〝プラチナトライアングル〟立地 設備仕様も水準以上 大和地所レジ「二子玉川」好調
「ヴェレーナグラン二子玉川」
大和地所レジデンスが分譲中の「ヴェレーナグラン二子玉川」モデルルームを見学した。設備仕様レベルはこれまでの同社の物件とほぼ同じで、二子玉川公園へ徒歩2分、二子玉川ライズへも徒歩9分の立地が評価され、分譲開始約3か月で全42戸の約半数が成約済み。
物件は、東急田園都市線・東急大井町線二子玉川駅から徒歩14分、東急大井町線上野毛駅から徒歩10分、世田谷区上野毛二丁目の第一種中高層住居専用地域(建ぺい率40%、容積率200%)に位置する敷地面積約1,729㎡、5階建て全42戸。現在先着順で分譲中の住戸(6戸)の価格は7,998万~12,998万円(最多価格帯8,600万円台)、専有面積は58.48~71.49㎡。坪単価は約530万円。竣工予定は2024年5月上旬。設計・監理はアアル建築計画。施工は風越建設。デザイン監修はインターデザイン・小寺源太郎氏。モデルルームのコーディネートは三井デザインテック。
現地は、約5.2haの二子玉川公園まで徒歩2分、二子玉川ライズまで徒歩9分。敷地形状は四角形に近い菱形で、幅員約6mの東側道路に接道。南側は一戸建て住宅街。住戸プランは南向き24戸、4面開口の独立型東向きが4戸、西向きが4戸。
主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、ディスポーザー、食洗機、リビング天井高2400ミリ、キッチン・洗面・トイレカウンターは天然御影石、またキッチン、洗面、トイレともタッチレス自動水栓、浴槽は、肩も腰も心地よい刺激でリラックスできる肩楽湯&腰楽湯採用、キャセロール付きグリル、メーターモジュール廊下、浴室タオル掛け2か所、ミストサウナ、スロップシンク(1階住戸)など。
6月末にエントリーを開始、7月からモデルルームをオープンし、販売開始は9月。これまでエントリー数は1,300件、モデルルーム来場者は200組、42戸の約半数が成約済み。東急線を中心に広域から集客できているのが特徴。
1階住戸の8戸はオープンエアデッキ・テラス・プライベートガーデン付きで、上層階と価格差はないものの残りは1戸のみ。
モデルルーム
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同社のマンションはたくさん見学しているが、今回も上段に設備仕様レベルを紹介したように水準以上だ。意匠デザインもいい。渋谷-二子玉川-自由が丘を結ぶ三角形の〝プラチナトライアングル〟エリアに立地しているのも人気を呼んでいるのだろう。
坪単価は安いような気もするが、欲をかかないで早期完売を目指す戦略なのだろう。
成約件数は6か月連続増 成約単価・価格とも上昇続く 11月の首都圏中古マンション
東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は12月11日、首都圏の2023年11月の不動産流通市場動向をまとめ発表した。中古マンションは成約件数、成約単価、成約価格とも上昇基調に変化はない。
中古マンションの成約件数は、前年同月比3.7%増の2,900件となり、6か月連続で前年同月を上回った。成約坪単価は同7.6%上昇の247.4万円となり43か月連続、成約家格は同7.1%上昇の4,731万円となり42か月連続それぞれ上昇した。専有面積は同0.4%減少の63.10㎡となった。
中古戸建住宅の成約件数は前年同月比5.8%減の969件、価格は同0.03%上昇の3,816万円、土地面積は同4.4%加の148.36㎡、建物面積は同0.7%増の104.00㎡、価格は同7.1%上昇の4,731万円となった。
ランドスケープ&デザイン、共用施設…最高に素晴らしい 「HARUMI FLAG」板状棟
ASHIYU LOUNGE
最高!wonderful!太棒了!Maximum!Excelente!Genial!Bagus!Wunderbar! ماشاءالل!Complimenti! ที่สุด!Det bästa!офигенно!최고!הכיטוב!(@ノω・`)ノ彡。*†*。あおによし(※)-三井不動産レジデンシャルなど「HARUMI FLAG」分譲街区の売主10社は12月11日、「HARUMI FLAG」第一工区(板状棟)が完成したのに伴うメディア向け竣工披露会を行った。
マスターアーキテクトとして街全体のデザインを統括する光井純氏が「駐車場、電柱は地下化され、地上は緑で覆われている。諸外国のどこの街にも負けないものをつくる」と語った通りだった。外国は中国とモンゴルしか知らないが、これまで40年以上、6,000物件超のマンションを見学しているはずの記者は、これほど素晴らしいランドスケープの物件は見たことがない。
三井不動産レジデンシャル都市開発三部事業室・古谷歩氏は「オリンピック選手村として供用されるため18,000ベッドを用意しなければならないという重荷を背負ったが、民間活力を動員して(ここまでやれる)ノウハウを全世界に示せたと思う。(メディアの)皆さんも小鳥がたくさん飛来していたのをご覧になったでしょう。樹木は全て在来種。まだ全体が完成したわけではないが、(来春から入居が始まる)内覧会に参加されたお客さまにも喜んでいただいている」と感慨深げに語った。
