伊達冠石の採石会社・大蔵山スタジオ 山田政博著「山にいのちを返す」に学ぶ
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OSI研究会勉強会

講演する山田氏
現在の建築のあり方の是非を問う社会文明論

墓石もそうだが、高級マンションやビルディングなどの建材・モニュメントに重宝されている伊達冠石をご存じだろう。記者は、その伊達冠石を産出する宮城県南の丸森町に位置する大蔵山の所有者で採石会社・大蔵山スタジオ(旧・山田石材計画)の山田政博相談役(73)にお会いし、その著書「山にいのちを返す-大蔵山採石場にて-」(石文社、2011年刊)を読む機会に恵まれた。古今東西の浩瀚な文献・書籍を渉猟し、持論を展開する論文はあまたあるが、山田氏の著作はそれだけにとどまらず、「石」の本質に迫り、〝産業廃棄物〟のようにスクラップアンドビルドを繰り返す現代社会の是非を問う社会文明論でもある。自然への畏怖と畏敬の念を忘れず、自ら重機を駆使し、ノミを打ち続ける実践者であるからこそ書ける著作だ。ぜひ皆さんに読んでいただきたい。
山田氏にお会いしたのは先月末、NPO法人OSI研究会(沖縄観光産業研究会・佐藤基之理事長)の勉強会&懇親会で、山田氏は採石により荒廃した大蔵山の修復・再生事業に取り組んできた経緯などについて講演した。講演は画像を紹介しながら説明するのに多くを費やされたため、記事化するのは難しいと判断し、著作を通じて山田氏を紹介することにした。
大蔵山スタジオは、東北新幹線白石蔵王駅から車で15分、宮城県伊具郡丸森町の標高300m前後の大蔵山(約50ha)に位置。創業は1887年。山田氏は1953年生まれで、明治大学経営学部卒。1986年4月に4代目として家業を継ぎ、2017年(平成29年)8月、社長を息子の山田能資氏に譲り、自らは相談役に退いた。
山田氏の別の著作によると、伊達冠石は両輝石安山岩に属する。地表近くに押し出されたマグマは冷え固まる段階で規則正しい柱状を示すが、伊達冠石は比較的ゆっくり冷却したためか、不規則的に割れた岩脈から丸みのあるものや動きのあるもの、あるいは直線的なものなど様々な形状で産出される。岩脈は、表土から約10m下の幅約20m、厚さ約10m、南北約2㎞、の層となっている。原石表面の黄土色、内面の灰黒色との色合いのコントラスト、石膚と対照的な研磨面など、尽きることのない造形的な可能性を秘めているという。現在の採石量は約200t。
OSI研究会は、明治大学名誉教授・百瀬恵夫氏(92)が2003年に立ち上げた関係から会員には明大卒業者が多く、懇親会では口さがない会員は〝石がすごい〟などと妬み半ばの賛辞を送った。記者は、対面に座り雑談を交わしたのだが、自然の恵みを享受する僥倖に恵まれた、酒好きのただのおやじに見えた。

1960年代の採石場現場

赤土の表土に覆われた大蔵山採石場

一般に公開されている広場

伊達冠石リチャードロング作品(東京フォーラム)

