旧横浜市庁舎「BASEGATE(ベースゲート)横浜関内」完成 さすが鹿島、美しい

「BASEGATE(ベースゲート)横浜関内」
三井不動産を代表企業とする8社は2月16日、JR関内駅前に完成した「横浜市旧市庁舎街区活用事業」の「BASEGATE(ベースゲート)横浜関内」オフィス棟のメディア向け発表会・内覧会を開催した。事業は、2019年に横浜市が実施した公募に選ばれ建設を進めてきたもので、街の歴史と文化を継承し、エリアの再生と賑わいを創出するビッグプロジェクト。わが国を代表する建築家・村野藤吾が設計した行政棟の一部をリノベーションしてホテルとして保存するとともに、33階のタワー棟は360度の眺望を生かしたランドマークオフィスタワーとして開業する。
施設は、JR根岸線関内駅から徒歩1分、横浜市中区港町1丁目の旧横浜市役所跡地に位置する敷地面積約16,500㎡、延床面積約128,500㎡。用途は33階建て「タワー」はオフィス、大学、新産業創造拠点、「ザ・レガシー(横浜市庁舎行政棟)は星野リゾートが運営するホテル、大和地所が入居する「ザ ライブ」など。商業施設は55店舗。設計・施工は鹿島建設。設計・施工(デザイン)は竹中工務店。ランドスケープデザインはランドスケープ・プラス。竣工は2025年12月。開業は2026年3月19日。事業者は三井不動産、鹿島建設、京浜急行電鉄、第一生命保険、竹中工務店、ディ・エヌ・エー、東急、星野リゾート。
タワー棟は制震構造で、下層階に関東学院などのエデュテイメント施設、新産業創造拠点、ウェルネスセンターが入居し、11階にオフィスラウンジと横浜スタジアムが一望できるスカイラウンジ、約1,000㎡のシェアオフィス&コワーキング施設「CO-ba(コーバ)」が開設される。12~19階までは鹿島建設が所有(転貸)し、20~33階は第一生命のグループ会社などが入居する。オフィスフロアは1フロア2,000~2,300㎡、天井高2800ミリ、奥行き最大18mの無柱空間とし、個別空調システムを採用。BELS★・ZEB Oriented、CASBEE Sランクを取得済み。
説明会・内覧会で主催者の三井不動産関内プロジェクト推進準備室主査・渡邉宗大氏、鹿島建設開発事業本部事業部次長・林弘二氏、第一生命保険不動産部不動産企画課兼不動産開発課マネージャー・増山挙氏は、コロナに見舞われ、大阪万博などの影響による資材高・人材難を乗り越え、完成にこぎつけたことなどを感慨深げに説明した。

現地

低層部

18階からの西側眺望

植栽
◇ ◆ ◇
何もかもが単純で出鱈目の記者の自然と人間を見るモノサシは〝美しいか醜いか〟だけだ。月並みな言葉だが〝シンプル イズ ベスト〟-これしかない。自然界も人間界も結局はフラクタルな図形を描く。理にかなっている。
この日(16日)、1階エントランス、11階ラウンジに着いたとき、16年前の「加賀レジデンス」を思い出した。鹿島建設の設計・施工・自社分譲マンションだ。見出しに「これほど〝美しい〟マンション見たことない」と書いた。アクセスが殺到した。
鹿島建設の担当者に確認した。このオフィス棟は設計もデザインも施工も同社が担当した。添付した写真を観ていただきたい。無駄な装飾など一切ない。何の衒いもない。オフィス空間も、空の青、海の青にも染まる白が基調だ(牧水は心象を詠ったもので、白鳥には迷惑千万)。
もう一つ、タワー棟の特徴の一つは、フロア西側からは眼下に横浜スタジアムが見下ろせることだ記者がテナントオーナーだったら、「社長&観客席」としてフロアの一部を社員に開放する。DeNAはこのところずっとAクラスを確保している。生産性は上がっても下がることはないと思う。「デュオセーヌ東京ジャイアンツタウン」と同じだ。
ただ一つ、難点がある。画竜点睛を欠くと言ったら失礼か。11階のロビー・ラウンジの窓の外には観葉植物が配されているのだが、屋内の緑は全てフェイク。コスト削減のためだろうが、関係者の方々には野村不動産の「BLUU FRONT SHIBAURA」を見学していただきたい。商業施設もオフィスラウンジも本物の緑で溢れ返っている。
だが、しかし、数十人は蟻集していたはずの記者の方々で、このフェイクに眉を顰めるような人はほとんどいなかった。先日の「新秩父宮ラグビー場着工イベント」の記事でも、メディアには失礼なことを書いたが、やはり〝見る目がない〟〝見たままを書け〟と言わざるを得ない。

