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左から三浦氏、和泉氏、柳川氏、石塚氏

東京建物は5月21日、高度金融人材育成施設「FIAN(フィアン)」の開所戦略発表会を開催し、オックスフォード大学や東京大学、シンガポール国立大学アジアデジタル金融研究所などと連携し、東京を起点としたグローバルエコシステムの強化と、国際金融都市・東京の競争力強化に貢献する「AIと金融の未来研究会」を設けた背景、狙いなどを説明した。

発表会で同社代表取締役副社長執行役員・和泉晃氏は、同社が参加組合員として事業参画している「呉服橋プロジェクト(八重洲一丁目北地区第一種市街地再開発事業)」の先行施設としてグローバル金融システムのプレーヤーと連携を取りながら企画運営する施設として「FIAN」を開設し、第一期(2025年度)の「AIと金融の未来研究会」にはSMBC日興証券、みずほフィナンシャルグループ、商工組合中央金庫、三井住友銀行、大和証券など大手金融機関など8社がプラチナ会員として参加すると説明。賛助会員を含めた会員は3年後には300社に拡大すると語った。

AIと金融の未来研究会」座長の東京大学大学院経済学研究科教授・柳川範之氏は、オンライン、ネットの世界だけでは新しいオープンイノベーションは生まれないとし、「交流を通じて国内外の最先端の知見を活用できる高度金融人材を育てるのが研究会の大きな柱の一つ。もう一つは、縦割り構造の壁を打破すること。金融機関同士、あるいは金融庁、日本銀行、国土交通省の担当者などと話しあう機会などないのが現状。今後は横連携を進めないと大きな発展は望めない。研究会ではお互いが学び議論しあうことで、ネットワーク効果とか新しい技術が生まれることを期待している」と述べた。

NTTデータ経営研究所・石塚昭浩氏は「このような取り組みはわが国ではほぼなかった」と、来賓として挨拶した東京都産業労働局国際金融都プロモーション推進担当部長・三浦知氏は「都が推進している『国際金融都市・東京』構想2.0と皆さまの取り組みは目指す方向が一致している。大変期待している」とそれぞれ話した。

施設は、地下鉄日本橋駅直結(東京駅から徒歩6分)、東京建物日本橋ビル11階の約443㎡。最大70名収容のセミナー・イベントスペースのほかシェアオフィス(個室4室、会議室1室、コワーキング約25席)から構成。

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実寸大の4畳半の畳をモチーフにしたエントランスのアート(畳は井草を使用し、中央の鏡は緑、赤、青に変化する)

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受付カウンター(植物は本物)

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ラウンジ

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竹筒に本物のカンパニュラ、アジサイなどを活けているラウンジ(ソファの後ろはフェイクグリーン)

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 AIと金融はもっとも苦手で縁遠い分野だ。しかし、AIを活用しないと企業も社員も生きられない世の中になるだろうということは容易に想像できる。三井不動産は、現在のDXの年間投資額200億円を2030年には350億円に拡大すると発表したし、大和ハウス工業が2019年に立ち上げたデジタルコンストラクションPJの人員は51名だったのが、現在は268名に増やしているのも聞いた。

 今回の発表会で注目したのは、わが国の金融機関の後進性と、金融機関に限ったことではないが、縦割り社会・組織の弊害についてだった。

配布された資料には「NTTデータによると、2024年時点で世界の金融機関の約69%が生成AIを導入済または試験運用中である一方で、日本国内金融機関では、既に生成AIを活用している企業は31%、施行段階を含めると58.1%に留まっている…海外と比較して〝実装〟のフェーズに課題がある可能性が高い」とある。金融機関ですらこの程度だ。全業種ではどうか言うまでもない。

縦割り社会・組織の弊害が論じられたのはバブルがはじけたあたりからだ。それまでグローバル企業ランキングで上位を独占していたわが国は、その後、凋落の一途だ。その原因の一つに硬直した縦割り社会・組織にあると記者は考えている。

柳川氏はこの縦割り社会・組織の壁に挑戦すると話した。大和ハウスは今年41日付で、縦割り組織に横ぐしを入れる大幅な機構改革を行っている。世の中が劇的に変わる予感がする。

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「呉服橋プロジェクト」現場

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施行中の「呉服橋プロジェクト」(左は三菱地所「常盤橋タワー」)

