ペット不可を理由に飼育断念経験あり63% ペット飼育意向者 パナソニックH調査
パナソニック ホームズの「くらし研究室」は2月20日、2月22日が「猫の日」であることにちなみ、首都圏の賃貸住宅に住む犬・猫の飼育者・飼育意向者を対象にした「賃貸住宅におけるペット飼育に関する意識調査」まとめ発表。飼育意向者の62.8%がペット飼育禁止を理由に賃貸住宅での飼育を断念し、飼育者の62.8%が「ペット共生型賃貸」に住みたいと回答。ペット飼育者は、単に飼育可能な賃貸物件ではなく、家族であるペットと安心して豊かに暮らせる設備・仕様・サービスを備えた「ペット共生型賃貸」を求めていることがわかった。
「ペット共生型賃貸」とは、同社が2002年から公益社団法人・日本動物病院協会(JAHA)との提携を開始し、住まいにおける健康で快適なペット共生の暮らしに向けた設備・仕様・サービス等の拡充について監修を受けた賃貸住宅のこと。単に飼育が認められている賃貸物件を「ペット可賃貸」と呼んでいる。
アンケート結果によると、飼育意向者の62.8%がペット飼育禁止を理由に賃貸住宅での飼育を断念したことがあり、ペットとの暮らしに求められることは、「外出時の不安を減らすサービス」、「ペットに適したインテリア(床、壁等)やニオイ対策」で、①飼育者・飼育意向者の40.0%以上が「心苦しい」、「健康・安全面」を理由にペットを残して外出することが困る・不安であると回答②飼育者の95.0%が「ペットを飼えていること」に満足している一方、うち43.3%は「飼う環境」に不満を感じていると回答③「飼う環境」に対する不満の理由は、「ペットに配慮したインテリア(床、壁等)になっていない」(42.0%)がもっとも多く、次いで「ペットのニオイが残る」(38.4%)。
また、飼育者の62.8%が「ペット共生型賃貸」に住みたいと回答。飼育者のうち実際に「ペット共生型賃貸」に住んでいる人は20.9%で、飼育者の46.1%、飼育意向者の 83.7%が「ペット共生型賃貸」と「ペット可賃貸」の違いを理解していないことが分かった。
「ペット共生型賃貸」と「ペット可賃貸」の違いを理解すると、飼育者の62.8%が「ペット共生型賃貸」に住みたいと回答した。
今回の調査結果について、日本動物病院協会(JAHA)理事・獣医師の吉田尚子氏は、「『ペット共生型賃貸』と『ペット可賃貸』は、その内容には大きな違いがあり、特に、設備・仕様、サービス、住人同士のコミュニケーション、規約の観点で『ペット共生型賃貸』には多くの利点があります。ペットを飼いたいと考える人々のニーズに応えるためには、物件オーナーや管理者がペット共生型の住環境を提供することが重要です」とコメントしている。
アンケート対象者は首都圏在住の20歳~69歳の男女516人(賃貸マンション/アパートに住む犬/猫飼育者・飼育意向者)。
◇ ◆ ◇
記者はネコを外で眺めるのはいいが、飼育しようとうと思ったことは一度もない。それでも飼育頭数が900頭を超える人気になっているのはよくわかる。賃貸住宅のことはよくわからないが、分譲マンションはほとんどか犬猫などのペット飼育が可能になっているはずだ。結構なことだと思う。
ただ、一つだけ言いたいことがある。分譲マンションでのペット飼育が可能になったのは1990年以降だ。ペットとの共生を目指したからではない。バブルが崩壊し、売れ行きが悪化したために販売促進の手段としてペット飼育可にしたのがその理由だ。
それまでは、ほとんどのマンション管理規約でペット飼育を禁止していた。しかし、その一方で〝見て見ぬふり〟をして飼育を黙認する管理組合も多かった。そのため、仲介会社から「大丈夫でしょう」というこえを信じてマンションを購入した人が、入居後にペット飼育不可の規約を縦に提訴され、敗訴したいわゆる横浜ペット裁判があった。ペットを捨てるか退去するかを迫られた被告(入居者)は退去した。1993年(平成3年)だった。
その後の2009年に書いた記事を添付する。以下のように書いている。
「記者は20年以上前から『マンションでのペット飼育を可能にすべき』と主張してきた。ペット飼育の可否が問われた横浜裁判もずっと取材した。マンション管理規約に〝違反〟してペットを飼っていた被告(入居者)が敗訴したとき、記者は泣いた。犬を捨てるか退去するかを迫られた被告は、退去の道を選んだ。
勝訴した原告(管理組合)もペット不可に何の疑問を示さなかったデベロッパーや管理会社の将来はないと思った。ペットが好きとか嫌いとかという問題ではなく、人間の尊厳の問題だと思った。ペット飼育を認めなければ、やがてマンションそのものがユーザーから指弾を受けるだろう」
人も犬も〝非日常〟を楽しむ 東京建物「いぬのきもちコテージ」(2009/
社会&経済問題 同時解決へ 障がい者就労支援 三菱地所×VALT JAPAN「DIC丸の内」
「デジタルイノベーションセンター丸の内supported by 三菱地所」
三菱地所とVALT JAPANは2月21日、千代田区新大手町ビルに「デジタルイノベーションセンター丸の内supported by 三菱地所」(DIC丸の内)を開設したと発表。三菱地所代表執行役執行役社長・中島篤氏、VALT JAPAN代表取締役・小野貴也氏が開設に至った背景・経緯、今後の展開などについて説明した。同センターは千代田区唯一の障がい者就労継続支援A型事業所※で、デジタル業務に特化した就労継続支援A型事業所としては23区初となる。発表会に出席した樋口高顕・千代田区長も応援を約束した。
