耐震+制震の性能持つ高性能耐力壁「Endure Wall(エンダーウォール)」 ポラス

「Endure Wall (エンダーウォール)」
ポラスグループのポラス暮し科学研究所は3月8日、耐震・制震の性能を併せ持つ高性能耐力壁「Endure Wall (エンダーウォール)」を開発し、すでに注文住宅への採用も決まったと発表した。同日、同研究所内の実大実験施設で、従来の耐力壁との性能の違いが分かる記者見学会を行った。
「Endure Wall」は、複数回の地震にも耐えられる強度を持つ耐力壁と、地震の揺れを吸収する高い剛性を持つ特殊な「性能復元材」KOA制震ダンパーを組み合わせることで、コストパフォーマンスに優れ、設計やデザインの自由度も高めることを可能としたのが特徴。
同じ耐震性能を持つ30~40坪の一般的な住宅の場合、従来では22枚の耐力壁が必要なのを、「Endure Wall」はバランスよく配置すれば4枚で済ますことを可能とした。価格は1戸当たり約40万円(坪単価1万円)。すでに4件の成約があるという。木造軸組み工法と2×4工法に対応する。
従来型の耐力壁を用いた建物と「Endure Wall」を組み込んだ建物に阪神淡路大震災の揺れの50と70%の揺れ(中地震)を2回、熊本地震の前震と本震(大地震)の揺れを2回、合計4回それぞれ与えた実験の結果、「Endure Wall」を用いた建物の変形は小さく、構造性能を低下させないことが実証されたという。
現在の耐力壁は熊本地震のような大きな地震が度重なって起きた場合、耐震性が弱まるとされている。

同じ力を加えた場合の比較(左が「Endure Wall (エンダーウォール)」、右が従来の耐力壁)

熱を込めて説明するポラス暮し科学研究所 構造グループ課長・照井清貴氏

KOAダンパー

土台にも工夫がある
東京ガスなど15社 カーボンニュートラルに貢献 LNGバイヤーズアライアンス設立

「カーボンニュートラルLNGバイヤーズアライアンス」設立記者発表会(ホテルニューオータニで)

東京ガスを筆頭にアサヒグループホールディングス、いすゞ自動車、オリンパス、堺化学工業、ダスキン、玉川学園、東芝、東邦チタニウム、ニュー・オータニ、丸の内熱供給、三井住友信託銀行、三菱地所、ヤクルト本社、ルミネの15 社は3月9日、「カーボンニュートラルLNG(以下、CNL)バイヤーズアライアンス(以下、アライアンス)」を設立した。
アライアンスは、持続可能な社会の実現に向け、CNLを調達・供給する東京ガスと購入する各社が一丸となり、CNLの普及拡大とその利用価値向上の実現を目的として設立されたもの。気候変動対策やSDGsへの貢献、ESG企業経営に直結する重要なソリューションの一つとする。
アライアンス参画各社は、2050年の「カーボンニュートラル社会の実現」に貢献することを目指し、CNL を世の中に広く認知させるとともに、投資機関による評価向上や国内各種制度における位置づけの確立に向けて取り組みを推進していく。
CNLは、天然ガスの採掘から燃焼に至るまでの工程で発生する温室効果ガスをCO2クレジットで相殺(カーボン・オフセット)し、燃焼させても地球規模ではCO2が発生しないとみなすLNG。東京ガスが2019年に輸入を開始し、カーボンニュートラル都市ガスとして日本で初めて供給を開始した。対象となるCO2クレジットは、信頼性の高い検証機関が世界各地の環境保全プロジェクトにおけるCO2削減効果をCO2クレジットとして認証したもの。
◇ ◆ ◇
この日(9日)の記者発表会場となったホテルニューオータニの広い宴会場正面には、欠席したアサヒグループ、オリンパス、ヤクルトの3社を除くそれぞれの業界を代表する会社の代表全員が、社章バッジではなくSDGsバッジを襟に付けて並んだ。わが住宅・不動産業界では三菱地所執行役員コマーシャル不動産戦略企画部長兼都市計画企画部長・井上俊幸氏とグループ会社の丸の内熱供給取締役社長・土屋正裕氏が出席していた。
冒頭に、経産省資源エネルギー庁長官・保坂信氏と環境省総合環境政策統括官・和田篤也氏からのビデオメッセージが紹介され、それから東ガスソリューション共創部長・清水精太氏から概要説明があり、各社のあいさつもあった。
年を取るごとに横着になっている記者は、事前にしっかり勉強しなかったために、清水氏が「今後CNLの輪を100社、1000社に、世界に広げたい。東京ガスのGはGoodのD」と語ったのは印象に残ったが、意義や問題点、今後の展開などをよく把握できなかったというのが率直な感想だ。
もちろん、記者だってSDGsのバッジを持っているし、脱炭素社会実現の取り組みは待ったなしなのはよくわかる。菅総理が昨年10月26日の所信表明で、「わが国は、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを、ここに宣言いたします」と表明した。アメリカ・バイデン大統領は今年1月、「パリ協定」に復帰署名を行い、中国・習近平主席も2060年のカーボンニュートラルを表明した。これから一挙にこの取り組みは加速する。
しかし、一方ではよくわからない問題も多いような気がする。カーボン・オフセットは果たして問題の解決につながるかという問題だ。様々な問題が指摘されている。例えば、ある地域での森林減少を抑制しても、他の地域で森林破壊が増大すれば、カーボンニュートラルにならないとか、国境を越えて金で売買されるクレジットは結果として発展途上国の様々な問題解決につながらないどころか矛盾、格差を拡大し固定する…などだ。
さらにまた、わが国は電源の自給率は11.8%(2018年度)にしかすぎず、化石燃料への依存度は85.5%にも達する。3.11以前は電源の11.2%を占めていた原子力発電は今後どうなるのか、30年先には水素、太陽光、地熱、風力などの再エネとLNG、原子力、石炭がバランスよく利用されるのか、バイオエタノールや南海トラフに大量に眠っているといわれるメタンハイドレードの開発・利用は可能になるのか、森林はきちんと管理できているのか…。
最後に資源エネルギー庁によるわが国の2018年度の電源構成比率データを紹介する。( )内は2010年度。
・石炭 25.1%(22.7%)
・石油 37.6%(40.3%)
・LNG 22.9%(18.2%)
・原子力2.8%(11.2%)
・水力 3.5%( 3.3%)
・再エネ8.2%( 4.4%)