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「常盤橋プロジェクト」の北側の現在(首都高速が取り払われ、日本橋川が再生されるのは2040年)

DXとCEが世の中を劇的に変える 大和ハウス「業界動向勉強会<建設DX篇>」(2024/12/12

驚嘆 2030年の年間DX投資額350億円に拡大 三井不「DX VISION 2030」策定(2024/8/5

 

 

 

カテゴリ: 2025年度

 LIFULLが運営する不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME'S」は5月19日、ニュースレターを公表。6月はプライド月間」&「外国人雇用啓発月間」であることから、2019年に立ち上げたLGBTQ、高齢者、外国籍、生活保護利用者、シングルマザー・ファザー、被災者、障害者などの「住宅弱者」向けサイト「FRIENDLY DOOR」の事業責任者・龔軼群さん(キョウ イグン)が「住宅弱者」問題について解説している。

 龔さんは、「住宅弱者」がたくさんいる背景について、「わが国の借地借家法では、正当な理由なく立ち退きを迫れないため、リスク回避の貸し渋りが起きやすいことが要因の1つ」とし、「住宅弱者」と呼ばれる人に対して理解があり、相談に応じてくれる不動産会社を検索することができる「FRIENDLY DOOR」を立ち上げたと説明。同サイトへの参画不動産店舗数は、当初の589店から2025年5月には6,485店と11倍に増加したと報告。約370万人の在留外国人、10人に1人の割合とされるLGBTQなどの住宅弱者を受け入れることは約444万戸の空き家解消にもつなげられるとオーナー・不動産会社の理解を求めている。

 龔さんは1986年、中国・上海出身。5歳から日本で暮らす。2010年に新卒でLIFULLに入社。家族や自身が国籍を理由に日本での住まい探しに苦労した経験から「住宅弱者」の問題に気づき、2019年、住宅弱者にフレンドリーな不動産を検索できるサービス「「FRIENDLY DOOR」を立ち上げ、責任者に。NPO法人Living in Peaceの代表理事を務める。

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 記者はもう40年昔から、悪しき商習慣にしがみつく賃貸業界を批判してきた。訳の分からない「礼金」は{Room Charge}として外国人から徴収していると聞く。

 住宅確保要配慮者の入居を拒まない「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律(住宅セーフティネット法)」の登録住宅数は激増しているが、そのほとんどは大東建託が管理する賃貸住宅で、住宅確保要配慮者専用住宅は2023年12月末時点で5,778 戸(登録住宅の0.7%)しかない。

 「住宅弱者」に留まらず、あらゆる階層に対しても居住支援を行わなければならない普遍的な課題でもあるにも関わらず、関係者ですら居住支援の意味が理解されておらず、摂南大学教授・平山洋介氏が指摘するピースミール・アプローチ=対症療法的手法は改善されていないのが現状だ。

 LGBT対応については、コスモスイニシアのリノヘーションマンション「センチュリー中野南台」を見学し、記事にしているので参照していただきたい。

セーフティネット登録住宅90万戸の96%は1社に集中氷解した疑念と深まった謎(2024/3/28)

左利きの数ほどいるLGBTのニーズ満たすコスモスイニシアのリノベ「中野南台」(2022/1/28)

 

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 LIFULL(ライフル)が運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」は5月15日、未婚者の理想の住宅についてインターネットによる調査結果をまとめ発表した。対象者は首都圏の20~40代の未婚男女(スクリーニング8,277名、本調査626名)。

 LIFULL HOME'Sに登録されているシングル向け中古マンション(ワンルーム、1K、1DK、1LDK、2K)の問い合わせ割合を見たところ、東京23区では41.6%になっており、需要の高さがうかがえるとしている(1都3県は26.1%)。

 結婚願望については、「実家暮らし」の人の「結婚願望なし」は40.4%に上っている(「実家暮らしではない」人の数値は公表されていない)。

 既に物件を購入している人に対し物件種別を聞いたところ、結婚願望なしでは「中古マンション」(37.05%)が最も多かったのに対し、結婚願望ありは「新築戸建て」(33.5%)が最多となった。

 既に物件を購入している人に対し重視したポイントを聞いたところ、「特にない/分からない」と回答した割合が結婚願望ありは11.8%だったのに対し、結婚願望なしは28.6%だった。

