2022年 年頭所感 第6次中計へ布石打つ 積水ハウス・仲井嘉浩社長
新年、明けましておめでとうございます。
第5次中期経営計画の初年度の2020年度は、コロナの影響を受け、厳しいスタートでした。しかし、2021年度はグループ全社でベクトルを合わせ、各事業でそれぞれ高いパフォーマンスを発揮して挽回することができ、中期経営計画の達成に向け、着実に歩みを進めています。
グローバルビジョン「わが家を世界一 幸せな場所にする」のもと、戸建事業においては「ファミリー スイート」を中心に、次世代室内環境システム「スマートイクス」、新たに始まったスマートホームサービス「プラットフォームハウスタッチ」など、これまでにないアイデアにより「ハードとソフトとサービス」の提供を実現することができました。
また、各地におけるTrip Base道の駅プロジェクトの進捗により、地方創生の一助を担うことができました。国際事業では、アメリカの現地子会社への日本流の販売手法や技術の移植が進むなど、このコロナ禍の厳しい環境下にあっても、他国を含めて現地での事業が進展しています。
現在の日本では、住宅ストック約5,360 万戸のうち700 万戸が耐震基準を満たしておらず、断熱基準を満たす住宅ストックも11%であり、しっかりとした性能を確保した長期的に良質な住宅の提供が必要となっています。
当社では創業以来60年以上に渡り、耐震性について研究を重ね、断熱性能についても1999年に環境未来計画を発表し、いち早く取り組んできました。そして、「美しさ」も良質な住宅ストック、つまり「まちの財産」だと考えています。「5本の樹」計画による生物多様性を実現した庭も立派な財産であり、これら「まちの財産」となる住宅ストックをもっと増やしていきたいと思います。良質な住宅ストックの形成と循環を実現するため、今後も使命感を持って取り組んでまいります。
今年から従業員の自律的なキャリア形成につなげる新たな人事制度をスタートさせました。「イノベーション&コミュニケーション」を合言葉に、従業員も会社もさらなる成長を目指します。
2022年はいよいよ第5次中期経営計画の最終年度になります。第6次中期経営計画への布石を打つ年として、お客様へ当社の価値を最大限提供し「幸せ」をお届けしてまいります。
2022年 年頭所感 サスビナリティとDX推進 大京・深谷敏成社長
明けましておめでとうございます。
一昨年から猛威を振るい続けた新型コロナウイルスは、ワクチン接種の浸透などにより新規感染者数が一旦落ち着きを見せたものの、新たな変異株が発生し予断を許さない状況です。住宅分野は、働き方改革などにより、お客さまのニーズが多様化し、低金利を背景に比較的堅調な一年でした。
国内外でのサステナビリティ推進の動きが加速する中、昨年11月にオリックスグループはESG関連の「重要課題」と「重要目標」を新たに設定しました。
大京を含む不動産事業部門では、「サステナビリティ推進方針」を設定し、「脱炭素化」「環境配慮」「安全・安心・快適性」「地域共生」の四つの重点キーワードをテーマに各事業で取り組みを進めます。具体的には、分譲マンション開発事業では、原則「ZEH-M Oriented」以上の省エネ基準を満たす仕様で開発を推進し、住宅の長寿命化に向けた取り組みにも注力しています。
日本で一番多くのマンションを供給してきた企業として、開発・管理・流通のノウハウを生かし、環境性能の追求を続け、地域の活力向上を通じて、サステナブルな社会の実現に貢献してまいりたいと思っています。
また、業務の変革と効率化を企図した「DX」についての取り組みも始めています。各社・各部門が連携し、サービス変革による新たな価値創造を行い、お客さまの満足度向上へつなげたいと思っております。本年は、「サステナビリティ」と「DX」の推進を確実に加速させる一年にしたいと思います。
