「自分の人生は豊か」8割が回答 世帯年収1,200万円以上のパワーカップル 大京調査
大京とグループ会社の穴吹工務店は10月3日、世帯年収1,200 万円以上のパワーカップル男女500人を対象に住まいに関する調査結果をまとめ発表。パワーカップルの8割が「自分の人生は豊かなほう」と考えており、人生を豊かにするためには「家族と一緒に過ごす時間」を大切にし、住まいを選ぶ条件では「省エネ性」「資産価値」「防災性」など環境性能や将来性を重視する傾向も明らかになった。
調査は、①1都3県の世帯年収が1,200万円以上の共働きの20~60代のマンション購入意欲がある男女500人②1都3県のパワーカップル以外の20~60代のマンション購入意向がある男女500人を対象に行ったもの。
結果によると、いまの人生は豊かと思うかの問いには、パワーカップルの約8割が「豊かだと思う」と回答した。人生を豊かにするために大切にしていることを聞いたところ、パワーカップルの55%の人が「家族と一緒に過ごす時間」を挙げた。パワーカップル以外(44%)より11.2ポイント高かった。
住まいの役割について聞いたところ、パワーカップルは「安らぎやくつろぎを感じるためのもの」(65%)「家族と一緒の時間を過ごすためのもの」(58%)と回答。パワーカップル以外よりポイントが高かった。
暮らしの中で大切にしたい言葉では、パワーカップルは「健康」(60%)「安心・安全」(52%)「自由」(47%)の順となり、パワーカップル以外とほぼ同じ結果となった。両者を差分順に見ると、パワーカップルは「品格」39%(パワーカップル以外は29%)、「上質」37%(同27%)、「成長」36%(同27%)となった。
理想の自己イメージを聞いたところ、パワーカップルは「信頼できる、頼りがいがある」(47%)「健康的、健やか」(45%)「知的、賢い、優秀」(42%)が上位に、パワーカップル以外は「優しい、思いやりがある」(45%)「健康的、健やか」(45%)「信頼できる、頼りがいがある」(42%)が上位となった。
家族と一緒の時間を過ごすために今後重視することについての問いについては、パワーカップルは「省エネ設計」(24ポイント)「将来的な資産性」(36ポイント)「防災性」(24ポイント)「耐震性」(43ポイント)「断熱性」(32ポイント)が上位になった。
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記者はパワーカップルでもないし年代も異なるので何とも言えないが、自分の人生を前向きにとらえているのは結構なことだ。世帯年収が1,200万円あれば「人生は豊か」と考えるのは理解できる…「一人口は食えぬが二人口は食える」のことわざ通りだ。住まいに「省エネ」「防災」゜断熱性」を求めるのは正解だと思う。
アンケートに倣って理想の自己イメージに回答しようと思ったが、パワーカップル、パワーカップル以外の回答に自分が当てはまるものはほとんどないのに愕然とした。信頼できる、頼りがいがある人間では断じてないし、健康的でも健やかでもない。品格、知的、賢い、優秀、清潔、落ち着きとは真逆であるという自覚はある。
都内最大級の物流施設 23区希少の工専立地 三井不・日鉄興和不「東京板橋」竣工
「MFLP・LOGIFRONT 東京板橋」
三井不動産と日鉄興和不動産は10月2日、「MFLP・LOGIFRONT 東京板橋」の竣工記者説明会・内覧会を実施し、日鉄興和不動産執行役員企業不動産開発本部副本部長・加藤由純氏、三井不動産執行役員ロジスティックス本部長・篠塚寛之氏が施設の特徴などを説明し、板橋区区長・坂本健氏が防災拠点の取り組みなどを紹介した。説明会にはメディア約75名が参加し、関係者を含めると百数十人が参加した。内覧会では、都内初の物流施設併設型ドローン実証実験の場「板橋ドローンフィールド」の実演デモンストレーションなどが行われた。
施設は、日本製鉄の工場跡地を2021年に日鉄興和不が2021年に取得し、三井不と共同で開発を進めてきたもの。23区内の希少な工業専用地域に位置し、敷地面積約91,000㎡、延床面積約250,000㎡の都内最大の物流施設。敷地内に東京都初の物流施設併設型ドローン実証実験の場「板橋ドローンフィールド」を開設し、ドローン業界全体の産業発展に寄与することを目指すほか、官民連携により板橋区の防災拠点とし、隣接する公園と敷地南側に流れる新河岸川沿いの歩行空間を創出するなど地域に開かれた施設となっているのが特徴。ほぼ満室稼働する。
BCP対策・セキュリティ対策としては、免震装置、72時間対応の非常用発電機、備蓄倉庫、入退館管理、24時間常駐の防災センターなどオフィスビル同等のレベルとし、梁下有効天井高5.5m(オフィス天井高は3m)、床の積載荷重1.5t/㎡を確保。国際基準(45ftコンテナ車両)の大型車両にも対応可能なトラックバースなど最新鋭の設備を備えている。
共用部施設としては、2か所のラウンジ、ドライバー休憩室に加え、有人コンビニ、ジェンダーレストイレ、礼拝室、WEB会議用ブースなどの快適な空間・ワークプレイスを提供する。