VALT JAPANは、障がい者特化型DXプラットフォーム「NEXT HERO」事業を手掛ける会社で、三菱地所は同社へ2024年1月に出資。DIC丸の内はが集積する丸の内エリアにDIC丸の内を開設することで、企業からニーズのあるデジタル業務をが受託。DIC丸の内と雇用契約を結んだ障がい者が、証憑データ入力、サイト情報のデータベース更新、書類のデータ化サービス、データ校正作業、AI関連業務(AIアノテーション)などを行う。今後5年間で全国にDICを20センター開設し、約1,000人規模の雇用を予定している。
中島氏は、2022年に立ち上げたコーポレートベンチャーキャピタル「BRICKS FUND TOKYO」について説明し、「DIC丸の内は『SustainabilityVision2050』で掲げた4つの重要なテーマのうちの『人を想い、人に寄り添い、人を守る』『新たな価値の創造と循環』に資する取り組み。官民が連携してより開かれた、安全なまちづくりを推進していく」とあいさつした。
小野氏(36)は「我々は〝就労困難者の大活躍時代をつくる〟をビジョンに掲げ、2014年に創業したスタートアップ企業。私は塩野義製薬出身で、ある患者会に参加したとき、一人ひとり障がいや難病、抱えている問題、課題はバラバラだったが、就職できない、仕事でうまくいかないという就労困難問題が全員に共通していた。この事実に衝撃を受け、会社を退社し、26歳で創業した。私自身も摂食障害(過食症)の疾患を抱えており、月30万円(1食当たり3,000円)が食事代に消えた。貯金は25万円しかなかったが、この25万円で一生かけてこの問題を解決しようと志し、今に至っている」と切り出し、2040年の労働力人口約6,902万人のうち約1,500万人が就労困難者となり、約1,100万人の労働力不足が生じるという労働市場の不均衡の問題、さらに就労継続支援B型事業所の月間平均賃金は約17,000円にしか過ぎず、発達障がいの経済損失額は約13.5兆円にも上る経済問題を指摘。
「DIC丸の内は、経済の中心地で就労支援という新たなモデルを行うことにより、就労支援領域と経済領域が分断されている社会を包括するのが狙い。約5,000の企業・事業所が集積し、上場企業の売上高が約155兆円という大丸有エリアで事業活動している三菱地所さんの強みと、2024年に連携した事業所数330か所、ネットワーク数2,000か所に上る国内最大級のPBO実績を誇る当社の強みを掛け合わせることで、DIC丸の内モデルを成功させ、事業を1都3県と地方に拡大し、5年で20センターを開所する。さらに将来的にはロンドンを拠点にグローバルにも展開していく」と、社会問題と経済問題の双方の課題解決を目指すことを強調した。
会見に同席した樋口高顕・千代田区長は「仕事が難しい方への就労機会の提供という社会課題、人手不足解消という企業の課題の両方を解決しようという野心的な取り組みを区としても2つの観点から応援していく。一つは、区内には令和4年以降はA型の事業所はなく、今回の施設は大変ありがたい、区民に資する取り組みだ。もう一つは、先般の区長選で公約の一つに掲げたことだが、既存ストックを活用した持続可能な都市へ再生していこうという考えと合致している。素晴らしい取り組み」と称えた。
現在、障がいや難病などにより、働く意志があっても働けない「就労困難者」は1,500万人(労働力人口の5人に1人)にのぼるといわれている。また、950万人いる障がい者の一般就職率は約6%(60万人)にとどまっており、厚生労働省の調査では、民間企業の51.7%が障がい者の法定雇用率を下回っている現状がある。
同センターは、東京駅から徒歩3分(東京メトロ丸の内駅直結)、千代田区大手町2丁目の新大手町ビル1階、広さは約60坪。主たる対象者は精神障がい者、発達障がい者。定員は20名(40名まで増員の予定)。利用対象は原則18~65歳未満。週20時間就労が条件。営業時間は9時~18時。
※障がい者就労継続支援A型事業所 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」(障害者総合支援法)における就労系障害福祉サービスのうち、一般企業に雇用されることが困難な人で、雇用契約に基づく就労が可能である人に対し、事業所が直接雇用契約を締結して、就労や生産活動の機会を提供するもの。現在の事業所数は4,130か所、利用者数は87,262人(令和6年7月現在)。B型は14,407か所。
左から樋口氏、小野氏、中島氏
就労デモ
休憩スペース
◇ ◆ ◇
小野氏の話は、アジア初の女性作家でノーベル文学賞を受賞した韓江(ハンガン)氏の代表作で、拒食症が主人公の「菜食主義者」を読んだ後だったので、衝撃を受け、また感動的だった。
小生は2015年、障がいを抱える人の就労機会を提供するためポラスが立ち上げた「ポラスシェアード」を取材したことがある。小生の身内にも友人・知人にも障がいを抱えている人はたくさんいる。一方で、みんな健常者以上の能力を秘めていることも知っている。三菱地所「キラキラっとアートコンクール」はその能力を開花させた好例だ。なので、小生は障がい者の言葉には抵抗感がある。
そこで、小野氏に質問した。「私自身も〝お前はまともな人間か〟と問われればイエスとは言えない。障がい者は法律用語なので変更は難しいでしょうが、フランスには障がい者という言葉はないと聞いている。障がい者という言葉は世界共通語か」と。