1階エントランス(左)と11階エレベーターホール

エレベーターサイン

11階のスカイラウンジからの眺望

11階のオフィスラウンジ(観葉植物はフェイク)

11階の2層オフィスラウンジ

オフィスフロア
〝聖地〟新秩父宮ラグビー場着工イベント何も伝えぬメディア(2026/2/14)
垂涎の的巨人2軍戦がタダで観戦可フージャースコーポ「東京ジャイアンツ」(2025me10me16lyo10/16)
「唯一無二」新たな街づくりの嚆矢へ野村不他「BLUE FRONT SHIBAURA」開業(2025/9/1)
定番だけどうまい「BLUE FRONT SHIBAURA」商業エリア圧倒的な緑も特徴(2025/8/31)
これほど〝美しい〟マンション見たことない鹿島建設「加賀レジデンス」(2007/5/18)
集合住宅の最高傑作の一つ 鹿島建設「加賀レジデンス」が完成(2008/9/16)
パッシブデザイン「ウィンドキャッチ窓」採用 三井不レジ戸建て「世田谷桜上水」

「ファインコート世田谷桜上水ブリーズシティ」
三井不動産レジデンシャルは2月13日、パッシブデザインの考えを取り入れた分譲戸建て「ファインコート世田谷桜上水ブリーズシティ」(21戸)の物件HPを公開したと発表した。YKK APと協業検討し、自然エネルギーを最大限に活用する「ウィンドキャッチ窓」を全棟LDK空間に実装する。全棟ZEH(ZEH17棟、NearlyZEH4棟)取得済み。
当該地域のアメダスデータによる風配図をもとに、分譲地周辺の建物状況も考慮の上、夏・冬、日中・夜間の風向きに対して最適な窓配置と窓の開き方まで細密にシミュレーションし設計したもの。基本性能として採用している太陽光発電・高効率給湯器・蓄電池・EV対応コンセントなど機械設備の力を積極的に活用する“アクティブデザイン”と融合させる。
物件は、京王電鉄京王線桜上水駅から徒歩13~14分、世田谷区上北沢一丁目の第一種低層住居専用地域に位置する全21棟。敷地面積は92.60~99.33㎡、建物面積は89.55~99.30㎡。構造・規模は木造・2階建て。竣工は2026年4月~6月。設計・施工は三井ホームエンジニアリング。
三井ホーム ゼロエネルギー目指す実験住宅「ミディアス」リニューアル(2014/7/8)
三井ホーム&三井不 大規模建築物に木造「現し」可能にした建基法に適合校舎完成