建物デザインを手掛けたのはオーストラリアのデザイン事務所JACKSON TEECE。「White Waves」を外装デザインコンセプトに、空、さざ波など自然の有機的な流れを抽象化させ、地域と調和する洗練されたファサードデザインとなっている。
環境面の取り組みでは、屋上全面に約19,000㎡、約4MWの太陽光パネルを設置し、余剰電力は区内の73の区立小中学校へ供給することで、区立小中学校のRE100化に貢献。年間の一次エネルギー消費を実質的にゼロとする最高ランクの「ZEB 認証」とDBJ Green Building認証最高位となる「5スター」を取得している。
地域貢献では、様々なイベント開催が可能な広場を確保し、約25,000㎡の緑地エリアを整備して生物多様性に配慮し、周辺地域の在来種を基本とした計573本の樹木・約50種類の植栽を施している。
また、緊急着陸用のヘリポートとしても活用可能な高台広場と、隣接する板橋区立舟渡水辺公園を一体的に整備したほか、地域住民約1,000人を収容可能な緊急一時退避場所を整備。敷地内には、「板橋区災害時配送ステーション」を設置し、災害時に必要な飲料水や非常食等を保管するとともに、区内の避難所に支援物資を配送する。
日鉄興和不動産の加藤氏は、用地取得の経緯、区の地域課題への対応などについて説明し、安心・安全の取り組みを行い「地域に開かれ、人々の豊かな暮らしを実現する」と語った。
三井不動産の篠塚氏は、施設の位置づけを「街づくり型物流施設の集大成」とし、業界トップレベルのスペックを備え、また地域社会との共生を通じて「地域の価値向上に貢献したい」と語った。
施設は、都営三田線西台駅から徒歩10分、板橋区舟渡4丁目の工業専用地域(建ぺい率60%、容積率200%)に位置する敷地面積約91,255㎡、6階建て免震構造の延床面積約256,157㎡。設計は日鉄エンジニアリング。施工は日鉄エンジニアリング・佐藤工業。監修はフクダ・アンド・パートナーズ。デザインは外装:JACKSON TEECE、内装:ボノボ。着工2023年2月、竣工は2024年9月。
外観
わくわく広場
あおぞら広場
6階ビューラウンジ
ドローンによる配送イメージ
左から加藤氏、塚原氏、坂本氏
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記者説明会で加藤氏は「地域に開かれ他施設」と、篠塚氏は「街づくり型物流施設の集大成」とそれぞれ語った。
その通りだと思う。施設の南側を流れる新河岸川に掛る舟渡大橋の歩者専用路から撮影した写真を見ていただきたい。美しいデザインが確認できるはずだ。敷地は隣接する舟渡水辺公園との垣根はなく、あおぞら広場、芝生広場、わくわく広場などは地域住民に公開される。従前は一般に供共用されていなかった新河岸川沿いの歩行空間も整備されるという。素晴らしい施設だと思う
しかし一方で、「地域に開かれた」「街づくり」「地域の価値向上」が強調されればされるほど、物流業界全体は地域から分断され、嫌悪施設として地域から嫌われているのではないかとい疑問が湧いてきた。
配布された資料には「工業専用地域(工専地域)での大規模開発」と記されており、篠塚氏は「希少価値が高い」とも語った。昨年行われた記者説明会では、敷地が工専地域であることは知らされていなかった(きちんと確認すべきだった)。
そこで調べてみた。篠塚氏の語った通りだ。東京都の市街化区域の用途地域指定面積111,553.7haのうち工専地域は1,323.0ha(全用途の11.5%)で、区部に限ると工専地域は1,018.5ha(同1.7%)しかない。工専地域の指定があるのは江戸川区の555.6ha(同15.2%)、大田区の361.0ha(同6.5%)、板橋区の87.8ha(同2.9%)、足立区の14.0ha(同0.3%)のみだ(かつて江東区も指定されていた)。
物流施設も消費地に近いほど価値が高いということだろうが、〝ほぼなんでもあり〟の準工と異なり、工専地域は住工混在を認めず、住宅、小規模の物品販売店や飲食店を除く商業施設、ホテル・旅館、学校、図書館などは許可されない(保育施設は許可される)。
区と東京都が工専地域のままにしたのは、都の「用途地域等に関する指定方針及び指定基準」(平成16年)の「基本的に物流機能を担うべき区域として、原則として工業地域又は工業専用地域を指定する」に倣ったのだろうが、「街に開かれた施設」にするのであれば、マンションや宿泊施設、その他の用途を可能にする準工業地域に変更する選択肢はなかったのだろうかという疑問だ。
それと、これは些細なことかもしれないが、社銘板に掲出を断った会社もあるということだが、これはなぜか。世間に知られると困ることでもあるのか。地域に開かれた施設と符合しないではないかという疑問を抱いた。
地域・自然との共生では、敷地内に植えられている樹木はみんな幼木で、施設内の緑もフェイクばかりだったことも気になった。酷暑に耐えられなかったのか、枯れている樹木もたくさんあった。外構に成木が植えられ、施設内も本物の観葉植物がふんだんに配されていた三井不動産のシニア向けマンション「西麻布」「幕張」「藤沢」と比較するのは酷だが、「街づくり型物流施設の集大成」を謡うのであれば、緑の質を上げてほしかった。