皆さまの一層のご理解とご支援をお願い申し上げるとともに、本年が皆さまにとって実り多い一年となりますよう、心より祈念申し上げます。
2022年 年頭所感 新たな事業基盤を構築 オリックス不動産・深谷敏成社長
明けましておめでとうございます。
一昨年から猛威を振るい続けた新型コロナウイルスは、ワクチン接種の浸透などにより新規感染者数が一旦落ち着きを見せたものの、新たな変異株が発生し予断を許さない状況です。昨年は、オリックス・バファローズが25年ぶりにリーグ優勝することができました。応援いただいたすべての皆さまに感謝申し上げます。この勢いを大事にして、我々の事業におきましてもチャレンジを続け、明るい一年にしたいと思います。
国内外でのサステナビリティ推進の動きが加速する中、昨年11月にオリックスグループはESG関連の「重要課題」と「重要目標」を新たに設定しました。不動産事業部門では、サステナビリティ推進方針を設定し、「脱炭素化」「環境配慮」「安全・安心・快適性」「地域共生」の四つの重点キーワードをテーマに、各事業で取り組みを進めます。開発・投資・運営などの事業推進における各局面において、このキーワードに対する課題や対応策に、一層真摯に向き合ってまいります。
同時に、事業の変革と効率化を企図した「DX」の取り組みも始めています。各社・各部門が連携し、円滑な事業推進やサービスそのものの変革により、不動産事業における新たな価値創造を行ってまいります。本年は、気候変動に対応し、新たな事業基盤を構築する一年にしたいと考えております。
皆さまの一層のご理解とご支援をお願い申し上げるとともに、本年が皆さまにとって実り多い一年となりますよう、心より祈念申し上げます。
2022年 年頭所感 今年の一文字は「楽」 大和ハウス工業・芳井敬一社長
.jpg)
芳井氏
昨年は、新型コロナウイルス感染症拡大を受けた度重なる緊急事態宣言の発令や、近年多発する豪雨災害など、人々の生活を脅かす出来事の多い年でした。また、当社においては行政処分による営業停止により、お客さまをはじめ、関係者の皆様にはご迷惑とご心配をおかけしました。
国内経済も国際情勢も楽観視ができず、変化の激しい状況のなかで新年を迎えるにあたり、皆さんには三点お願いがあります。
一つ目は、「仕事を楽しむ」ことです。私は今年の一文字として「楽」を掲げました。業務に真剣に、そして楽しみを見出しながら取り組むことが、自己成長の源泉です。仕事でも趣味でも、人は楽しめなければ成長できません。今置かれた環境を楽しみ、自身の成長につなげてください。
また、役員・管理職の方々は部下や後輩が成長できる環境を整え、このような不透明な時代を生き抜く力を身に付けられるように育成してください。当社は幾多の試練を成長の機会と捉えて、乗り越えてきました。 私も皆さんと一緒に成長していくことを楽しみにしています。
二つ目は「夢を抱く」ことです。創業者は「我々にとって重要なのは将来の夢である。夢のあるところに前進があり、企業は夢とともに伸びる」と遺していますが、当社は2055年の大和ハウスグループの将来像を描く「将来の夢プロジェクト」を開始しました。そこでは、企業のあるべき姿として、売上高や利益などの数字目標 だけでなく、お客さまや取引先なども含めて皆さんが幸せになることを重要視しています。自らの人生を豊かで幸せなものにするためにも、未来を描く夢を抱き、その実現のために日々の業務に邁進してください。これは、SDGsの8番目「働きがいも経済成長も」にもつながります。