伊達冠石デザイナーズ商品展示会風景

ワークキャンプイベント風景

「神様の石」を山にお返しする現代イワクラ建設作業

「この石は神様だ」と作業員が発した過去最大級5mクラスの伊達冠石原石

円錐形状に積み上げた頭頂部には伊達冠石が設置されている

伊達冠石が割れた面
「ビジョン」を見た翌日、自然も石も美しく見えた
しかし、著作はこのようなイメージとは全く異なった。「神は鉱物の中で眠り、植物の中では目覚め、動物の中では歩き、人間の中では思惟する」-「ウパニシャッド」の言葉で始まる本を読みだしてすぐ、眼が釘付けになった。4ページ目だ。次のようにある。
「私にとっての転機は、突然訪れた。それまで会社の牽引役であった父にかわり、会社を経営することになったのだ。会社は相当の混乱状態。精神的にもかなり追い込まれていたこの時期に、私は自分の中であるひとつの『ビジョン』をみた。極めて個人的な体験なので、詳しくは割愛するが、この『ビジョン』を経験した翌日、庭に咲く花々の白や葉の緑が、昨日とは違って色鮮やかに見えた。空の青さが、今まで感じたこともないほどに迫ってくる。採石場に行けば、石の形や石肌が美しい。今まで不良品にしか見えなかったキズ肌や割れ肌さえも、美しい石の表情をもっている。草花はそれだけで美しいと感じるのは当然だが、石も美しいと感じた自分が不思議だった」
花や空、石のキズ肌などが美しく見えるこの極めて個人的な体験=「ビジョン」とは何か。世には〝人生を変えた〟ものには、1冊の書籍やら失恋、失業、妻あるいは夫の一言、夢、旅行…数え上げたらきりがないほどある。ただ、これらはその後の人生が好転した〝後付け〟として語られることが多い。その一方で〝魔が差して〟人生を台無しにするどころか、社会に致命的な打撃を加えてしまうケースも少なくない。社会も人生も一寸先は闇ということだ。
その時点で、この「ビジョン」の正体を探し出すのに主眼を置き、一気に読んだ。B6判、全200ページ。1ページに1枚以上の白黒写真が紹介されており、とても読みやすい。著作には、石に関する参考文献・資料は74、石工と石工集団に関する文献は71ある(書庫には芸術や民族信仰など石にまつわる本が約2000冊収められているそうだ)。大半はほとんど知らない専門家によるものだが、ゲーテ、ダ・ヴィンチ、フロイト、ユング、ベルグソン、ヨゼフ・ボイス、ガストン・バシュラール、空海、立花隆、小林秀雄、柳田國男、中沢新一、折口信夫、小泉八雲、谷川徹三、草野心平、唐木順三、澁澤龍彦、藤本義一、白川静、中沢新一などわれわれも少しは知っている哲学者、作家の著作や言葉などが頻繁に出てくる。
自説を補強する添え木として、あれやこれやのデータや学説を寄せ集めるのはよくあるケースだ。中には、参考文献が支柱で、持論・自説は柱と梁をつなぐ金物か、支柱がないと伸びないつる草のような論説や記事を読まされることも少なくない。(小生の拙い記事をそのまま無断で転載していた大学名誉教授や人気ブロガーを見つけたが、謝罪の一言しかなかった)
山田氏の著作はそうではない。ほぼ全編に肺腑をえぐる「伊達冠石」のような文章がちりばめられている。いくつか紹介する。
文献を読んでも「石の霊性を知る」ことにはならない
「(採石は)二度と復元することのできない破壊行為」(30ページ)
「石の歩留まり率とか、原価とかいう経済的な観点からではない。残された石や廃材捨て場に捨てられた石を見るたび、石を人間の価値観で推し量り、使える石・使えない石と決めてかかることが果たしてどうなのか」(45ページ)
「いくら文献を読んだところで『石の霊性を知る』ことにはならない。必要なのは、文献を読んで得られる知識より、直感的に霊力を感じたことがあるというような『経験』である。いいかえれば、石の霊力というものにどれくらい思いを巡らせているか、思いをめぐらせるなかで何をどう感じるかということが重要なのだ」(58ページ)
「現在は、あらゆるものが石から別の素材へと置き換えられ、それにともなって『石屋』『石工』の活躍する場が狭められている。しかしその現象をよく見ると、たとえば建築・土木の分野では限りなく石が薄くなり、ハリボテ状に使われていくだけで、いわゆる石本来の性格からかけ離れていくばかりである。耐用年数などを『計算』しているからなのだろうが、せいぜい五十年も持てばよいということか。もっともそれを支えているコンクリートや骨材も怪しいもので、何百年後に残る歴史的な建築物などははたしてどのくらいあるのであろうか。百年サイクルでみると、すべてが産業廃棄物のようにも思えてくる」(84ページ)
「モノのかたちは、中身(質量)があるから外観(輪郭)があるのであって、モノの中身がどのように意識されてつくられているかということは、とても重要なことだ」(105ページ)
「石の美しさや石の力を石ならではの表情として引き立たせようとする繊細な美意識」(123ページ)
「機械で仕上げられたものよりは、手仕上げの石造物のほうが、より深く、より自然に、人の魂やこころに響いてくるのではないか」(129ページ)
石の霊力を得た山田氏自身が「伊達冠石」

