが多い三井不動産の野球部OBとは異なるようだ。
横手氏
◇ ◆ ◇
「麻布十番」の基本性能・設備仕様レベルは、キッチンカウンターに御影石を採用するなど間違いなく水準以上だ。備品などを確認したらマクスゼン、YAMAZEN、ニトリ、TOTOなどの日本のメーカーの製品ばかりだった。関係者によると、備品などはわが国で調達できるものを備えるそうで、これらのメーカーはたまたまそうなっただけで、他の物件では異なるケースもあるという。
ターゲットは訪日外国人だろうから、ドアの高さが185cmくらいしかないのが気になった。「礼金」は徴収しないのだろう。
ダイニングエリア
ラウンジ
フレキシブル住宅市場 現在3~4%⇒2030年には15%へ 三菱地所イベント(2024/10/4)
わが国賃貸市場の後進性衝く家具付き「Weave Place」浅草など都内7物目オープン(2023/3/4)
三菱地所オフィス家具引取・販売サービス「エコファニ」本格稼働(2022/3/15)
スマホ一つで住設機器・家電など操作・管理三菱地所スマートホームサービス開始(2021/11/4)
東急リバブル 18年ぶり4度目総合V井上投手 RBA史上初 9回ノーヒッター(2024/4/15)
三菱地所28年ぶり優勝社-大河原-柴田ノーヒット・ノーランリレーケンコーポ無念(2023/11/22)
隈研吾氏+高田浩一氏「夢の匠の共演・結集」豪州社と地所レジシドニーで372戸分譲(2019/3/11)
コンセプトは大地に生える二本の大樹 監修は隈研吾氏 三菱地所レジ「武蔵小杉」
「ザ・パークハウス 武蔵小杉タワーズ」
三菱地所レジデンスは9月27日、「ザ・パークハウス 武蔵小杉タワーズ」の記者発表会を開催し、同社代表取締役社長執行役員・宮島正治氏が「ザ・パークハウス」ブランドについて、同社第二開発部開発第一グループマネージャー・原喬弘氏がマンションの概要についてそれぞれ説明。宮島氏、外観デザインを監修した建築家・隈研吾氏と物件レポーターを務める俳優・高橋一生氏によるトークセッションも行われた。発表会にはメディア約60人が参加した。
現地は、武蔵小杉駅北側エリアの日本医科大学武蔵小杉キャンパス跡地で、市の「小杉駅周辺まちづくり推進地域構想」により、教育施設のA地区、医療地区のB地区、住宅のC地区に分かれて整備が行われており、今回の物件はC地区に該当。地域に開かれた「まち一体型複合開発」として整備される。
物件の中央には、地域に開かれ、まちの賑わいの拠点となる芝生の広場「コスギコミュニティパーク」を設け、2棟の間には、地域の人々も通ることができる「コスギプロムナード」を東西に敷設する。緑地率は約30%。建物は免震構造で、ZEH-M Oriented、ABINC認証を取得する予定。
外観デザインは、建築家・隈研吾氏が監修。デザインコンセプトは、ツインタワーを「大地から生える二本の大樹」に見立て、大地に近い低層部には緑とオープンスペースを広く確保し、大地と幹を繋ぐバーク(樹皮)をイメージした斬新なキャノピー(天蓋状の庇)を設ける。ファザードデザインはガラスとバークルーバーを重層的に重ね、上空へ伸びる大樹が大地から空に向かってグラデーションで溶け込むようなイメージで色調が整えられている。
物件の魅力を紹介する特設サイトには、レポーターとして俳優の高橋一生氏を起用。隈氏やプロジェクト開発担当者との対談を紹介する。
物件は、JR南武線・東急東横線武蔵小杉駅から徒歩3~6分、川崎市中原区小杉町1丁目に位置する敷地面積約20,172㎡、50階建て全1,438戸(サウス719 戸、ノース719戸)。専有面積は44.07~136.04㎡、価格は未定。竣工予定はサウスが2027年9月、ノースが2028年5月。設計・施工はフジタ。売主は同社のほか東京建物、東急、東急不動産。2024年9月27日からエントリー受付を開始し、来春にモデルルーム事前内覧会を開催する予定。
主な付帯施設(予定)は、高齢者福祉施設、高齢者住宅、クリニック、保育所、スポーツジム、スーパー、ドラッグストアなど。