「板橋ドローンフィールド」の実演デモンストレーション
倉庫内
植栽
6階ビューラウンジから公園方面望む
舟渡水辺公園
舟渡大橋の歩者専用路から望む
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なぜ、このようなことを書くかといえば、2018年5月、当時の三井不動産常務執行役員ロジスティクス本部長・三木孝行氏(現、顧問)が「もはや物流施設は嫌悪施設ではない」と語ったのに記者は惚れこみ、その後ずっとこの言葉が頭の中にこびりついているからだ。事実、「船橋」も「羽田」も素晴らしい施設だ。
そんなこんなを考えながら取材を終え、駅に向かう途中だった。ビルの敷地内の樹木がことごとく強剪定され、エントランスに植えられている立派なクスノキなど数本が丸裸にされている光景に出会った。〝樹木葬〟とはこのことをいう。葉っぱはほとんどなし、死に瀕している状態だった。社名を確認した。ESG経営に力を入れているわが国を代表する大企業の物流子会社営業所だった。
公道からとはいえ写真撮影の許可を得ていないし、記事に掲載したら訴えられる可能性もありそうなので写真の公表は避けるが、この会社の幹部や社員は無残な樹木を見てなんの痛痒も感じないのだろうか。街路樹を枯死させた中古車販売会社とどこが違うのか。物流=嫌悪=樹木虐待を結びつけたくはないのだが…昭島の81haという桁違いの巨大物流開発は大丈夫か。
〝唯一無二都内最大〟三井不・日鉄興和不「MFLP・LOGIFRONT東京板橋」着工(2023/1/27)
81.5haの物流「GLP昭島プロジェクト」敷地内に4.5haの樹林地 開発に疑問の声も(2024/9/21)
住宅着工 4か月連続減 ツーバイフォー50年 暦年で初めてプレハブ抜く可能性大
国土交通省は9月30日、令和6年8月の住宅着工動向をまとめ発表。総戸数は66,819戸で前年同月比5.1%減、4か月連続の減少となった。利用関係別では持家は19,597戸(前年同月比6.6%減、33か月連続の減少)、貸家は28,939戸(同1.4%減、先月の増加から再びの減少)、分譲住宅は17,240戸(同12.0%減、4か月連続の減少)。分譲住宅の内訳はマンションは7,501戸(同5.0%減、先月の増加から再びの減少)、一戸建住宅は9,578戸(同17.4%減、22か月連続の減少)となっている。
首都圏分譲住宅は7,535戸で、前年同月比20.9%減少。マンションは3,330戸(前年同月比20.8%減)、で都県別は埼玉県310戸(同20.3%減)、千葉県 301戸(同49.8%増(、東京都1,574戸(同34.3%減)、神奈川県1,145戸(同6.0%減)。
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興味深いのはプレハブ住宅とツーバイフォー住宅の動向だ。令和6年1~8月では、プレハブ63,206戸(前年同期比10.7%減)で、ツーバイフォーは62,845戸(同 8.6%増)となっており、その差はわずか361戸。
プレハブは令和4年以降、ほぼ毎月10%前後で減少しており、一方のツーバイフォーは減少する月もあるが増加傾向にある。このまま推移すれば、暦年ではツーバイフォーがプレハブを上回る可能性が高まった。昭和49年(1974年)にツーバイフォーオープン化されてから50年の歴史で初めてプレハブを抜くことになる。
優勝はFRDジャパン サンフロ「FRONTIER PITCH TOKYO for Startups 2024」
「FRONTIER PITCH TOKYO for Startups 2024」(赤坂ガーデンシティで)
サンフロンティア不動産は9月27日、ピッチイベント「FRONTIER PITCH TOKYO for Startups 2024」を開催。予選を勝ち抜いた8社の中から、ろか技術による陸上養殖システムを開発したFRDジャパンが優勝し、賞品としてセットアップオフィスの半年間無償利用権(1,040万円相当)を獲得した。
イベントは、〝東京を世界一スタートアップしやすい都市へ〟を目的に、複数のベンチャーキャピタルやスタートアップ支援企業と連携して立ち上げたプロジェクト「START-UP FRONTIER TOKYO」の一環として開催したもの。昨年に続き今回が2回目。
審査は、ビジョン(熱意)/ビジネスモデル(市場性)/独創性・新規性/推進力を審査基準に11名からなる審査員によって行われた。ピッチ制限時間は5分。
優勝したのは、さいたま市に本拠を置く2013年設立のFRDジャパン(https://frd-j.com/)。同社が開発した閉鎖循環式陸上養殖システムは、バクテリアを活用した独自のろ過技術により、最低限の換水率で水を循環させながら養殖を行うことを可能にしたもので、①地球に優しい②海水冷却コストが不要③「いつでもどこでも」養殖できるのが特徴。Phase1として年間生産量30トン規模の実証実験プラントを運用している。賞品として港区・新築フルセットアップオフィス「+SHIFT TAMACHI」の最上階フロア(24席/48.15坪)半年間無償貸与(1,040万円相当)を獲得した。