読み終えた時の感想は、山田氏そのものが「伊達冠石」ではないかということだった。自らが重機を運転し、寝食を忘れるほどノミを打ち続ける実践家だからこそ発せられる箴言だ。山田氏はこう述べている。「少なくとも私自身のプリミティブな感覚は、大蔵山採石場から生まれてくる自然石によって呼び覚まされたといっても過言ではない」(61ページ)と。
最初に戻る。「ビジョン」とは、この「私自身のプリミティブな感覚」ではないかと推測し、山田氏に「ビジョンとは何ぞや」と聞いた。山田氏は、この「ビジョン」の正体を自身のブログ「石好きおじさんの石巡り」に明かしており、文章を送ってくれた。やや長いがそのまま紹介する。
「(石への目覚め)私は代々石材業を営む家系の四代目として生まれ、当然のように家業を受け継いだ。石材業といっても加工業や施工業など様々な職域があるが、私の会社は主に山から石を採掘する採石業者である。採石している現場は大蔵山といって、宮城県の最南部に位置する白石市と丸森町にまたがった標高300mの小高い山で、そこから玄武岩質安山岩の自然石を採り出している。
私が会社を引き継いだのは1986年、当時33歳の時であった。忘れもしない昭和61年3月31日。父が十数億円という負債を抱えた状態で事業に行き詰まり、混乱のさなか受け継いだ。会社の後継者としてどんな困難にも立ち向かうのが使命と思い、家族を親戚の家に預け、各方面の債権者たちとの交渉に追われながら事態の収拾にあたっていた。しかし、何せ初めての経験で、相当気を張り詰めていたこともあり、その日から一週間後ぐらいで、精神的にかなり追い詰められた状態となった。
そんな精神状態になりながら、ある晩、いつものように自宅のお風呂に入った。お湯に浸かっていると、やがてうとうととして意識が飛んでいくような状態になったらしい。夢心地の中でいると突然、意識の中で井戸のイメージが浮かび、どんどんと体ごと下方に引っ張られていくような感覚に陥った。どこまで落ちていくのだろうと思っていると、やがて水面が現れ、ゆらゆらと揺れている。何かと思いそこを覗き込むと、人の顔のようなものが浮かび、誰だろうと思うとそれは自分の顔である。自分の顔だと自覚した瞬間、その顔はニコッと笑い返してきた。
それまでよく眠れない日が続いていたが、その晩は、不思議なくらい深い眠りに落ちた。
翌日も、相変わらず混乱が続く会社に出社しなければならない。会社と自宅は地続きで、自宅の庭を横切っていく。庭先には赤や黄色のチューリップの花が咲いていた。今までそんなに気に留めることがなかった花の赤や黄色が色鮮やかに飛び込んでくる。不思議に思って空を見上げると、空の青さまでが明るく際立っている。目に映るものや景色が今までとは違って鮮やかなのだ。その日以来、解放されたような気分になり、気持ちが楽になったのを覚えている。
数日後、採石場の現場確認のために大蔵山に行く機会があった。いつもの採石場の風景が広がり、大量の石が積み重なっている。それらの石たちも、いつも見慣れているはずの石なのに、これまでとは違ったものとして目に映ってくる。それまでは価値のないものとしか思わなかったキズの入った石や不定形に割れた石、形が不格好な石が実に美しく見える。割れた表面の表情や、絶妙な線を描くエッジが神秘的に思え、表面を彩る色の具合が輝いて見える。特殊な形をしたものはどうしてこんな姿になったのか不思議に思えてくる。すべては神様の仕業。それ以来、お金を生むものとしか見えていなかった大蔵山の石が初めていとおしく思え、同時に石の持っている本来の価値に気づかされたような気がしたのだ。
振り返ってみると、あの晩の錯乱した精神状態で浮かんだ、井戸の中に落ちていくようなイメージのなか、大地の中に引き連れ込まれたような夢見の経験よって、自分自身の意識の中で、どこか別の感覚が目覚めたらしい。笑顔の自分の顔によって、何かとても救われたような感じさえもしたのだ。もし、あの時の顔が恐怖心におびえていたり情けない表情だったりしたら、きっと私は発狂していたことであろう」
皆さんいかがか。記者は「霊」なるものの存在を信じないし、「レム睡眠」の正体も分かっていないようだ。錯乱状態で見た夢見の経験が正夢になることはあるのか。これは謎のままだ。
◇ ◆ ◇
経済産業省のデータによると、令和5年の採石場は2,410か所、生産量は154,906千t(砕石用がほとんどで、石材用は1割未満)、事業者は2,038業者、資本金別では全国1,597社のうち資本金が3億円超は35社(2.2%)。令和元年比では、砕石場は53.3%減、生産量は75.9%減、事業者は61.9%減となっている。
石の需要が減るわけがないと思って調べたら、石灰石の自給率は100%だが、他の鉱物資源は輸入に頼っているようだ。
採石法もざっと読んだ。土地の返還を定めた第8条には「採石権者は、採石権が消滅したときは、その土地を原状に回復し、又は原状に回復しないことによって生ずる損失を補償して、土地を返還しなければならない」とあるのは当然として、許可要件には「その土地が鉄道、軌道、道路、水道、運河、港湾、河川、湖…公園、墓地、学校、病院、図書館若しくはその他の公共の用に供する施設の敷地若しくは用地又は建物の敷地」のほか、農地法などの制限も受けるとある。

大蔵山銀座スタジオに設置されているテーブル(300万円とか)

大蔵山銀座スタジオに展示されているWASHBASIN(40数万円の値が付いていた)

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リスト 北海道ニセコで別荘地「Niseko Loop」15区画販売開始

「Niseko Loop(ニセコ・ループ)」
リストグループのリストデベロップメント(LD)は2月5日、グループ初の別荘用地分譲事業「Niseko Loop(ニセコ・ループ)」の分譲を開始したと発表した。
物件は、JR函館本線ニセコ駅から車5分(3.6km)、北海道虻田郡ニセコ町字曽我に位置する開発面積約25,898㎡、総区画数は15区画。土地面積は1,000.00(約302.5坪)~1,662.55㎡(約502.9坪)。価格はインナー販売期間中につき非公表。用途地域は無指定。建ぺい率は50%、容積率は200%。販売開始は2025年12月。
分譲地は2023年に用地を取得。ニセコ高原教会の近隣に位置し、周囲には豊かな自然環境と落ち着いた景観が広がるエリアの一角。冬季は複数のスキーリゾートへ、夏季はゴルフ場や観光施設へもスムーズに移動でき、四季を通じてニセコの魅力を享受できる立地。別荘用地として、長期滞在や二拠点居住といった多様なライフスタイルに対応可能。
コスモスイニシア シェアレジデンス事業に拍車 第2弾「nears(ニアーズ)白楽」完成

「nears 横浜白楽」
コスモスイニシアは2月6日、新しい一人暮らしの選択肢を提案するシェアレジデンス「nears(ニアーズ)」第2弾「nears 横浜白楽」のメディア向け内覧会を行った。
物件は、東急東横線白楽駅から徒歩6分、横浜市神奈川区西神奈川三丁目の商業地域に位置する10階建て全63戸。住戸プランは、Aタイプ(12.2~13.1㎡)が59戸、ダブルベッド付きのBタイプ(18.8~19.0㎡)が2戸、サウナ・バス付のCタイプ(18.8~19.0㎡)が2戸。賃料は101,000円~。入居開始は2月21日。建物は2026年1月上旬に竣工済み。
主な基本性能・設備仕様は、居室天井高2500ミリ、二重床・二重天井、シェアキッチン、ラウンジ(93㎡)、スマートロック、宅配BOXなど。
同社賃貸事業部ビル運営部部長・高田忍氏は、「シェアレジデンス」は、賃貸マンションのプライバシー性とシェアハウスの〝人との関り〟の両立を目指す同社の造語であり、賃貸とシェアハウスにはないラウンジやワークスペースなどを設けているのが特徴で、検討者の約50%が賃貸からの転居だと話した。今後、今年新設する「五反田」をはじめ年間5~6棟を供給する意向であることを明かした。首都圏、関西圏で30棟の開業を目指し仕入れ活動を進めているという。
「nears」は初期費用が15万円程度と手頃な設定となるため、白楽駅から徒歩5分の新築/1K/25㎡の賃料約9.5万円の賃貸を2年間借りた場合、初期費用コスト差により2年間でトータルで約24万円「nears」のほうが安いと同社は試算している。
同社はまた、パナソニックの洗濯乾燥機シェアクラウドサービス「LAUNDROOM」を導入したと発表した。共用部にパナソニック製の最新ドラム式洗濯乾燥機とともに、遠隔管理システム、メンテナンスサポートなどを提供するもので、入居者はスマホで稼働状況や完了を確認できる。男女共用が3台、女性専用が2台(この他、普通の洗濯機が4台)。
第1弾の「nears 川崎」は、開業してから現在までの平均稼働率は約97%。入居者の平均年齢は35歳、(20~30代で73%)、男女比は半々、従前居住形態は賃貸・マンションが32%、持家・家族所有が29%、賃貸・アパートが17%。