ホテルの近くで咲いていたムササキナバナ
開幕前に西武〝日本一〟 素晴らしいボールパーク化工事完了 人材流失に終止符 更新
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「メットライフドームエリアの改修計画」竣工式セレモニー 後藤オーナー(右)と辻監督

後藤オーナー(左)と辻監督
西武ライオンズは3月8日、投資額約180億円、工期3年3カ月をかけてリニューアル工事を進めてきた「メットライフドームエリアの改修計画」のすべての施設が完了したのに伴い、竣工式を行った。当日はオーナーの後藤高志氏(西武ホールディングス社長)のほか、代表取締役社長・居郷肇氏、辻発彦監督、施工主の鹿島建設・押味至社長などが出席し、メディア関係者に施設を公開した。公式戦開幕日の3月26日(金)には一部の施設を除きオープンする。
改修計画は、「ボールパーク化」と「チームと育成の強化」の2つを軸に、2017年12月から工事が開始されており、自然豊かな周辺環境と半ドームという特性を活かすことで、開放感に満ちた、四季折々の風情が楽しめるボールパークを目指し、屋根の外側の広がりを有効に活用して大型フードエリアやこども広場などを整備した。
また、ライオンズ トレーニングセンター(室内練習場)、若獅子寮、CAR3219フィールド(西武第二球場)など選手の育成環境面についても施設を刷新し、野球に集中できる環境を整備した。
野球観戦以外にも楽しめる「ボールパーク化」に加え、選手の練習・育成環境の刷新を行ったことにより、「ファンにとっても選手にとってもより満足できる施設」へと変貌した。
ドーム内で行われたセレモニーで後藤オーナーは次のようにあいさつした。
「事故や遅延なく、予定通り『メットライフドームエリアの改修計画』の完了を迎えることができたことを、大変うれしく思っております。
メットライフドームエリアの改修計画には、『ボールパーク化』『チームの育成/強化』という2つの目的がありました。さまざまなエンターテインメント性の高いものを用意させていただいたことで、年齢、性別を問わずあらゆる世代の方に埼玉西武ライオンズの試合、そしてコンサートなどのイベントを心からエンジョイしていただけると思います。『チームの育成/強化』については、既に完成しておりますライオンズ トレーニングセンター、若獅子寮、さらにはCAR3219フィールドを整備したことで、若手のプレーヤーの育成、強化に存分に活かされることを期待しております。
コロナ下の中で、行動変容、価値変容、などを言われる時代ですが、プロ野球の開幕により、多くのファンの皆さま、国民の方に希望、元気、勇気、笑いをお届けして、日本を元気づける大きな力になっていきたいと考えております。西武グループの理念である『地域・社会の発展、環境の保全に貢献する』、『安全・安心、そして快適なサービスをご提供する』という理念に基づいて、このメットライフドームエリアをしっかりと運営していきたいと思います。
続いて、辻監督は次のようにあいさつした。
「グランドオープンを迎える年に、監督として指揮をとれることを大変うれしく思っております。この改修工事を経て、本当に新しい座席も増えた中で、先ほど『アメリカン・エキスプレス プレミアム ラウンジ』に足を運び拝見しましたが、ゆったりとした環境で野球を楽しめる素晴らしい場所だと思います。選手たちと同じ目線で野球を楽しめる、近くで選手と触れ合える、そんな素晴らしい場所を、メットライフドームの大きな目玉のひとつとして皆さまに楽しんでいただきたいです。
そして、メットライフドームの新たな歴史の幕開けとなるこの2021シーズン、日本一という大きな目標に向かって戦ってまいります」