代表取締役CEO・十河哲朗氏は「人生で3度目のピッチ。2年前の前回は、20時間ぐらい考えて漫才をやったら、圧倒的な人気を博したが、何ももらえなかった。この2年間の悔しい思いが晴れた。とてもうれしい」とコメントした。
準優勝は、2020年設立の北里大学相模原キャンパス内に本社を置くフィジオロガス・テクノロジーズ(https://physiologas.co.jp/)。1回4時間、週3回の血液透析を受けている約34万人の患者とその家族の負担を軽減する在宅血液透析の普及を目指す装置を開発している。賞品として渋谷駅5分・新感覚セットアップオフィス「SOLIX SHIBUYA」の4名部屋の3か月間無償権(99万円相当)が贈呈された。
3位は、2023年創業の名古屋市本社のJOYCLE(代表取締役社長CEO・小柳裕太郎氏、https://joycle.net/)。ごみを運ばず、燃やさず、資源化しながら再生可能エネルギーを創出し、可搬型の分散型インフラサービスを開発・提供している。CO2排出権を販売し、新たな収益源にもできる。賞品として「SOLIX SHIBUYA」の6名部屋/曜日オフィス)3か月無償権(63万円相当)が贈呈された。
主催者を代表してサンフロンティア不動産代表取締役社長・齋藤清一氏は「社会課題、グローバル化を志向したピッチが多く、素晴らしいものばかり。わくわくした。日本は変わると。当社も、スタートアップオフィス事業を通じて社会に貢献していく」とあいさつした。
齋藤氏(左)と十河氏
十河氏
齋藤氏(左)と宮脇氏
齋藤氏
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20年くらい前か。ある会社が主催したピッチ(プレゼンテーション)イベントを取材したときは、制限時間を無視してしゃべり続け、警告音が一度どころか2度以上も鳴らされたところが続出した。これは完全にアウトだと思った。わが国の後進性を見せつけられた思いがした。今では、毎日のようにどこかでピッチイベントは行われているのだろう。
今回はどうか。審査員のANRIベンチャーキャピタリスト・金井絵里花氏が「わくわくするものばかりで、皆さんピッチ慣れされている」と講評されたように、制限時間を1分近くオーバーしたのは1社、30秒以上余したのが1社で、他はすべて制限時間20秒以内に収めた。
各氏の講評では、StartPass代表取締役CEO・小原聖誉氏が「わが国の現在のスタートアップの縮図」と語ったが、この言葉には様々な課題が山積していることを示唆していると受け止めた。また、Z Venture Capital代表取締役CEO・黄仁埃氏が「日本のピッチは変わってきた。いろんなところを破壊する、革新する意義深いものばかりだった」と語ったのがとても印象に残った。
素人の記者がもっとも高い評価点をつけたのはフィジオロガス・テクノロジーズだった。深刻で難しい人工透析についてとても分かりやすい説明を同社代表取締役・宮脇一嘉氏は行ったと思う。実用化は2029年とのことだが、透析医療を劇的に変えるはずだ。その他の病気も自宅で治療できる時代になるのだろう。
優勝したFRDジャパンも素晴らしいとは思ったが、記者は養殖魚には偏見を持っており、サーモンはそれほど好きではないし、養殖アユなどは天然物と味は全然異なる。まあ、しかし、近い将来には天然の魚が食べられなくなるといわれているので、陸上養殖は爆発的に増えるのではないか。
あとの各社は、審査員の方々も「審査が難しかった」と異口同音に話されたように、甲乙つけがたいものばかりだと思った。イベント後の懇親会では融資の話もまとまったのではないか。
会場(開幕を宣言したのは サンフロンティア不動産上席執行役員・小田修平氏)
〝わが国のイーロン・マスク育てよう〟B2B特化型エクイティ型プログラム三菱地所(2024/5/16)
三井グループ25社売上88兆円「三井みらいチャレンジャーズオーディション」発表(2024/3/20)
「彩」「祭」「才」と「愛」をつなぐ三菱地所「SAAI(サイ)」新東京ビルに移転(2023/11/17)
スタートアップと大企業を結ぶイベントに2,100名「住友不動産ベンチャーサミット」(2023/10/25)
優勝は「Solafune」サンフロ「FRONTIER PITCH TOKYO for Startups 2023」(2023/9/22)
サステナブルな街づくりに拍車 野村不のエリマネ組織「Be ACTO 武蔵浦和」開業
「Be ACTO武蔵浦和」開業セレモニー
野村不動産は9月27日、JR武蔵浦和駅直結のJR東日本開発とのJVマンション「プラウドシティ武蔵浦和ステーションアリーナ」(277戸、2024年4月竣工)内に設けたエリアマネジメント組織「Be ACTO武蔵浦和」の活動拠点「マチノバ」の開業セレモニー見学ツアーを実施した。同社執行役員・上羽健介氏や地権者、関係者など多数が参加し、開業を祝った。