シェアキッチン

ラウンジ

居室

「LAUNDROOM」
◇ ◆ ◇
この日、名刺交換したインテリア関係業界紙の方へ。いま、貴紙のホームページを見た。素晴らしいではないか。小生の独断と偏見の「こだわり記事」とは全然異なる。
貴殿は、「メジャー7からは(見学会などへの)声が掛らない」と話した。確かに、やってはならないことだが、一部の大手デベロッパーは(代理店も介在しているはずだが)、媒体・記者を選んでいる気配がある。
だが、しかし、どのメディア・記者を呼ぼうが呼ぶまいが、それは主催者の勝手だ。宣伝効果のない、あるいはネガティブ情報を流されかねない媒体・記者を避けるのは当然だ。貴殿が取るべきなのは、メジャー7を振り向かせるような、無視できない記事を発信することだ。記者は企業の大小によって手心を加えたり、差別したりしたことなど一度もないと断言できる(中小企業寄りかもしれないが)。
業界紙は、商品・サービスを提供する企業と、受け取る消費者をつなぐ架け橋的な役割を担っている。その姿勢を徹底することだ。記者は消費者の利益につながらない、不利益を与える可能性のある企業行動を徹底して批判したことがある。そのせいかどうか、倒産したり社会的評価を得られなくなったりした企業はいくつかある。
〝ペンは剣よりも強し〟-これは記者の基本だ。歴史的、文化的、社会的批判精神をなくしたらおしまいだ。記者には国家資格=〝お墨付き〟がないのもそのためだ。業界全体に当てはまることだから、あえて書いた。
溢れる観葉植物リビング-バルコニーフラット化コスモスイニシア「武蔵小杉」(2026/2/3)
〝めっちゃいい〟デザインコスモスイニシアレンタルオフィス「MID POINT川崎」(2021/11/11)
〝めっちゃ珍しい〟コスモスイニシアシェアレジデンス「nears(二アーズ)川崎」(2021/11/11)
一人暮らし環境を劇的に変える野村不「コリビング賃貸」第一弾「品川中延」(2025/2/19)
ミレニアル&Z世代の心つかむか三井不レジ単身女性向けリノベ賃貸「KORAKUEN」(2024/3/8)
華氏35.6度 期日前投票所に蟻聚する選挙民 1時間待ちに結局〝棄民〟選択
この日(2月7日)の外気温は2℃(華氏35.6度)。団地の会合を終えてから、雪が降りしきる中、いつものように駅前の日高屋で熱燗1合と半ラーメンの昼食。
もう1杯飲みたかったが、この前〝もうアル中同然〟と後輩の記者にたしなめられたので我慢し、駅直結の市役所出張所に設けられている衆院選期日前投票所に向かった。ポケットには衆院選投票券を入れていた。選挙権はもうもう30年以上行使していない。理由は簡単。騙されるのが嫌だからだ。ならは〝拒否〟(逃避と同義語)するのが一番だと。
まあ、しかし、〝天下分け目の戦い〟かどうかは分からないが、同年代の同業Hさんに馬鹿にされるのも嫌だから、一念発起して投票しようと考えた。
豈図らんや。信じられない光景を目にした。投票所そのものはビルの中にあるのだが、中に入るには吹きさらしのアーケードで待たなければならない。案内係の人に聞いたら、待ち時間は1時間以上だ。人数を数えた。約120人(このほか選挙権がないと思われる子どもが約10人)の黒づくしの老弱男女…蟻聚そのものだ。どこかの軍事政権に強制(去勢)された愚民かと思った。凍え死んだらだれが責任を取るのかと。
しばし様子を見ようと、これまたいつもの駅前のDOOTORでタバコを吸いながら思案した。〝行かない-行きます-行く-行くとき-行けば-行け〟…何度も自問自答したが、〝行くな〟と命令するもう一人の自分がいた。雨にも雪にも勝てない、逃げるが勝ちだ。投票される方には頭を下げるほかない。
帰り道、駅頭では赤でも黒でもない黄色だったか。どこかの政党が〝どれほど怖い世の中に向かっているか…外国人…〟などとがなり立てていた。俺も〝害人〟の一人だ。
東京都第30区は、府中市、多摩市、稲城市からなり、有権者数は約42万人、受かるのは一人。当選される方は有権者を裏切らないで頂きたい。
◇ ◆ ◇
「このあいだの選挙、みんなとおなじように投票したわ。ノーブル大統領にいれてみたの。あの人、これまで大統領になった人のなかで、いちばんハンサムだと思うわ」
「ああ、でも対立候補のほうはね!」
「あっちはたいしたことなかったわよ? 背は低いし、地味な感じだし、ひげがちょっとのびてたし、髪もちゃんとくしをいれていなかったみたい」
「野党はなんであんな人を候補にしたのかしら? 背の高い相手に、あんな背の低い人をかつぎだすなんてね。それに-あの人、もごもごしゃべるし。話の半分は聞き取れなかったもの。おまけに聞こえたところは、わけがわからなかった!」
「太りすぎだしね。しかもそれを服でカバーする工夫もしていなかったし。ウィンストン・ノーブルが圧勝して当然よ。名前の差もあるわね。ウィンストン・ノーブルとヒューバート・ホーグを十秒くらべたら、それだけでほとんど決まりだわ」
――これは〝選挙棄民〟の小生が言っていることではない。レイ・ブラッドリーが今から70年前に書いた「華氏451度」(早川書房)から引用したものだ。
坪600万円の大和ハウス他「船橋」(677戸)第1期1次251戸の意味するもの