これに対して、「我々も同じ思い。障がい者という言葉があるがゆえに障がいを生んでいる側面がある。我々は、障がい者手帳を持っているかいないか、ラベル的に人を判断するのではなく、その方が就労困難な状態であるかどうかを大事にしている。働きたいという意思はあるけれども就労困難な状態であれば、そこをテクノロジーや経済の力で補い、価値を提供していこうということ」と語った。
三菱地所にはお願いがある。センター内はフェイクグリーンばかりだった。オフィス空間に本物の緑とフェイクグリーンを設置した場合、前者のほうがストレス解消、生産性向上に効果があるという調査結果が出ている。本物のグリーンにするか、それとも「キラキラっとアート」の素晴らしいアート作品を購入しプレゼントしてはどうか。
センター内のフェイクグリーン
ポラス越谷市初の特例子会社へ障がい者中心の新会社設立(2015/3/30)
容積率800%の元町の一等地 10坪の狭小敷地に木造2階建て店舗 三菱地所ホーム
「MOTOMACHI Wood Terrace」
三菱地所ホームは2月13日、非住宅木造かつ都市木造の先駆けと位置付けるプロジェクト「MOTOMACHI Wood Terrace」のメディア向け完成見学会を行った。神戸元町の容積率が800%の防火・商業地域に位置する敷地約10坪の木造2階建てで、延床面積を100㎡以下にすることで準耐火建築物とし、構造躯体を現しにし、環境にも配慮しているのが特徴。テナントは木造建築物と相性がいい天然素材を扱うアパレル企業で、〝相思相愛〟のプロジェクトでもある。
物件は、JR神戸線元町駅から徒歩3分、兵庫県神戸市中央区元町通1丁目の商業地域(容積率800%)に位置する建築面積34.38㎡(10.39坪)、延床面積68.13㎡(20.60坪)の木造軸組み工法2階建て。用途は店舗(テナント:マザーハウス)。
現地は、鯉川筋と元町北通りに面した一等地で、目の前はすぐ大丸神戸店。狭小敷地であるため、道路斜線制限と隣地斜線制限により4階建てくらいにしかならず、エレベータを設置すると店舗面積が確保できない難点を抱えていた。
この課題を解決するため、準耐火建築物が可能な木造2階建て100㎡以下とし、構造躯体を現しとした。同規模のRC造と比較して80%以上のCO2排出量を削減した。
建物デザインは、人通りが多い角地であることから木材の素材感が外からも感じられるよう二方向をガラス張りとし、ガラス面を大きく見せられるよう天空に向け張り出すようにしている。内装は、店舗内の1・2階の間にCLT(Cross Laminated Timber)を採用し、オウシュウアカマツの構造梁をたすき掛けの現しにすることで、見上げの美しさを演出している。
見学会に臨んだ同社代表取締役社長・ 細谷惣一郎氏は、「みやこ下地島空港ターミナル」「ザ ロイヤルパーク キャンバス 札幌大通公園」「CLT PARK HARUMI」「江北小路」など三菱地所グループのこれまでの中大規模建築物の木造・木質化の取り組みを紹介し、「当社は注文住宅、ソリューション、リフォームを3本柱として事業を展開しており、今年は『エアロテック』発売開始から30年を迎える節目の年。『MOTOMACHI Wood Terrace』は小さな一歩ではあるが、これを足掛かりに大きなプロジェクトに挑戦していく」と語った。
都市木造・ソリューション事業領域の常務執行役員 都市木造技術推進部長・越川喜直氏は、今回のプロジェクトは収益性とデザイン性、環境配慮の視点から木造2階建てにしたのがポイントであることを紹介し、「自然素材を扱うマザーハウスさんとはコンセプトが一致し、ほぼ即決で入居を決めていただいた」と語った。
営業担当の同社営業開発第一部長・鈴木正人氏は「プロジェクトがスタートしたのは2年半前。狭小敷地であり、建築費高騰の問題を抱えていたが、マザーハウスさんは早い段階から入居を決めていただいて、ともに進めてきた。着工は昨年7月、12月に完成。その後、内装工事などを行い、今回の引き渡しとなった」と説明した。
マザーハウス代表取締役副社長・山崎大祐氏は、「10年くらい前からこのような店舗を探していた。対面に大丸神戸店があり、ここは特別な立地。限られた面積ではあるが、自然素材を大事にしている当社と木造は相性がいい。ガラス張りなのも視認性が高く、完成してほっとしている」と語った。
左から細谷氏、越川氏、鈴木氏
◇ ◆ ◇
記者はこれまで、敷地面積が30坪以下のミニ開発などをかなり取材してきたが、今回のような敷地面積がわずか10坪の狭小敷地のソリューション事業を取材するのは初めてだった。往復8時間以上もかけて取材する価値があるのかとためらいもあったが、首都圏から約10人のメディアが参加するというので取材した。
見学会の冒頭、司会の同社広報担当・横須賀直人氏は「いつも通り、分かりやすく説明しますので大きく取り上げていただきたい」と話したのでその通りにしたつもりだ。
細谷社長、越川常務の話はよくわかったし、RBA野球で活躍した同社の名物監督・鈴木氏の説明も完璧で、マザーハウス副社長の山崎氏のコメントもまた素晴らしかった。なぜ20坪の木造にしたのか、その謎も解けた。今回の店舗を含めエリア一角は古い建物ばかりだった。早晩、再開発の計画が持ち上がるはずだ。そうなれば元町エリア最高峰の建築物になるのは間違いない。10年先か20年先か。同社はその布石を打ったのではないか。