「HARUMI FLAG」は、約13haの土地に5,632戸の分譲住宅・賃貸住宅と商業施設の合計で24棟を建築するほか、保育施設、介護住宅などを整備し、多様なライフスタイルを受け入れる人口約12,000人となる街づくり計画。最終分譲となる総戸数1,455戸の50階建てツインタワー棟「SUN VILLAGE」もわすか5か月で約1,100戸を成約済み。驚異的な売れ行きを見せている。
「HARUMI FLAG」第一工区(板状棟)
「SEA VILLAGEの前庭」
SEA VILLAGE E棟より全景
古谷氏
記者か見た小鳥(何羽も飛び交っていた)
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2018年の記者発表会から5年。ただ同然の用地取得費問題に始まり、新型コロナによるオリンピックの延長、契約者の損害賠償請求…いろいろあるが、街そのものの素晴らしさに記者は言葉を失った。
※は全世界のオリンピック関係者に、光井氏と三井不レジ・古谷氏の思いを伝えたくて書いたのだが、このワードはヒットするのか。
内覧会は、「SEA VILLAGEの前庭」に始まり、最後の25か所目の「NIGIWAI PLAZA&SEASON WALK」まで約2時間。ずっと考えたのは、これほど素晴らしいランドスケープ、度肝を抜く共用施設を備えていたマンションを見たことがあるかだった。
植栽が見事なのは、今回の事業主には入っていない「江古田の杜」を代表とする積水ハウスの一連の物件、三井不レジ「パークシティ浜田山」、三菱地所レジ「泉パークタウン」、野村不動産「MEGURO MARC」「桜上水」、森ビル「麻布台ヒルズ」…などを思い浮かべたが、スケールが問題にならない。最高に素晴らしいマンションであるのは間違いない。書くことなどほとんどない。たくさん写真を添付したので見ていただきたい。(キャプションは明日以降)
少し追加すれば、植えられている約4,500本の樹木は樹高10mくらいに達していたのもさることながら、常緑樹のよくあるシラカシは1本も植えられておらず、赤い実をつけるナナミノキが中心だったことに驚いた。理由は分からないが、古谷氏も話したように小鳥がたくさん飛来することを考えたのか。現場は道路、外構などが工事中であるにも関わらず、名も知らない小鳥のさえずりの声が耳に届いた。
「SORA TERRACE」には、雑草のススキ、ネコジャラシ(の仲間のはず)、名前は知らない〝ひっつき虫〟など雑草が植わっていた。「何もしないからこうなったのか」と聞いたが、もちろんそうではなかった。植栽計画の統括・中野正則氏の繊細で豪胆な思想・哲学を観た。ツワブキがたくさん植えられていたのも目に付いたが、多分、手入れなどしなくても毎年のように冬季に花を咲かせるからだろうと思う。
BIRD FOREST
MINAMO GARDEN
WATER GARDEN
BOOK LOUNGE
PARTY ROOM FOREST
中庭
KODOMO PLAZA
「SORA TERRACE」
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内覧会は何班かに分かれてナビゲーターに導かれて進行した。既視感を覚えた。デザインでも共用施設でもない。そのナビゲーターの方だった。
全ての施設を見学し終えたときだった。「RBA野球大会の記者の方では? 」とそのナビゲーターの方から声を掛けられた。「わたしは江川の息子でして…」-既視感ではなかった。これまで少なくとも1万人超の選手が参加しているRBA野球大会35年の歴史の中でわずか3人しかいない三冠王の一人江川選手と顔だけでなく体つきも瓜二つだ。3Dプリンターから抜け出したのではないかと思ったほどだった。名前もお父さんの三井不動産リアルティ執行役員人事部長(業務サポート室長)・江川尚志氏から「尚」をもらったのか押し付けられたのか「尚輝」とあるではないか。
「尚輝」氏は26歳で江川父の長男。三井不レジの野球部の選手というのも一緒で、弟さんも三井ホームの左投手だという。来年は江川兄と江川弟を三井グループの会社に期間限定でトレードし、野球をやらせていだきたい。親子が同じ会社に就職したのは三菱地所に続いて2例目だ。
ナビゲーターの江川氏
「HARUMI FLAG」タワー棟 第1期573戸 平均15.3倍で即日完売 坪単価421万円(2023/7/18)
ランドスケープ秀逸 坪賃料に納得 「HARUMI FLAG」の賃貸「PORT VILLAGE」公開(2023/10/23)
日曜日定休トライアル 2割のマンション販売センターで実施へ 三井不レジ
﨑山氏(東京ミッドタウン八重洲で)
三井不動産レジデンシャルは11月5日、メディア向け「住まい探しのシン常識」説明会を開催し、分譲マンション・戸建ての販売拠点での日曜日定休トライアルを実施し、顧客満足度の向上だけでなく、同社スタッフの働き方改革にも貢献する多様な商品・サービスを提供すると発表した。説明会で同社取締役執行役員・﨑山隆央氏が話した概略は次の通り。