「桜の聖母学院小学校・中学校」
三井ホームと三井不動産は2月13日、延床面積が3,000㎡以上の大規模建築物でも耐火・防火性能を高めれば木造の構造部材を「現し」で表現できるようにした、令和4年の改正建築基準法に適合する先進的事例が竣工したと発表した。福島県福島市の桜の聖母学院小学校・中学校の増築校舎で、三井不動産がトータルコーディネートを行い、三井ホームが設計・施工を担当した。両社は、現しを多用することで、スギの木583本分に相当する木材使用・炭素固定に貢献し、親和性が高い教育施設の木造化・木質化の新たな可能性を示しているとしている。
施設は、福島県福島市花園町に位置する敷地面積約8,699㎡、増築延床面積約1,466㎡、学校法人コングレガシオン・ド・ノートルダムの「桜の聖母学院小学校・中学校」。2階建て・木造軸組工法(SE構法)、一部RC造(小学校と中学校の接続部分)。設計監理・施工は三井ホーム。工期は2025年5月~2026年2月。
耐震性・耐火性に優れた三井ホームのSE構法と燃えしろ設計を採用。柱や梁を現しとすることで、木の温かみを感じながら、児童・生徒・教職員が伸び伸びと安心して学び働ける環境づくりを目指した。2階の小学校と中学校を接続した両学生の交流スペースは、大開口・大空間を実現した。校舎の床材・壁材の一部、下足入れ、交流ホールベンチなどに地元・福島県産木材を約16m³使用している。木材使用量は371㎥、炭素貯蔵量は294t-CO2=スギの木(50年生)583本分。
令和4年の改正建築基準法では、延べ面積が3000㎡を超える大規模建築物を木造とする場合にも、構造部材である木材をそのまま見せる「現し」による設計を可能にし、また、木造による耐火設計ニーズの高い中層建築物についても、階数5以上9以下の建築物の最下層については90分耐火性能でも設計可能とするなど耐火性能基準を合理化した。

昇降口・下足入れ

SE 構法による強固な構造体(施工時写真)

交流ホール

火熱遮断壁(左)と木構造に接続された火熱遮断壁(施工時写真)
◇ ◆ ◇
ずっと「木造現し」を主張してきた木造ファンの記者もとてもうれしい。鉄もコンクリも石も美しいが、三井不動産がスローガンに掲げる〝経年優化〟は木に限る。小松さん、貴殿は〝現しの呪縛〟から解き放たれて自由気ままに動き回っているのだろうが、この校舎の設計には携わっていないのか。断っておくが、小生は外観・外貌だけを見ているのではない。自然(人間も自然)の美しさは内面からにじみ出るものだ。貴殿もこの校舎=三井ホームの権化そのものだと信じて疑わない。
伊達冠石の採石会社・大蔵山スタジオ山田政博著「山にいのちを返す」に学ぶ(2026/2/10)
東武不動産の木造ホテル「T-home 景」竣工施工の三井ホーム(2026/1/27)
コスモスイニシア シェアオフィス「本郷三丁目」驚異の75%稼動 関電工本社跡地ビル

「MID POINT本郷三丁目」共用ラウンジ
コスモスイニシアは2月13日、シリーズ13拠点目となるシェアオフィス「MID POINT本郷三丁目」のメディア向け先行内覧会を開催した。関電工本社跡地に完成した竹中工務店施工の「Gate Cross HONGO」内に開業するもので、立地のよさと訴求力のあるコンセプトなどが評価され、全67室(ブースを含む)のうち約75%に申し込みが入っている。
物件は、都営大江戸線本郷三丁目駅から徒歩4分、東京メトロ丸ノ内線本郷三丁目駅から徒歩6分、文京区湯島四丁目の「Gate Cross HONGO」3階のフロア面積約454㎡。構成はコワーキング20席、1名ブース3室、1名個室46室、2名個室6室、3~7名個室12室。賃料はコワーキング利用のみは約2万円、個室利用は49,500~231,000円(税込/保証料込)。設備・アメニティは24時間365日利用可、有人管理、共用ラウンジ(約90㎡)、テラス(約120~130㎡)、登記可能、ミーティングルーム、プリンター(無料)、プロジェクター、ミニコンビニ、冷蔵庫、電子レンジなど。入居開始は2月16日。3階のテラスおよび会議室は他フロアのビル入居者も利用できる(利用時間の制限あり)。
東大本郷キャンパスに近いことや周辺には個室付きの施設が少ないことなどから、通常は入居開始から半年~1年間で満室となるこの種の施設では記録的な反響を呼んでおり、申し込みは75%に達している。複数利用可の個室は90%が契約済み。現役の東大生からの問い合わせもあるという。
「MID POINT」は、2017年にオープンした第一弾「目黒不動前」を皮切りにこれまで都内と神奈川で12拠点を展開。今回の「本郷三丁目」は13拠点目。今年度は「浦和」「駒込」を加え15拠点に増やす。「心地よく、ちょうど良い。」価値を提供するのがコンセプトで、立地・プラットホーム・価格。開放的なラウンジと集中しやすい個室を備えている。「MID」には中間点、中継点、中央という意味が込められている。人とのつながりをサポートするコミュニティマネージャーによる有人管理も特徴の一つで、各種イベントを通じてコミュニティの醸成を図っている。
これまでの施設利用者の属性は、年齢は30~50代まで幅広く、男女比は約7:3、業種はIT関連が27%、士業が18%、コンサルが17%、不動産が8%。