 最も選択率の高かったポイントは結婚願望ありが「駅からの近さ」(42.9%)で、結婚願望なしでは「家の広さ、間取り」(32.3%)だった。また、結婚願望の有無で乖離が大きいのは「駅からの近さ」(差異11.6pt)、「縁(えん)のあるエリア」(差異10.4pt)、「災害への耐性」(差異9.7pt)となっている。

 既に物件を購入している人に対し妥協できないポイントについて聞いたところ、結婚願望の有無に関わらず「電車以外の交通手段(バスなど)を利用する」「徒歩分数が15分以上かかる」(結婚願望あり:58.6%、結婚願望なし:52.1%)が最多となった。

 既に物件を購入している人に対し、「月収のうち住宅ローンの返済がどの程度を占めているか」を聞いたところ、結婚願望ありだと「2割以上3割未満」が最も多く39.2%になったのに対し、結婚願望なしでは「1割以上2割未満」と「2割以上3割未満」が同率の32.6%となった。

 「結婚願望がない」と回答した人のうち、物件購入者と物件購入検討者に購入(検討)理由を聞いたところ、物件購入者の最多は「特にない」(37.0%)だったのに対し、物件購入検討者は「自分のマイホームを持ちたい」(40.9%)「老後に住み場所を確保したい」(39.8%)となっている。

 調査結果について、LIFULL HOME'S総研チーフアナリスト・中山登志朗氏は「国の統計調査では『単独世帯』と表記されるおひとりさま=一人暮らしの世帯は、2000年の1,291万世帯から2020年には2,115万世帯へと824万世帯(増加率63.8%)に増加し、全世帯数に占める割合も38.0%に達しました。国立社会保障・人口問題研究所によれば2050年には単独世帯の割合は44.3%まで増加すると推計されています。今後も単独世帯が増加し続けることを念頭に、おひとりさまがより安心・安全に長く暮らせる住宅、そして自然にコミュニティ参加ができるソーシャル・アパートメント型の分譲住宅が日本でも普及・拡大していくことが求められます」とコメントしている。

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 未婚男女を対象にした、結婚願望と住まいについてのアンケートはとても面白いが、アンケート結果からは、はっきり言って何もわからないというのが記者の感想だ。そもそも20代から40代をひとくくりにまとめて質問することが適当かどうか。男性と女性とでも住宅取得意欲は全然異なるはずだ。もう少しきめ細かく調査していれば違った結果が出たのではないか。

 小生は若い人の考え方はさっぱりわからないが、単身女性が積極的に住宅取得に動いた1990年代半ばに30~40代の女性に取材したことがある。マンション価格が下落し、銀行も融資をしたからだ。そのころの結婚願望がないという人はまれだった。愛するに値する男がいるかどうかだった。住宅を取得する最大の理由は老後の備えだった。生活利便施設が充実していることと、夜間の安全性を重視する人が圧倒的に多かった。

 今後の住宅市場を考えると、都心部は坪単価1,000万円以上になる。準都心部や郊外の〝駅近〟マンションは坪単価500万円になるのではないか。ファミリーもそうだが単身者の住宅購入は難しくなる一方だ。

 賃貸住宅は相対的にレベルが低く、契約条件も厳しいので、マンションを買った方がいいと考えるが…中古マンションの住宅ローン減税の「控除期間」や「限度額」は新築並みにすべきだと思う。中山氏がコメントしているソーシャル・アパートメント型の分譲住宅については、共用施設が充実しているものは新築も中古も面積要件を30㎡以上にしていいのではないか。

 


 

 

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「meedo(みいど)」(手前は小田急バスのターミナル)

 小田急バスとブルースタジオは5月15・16日、なりわい賃貸住宅の第2弾「meedo(みいど)」(全13棟)が完成したのに伴う関係者・メディア向け完成内覧会を実施した。小田急バスのターミナル(終点)で、1低層の建設規制を巧みに利用し、地域に開かれた施設にしたのが特徴だ。シンボルの国分寺崖線からくみ上げた水を池に注ぎ、さらに遊歩道に沿って設けたせせらぎに流し、水はまた地下に戻す演出が見事。賃料は相場より3割高いそうだが、8戸が契約済みでリーシングも順調に進んでいる。断熱性能Ua値0.46を確保している。