「プレミストタワー船橋」
大和ハウス工業(事業比率75%)・東京建物(同12.5%)・京成電鉄8同12.5%)は2月5日、船橋駅前の51階建てタワーマンション「プレミストタワー船橋」(全677戸)の第1期1次251戸の販売を2月7日に開始すると発表した。
物件は、JR船橋駅から徒歩2分、船橋市本町一丁目の西武百貨店の跡地に位置する51階建て全677戸。第1期1次の専有面積は50.18~134.02㎡、価格は7,740万(最少面積で割った坪単価は507万円)~72,900万円(同1,795万円)、最多価格帯は11,500万円台・11,900万円台・12,100万円台・12,300万円台・12,500万円台・13,300万円台・19,900万円台、各4戸。坪単価は600万円。竣工予定は2028年3月。設計・監理は長谷工コーポレーション、久米設計。施工は長谷工コーポレーション。登録申し込みは2月7日~2月15日。
2025年6月か受け付けた資料請求数は8,774 件(2月1日現在)、2025年11月から開始したマンションギャラリー来場組数は1,885 組(同)。
来場者の属性は、年代は20代が約10%、30代が約29%、40代が約26%、50代以上が約35%、家族数は1~2人が約62%、3人以上が約38%、居住地は千葉県内が約66%(うち船橋市内が約35%)、千葉県外(主に首都圏)が約34%。
住戸は6階〜51階で、プランは1LDK(43.71 ㎡)〜3LDK(134.02㎡9まで全63タイプ。グレードを3つに分け、スーペリアフロア(6〜40階)は居室天井高約2,600mm、サッシ高約2,100mm、アッパースイートフロア(41〜48階)は居室天井高約2,900mm、サッシ高約2,400mm、トップスイートフロア(49〜51階)は居室天井高約3,200mm、サッシ高約2,700mm。
◇ ◆ ◇
このマンションについては、11月に行われたメディア向け見学会の記事を添付するので、そちらを参照していただきたい。
まず、坪単価について。同社が昨年9月に行った「マンション事業計画説明会」で、同社上席執行役員の富樫紀夫氏(62)は坪単価は当初予定していた坪320~330万円の2倍近い価格になると匂わした。記者は驚愕した。
なぜか。富樫氏も経験していないバブル期のマンション市場を知っているからだ。当時、都心部では坪2,000万円、3,000万円が秘かに売られていた(国土法監視区域制度をくぐり抜けて秘密裏に売られていた)。しかし、郊外部は坪百数十万円台から200~300万円台の物件も少なくなかった。千葉県内のバブル崩壊の前後のマンション単価を調べてみた(小生は全物件の販売状況を電話で聞き取り調査していた)。高い物件では「本八幡」の521万円、「京成大久保」の465万円、「鎌ヶ谷」の310万円、「千葉県庁前」の460万円、「東千葉」の438万円、「都賀」の498万円などがある。
記者は、坪単価をことごとく的中させてきたが、このように1物件1物件ごとに販売状況を聞き、〝目利き力〟を養ってきたからだと思う。最近では「三田ガーデンヒルズ」の坪1,300万円、「ザ・パークハウス武蔵小杉」の坪650万円、「パークタワー柏の葉キャンパス」の坪430万円などだ。
予想を大きく外したのは、今回も売主に名を連ねている東京建物の「Brillia Towers 目黒」の坪600万円、「Brillia Tower 堂島」の坪650万円などだ。この2つの物件は、その後の周辺マンション以上を劇的に変えた。
バブル崩壊後はどうか。これは富樫氏もよくご存じのはずだ。大和団地の物件の後処理をひょっとしたらしたのではないか。〝失われた30年〟の後遺症はあまりにも大きかった。千葉県内で坪単価が400万円を超えたのは確か5年くらい前のタワーマンション「本八幡」だったはずだ。2024年分譲の、三越百貨店跡地の千葉市の一等地で分譲された東京建物他「Brillia Tower千葉」も第1期は421万円だった。
それから2年が経過し、価格が暴騰しているとはいえ、バブル期を凌ぐ坪600万円とは…メディア向け見学会で〝単価に納得〟と書いたのは、一部のプレミアム住戸が単価を引き上げているからだろうと判断したからだ。
そして今回、第1期1次の販売戸数が全戸数の37%に当たることにも驚いた。来場者は千葉県外(主に首都圏)が約34%に達するという。船橋市や千葉県居住者にははなはだ失礼だが、坪600万円以下で買える駅前立地物件はほかにもたくさんあるはずだ。近く見学する新日本建物「エクセレントシティ多摩永山」(159戸)は坪320~330万円だ。
さて、今回、「船橋」が坪600万円でも〝売れる〟(まだ6割以上あるが)ことを証明したら、都心部はもちろん、準都心部や地方中核都市の価格設定に大きな影響を及ぼすと見た。船橋で坪600万円なら、同じくらいのポテンシャルがある街は数百か所はあるのではないか。わが多摩センターの京王プラザホテル跡地も負けないのでは…。
坪単価600万円に納得高い居住性能反響1万件へ大和ハウス「船橋」(2025/11/27)
第1期90戸は坪421万円高額住戸中心に人気東京建物他「Brillia Tower 千葉」(2024/4/17)
〝タイパ〟重視する層に訴求 3駅10路線が利用可 三菱地所レジ賃貸「日本橋茅場町」