まず、データから見る社会・同社の現状では、女性の就業者数は年々増加し、2022年の共働き世帯は専業主婦世帯(430万世帯)の約3倍(1,191万世帯)に達し、首都圏マンション契約者における共働き世帯比率は20年前の1.6倍(57.4%)に増加するとともに、契約者の平均世帯年収は15年で1.4倍の1,034万円に上昇している。
一方で、子育て中の共働き世帯の女性の45.3%は「子どもに対しての時間が取れない」悩みごとを抱えており(男性は38.1%)、共働き夫婦の女性の76.4%が「自由な(追われない)時間」を欲しいと願っている。
同社の首都圏マンション契約者の世帯年収は2018年度比126%で、年代では20・30代は51%と過半に上っている(このうち共働き世帯は45%)。
これまでの「住まい探し」は、情報収集からエントリー-来場予約-来場を数回繰り返し-登録申し込みという販売センター対応が中心で、この間の時間的負担は少なくない現状があり(下段で詳報)、この従来型顧客対応には、デジタルネイティブ、タイパ志向、多様性の意識が高いミレニアル・Z世代の価値観とのミスマッチが生じている。
これらの課題に対応するため、同社はウェブセミナー、オンライン個別商談、商談ツール共有などを駆使して、販売センターへの来場階数・時間を削減した。ウェブセミナー参加者の97%から満足度が得られており、バーチャルとリアルを融合させた「三井の住まい 池袋サロン」を新設した。
これからの「住まい探し」は、1回の来場のみで完結する手法に切り替えるため、日曜日定休トライアルを2021年に都心マンション4物件(水曜・日曜定休、第1期販売含む)に、2022年に都心マンション3物件(日曜・月曜定休、第1期除く)にそれぞれ実施。段階的に検証した結果、平日や土曜日にオンライン商談時間を多用することで、顧客満足度は同社全体の顧客満足度と変わらず、契約進捗も概ね計画比を上回った。
同社スタッフを対象としたトライアル実施者アンケートでも、「家族・友人と過ごせる時間が増やせる」(77%)「育児中・介護中の社員に対して有効」(62%)「ワークライフバランスに寄与する」(57%)「営業における働き方の柔軟性が増す」(48%)「多様な人材が活躍できる組織づくりに寄与する(48%)などの好意的なコメントが寄せられた。
﨑山氏は、これらの結果を踏まえ、日曜日定休トライアルを約2割の物件に採用する意向を示した。
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配布された資料には、スタイルポートの2022年8月22日付プレスリリース「モデルルーム見学に関する実態調査」が紹介されており、それによるとマンション購入時に同時にモデルルームを見学する物件は「3~4件」がもっとも多く51.4%で、以下「1~2件」21.6%、「5~6件」12.6%、「7件以上」も11.7%ある。
購入したマンションのモデルルームを見学した回数は「3~4回」が最多の49.5%、以下、「1~2回」が24.4%、「5~6回」が13.5%、「7回以上」が9.9%だ。
1回当たりのモデルルーム見学時間は、「2時間程度」がもっとも多く41.4%、「1時間程度」が35.1%、「30分未満」が10.9%、「3時間程度」が3.6%、「4時間以上」が6.3%となっている。
マンション購入時にたくさん物件を見学し、何度もモデルルームを訪れ、滞在時間も長い人が多いというのは話に聞いていたが、これほど多く長いとは驚いた(小生は3度売買契約の経験があるが、ほとんど一発。年間100~200件見学すると、各デベロッパーの特徴が分かり、物件概要を読むと物件の特徴の6~7割、モデルルーム見学では数分で物件のレベルがわかる)。その時間と経費を夫婦と子ども2人を想定して考えてみた。
時間は、件数(3~4件)×回数(3~4回)×見学時間(2時間)=18~28時間となり、これに自宅からの往復時間を2時間として足すと36~56時間となる。1日8時間労働とすると夫婦で8~14日分に該当する。子どもの遊び・学習時間も考慮すると半月分はモデルルーム見学に費やしていることになる(小生は、契約を済ませ、いざ入居の直前に「お父さん、友だちと別れたくない。引っ越し嫌だ」と子どもに泣かれ手付を放棄したことがある。その後、バブルが発生した)。
経費は、人それぞれだろうが、夫婦で月額100万円とすると約50万円、これに交通費、食事代もかさむから70~80万円といったところか。
これに対するデベロッパーの顧客対応はどうか。〝個人情報をすべて記入しないと見せないぞ〟と言わんばかりの顧客を丸裸にする慇懃無礼なアンケートを強要し、マイナス要素、ネガティブ情報をひた隠し、パンフレットに記載されている〝特長〟しか話さない担当者が圧倒的に多いのではないか。まれに床を突板仕上げにしているのに、その木の名前を知らない。しかも、来場御礼とかいう、価格にオンされるすずめに涙ばかりの商品券を押し付ける…もう何をかいわんや。
物件販売の広告宣伝費は2~3%くらいだろうが、値が値だから億円単位の物件も少なくない。それだけお金を注いでも来場者に対する契約者の割合(歩留まり)は2割あれば御の字という業界だ(かつて日本ランデックのマンションは歩留まり率50%という驚異的な数値を記録したことがある。台風の影響もあり、本当に欲しい人しか申し込まなかったのだが、商品企画が勝利した)。それでもマンションの粗利益率はかなり高いのはご同慶の至りだ。