6名利用個室タイプ

テラス

テラス
◇ ◆ ◇
「MID POINT」の見学は今回が7施設目で、前日の酒もすっかり抜けていたこともあるのだが、同社ソリューション本部賃貸事業部コンテンツ運営部「MID POINT」推進課課長・大野将隆氏(もう一人の方もそうだった)の説明が抜群だった。プレゼンの見本だ。
何が素晴らしかったかといえば「3」だ。3階テラスも申し分ないのだが、大野氏が強調したコンセプトは3点であり、特徴も3点、入居者属性も3点に絞った。これ以上しゃべったらまず理解されない。カップラーメンだって3分だ。
北側に面した3階テラスの床の多くは木調ウッドデッキだったが、一部分にブリックタイルを採用し、本物の観葉植物がふんだんに植えられていた。さすが関電工、竹中だ。眺望も確保されており、眼下には春日局が祀られているという麟祥院の境内が見下ろせた。
一つ、注文がある。この種の施設に限ったことではないが、喫煙ブースを設けるべきだ。成人男性の20数%は喫煙者だ(女性は数%)。記者は選挙に興味はないが、20数%といえば、自民党と全野党の支持率と同じだ。記者はタバコが吸えるDOOTORと日高屋しか利用しない。

「Gate Cross HONGO」
デザインがいい料金もリーズナブルコスモスイニシアのシェアオフィス「豊洲」(2025/10/25)
〝めっちゃいい〟デザインコスモスイニシアレンタルオフィス「MID POINT川崎」(2021/11/11)
レベル高い天井高は3.5mコスモスイニシアレンタルオフィス第三弾「武蔵小杉」(2020/7/21)
住宅立地に特化コスモスイニシアレンタルオフィス第一弾「目黒不動前」オープン(2018/11/17)
〝ALL IN ONE〟すべてが揃う 自然林も近接 新日本建物「多摩永山」販売好調

「エクセレントシティ多摩永山」
新日本建設が分譲中の「エクセレントシティ多摩永山」を見学した。駅から徒歩4分の高台立地で、〝ALL IN ONE〟を謳うように、駅前の商業施設にはあらゆる生活利便施設が揃っており、物件のすぐ近くには自然林に近い里山がある。しかも、製販一貫システムだからこそ可能な単価(価格)の安さもある。多様なニーズに応えられるマンションだ。
物件は、京王線・小田急線永山駅から徒歩4分、多摩市永山2丁目の近隣商業地域(建ぺい率57.80%、容積率267.11%)に位置する10階建て全159戸。2月5日から販売を開始した第1期2次(50戸)の専有面積は44.22~83.95㎡、価格は3,998万〜9,998万円(最多価格帯5,800万円台、6,400万円台、6,900万円台、7,300万円台、8,300万円台)、坪単価は330万円。竣工予定は2027年2月下旬。設計・監理・施工・販売は新日本建設。
エントリー開始は4か月前からで、これまでの反響数は約1,200件。モデルルームオープンは昨年11月からで、同時に販売開始。これまで全住戸の約3分の1を成約している。
現地は、損保会社の研修所跡地。敷地北側は、自然林に近い永山駅前緑地(さえずりの森)。建物は4棟構成で南東向きと南向きが中心。住戸プランは40㎡台の2LDKから80㎡台の4LDKまで55タイプ。
主な基本性能・設備仕様は、ZEH-M Oriented、二重床・二重天井、リビング天井高2400ミリ、ディスポーザー、食洗機、床暖房、ミストサウナ、フルオートタンクレストイレ、洗面タッチレス水栓など。