宮島氏は、〝一生ものに、住む〟をスローガンに掲げる「ザ・パークハウス」の特徴として①品質②エコロジー=エコノミー③こだわりのカスタマイズ化④安心・安全⑤上質な暮らしを提案する管理からなる「5つのアイズ」を強調した。
隈氏は、「みどりの大地とシームレスにつながるデザインを低層部に施し、存在感のある2本の大樹の理想形を提案できた」と語った。
施設全体完成予想図
コスギプロムナード
エントランスホール(サウス)
エントランスホール(ノース)
フォトセッション(東京會館で)
左から宮島氏、高橋氏、隈氏
◇ ◆ ◇
川崎市の「新総合計画」に基づく約37haの再開発エリアの第一号マンション「THE KOSUGI TOWER」(689戸)が分譲開始されたのは2006年で、坪単価は220万円だった。売主は伊藤忠都市開発・東京建物・ジョイント・コーポレーションの3社。
それから20年近く。これまで供給されたマンションは1万戸(今回の物件を含む)を突破するはずだ。一つの駅圏でこれほど大量のマンションが分譲されたのは近年では武蔵小杉以外にない。記者はほとんどのタワーマンションや商業施設などを取材しており、訪れたのは20回はあるはずだ。
駅南口に林立するタワーマンションに圧倒され、街は好きになれないのだが、今回のマンションは駅北口で、周辺は低中層の建築物も多く、南口とは様相がやや異なる。高橋氏もそのあたりを紹介するのではないか。
さて、価格はいくらになるか。原氏は「未定」としており、モデルルームもないので現時点で予想するのは難しいが、最近の市況と隈氏のプレミアム価格も加味し、坪単価はボトムで550万円とみた。
当たるかどうかは自信はない。記者は、2013年分譲の同社の「ザ・パークハウス グラン 千鳥ヶ淵」の坪単価800万円もズバリ的中させたように、「これまで」の的中率は高いはずだが、ここ1~2年の価格暴騰にはついていけない。常識的に考えたら、この坪550万円だってべらぼうに高い。20坪で1億円超だ。隈氏が監修したタワーマンションは、2015年分譲の三井不動産レジデンシャル「パークコート赤坂檜町ザ タワー」以来ではないか。
物件が竣工する2028年ころには、武蔵小杉再開発の最終章となる、駅徒歩1分の三井不動産レジデンシャル「(仮称)小杉町一丁目計画」8約500戸)の分譲が始まるのではないか。
◇ ◆ ◇
この日駆けつけた報道陣は約60人。最近のマンション見学会では突出した多さだ。しかし、2か月前、吉永小百合さんが登壇した三井不動産レジデンシャルの「パークウェルステイト西麻布」のメディア向けトークセッションには確か200人のメディアが参加した。宮島氏、隈氏、高橋氏が束になってかかっても吉永さんにかなわないということか。
新国立競技場だけでない三井レジ「赤坂檜町」も隈氏デザイン監修圧倒的人気(2015/12/22)
タカラレーベン 今後供給する全マンションをZEH対応に
MIRARTHホールディングスは9月24日、同社グループのタカラレーベンが今後分譲するマンブランド「LEBEN(レーベン)」、都市型コンパクトマンション「NEBEL(ネベル)」シリーズすべてに太陽光パネルを標準設置し、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)対応にすると発表した。
同社はこれまで「レーベン大分駅南LUXES」、「レーベン富山神通本町ONE TOWER」、「レーベン長野中御所THE PEERLESS」などでZEH対応マンションを供給している。
大和ハウス「昭島プロジェクト」第二弾 第一弾より多少高い「多少」はいくらか
「プレミスト昭島 モリパークグラン」
大和ハウス工業は9月20日、3棟・総戸数850戸超のマンション「昭島プロジェクト」のうち、第一弾として昨年9月に販売開始し、今年5月に完売した全481戸の「プレミスト昭島 モリパークレジデンス」竣工内覧会と、第二弾の全277戸の「プレミスト昭島 モリパークグラン」モデルルーム内覧会を行った。