なせ、マンション購入検討者もデベロッパーもこのような時間とお金を無駄遣いしているのか。購入者にしてみれば、一生に1回か2回の買い物だから慎重になるのは理解できる、問題なのはやはりデベロッパーの対応だ。
その最大の問題点は、肝心要の価格を「未定」とし、なかなか明らかにしないことだ。価格を開示するのはエントリーを受け付けてから数か月間後というのが多数ではないか。
これほど消費者を馬鹿にした行為はないと記者は思う。マンションに限らずあらゆる商品・サービスは価格があるから成り立つ。「価格未定」のまま顧客を誘引しようとする姿勢は改めないといけない。
この「価格未定」については、それを容認する〝評論家〟(その実は広告塔=金の力で評論家を抱き込むデベロッパーにも問題がないとは言えないが)をはじめメディア側にも責任の一端がある。プレスリリースでもメディア向け見学会でも「価格未定」とあればそのまま記事にする。食い下がろうとしない。目は泳いでおり、価格が公表されても価格に見合う価値があるかどうかを判断する目利き力があるとは思えない素人記者が多すぎる。一目瞭然とはこのことを言う。
しかし、まともに消費者に向き合うデベロッパー、物件はないわけではない。2015年分譲の大成有楽不動産「オーベルグランディオ吉祥寺II」がその一つだ。当時は〝新価格〟ラッシュで、各社は予定価格を公表するのにナーバスになっていたが、同社は早々と公開し、早期完売に結び付けている。
最近の事例では三井不動産レジデンシャル「パークタワー西新宿」がある。同社は昨年11月、「オンライン上と実空間を連動させたハイブリッド型マンション販売拠点」の「コンセプトサロン」を開設したが、その際に「パークタワー西新宿」を紹介し、予定価格もプランごとに公開した。大英断だと思った。
「価格に見合う価値」についてもう少し触れたい。価格と専有面積は不可分だし、価格には性能(基本性能・設備仕様・居住性能)が含まれる。だから坪単価が重要であり、天井高、スパン、廊下幅、キッチン天板、床・壁仕上げ、トイレ、浴室、バルコニー、ドアノブ…などをチェックしないといけないのにスルーし、見ても書かない記者が多い…こんなことを書くと天に唾するようだが、〝月を指せば指を認む〟という言葉もある。小生が何を言いたいかを記者の方々も理解していただきたい。
価格暴騰の裏で、最近はコストを抑制するため=利益を確保するため基本性能・設備仕様レベルを落とすデベロッパーが激増している。端的な例が浴室のタオル掛けとトイレだ。小生は最近、浴室のタオル掛けを必ずチェックするようにしている。これまでは2か所ついているのが当たり前だったが、1つどころかまったくつけていない物件も散見する。たかが1つ2万円と見くびってはいけない。100戸の物件だったら200万円だ。タンクレスが主流だったトイレも最近はタンク付きに逆流した。これでも1つ10万円くらいのコストダウンになるはずだ。クロスもいいものと劣るものでは坪1,000円くらいの差があるはずで、専有全体では馬鹿にならない価格になる。
小生がモデルルームのリアルを大事にしているのはこのためだ。オンライン・バーチャルは結構な取り組みだと思うが、デベロッパーには消費者にしっかりと性能について説明していただきたい。
何を書いているのか分からなくなった。このあたりでやめるが、日曜日定休トライアルは大賛成だ。閑古鳥が鳴く販売センターも多いだろうが、〝昼食をとる暇もない〟ほど顧客対応に追われる販売スタッフを救わないといけない。
予定価格を公表したのに好感 「コンセプトサロン」 三井不レジ「西新宿」(2022/11/21)
グロス価格はやや張るが坪単価は〝旧価格〟 大成有楽「吉祥寺Ⅱ」(2015/1/27)
伊藤忠ハウジング 買取再販(リノベマンション)好調 事業の柱の一つへ拡大
「ライオンズマンション渋谷道玄坂」
伊藤忠ハウジングのリノベーションマンション「ライオンズマンション渋谷道玄坂」を見学した。同社が本格的に買取再販事業に参入してから3年が経過するが、都心物件に絞り込んでいる戦略が奏功し、来期は予算を倍増し、将来的には同社の販売事業と共に事業の柱の一つに育てる意向だ。
物件は、JR渋谷駅から徒歩9分・半蔵門線渋谷駅から徒歩7分・京王井の頭線神泉駅から徒歩3分、14階建て全99戸で、竣工は1999年5月。分譲住戸は最上階北西角住戸の専有面積65.33㎡、価格は11,980万円(坪単価605万円)。2023年10月にリフォーム完了済み。
同社流通グループ長補佐兼アセットソリューション部長・杉山準氏は、「買取再販部門のアセットソリューション部を創設してから5年、本格的に事業展開し始めてから3年が経過した。親会社・伊藤忠商事の意向もあり、当社の主力である販売部門と共に事業の柱に育てたい。来期は今期の倍増を予定している。大手の同業他社との競争は避け、仕入れ物件は7,000万円台から1億円台前半の都内23区を中心とする首都圏にターゲットを絞っている。販売も好調で、販売を開始してからほぼ3か月で完売している。この『道玄坂』も近く契約する予定」と語った。
今後分譲するマンションは「雪谷」「池袋」「御殿山」「高田馬場」「三軒茶屋」「浦和」など。
キッチンから写す(左側が西、右側が北方向。眺望が開けているのが特徴。いわゆる嫌悪施設はない)