モデルルーム
◇ ◆ ◇
この記事を読まれる全ての方に、先日書いたセミナー記事「なぜ世界の都市は『木の量』を競い始めたのか 〜樹冠被覆率が示す都市の本当の実力〜」を読んでいただきたい。
セミナーでは、講演したSMiLE・増田義彦氏は、樹冠被覆率は景観だけでなく、健康・経済にとっても大きな効果を発揮するかを強調した。
紹介した物件の現地図を見ていただきたい。緑で溢れ返っている。これほど周辺に緑が揃っているマンションはまずない。
記者が多摩センターのマンションを選んだのは、何よりも歩車分離の安全な街づくりと、緑が豊富な子育て環境が優れていたからだ。駅前にはホテルもデパートも文化施設も揃っていた。都心までの約1時間の通勤時間は犠牲にした(今はホテルもデパートもなくなったが)。
永山はどうかというと、ホテルもデパートもないが、〝ALL IN ONE〟は嘘ではない。あらゆる公共施設、生活利便施設が揃っている(均質な街というなかれ)。多摩センターにあって永山にないものを探そうとしたが、見つからなかった。逆に永山にあって多摩センターにないものは、生物多様性の宝庫である自然林に近い里山が駅前にあることだ。
違いは景観だと思う。多摩センターには、駅とパルテノン多摩を直線でつなぐ幅員40m、全長約330mの歩道空間パルテノン大通りがあり、道路の左右には樹齢70年くらいのクスノキの巨木数十本が植わっている。この通りにあった京王プラザホテルは複合マンションが計画されている。着工は伸びているが、記者は坪単価は450万円以上と予想している。景観美はどこの街にも負けないからだ。
価格について。どこを起点にするかだが、ターミナル駅から40分くらいで坪330万円の住環境に恵まれた物件はまずない。いま人気の「昭島」くらいか。ここも住環境が素晴らしい。樹齢100年超のイチョウ並木がある。立飛企業(現立飛ホールディングス)が整備したからだ。
他はどうか。「川越」「大宮」「柏の葉」などは坪400万円をはるかに超えている。横浜から40分といえば、平塚あたりか。坪350万円なら売れるかもしれない。
デベロッパーは、物件の広告宣伝で交通利便性や資産性を強調するのも結構だが、景観美(住環境)や樹冠被覆率、緑被率(東京都はみどり率)も加えていただきたい。

現地案内図

現地

永山駅前緑地(さえずりの森)

駅前の商業施設と現地をつなぐデッキ
「樹冠被覆率」の導入に大賛成 SMiLE・増田氏とロッシェル・カップ氏がセミナー(2026/2/10)
坪270万円第1期1次100戸即完スタート新日本建設など5社JV「ザタワー」(2022/4/1)
駅近・大規模・日照&眺望・緑環境…申し分ない 関電不動産開発「高井戸」