セレモニー
◇ ◆ ◇
ここまでの記事はほとんど球団のプレス・リリースのコピペ。過不足なく伝えられたと思う。以下が、西鉄・西武ファン歴60余年の記者の独断と偏見の記事。やや我田引水的な部分もあるが、極力客観的に書くつもりだ。西武が嫌いな人もお付き合い願いたい。
素晴らしい施設が誕生した。記者は他の取材が入っており、公開された施設のうち半分くらいしか見学できなかったが、見学した施設は多分〝日本一〟だと思う。
その前に、どうして三重県出身の記者が西鉄ファンになったのかの経緯を紹介する。
熱烈なファンになったのは、知将・三原修監督時代の1956年から1958年まで読売巨人軍を下して日本シリーズ3連覇を達したあたりだ。ご存じない方も多いかもしれないが〝神様仏様稲生様〟が流行ったころで、中西太氏のほか、すでに鬼籍に入られた豊田、関口、仰木、高倉、島原の各氏らが活躍した時代だ。記者は7~9歳だった。
強かったからファンになったわけではない。伏線があった。小さい頃のことはよく覚えていないのだが、4歳年上の頭の悪い兄は捕手をしており、キャッチボールをしても記者に手加減などしなかった。別棟の風呂や便所の下見板、戸板などをどれだれ壊したことやら。兄との仲は最悪となった。1954年、記者が5歳のときだ。西鉄と中日が日本シリーズで対決した。中日・杉下投手が3勝するなど4-3で中日が日本一になった。当然、兄は中日ファン。ならば俺は負けた西鉄を応援しようとそのとき決めた。西鉄が負けたことがその後の記者の性格形成に大きな影響を与えた。
西鉄が西武に身売りされても心変わりなどせず、ずっと応援してきた。後藤オーナーは1949年の2月生まれで、記者より2か月年上だが、西武ファン歴は記者の方が長いはずだ。
さて、肝心の施設。トレーニングセンター、CAR3219フィールド、エントランスゲート、レンガサークル、ライオンズチームストア プラックス、3塁側コンコース新飲食エリア、グリーンフォレスト デリ&カフェはみんな素晴らしい。
トレーニングセンターは12球団最大級の広さということだ。内野フィールドエリアは内寸50m×50m、メットライフドームと同じ人口芝が採用されており、試合と同様の環境で練習が可能。ブルペンは5レーン、バッティングは4レーン。一部空調設備付き。ファンも練習風景を見学することができる。トレーニングセンターと全4層の若獅子寮(28室)は廊下でつながっており、野球に集中できる環境を整備したという。
記者は、神宮球場しかトレーニング室を見たことはないので比較は難しいが、雲泥の差だと思う。施設全体のスマートスタジアム化も行っているそうなので、投球や打撃データを駆使して選手育成に生かせるはずだ。
寮は門限が定められているが「門限破りはいない」(球団広報=本当かしら)そうだ。清原氏はしょっちゅう門限を破ったはずだ。
ライオンズチームストア プラックスは2階層で、600㎡を誇る大型旗艦店。ファンはたまらないだろう。
残念ながら、バックネット裏のアメリカン・エキスプレス プレミアム、4人掛けテーブル4、6~8名が利用できるバーティテラス、ブルペンかぶりつきシート、立見席ステンレスカウンター、パノラマウッド4など17種の客席や、これまでは芝生席だった外野に設けられた4,374席の指定席は見学できず、さらにベンチ内の空調設備も見ることができなかった。

トレーニングセンター

トレーニングセンター内

CAR3219フィールド

CAR3219フィールド ブルペン

ライオンズチームストア プラックス

ベンチ内空調設備

パーティーテラス

ネット裏テーブル4

ネット裏指定席

アメリカン・エキスプレス プレミアム ラウンジ

テイキョウキッズフィールド

テイキョウキッズルーム
◇ ◆ ◇
セレモニーが行われた約20分間、記者は〝夏熱く冬寒い〟球場の欠点はよくわかってはいたが、後藤オーナーや辻監督がスーツ姿なのにコートを着たままはというのはいかにも失礼だと思い、コートを脱いで震えながら必死にメモを取った。
後藤オーナーも辻監督も〝ペナントレース奪還〟〝日本一目指す〟をそれぞれ1~2回、合計で6回は口にしたはずだ。記者は、日本シリーズで勝つのは容易だと予想するが、目の上のたん瘤・ソフトバンクを倒すのは容易ではないと思う。現有勢力ではどうひいき目に考えても〝神様仏様稲生様〟のような計算が立つ投手が足りない。
しかし、練習環境は間違いなく日本一だと思う。これで、毎年のように続いていた全日本クラスの人材の流失に終止符が打たれると確信した。西武の黄金期(何度目になるのか)が始まる。
もう一つ、球団、野球ファンの方々にいかに西武が優れたチームであるかの客観的データを紹介する。
記者は以前、ドラフト選手の現役稼働年数を数日かけて調べたことがある。確証があったわけではないが、〝西武がナンバーワン〟という確信があったからだ。結果はその通りだった。次位は広島だったか。
スカウト陣の目利き力が優れていることの証左だ。そしてまた、監督やコーチに就任するスタッフの数も西武が他を圧倒しているはずだ。辻監督が就任した2017年には、ソフトバンク・工藤公康氏、ロッテ・伊東勤氏、中日・森繁和氏の西武出身者4人が監督をそれぞれ務めた。12人の3分の1だ。
もういい加減止める。辻さん、優勝できなくてもいい。行きつけのヤクルトファンの酒屋の親父は「いいんじゃないですか。西武は選手の育て方がうまい。儲かればいいんです」と、後藤オーナーが喜びそうな言葉を発した。ヤクルトがんばれ。
あっ、一つ肝心なことを書き忘れた。大型ビジョンは従前のものより2倍になり、臨場感溢れるものになった。その大型ビジョンの下の1塁側のフェンスには「野村不動産グループ」の広告が掲出されていた。
このほか住宅・不動産関係の広告では「住友不動産」が1塁側、「菊池建設」が3塁側の天井部分に掛かっていた。
「ボールパーク」に唯一欠けているのはやはりホテルだ。首都圏の他の球場は全て立派なホテルが近接している。