伊藤忠ハウジング アセットソリューション部 初の大型案件「上十条」販売開始(2019/10/5)
わずか2か月で全戸数481戸の6割強の第1期295戸を成約 大和ハウス「昭島」
「プレミスト昭島 モリパークレジデンス」
大和ハウス工業は11月16日、今年9月から販売を開始した「プレミスト昭島 モリパークレジデンス」(全481戸)の第1期1・2次295戸が2カ月で完売し、第2期1次(76戸)の販売を11月17日から開始したと発表した。
第1期1・2次(295戸)の販売開始は9月9日からで、専有面積は56.57~89.08㎡、価格は3,798万~8,098万円(最多価格帯5,300万円台)、坪単価約250円。11月13日までに完売した。
契約者の属性は、年代は30代が約40%、40代が約20%、50代が約13%、60代以降が約20%。家族数は2人が約45%、3人が約30%、4人が約15%。居住地は東京都内が約90%(うち昭島市内が約40%)。用途は実需が約85%、セカンドハウスが約15%。
評価されたポイントは①昭島駅からフラットで徒歩5分、全長400m超のいちょう並木と、桜並木の二つの歩行者専用通路に面している立地②大型複合商業施設「MORITOWN」やスポーツ施設などが徒歩圏内に集積している住環境③「プライベートサウナ」や「ワーキングラウンジ」「ランドリールーム」「ベジタブルガーデン」などの共用施設。
第2期1次(76戸)の予定価格は3,798万~6,498万円、専有面積は56.57~75.64㎡。受付期間は11月17日~11月19日。
2023年2月に資料請求の受付を開始し、6月3日からオープンしたモデルルーム来場者は約1,200組。
モデルルーム
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同社が報道陣向け内覧会を行ったとき、同社東京本店統括マンション事業部東京マンション事業部販売事務所長・東本剛氏は「来年の6月までに完売したい」と語ったことに対して、「東本さん、頑張れ!」と書いた。
販売開始2か月で全住戸の6割以上を成約したのだから、これは凄い。人気の要因は同社発表の通りだろうが、ゼネコンに丸投げしていたら、このような結果にはならなかったはずだ。記者はタオル掛けが2か所ついていたのに感動した。残り8か月、快挙をやってのけるか。
首都圏中古マンション 成約件数は5カ月連続増 単価、価格上昇継続 東日本レインズ
東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は11月10日、2023年10月度の酒不動産流通市場の動向をまとめ発表。中古マンションの成約件数は3,287件(前年同月比7.0%増)で5カ月連続して前年同月を上回り、坪単価は246万円(同7.4%上昇)で42か月連続して増加、成約価格は4,765万円(同8.4%上昇)で41か月連続して前年同月を上回った。専有面積は63.91㎡(同0.9%増加)となった。
地域別動向では、成約件数は多摩と千葉県以外の地域が前年比で増加し、横浜・川崎市と神奈川県他は2ケタ増となった。成約坪単価はすべての地域が前年比で上昇し、東京都区部は42か月連続、千葉県は39か月連続、横浜・川崎市と多摩は4か月連続で前年同月を上回った
中古戸建ては、成約件数1,220件(同0.7%増)、成約価格3,947万円(同5.9%上昇)、土地面積139.06㎡(同2.5%減少)、建物離面積104.47㎡(同0.5%増加)となった。
城東エリアも坪単価400万円超へ 駅1分×沿線最大 住友不「シティタワー綾瀬」
「シティタワー綾瀬」
住友不動産が先月から分譲を開始した、綾瀬駅前の千代田線沿線のタワーマンションとしては1995年以降、千代田線を最寄りとする、かつ、徒歩1分の単独事業主の物件では、最高峰・最大規模の「シティタワー綾瀬」のモデルルーム同社の総合マンションギャラリー北千住館で見学した。販売担当から約1時間、一般のお客さん向けと同様の丁寧な説明を受けた。これまでこのような詳細な説明を受けたことはないので、デベロッパーは消費者に何をアピールするか、消費者の関心事は何かを知ることができた。
物件は、東京メトロ千代田線綾瀬駅から徒歩1分(50m)、足立区綾瀬三丁目の商業地域(建ぺい率80%=防火地域内の耐火建築物による緩和あり、容積率500%=東京都総合設計制度による割増あり)に位置する敷地面積約3,643㎡、32階建て全422戸。これまで約50戸が成約済み。現在先着順で販売中の住戸(19戸)は17階以上で、専有面積は58.93~74.18㎡、価格は7,600万円~12,800万円(最多価格帯7,600万円・9,900万円)。坪単価は約450万円。完成予定は2025年11月中旬。設計・施工は長谷工コーポレーション。
現地は千代田線綾瀬駅東口から徒歩1分。道路を隔てて西側はイトーヨーカ―ドー、東側は東綾瀬公園と一体的な整備が行われる東口駅前交通広場。
主な基本性能・設備仕様は、都の総合設計制度適用、制震構法、ダブルアウトフレーム、内廊下方式、二重床・二重天井、リビング天井高2650ミリ(一部住戸除く)、ディスポーザー、天然石キッチンカウンタートップ、食洗機、二重サッシ(南向き)など。共用施設はテレワークラウンジ、ハーティルーム、キッズルーム&ペアレンツスペース、ゲストルーム、フィットネスルームなど。モデルルームは約72㎡の2LDK。デザインは白が基調。