「シエリア杉並高井戸」(走っている電車は渋谷行き)
関電不動産開発が分譲中の「シエリア杉並高井戸」(110戸)を見学した。京王井の頭線高井戸駅から徒歩3分の大規模で、線路に隣接していることから日照・眺望が担保されており、周辺には広大な栗林など緑環境に恵まれているのが特徴。坪単価597万円も割安だ。
物件は、京王井の頭線高井戸駅から徒歩3分、杉並区高井戸西二丁目の第1種中高層住居専用地域に位置する8階建て全110戸。専有面積は54.91~105.97㎡。現在先着順で販売中(14戸)の住戸の専有面積は54.91~74.86㎡、価格は9,498万~13,598万円(最多価格帯9,900万円台)。坪単価は597万円。竣工予定は2026年2月下旬。設計・監理・施工は長谷工コーポレーション。
2024年10月からエントリーを開始し、これまでの反響数は2,642件。モデルルームオープンは2025年3月で、これまでの来場者数は418件。来場者は地元杉並区(約50%)をはじめ、世田谷区など広域にわたっており、共働きのファミリー層が中心。販売開始は2025年5月で、これまでに48戸を成約。
現地は、大手製粉会社の社宅跡地。長谷工コーポから取得した。道路を挟んだ敷地南側は京王線の線路(比高差は1層くらいか)。敷地は東西軸が長い長方形に近く、住戸はほとんど南向き。北側は自走式駐車場(35台収容)。敷地北側は約1.5haの栗林が広がり、周辺は中層マンションや戸建て住宅街。小学校にも近接。
主な基本性能・設備仕様は、ZEH-M Oriented、オール電化(同社はガスは採用しない)、二重床・二重天井、リビング天井高2450ミリ(販売済みの最上階は3000mm)、ディスポーザー、食洗機、御影石キッチン天板、タオル掛け2か所など。
同社販売担当者によると、周辺のマンション価格は軒並み坪単価600~700万円になっているマーケット、広めを志向する検討者に好評という。建物は竣工しているが、売り急ぎなどせず、じっくり販売していくという。

建物北側

完成予想図

モデルルーム
◇ ◆ ◇
昨年1月、同社の「シエリアタワー南麻布」を見学したとき、「シエリア杉並高井戸」(110戸)を分譲すると聞き、これは絶対見学すべきだと思った。高井戸駅圏の一等地で、線路に隣接しているからこそ日照・眺望が担保されているからだ。
坪単価は600万円を突破しているだろうと思ったが、若干下回っている。これほどの単価で供給できるのは、用地取得時期が3年前だったからだろう(当時の京王井の頭線・本線の相場は坪400万円台だった)。
これまで、井の頭線のマンションはかなり見学取材している。最高峰は三井不動産レジデンシャル「パークシティ浜田山」(開発面積8.4ha)だが、駅に近く大規模な物件は少なく、「浜田山タウンハウス」「ファミールグラン高井戸デュープレックス」(340戸)「プラウド駒場」(223戸)くらいしか思い浮かばない。

現地北側(左後方は栗林)
首都圏初「実質CO2ゼロ」タワーマンション 設計・施工は竹中 関電不開発「南麻布」(2025/1/28)
感動的なマンション 三井不動産レジデンシャル「浜田山」(2007/11/8)
〝聖地〟新秩父宮ラグビー場着工イベント 何も伝えぬメディア

外観パース

左から植田氏、押味氏、中島氏、小澤氏(明治神宮外苑 室内球技場で)