 物件は、JR中央線三鷹駅南口から「晃華学園東」行き小田急バス28分「晃華学園東」バス停隣接、または京王線つつじヶ丘駅北口から「深大寺」行き京王バス7分「晃華学園」バス停徒歩数分、調布市深大寺東町2丁目の第一種低層住居専用地域、第一・二種中高層住居専用地域に位置する敷地面積約1,774㎡、建物は木造2階建て延床面積約299㎡のA棟(住居5戸・店舗1軒)、延床面積約498㎡のB棟(住居8戸)。賃料は、住居専用タイプは約72㎡で21.2万円(坪賃料約9.7千円)、店舗可のなりわいタイプは約53㎡で19.3万円(坪賃料11.8千円)。工期は令和6年5月~令和7年3月。事業主・貸主は小田急バス、建築設計監理はブルースタジオ、施工はジェクト。

 内覧会で小田急バス取締役不動産ソリューション部長・下村友明氏は「モビリティとコミュニティを掛け合わせた地域価値創造型のプロジェクトで、『hocco(ホッコ)』に続く第2弾。地域防災と共助がテーマ。太陽光発電システムを利用し、地下50mの井戸水を汲み上げ、製氷機で凍らせ、氷はかき氷に使用する」と話した。

 ブルースタジオ専務取締役/クリエイティブディレクター・大島義彦氏は「当社は10年以上前から100以上の自治体と地域創生の取り組みを行ってきた。今回のプロジェクトはその経験を生かしたもの。1低層などの住居系用途地域の再生・活性化が社会課題になっているが、なりわい賃貸住宅はソーシャルビジネスのモデルケースになるはず」と語った。

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「meedo(みいど)」エントランス部分(外壁は屋久島杉)

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遊歩道(左)とせせらぎ

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井戸(左)と水の量をペットボトルで測る下村氏

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池で泳ぐメダカ(記者の小さい頃は農業用水で泳ぐメダカを掬って食べた)

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下村氏(左)と大島氏

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 「hocco(ホッコ)」と「meedo(みいど)」についてはこれまでも記事にしているので、参照していただきたい。

 完成した「meedo(みいど)」は、地域レジリエンス機能のシンボルとして設けた井戸(深井戸)が最高に素晴らしい。1日24時間、365日稼働させるとのことだ。池にはメダカが泳いでいた。

 飲めるのかどうか、下村氏に聞いたら、「大丈夫。試験の結果、大腸菌はいないことが分かった。ミネラルが豊富で、コーヒーを淹れる水には適さないそうだが、水質検査を行い、かき氷にも利用する」とのことだった。試飲もさせてもらった。無味無臭、普通の水だった。

 1日当たりどれくらいの井戸水を汲みあげるのか聞いた。機転を利かした下村氏は500ml入りの空のペットボトルを持ち出し、一杯になるまでの時間をスタッフに計らせた。7.5秒で一杯になった。

 記者の計算が間違っていなければ(Chatでも確認したので間違っていないはず)、年間にすると2,102,400lになった。2lの水をスーパーで買うと約120円だそうだから、約1億2,614万円の価値があることが分かった。

 井戸を掘るのにいくらかかったかわからないが、メンテナンス費用はそれほど掛からないはずで、居住者や施設利用者らの心を癒し、地表温度を下げ、さらにまた水を地下に戻す仕掛けの利用価値は1億円をはるかに超えるはずだ。(この水の量を東京都の上下水道料金に換算すると約89万円だとChatは計算した。これが高いか安いかはわからない)

 1低層の建築規制についても一言。記者はこのあと、パナソニックホームズの分譲戸建て「パークナードテラス南荻窪 景邸」(23戸)を見学取材した。取材後、京王井の頭線富士見ヶ丘駅まで徒歩20~22分の表示だったので歩くことにした。途中で一服し、タバコを吸いコーヒー、酒でも飲もうと思ったからだ。

 ところが、周辺は1低層なので休めるカフェや居酒屋など1軒もなく、道に迷ったために駅に辿り着くまで1時間近くかかった。へとへとに疲れた。調整区域の一号店舗と同じように、1低層でのカフェや〝生業(なりわい)〟を可能にするよう法律を改正すべきだと思う。

