延床10坪(35㎡)のワンルーム賃貸 23区限定で10棟販売開始 大東建託
大東建託は8月26日、都心部の狭小敷地の有効活用と単身世帯のニーズに応えるコンパクトワンルーム商品「Raffan(ラファン)」を9月1日から東京23区エリアを対象に10棟限定で販売開始すると発表。Raffanの販売状況や入居者の反応を踏まえ、さらなる商品展開の可能性を検討する。
1階は14.58㎡で、洗面一体型のサニタリーキッチンとシャワーユニットを採用、2階は20.15㎡に3.9帖のロフト付き。
新商品は、木造2×4工法2階建て。1階は14.58㎡、2階は20.15㎡+ロフト。販売開始は2025年9月1日。販売エリアは東京23区(山手線内および都区内の主要駅徒歩5分圏内。販売棟数は10棟。
全国初か 提供公園に果樹・ハーブ植え地域交流拠点に ポラス 産学民連携の「北本」
「KITAMOTO SIGNATURE EDIBLE LANDSCAPE」完成予想図
ポラスグループ中央住宅は8月8日、早稲田大学と地域自治会との産学民連携による「エディブルランドスケープ(食べられる景観)」をコンセプトにした埼玉県北本市の分譲戸建て「KITAMOTO SIGNATURE EDIBLE LANDSCAPE」(全22戸)のメディア向け見学会を行った。当日は、プロジェクトに参加している早大リサーチ・イノベーション・センターの岡村竹史上級研究員、同社戸建分譲設計本部設計一部営業企画設計課課長・山下隆史氏、北本市本町3丁目自治会会長・花形俊夫氏、合同会社暮らしの編集室・江澤雄介氏、伊藤ファーム・伊藤和雅子氏、同社戸建分譲さいたま事業部部長・髙橋明氏がそれぞれの思いを語った。
物件は、JR高崎線北本駅から徒歩13分、北本市本町3丁目の第一種低層住居専用地域・第一種住居地域(建ぺい率50%・80%、容積率60%・200%)に位置する全22戸。第1期1次10戸(うち3戸は契約済み)の土地面積は125.52~136.93㎡、建物面積は97.50~104.34㎡、価格は4,590万~5,190万円。完成予定は2025年9月22日。構造は木造2階建(在来工法)。施工はポラテック。
早大との連携は、小規模分譲地をエリアのあちこちに「編み込み、つなぐ」ことで、分譲地自体だけでなく、エリア全体の価値向上を目指す「Interknitted Town」構想に基づくプロジェクト。分譲地の住民と地域の人々が一体となったコミュニティ醸成により、人々のパブリックライフを豊かにしていく試み。
外構には実のなる樹木を植たり、全住戸に家庭菜園となるポタジェ(1.8m×0.6m)を設けることなどで果樹を育て、収穫して食べるエディブルな暮らしを提案する。
また、分譲地内中央に長さ約50mの「PATH」(フットパス)をつくり、40坪の提供公園「PLAZA」とつなぎ、公園には食べられる樹木、約10種のバーブ類や食べられる花を植える。
さらに、分譲地に隣接する約30坪の空き地になっている市有地を「AMU(編む)」として、新旧の居住者が交流できる場として整備する。
見学会の冒頭、岡村氏は「2020年度からプロジェクトをスタートさせた。研究を進める中で、郊外街づくりビジョンとして『Interknitted Town』構想を取りまとめた。相互に(Inter)編む(knitted)という意味で、これまでは大規模開発で街づくりを行ってきたが、これからは既成の市街地の中に小さな分譲地を埋め込んでいくことが大事で、単に埋め込むだけでなく地域の資源、不足する機能を足し、ステークホルダーを巻き込んで編み込み、地域全体の価値向上、住環境を向上させていくことが重要と考えている。
ライバルとしてトヨタの『WOVEN CITY(ウーブン・シティ)』構想があるが、『WOVEN』は豊田織機、つまり織物。我々の構想は、手作りならではの温かさ、柔軟性があって身体にフィットしやすい、解きほぐして修正ができる、再利用できるアナロジーを込めた。理論だけでなく、社会実証化したいと考えていたとき、ポラスさんから提案があって協議をして今日に至った。公園を地域に開く、近隣にある空地も巻き込み、ステークホルダーと一緒にやっていこうという『Interknitted』を体現できるいい事例だと思う。空間的にも社会的にも関係性をデザインしていくことが重要で、理論と実践のキャッチボールをしながら構想をアップデートしていく」と述べた。
続いて登壇した山下氏は「これまでのやり方を超越した分譲地をつくりたいという思いで、スタートさせた。当社初の取り組みだが、全国でも初めてかもしれない。トピックは3つあり、1つ目はEdible(食べられる)を植栽すること、2つ目は公園と道路をつなぐフット・パスをつくったこと、3つめは分譲地に隣接する空き地を取り込んだこと。暮らしの編集室さんと伊藤ファームさんと一緒に今後2年間、様々なイベントを行いコミュニティの醸成をサポートしていく」と話した。
花形氏は「私は半世紀前、20坪の分譲地を購入した。今回新たな分譲地ができることに感慨深いものがある。自治会の加入率は57%だが、新しい住民の方々と一緒になって盛り上げていきたい。かつては我々が花植えをしていた、今は空き地になっている市有地も再利用して街づくりに力を入れていく」と語った。