1階店舗
オウシュウアカマツの現し集成材
この1~2階部分はCLT
山崎氏
◇ ◆ ◇
これはおまけ。マザーハウスの店舗内には値段が高そうな皮商品がたくさん展示されていた。小生の財布と同じサイズの財布を比べてみた。小生の財布はとても貧相に見えたので、すぐ引っ込めた。うちに帰ってかみさんに話したら、マザーハウス? 知ってるわよ。バングラデシュでしょ。あなたの財布もAquascutum。高くはないけど安物じゃない」と自慢げに話した(日高屋で食事をするといくらも残らないお金しか入れてくれないが)。
2階店舗(手前の財布は小生のそれと値段は同じくらい)
現地
素晴らしい!親子&木製シースルー玄関ドア三菱地所ホーム「江北小路」完成(2023/9/28)
三菱地所グループ総力結集国内初の高層ハイブリット木造ホテル札幌で着工(2020/3/26)
容姿端麗・眉目秀麗三菱地所×隈研吾「CLT PARK HARUMI」14日運用開始(2019/12/5)
工期短く堅牢、高い断熱性能、脱炭素にも貢献 三井ホーム「NLTコンテナ」販売開始
「NLTコンテナ」
三井ホームは2月12日、埼玉県加須市の同社埼玉工場で「NLTコンテナ」現場見学会を開催し、2025年2月から本格販売を開始したと発表した。同コンテナは15㎡で、価格は250万円(坪52万円)から。持家の着工戸数が減少する中、木造に注目が集まっていることを追い風に、非住宅のメニューの一つに加えようというのが狙いだ。
NLTとは、ネイル・ラミネイテッド・ティンバーの略称で、隣り合わせにした2×4材の側面を釘打ちすることを繰り返し束ねパネル形成したもの。同社の木造マンション「MOCXION INAGI(モクシオン稲城)」の一部の床根太としても採用されている。
工期は約7日間と短く、強固で断熱性能が高く、接合方法にはボルト・ナットを採用することで再利用が可能で脱炭素社会にも貢献し、3階建てにすることもできるのが特徴。
想定される用途はリゾートホテルバンガロー、グランピング施設の客室、事務所、展示会ブース、移動販売店舗、カフェ、離れ・勉強部屋など。
試作棟は幅6.7m×奥行き2.4m×高さ2.4m、重さ4t。構造は木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)、用途は木造コンテナ、工期は約7日間~(仕様により変更有)、価格は250万円(税別)~。設計・施工は三井ホーム。木材利用量は7㎥、炭素貯蔵量は4t-CO2、スギの木に換算すると約8本に相当する。
コンテナ内部
NLT部材
◇ ◆ ◇
同じような商品は、三井不動産の「HUBHUB(ハブハブ)プロジェクト」、ミサワホームの「MISAWA UNIT MOBILITY『MOVE CORE』」を見学取材しているが、今回の「「NLTコンテナ」も負けず劣らずだ。試行段階のため、同社は具体的な販売目標は示さなかったが、確かな手ごたえを感じているようだ。無限の可能性を秘めていると思った。
何がいいか。まず、床も壁も天井も全てが木造ということだ。外壁は群馬県産材、内装壁は福島、栃木、茨城にまたがる八溝山脈産材のスギ材。中に入ると甘い香りが鼻腔を満たした。
断熱性能も高い。同社は具体的な断熱性能の数値を公表しなかったが、寒冷地の基準をクリアする自信を見せた。鉄骨造などとは比べようもなく優れている。
問題の価格だが、同社木材建材事業本部施設建材営業部施設営業グループ兼木構造研究所主任・山本剛氏は「(ゼネコンなどの)類似品と比較して高くはない。価格が商談を進めるうえでネックにはなっていない」と自信をのぞかせた。
記者は法令上の制限などはよくわからないが、トレーラーで運べるということのようだ。土地に定着させなければ建築物に該当しないから、固定資産税、都市計画税の課税対象にもならない。
山本氏は10㎡を超えると建基法の確認申請が必要との主旨の説明を行ったが、ならば、これを2つに分けるとか、6畳大(9.9㎡)のコンテナを開発して販売してはどうか。爆発的に売れるのではないか。記者なら、施設を回転式にして、太陽光を追尾し、窓面はいつも自然光を取り入れるようにするし、朝昼晩、四季によって自由に向きを変えられるようにする。
今回の見学会では、もう一つ、驚くべき光景を目の当たりにした。埼玉工場(敷地面積約4.7ha)内の25m×40m(約1,000㎡)の施設も公開されたのだが、全て一般で流通している木材を使用して建てられたものだった。普通の鉄筋、鉄骨、木造在来だったら至るところに大きな柱や梁があるはずなのに、それらは一つもなかった。その隣の約600㎡の「スマート倉庫」は大工さん2人がわずか3週間で完成させたという。
見学会(埼玉工場で)
説明する山本氏
工事用内の現しの天井
ミサワホーム 「いつも」「もしも」ZEH対応 トレーラーハウス「MOVE CORE」発売(2023/8/24)
「柳屋」に勝てるか 旅館業&トレーラーがミソ 三井不「HUBHUB 日本橋人形町」(2021/11/18)
三菱地所 生産者-産地-消費者つなげる屋外空間「バスあいのり3丁目テラス」開業(2020/9/5)
泣くな!ユリノキ まるで〝墓標〟全300本超5mへ強剪定 加須市ゆりのき通り
電信柱より低く強剪定されている加須市・ゆりのき通り街路樹ユリノキ