先に紹介した第一弾に続き、第二弾の「プレミスト昭島 モリパークグラン」について。第一弾より駅に2分近い分だけ価格は「多少」高くなりそうだが、設備仕様レベルはほとんど同じで、ターゲットも同じ。第一弾のエントリー数は引き継がれるはずで、こちらも早期完売すると見た。
物件は、JR青梅線昭島駅から徒歩3分、昭島市田中町の近隣商業地域に位置する14階建て全277戸。専有面積は57.67~90.04㎡、価格は未定。販売開始は2024年11が上旬。竣工予定は2026年3月。売主は同社(事業比率70%)のほか京王電鉄(20%)、住友商事(10%)。施工は長谷工コーポレーション。
建物は、第一弾と同じコの字型で、東向き住棟の1階住戸6戸は専用庭から出入りが可能で、大型犬の飼育も可能にする。主な基本性能・設備仕様は、ZEH-M Oriented認定、ディスポーザー、食洗機、ルーバー面格子、浴室タオル掛け2か所など。
同社東京本店マンション事業部販売事務所長・松澤祐輔氏は「来年11月までに完売するのが目標」と語った。
松澤氏
◇ ◆ ◇
物件概要を見て気が付いたことが2つ。1つは、第一弾でも売主になっていた住友商事の事業比率が10%に減り(第一弾は30%)、減った20%分だけ京王電鉄が名を連ねていたことだ。同社は理由を示さなかったが、おそらく京王線沿線で両社が手を組むからだと思う。(住友商事とは福岡の九州大キャンパス跡地で大規模開発を行う)。
もう一つは、工期が第一弾の1年7か月から第2弾は1年11か月と4か月延びていることだ。第一弾は規模が大きく、1層分低いので単純比較はできないが、2024年問題が絡んでいるのは間違いなさそうだ。
モデルルームを見学して、驚いたことが一つ。専有面積が70㎡のベーシックタイプのトイレのドア把手が壁面までセットバックされていたことだ。誰もそんなことに目を向けないが、記者はとても大事なことだと思う。把手は小さな子どもの頭の高さにある。凶器にもなりうる。セットバックを標準仕様にしているのは積水ハウス、コスモスイニシア、フージャースコーポレーションくらいだ。ポラスはほとんどプッシュプルドアにしている。大和ハウスもそうするのかどうかは不明だが、ぜひそうして欲しいし、できないのなら把手の先は丸くするくらいの配慮をすべきだと思う。そのようなきめ細かな提案がユーザーに浸透し、ブランド力を高めることになる。
価格について松澤氏は「未定」としか語らなかったが、先の記事にも書いたように、第一弾の坪252万円から「多少」高い坪280~290万円と見たが、どうだろう(東本氏は「多少」とはグロスで500万円と話したが…)。
トイレドア把手
大和ハウス昭島プロジェクト第一弾歩留まり率27%東本氏の読みズバリ的中(2024/9/21)的中
81.5haの物流「GLP昭島プロジェクト」敷地内に4.5haの樹林地開発に疑問の声も(2024/9/21)
竣工予定の8月を待たず8か月で全481戸完売大和ハウス「プレミスト昭島」(2024/5/28)
わずか2か月で全戸数481戸の6割強の第1期295戸を成約大和ハウス「昭島」(2023/11/19)
〝東京の軽井沢〟レベル高い「来年6月までに完売」あるか大和ハウス「昭島」(2023/5/26)
大和ハウス「昭島プロジェクト」第一弾 歩留まり率27% 東本氏の読みズバリ的中
「プレミスト昭島 モリパークレジデンス」東向き棟(街路樹のイチョウは樹齢100年超か)
大和ハウス工業は9月20日、3棟・総戸数850戸超のマンション「昭島プロジェクト」のうち、第一弾として昨年9月に販売開始し、今年5月に完売した全481戸の「プレミスト昭島 モリパークレジデンス」竣工内覧会と、第二弾の全277戸の「プレミスト昭島 モリパークグラン」モデルルーム内覧会を行った。