植樹セレモニー(前列左から伊藤忠商事代表取締役社長CEO・石井敬太氏、日本スポーツ振興センター理事長・芦立訓氏、明治神宮外苑苑長・石井拓蔵氏、植田氏、後列左から青山高校ラグビー部代表、東芝ブレイブルーパス東京・三上正貴氏、田中氏、中島氏、鹿島建設取締役副社長執行役員・石川洋氏、小澤氏
鹿島建設を代表企業として三井不動産、東京建物、東京ドームの4社が出資企業として設立した秩父宮ラグビー場は2月12日、「新秩父宮ラグビー場(仮称)整備・運営等事業」着工記者説明会と「令和の献木プログラム」植樹セレモニーを行った。三部構成で、第一部では鹿島建設代表取締役会長兼社長・押味至一氏、三井不動産代表取締役社長・植田俊氏、東京建物代表取締役社長執行役員・小澤克人氏、三井住友フィナンシャルグループ取締役執行役社長グループCEO・中島達氏らトップがそれぞれ挨拶し、第二部では元ラグビー日本代表・田中史朗氏らがトークセッションを行い。第三部では青山高校ラグビー部代表も加わってユズリハの植樹セレモニーを建設地で行った。約70人のメディアが集まった。
施設は、東京都新宿区霞ヶ丘町に位置。敷地面積は約34,437㎡(第Ⅱ期整備後は約43,476㎡)、延床面積は約72,957㎡。高さ46.25m(地上8階・地下1階)。設計は鹿島建設・松田平田設計設計共同企業体、設計協力は内藤廣建築設計事務所、POPULOUS。施工は鹿島建設。収容人数はラグビー利用時約1.5 万人、イベント開催時最大約2.5万人の、わが国初の屋内全天候型多目的ラグビー場。
「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」(PFI法)に基づき行われ、事業者は施設等の設計、建設を行った後、独立行政法人日本スポーツ振興センターに施設などの所有権を移転すると同時に施設の公共施設等運営権を取得し、30年間の運営・維持管理を行う。トップパートナーには三井住友フィナンシャルグループ(SMBC)が選ばれた。開業は2030年。
記者説明会の冒頭にあいさつした三井不・植田氏は「当社は2024年に策定した長期経営方針『&INNOVASION 2030』で事業戦略の一つとしてスポーツ・エンターテイメントの力を活用したリアルの体験価値を最大化する街づくりを進めている。神宮外苑再開発に当たっては、既存の樹木1,904本を完成後は2,304本へ、緑の割合は約25%から約30%に増やす。象徴である4列のイチョウ並木の保全には万全を期す。今回のプロジェクトは、老朽化したラグビーの〝聖地〟である秩父宮ラグビーの想いを継承する。次の100年に向かって大切なバトンを渡す第一歩」と語った。
続いて登壇した鹿島・押味氏は「この事業の設計、施工から運営・維持管理に携われることになったのは光栄の至り。ユニバーサルデザインや環境への配慮など、最高の愛と感動をお届けするため、総力を結集して取り組む」と決意を語った。
東京建物・小澤氏は「当社は中期経営計画でスポーツ・エンターテイメントを重点戦略の一つに掲げている。ラグビー場に隣接する都立公園初の当社が関わっているPark-PFIを活用した『都立明治公園は』年間300万人の来場者がある。これらともしっかり連携を図っていく」と述べた。
SMBC・中島氏は「当社グループは2023年、個人向け総合金融サービス『Olive』の提供を開始している。今回、トップパートナーに選ばれたのは大変光栄。またとない機会。ラグビー憲章が掲げる『品位・情熱・結束・規律・尊重』の5つのコリアバリューは仕事にも通じる。私自身もラグビー選手としてプレーしたことがあり、高い高揚感を覚えたのが記憶に残っている。2014年からは様々なラグビー大会を支援もしてきた」と喜びを語った。
第二部のトークショーでは、2015年のワールドカップで日本チームが南アフリカを倒し〝ジャイアント・キリング〟と呼ばれたこと(記者も鮮明に覚えている)、身長が166cmしかない田中氏が〝神風〟のお陰でトライし、三上氏が属する東芝チームを破り日本一になったこと、人工芝はすべらないのでスピードが出ること、反則が少なくなること、雷などで中断しないこと、充実した風呂に入れることなどが話しあわれた。人工芝はやけどや身体への負担が大きいのではと思っているが、そんな話は全然出なかった。41歳の田中氏は「わくわくする。私もプレーしたい」(確かにそう話した)と現役復帰を匂わせた(プロ野球の山本昌投手は50歳まで現役、サッカーの三浦知良選手は60歳近いではないか)。