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バス停留所の名前もこの日から「晃華学園東」に「晃華学園東」に「「meedo」が加わり「晃華学園東 meedo」に変更になった

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居住専用の2回からは生産緑地の借景が望める(居室内の床は3ミリのナラ材、窓は高断熱の樹脂サッシ)

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マンホールトイレ(普段は倉庫に保管されている)

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なりわい賃貸「meedo」イメージ(ホームページから)

小田急バス×ブルースタジオなりわい賃貸第二弾「meedo(みいど)」開業へ(2024/10/27)

2024年グッドデザイン賞不動産各社が受賞ブルースタジオ・はちくりはうす金賞(2024/10/16)

地域の歴史・文化を継承し、コミュニティ育むブルースタジオ練馬区「種音(たね)」(2024/5/12)

裏山の借景活かし断熱等級6クリアブルースタジオ賃貸住宅「SUNKA(サンカ)」(2023/12/26)

爛漫の春満喫「hocco(ホッコ)」イベントに1000名超小田急バス×ブルースタジオ(2022/4/2)

ブースタジオ小田急電鉄の社宅再生リノベ「ホシノタニ団地」完成(2015/6/26)

ブルースタジオ 木のぬくもりが伝わる「青豆ハウス」完成(2014/3/10)

 

 

 

 

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 建設物価調査会は5月9日、2025年4月の「建設物価 建築費指数」(東京:2015年平均=100)の暫定値をまとめ発表。集合住宅(RC造)は135.8で前月比0.0%(前年同月比4.5%増)、事務所(S造)は136.4で前月比0.1%減(同3.9%増)、工場(S造)は134.9で前月比0.1%減(同3.1%増)、住宅(W造)は140.8で前月比0.0%(同2.7%増)となった。

 人件費や燃料油価格の上昇による建築資材などの運搬費の値上げが指数動向のプラスに寄与し、一方で長引く建築需要の低迷を背景に販売店間の受注競争も長期化しており、H形鋼などの鋼材価格が続落し、指数動向のマイナスに寄与した。


 

 

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ナイスは51日、全国有数の設備を備えた製材工場が竣工し、稼働を開始したと発表した。連結子会社のウッドファースト(本社:徳島県小松島市)の敷地内に建設してきたもので、製材された板材(ラミナ)は大倉工業(本社:香川県丸亀市)に供給される。

工場は、構造用集成材の材料となる板材(ラミナ)を製造する工場で、製材棟、加工棟の2棟で構成。製材棟は、原木の最大径60㎝まで投入できる自動製材設備を設置しており、また、全自動ループ機能により送材と加工を繰り返しながら無人で効率的に板材を生産するツインバンドソーを組み合わせた製材ラインになっており、全国でも有数の設備を備えた製材工場となる。424日に竣工式が行われた。製材は、協定に基づき大倉工業へ供給される。

日本木造住宅産業協会の「木造軸組工法住宅における国産材利用の実態調査」によると、住宅供給会社における国産材使用割合が50%を超えている一方、横架材については9.5%と著しく低い水準にとどまっている。同社は、横架材における国産構造用集成材の提案強化に努めることで、国産材の利用拡大への貢献を目指す。

Screenshot 2025-05-01 at 11-23-10 全国有数の設備を備えた製材工場が竣工、稼働開始| ナイス株式会社.png

 

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 国土交通省は4月30日、令和6年度の住宅着工統計をまとめ発表。総戸数は前年度比2.0%増の816,018戸となり、3年ぶりに増加した。内訳では持家は223,079戸(前年度比1.6%増、3年ぶりの増加)、貸家は356,893戸(同4.8%増、昨年度の減少から再びの増加)、分譲住宅は229,440戸(同2.4%減、2年連続の減少)。分譲住宅の内訳はマンションが105,227戸(同5.0%増、昨年度の減少から再びの増加)、一戸建住宅が122,319戸(同8.5%減、2年連続の減少)となった。

 首都圏マンションは53,599 戸(同11.2%増)で、都県別は東京都29,630戸(同22.0%増)、神奈川県13,524戸(同5.5%増)、埼玉県4,902戸(同25.1%減)、千葉県5,543戸(同21.8%増)。

 