「ザ・パークハビオ日本橋茅場町」
三菱地所レジデンスは2月4日、賃貸マンション「ザ・パークハビオ日本橋茅場町」のメディア向け完成内覧会を行った。交通至便な立地条件にあることから、IoT 戸別宅配ボックスや同社が開発した総合スマートホームサービス「HOMETACT(ホームタクト)」、顔認証システム、バイオフィリックデザイン「COMORE BIZ(コモレ ビズ)」などを採用し、日々の手間を省き暮らしの“タイパ”を高める次世代型賃貸レジデンスとして開発したのが特徴。
指定配送業者の配達員がオートロックを解錠して入館できるシステム「Pabbit」、各住戸専用の宅配ボックス、DXYZの顔認証システム「FreeiD (フリード)」のほか、パソナグループが手がける約25㎡のバイオフィリックデザイン「COMORE BIZ(コモレ ビズ)」などを装備。
住戸プランは、洗面台とキッチンを一体化することで動線を楽にした「Roomot MIXINK(ミキシンク)」と、シャワーブースに小型のバスタブを備えた「Roomot BathMor(ルーモット バスモル)」を採用した「Roomot(ルーモット)住戸」(約28㎡)と、約4.2畳大の多目的に利用できるスペースを設けた「Doma住戸」(37㎡)などを用意。
物件は、東京メトロ茅場町駅から徒歩3分(このほか日本橋駅から徒歩6分、東京駅から徒歩13分など3駅10路線以上の利用が可能)、中央区日本橋茅場町2丁目に位置する10階建て全81戸。専用面積は28.56~51.14㎡、月額賃料は約2.2万円/坪。竣工は2026年2月9日。設計・施工は村中建設。
昨年12月から入居者募集を開始し、これまで約20%に申し込みが入っている。契約者は〝大丸有〟エリアに勤務する30代のオフィスワーカーが中心で、男女比は6:4、広めのタイプから申し込みが入っているという。
同社賃貸住宅開発部長・三瓶信英氏は、「2022年に賃貸シリーズをリブランディングし、〝こころ弾む瞬間をお届けする〟をスローガンに掲げ展開してきた。賃貸だから妥協するのではなく、賃貸だからこそできる〝モノづくりに〟徹してきた。専用部、共用部を県書きしていただき、〝こころ弾む瞬間〟を体験していただきたい」と語った。

「COMORE BIZ(コモレ ビズ)」

「Doma住戸」の土間スペース

「Roomot BathMor(ルーモット バスモル)」

戸別宅配ボックス
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同社の賃貸マンションブランド〝ザ・パークハビオ〟はリブランディングして以降10物件くらい見学しているのではないか。主だった記事を添付したので、そちらも参照していただきたい。
今回初めて見学したのは「Doma住戸」(37㎡)だ。もちろん好き嫌いはあるが、これはいい。分譲マンションにも『土間』スペースを設けた物件は少なくないが、4.2畳大もあるのはそうないはずだ。建築費が上昇する一方で、居住面積はどんどん縮小している。外間も廊下も洗面・キッチンも居室と一体的に利用できるプランをどんどん提案すべきだ。
「COMORE BIZ(コモレ ビズ)」はやや狭いのは難点だが(延床面積を考えたらやむを得ないか)、観葉植物は全て本物。昨日は、居室内もバルコニーも本物の観葉植物があふれかえっていたコスモスイニシア「「イニシア武蔵小杉御殿町」を見学取材したばかりだ。〝フェイクをやめろ〟と主張してきた甲斐はあったか。
「Roomot BathMor(ルーモット バスモル)」はとてもいいのだが、約60cmのまたぎ部分が高すぎる。全身をつかるためだけなら30cmでいいのではないか。記者はそれより携帯可能な〝足湯〟型浴槽を普及させるべきだし、首の下だけが洗える縦型省スペース型〝人間洗濯機〟を開発すべきだと思う。頭寒足熱だ。〝コスパ〟〝タイパ〟に完璧に対応できるではないか。