今は昔。駅頭でハンドマイクを握り、「学生諸君、労働者諸君(正確には通行人の皆さん)」と呼び掛けたことがあった。しかし、この日(2月12日)、送迎バスの中にいるメディア関係者など20~30人の方に何の断りもなく突然、「皆さん、窓から見える街路樹のユリノキが大量に丸裸にされている光景を見ていただきたい」と呼び掛けた。
こんなことをしたのは打負けて初めてだった。不愉快に思われ、嫌われるのは承知の上だった。それほど腹が立ち、涙が出そうなほど悲しくなったからだし、一人でも同調してくれる人がいてほしかったからだ。そもそも、小生は「私はジャーナリストというものが好きではない。彼らはだいたい軽薄で、無駄口をたたき、途方もなく図々しい」(ミラン・クンデラ「冗談」=岩波文庫)そのものだし、自分自身が嫌なのに同業の方々に声を掛けるのは失礼でもあると思い、もう30年も昔に同業のメディアの方々と縁を切った(飲んでもいいと思う同業の方は数えるほどしかいない)。
ユリノキとは、住宅都市整備公団によって昭和61年に整備された「加須・大利根工業団地」(97.4ha)の市道「ゆりのき通り」に植えられている街路樹で、市の道路公園課によると総本数は約300本。今回、高さ約5mをめどに強剪定されたのは156本。
強剪定したことについては「強剪定するまでは高さが10m超のものが多く、大きくなりすぎて倒木の恐れがあり、電線が断裂される恐れもあるため。剪定に関し、市民からの(伐りすぎ)苦情は一切なく、工業団地入居企業からのクレームもない」と説明している。強剪定に要した費用は非公表(1本1万円では済まないはず)で、残りの約150本はいつ剪定するかは決まっていないという。
墓碑銘は「ユリノキ」
◇ ◆ ◇
もうこれ以上書かない。「RBA」「こだわり記事」「街路樹」「街路樹が泣いている」「神田警察通り」などで検索していただきたい。かなりヒットするはずだ。千葉大学名誉教授・藤井英二郎氏が講演会で語った「街路樹虐待は自分の首を縛るようなこと」という言葉を紹介する。
小生は今、ブッダの思想を勉強中で、ブッダは「不殺生」「五戒」を説いた。小生はタバコを吸い酒も飲むのでこれには言葉もないが、「不偸盗戒」「不邪淫戒」はしていない。街路樹は基本的には自然樹形にして、強剪定は避けるべきだと思う。
それにしても、市民もそうだが、工業団地に入居する46の企業からも苦情が出ないのが不思議だ。ビッグモーター問題はどうしたのだ。〝喉元過ぎれば熱さ忘れる〟ということか。156本の〝墓標〟を見て何とも思わないのか。
樹高20~30mにもなるユリノキを高さ5mで伐るのは「強剪定」ではなく「伐採」だと記者は思う。泣くな!ユリノキ!人間なんて所詮そんなものだ。
Park-PFI活用「都立明治公園」来園者240万人突破 東京建物/公園を考える
都立明治公園
東京建物は2月3日、同社が代表構成団体となるTokyo Legacy Parks(TLP」)が開発・運営する都立明治公園(渋谷区・新宿区)の初年度来園者数は 240万人を突破したと発表した。
同公園は、都立公園として初めて都市公園法に基づく公募設置管理制度(Park-PFI)を活用した公園で、2025年1月31日で全面開業1 周年を迎えた。
同社はこの他、Park-PFIを活用した2026年開業予定の福岡市博多区の「明治公園整備・管理運営事業」に事業参画している。都内では同手法による東急不動産グループが主体の「都立代々木公園」の供用が2025年2月に開始される。わが多摩市の「TAMA セントラルパーク JV」が令和7年にオープンする。
都立明治公園「誇りの森」(左)と「インクルーシブ広場」
「明治公園整備・管理運営事業」イメージ図
◇ ◆ ◇
記者は、同公園に都合4度訪れている。タバコが禁止なのはどうかと思うが、確かにいい公園だ。利用者数が1年間で240万人超、1日当たり6.6千人を突破したという数字にびっくりした。
これほど利用者が多い公園は他にないわけではない。上野恩賜公園は年間1,000万人超、1日当たり2.7万人だから桁違いだ。他の施設はどうか。東京ドームシティの年間来街者は約3,800万人で1日当たり10万人、プロ野球の球団別2024年入場者数は阪神がトップで約301万人、わが西武は最低の約156万人だ。
では、公園が所在する渋谷区・新宿区内はどうだろうか。両区とも公園利用に関するデータを公表していないのでわからないが(調査を行っているかどうかも不明)、規模が約16,179㎡の明治公園と同じくらいの公園と比べたらまず他にないのではないか(規模が桁違いの「新宿中央公園」や、立地・コンセプトが異なるやはりPark-PFIを活用した「MIYASHITA PARK」のほうが多いはずだが)。
仕方がないので、千代田区が令和4年に行った公園利用に関する実態調査・アンケート調査を参考に、少し公園について書くことにする。
千代田区は、皇居や都立日比谷公園を抱えていることから緑被率が高く、一方で面積が23区最小で人口も約6.7万人と少ないことから、区民一人当たりの公園面積は約25.5㎡と23区で断トツであることが知られている。
これに異論をはさむつもりはないのだが、三菱地所が所有する丸ノ内北口ビル(丸の内オアゾ)で勤務していた経験からして豊かな緑を享受した実感はない。
例えば、いわゆる大丸有エリア(大手町・丸の内・有楽町)。地価は坪1億円近くするはずだ。同エリアで多くのビルを所有する三菱地所(丸の内だけで約30棟)は入居企業などとエリアマネジメント組織を立ち上げ、ウォーカブルな街づくりを推進している。仲通りはその代表だ。わが国でもっとも美しい街並みを形成しているのではないか。