三つ目は、「期待に応える」ことです。昨年末、政府には長期優良住宅やZEH など性能の高い住宅が優 遇される住宅ローン減税や「こどもみらい住宅支援事業」などを決定いただきました。ポストコロナの潮流により、お客さまの生活が変化しはじめ、住宅も「生きる」場所としての役割が求められています。こうした期待に応えるためには、行動第一主義でお客さまに役立つ商品やサービスの提供を徹底してください。 最後に、本年4月から5カ年の第7次中期経営計画がはじまります。ウィズコロナや脱炭素、デジタル化の加速など、我々を取り巻く環境は日々刻々と変化していますが、当社がこれからも大切にすることは創業の原点「社会に役立つ事業の展開」です。この創業者精神に基づいて、皆さんがより一層飛躍することを期待します。
2022年 年頭所感 社会の変化にしなやかに対応 三井不動産・菰田正信社長
謹んで新年のお慶びを申しあげます。
昨年も、一昨年に引き続き、コロナに翻弄された一年となりました。秋には感 染者数が減少しましたが、オミクロン株の出現で、まだ予断を許さない状態が続いており、海外では、感染の再拡大で、もう一度経済活動の制限に入る国も出てきています。
このようなコロナ禍の厳しい状況下ではありましたが、当社は昨年7月に創立 80周年を迎えました。また、色々な議論があり、無観客となりましたが、「東京 2020オリンピック・パラリンピック」が開催されたことは、人々に夢と感動を 与え、コロナで分断されつつあった世界の人々の絆を繋ぎ直したという意味で、 本当に良かったと思います。
今年は、「東京ミッドタウン八重洲」、「ららぽーと福岡」、「50ハドソンヤード (ニューヨーク)」、「ららぽーとBBCC(マレーシア)」など、国内外で新たなフラッグシップ物件が竣工・開業予定です。ウィズコロナが続く状況下においては、昨年策定した「三井不動産9BOX 感染対策基準」を各施設で徹底し、「感染拡大の防止」と「施設運営の正常化」の両立を図ってまいります。また、くらしやビジネスライフにおいて、コロナがもたらした不可逆的な変化を的確に捉え、リアルとデジタルを最適に組み合わせて「リアル・エステート・アズ・ア・サービス」を提供してまいります。
昨年、日本政府が、国の2030年度の温室効果ガス削減目標を引き上げられま したが、気候変動に対する取り組みは人類にとって最重要課題となりつつあるという認識のもと、当社グループも、「脱炭素社会実現に向けたグループ行動計 画」を定めました。今年は、その実行元年として、目標達成に向けた脱炭素の取り組みを本格化させてまいります。そして、昨年に引き続いて「ダイバーシティ&インクルージョン」の取り組みも重要課題として推進してまいります。
ポストコロナ時代への移行、地球規模で生じる気候変動など、時代の大きな転 換点のなか、社会環境の大きな変化をしなやかに受け止め、それをチャンスに変えて、街づくりを通して、持続可能な社会構築の実現に貢献してまいります。 皆様のこの1年のご健勝とご多幸をお祈り申しあげます。
2022年 年頭所感 「木造建築のアキュラ」へ アキュラホーム・宮沢俊哉社長

宮沢氏
新年あけましておめでとうございます。2022年の年頭にあたり、ご挨拶を申し上げます。
昨年は新型コロナウイルスによる緊急事態宣言長期化や、世界的木材需要の急騰からウッドショックが発生するなど、大変な困難と直面する年となりました。
新型コロナウイルスのさらなる感染拡大を危惧したアキュラホームグループは、政府のワクチン接種の方針発表の翌日6月9日には職域接種を実施する旨を発表しました。業績好調を背景に、売上の一部から社会貢献活動費を捻出し、お客様と働く従業員、そのご家族、取引業者様やオーナー様など従業員の10倍近くとなる1万人接種を目標に、全従業員が一丸となり取り組みました。医療行為に携わったことがない住宅会社が職域接種を実施するにあたっては、当社で建築いただいた医療従事者の方々や地域の医療機関などにお声がけし、多くの方から賛同と協力をいただき、実現することができました。