まず、「プレミスト昭島 モリパークレジデンス」から。この物件については過去3回記事にしているので、そちらを参照していただきたい。新宿まで約1時間の郊外型の481戸を約10か月で完売したのは快挙だ。反響数は3,867件、モデルルーム来場者は1,762件。坪単価は252万円(第1期は250万円だったはず)。同社の「プレミスト船橋塚田」(571戸)と双璧だ。
契約者の属性は、年代では20代が13%、30代が40%、40代が17%、50代が12%、60代以上が14%となっており、幅広い年代から支持を受けている。居住地は昭島市内が35%と、都内広域から集客・成約できているのが特徴。
取材の目的はただ一つ。昨年の5月に行われたプロジェクト発表会・モデルルーム見学会で、同社東京本店統括マンション事業部東京マンション事業部販売事務所長・東本剛氏が「来年の6月までに完売したい」と語ったことについて、本当に売る自信があったのかを聞くことと、先に行われた「記者レクチャー会<2024年基準地価>」で同社マンション事業本部事業統括部部長・角田卓也氏が「第2弾は駅に近いので第一弾より多少高くなる」と語った「多少」とはいくらかを引き出すことだった。
前者について東本氏は、「私は東京勤務になって10年だが、『昭島』の名前だけは知っていたが、どんな街かは全然知らなかった。地元の方以外もそうだった。しかし、来場していただければ、街の魅力・物件特性を伝えられる自信はあった。課題は、その魅力をどうして広告で表現し伝えるかで、物件ホームページでは『モリパーク』を前面に打ち出した。社内からは『アミューズメント施設の広告ではないか』という反対意見もあったが、押し切った。その結果、エントリー数、来場者数は予想通りに伸びた。サウナは『作ってくれと渾身の力を込めた私の提案』」と語った。
来場者に対する歩留まり率は27.3%に達していることから、東本氏の読みが的中したことを物語っている。さらに、昨年5月にも記事にした東葉高速鉄道村上駅前の〝ちびまる子ちゃん〟マンションは訴求力はあるかを聞きたかったのだが、答えづらいだろうと思い、質問しなかった。
後者について東本氏は、「角田が語った『多少』はよくわからないが、私はグロスで500万円(20坪で坪25万円)なら受け入れられると思う」と話した。
この点について、〝第2弾は坪300万円は無理でしょうが、坪280~290万円くらいになるのでは〟と質したかったのだが、やはり思いとどまった。記者の予想は的中するはずだ。
内覧会では、植栽計画が見事だったのと、1階部分の大半をワーキングラウンジ・キッズルーム、ゲストルームなどの共用施設と、サイクルポート(276台)、トランクルーム(56区画)に充てているのに目を引かれた。
西側から写す
東側のイチョウ並木
1階ラウンジ
東本氏
81.5haの物流「GLP昭島プロジェクト」敷地内に4.5haの樹林地 開発に疑問の声も(2024/9/21)
竣工予定の8月を待たず8か月で全481戸完売 大和ハウス「プレミスト昭島」(2024/5/28)
わずか2か月で全戸数481戸の6割強の第1期295戸を成約 大和ハウス「昭島」(2023/11/19)
日本エスコン 新ブランド第一号「DIAMAS 葉山」17戸完売 反響1,800件 坪820万円
「DIAMAS 葉山」
日本エスコンは9月20日、同社の新たなマンションブランド「DIAMAS(ディアマス)」の第一号「DIAMAS 葉山」17戸が完売したと発表した。一般公開は2戸のみで、坪単価は820万円。3月からの反響数は約1,800件に達した。
「DIAMAS」は、「Le JADE」「Grand Le JADE」に次ぐもので、ダイヤモンドの語源であり「永遠」を意味し、特別な景観・歴史・風格を持つ、格別なロケーションに立地し、日常から解放されたここでしか経験できない時間と空間を提供するというのがコンセプト。
森戸海岸に隣接する希少なロケーション、天然の石と木、海と空を映すガラス素材で仕上げたデザイン、全戸100㎡超の室内に梁や柱が出ない設計、大開口窓を設置することでパノラマビューを実現した開放的な住空間が評価されたとしている。