「Be ACTO」は、2018年に発表したサステナブルな街づくりを推進する「BE UNITED構想」を実践するための一般社団法人で、「ACTO」」には誰でも気軽に扉が開かれた場所「開く(あ)とびら」と、様々な活動のきっかけ「アクション」となる思いが込められている。拠点は「日吉」「亀戸」「目黒」に続き4か所目。
「マチノバ」は、住宅棟に同社が保有する約300㎡の会員制ラウンジ、レンタルキッチン、レンタルスペース、カフェ併設のシェア本棚のほか、店舗棟のヤオコー武蔵浦和店の100坪超のイベント広場にもなる5階屋上テラスなどから構成。会員になるのは無料で、施設の利用料をその都度払いするスポット会員、月1,100円でラウンジが使い放題のサブスク会員が選択できる。
開業セレモニーでエリアマネジメント担当の同社執行役員・上羽健介氏は「開発に当たって地権者のヤオコーさん、共同事業者のJR東日本さんなどと協議し、このようなランドマークとなる素晴らしい住宅・施設が完成しました。当社は、街が完成してからも地域住民のシビックプライドを醸成することを大切にしておりまして、バードとしての街づくりに加えまして、そこに住まう方々、団体、学校、企業さまなど街に愛着を育んで何世代も住みたくなるようなソフト面でのサステナブルな街づくりを目指していきます。その思いを形にしたのがこの『マチノバ』です。非常時には防災拠点としても活用していただきたい」とあいさつした。
このほかセレモニーには、地元出身のウクレレシンガー・宮武弘さんのライブ演奏やヤオコー、JR東日本、その他関係者多数が出席し、開業を祝った。
見学ツアーでは同社事業創発本部エリアマネジメント部推進課課長・石原菜穂子氏がガイド役を務め、「15年前に初めて行った愛着度調査で、住み続けたいと考える人ほど良好なコミュニティを形成していることが分かり、その後、2014年に全体竣工した大規模開発『ふなばし森のシティ』(約1,500戸)がきっかけとなり、エリアマネジメントの取り組みが始まりました。今回で『Be ACTO』は4か所目ですが、ドライブがかかってきました」と話した。
「プラウドシティ武蔵浦和ステーションアリーナ」エントランス
屋上テラス
「マチノバ」の一部
上羽氏
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「Be ACTO」は、「日吉」「亀戸」「目黒」のマンションを取材したとき聞いてはいたが、活動拠点を取材するのは初めてだった。とても勉強になった。
エリアマネジメントのことはよくわからないのだが、住宅供給戸数やターゲット層を変えることで、人口構成をコントロールしている山万「ユーカリが丘」は成功事例の筆頭だろうし、2002年に設立された「リガーレ(大丸有エリアマネジメント協会)」のような巨大な組織もあれば、小規模な任意団体もたくさんあるのだろうが、同社のような取り組みはそうないはずだ。規模の大小を問わず、地域の活力、環境の維持・向上、コミュニティ醸成に大きな力を発揮しているのは言うまでもない。
取材して嬉しかったのは、一般社団法人ACTOの「日吉」「亀戸」「武蔵浦和」の代表理事を務める元同社広報担当の井上直樹氏にお会いできたことだ。井上氏とはもう30年以上も昔からのお付き合いだ。酒もよく飲んだ。とくに「プラウド」が誕生して以降は大変お世話になった。書く記事に困ったときはいつも井上さんにお願いした。年間20件くらい見学したのではないか。当たり外れがないのが「プラウド」だった…いまもそうか。
大事なことを書き忘れた。見学ツアーでは、同社と埼玉大学が共同開発した「推しの木図鑑」が紹介され、浦和市立大里小学校4年生が推しの木授業で制作した約140点のうちわ作品も「さいたま市南区役所」で展示されていた。
「推しの木図鑑」は素晴らしい取り組みだ。全国の国語や社会科の授業に採用されたら世の中は変わる。記事も添付したので読んでいただきたい。それにしても、同じ日に行われた三菱地所レジデンスの隈研吾氏が出席した記者発表会にはメディアは60人も参加したのに、「マチノバ」は記者を含めてたった4人。これは何だ。
「推しの木」うちわ展示(さいたま市南区役所で)
読みだすと止まらないあらゆる関係者にお勧め野村不&埼大「推しの木図鑑」(2023/6/24)
緑被率43%(分譲棟)ランドスケープが最高 JR東日本・野村不「MEGURO MARC」(2023/12/9)
日本イコモス 神宮外苑地区街づくに関する公開説明会の開催を都に要望
日本イコモス国内委員会は9月24日、「神宮外苑地区街づくり」計画に関する事業者、東京都、国際NGOイコモス3者による公開説明会の開催と、東京都都市計画審議会の再審を求める要望書を小池百合子・東京都知事宛てに提出した。事業者の「事後報告書」は、以下の5点で不適切であるとしている。
1. 事業者が提出した「事後報告書」(2024年9月9日)は、樹木の本数のみの報告であり、都知事が要請された「緑の質」に関する検討が欠落している。
2. 日本イコモスは3年間に及ぶ調査により146本の毎木調査を実施し、指摘してきた。今回の報告では一切、検討が行われていない。環境影響評価は、科学的分析に基づくことが基本であり、再提出が必要である。