地元居住者で様々な地域貢献・街づくり活動を行っている江澤氏は「様々な活動をしてきて、地域に対する愛着とか感覚は全く違っていることを常々感じている。今回のAMUの新しい取り組みによって共通言語が生まれることを期待している」と語った。
長野県出身で結婚してから地元に住み、4~5町歩(約4~5ha)の農地で年間150種の野菜を生産している伊藤氏は「暮らしの編集室さんとイベントを一緒に行っていますが、農業体験やイベントを通じ、もともと暮らしている方と新しい住民の方がつながることにお手伝いできることがすごくうれしい」と語り、獲れたての野菜を披露・プレゼントした。
高橋氏は、北極星の意味を持つ「POLUS」をグループの社名にし、地域密着の事業を堅持している同社にとって「北本は『最北端』ではあるが、豊かな自然を生かした街づくりに皆さんの共感を得られたことに心が熱くなった」と締めくくった。
フットパス
フットパス
提供公園「PLAZA」
ハーブ類がたくさん植えられている提供公園「PLAZA」
市有地の空き地(手前はトライアとして栽培されているサツマイモ)
ポタジェ
左から高橋氏、岡村氏、花形氏、江澤氏、伊藤氏、山下氏
◇ ◆ ◇
北本駅から現地まで徒歩13分。記者は人の倍かかるので、タクシーで駆けつけることにした。駅に着いたのは13:20分。見学会開始の13:30分は楽勝だと思ったのがいけなかった。待ち時間を計算しなかったのがいけなかった。20分以上待たされた。会場に着いたときは、関係者のスピーチは半分以上済んでいた。上段の記事は各氏のスピーチは同社から送ってもらったテープを起こしたものだ。
以下の文章は、配布資料を全く読み込んでおらず、各氏のスピーチも聞いていない段階で、いきなり提供公園(PLAZA)に案内されたときの率直な感想を交えたものだ。驚きが伝えられているのではないか。
酷暑・猛暑の中、どうしてどこにでもある、しかもそんなに広くもない提供公園を見なければならないのかと思ったが、関係者の話を聞くうちに、これは凄い取り組みになると確信した。
提供公園-ほとんどすべての開発行為には提供公園を設置することが義務付けられている。開発行為の数だけ提供公園があるはずだ。
提供公園は「都市公園」の扱いを受ける。公園を占用する場合や公園内での物販、イベントを行なう場合は許可が必要だ。さらにまた、「何人も、みだりに…①都市公園を損傷し、又は汚損すること②竹木を伐採し、又は植物を採取すること③土石、竹木等の物件を堆積すること」は禁止されている(都市公園法11条)。可能なのは落ち葉や銀杏などを拾うことくらいしかない(いま話題になっている神宮外苑は都市公園ではなく「都市計画公園」であることに要注意。そして、事業者が整備するのは公園ではなく「広場」)。
ところが、今回の「PLAZA」は果実が食べられる樹木のほか10種くらいのハーブ・花を植え、地域の人も含めて収穫し、イベントなどを行っていくという。法令に照らし合わせればありえないことだ。「AMU」は公園ではないから、少し違うかもしれない。地域住民の自主的な自治活動を支援するために市有地を地域に開放し、野菜の栽培などを許可する大義名分はありそうな気がする。
いずれにしろ、全国の自治体は事業者から提供される、ほとんど利用者がいない「提供公園」の維持・管理に頭を悩ましている。今回の取り組みはその難問解決に一筋の光を灯すことになるかもしれない。
モデルハウス
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岡村氏は「メディアの皆さんに対する留意事項なのですが、大学のスタンス・リーガルチェックとして、消費者の購買意欲を刺激するようなものに大学の名前を使ってはいけないと言われている。私どもが商品にお墨付きを与えるようなイメージでPRはしないで頂きたい」とも語った-このことについては深入りしないが、企業の思惑はともかく、大学の先生方もメディアも単なるプロパガンダ、〝広告塔〟になってはいけないという警句だ。
伊藤氏が披露した獲れたて野菜(オクラ、ニンニク、キュウリ、白ナス、ナス、トマト、タマネギ、宿儺カボチャ、オカワカメ、コマツナ、ピーマン、トウガラシ、カボス、ゴーヤ、エダマメ…)
伊藤氏から頂いた冷凍焼き芋と日光トウガラシ(トウガラシは昔懐かしい本物のトウガラシ。普通のスーパーにはまず並ぶことはない。少し口に含んだだけで数分間は後を引く。カレー、ぺぺロンチーノなどに欠かせない)
「街のシンボルになる」来場者公園との垣根なくしたフージャース「つくば」に感動(2021/4/28)
長野市の公園問題制度疲労の法、希薄な人間関係、報道姿勢…社会課題を露呈(2022/12/13)
相模原市初の「児童公園(街区公園)以外の提供公園第1号」トーセイ「相模原」(2020/8/7)
考えさせられる全館空調に関する旭化成ホームズと三菱地所ホームのリリース
「論より証拠のエアロテック」
住友不動産を中心とする既存住宅の「断熱・省エネリフォーム推進タスクフォース」発足式が7月30日に行われたその日に旭化成ホームズが、その翌日に三菱地所ホームがそれぞれ「全館空調」に関するプレス・リリースを発表した。住友不動産のイベントを意識したわけではないだろうが、それぞれ紹介する。