物件は、京浜急行逗子線逗子・葉山駅から徒歩34分、神奈川県三浦郡葉山町堀内字葉山に位置する3階建て全17戸(一般分譲は2戸)。専有面積は100.72~232.24㎡。2戸の坪単価は820万円。入居予定は2025年7月下旬。
◇ ◆ ◇
森戸海岸に面したマンションはこれまで数件見学している。記者も海好きだが、最高に素晴らしい。反響数は1,800件に達したのも理解できる。面積を100㎡超としたのも人気の要因の一つだと思う。
時短にもつながる洗面・収納の新商品3つ/興味深い新発見3つ 三菱地所レジ
「+Habit(プラス ハビット)」
三菱地所レジデンスは9月19日、赤坂にある同社の水回り商品などを展示している「EYE’S PLUS LAB」で新商品発表会を開催し、お客様の声を商品企画に生かす「EYE’S PLUS(アイズプラス)」新商品として、家事労働の時間短縮にもつながる新・洗面化粧室「+Habit(プラス ハビット)」「充電ステーション」「シューズインクローゼット」を開発し、今後分譲するマンションに採用していくと発表した。
「EYE’S PLUS(アイズプラス)」は2013年に発足したもので、キッチンの作業スペースを広くし、浴室のシャワースライドバーを2本にし、さらにディスポーザー、食洗機、ミストサウナ、開閉両側ソフトクローズ機能付き引き戸などを基本的に標準装備すると画期的な取り組みを発表した。その後、これらの商品企画は〝三菱地所と、次に行こう〟につながっているはずだ。
「+Habit」は、仕分け・整頓/習慣・秩序/時短・効率のサイクルに着目し、洗面化粧室からはじめる新習慣を提案。洗面化粧台下の収納は収納力を高める工夫を凝らし、洗濯カゴを定位置化。三面鏡は奥行を4センチ深くして整理・整頓がらくにできるようしている。洗濯機上にはハンガー・収納を設置する。第一弾として、2024 年10 月5 日(土)に事前案内会を開始する「ザ・パークハウス 板橋本町」に導入する。
「充電ステーション」の「EYE’SPLUS STORAGE CHARGE」として、キッチンカウンター下部にオープン空間を設け、スマートスピーカー、Wi-Fi ルーター、小物の電子機器類、タブレットやノートPCなど大型の電子機器の充電場所として利用できるように工夫している。
「シューズインクローゼット」の「EYE’S PLUS SHOES IN CLOSET」では、可動棚やハンガーを多用、ベビーカーを入れられるようにしている。
発表会で、同社クオリティ業務部長・鴨志田武氏は、「当社グループはこれまで人と街にフォーカスし、マンションも付加価値の高いものを提供してきた。今回の3つの新商品は快適に暮らせる提案の一つで、今後も選ばれ続ける住まい商品を提供していく」と話し、同社クオリティ業務部リーダー・安永理美氏は「家事の主戦場」として洗面所をとらえ、新商品を開発するに至った背景、特徴などを説明した。
三面鏡収納
充電ステーション(記者はこの左側のキャスター付き収納にほれ込んだ。写真は不可とか)
シューズインクローク
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洗面室が「家事の主戦場」と語った安永氏の言葉は、20年以上も家事労働を行っていない記者はよくわからなかったが(主戦場はキッチンではないか)、同業の取材をかなり行ってきたので納得できる部分はたくさんあった。一つひとつコメントしないが、収納でもっとも優れた取り組みを行っているのは、他ではポラス、大成有楽不動産、伊藤忠都市開発だと記者は思う。
それより、大変面白いというか、記者のレベルがわかる、考えさせられた新発見が3つあった。
一つは同業の記者の質問だった。小生は先述したように収納はそこそこ取材しているし、現在もチェックは欠かさないので質問することなど一つもなく、馬鹿な質問をして馬脚を現したくなかったので黙っていた。