また、同じギャラリーで顧客対応している、京成電鉄本線千住大橋駅から徒歩5分の42階建て「シティタワー千住大橋」(462戸)は60戸超が成約見込みで、現在先着順で分譲中の住戸(17戸)の専有面積は54.99~75.68㎡、価格は6,500万~12,800万円(最多価格帯7,300万円)。坪単価は390万円。
単純比較はできないが、2013年分譲の「アクア ヴィスタ」の坪単価は182万円だった。10年間で倍増だ。
エントランスホール(天井高は約7.8m)
モデルルーム
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担当者の説明で〝なるほど〟と感心したのは千代田線の利便性だ。大手町駅へ直通21分もさることながら、始発駅なので10分間くらい待てば座れる(※)ことと、朝7時台~8時台の電車の運行本数は49本(うち始発は9本)で、山手線の36本より多いことだった。
※2023年5月時点、状況によっては変更する場合あり
市場の説明も、これは当然だが怠りなかった。大手町駅を起点とすると、綾瀬は代々木上原、池袋、押上、白金高輪と大手町直通21分以内の始発駅と言う意味では同じだ。価格相場は読者の皆さんもご存じだろうから省略するが、押上を除けばみんな坪単価は500万円をはるかに突破している。綾瀬駅北口ではいよいよ坪400万円超に突入したということか。担当者はまた、足立区は待機児童ゼロで、犯罪率も減少していることなども話した。
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総合設計制度についてはもっと時間を割いてほしかった。
同制度は1970年に創設されたもので、敷地内に一定割合以上の公開空地を設けた建築物の容積率制限や斜線制限、絶対高さ制限を緩和する制度。容積率はおおよそ1.5倍増となる。東京都では、これまで777件の建築物がこの制度により許可されている。
説明する意義は、都の許可件数は激減しており、他方でこの制度の適用を受けた建築物の資産性と大きな関連があるからだ(同様の特定街区、再開発等促進地区計画、高度利用地区、都市再生特別地区などを活用するケースもあるが)。
平成22年に許可要綱が改正され、許可要件が厳しくなったことにより、以前は年間数十件あった許可件数は、ここ10年間はもっとも多い年で11件にとどまっている。制度の許可を受けた共同住宅も減少しており、令和2年度は7件のうち1件、令和3年度は11件のうち6件、令和4年度は5件のうち4件だ。この制度の適用を受けた同社のマンションはデベロッパーのなかでトップクラスのはずだ。
もう一つ、関連することだが、この物件は断熱性、省エネ性、再エネ設備・電気、維持管理・劣化対策、みどりの5項目を★の数(最大で15個)で評価する東京都の「マンション環境性能表示」制度の適用を受けている。★の数は12個だ。「みどり」は★1個なのは商業エリアなのでやむを得ないか。
天井高ももっとアピールすべきではないか。いま供給されている首都圏マンションのうち天井高約2650ミリ以上は2割あるかどうかではないか(以前は4割くらいあったが)。マンション購入検討者は今も昔もいわゆる3K(交通便・価格・環境)、3P(PRICE・PLACE・PLAN)が物件選好の要素だろうが、記者はこれに3S-つまり将来の(S)、資産形成と生活スタイル(S)を見据えた総合設計力(S)が必要だと思う。
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以下は蛇足。モデルルームは北千住駅の近く。取材を終え昼食をとった。牛ホルモン盛り合わせと冷やしトマト、ランチビール2杯で〆て1,474円。安い!コンロの炭は本物で、後の祭りだったが〝火に氷〟の威力も知った。〝住むなら北千住〟だ。
牛ホルモンは、記者の故郷・三重県の松阪市が本場なので小さいころからよく食べたが、大人になっても自分で焼くようなことはしてこなかったので焼き方が分からず、一度に肉をコンロに架けた。すると、だしぬけに火の手が上がり、慌てて肉片を皿に取ったら、表は真黒、裏は生焼け。残りの2片は手遅れ。焦げ付いてはがすことができず、肉が炭化するのを茫然と眺めた。
北千住の飲食型
北千住の飲食街
大成有楽不動産が変わる 「OBER(オーベル)」リブランディングを具現化(2014/1/21)
駅近で坪182万円 23区で希少の低単価「アクア ヴィスタ」(2013/10/1)
息をのむ自然共生・歴史継承の取り組み 三菱地所レジ「板橋大山 大楠ノ杜」完成
中庭「翠園」から望む「ザ・パークハウス 板橋大山 大楠ノ杜」
三菱地所レジデンスは11月13日、板橋区大山町の邸宅跡地マンション「ザ・パークハウス 板橋大山 大楠ノ杜」が竣工したのに伴うメディア向け内覧会を行った。敷地内に植わっていたクス(楠)の巨木やソメイヨシノをそのまま残した中庭をはじめ、築100年の母屋や蔵、井戸などの一部を再現した共用部に息を飲み、声を失った。同社の矜持をみた。