◇ ◆ ◇
7月30日付の旭化成ホームズのリリースは、「全館空調採用者と非採用者の住環境意識・満足度調査」結果を報告したもの。対象となったのは、首都圏在住の30-79歳、10年以内に戸建を新築した人297人(全館空調採用者97人、全館空調非採用者200人)。
調査結果によると、全館空調を採用した理由の第1位は「家中が1年中快適な温度に保たれるから」が51.5%、「清潔な空気環境を確保できるから」が38.1%、「各部屋の温度差が少ないから」が35.1%だった。
一方で、全館空調を採用しなかった理由の第1位は「設置費用が高いから」が49.0%、「光熱費が高いから」が37.0%、「メンテナンスが大変だから」が31.5%だった。
採用者の住まいの満足度は約95%、温熱環境への満足度は約80%と非常に高い数値を示し、温熱環境満足度の差が大きいのは「玄関」「洗面所・脱衣室」「廊下」で、非採用者と30ポイント以上の顕著な差が出た。
現在の住まいの全体的な満足度では、「非常に満足している」と回答した採用者は40.2%、非採用者は16.5%だった。「やや満足している」と回答した採用者は39.2%、非採用者は52.5%だった。「どちらともいえない」「あまり満足していない」「まったく満足していない」と回答した採用者は20.7%、非採用者は31.0%だった。
また、採用者に対する「光熱費が抑えられる」「乾燥しにくい」といった質問に対して、「あてはまらない」「まったくあてはまらない」は18.6%、「乾燥しない」は16.4%となり、全館空調の課題として認識されているとしている。
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7月31日付の三菱地所ホームのリリースは、同社の全館空調システム「エアロテック」を利用している顧客の声の紹介と、それを裏付ける実測データを紹介するWEBコンテンツ「論より証拠のエアロテック」に関するもの。
「論より証拠のエアロテック」のWEBページでは、約10項目(室内温度、粉塵、冷房除湿、冷暖房費、臭気、換気、気流、睡眠、故障のしにくさ、その他)の価値について利用者の声を紹介し、それを裏づける最新の実測データ(エビデンス)を年4回にわたり公開していくとしている。
また、利用者の自宅に設置したセンサーにより、室内の温湿度をリアルタイムで可視化するコンテンツを9月に公開する。
同社は、1995年に「エアロテック」を開発し、現在は同社の新築注文住宅のエアロテック採用率は97.3%に達しているとしている。
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この2社のリリースが明らかにしているのは、全館空調に対する満足度が極めて高いことと同時に、採用者と非採用者の割合はほぼ1:2に留まっていることだ。
「断熱・省エネリフォーム推進タスクフォース」の発足式でも、断熱・省エネ窓は「消費者への情報発信や普及が不足しており、認知度が高くない実情」が指摘された。全館空地用もその良さは理解されているのに、採用者は3人に1人の割合だ。
断熱窓も全館空調も、全体の建築コストに占める割合は最大で10%に満たないはずだが、この壁を乗り越えるためには、その快適性をわかりやすく説明するほかない。
それともう一つ考えないといけないのは、自らの思い通りに建てられるはずの戸建てオーナーは、現在の住まいに対して「どちらともいえない」「あまり満足していない」「まったく満足していない」と回答した非採用者は31.0%、採用者も20.7%いるということだ。
人間の欲望は尽きないし、より優れた家を建てようと考えるから戸建て市場も成り立つのだろうが、非採用者の実に3割以上が築10年もたたないのに満足できないのは悲しむべきだ。
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住まいの快適性は、基本的には広さ-記者は4人家族で30坪(100㎡)が標準だと思う-のほか耐震性・耐火性・断熱性・省エネ性などの基本性能に通風・採光、遮音、ユニバーサルデザイン、天井高、家事動線、空気環境、緑環境…たくさんあり、何を重視するかで人それぞれだろうが、これらを総合的に評価し、費用対効果も含めて可視化(金額換算)できないかをずっと考えている。
そこで、このことをChatに質問した。Chatは、快適性の各要素(断熱性、通風性、家事動線など)を項目ごとにスコア化し、QOL(身体的、精神的、社会的、文化的に満足できる豊かな生活)とLCC(建物の企画・設計から建設、運用、維持管理、解体・廃棄までの全体にかかる費用)を掛け合わせれば、「快適性評価」の設計が可能であり、将来的には住宅評価ソフト(例:ホームズ君、i-Tree、BIMベースのLCCツール等)を使うのも手だと瞬時に答えた。「i-Tree」を盛り込んでいるのがいい。国も今すぐこの「i-Tree」評価制度を採用すべきだ。「緑環境」はZEHと同レベルの価値があると思う。
どこがこの総合的「快適性評価」マトリクスを開発するか。