すると、ある記者の方が「購入検討者にはお客様の声を反映した商品を選ぶことができるが、(すでにマンションに住んでいる)入居者の声は届かないではないか」と質問した。
えっ…言い得て妙。マンションに限らず、新商品は既存の利用者はそれを買わない限り手に入れることはできない。しかし、デベロッパーに限らず、あらゆるメーカーは消費者の声を商品に反映しなければ生き残れない。三菱地所レジデンスは商品企画にもっとも熱心なデベロッパーだと記者は断言できる。その意味で、この記者の意見・質問は珍妙でもある。
2つ目も別の記者の質問だった。あるゼネコンの名を挙げ、同社に限らず、デベロッパー全てが顧客の声を商品に反映させているかのような質問をした。
この方の質問の意図がいま一つ理解できなかったのだが、これは問題がある。ここ数年、マンション価格が高騰し、合わせてデベロッパーの利益率も改善・向上している一方で、基本性能・設備仕様は正比例(反比例か)して退行している。
この点については、これまで何度も書いてきたので詳細は省くが、少しは参考になりそうなので、同社が2006年に足立区で初めて分譲した「北千住パークハウス」の記事を添付する。記事には「プラン的には、天井高最大2.7メートル、二重床・二重天井、ワイドスパン、ディスポーザー、御影石の玄関床、複層ガラス採用など、間違いなく足立区や伊勢崎線の物件では水準以上だと判断した。坪単価は185万円で相場並みとみた」と書いている。
現在、この仕様レベルを満たしているマンションはどれくらいあるか。100に1つか2つあるかどうかだ。企業は消費者ニーズを無視して事業展開できないのは自明だが、コストダウン・カットのため平気で質を落とす。そうならないようするのが小生も含めた記者の役割だ。いま問われているのはメディア・リテラシーだ。
どうして、このような馬鹿馬鹿しい(失礼)の質問が飛ぶか。それは、マンションに関心がなく、家事労働をしないからだと思う。それを証明するやり取りがあった。新商品について説明した安永氏が、参加していた記者団9人に向かって「家事労働をされている方はいらっしゃいますか」と呼び掛けたところ、頭から滝のように汗を流していた方一人がためらいがちに手を挙げた。「独り身だから…」と
小生はこの20年間、家事労働をほとんどしていないので手を挙げなかったが、10年間〝主夫〟をやったので家事労働がどれほど大変かはよくわかる。記者団のうち2人の女性の方は手を挙げなかったのは、それが当たり前だと思っているのかもしれないが、これはこれで問題。堂々とどうして手を挙げないのか。それとも家事労働は夫任せなのか。家事労働を金額に換算し、税金控除の対象にすべきだと記者は思う)。最近のリンナイの家事労働に関する記事を添付する。
三菱地所レジは三井不レジの軍門に降ったのか 食洗機の位置
3つ目は、食洗機の位置だった。別掲の2013年当時の記事を読んでいただきたい。三菱地所レジデンスは、顧客の声を反映して食洗機はシンクの横に設置すると発表した。その後も、同社のマンションの食洗機はシンクの横に備えられてきたはずだ。
ところが、今回の「EYE’S PLUS LAB」のキッチンの食洗機はシンク下についていた。同社広報によると、「現在はこれが標準」とのことだった。写真を撮ったのだが、「新商品以外は不可」と言われた。
はしなくも「三井不動産レジデンシャルの軍門に降ったのか」と小生は声を荒げてしまった。当時、三井不動産レジデンシャルは食洗機をシンク下に取り付けていたからだ。いまもそうだ。
食洗機はシンクの下か横か、どちらがいいか。当時、記者は「三井×三菱の戦い」とは書いたが、どちらがいいとは書かなかった。それぞれ利点はあるし欠点もある。この記事を読んだら(それぞれ知らないはずの)三菱地所レジデンス宮島社長と、三井不動産レジデンシャル嘉村社長は何を言うか。聞きたいものだ。聞けば、聞こう、聞け。
同床異夢夫も妻も相手の家事労働に不満6割深刻な実態浮き彫りリンナイ調査(2024/9/1)