3. 環境影響評価書における科学的調査の欠落は、日弁連会長声明(2024年3月14 日)においても指摘されていた。今回、提示された芝生広場における計画は風致地区Aであるにも関わらず、一切、科学的調査が行われていない。植物社会学にもとづく、群落調査を実施し、環境影響評価書の再提出と審査が必須である。
4. 東京都は、港区長からのイチョウ並木保全の要請(2023年9月25日)、港区民からの同・要請(2024年9月9日)を受けとめ、ただちに名勝指定に必要な手続きをすすめ、文化庁に名勝指定要望を行うことを要請する
5. 日本イコモスが要請してきた「人命の安全保障の検証」(群集津波に関して)が欠落している。
リスト アジアを中心とした海外不動産取扱高100億円突破 前年同期比1.6倍増
取引例 物件名:THE LAUNIU WARD VILLAGE(ザ・ラウニウワードビレッジ=アメリカ・ハワイ) 151.43㎡ 価格386万USD(56,042万JPY、坪1,221万円)、レート:USD=145円
リストグループのリストインターナショナルリアルティ(LIR)は9月26日、2022年1月に設立したアジア不動産を中心に取り扱うアウトバウンドチームの海外不動産の取扱高が2024年9月17日時点で100 億円を突破し、取引件数は前年同期比で約1.6倍に増加したと発表した。
取引の増加について同社は、近年の円安傾向により日本円だけで資産を持つことはリスクだと考える顧客が増え、海外不動産へ資産分散をする傾向が強まっていることや、国内不動産の高止まり傾向により、投資機会を高める目的でアジア不動産へ関心を持つ顧客が増えたことが要因になっており、新たな傾向として、ハイブランドのレジデンスが集まっているドバイ不動産の取引が増加しているとしている。
LIRウェルスマネジメント事業部アウトバウンドチーム 課長・比留間雄大氏は「顧客の海外資産保有への関心は引き続き高いと感じており、特に米ドル資産を保有している顧客は外貨安メリットを受けやすく、資産の組み換えのために海外不動産購入に動いている傾向があります。また、これまで潜在ニーズの高かったドバイでエージェント提携を開始したことで、商品選択の幅が広がったことも取引増加の要因の一つ。一方で、日本の金融機関が提供する海外不動産向けの融資商品が皆無であるため、購入方法のほとんどがキャッシュです。海外不動産購入のハードルをさげるべく今後はローン商品も当社が率先して組み立てていきたい」とコメントしている。
取引例 物件名:One89 Wireless(ワンエイティナインワイアレス=タイ・バンコク)226.00 ㎡ 価格11,300万THB (47,460万JPY、坪693万円)、レート:THB=4.2円
「内閣総理大臣賞」などの「冠」の価値は高いか 第18回キッズデザイン賞表彰式
最優秀賞(内閣総理大臣賞)を受賞した「あそび大学」(右は吉田宣弘・経済産業大臣政務官)
キッズデザイン協議会は9月25日、「第18回キッズデザイン賞」表彰式を行い、最優秀賞(内閣総理大臣賞)の「あそび大学」(特定非営利活動法人あそび研究会)をはじめ優秀賞、奨励賞などが表彰された。
住宅・不動産業界からは、優秀賞(男女共同参画担当大臣賞)子どもたちを産み育てやすいデザイン部門で「誰でも使いやすい 座って囲める『キッチンテーブル』」(積水ハウス)、奨励賞(キッズデザイン協議会会長賞)子どもたちを産み育てやすいデザイン部門で「リーフィア狛江 蒼翠の街」(小田急不動産)と「For PET #子どもと育つ、家族で育む」(LIXIL住宅研究所)、特別賞(審査委員長特別賞)子どもたちの創造性と未来を拓くデザイン部門で「子どもの身体活動からみた園庭園舎デザイン検証プロジェクト」(ミサワホーム総合研究所、ミサワホーム他)が選ばれた。
表彰式の冒頭、同協議会会長・坂井和則氏(TOPPANホールディングス代表取締役副社長執行役員COO)は、「今年の応募は409点で受賞作は237点。作品にはインクルーシブやジェンダーなど、時代と子どもの課題が如実に反映されている。優秀作品へノミネートされた33作品は素晴らしいものばかり」とあいさつした。
審査委員長の益田文和氏(インダストリアルデザイナー/オープンハウス代表取締役)は、「私は、この会場(六本木ヒルズ)の近くで生まれ育ったが、いい加減(都市生活を)やめようと山口県のオフグリットの田舎に引っ越した。することもないから毎日、虫を見ている」と切り出し、すべての動物はそれぞれに種特有の知覚世界をもって生きており、それを主体として行動しているという「ウンベルト」(環社会)の概念を引き合いにし「人間が世界を支配していると考えるのは大間違い。人間も自然・生き物の一つにしか過ぎない。虫も人間も一緒。大人になるとだんだん悪くなり、悪知恵が働くようになる。しかし、子どもは争わない、一人で生きられないという危機感を持っているし、物事の本質に気付いている。その意味で、子どもたちを支援するというより、その生きざまを形に表して奉仕するのが文明、文化。キッズデザイン協議会はその最先端にいる」と総評した。