レンガサークル(1個2万円で昨年売り出されたが、予定5000個のうち残りはわずか。増加する予定はないとか)

辻監督のレンガ

メヒア選手のレンガ(家族など9個を刻んだとか。このほか東尾氏、ニール投手、源田選手の名も刻まれている)

住友不動産の広告(1塁側)

野村不動産グループの広告

菊池建設の広告(3塁側)
3.11から10年 人口減少幅 拡大と縮小が拮抗 太平洋岸39市町村の人口動態

陸前高田市役所玄関(2011年4月12日撮影 消防科学総合センター提供)

pdf 令和3年2月被災地人口.pdf
警察庁、復興庁などのデータによる死者19,668人(うち関連死3,367人)・行方不明2,529人の人的被害を受け、今なお約4.1万人の人が避難生活を続けている2011年の東日本大震災(3・11)からもうすぐ10周年を迎える。甚大な被害を受けた太平洋岸39市町村の人口動態を紹介する。
今年2月1日時点の人口を見ると、岩手県は県全体で昨年より1.1%減少(前年同月は1.2%減)したのに対し、太平洋岸12市町村は2.1%減少(同2.2%減少)と減少幅は縮小したが、県平均を1ポイント上回っている。もっとも減少幅が大きかったのは田野畑村の3.6%で、久慈市、野田村、岩泉町、宮古市、陸前高田市は前年より減少率が増加した。
宮城県は、県全体で昨年より0.4%減少(前年同月は0.5%減)したのに対し、太平洋岸15市町村は0.2%減(同0.2%減)と変わらず。仙台市は0.2%(前年同月は0.1%増)、名取市は0.6%(同0.6%増加)それぞれ増加した。39市町村で人口が増加したのはこの2市のみ。
減少幅が大きかったのは女川町の2.5%(同1.3%)、南三陸町の2.4%(同2.7%)。昨年より減少率が増加したのは石巻市、塩竃市、亘理町、山元町。減少率が減少したのは南三陸町、東松島市、利府町など。
福島県は、県全体で昨年より1.0%減少(前年同月は1.0%減少)したのに対し、太平洋岸10市町村全体では1.1%減少(同1.0%減少)した。
減少幅が縮小したのは相馬市、大熊町、楢葉町で、拡大したのは富岡町の3.2%減(前年は2.2%減)、浪江町の2.8%減(同1.4%減)、双葉町の2.3%減(同1.7%減)など。
39市町村合計の人口は、前年同月の約249.5万人から約248.0万人へ0.6%、1.5万人減少した。減少幅が拡大したのは17市町村で、縮小したのは15市町村だった。
震災前との人口比較では、女川町が43.7%、南三陸町が38.4%、大槌町が29.8%それぞれ減少している。