三菱地所顧客の声を生かす「EYE'S PLUS(アイズプラス)(2013/6/6)
三菱地所の足立区初の「北千住パークハウス」が完売間近(2006/3/10)
平均77㎡で坪単価400万円超 南傾斜利用したバルコニー設置 三菱地所レジ「宮前平」
「ザ・パークハウス 宮前平二丁目」
三菱地所レジデンスは9月13日、駅から徒歩3分の南傾斜に立地する、ZEH仕様で平均77㎡の「ザ・パークハウス 宮前平二丁目」の第1期(54戸)を9月14日から販売開始すると発表した。「トランクルーム付きバルコニー」と「奥行き約2.8m のハーフバルコニー」を設置しているのが特徴の一つ。
物件は、東急田園都市線宮前平駅から徒歩3分、 川崎市宮前区宮前平2丁目の第1種中高層住居専用(建ぺい率70%、容積率200%)に位置する7階建て全154戸。専有面積は59.50~94.19㎡(平均77㎡)、第1期54戸の価格は8,388万円(74.95㎡)~14,288万円(94.19㎡)、最多価格帯は9,400万円台。竣工予定は2025年11月中旬。施工は木内建設。
現地は、同沿線の停車駅で過去10年間に分譲された新築マンションのうち、住居専用地域で駅徒歩3分以内の物件は全体の2.4%(リリース)しかない希少立地で、建物はZEH-M Orientedを取得。
外観デザインは垂直ラインと水平ラインを異なる素材を使用し、「丘×樹×風」の建築コンセプトを石・木・ガラスで表現した3棟構成。
南向きVISTAと戸建街が広がる東向きGLAREの2棟のバルコニーにはトランクルーム付きバルコニーを設置。もう1棟の北向きSERENEは、奥行き約2.8mのハーフバルコニーを設置し、物干し金物はマンションで初めての採用となる取り外し可能な「屋外用ホスクリーン」を採用している。
ハーフバルコニー
トランクルーム付きバルコニー
トランクルーム付きバルコニー
モデルルーム
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上段は、第1期の価格の部分を除き、プレス・リリースをそのままコピペしたものだ。リリースを読んで考えたのは、分譲開始直前にリリースしたのはどうしてか、週刊の業界紙が記事化すれば分譲開始後の週明けのはずなのに、便宜を図らず価格をどうして「未定」としたのかだ。
リリースを発信した意図はよくわかる。沿線の駅から徒歩3分の南傾斜の住居系用途立地はいかに希少であるかを、専有面積を平均77㎡確保し、南下がりを利用したトランクルーム付きバルコニーやハーフバルコニーを設置した商品企画が理解され、全154戸のうち3割超の54戸を供給できるほど人気になっていることをアピールしたいからだろう。
分譲開始1日前なのに、「価格は未定」としたのはやや理解に苦しむ。記者がそのままコピペ記事を書かなかったのは、価格は物件ホームページには記載されているはずで、その価格をチェックしてから書こうと決めたからだ。その通り、価格は翌日の本日(14日)にはきちんと物件概要に記載されていた。
最多価格帯9,400万円台を平均専有面積77㎡で割ると、坪単価は403万円になる。皆さんはこの坪400万円超えをどう判断されるか。渋谷まで約30分圏だ。わが京王線なら聖蹟桜ヶ丘駅だ。同駅圏では駅から3分の野村不動産と京王電鉄のJV「プラウド京王聖蹟桜ヶ丘」134戸が分譲される。坪単価は間違いなく300万円を突破するが、400万円は無理だろう。これが田園都市線との差だ。既存住宅街を走る京王線と異なり、田園都市線は起伏が激しい地形を利用し、駅は低地に、その北側の高台に住宅地を配している。東急の街づくりはさすがというべきか。
それにしても、坪単価が400万円を突破し(渋谷から30分圏の駅近で坪単価400万円はよく理解できる)、77㎡の9,400万円台が売れる田園都市線と三菱地所のブランド力は凄いとシャッポを脱がざるを得ない(尻尾は絶対振らない。京王頑張れ)
見慣れている人ほど評価が高い中規模でも差別化徹底大和ハウス「宮崎台」(2024/8/30)