しかし、課題も多い。大丸有エリアに公立図書館は一つもない(都立日比谷図書館はあるが)。ネットで調べたら、23区で図書館が最も少ないのは中央区で4館しかなく、次いで少ないのは千代田区の6館だ(1位は世田谷区の21館)。区域面積に占める設置率でも千代田区は13位、中央区は16位だ(トップは文京区)。
大丸有エリアには、都立日比谷公園を除けば区立公園は約1,357㎡の内幸町広場しかない。地価を坪7,000万円とすると時価は約290億円。区の利用実態調査によると、この広場の平日1日当たり利用者は367.5人、年間にすると約13.3万人だ。290億円の価値がある土地価格を利用者の数で割ると1人・1回当たり約22万円だ。広場の維持・管理費も含めるとものすごいコストをかけ、利用者もまたとてつもなく価値のある広場を利用していることになる。
区全体はどうか。区の調査によると、区内57か所の公園利用者は1日当たり約5.7万人で、1公園当たり995人だ(国土交通省の令和3年度 都市公園利用実態調査によれば、全公園の平均利用者数は2,161人)。
この数値をどう見るかだが、区の公園利用に関するアンケート調査(配布数21,324 通、回収数7,575通、回収率35.5%)では、「利用しない」子どもは43.3%、大人は19.7%にも上っている。大人の利用目的は「子どもと遊ぶため」が74.1%と他を圧倒している。利用しない理由を聞いたところ、大人の半数(複数回答)は「未回答」「その他」となっている。
これらの結果について、管理者(区)の視点から見た課題としてハード(ボール遊び、スケボー、遊具など)・ソフト(多数の禁止事項、樹木剪定、利用に関する要望など)とも利用者のニーズに応えられていない、利用されない公園がもったいない、整備手法に問題があるなどとしている。
課題の認識はあるようだが、問題は今に始まったことではない。改善しようとしなければ、課題を認識していないのと同じだ。
時とともに成長する「うめきた公園」 美しい「JAM BASE」先行街びらき(2024/9/4)
東建&東建リゾート 都市型スパ「TOTOPA都立明治公園店」3月22日開業(2024/3/16)
過去の記憶蘇る 東京都初のPark-PFI活用した「都立明治公園」完成(2023/11/4)
「多摩中央公園改修」の疑問氷解 樹木5000本 うち伐採予定1125本の8割は実生木(2023/10/21)
「使われ活きる公園」 逆読みは〝使われず危機に瀕する公園〟 国交省「公園検討会」(2022/11/1)
若い人で溢れかえる 「立体都市公園制度」を活用した三井不「MIYASHITA PARK」(2020/8/3)
今後の住み替え意向 現在持ち家・貸家とも借家、既存住宅を選択増加 国交省調査
国土交通省は1月31日、令和5年住生活総合調査結果をまとめ発表した。同調査は土地統計調査(総務省)と同年に5年周期で実施しているもので、今回は14回目。土地統計調査(総務省)の調査対象世帯から無作為に抽出した世帯約11.4万世帯にアンケート用紙を送付し、回収世帯数は約7.3万世帯(回収率約64%)。主なポイントは次の通り。
住宅・居住環境に関する総合評価は、持ち家・借家全体では「満足」が23%、「まあ満足」が55%で、「多少不満」「非常に不満」は21%。比率は10年前と比べほぼ横ばいで、持ち家・貸家別でもそれほど変化はない。
住宅の不満率は23%で10年前から2ポイント低下し、居住環境の不満率は27%で横ばいとなった。家族類型別の不満率の推移は、親と子からなる世帯(長子17歳以下)の不満率は18%(10年前24%)と堅調に低下しており、単独世帯(64歳以下)は24%(10年前24%)、高齢者世帯(単身65歳以上・夫婦家計主65歳以上)は20%(10年前18%)となった。
住宅について個別要素ごとの不満率は「高齢者への配慮(段差がない等)」43.4%、「断熱性」41.1%、「エネルギー消費性能(光熱費の節約)」39.7%、「地震に対する安全性」38.4%が上位となっている。
居住環境の不満率は、「近隣のシェアオフィスなど自宅や職場以外で仕事のできる環境」45.9%、「敷地やまわりのバリアフリー化の状況」43.2%、「文化施設(図書館等)の利便」37.4%、「周辺からの延焼のしにくさ」34.8%、「道路の歩行時の安全性」34.5%などが上位となっている。
家族類型別、持ち家・貸家別総合評価は、単独世帯(65歳以上)と親と子からなる世帯の不満率はそれぞれ23%、22%と他の世帯よりやや高くなっている。
過去5年間の住み替えの理由は、単独世帯(64歳以下)と持ち家の親と子供からなる世帯は「自宅を所有するため」がそれぞれ18%、24%と高く、持ち家は「子どもの誕生・成長・進学」22%、「世帯からの独立」8%、貸家世帯は「世帯からの独立」22%などとなっている。
単独世帯(64歳以下)と65歳以上の夫婦世帯は、「高齢期の住みやすさ」「立ち退き要求、契約期限切れ」(貸家)「転勤や転職」「世帯員の減少」「住宅の質の向上」「居住費負担の見直し」「家の相続」「家族との隣居・近居」など理由は様々となっている。
今後の居住形態の意向は、現在持ち家・借家の世帯ともに「借家への住み替え」「既存住宅への住み替え」の意向が増加しているのが顕著。「借家への住み替え」は現在持ち家は19%(10年前は16%)、現在貸家は49%(10年前は34%)となっており、新築住宅・既存住宅(持ち家)の意向では、「既存住宅」を選んだのは現在持ち家、現在貸家とも24%(10年前は14%)となった。