物件は、東武東上線大山駅から徒歩7分、板橋区大山町に位置する14階建て全187戸(分譲は185戸)。専有面積は57.76~117.62㎡。価格は5,698万~15,990万円、坪単価350万円。竣工は2023年9月22日。売主は同社のほか三菱倉庫。施工は東亜建設工業。販売開始時期2021は年11月で、ほぼ1年間で完売。総問い合わせ件数は4,230件、総来場件数は1,290件。いきもの共生事業推進協議会(略称ABINC)の第3回ABINC賞「優秀賞」を受賞している。
購入者の属性は、居住地は板橋区29.3%、豊島区10.3%、練馬区6.0%など。年齢層は30代41.9%、40代20.1%、20代14.1%、50代12.5%など。評価された点は①「再開発に対する資産性」「大山駅徒歩7分」「池袋3駅5分」など②中庭やジャグジー付ゲストルーム、地下駐車場、蔵など。
最大の特徴は、同社の生物多様性の保全の取り組み「BIO NET INITIATIVE(ビオネット・イニシアチブ)」を導入し、敷地の約2割に当たる1,000㎡超の中庭「翠園」を設置していること。「翠園」には、小川を設け、敷地内にあった樹齢約90年、樹高10m超のクスの巨木2本や※ソメイヨシノ(樹高12m)をそのまま残し、カキ、ヤエザクラなども移植している。
※ソメイヨシノは2019年5月に行った樹木の精密診断の結果、根元に腐朽が見られたことから、接ぎ木から苗木をつくり、敷地内への植栽を行うことにしている。
もう一つは、歴史の継承。巨木を残すこともそうだが、中庭に面して配置されている約30畳大のコモンハウス「和」は、築100年超の母屋の破れ障子や桐ダンスなどの家具、床・柱・壁材、欄間、天井板などを活用・リデザインしている。
約10坪のマルチルーム「蔵」は、既存の房州石を外観に残し、多目的空間として利用できるよう防音工事を施し、プロジェクターやWi-Fiを完備している。室内の壁はスギの浮造り仕上げ。
このほか、約130㎡の1階のゲストルーム「泉」は、庭園を眺めながら入浴できる大型ジャグジーバス付とするなど大胆な提案を行っている。
内覧会に臨んだ同社プロジェクト開発部長・亀田正人氏は「当社のフラッグシップといえる物件。これまでのノウハウを最大限注ぎ込み、自然との共生を実験し、SDGsにも貢献した」と語った。
施工を担当した東亜建設の技術者らしい方も「難しい部分が多かった分だけやりがいのあるプロジェクトだった」と話した。
中庭「翠園」から望む「ザ・パークハウス 板橋大山 大楠ノ杜」
小川
既存樹のクスノキ
クスノキ
コモンルーム
ゲストルーム
ジャグジーバス
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分譲開始時の記事を参照していただきたい。見出しに「ランドスケープ抜群」と書いたが、この種のマンションは珍しくはない。記憶に残っているものを列挙すると、同社物件では樹高約23mのケヤキなど40本以上の既存樹を保存した国分寺崖線エリアの「ザ・パークハウス二子玉川ガーデン」があり、徳川邸跡地に植わっていた松を避けるよう配棟したプロパスト「レゾンデパン大磯」、屋上に公園を再現した旧同潤会アパート建て替えの旭化成ホームズ「アトラス江戸川アパートメント」、既存樹約100本を残し「里山」を再現した積水ハウス「グランドメゾン狛江」、樹齢100年超のユリノキをエントランスに配した積水ハウス「江古田の杜プロジェクト」(同社の「東京テラス」「玉川上水」「杉並」「伊勢山」なども素晴らしい)、駐車場を地下化した三井不動産レジデンシャルの最高峰「パークシティ浜田山」…がある。
分譲戸建てでは、江戸末期に建てられた蔵を残したポラス「ことのは 越ヶ谷」、オフィスなどの複合施設では、旧九段会館の一部を保存した東急不動産・鹿島建設「九段会館テラス(KUDAN-KAIKAN TERRACE)」が記憶に新しい。
しかし、敷地規模、単価(記者は納得したが)からして、列挙した物件レベルになるとは全然考えていなかった。完全に読み違えた。同社と読者のみなさんに謝るほかない。亀田氏が話した通りだ。
中庭も素晴らしいが、130㎡のゲストルーム「泉」にも驚いた。この広さと設備仕様レベルから判断して1泊3万円の価値があるはずだ。無料(1家族3連泊まで)とのことなので、1家族につき年間2日は利用できる計算だ。ジャグジーバスは覗かれる心配はないとみたが…(東武東上線池袋駅の階段ステップには「盗撮される貴方、みんなが見ていますよ」とあった。ドキリとし、階段を踏み外しそうになった)
マルチルーム「蔵」蔵
天然スギの浮造り壁(床はシート貼り)
エントランスホール
旧九段会館を保存・復原 最新鋭のオフィスとの融合 東急不・鹿島「九段会館テラス」(2022/9/9)
反響3000件超 ランドスケープ抜群 三菱地所レジ他「板橋大山 楠ノ杜」(2021/12/11)
緑の質量に圧倒 エントランスに樹齢100年巨木「江古田の杜」街びらきに千数百人(2018/9/23)
ポラス 蔵のある街づくりプロジェクト「ことのは 越ヶ谷」蔵の補修が完了(2015/8/6)
里山を見るような見事な植栽 積水ハウス「グランドメゾン狛江」竣工(2013/9/21)
全戸全居室に無垢材フローリング&ZEH認定 三菱地所レジ「上野毛テラス」
「ザ・パークハウス 上野毛テラス」