宮城県名取市の高さ8メートルの慰霊碑(2017年3月撮影。波はここまて達した)
自転車が埋まった浦安市今川地区の住宅街(2011年3月18日撮影)
地面が50cm近く沈下し、ビールケースで下りられるようにしている稲毛高浜南団地(2011年3月22日撮影)
東日本大震災から9年目 太平洋岸39市町村の人口減少止まらず 改善したのは11市町村(2020/3/3)
ポラス 宮城県名取市の仮設住宅で慰問の南越谷阿波踊り(2017/4/27)
液状化に悲鳴あげる浦安市 道路・上下水道ズタズタ 計画停電も(2011/3/17)
「砂上の楼閣都市」新浦安 それでも住宅はしっかり建っていた(2011/3/18)
大ダメージを受けた新浦安 液状化対策は万全だったか(2011/3/19)
海・山・地の神の怒りの刃見る思い 千葉市美浜区の液状化被害も甚大(2011/3/23)
「晴海」「豊洲」「有明」 液状化は全く問題なし(2011/4/6)
三井、三菱、東建など RBA関係者が続々昇格 三井リアルは執行役員27人のうち7人
人事異動シーズンに入り、RBA野球関係者の昇格が続々報じられている。もっとも〝躍進〟が目立つのが三井不動産グループだ。
4月1日付で専務執行役員に就任する海堀安喜氏は国土交通省出身で、不動産業課長時代の2009年~2011年、抽選会に来賓として出席、参加者にエールを送っている。
新たに商業施設本部リージョナル事業部長に就任する肥田雅和氏は、東大野球部出身で、かつてのチームのエース&主砲。他の選手がふがいなかったことから〝孤軍奮投〟した。
慶大野球部出身で、大学日本一に導いた第一人者と言われる同窓・志村氏の3つ先輩の遠藤靖氏が社長を務めるからではないだろうが、三井不動産リアルティは執行役員27人のうち7人がRBA野球関係者となる。
同社の応援団長的な存在の上席執行役員・石井雄二氏は常務執行役員に昇任。住宅賃貸事業本部、横浜支店住宅賃貸営業部、関西支店賃貸営業グループ・賃貸運営グループ、名古屋支店賃貸営業グループを担当する。
執行役員に新任するソリューション事業本部副本部長ソリューション事業本部統括営業部長・志村亮氏は、いうまでもなく〝RBAの星〟。平成元年のドラフトで、当時としては破格の契約金3億円を巨人から提示されながら「野球は趣味で」との名言を残し三井不動産に入社したのは今でも記者は忘れられない。今年55歳になるが、体形は昔のままでまだまだ投げられるはずだ。
同じ執行役員ソリューション事業本部副本部長・吉田裕氏は、野球は素人ながら〝出ると負け〟だった当時の三井リアルプランチームを常勝チームに育て上げた監督を長く務めた。
このソリューション事業本部を管掌する常務執行役員・正木条氏はかつての三井不動産販売の監督を務めていた。
志村氏と同じ執行役員に就任する三井不動産リアルティ札幌代表取締役社長・江川尚志氏は、RBA野球大会32年間の歴史の中で2人しかいない三冠王の一人。双方が勝てば東京ドームの試合で、三井不動産販売チームに所属していた江川氏は志村投手に三振を喫したが、その時のコメントは「目の前で球が消えた」だった。
住宅賃貸事業本部地域統括部長に就任する安西幸次郎氏はチームの監督。安西氏ほどの〝口達者〟なRBA関係者はそういない。野村不動産アーバンネット執行役員・木内恒夫氏と双璧だ。
東京建物は1月1日付で住宅賃貸事業部長・佐林繁氏が住宅事業第二部長に就任した。投げても投げても〝底が抜けた桶〟のナインに足を引っ張られ続けた〝悲劇のエース〟だ。同社の「ブリリア」ブランド立ち上げにかかわっている。
投資事業推進部長に就任した情報開発室長・中町純一氏は、チームが大会に参加した第2回大会から30年間監督を務めている。最高成績はベスト4が2回で、通算成績は94試合34勝60敗、通算勝率は0.362。かつては〝がんばれベアーズ〟状態だったが、最近はチーム力が上がっており、優勝を狙えるチームに浮上している。
3月21日付で執行役員(ロジスティクス事業部担当兼 商業事業部長兼ホテル事業部長)に就任する髙橋浩氏は、三井不動産・志村氏と桐蔭-慶大野球部の同窓同期で捕手。入社してからは志村氏とは対照的に体重がどんどん〝成長〟し、そのうちRBA野球大会からも姿を消した。メタボが心配。ただ、ロジスティクス、商業施設、ホテル事業は同業との人脈はありそうで、抜け目なく情報収集するのではないか。
三菱地所の4月1日付人事異動で、Mitsubishi Estate Asia Pte. Ltd. Executive Directorから総務部長に就任する明嵐二朗氏は、チームの黄金時代の主軸の一人。
東急不動産ホールディングスの人事異動で、住宅事業ユニット首都圏住宅事業本部開発第二部統括部長・泰道周作氏が同本部開発第一部統括部長に就任する。チームの主砲を務めていた。名前が「泰道」とあるように、わが故郷・三重県出身の実業家・泰道家とは姻戚関係にある。
野村不動産ホールディングスは一昨日当欄で紹介した。今後も人事異動が発表されたら、その都度紹介したい。
野村不動産 新社長に松尾大作専務が就任へ 宮嶋社長は同社副会長に(2021/3/5)
野村不動産 新社長に松尾大作専務が就任へ 宮嶋社長は同社副会長に
野村不動産グループ各社は3月5日、機構改革・役職員の人事異動を発表。
野村不動産ホールディングスは4月1日付で取締役体制は会長に永松昌一氏、代表取締役社長に沓掛英二氏、取締役に吉川淳氏、宮嶋誠一氏、関敏昭氏、芳賀真氏、東哲郎氏(社外)が、コーポレートコミュニケーション部長に佐々木秀洋氏がそれぞれ就任。同日付で吉川氏は野村不動産顧問に、宮嶋氏は野村不動産取締役副会長に、関氏は野村不動産ライフ&スポーツ取締役を継続すると共に野村不動 産ホテルズ取締役およびUHM取締役に就任する予定。
6月下旬開催予定の総会を経て取締役体制は取締役会長に永松昌一氏(重任)、代表取締役社長に沓掛英二氏(重任)、代表取締役副社長に松尾大作氏(新任)、取締役に芳賀真氏(重任)・黒川洋氏(新任)、取締役(社外)に東哲郎氏(重任)・伊藤かつら氏(新任)がそれぞれ就任する予定。
野村不動産は4月1日付で松尾大作氏が社長に就任する。
松尾氏は鹿児島県出身。1964年10月18日生まれ。1988年3月、同志社大学経済学部卒、同年4月、4月、野村不動産入社。2012年4月、執行役員、2015年4月、常務執行役員、2018年4月、取締役兼専務執行役員(現職)、野村不動産ホールディングス執行役員(現職)。
◇ ◆ ◇
RBA野球関係者では、野村不動産の〝主砲〟を死守する常務執行役員・松﨑雅嗣氏が芝浦プロジェクト本部長に就任する。松崎氏は野村不動産ビルディング社長も兼任する。
野村不動産アーバンネット(4月1日付で野村不動産ソリューションズに商号変更)は、応援団の常務執行役員・神園徹氏が法人営業本部ウェルスマネジメント一部、ウェルスマネジメント二部担当に、かつての切り込み隊長・佐藤大樹氏が流通事業本部吉祥寺営業部長に、元レギュラーの〝口撃力〟は木内氏と互角だった笹野青志氏がパートナー営業本部業務部長に就任する。
野村不 初回一挙6点で逃げ切り 松崎常務が口火 三井レジリース どうした山際(2018/7/2)
野村不動産 小規模オフィスビル「H¹O外苑前」に木造ハイブリッド初採用