今後の住み替え意向がある世帯のうち、単独世帯(64歳以下)、親と子供からなる世帯は「広さや間取り」「通勤・通学の利便」を重視する一方、65歳以上の世帯は「広さや間取り」「高齢者への配慮」「日常の買い物などの利便」を重視している。
GHG削減、ネイチャーポジティブ取り組み強化 大和ハウス&住友電設 勉強会
小山氏(左)と広瀬氏(住友電設川崎テクニカルセンターで)
大和ハウス工業は1月27日、「業界動向勉強会<環境(2024年度>)を住友電設川崎テクニカルセンターで開催。座学として、同社サステナビリティ統括部長・小山勝弘氏が気候変動・生物多様性関連の動向と同社グループの取り組みを、住友電設人材開発部長・広瀬勝実氏が施設のESGの取り組みをそれぞれ紹介。その後、同施設内の太陽光発電システム・蓄電池・スマートマネジメントシステムなどの環境配慮設備・安全危険体感室見学会を行った。
小山氏は、カーボンニュートラル戦略として①攻めの施策-原則すべての屋根に太陽光パネルを設置②トップ企業の社会的責任-2030年度原則ZEH・ZEB率100%③隗より始めよ-自社施設の原則ZEB化・太陽光などで2025年度RE100達成-の3つの柱を推進しており、2030年(環境インパクト)としてバリューチェーン全体で40%以上GHG(Greenhouse Gas)削減を目指すと語った。
GHG削減目標を達成するためには、サプライチェーン(資材製造)の脱炭素化が欠かせないとし、サプライヤーと様々な取り組みを行っていることを紹介。ゼロ・カーボンビル推進の一例として木造・木質化の推進を挙げた。
生物多様性|ネイチャーポジティブへの挑戦では、2055年の創業100年には「生物多様性のノー・ネット・ロス」を目指すとし、サプライチェーン全体で「森林破壊ゼロ」「生物多様性損失ゼロ」を掲げており、23年度の全事業での緑化実績は20.7万㎡、累積で46.4万㎡(東京ドーム約9個分)に達したと語った。
◇ ◆ ◇
住友電設の川崎テクニカルセンターは、敷地面積約2,938㎡、建設面積約1,593㎡、延床面積約5,207㎡のS造4階建て。施工は大和ハウス。建築物省エネルギー性能表示制度BELSで1~2階の事務所エリアは「NearlyZEB」、3~4階の管理人住宅は「ZEH」認定を受けている。
具体的な取り組みとして、広瀬氏は①PV(NearlyZEB) ②V2Xシステム(EV-太陽光発電-蓄電池エネマネ系列)③V2H(管理人住宅)Xシステムを紹介。住友理工の遮熱フィルム「Refleshine(リフレシャイン)を執務室の窓ガラス90㎡に施工している(検証の結果、未施工の部屋より5℃の差があることが分かった)。
また、住宅エリアには、管理者が住み込みで勤務することを想定した専用面積50㎡台のオール電化のZEH住居が併設されている。管理形態が3交代制になったため現在は空き家になっており、住居は社員向けに家賃無料で賃貸するそうだ。
社員の皆さん、これはお勧め。単身はもちろん夫婦で住める。家賃相場からしたら月額10万円、年間約130万円が浮く計算になる。電気代、水道代も会社負担なら年間200万円の居住費が削減できるではないか。2~3年住めば、分譲マンションの頭金がたまる。空き家対策は喫緊の課題だ。
感電体験コーナー(記者も0.1アンペアを体験した。ビリッときた。致死量はケタ違いだそうだ)
〝空き家〟になっている住戸(LDK)
◇ ◆ ◇
住友電設の施設は、建築概要からして容積率は178%だ。施設が位置するエリア一帯は法定容積率200%の準工地域なので、どうして容積を余しているのか質問したら、建物の絶対高さ規制が20mに定められているためだった。施設の1~2階の階高は10mくらいあった。
もうこれ以上は書かないが、環境性能や緑被率が高い建築物は容積率の緩和を行うべきというのが記者の持論だ。言葉は悪いが〝アメとムチ〟を使い分けることで:建築物の質は高まる。
緑被面積について。2023年度の緑化面積は凄い数値だと思うが、これは事業活動で失われた緑と相殺した数値であることを祈りたい。参考までに同社グループの「サステナビリティレポート2024」によると「当社グループが操業する事業活動地域(拠点) 数は1,588件あり、そのなかから1次スクリーニングで生物多様性の影響評価を行うべきサイトを69件4,239ha に絞りました。2023年度、生物多様性にとって重要と判定されたサイトは35件2,994haとなり、そのうち生物多様性に配慮した管理計画を策定済みのサイトは4 件135haとなっています」とある。
わが国の市街化区域全体における緑被率は23.2%といわれている。増えてはいないはずだ。国土交通省の建築着工統計には建築物の床面積は公表されているが(令和6年は10,274万㎡)、建築物と土地は不可分だ。統計に緑被面積を加えるべきだとずっと思っているのだが…。さらにまた、企業のESGの情報開示義務化を強化すべきだ。
施設の敷地(面積に比べて緑化率は低いと思った。車はEV車)
令和6年の住宅着工79万戸 2年連続減/供給÷着工=カバー率45%
カバー率=供給戸数÷着工戸数(%)