職域接種のような社会貢献活動の継続により、多くのステークホルダーの皆様から信頼を得ることにつながり、例年より多くの受注のご紹介をいただきました。また、社員や取引業者の帰属意識向上にもつながり、社員一人ひとりが経費削減などに取り組み、相互扶助によって今期も業績の好調を維持することができました。過去最高益の到達が見えており、このコロナ禍の厳しい状況の中でも、支えてくれたステークホルダーの皆様へ御礼申し上げます。
住宅に関する技術開発では、近年増加する防災需要を受け、4回目の「実大実験」に取り組みました。今回の実験では、コロナ禍以降需要の高い大きな開口や吹き抜けのある大空間に加え、太陽光発電も搭載した、リアルな実験棟を建築し実施しました。今後予想される首都直下型地震や南海トラフ地震、日本歴代の大地震に対し損壊なしの結果となり、「技術のアキュラグループ」を実証する結果を得ることができました。また、実験では建物が倒壊する限界点の確認まで行い、新たな知見を得ることができました。今後の商品開発に活かし、より安心安全な住まいを皆様へ提供できるよう、研究を進めてまいります。
そして、注文住宅建築を通し、向上させてきた技術力や知見を活かし、シナジーのある事業領域への取り組みの強化を進めました。分譲事業は前年より約2.5 倍と好調となり、リフォーム事業や新たに土地から紹介するランドサーチ事業も4月の事業開始から急激な勢いで成長を続けています。AQレジデンス事業では高額層へ向けた取り組みが実を結び、邸宅の注文も急増しています。
2022年は、本格的に木造建築普及事業を開始し「木造住宅のアキュラ」から「木造建築のアキュラ」へ大きく変貌してまいります。
中大規模木造建築の普及に向け、そのプロトタイプとなる日本初の純木造8 階建ての新社屋の建築を発表しました。当社が創業したゆかりの地である埼玉県への本社移転となります。この新社屋の建築を皮切りに、全国へ中大規模木造を展開してまいります。
また、これまでの取り組みをさらに飛躍させ、最高級ブランドの「アキュラプライム」や「高級リノベーション」の拡大やランドサーチ事業から展開する共同住宅等の資産活用の提案など、さらに領域を拡大していきます。
これらの取り組みを加速させるため、2021年11月26日にアキュラホームグループ初の海外進出として、株式会社アキュラホームベトナムを開設しました。他のアジアの国での工場建築も検討を進めており、今後は海外の力をも活用し、各事業のシナジーを高め世界へ木造建築を発信していきます。
純木造8階建て新社屋の技術によって、今後は従来の木造建築の2/3のコストとなる普及価格での建築を目指し、5階建てまでの非住宅木造ビル、1500平米規模のショールーム、ショップといった中大規模木造建築物を事業化し、全国の工務店にも技術を展開していきます。その先駆けとして、川崎市の総合住宅展示場に日本初の木造軸組工法による5階建てモデルハウスの出展を予定しています。
都市部での木造建築による資産活用の提案などを実施し、SDGsの取り組みとして日本の街並みに木造建築を復活させるべく、都市の木質化を全国へ推進します。併せて、中大規模木造建築の技術確立のため、5階建ての耐震実験も実施の検討も進めてまいります。
今後、新型株の発見などコロナ禍の影響が続く厳しい環境下においても、ESG 経営やSDGsの取り組みを加速してまいります。各関連事業部がシナジーを発揮しながら、活動エリアや人員を拡大し、SABMメンバーの皆さまともに日本一の木造建築グループを目指します。また2022年春には3回目の職域接種の実施も決定しており、皆様が安全安心に生活を送っていただけるよう、社員一丸となって早期実施に向け、検討を進めてまいります。
この新しい年が皆様にとって実り多く素晴らしい一年となりますことを祈念して、私の年頭のご挨拶とさせていただきます。
隣接公園との生物多様性保全の取り組み コスモスイニシア「和光」完成

「イニシア和光」と渡り廊下
コスモスイニシアは12月23日、いきもの共生事業推進協議会「ABINC(エイビンク)」認証を取得しているマンション「イニシア和光」(全100)が竣工し、2021年12月から入居が始まったと発表した。