外観
溢れる観葉植物リビング-バルコニーフラット化コスモスイニシア「武蔵小杉」(2026/2/3)
進化する三菱地所「The Parkhabio SOHO」先進のスマートホーム第5弾「関内」(2025/3/12)
ハード・ソフトの価値高い三菱地所レジ家具・家電付きCo-Living「Hmlet 池袋」(2024/12/20)
家具付きマンション運営会社Blueground Japan社長は野球部の横手氏三菱地所(2024/10/1)
従来のHEMSと一線画す世界に通用する「HOMETACT」体験施設開設三菱地所(2023/12/23)
賃貸にも災害時の防災ツール設置三菱地所レジ「中野富士見町」竣工(2023/10/26)
「その瞬間に、心が弾む」見事に表現三菱地所レジ「The Parkhabio SOHO 祐天寺」(2023/5/23)
その瞬間、福井氏に惚れた三菱地所レジ SOHOタイプの賃貸第2弾「代々木公園」(2022/10/23)
サステナブルセットアップオフィス完成東京建物「東京スクエアガーデン」(2022/9/29)
自然と共生するワークスペース「コモレビズ」実装した「ザ・パークレックス天王洲」(2022/7/27)
フジHD サンケイビルの外部資本導入決定 争奪戦必至
フジ・メディア・ホールディングス(FMH)は2月3日、不動産事業に外部資本を導入すると発表。不動産子会社のサンケイビルの株式を一定程度売却(完全売却も選択肢)することを決定したことから、村上世彰氏ら旧村上ファンド系の投資グループからFMH株の大規模買い付け提案を取り下げる意向が伝えられ、昨年末から続いていた攻防戦にけりが付いた模様だ。
FMH の2025年3月期決算は、売上高5,507億円(前期比2.8%減)、営業利益182億円(同45.4%減)、経常利益251億円(同35.7%減)、純損失201億円(前期は370億円の黒字)で、都市開発・観光事業はサンケイビルのオフィスビル、ホテル、賃貸レジデンスの賃料収入が好調に推移し、売上高は1,409億円(同9.9%増)、セグメント利益244億円(同25.4%増)となり同グループの〝稼ぎ頭〟になっていた。
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現段階では、サンケイビルなどの不動産事業に外部資本を導入することしか決定されておらず、どうなるか分からないが、サンケイビルは立地条件のいいビルを所有しており、株式の争奪戦が演じられそうだ。マンション事業も一定の位置を占めているが、最近は取材していないのでどうなるか不明。
海老名でマンション5物件2,000戸先陣切るサンケイビル・名鉄不約半分が供給済み(2017/6/6)
「オハナ」との競合はプラスに サンケイビル他「ルフォンソレイユ船橋美し学園」(2015/2/23)
女性役員の〝こだわり〟盛り込む サンケイビル「ルフォン柏ザ・レジデンス」(2015/2/3)
「めざましテレビ」そのまま朝から元気サンケイビル「ルフォンリブレ浜松町」(2015/1/20)
大和地所レジデンス マンション建て替え事業に初参画 「綱島」98戸⇒195戸

「ニックハイム綱島第一」
大和地所レジデンスは2月4日、「ニックハイム綱島第一」の建て替えに同社として初めて参加組合員として参画すると発表した。同事業は2025年12月25日付で横浜市から権利変換計画の認可を受けた。
「ニックハイム綱島第一」は、新耐震基準が定められた1981年以前に設計された「旧耐震建物」で、2025年時点で竣工から45年を迎えており、建物を維持した場合の費用負担と、建て替えを行った場合の費用負担と価値向上などを比較検討した結果、2023年4月の建て替え決議を経て、2024年1月に建替組合が設立された。
物件は、東横線綱島駅から徒歩6分、横浜市港北区綱島西2丁目に位置する従前延床面積約7,108㎡、8階建て98戸。売主は日栄住宅資材(現:ナイス)。従後は延床面積約14,416㎡、10階建て195戸となる。着工予定は2026年11月、竣工予定は2028年10月。
溢れる観葉植物 リビング-バルコニーフラット化 コスモスイニシア「武蔵小杉」

「イニシア武蔵小杉御殿町」
コスモスイニシア・大和ハウス工業・共立エステートの3社JVマンション「イニシア武蔵小杉御殿町」のモデルルーム(三田ラウンジ)を見学した。プレス・リリースにあるリビングとバルコニーをフラットなウッドデッキでつなぐ「シーズナルリビングバルコニー」がどのようなものかを確認するのが取材の目的だったが、それより室内とバルコニー全体を様々な本物の観葉植物で埋め尽くした演出に感動した。多分、業界初だと思う。素晴らしい!
物件は、JR横須賀線・東急東横線武蔵小杉駅北口から徒歩13~14分、川崎市中原区小杉御殿町1丁目ら位置する14階建て79戸。専有面積は55.16~98.25㎡。坪単価は530万円。竣工予定は2027年1月。施工はライト工業。1月24日から第1期1次28戸の供給を開始している。