三菱地所レジデンスは11月10日、同社初の全戸に天然無垢フローリングを採用した物件で、ZEH Oriented、低炭素建築物認定を受けた「ザ・パークハウス 上野毛テラス」の建物内モデルルーム見学会を11月18日(土)から開始すると発表した。10日、報道陣向け完成内覧会を行った。
物件は、東急大井町線上野毛駅から徒歩8分、世田谷区中町4丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率50%、容積率100%)・第一種住居地域(同60%、同200%)に位置する5階建て全29戸。専有面積は38.70~84.64㎡、価格は未定だが38㎡台で6,000万円台(坪600万円台)、52㎡で8,000万円台(同500万円台)、84㎡で17,000万円台(同600万円台)の予定。販売開始は2024年2月上旬の予定。建物は2023年10月完成済み。引渡予定は2024年5月上旬。施工は木内建設。デザイン監修はスターテック一級建築士事務所。
現地は、閑静な住宅街の一角。敷地西側に幅員15.62m、南側に幅員6.23mの道路にそれぞれ接道。西側道路を挟んだ対面は公園。建物は内廊下方式を採用、住戸プランは南西向きが20戸、北西向きが9戸。
全戸に玄関・洗面所・トイレを除く全居室に厚さ15ミリのチーク材天然無垢フローリングを採用しているほか、螺旋階段付きルーフテラス住戸(4戸)を提案しているのが特徴で、主な基本性能・設備仕様は二重床・二重天井、リビング天井高2500ミリ、食洗機、浴室タオル掛け2か所、Low-Eガラス、キッチンバックカウンター・収納、全戸防災倉庫付きなど。
8月に物件ホームページを開設してからこれまで1,300件超のエントリーがあり、11月18日からの予約制物件案内会は12月まで満席。世田谷区居住者中心だが、目黒区、品川区、大田区や東急線沿線に住む川崎や横浜からの反響もあるという。
内覧会で同社開発二部開発第三グループ グループマネージャー・布田求氏は、「当社のZEH Oriented認定としては都内で最初に竣工する物件だが、国分寺崖線上に立地する特性を生かし、当社初の全戸無垢材フローリングを採用したほか、螺旋階段付きルーフテラス付き、ワイドスパン、専用庭付きなど自然素材や自然環境の心地よさを感じていただける物件にした」などと商品企画意図について語った。
モデルルーム
無垢材フローリング
ルーフテラス
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記者は天然無垢のフローリングを採用したマンションをこれまで何度も見学している。直近では、三菱地所ホームの「KIGOCOCHI(キゴコチ)」ショールームを見学したばかりだし、最近では「サンウッド青山」、少し前では「グランド ミッド タワーズ大宮」があり、40年前にさかのぼると床も袖壁も厚さ20ミリの無垢材を用いた松戸市の賃貸マンションを思い出す。
思い出といえば、現地に着いたとき既視感を覚えた。既視感ではなかった。現地の対面に建っている三井不動産レジデンシャル「パーク・ハイム上野毛」(71戸)と、近接する日本ランデッィク「上野毛コートハウス」(198戸)は約40年前分譲されたマンションで、見学取材している。惚れ込んだ物件で、当時、圧倒的な人気を呼んだ。現地取材は、過去の記憶を呼び覚ませてくれる楽しみもある。
今回のマンション見学で、もっとも驚いたのは無垢材フローリングだった。モデルルームに入った途端、歓声を上げた。素晴らしい。この一語に尽きる。木は何度見てもいい。素足で歩きたくなったほどだ。本物の木のよさなど改めて書くまでもない。同社は、お客さまの反応をみながら今後採用するかどうか決めるとしているが、いい反応が得られるはずだ。
マンション購入検討者にも一言。デベロッパーは、無垢材は傷がつきやすいとか、反りが生じるとか難癖をつけ、なんとか安く仕上げて高く売ろうと姑息な手段をとるところが圧倒的に多いが、そんなデマゴーグに惑わされてはいけない。皆さんがマンションの歴史を変えるかもしれない。そんな可能性を秘めた物件だ。
記者の希望としては、床は国産材でもいいから、いっそやるなら洗面、トイレなどの水周り、さらには腰壁、巾木に至るまで本物の木を使っていただきたい。
物のついで。メディアにも一言。昨日は野村不動産グループの記者懇と三菱地所の本社ワークスペース見学会が行われた。両方で100人くらいの記者の方が駆けつけていたはずだ。そして今日。見学者は小生を含めて6人だった。野村・新井社長はなんと話したか。「皆さんは大事なステークホルダー。ご質問もありがたいが、有益な意見交換の場にしたい」と。プレス・リリースをコピペして記事にしていては、いつまでたっても意見など交わせない。
取材分担・分野を問わず、デベロッパーやハウスメーカーが声を掛けてくれる見学会は最優先して出席すべきだ。そうでないと、そのうちにAIに職を奪われる。小生は自慢などしたくないが、この種の見学会の誘いを断ったことはほとんどない。(きついことを書くからか、声を掛けてくれない会社があるが、これは名誉だと思っている)
現地(対面の公園から写す)
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