「H¹O外苑前」
野村不動産は3月5日、従業員10名未満の小規模オフィスマーケットのニーズに対応したオフィスビルブランド「H¹O(エイチワンオー)」(Human First Office)シリーズ第12号物件「H¹O外苑前」(2022年10月開業予定)の主要構造部へ初めて木造ハイブリッド構造を導入すると発表した。
「H¹O外苑前」は、事業企画及び設計を担当する熊谷組が2017年に業務・資本提携した住友林業と共同設計を行い、木質耐火部材の大臣認定を取得したλ-WOOD(ラムダウッド)を使用。柱・梁一部の木造化によって建築時のCO2排出量約21tの削減と、CO2約19tの固定を実現する。
CO2固定量は、計画地(約453㎡)と同等の広さの土地に杉を植栽した場合のCO₂吸収量約50年分に相当する。
同社は、国際的な森林認証制度「SGEC/PEFC プロジェクトCoC 認証」をデベロッ パーとして初めて、またオフィスビル分野で初めて「H¹O平河町」(2021年2月竣工済み)で取得している。

◇ ◆ ◇
いい取り組みだ。同社に期待したいのは外壁への木造の採用だ。コストのことは分からないが、技術的には可能なはずだ。画像と記事を添付したように、大田区の「田園調布せせらぎ館」や三井不動産の「三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミア」は最高に素晴らしい。

「三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミア」

「田園調布せせらぎ館」
隈研吾氏設計 鉄と木とガラスの「融通無碍」ハイブリッド「田園調布せせらぎ館」(2021/1/28)
隣接明大校舎の巨木の借景見事 日本初の木造ハイブリット 野村不「神田駿河台」(2020/11/24)
さすが三井不動産 わが国初の本物の木造〝杉乃木〟ホテル「神宮外苑」に誕生(2019/11/13)
EC拡大 多様化する顧客ニーズ コロナ禍でも伸びる三井不ロジスティクス事業

「MFLP東名綾瀬」
三井不動産は3月4日、日比谷三井タワーでロジスティクス事業記者説明会を開催し、同社常務執行役員ロジスティクス本部長・三木孝行氏(4月1日付で専務執行役員に就任予定)がこれまでの取り組みや新規開発物件の紹介、今後の展開などについて説明した。説明会はWeb会議システム「ZOOM」でのオンライン参加も可能で合わせて56名の報道陣が参加した。
三木氏は、新型コロナウイルスにより物流施設市場も大きく変化し、「EC(Electronic Commerce)は想像以上に拡大している。テナントのニーズも多様化しており、ICT活用が加速し、マルチユース、ラストワンマイル配送網の需要が顕在化し、その一方で参入企業の増加で用地取得の競争が激化。デベロッパーは全員参加型となった」と語った。
こうした環境変化に対応するため、三木氏は「従来以上の事業規模・領域拡大を目指す。これまでは年間5件くらいの開発スピードだったが、今後は増やしていく。物流ソリューションとしてパッケージで提案できるかが試されており、当社は機械化倉庫、デジタル倉庫、ミクスト産業施設、スタートアップ企業などとの連携、冷凍・冷蔵倉庫、アーバン型の展開に力を注いでいく。ICT活用により業務効率・従業員満足度も向上させ、環境配慮型倉庫の実現を推進する」などと語った。
新規開発物件は、「東名綾瀬」「新木場Ⅰ」「新木場Ⅱ」「海老名南」「平塚Ⅲ」「弥富木曽岬」「(仮称)粕屋町計画」の7物件の開発が決定し、累計では国内45物件・海外2物件合計47物件、延べ床面積は約390万㎡、投資額は約6,100億円となることを明らかにした。