仕様レベルの引き算でZEH水準は可能手放しで喜べないデベロッパーの対応(2025/8/2)
業界の垣根超えた「断熱・省エネリフォーム推進TF」発足住友不など7社・団体(2025/8/1)
仕様レベルの引き算でZEH水準は可能 手放しで喜べないデベロッパーの対応
天井高2.7m、樹脂サッシ高2.4mのポラス「ひととき 流山市松ヶ丘・南柏」
いつもマンションや戸建ての窓などの開口部の仕様はチェックするが、前日(7月30日)は、住友不動産を中心とする「断熱・省エネリフォーム推進タスクフォース」を取材していることもあり、この日(7月31日)のポラス「ひととき 流山市松ヶ丘・南柏」の開口部に注目した。ざっと数えたら数は20か所くらいあり、ワイド・ハイサッシもかなりあった。これでZEH水準にするのは容易なことではないはずだ。
これからの分譲戸建てやマンションはZEH水準が当たり前になるし、このことに疑義を呈するわけではないが、ZEH水準とは断熱等性能等級5と一次エネルギー消費量等級6を同時に満たした住宅のことで、この尺度だけでは住宅の質が高いか低いかは測れないことに注目すべきだと思う。
むしろ、ZEH水準にして住宅ローン控除や各種の補助金交付の対象とするため、他の快適性にとって重要なことがないがしろにされていないかがとても気になっている。
極論すれば、建物の出隅・入隅をなくして総2階にすればコスト・工期を圧縮でき、耐震性・断熱性・気密性も高めることが可能だ。また、天井高を下げれば、サッシ高も下げられるし、窓面積も建基法ぎりぎりまで小さくすることもできるし、吹抜け空間はなくし、床暖房もなしにすれば数値はさらに上げられる。心当たりがあるデベロッパーはいるはずだ。
この考え方は、中央住宅不動産ソリューション事業部不動産開発部企画設計課課長・村田嵩胤氏村田氏とも一致した。村田氏は「様々な仕様を引き算すればZEH水準は可能。当社は居住性・快適性を犠牲にするようなことはしない。足し算で居住性を高めることが重要」と語った。
そこで、同社を含めたすべてのデベロッパーに提案だ。窓など採光・開口部はその個所や面積、延床面積に対する窓面積の割合を公開してはどうか。差別化につながるはずだ。また、居住面積だけでなく、天井高を計算した体積も公開すれば〝売り〟になる(緑被率も公表すべきだと思う)。
1階主寝室の天井高2.4mで、サッシ高もほぼ同じ「ひととき 流山市松ヶ丘・南柏」
ライフサイクルに対応した1.5階プランポラス「流山市松ヶ丘・南柏」好調(2025/8/2)
業界の垣根超えた「断熱・省エネリフォーム推進TF」発足住友不など7社・団体(2025/7/30)
ライフサイクルに対応した1.5階プラン ポラス「流山市松ヶ丘・南柏」好調
「ひととき 流山市松ヶ丘・南柏」完成予想図
ポラスグループの中央住宅は7月31日、 流山市の分譲戸建て「ひととき 流山市松ヶ丘・南柏」(全67戸)のメディア向けモデルハウス見学会を行った。一部住戸を「1.5階プラン」として1階にキッズルームやベッドルーム、二階にセカンドリビングや大きめのバルコニーを設置することによって、それぞれの空間を家族のライフスタイル・サイクル・ステージに合わせて使用できるようにしているのが特徴。
物件は、JR常磐線南柏駅から徒歩10~12分、流山市松ヶ丘1丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率 60%、容積率150%)に位置する全67戸。土地面積は135.01~137.92㎡、建物面積は90.66~123.21㎡、価格は5,490万~6,790万円。建物は在来工法2階建て。
第1期(14戸)は2023年7月7日から販売開始し、全戸引き渡し済み。2期(17戸)は2024年11月29日に販売開始し、これまで6戸を引渡済み。4期(18戸)は2025年3月28日から販売を開始し、これまで7戸が契約済み。3期(18戸)は2026年9月に販売予定。
見学会で、同社不動産ソリューション事業部不動産開発部企画設計課課長・村田嵩胤氏は「戸建て住宅を検討されるDINKS、ファミリー層の方は〝今住む〟住宅を求めており、先々のことは考えていない方が多い。供給サイドも同様に、購入者のライフサイクルを考慮した分譲戸建てを供給しない。『1.5階プラン』は、将来、親の介護が必要になった場合のことなど、それぞれのステージに対応する、従来の建売住宅の概念を変えたもの。私は現在38歳。父親は体重100キロ超の62歳。その父親が脊椎手術によって一時期全く動けなくなり、介護を考えたのが、今回の企画につながったきっかけ」などと語った。
村田氏
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企画意図はすぐ理解した。将来のライフスタイルの変化に対応した分譲戸建てや、可変性に富んだ間取り提案を行っているマンションを取材はしているが、多くはない。その意味で、1.5階プランは現在の分譲戸建て市場に一石を投じるものだと思う(車椅子利用になった場合などに備え、トイレの位置やスペースを変えられるようにすべきだとは思うが)。
販売が好調に推移している要因として、市の松ヶ丘地区地区計画により宅地開発では最低敷地面積を135㎡以上と定めていることもあるが、隣接する「豊四季みどりの広場」の存在も大きいと思う。