坂井氏(左)と益田氏
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益田氏は記者と同い年の昭和24年生まれだ。いつ山口県に引っ越しされたのか。記者とは違って、都会育ちの益田氏が田園の憂鬱に耐えられるかどうか心配だ。3年が勝負だろう。
その益田氏と同協議会にはお願いがある。キッズデザイン賞が掲げる①子どもの安心・安全に寄与する②こどもの創造性や感性に寄与する③子どもや子育てにかかわる人に寄与する-この3つのミッションはよくわかるのだが、記者の取材分野である住宅などはユニバーサルデザイン(UD)の視点も取り込んで審査していただきたい。住宅・不動産業界はそのような視点でモノづくりを行っている。そうすれば応募はもっと増える。益田氏はIAUD国際デザイン賞の審査副委員長を務めているではないか。
もう一つ。最優秀賞の内閣総理大臣賞や優秀賞の経済産業大臣賞、こども政策担当大臣賞、消費者担当大臣賞、男女共同参画担当大臣賞などと「冠」を付けるのは結構だが、国民の支持率がくるくる変わり、低いときは2割くらいしかない内閣総理大臣賞はそんなに価値が高いか。それより、分かりやすい「金」「銀」「銅」か「益田文和賞」など各審査員の名前を付したほうが不変の価値があり、みんな喜ぶのではないか。官製の冠は競馬、競輪、相撲、花火大会、コンクール…ぞっとしない類の大会がふさわしい。日展、二科展、院展など芸術作品にそのような冠をつけるのは自殺行為だと思う。
グローバル化も進んでいる。「iF DESIGN AWARD」との連携を強化し、国内外でこの賞が注目されるようにしてはいかがか。
表彰式会場(虎ノ門ヒルズフォーラム)
積水ハウス「男性育休白書2024」 取得率は過去最高27% 「とるだけ育休」課題も
積水ハウスは、「育休を考える日」として記念日制定している9月19日、男性の育休取得実態を探る「男性育休白書2024」を発表した。
レポートによると、育休を取得した男性は27.3%となり、2019年(9.6%)から2.8倍増え、取得率は過去最高を記録。育休取得日数は平均29.9日となり、2019年(2.4日)から12.6倍も長くなり、育休を取得した男性の取得期間は「1か月以上」(49.7%)が約半数を占めた。
2人目以降の育休取得については、「2人目以降で初めて育休を取得」した人が36.8%と多くなっており、「以前と比べて育休を取る人が増えたから」(女性36歳)、「会社の理解が良くなったから」(男性39歳)など、社会全体が育休を取りやすい環境へ変化していることをうかがわせている。
育休取得後復職した男性は「子どもがいる人への配慮」「お互い様という気持ち・行動」「時間管理の意識」などプラスの変化あり、育休取得期間が長いほど職場環境が改善されたという報告がある。
夫の育休取得に「満足」した女性は、「不満足」な女性と比べ職場への復職率が高く、復職のタイミングも早く、夫の育休取得日数が長いほど、妻の「仕事への意欲が増加」「キャリアアップに前向き」「仕事の幅を広げたくなった」など働く意欲も高まっているとしている。
一方で、取得した育休が「とるだけ育休」と思う男性は34.8%、女性は42.0%に上っており、家事・育児への影響は限定的としている。
結果について、積水ハウス執行役員ダイバーシティ推進部長・山田実和氏は、「当社では2018年から男性育休の取得を促進し、日本でも男性の育休取得が当たり前になる社会を目指し、賛同企業の皆様と共に取り組みを進めて参りました。今回、育休取得率も育休取得日数も過去最高になり、社会の変化を感じています。一方で『とるだけ育休』という課題も浮き彫りになっています」とコメントしている。
山田氏
積水ハウス「男性育休白書」 男性の家事・育児力トップ沖縄県/ランク乱高下はなぜ
積水ハウスが9月19日に発表した「男性育休白書」の都道府県別「男性の家事・育児力全国ランキング2024」によると、1位は「沖縄県」(220点/前年7位)、2位は同スコアで「秋田県」(193点/前年46位)と「鹿児島県」(193点/前年28位)となった。調査は2019年から実施されているもので、今回が6回目。-
調査は、①妻から見た夫が行っている家事・育児の実践数などを4段階で評価②男性の「育休取得経験」③妻から見た夫の「家事・育児時間」を基準④男性の「家事・育児参加による幸福感」の4指数を数値化し47都道府県別にランキングし、1位に47点〜47位に1点を付与して算出したもの。
調査対象は、全国47都道府県別に、配偶者および小学生以下の子どもと同居する20〜50代の男女200人の合計9,400人を人口動態に基づきウエイトバック集計したほか、従業員10人以上の企業の経営者・役員、部長クラスの男女400人、有職かつ一般社員クラスの20代~50代の男女800人。
1位になった沖縄県の玉城デニー知事は「現在、沖縄県では『第6次沖縄県男女共同参画計画〜DEIGOプラン〜』において62の具体的施策に取り組んでおり、県における直近の男性の育休取得率は40.3%であり、目標値である30 %を大きく上回ることができました。これもひとえにワーク・ライフ・バランスに取り組んでいる企業や団体等の皆様の多大な御尽力によるものであり、関係者の皆様には深く感謝申し上げます」とコメントを寄せている。