国土交通省は1月31日、令和6年12月と令和6年計の新設住宅着工戸数をまとめ発表。12月の総戸数は62,957戸(前年同月比2.5%減)で8か月連続の減少で、利用関係別では持家は17,821戸(同4.6%増)で3か月連続の増加、貸家は26,424戸(同2.1%増)で3か月ぶりの増加、分譲住宅は18,182戸(同14.7%減)で8か月連続の減少。分譲住宅の内訳は、マンションは7,550戸(同22.3%減)で先月の増加から再びの減少、一戸建住宅は10,513戸(同8.3%減)で26か月連続の減少。
首都圏マンションは3,087戸(同45.7%減)で、都県別は東京都1,997戸(同0.6%増)、神奈川県651戸(同65.9%減)、埼玉県310戸8同45.8%減)、千葉県129戸(同89.4%減)。
令和6年計では、総戸数は792,098戸(前年比3.4%減)となり、2年連続の減少。利用関係別では、持家は218,132戸(同2.8%減)で3年連続の減少、貸家は342,044戸(同0.5%減)で2年連続の減少、分譲住宅は225,309戸(同8.5%減)で2年連続の減少。分譲住宅の内訳はマンションは102,427戸(同5.1%減)で2年連続の減少、一戸建住宅は121,191戸(同11.7%減)で2年連続の減少。
首都圏の総戸数は前年比2.9%減で、内訳は持家(同2.9%減)、貸家(同0.0%増)、分譲住宅(同6.6%減)。分譲住宅の内訳はマンション(同3.3%減)、一戸建住宅(同10.2%減)。建築工法別では、プレハブは93,077戸で3年連続の減少(前年比10.0%減)、ツーバイフォーは95,095戸で3年ぶりの増加(前年比4.7%増)となった。
首都圏マンションは50,990戸(前年比3.3%減)で、都県別では東京都26,612戸(同3.0%増)、神奈川県14,064戸(同8.3%減)埼玉県5,525戸(同5.1%減)、千葉県4,789戸(同16.6%減)となった。
◇ ◆ ◇
グラフは、不動産経済研究所の2024年首都圏マンション供給戸数を住宅着工戸数で割ったもので、カバー率とした。首都圏全体の供給戸数は23,003戸、着工戸数は50,990戸なので、カバー率は45.1%と50%を割っている。都県別のカバー率は東京都38.8%、神奈川県35.0%、埼玉県60.0%、千葉県93.1%となっている。これほど差が大きいのに、その理由に触れずマンション市場について論じることが適切なのか、考えていただきたい。
秩父宮ラグビー場のイチョウ 移植検討に向けた調査実施 三井不動産
秩父宮ラグビー場のイチョウ(昨年1月撮影)
三井不動産は1月27日、秩父宮ラグビー場の東側に所在する港区道のいちょうについて移植検討のための調査を2月から行うと発表した。
今回調査するのは全19本のうちの2本。樹木医の立会いのもと、舗装・砕石を撤去し、歩道や車道に伸びている根や土壌の状況、一部舗装下の根系の密度や伸長状況を調査し、根回しを実施した場合の効果を測定するため、歩道側の太根の一部を環状剥皮し、樹木周囲の一部について根回しを実施する。
その調査結果を踏まえ、樹勢助長措置、維持管理・継続調査、発根調査、外観診断、デンドロメーターによる幹周変化の比較などを実施する。
調査結果の概要については、東京都環境影響評価審議会に報告を行うとともに、公式ウェブサイトなどを通じて公表するとしている。
◇ ◆ ◇
「樹齢100年超の巨木を移植した事例はあるでしょうか。あったなら、その移植に関する費用はどれくらいでしょうか。ないのであれば、その理由をお聞かせください」とchatGPTに質問した。
ほとんど瞬時に回答があった。次の通りだ。
「樹齢100年を超える巨木の移植事例は存在します。例えば、東京の日比谷公園にある『首かけイチョウ』は、樹齢約400年の巨木で、1901年に道路拡張工事のため、約500メートル離れた現在の場所に移植されました。
巨木の移植には多大な労力と費用が伴います。具体的な費用は、樹木の大きさ、移植距離、作業環境などによって大きく異なります。一般的な庭木の移植費用は、人件費を基に算出されますが、巨木の場合、特殊な機材や専門的な技術が必要となるため、費用はさらに高額になります。
巨木の移植が困難な主な理由は以下の通りです。
技術的な難しさ:巨木は根系が広範囲に広がっており、根を傷つけずに掘り起こすことは非常に難しいです。また、移植後の活着(根付くこと)を確実にするためには、専門的な知識と技術が求められます。
高額な費用:前述の通り、巨木の移植には多大な費用がかかります。特に、特殊な機材の使用や専門家の人件費などが費用を押し上げる要因となります。
環境への影響:巨木の移植は、その周辺の生態系や景観に影響を及ぼす可能性があります。また、移植先の環境が適切でない場合、樹木が適応できず枯れてしまうリスクもあります。
これらの理由から、樹齢100年を超える巨木の移植は慎重に検討されるべきであり、実施には専門家の綿密な計画と評価が必要です」
皆さんいかがか。「首かけイチョウ」は記者も知っている。しかし、ChatGPTは自らの知識の少なさを隠すためか、「例えば」としてしか「首かけイチョウ」を紹介できなかった。(記者の質問がいけなかった。「過去10年に事例はあるか、あったら何件か」と聞けばよかった)
費用については回答がなかった。Chatも取材不足を露呈したということだ-Chatが記者の記事を読んでいるのは確認した。Chatで公開されても恥ずかしくない、間違いでない記事を書こうと思う。Chatとは絶対喧嘩しないことだ。
「首かけイチョウ」