物件は、有楽町線地下鉄成増駅から徒歩10分、和光市白子2丁目に位置する敷地面積約3,839㎡の8階建て全100戸。現在分譲中の住戸(6戸)の専有面積は68.38~90.15㎡、価格は4,498万~6,558万円。建物は2021年11月に竣工済み。施工は大豊建設。
敷地北西面に隣接する「大坂ふれあいの森」(1,427㎡)との生物多様性保全の取り組みを行い、敷地内に芝生の共用ガーデンやシンボルツリー、地域の人も利用可能な提供公園などを配したランドプランが特徴。
緑被率を敷地の3分の1以上確保し、10mのケヤキをはじめとする地域に自然植生する在来種の植物を計画的に配置し、野鳥や蝶が好む木の植栽や小さな生き物が隠れ家にできるエコスタックを設置。周囲のエコロジカル・ネットワークとして機能するよう計画。
敷地内に設置したクラブハウス付き共用ガーデン「もりラボ」は、居住棟と渡り廊下でつながっており、アウトドアライフの楽しさを提案する「BE-PAL」とプログラミング教育を導入・推進する「MAZDA Incredible Lab」監修のもと、子どもも大人も憧れる秘密基地となるようさまざまな仕掛けを提案。子ども用ボルダリング、100冊の図鑑が揃う図書コーナー、プログラミングキットなどを設置、Wi-Fiを完備してワークスペースとして利用できるようにしている。
また、マンション建設時に伐採した木の切り株をベンチとして再利用したほか、雨水や落ち葉を有効利用するために、緑地の散水に再利用可能な貯水槽や、落ち葉溜めなどを設置している。
入居者の居住地は和光市(約13%)、板橋区(約13%)、練馬区(約18%)、23区(約37%)など。世帯主の年齢層は~29歳(約10%)、30~39歳(約65%)、40~49歳(約20%)など。契約者からは、通勤利便性やゆとりある空間設計、敷地内で安心して子どもが遊べる環境が魅力的であると評価されているという。
物件は、「ABINC(エイビンク)」認証のほか「埼玉県子育て応援マンション」に認定されている。

共用ガーデン
◇ ◆ ◇
今年11月、大和ハウス工業「プレミスト和光丸山台」を取材したとき、コスモスイニシアがこのマンションを分譲していることは聞いたが、和光市駅からは遠いのでそのまま聞き流した。
このような取り組みをしているマンションだとはプレス・リリースを読むまで知らなかった。今年は、記事を添付したように公園との垣根を取り払ったフージャースコーポレーション「デュオヒルズつくばセンチュリー」フォレスト」と小田急バス・ブルースタジオ「hocco(ホッコ)」、敷地内に里山を有する小田急不動産ほか「リーフィアレジデンス橋本」を見学したが、この物件も遜色ない。分譲中の住戸の単価も安いと思う。

ケヤキ(左)とエコスタック
出来すぎだ!焼杉! 見どころ多い小田急バス×ブルースタジオ「hocco(ホッコ)」(2021/10/7)
東急不動産「BRANZ(ブランズ)」 リブランディングに注目・期待
東急不動産がマンションブランド「BRANZ(ブランズ)」のリブランディングに着手したのに注目し期待もしている。
同社は12月20日付のプレス・リリースで、2030年度までに全ての分譲マンションでZEHを標準仕様にするほか、ブランドスローガンに「住まいを、未来のはじまりに。」を掲げ、分譲・賃貸・学生レジデンス事業など住宅事業の全領域で「社会課題を、暮らし心地に変えていく」という行動指針のもと、"誰もが自分らしく、生き生きと輝ける未来の実現"を目指すとしている。2022年1月からは俳優の長谷川博己さんを起用した「BRANZ」の新CMを放映するとしている。
◇ ◆ ◇
バブル前から〝街づくりの東急〟を取材してきた記者は、同社が軸足を住宅からオフィス・商業施設に移すのは理解できても、何よりの財産であるはずの分譲戸建てが激減し、マンションもいま一つ伸び悩んでいるのに一抹の寂しさをずっと感じてきた。