三木氏(座った席がよくなかった。アクリル板の線はどうしようもない)

「MFLP羽田」
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発表会場には26名の、オンラインには30名の記者がそれぞれ参加するなど、コロナ禍にもかかわらず堅調に推移している物流市場を反映する賑わいを見せた。
記者は、三木常務が何を話すか注目していたのだが、コロナ禍であることを考慮したのか、この日はプロジェクターに映りだされた15ページにわたる説明会資料について説明したのにとどまった。〝日本一〟〝世界一〟は、「船橋MFLP」の21万坪の広さを「世界的に類を見ない」、併設されたスケートリンクを「世界基準」、「MFLP ICT LABO 2.0」を「日本に例がない」と3回話したのみで、他では稼働物件のテナント入居状況について「極めて順調」と語ったのにとどまった。囲み取材もなかった。
報道陣からは10人くらい質問があった。手が上がった質問者のほとんどに答える姿勢はいい。小生は伸長著しい業績に驚いているので次の質問をした。
・御社の2021年3月期3Qの分譲セグメントでロジスティクスやオフィス、マンションなどの投資向けの売上高が約2,800億円で、国内分譲マンションと戸建ての約2,500億円を上回るなど歴史的な数値となった。この投資用のうちロジスティクス事業はどれくらいの比率を占めるのか
・今後の事業展開で示している「光ダクト」の採用に注目している。工場・倉庫の難点は蛍光灯などの影が出るので、フォークリフト作業などの際のストレスが高いと聞いている。(「光ダクト」は光を拡散することで影を生じさせないので)革命を起こすかもしれない。倉庫会社でこれを採用している会社はどれくらいあるか
これに対して、三木氏は「売上数値は非開示。光ダクトは分からない」としか話さなかった。(三井不動産ロジスティクスパーク投資法人の2020年1月期末から2021年1月期末まで新規取得は5物件1,257億円、資産規模は約3,000億円の見込み。「光ダクト」は無限の可能性を秘めていると思う)
もう一つ聞き忘れたので、同社広報に確認した。三木氏は「2012年に物量施設事業部を発足させたときのスタッフは7名で、うち経験者は1人のみ」と語ったので、現在は何人か聞いたところ70人だった。10年で10倍増だ。すごい数字だ。
それにしても、ロジスティクス事業に参入してわずか10年でこの数字だ。既存の名だたる会社はいったい何をしてきたのか。
以下に、同社のロジスティクスに関する記事を添付する。
駅前4.5haの再開発も三井不グループに決定 三井不レジ「南船橋」人気加速か(2020/10/23)
人の100倍働く年収500万円ロボット! 三井不 日本初の物流ICT体験型ショールーム(2020/2/13)
わずか7年間でオフィス面積と肩並べる360万㎡開発 三井不のロジスティクス事業(2019/11/6)
アナログの世界に楔IoT活用で物流市場を変えるHacobu多業種と連携し課題解決構想(2019/9/22)
梓設計が本社機能 三井不 街づくり型「インダストリアルパーク羽田」満床稼働(2019/7/5)
住宅不可の151ha〝処女地〟新木場にライフサイエンス拠点 三井不の新事業(2019/6/1)
もう我々の出番ない〟 三井不動産〝かつて〟の主力、溝口も福田もICTに脱帽(2017/9/12)
画期的、大成功、渦を巻く〝三木&御酒〟雄たけび 三井不・プロロジス「川越」竣工(2018/11/6)
「最早、後発でない」「嫌悪施設でもない」 三井不 ロジスティクス本部長・三木氏(2018/5/21)
一都三県のコロナ緊急事態宣言 2週間延長へ 菅総理が表明