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記者はいつもこのランキングを楽しみにしている。〝男尊女卑〟の文化が色濃く残っていそうな熊本県や佐賀県、鹿児島県など九州の各県が上位にランクされ、下位に甘んじていた〝秋田美人〟の秋田県、〝かかあ天下〟の群馬県が急浮上するなど予想外の波乱に満ちた結果が出るからだ。
ただ、どうしても理解できないことが一つある。絶対評価ではなく、相対評価で1ランクにつき1点を加点する調査方法だからそうなるのはわかるが、株価のように毎年ランクが乱高下していることだ。47都道府県のこの3年間のランキングをグラフで示したので参照していただきたい。
今年トップになった沖縄県は、2019年2位、2020年9位、2021年1位、2022年2位、2023年7位であるようにいつも上位にランクされているが、他の都府県は変動が大きい。例えば、3年前は3位だった香川県は今年45位に、同じように大分県は4位から44位へ、鳥取県は3位から35位、栃木県は6位から42位へ大きく後退している。逆に、3年前は40位だった群馬県は今年6位へ、36位だった福岡県は8位へ、41位だった奈良県は22位へ上昇。前年46位の秋田県は2位に急浮上している。変わらないのは、下位に低迷している長野県、愛知県、静岡県、奈良県、山口県などだ。
同社には、どうしてこのように乱高下するのか、その理由・原因を探ってほしい。「男性育休白書」が浸透し、自治体や企業の取り組みが強化されている結果ならいいのだが、サンプル数が少なく、回答者になんらかのバイアスがかかっており、ウエイトバック集計に影響を与えている可能性もあるような気がする。
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ランキングと関係があるかどうかはわからないが、婚姻率と離婚率について紹介する。
2022年の婚姻率(人口千対)の全国平均は4.1件で、データがある1935年の8.0件からほぼ一貫して減少している。もっとも高いのは東京都の5.6件で、大阪府の4.7件、愛知県の4.6件と続く。もっとも低いのは秋田県の2.6件で、青森県と山形県がそれぞれ3.1件。沖縄県は4.5件で全国水準を上回っている。
参議院常任委員会調査室・特別調査室によると、「婚姻件数は、男性比率が高い都道府県や男性の賃金が高い都道府県では増加するとともに、女性の賃金が高い都道府県では減少する傾向があるのではないか」としており、その理由として「男性にとっては、賃金とは豊かな家庭生活を支える原資となるものでもあり、男性の賃金が上昇して男性の経済力が高まることは、結婚・婚姻に向けての男性の決意・決断を後押しすることにつながる」「女性の賃金については、賃金が上昇して女性の経済力が高まると、(考え方は人それぞれであるが)自らにプロポーズする男性への期待水準や要求水準なども同様に高まるということも考えられるのではないだろうか」としているが、それだけだろうか。
記者の経験からいっても、秋田県の女性はみんな美しい。婚姻率が低いのは醜男(※)と結婚したくないと考える女性が多いからではないか。わが故郷・三重県も同様で、美しい女性が多く、婚姻率は3.8件と全国平均を下回っている。
大都市圏の婚姻率が高いのは、一人では生きられない分断社会が背景にあり、絶対的な人数が多いことや多様な生き方ができるからではないだろうか。
一方で、2022年の離婚率(人口千対)は、全国平均が1.47件で、2015年の1.18件をピークに漸減している。もっとも高いのが沖縄県の2.13件で、大阪府の1.70件、宮崎県と福岡県の1.68件と続き、もっとも低いのは富山県の1.08件で、新潟県1.13件、石川県1.14件、福井県1.15件と続く。(北陸が低いのは住宅環境と関係はあるのかないのか)
記者は離婚=悪などと単純な発想はすべきでないと思う。愛と憎しみは表裏一体、紙一重だ。いつ暗転するかわからない。何物にも縛られることなく、より自由な高次の愛を求めて取っ替え引っ替えするのは人間らしい生き方ではないか。同社の業績が劇的にアップしているのは、経営理念に「人間愛」を掲げているのと無関係ではないはずだ。残念ながら、沖縄県の離婚率が高いのは「愛」ではない、経済的社会的背景が大きいような気がする。
※小生と同じ軽薄短小、醜男の皆さんに、チャールズ・ブコウスキー「町でいちばんの美女」(新潮文庫)をお勧めしたい。町でいちばん美しい女性と、町でいちばん醜男の男性の切ない物語だが、読むと勇気が湧いてくる。移住するなら秋田だ。三重もいいよ。
男性の家事・育児力 1位は高知県ワーストは茨城県積水ハウス「男性育休白書」(2023/9/19)
男性の家事・育児力 1位高知 2位沖縄 3位鳥取ワーストは山口積水「男性育休白書(2022/9/14)
三重と福岡同じ育児時間で幸福度は47位と1位積水ハウス「男性育休白書」(2021/10/1)