「豊四季みどりの広場」は、都市計画によって「南柏特別緑地保全地区・松ケ谷特別緑地保全地区」に定められている約0.8haの樹林地で、歴史的財産である「野馬土手」がそのまま残っている。
取材後にこの樹林地内を歩いた。気温は30℃をいくらか超えたほどだろう。蚊に襲われたのには閉口したが、動植物の宝庫だ。村田氏が「広場を嫌がる人は当社の戸建てを見向きもしない」と語ったように、この種の樹林帯を嫌がる市民は少なくないだろうが、この自然の借景は何物にも代えがたい。
どのような樹木が植わっており、小動物が生息しているのかなどを調べようと、柏市と流山市のホームページを見たが、ヒットしなかった。将来にわたって守るべき貴重な資源について、きちんと調査すべきだ。
現地(手前の影は「豊四季みどりの広場」によるもの)
「豊四季みどりの広場」
「豊四季みどりの広場」
ケイアイスター不動産 買取再販事業を強化
ケイアイスター不動産は7月24日、物価高や建築資材の高騰、空き家900万戸超の社会課題を解決するため、同社グループ・ケイアイエポックメイキングの中古買取再販事業を強化すると発表した。
単なるリフォームにとどまらず、現代のライフスタイルや地域特性に合わせた再設計を行うことで、“使われていない家”を、“住みたい家”へと生まれ変わらせる。
1戸25億円の分譲戸建て「元麻布」 リストが分譲、契約済み
わが国の分譲戸建てとしては過去最高額と思われる25億円の「元麻布」(一棟現場)をリストグループのリストデベロップメント分譲したことが分かった。同社代表取締役社長・木内寛之氏が明らかにしたもので、土地面積70坪、建物面積150坪、3階建てRC造。竣工は来年。これまでの分譲戸建ての最高額は、諸戸の家「代々木上原の邸宅」の10億円といわれている。
同社は、ラグジュアリー不動産開発に今後力を入れるとしており、今回の分譲戸建てはその第一号。
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この額に記者は全然驚かない。エルメスの高級ハンドバッグ「バーキン」の初代モデルがサザビーズのオークションで過去最高額となる858万ユーロ(約14億7000万円)で落札されたというではないか。分譲マンションでは、2016年分譲の三井不動産レジデンシャル「パークマンション檜町公園」で1戸55億円の住戸が分譲されたのを記事にしているし(同社はノーコメント)、森ビル「麻布台ヒルズレジデンス」では200億円の住戸が分譲されたと巷間いわれている。
分譲戸建てもこれくらいの価格で分譲されるのが当たり前になると思っている。「元麻布」がある東京都港区の令和5年度の課税標準額が1億円超の納税者は、納税義務者の0.9%に当たる1,392人(前年度比11.4%増)となっている。25億円は年間所得分に過ぎない人はたくさんいるはずだ。
価格10億円超分譲戸建ての歴史を変えた諸戸の家「代々木上原」完売(2025/3/6)
米国の別荘1億$(133億円)三井リアル「REALTY-news」/わが国はどうなるか(2022/8/19)
分譲戸建てシェア拡大 この先に見えてくるのは何か ポラスの決算説明資料
ポラスグループの「決算説明資料」について。同社コミュニケーション部がまとめているもので、今年の資料はA4判全47ページ。全事業の業績・トピックス、戸建て市場、契約・受注動向などが紹介されている。同業他社の決算説明資料と比較しても見劣らないどころか、とても親切でわかりやすい。
中でも興味深いのは、分譲戸建て住宅に関するデータだ。ポラス商圏の着工動向、人口動態などをほぼ完ぺきに網羅し、同社のシェア、価格動向などを報告している。
ポラス商圏とは、本拠の埼玉県越谷市を中心とする草加市、八潮市、三郷市、吉川市、春日部市の「越谷エリア」、さいたま市を中心とする上尾市、富士見市、志木市、三芳町、朝霞市、和光市、戸田市、蕨市、川口市、新座市と東京都の北区、板橋区、練馬区の「さいたまエリア」、千葉県松戸市を中心とする鎌ヶ谷市、船橋市、市川市、我孫子市、流山市、柏市、野田市と東京都足立区、葛飾区、江戸川区の「松戸エリア」のことを指す。
同社グループは、50年前の創業時から「地域密着型経営」を掲げ、万が一問題が発生した場合でも車で1時間程度で駆け付けられる範囲に限定して事業を展開している〝稀有〟な会社だ。商圏拡大はあるかもしれないが、おそらく今後もこの方針に変更はないはずだ。
説明資料によるとポラス商圏の2024年度の持家と分譲住宅の着工戸数は30,598戸(前年度比1,873戸減)、世帯数は約531万世帯(約7.6万世帯増)、総人口は約1,033万人(同約2万人増)、一次取得人口(25~44歳)は約263万人(同3,083人増)だ。このうち分譲戸建て市場は、着工戸数は18,904戸(同10.1%減)、同社の売上戸数は2,545戸(同9.0%増)、シェアは13.5%(同2.4ポイント増)となっている。同社はこの分譲戸建てと注文住宅のシェア4.3%は過去最高水準としている。