 

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「つむぐ桜の森パートナーズ」完成予想図

 MIRARTHホールディングス(ミラースHD)は4月21日、グループ会社のタカラレーベンを代表とする企業グループ6社による「つむぐ桜の森パートナーズ」が東京都中央区の「中央区立桜川公園官民連携事業(Park-PFI事業)」に選定されたと発表した。

 中央区は2022年度に「公園の魅力向上に向けた官民連携方針」を策定し、桜川公園を対象に官民連携事業について検討してきており、都市公園法に基づく公募設置管理制度(Park-PFI)を活用し、桜川公園全体の再整備を行うこととなった。桜川公園の面積は約5,113㎡。主な公園施設として多目的広場、遊具、花壇などがある。

 事業の実施に当たって「つむぐ桜の森パートナーズ」は、「安全で快適な遊びと憩いの場の形成」「桜川公園周辺エリアをつなぐ緑の魅力向上」「地域コミュニティの場の創出」を実現するとしている。

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「健康街づくりフォーラム総会2025」(ホテルニューオータニ)

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金指氏

 健康街づくりフォーラム(主催:生涯健康社会推進機構・構想日本)は4月21日、「健康街づくりフォーラム総会2025」を開催。フォーラムでは国会議員の小泉進次郎氏、鈴木憲和氏、深澤陽一氏3氏による地方創生をテーマにしたトークセッションのほか、北海道ニセコ町・片山健也町長と茨城県行方市・鈴木周也市長による事例紹介が行われた。100人を超える地方自治体・企業関係者が参加した。

 フォーラムの冒頭、生涯健康社会推進機構理事長・金指潔氏(東急不動産ホールディングス取締役会長)は副理事長の新井一氏(順天堂大学前学長)、史上最年少市長誕生として話題になった元三重県松阪市長で顧問の山中光茂氏(しろひげ在宅診療所院長)を紹介したあと、「少子高齢化をはじめ様々な社会課題は待ったなしの状況。今ほど官民学が一体となって課題解決に向かうことが求められているときはない」とあいさつした。

 「健康街づくりフォーラム」は、自治体だけでは解決が難しい地域の健康・医療・介護の課題を複合的に考え、政策立案段階から自治体と企業が同じテーブルで協議し、企業のノウハウや強みを活かした官民連携による解決策を目指す政策プラットフォーム。2025年3月末の会員は全国44自治体と29企業。今回の総会は5回目。

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 この種のフォーラムの取材は難しい。誰が何を話したかを簡潔に記事にするのは相当の技術が必要になる。ましてや今回は国会議員3氏のトークセッションが目玉だ。ミスは許されない。3氏や片山氏と鈴木氏が何を話したかは必死でメモしたし、テープにも収めた。資料は配布されなかったので、スクリーンに映し出された画像もカメラに収めた。国会議員と首長、直接民主主義と間接民主主義、自治体と政治家の関係、地域コミュニティへの政治家の関わり方など興味深い話が出た。

 しかし、政策よりも党派性を前面に出す職業政治家は好きではないし、距離を置いている。ほとんど記事にしたことはないので、今回も書かないことにする。

 それぞれの選挙区である横須賀市・三浦市、山形県米沢市・西山町、静岡市市清水区・富士宮市、ニセコ町、行方市などの魅力、課題など興味のある方は調べていただきたい。

 ごく少数の参加メディアには資料は配布されなかったことに対して、いつも取材で一緒になるC記者は抗議をしたが、メディア対応は主催者の勝手だし、取材しない選択肢は記者の側にもある。小生は誘いがあった取材にはNOと言わないことにしている。今回取材したのは、金指氏が好きだからだ。Cさん、メデイアは一部を除き、主催者にも読者にも歓迎されない、信用されないことを考えた方がいい。

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左から西畠氏、石山氏、牧野氏

 三菱地所は4月20日、「熱帯植物から覗く世界」トークイベントを行った。同社が主催し、国境なき医師団(MSF)が企画・協力し、そら植物園が特別協力して2025年4月10日(木)~30日(水)まで「Marunouchi Bloomway(丸の内ブルームウェイ)」で開催している写真展「熱帯植物から覗く世界」の一つとして実施したもので、同社丸の内運営事業部・牧野圭氏(35)、プラントハンター・西畠清順氏(45)、国境なき医師団メンバーとしてコンゴ民主共和国で約1年間活動した石山友莉佳氏(28)が語り合った。会場には定員いっぱいの約120人が集まった。