今回のプレス・リリースは、翌日発表した東急ハンズの全株式をカインズへ譲渡することとセットだと記者は理解している。東急不動産や東急リバブルより一般に馴染みのある東急ハンズを身売りしてでも経営資源を住宅事業に集中する意気込みの表れのはずだ。
現段階でどのような戦略を打ち出すか分からないが、住宅事業で他の大手と互角に戦うには課題も多い。決算数字などから問題点を探ってみた。
同社のマンション事業の粗利益率はここ数年20%前後で推移している。大手他社と比較して低くはない。問題は売上高営業利益率だ。2021年3月期の同社の住宅事業は売上高1,463億円で、営業利益は84億円、営業利益率は5.7%だ。
この営業利益率は、20.5%と突出している住友不動産はともかくとして、三井不動産の12.3%(分譲戸建て含む)、野村不動産の8.2%(同)、東京建物の7.2%(2020年12月期)、三菱地所の6.6%と比較してもっとも低い。
粗利益率は高いのに営業利益率が低いのは販管費などの増大が利益を圧迫しているからだ。同社の2021年3月期の完成在庫は827戸だ。計上戸数1,777戸に対する割合は46.5%に達している。
同業他社はどうか。完成在庫の多いのは住友不動産も同様で、2021年3月期は1,184戸だ。しかし、同社の計上戸数は4,164戸なので在庫比率は28.4%だ。他では野村不動産が11.5%、三菱地所が6.1%、東京建物が14.8%となっており、三井不動産はわずか167戸(戸建て含む)で、割合は3.4%にしか過ぎない。
どうして東急不動産の完成在庫が突出しているのか。その原因を探るには詳細な分析が必要だが、やはりブランド力(価格競争力)、個別物件の基本性能・設備仕様レベルの差だろうと思う。
例えば、京王線調布駅から徒歩7分の「ブランズシティ調布」(305戸)で見てみよう。
この物件については2020年春ころ、同社に取材を申し込んだが断られているので、基本性能・設備仕様レベルは分からないのだが、現地周辺は分譲戸建てやマンションの取材で数回訪れている。布多天神社の緑が素晴らしく、敷地北側にはスーパー・マルエツもあり、敷地南側は第一種低層住居専用地域だ。甲州街道を渡らなければならないハンディがあり、当初聞いた坪単価320~330万円はやや高いような気もしたが、これは許容範囲というものだ。他の沿線と比べ割り負けしている京王線とはいえ、新宿から特急で15分のアクセスを考えたら妥当な単価だと思った。
売れ行きは好調に推移するのではと考えていたが、どうもそうではないらしい。もうすぐ竣工後1年が経過するが、相当数残っているようだ(同業他社から残戸数は聞いているが、未確認なので書かない)。物件ホームページで確認したら、12月下旬登録予定の5戸の専有面積は70.00~70.15㎡、価格は5,400万円台(1戸)~6,000万円台とある。坪単価に換算したら255~294万円だ。新築も中古もどんどん価格が上がっているというのに、この安さは何だろう。競合物件では最安値ではないか。
基本性能・設備仕様レベルも物件ホームページから確認した。大規模ならではのランドスケープデザイン、子育てサービスのほかディスポーザー、タンクレストイレ、トランクルーム、スロップシンクなどが確認できたが、このほかに特筆できるものはない。つつじヶ丘-調布-府中-聖蹟桜ヶ丘にかけて10物件くらい供給されている激戦区にしてはアピールポイントに欠けると言わざるを得ない。
参考までに、記者が大手と互角以上に戦えると思っているモリモト、大和地所レジデンス、ポラス中央住宅の〝中堅御三家〟の基本性能・設備仕様を少し紹介する。
この3社に共通しているのは完成在庫が少なく、どこにも負けない〝売り〟の商品企画があることで、それぞれターゲットは異なるが年間供給量も1,000戸くらいなのもよく似ている。