この13.5%は高い水準ではあるが、マンション同様。それほど大きな意味をなさないと思う。戸数で競う時代はとっくに過ぎた。商品企画が勝敗を分ける。そもそもどこもがっぷり四つに組んで消耗戦などしていない。例えば飯田グループ。同社の2025年3月期の分譲戸建て計上戸数は38,627戸で全国シェア約30%(首都圏は約31%)を誇るが、戸当り単価は3,130万円だ。同社は首都圏の分譲戸建ての平均価格は公表していないが、記者は4,000万円くらいではないかと推測している。
では、ポラスはどうか。同社の2025年3月期の戸当たり単価は4,958万円(契約ベース)だ。飯田グループに次ぐ分譲戸建て大手のオープンハウスも戸当り単価はポラスとほとんど同じだが、商品はまるで異なる。
もっとすごい会社がある。三井不動産だ。同社の2025年3月期の分譲戸建ての売上高は3,598百万円、計上戸数は417戸、戸当り単価は8,629万円だ。同社は首都圏の都心・準都心部に供給を絞っているからだが、単価は飯田グループのほぼ倍だ。これだけでも、同じ俎上に載せることの無意味さが分かるはずだ。
話を元に戻す。ポラスの資料を読むと、このところ価格が大幅に上昇していることが分かる。平均価格は4,958万円なのは先に紹介したが、5年前の2020年3月期の4,073万円から21.7%上昇している。また、平均土地面積、平均建物面積は2020年3月期の119㎡、97㎡から2025年3月期は121㎡、98㎡になっている。価格帯も2020年3月期は3,000万円未満が183戸、6,000万円以上が78戸だったのが2025年3月期は3,000万円未満は37戸に激減し、6,000万円以上は411戸へ激増している。同社はこの理由を「維持防衛エリアのさいたま・越谷を抑えて、強化育成・積極展開すべき埼玉西部や南部を増強」したためとしている。
このことと関連するかどうかは分からないが、同社は最近、高額価格帯へ果敢に挑戦しているように思う。「アバナイズ市川菅野」(5戸)「Sumi-Ka+GYOTOKU(すみかプラス行徳)」(18戸)「アイムス東久留米 ピー・ティー・サイト」(6戸)などだ。これらは全て価格は6,000万円以上だ。
決算説明資料は遅行指標ではあるが、同社が何を考えているか、少しは先が読めてくる。
ポラスグループ 2025年3月期決算プレカット振るわず減収減益分譲は増収増益(2025/6/30)増益
UA値0.46 ポラス初「東京ゼロエミ住宅」最上位認証(旧基準)の「東久留米」(2024/12/26)
コアなニーズ引き出した商品企画ヒットポラス「すみかプラス行徳」(2024/12/7)
建ぺい率40%、容積率80%の風致地区の規制逆手にポラス「アバナイズ市川菅野」(2023/12/15)
目を引く巧みなランドプラン、個性的な住戸プラン ポラス「流山おおたかの森」
「SHIN TOKI ヴィレッジ 流山おおたかの森」
ポラスグループのポラスガーデンヒルズは6月20日、分譲戸建て「SHIN TOKI ヴィレッジ 流山おおたかの森」のメディア向け見学会を行った。従前は林地の全48戸で、隣接する同社の既分譲「楽家RAKUYA 流山おおたかの森」(全18棟)とともに緑をふんだんに盛り込んだランドスケープと、それぞれ個性的な住戸プランにしているのが目を引いた。
物件は、東武アーバンパークライン豊四季駅から徒歩9~10分(流山おおたかの森駅から徒歩20~22分)、流山市長崎1丁目・野々下三丁目の第一種低層住居専用地域(建ぺい率60%、容積率150%)に位置する開発面積9,992㎡の全48戸、土地面積は135.61~160.88㎡、建物面積は91.70~103.15㎡、価格は4,990万~6,890万円。建物は2025年5月完成済。構造は木造スレート葺2階建て。施工はポラテック。
〝「時」の流れ、「木」の質感を取り込んだ「気」もちの良い空間〟をコンセプトに、街区全体を第1期から第3期に分け、第1期の「楽家」(16戸)は、シンプルライフ研究家マキさんとLIXILのバックアップのもと、様々な工夫を盛り込んだ住空間をデザインしている。第2期「TOKI-TO-KI」(23戸)は、デザイン性の高い深い軒や落ち着きのある素材を設えた住宅が連なる街並みを演出。第3期「デザイナーズ街区」(9戸)は、同社の社内コンペによって選ばれた〝唯一無二〟の個性的なプランにしているのが特徴。以下、各氏のコメント。
同社設計部企画設計課主任・西村馨氏 第1期の「楽家」は、「豊四季」(3棟)「流山おおたかの森」(18棟)「松戸・高柳」(全28棟)に次ぐ第4弾で、新しいものも取り入れて進化、ブラッシュアップさせている
同社設計部企画設計課課長・工藤政希氏 第2期の「TOKI-TO-KI」は、緑と庭をつなぐデッキを配するなど森を取り込む気持ちのいい空間づくりに力を注いだ。アレクサなどIOTも採用し、快適な空間を提案している
同社ガーデンヒルズ事業部設計部企画設計課2係主任・樋上周作氏 デザインコンペには12名25件の応募があった。
同社設計部街並デザイン室エステリアデザイン係デザイナー・阿佐美直也氏 全体としてオンとオフ、内と外など多様な空間を演出したデザインにした。流山市のグリーンチェーン戦略の認定を申請する予定