 「Marunouchi Bloomway」は2024年、三菱ビルと丸の内二丁目ビルの各1階の通路や外構部に花壇やベンチを設置し、東京駅と丸の内仲通りをつなぐ公園のような空間を整備したリニューアルプロジェクト。

 写真展は、写真家集団マグナム・フォトの写真家らによるコンゴ民主共和国(旧ザイール)の写真33点の展示と、西畠氏が代表を務めるそら植物園によるアフリカ熱帯植物の花壇を組み合わせたもの。

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写真展「熱帯植物から覗く世界」© Newsha Tavakolian /Magnum Photos

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 西畠氏の作品を観るのは、三井不動産「パークシティ大崎」、東急不動産「日々やパークフロント」、三井不動産「三井ガーデンホテル五反田」に次いで4度目だ。今回は、過酷な条件の中で生き抜いている植物の強さに圧倒された。

 トークイベントでは西畠氏は魅惑的なフレーズを連発した。「牧野くんは熱い。熱量がすごい」「世界中の植物を愛している。愛がソーシャルビジネスにつながる」「(参加者からの在来種と外来種の問題についての質問に)本質的な問題です。植物は子孫を残すため〝遠くへ行きたい〟が基本。自然の摂理です」などだ。

 石山氏は〝闘士〟を想像していたのだが、普通の女性だった。大学卒業後、IT企業に就職。2024年にボランティア休暇を取得して、国境なき医師団に初参加し、サプライ・アクティビティ・マネジャーとしてコンゴ民主共和国で活動したという。

 フランス語が話せるからコンゴ(公用語)に派遣されたのだろうが、多くの反対を押し切って参加したという。「(コンゴに)ないのは平和だけ」「このような仕事(MSF)がなくなればいいと思う」と話したのがぐさりと肺腑をえぐった。

 牧野氏は、今回の企画を実施した背景について「ビジネスは本質的には、気づきとか変化、他社のレンズを取り込むことだと思う。植物はその気づきや変化などを教えてくれる」とし、「私たちの世代を集めた研修がありまして、エリアマネジメントをどうするか、これからの日本をどうするか、資本主義とは何かなどのおこがましいテーマでめちゃくちゃ缶詰にされたのですが、最後に国境なき医師団の事務局長の講演がありまして、大きなものを見過ごしていたことを気づかされました」と語った。

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写真展「熱帯植物から覗く世界」(以下同じ)

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 コンゴについて。記者の中学生のときの好きな教科は地理で、当時の世界約100か国の国名と首都名を丸暗記した。中国は中華人民共和国、ロシアはソビエト社会主義共和国連邦、南朝鮮は大韓民国、北朝鮮は朝鮮民主主義共和国だった。コンゴは複雑で、地図ではコンゴ共和国(首都:プラザビル)に隣接するコンゴ民主主義共和国(首都:キンシャサ)との国境線は明確ではなく、色もはっきり図示されていなかったはずだ。

 あれから約60年。今回配布された資料には「アフリカ大陸で2番目の面積を持つコンゴ。歴史的な民族対立や、天然資源を巡る対立、周辺国の介入などにより、特に東部で数十年にわたり不安定な情勢が続いています。複数の武装勢力とコンゴ軍との戦闘が激化し、2024年11月時点で国内避難民の数は670万人に上りました。戦闘による負傷や子どもの栄養失調、性暴力の被害など、医療援助へのニーズは高く、国境なき医師団は全活動国・地域の中で最大規模の援助をコンゴ民主共和国で行っています」とある。

 国境などない植物、薬にも毒にもなる植物に愛を込めるプラントハンター、国をめぐる人間界の争い、国境を越える医師団の活動…一切の差別がなくなり、国家が死滅するのを記者は夢見たことがあるのだが…。

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「Marunouchi Bloomway」外構

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丸の内・仲通り

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丸の内・仲通り

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記者か好きな三菱一号館(3階の喫煙所から。右下のカフェ&バーでワインを飲むのが楽しみの一つ)

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カテゴリ: 2025年度
 

 

 

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