モリモトはデザイン・意匠のほかワイドスパン、設備仕様レベルが総じて高い。中堅で三菱地所、丸紅、東急不動産などの大手との共同事業(売主)の実績があるのは同社のみだ。〝モリモトファン〟は数万人いるはずだ。
大和地所レジデンスは、奥行き4m×幅4mのオープンエアリビングバルコニーや100㎡住宅などの商品企画が突出している。
ポラス中央住宅はキッチンとキッチンカウンター・ダイニングテーブルを一体化したピアキッチンがある。しかも価格にしたら数十万円はするはずのバックカウンター・食器棚付きだ。このほか、生活者目線の細かな工夫がユーザーの心を捉えている。最近は長谷工コーポレーション施工が増えているが、販売代理の長谷工アーベスト担当者も絶賛するほどだ。
東急不動産は他の大手から差を付けられ、後続の中堅の追撃も受けている。かつての輝きを取り戻すには2倍、3倍の努力、エネルギーを注ぐ必要がありそうだが、ヒントは現場にある。何が足りないかは現場担当者がよく知っているはずだ。それを企画に生かすことではないか。「プラウド」も「ブリリア」もヒットする前は〝並〟だったではないか。
Wショック 東急ハンズ身売り&京王プラザホテル多摩の営業終了
東急不動産ホールディングスは12月22日、同社の連結子会社・東急ハンズの全株式・債権をホームセンターを展開するカインズに2022年3月31日付で譲渡することを決定したと発表した。
東急ハンズは1976年、東急不動産の100%子会社として創業。現在、国内海外で86店舗(FC24店舗を含む)を展開しているが、新型コロナウイルス感染症の拡大により業績が悪化。2021年3月期の売上高は631億円で、46億円の経常損失。譲渡株式数は1,440万株(譲渡金額は非公表)。
◇ ◆ ◇
ショックだ。東急ハンズの創業時、当時の東急不動産・松尾英男社長は本業の不動産業をそっちのけで東急ハンズの誕生をメディアに宣伝した。
記者はあまりというかほとんど利用しないが、一般の人は〝東急〟といえば電車で百貨店だろうし、東急不動産HDグループの中でも東急不動産よりも東急リバブルよりも馴染みがあるのではないか。ブランド価値向上に貢献していたのではないのか。
2021年3月期は46億円の経常損失ということだが、コロナが収束したら業績は持ち直すのではないか。100円ショップが幅を利かす時代だが…。
この日、京王プラザホテルは、わが多摩市の「京王プラザホテル多摩」を2023年1月15日で営業終了すると発表した。ダブルショック。今年の10月ころだったか、「多摩」の2階のラウンジは週に2回くらい営業を中止し、レストランも時間短縮していたので心配していた。
野村不「(仮称)溜池PJ」 国交省「令和3年度サステナブル建築物等先導事業」に

「(仮称)溜池プロジェクト」
野村不動産は12月22日、野村不動産溜池ビルの建て替え事業「(仮称)溜池プロジェクト」が国土交通省「令和3年度サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)」に採択されたと発表した。
同プロジェクトは、同社が事業企画・監修を行い、清水建設のハイブリット木質構法「シミズハイウッドⓇ」を活用し、木質部材である柱・梁・スラブを鉄骨造と合理的に組み合わせることで、高い耐震性能・耐火性を確保しつつ心地よい無柱の木質オフィス空間を実現したことが評価された。
木の使用量(約500㎥)・使用率(約0.09㎥/㎡)を最大化させた木質オフィスとすることで、建設時のCO₂排出量は約100t削減し、CO₂約320tの固定化を実現する。
物件は、港区赤坂1丁目に位置する鉄骨造一部木造9階/地下1階建て。竣工予定は2023年10月。設計監理・施工は清水建設。
今回の先導事業では、東京建物の共同住宅「(仮称)洗足池プロジェクト」も採択されている。