同社ウッドガーデン事業所用地二課課長・髙島彰氏 従前は全体で2万㎡以上ある山林。隣接する18棟と少し離れた3棟現場を同じ地主さんから取得したことがあり、今回は造成後の土地を事業主から2020年1月に取得した。流山市の開発行為に適合させるため開発面積を9,992㎡にしたのがポイント。工事期間は予定していた3年間から1年延びたが、この間の地価の上昇により建築費の上昇を吸収できた。地主さんとも良好な関係を築いており、今後の開発につなげたい
同社ウッドガーデン事業所営業課2係リーダー主任・藤井 文人氏 現段階の問い合わせ件数は329件で、うち来場は209件。約3分の1が市内居住者。子どもいる世帯は約7割。土地面積が広く、価格を抑制したのが高い評価を頂いている。注文住宅を考えている方が多く、競合する分譲戸建てはほとんどない。現在、当社グループは280物件を分譲しているが、ネットによる閲覧数はベスト3に入っている
左から樋上氏、西村氏、松井氏、工藤氏、阿佐美氏
◇ ◆ ◇
豊四季駅から徒歩10分の表示に十分間に合うよう20分前に駅に降りたのだが、道を間違え、着いたときは10分以上経過していた。同社設計部シニアマネージャー兼街並デザイン室室長・松井孝治氏の冒頭の挨拶が終わっており、上段で紹介した髙島氏が用地取得の経緯について説明する段階だった。
髙島氏の話の中で、記者が注目したのは開発面積を9,992㎡にしたことだった。ピンときた。
平成22年10月1日施行の「流山市開発事業の許可基準等に関する条例」によると、市街化区域での開発行為の1区画当たり最低面積は135㎡以上で、開発区域が5,000㎡以上の場合は1区画150㎡以上(ただし予定建築物の敷地面積の合計の70%を超えない範囲内において135㎡とすることができる)、開発面積が5,000㎡~10,000㎡未満の道路幅員は6m、開発面積が10,000㎡~30,000㎡未満は9m、公園面積は事業区域の面積の6%以上と定められている。
つまり、開発面積が10,000㎡を超えると、敷地面積、道路幅員、公園面積など規制が厳しくなるのを避けるために頭を悩ましたということだ。開発申請したのは多分、条例が施行される前だろう。「TOKI」には〝時との戦い〟の意味もあるか。
髙島氏
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以下は、記者の好みによる判断であり、好みによっては全く違った結果になるし、デザイナーズ街区は9棟のうち2棟しか見学していないことを最初に断っておく。
モデルハウス見学は4棟。最初に見学した10号棟は、「楽家街区」の「成長の家」「自由の家」「両立の家」「効率の家」の4プランのうち「自由の家」を採用。敷地面積は約136㎡。南西の角地。1階のLDK(17.8帖)に隣接して玄関ともつながる「土間」(3帖)の提案が素晴らしく、家事動線に配慮した洗面所とその隣のパントリーは多目的(自由)に使えるようにしている。白を基調に下デザインも秀逸だった。この時点で、この住戸を上回るものはないと判断した。
次いで見学したのは43号棟の「TOKI-TO-KI」の一つ。敷地面積は約150㎡。企画意図がすぐ分かった。明らかに子育て世代の入居を想定したもので、LDK(18.7帖)の横に収納にも子どもの〝隠れ家〟にもなるスペースと、その上部にSkip Floor(3.7帖)を設け、1層を2層にしているのが特徴(この部分はロフトでもないし、建基法に定められている居室の天井高2.1mを満たしていない。どうなっているのか)。ただ、〝隠れ家〟は、こどもが成長したら夫婦喧嘩のときの夫か妻の〝隠れ家〟にはなりそうもないので評価を下げた。
3番目は、44号棟の「デザイナーズ街区」。敷地面積は約135㎡。北道路に接道。デザインウォール囲まれた玄関を開けるとすぐ、広々とした玄関・ホールと、その先に6帖大はありそうなテラスが目に飛び込んできた。玄関・ホールとテラスの天井パネルは一体となる仕上げにもなっていた。まず、郊外の分譲戸建てにはないプランだ。これまた素晴らしい。ただ、敷地の南側は隣地の高さにして約3mの駐車場になっており、テラスの先はコンクリの擁壁。これをどう評価するか悩ましい(2階がほぼ駐車場面)。
4番目は、45号棟の「デザイナーズ街区」。敷地面積は約150㎡。やはり北道路。このころには早く見学が終わらないかと考えていた。
ところが、豈図らんや。玄関に入った途端、10号棟もその他のモデルハウスもすっ飛んだ。目もくらむ真っ白な世界が記者を有頂天にした。建具・建材、設備仕上げに至るまで全て白。白が基調の戸建てやマンションは数えきれないほど見てきているが、それらをはるかに凌駕する。夫婦二人の居住を想定しているためか、1階全体が回遊できるプラン(洗面は2ボウル)と、2階は居室の壁を取り払えば15.2帖(他にクローゼットなど)の大空間になる提案もいい。4棟の中でここが一番いいと結論づけた。白は人の好みにも空の青にも海の青にも染まる。
いったい、このプランは誰が提案としたのか聞いた。設計監理課の櫛野さんだった。
全体的な感想としては、幅員6mの道路をクランクさせ、カーポート、庭などとの空間演出が街並みを美しく見せ、各棟は分譲戸建てにはあまりない個性的なプランが多いのが印象に残った。