菅義偉首相は3月3日夕、3月7日とされている一都三県の新型コロナ緊急事態宣言の期限を2週間程度延長し、3月21日(日)までとする意向を示した。
記者も大賛成。別表に第2波の8月15日(土)から9月7日(月)までと、第3波の2月7日(日)から3月2日(火)までの感染者の推移を示した。
それぞれ感染者数は異なるが、波の形は似通っており、3月7日(日)までとされている今回の緊急事態宣言を予定通り解除したら、感染拡大は再発するとみた。
9月7日以降の感染者は100人を割る日も8日あったが、外国人入居緩和、GoToキャンペーンが東京へも適用された10月以降は爆発的に感染者が増えた。
徹底して感染を抑制し、オリンピック開催の機運を高めてほしい。
価格上昇・専有圧縮 質の低下…マンション市場データは消費者目線欠落していないか
先日、長谷工総合研究所の不動産総合情報誌「CRI(Comprehensive Real-estate Information)」最新号3月号(No.511)が届いた。昨年の首都圏と近畿圏の分譲マンション市場の総括が特集だ。
記者は、1994年に長谷工総研が設立されてから大変お世話になってきた。同社の研究員と一緒に民間の有料老人ホームなどを取材したこともある。「CRI」は、ページ数は25ページくらいだが上質紙を使用しており、不動産経済研究所のデータをリソースとしながらも独自の視点でマンション市況などをレポートしている。巻末の首都圏と近畿圏のDATAFILEは8ページにも及び、住宅着工動向についても毎月報告している。見城美枝子氏のコラムもいい。マンションを取材するメディア関係者にとって欠かせない情報誌の一つだと思う。
一方で、3月2日発売の住宅新報3月2日発売号(電子版)の1面は「首都圏新築分譲マンション市場の行方」と題する記事だ。
こちらは、トータルブレイン・杉原禎之取締役副社長、工業市場研究所・美濃部康之専務取締役、長谷工アーベスト販売企画部門市場調査部・林祐美子部長らのコメントを中心にまとめたものだ。
トータルブレインは設立時から小生もお世話になっており、杉原氏とは1か月くらい前にお会いし、いろいろ情報交換をした。一昨年暮れに急逝された久光龍彦社長の業務を引き継ぎ、43社を毎日3社のペースで訪ねていると聞き、とてもうれしくなった。美濃部氏とはしばらくお会いしていないが、リーマンショック前までは同社が主催する勉強会「さんもく会」などに出席していたし、長谷工アーベストはマンション販売現場のほかRBA野球大会でも楽しい取材をさせていただいている。
双方のレポート・記事についてはコメントを差し控えるが、この際だ。情報機関や記者の取材のあり方について以下に書くことにする。調査、取材は何のためか、誰のためかを考え直してほしいからだ。
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まず、第一に各調査機関のデータについて。マンション市場については、不動産経済研究所、CRI、東京カンテイ、工業市場研究所(コーケン)などが調査し、毎月レポートを発信している。
調査対象がそれぞれ異なるのでデータが一致しないのはやむを得なが、最近は住宅着工戸数との乖離が目立つような気がしてならない。
ここ3年間の住宅着工戸数と不動産経済通信(CRI)、東京カンテイ、コーケンの分譲戸数を比較してみた。
2018年から2020年までの首都圏マンション着工戸数は168,514戸だ。一方で分譲戸数は不動産経済通信(CRI)が95,598戸、東京カンテイが129,153戸、工業市場研究所が103,495戸だ。不動研の数値が少ないのは、同社は専有面積30㎡以下や投資向け1棟売り、定借物件は調査対象外としているのでこのような乖離が生じるのは納得できる。東京カンテイとコーケンはワンルームマンションなども調査対象としていると思われる。
それにしても住宅着工戸数との差は3年間で東京カンテイは約4万戸、不動研は7.3万戸の開きがある。住宅着工を100とすれば、捕捉率はそれぞれ76.6%、56.7%だ。着工戸数の半数しか供給されないのに、どうして「堅調」(新報)などと言えるのか。
〝疑ってかかる〟のは記者の基本だ。いったい捉えきれない残りの戸数はどうしたのか考えるべきだ。記者は、建て替え・再開発物件などの地権者用や事業協力者住戸も年間で数千戸あり、同業・リート・個人投資家向けへの1棟売りも数千戸に上るのではないかと推測しているのだが…これだと限りなく住宅着工の数値に近くなるはずだ。
いずれにしろ、需要は多様化している。デベロッパーも多様化するニーズに応えるよう開発を行っているはずだ。「分譲マンション」として一括りにするのは正確な市場を把握したことにならないと思う。調査機関はこうした動きに対応できているのか。
需給の多様化の一例を紹介する。三井不動産の2021年3月期第3四半期決算の分譲セグメントで、オフィス・物流・海外分譲の売上高2,769億円が国内の分譲マンションと分譲戸建ての売上高2,495億円を上回った。住友不動産も前期あたりから〝全国供給量ナンバーワン〟を目指さなくなった。この意味するところを考える必要がある。
もう一つ、こちらのほうが大事だと思う問題提起。調査機関はマンションの供給戸数、面積、価格、売れ行き、在庫などについては詳報しているが、その質や設備仕様についてはほとんど公表しない。量とともに質も大事にしないといけないのはマンションも同様のはずだ。
記者は、マンションの質とは基本的には面積だと思っており、ファミリータイプの専有面積が価格を抑制するために縮小されるのは時代が退行するようで残念でならないのだが、単身・DINKSなどの小規模家族向けの需要が増大していることを考慮すると、一概に面積圧縮=質の低下といえない側面もある。それを無視して平均値で示すマクロデータの欠点はここにある。
各調査機関のデータに欠落しているものはこのほかにもたくさんある。列挙するとレンタブル比率はどうか、リビング天井高はどう推移したか、免震は増えたのか減ったのか、直床の増加をどう見るのか、ワイドスパンはどうか、キッチンのグレードはどうか、フラット・ハイサッシの設置はどうか、バルコニーのスロップシンク、ディスポーザー、食洗器、ミストサウナ、ZEH、UD…書き出したらキリがない。
これらは分譲価格と不可分のものだが、マクロデータはこれらを拾いきれない。聖路加国際大学大学院看護学研究科教授・中山和弘氏の「か・ち・も・な・い」(書いた人は誰か、違う情報と比べたか、元ネタは何か、何のために書くか、いつの情報か)はマンション市場記事についても当てはまる。消費者目線が欠落したデータはそれこそ「価値もない」と言ったら失礼か。