バルコニー
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このマンションについて3社は1月26日、ニュース・リリースを発表した。記者は即、取材を申し込んだ。リリースをコピペして記事化しても「か・ち・も・な・い」と判断したからだ。それから1週間が経過したが、モデルルーム(三田ラウンジ)を見学取材した甲斐があった。室内もバルコニーも観葉植物で溢れ返っていた。
まず、目に飛び込んできたのはバルコニーに面したリビング天井の緑だった。フェイクだろう思ったが、そうではなかった。このような演出を行ったのは多分、この物件が初めてではないか。名前を聞いたらエスキナンサスだった。水遣りは2週間に1回、肥料は月に1回くらいでいいというものだった。了解を得て、ちぎってもらって口に含んだ。おいしくはないがまずくはない。
外のバルコニーがまたすごい。花台とデッキ床には檸檬の味がするレモンマートル、ツピダンサス、フィカスロイ、オリズルラン、エレンダニカ、アスパラガスなどが設置されていた。このタイプは西向きAタイプ1スパン10戸に採用されているもので、ウッドデッキとプランターが標準装備となっている。
フラットサッシ・バルコニーはいいに決まっている。コスモスイニシアは今後、積極的にフラット化を進めるという。どんどんやるべきだ。同社はこれまで分譲戸建てでフラットバルコニーの提案を積極的に行ってきた。いま「コスモスイニシア」と「フラット」で検索したら「杉並高井戸」は約7,400件、「青葉台」は約5,400件、「石神井公園」は6,700件、「田園調布」は4,400件だ。バルコニーのフラット化を積極的に行っているのは同社と積水ハウスくらいだ。三井ホームも今後、注文住宅では標準化するそうだ。
記憶は定かではないが、全開口サッシを開発したのは三協アルミで、フラットサッシを開発したのは立山アルミ(現三協立山)だったと思う。30年くらい昔か。立山アルミには本社がある富山までわざわざ取材に出かけた。当時は、デベロッパー各社が積極的に採用したが、最近は極端に少なくなった。
記事を検索したら、2014年の日本綜合地所(現大和地所レジデンス)の「ヴェレーナ木場公園」がヒットした。次のようにある。
「17年くらい昔だ(1997年)。南武線中野島駅圏で同社は全開口サッシを採用するとともにバルコニー側にウッドデッキを敷くことでリビングとバルコニーを一体利用できる提案を行った。興味深かったのは値付けだ。一般的に中高層マンションの値付けは1階部分がいちばん安く、上階に行くにつれ数十万円から数百万円上げていくのが常識だ。ところが、同社は1階部分を中層階より高く設定したのだ。それがものの見事に成功し、1階住戸から売れていった。値付けの常識を同社が打ち破ったのだ。それが今日まで同社の商品企画として生かされている」
坪単価について。いつものように予想した。この物件の手前、駅に近い三菱地所の物件は坪650万円くらいで(どんぴしゃりのはず)、今回の物件はやや駅から離れているので、「坪500万円ははるかに突破するが、坪550万円をつける自信はない」と担当者に話したら、上段のように坪530万円だった。リーズナブルな値段だと思う。

バルコニーに面したリビングの天井

バルコニーの花台

モデルルーム
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リリースも紹介しないと失礼なので、以下に紹介する。
リリースには「『すっと、深く、呼吸する。』をコンセプトに、武蔵小杉エリアの都市利便性を享受しながら、落ち着いた住環境が広がる御殿町にふさわしい住まいを目指しました。低層住宅地ならではの穏やかな住環境に配慮し、日々の暮らしやすさを重視した住戸計画を採用しています。全79戸の住戸は、可変性のある間取りや、当社で初めての取り組みとなる『シーズナルリビングバルコニー』などを備え、多様な暮らし方のニーズに応える設計としました」
「周辺の街並みとの調和と住戸の独立性、プライバシー性に配慮し、2棟構成としました。敷地内には豊かな植栽を施したアプローチや、緑に包まれる共用空間を配置し、自然光や通風を効果的に取り入れる立体的な建築構成とし、共用部には植栽や水景を取り入れた空間を計画しました。外部から敷地内へと連続する緑のアプローチや、東棟1階には中庭的な共用スペースを設けることで、日常の動線の中で自然を身近に感じられる住環境を創出しています。
自然光や通風を効果的に取り入れる立体的な建築構成とし、共用部には植栽や水景を取り入れた空間を計画しました。外部から敷地内へと連続する緑のアプローチや、東棟1階には中庭的な共用スペースを設けることで、日常の動線の中で自然を身近に感じられる住環境を創出しています。また、外観デザインには木調や自然素材を想起させる色合いを採用し、御殿町の落ち着いた住宅地の街並みと調和する佇まいを形成。敷地内の植栽計画も含め、時間の経過とともに街に馴染んでいく建築・ランドスケープを目指しました」
デザインとランドスケープに力を入れているのが分かる。観葉植物は各フロアに設置されるようだ。

.商品企画の勝利即完の可能性もコスモスイニシア戸建て「グランフォーラム青葉台」(2019/2/15)
三菱地所 アパートメントホテル事業に参入 2030年までに10軒開業へ

「WAYPOINT TSUKIJI TOKYO」エントランス
三菱地所と三菱地所ホテルズ&リゾーツは2月2日、長期滞在ニーズに対応する新ブランド「WAYPOINT」を立ち上げ、アパートメントホテル事業に参入すると発表した。主にインバウンドをターゲットに、ランドリーやキッチンなどを備え、多人数・複数泊に対応するもので、今後2030年までに10軒の開業を目標にしている。
新ブランド1号物件「WAYPOINT TSUKIJI TOKYO」は既存施設をアパートメントホテルとしてリノベーションしたもの。客室は、TVボードに国産杉材を使用した積木パネルを採用するとともに、バンクベッド(2段ベッド)にも杉材を使用。最大6名まで宿泊可能。一部客室にはミニキッチンや洗濯乾燥機を備える。また、ロビーなどの共用部でも内装にも木材を施し、木に囲まれた山のキャビンで過ごしているかのような空間を演出する。
施設は、東京メトロ日比谷線築地駅から徒歩1分、中央区築地2丁目に位置する敷地面積約368㎡、9階建て全52室。料金はデラックスバンクルーム(37.28㎡)1名料金(4名1室利用時)11,000円~、スイートバンクルーム(68.28㎡)1名料金(6名1室利用時)12,833円~。改修工事は三菱地所ホーム。ホテル運営は三菱地所ホテルズ&リゾーツ。開業予定は2026年4月1日。

アパートメントホテル5社が結集・怪気炎市場規模は現在4,000室⇒30万室へ(2024/10/30)