従前が山林・林地の分譲戸建ては、この2週間でポラスの「ビー・グレイス柏 未来隣区」(92区画)、リストと東急リバブルが販売代理の「マークヒルズ新横浜」(172区画)に次いで3物件目だ。
10号棟モデルハウス
10号棟モデルハウス
43号棟モデルハウス
43号棟モデルハウス
44号棟モデルハウス
45号棟モデルハウス
45号棟モデルハウス
現地
南ひな壇の全172区画ランドスケープ生かすブラン秀逸リスト&リバブル「新横浜」(2025/6/16)
ポラス柏駅圏で全92区画の分譲戸建て好調スタート集会所は法人化して寄付(2025/6/6)
「成長する家」「両立の家」などシンプルで心地よい暮らし5提案ポラス「高柳」好調(2024/4/26)
南ひな壇の全172区画 ランドスケープ生かすブラン秀逸 リスト&リバブル「新横浜」
「マークヒルズ新横浜」
リストグループと東急リバブルが販売を担当している分譲戸建て「マークヒルズ新横浜」を見学した。新横浜駅から徒歩22~27分とやや距離はあるが、南ひな壇造成の全172区画の大規模開発で、比高差にして10~20mのランドスケープを巧みに利用したプランが秀逸。極めて好調な売れ行きを見せている。
物件は、新横浜駅から徒歩22~27分(横浜線小机駅から徒歩16~21分)、横浜市港北区鳥山町の第一種低層住居専用地域(建ぺい率50%、容積率80%)に位置する開発面積約45,489㎡の全172区画。現在先着順で分譲中の住戸(5戸)の敷地面積は125.89~159.17㎡、建物面積は100.19~103.68㎡、価格は6,480万~7,480万円。構造規模は木造2階建て。事業主(売主)はあさひハウジングセンター。販売代理はリストインターナショナルリアルティ、東急リバブル。
今年2月から契約を開始しており、これまで年内供給予定の87区画のうち44区画が販売済み。建物建築停止条件付き宅地分譲も可能。
現地の従前は山林。横浜市内の100区画以上の戸建て分譲としては、2017年分譲の野村不動産「プラウドシーズン横濱洋光台」(203区画)以来8年ぶり。比高差にして10~20mの南ひな壇造成地を生かし、各住戸の日照・通風・プライバシーを確保し、四つ角のない街区構成にして安全性にも配慮しているのが特徴。
主な基本性能・設備仕様は、長期優良住宅認定、リビング天井高2500ミリ、食洗機、床暖房、Low-E複層ガラスなど。
同社グループのリストサザビーズインターナショナルリアルティ販売営業部係長で、同社野球チームの主砲でもある岩島誠氏は、「全172区画のうち年内供給予定は87区画。残りは造成中で、全体完成予定は2027年3月。当社の受託する戸建て開発規模としては過去最大。周辺の分譲戸建てと比較して価格は1,000万円以上の乖離がありますが、月間平均11区画が成約できているように、南ひな壇の立地と、長期優良住宅認定、同じ間取りが一つもない企画が評価されています」と話した。
また、東急リバブルアセット事業本部営業統括部契約コンサルティンググループ主任で同社野球チームの監督を務める大槻俊彦氏は、「リストさんの『辻堂』の販売代理を当社も担当した縁で、今回の物件も契約後から引き渡しまでの多岐にわたるサポートをさせていただいていますが、わくわくするプランがお客さんに高く評価されていると思います。私自身がこれまで担当してきたレベルの高い分譲戸建てと比べてもそん色ありません」と、太鼓判を押した。
インナーガレージ付き(階段の先)
中庭付き
岩島氏(左)大槻氏
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この前書いたポラス「ビー・グレイス柏 未来隣区」(全92区画)の記事と合わせて読んでいただきたい。とてもよく似ている物件だ。「柏」は駅から徒歩22~23分、従前は林地で高低差10mはありそうな大規模開発。今回の「新横浜」も駅から徒歩22~27分の従前は山林で、高低差にして10~20mの大規模開発。
常識的に考えたら、年間30区画売れればいいほうだろうが、いずれも好調なスタートを切った。購入者は、駅まで徒歩あり、自転車あり、車ありというのもよく似ている。価格も、駅近のマンション(柏駅は坪単価400万円以上、新横浜は500万円突破か)と比べればかなり安い。片や埼玉県、一方は神奈川県をホームグラウンドにしている。地域を熟知しているからこそ土地を仕入れられたのだろう。その目利き力の確かさに脱帽するほかない。
今回の「新横浜」は、従前が山林だった地形を生かしたプランがいい。モデルハウスは2棟。一つは、エントランス-キッチン-リビングの間にパティオ(中庭)を設け、階段下からも採光できている。もう一つは、インナーガレージ付きで、リビングから愛車を眺められるようにしている。大槻氏が「わくわくするプラン」と語ったのもよくわかる。分譲戸建てにはあまりないプランだ。
中庭を通じ階段下から採光しているモデルハウス
インナーガレージ付き(その先はシンボルツリー)
シンボルツリーのヤマボウシ
「マークヒルズ新横浜」エントランス
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