◇ ◆ ◇
この日(12日)の記者説明会に参加したメディアは約70人(主催者公表)。凄い数だと思った。〝日々妄想〟は三井不・植田氏の十八番だが、冬季オリンピックの応援と、酒なしでは生きられない記者は〝日々朦朧〟の状態で取材に臨んだ。耳が遠くなったので細大漏らさず記録しようとボイスレコーダーを用意したのだが、電池切れか作動せず、仕方がないので必死でメモした。みんな早口でしゃべるので聞き取れなかった(上段の記事は正確ではないかもしれない)。
質疑応答では10人くらいの方が手を挙げた。最初に指名されたのは、いつもの会見で真っ先に質問し、指名される、いわば〝指定席〟になっている不動産経済研究所の記者の方で、次は日経新聞、その次はフジテレビ、4番目は日経アーキテクチュア。小生も質問することにしていたが、時間切れで指名されることはなかった。聞きたかったのは次の通り。かなり本質を突いているはずだ。
神宮外苑の再開発を可能にしたのは、東京都が平成25年12月に創設した「公園まちづくり制度」で、必須要件である「都市計画決定から概ね50年以上経過し、未供用区域面積が2.0ha以上ある区域」に秩父宮ラグビー場が該当したからだ。同ラグビー場は昭和22年に完成したが、都市計画公園施設からずっと「未供用」となっていた。
ラグビーの「聖地」がどうして完成してからずっと「未供用」とされてきたのか。その創建の歴史からして、一般に開放しないというのは分からないではないが、謎のままだ。再開発反対の論客・石川幹子氏(東京大学名誉教授)が「専門家でもよく分からない迷路のような開発手法」と皮肉ったように、学者先生も分かっていない人がかなりいる。小生は、この謎について各社の代表から率直な感想を聞きたかった。
「未供用」は神宮外苑以外にもかなり存在するはずだ。是非はともかく、今後あちこちでこの制度を活用した再開発案件が浮上すると思う。(記者はRark-PFIは賛成)
◇ ◆ ◇
イベントが行われた翌日(13日)、メディアは何を報じるか興味があったので、全国紙5紙(誰がいつからそう呼ぶのか)と東京新聞をチェックした。毎日新聞と産経新聞、東京新聞は1行も報じていなかった。
大きなスペースを割いたのは日経新聞。7段囲み記事で、SMBCがネーミングライツ(命名権)を含むトップパートナー契約を結び、秩父宮ラグビー場の副名称を「SMBCオリーブスクエア」にすることを報じていた。さすがだ。小生はSMBC・中島氏が喜びを語ったとき、命名権はいくらだろうと思った。同紙の報道によると10年間で総額100億円(年間10億円)だそうで、隣接する国立競技場の命名権を取得したMUEGの年間20億円と比較して随分高いような気もする。記者はラグビーはよくわからないのだが、プロ野球の「エスコンフィールド北海道」は年間5億円だそうで、これは球団もエスコンも大成功。わが西武ライオンズの「ベルーナドーム」はさっぱり分からない。
まあ、いずれにしろ、この日経の記事はいろいろ考えさせてくれる。朝日新聞と読売新聞は2段見出し扱いで、朝日は「再開発をめぐっては、樹木の伐採を伴うことに周辺住民らから批判の声があがり…」としてはいるが、双方ともほとんど中身はなし。
事業者3社と伊藤忠商事、SMBCを合わせた5社の直近の売上高合計は約23.7兆円(SMBCは粗利益、神宮外苑の資産も桁違いのはず)だ。この企業のトップが勢揃いしていたのに、オールド・メディアは何も伝えない(囲み取材を受けなかった主催者もどうかと思う)。若い人を中心に新聞を読まなくなったのは当然だ。批判的精神をなくしたメディアに明日はない。〝メディアは死んだ〟といったら失礼か。
言いたくはないが、あえて書く。フジテレビの女性記者の方へ。貴女は、三井不・植田氏に「環境デベロッパーとして…」と質問した。三井不に質問するなら、同社が標榜している〝産業デベロッパー〟を口にすべきだった。「環境」はこのところ積極的にCMなどで「環境全力TOKYU」を謳っている東急不動産HDだ。仕方ない。貴女が〝楽しくなければテレビじゃない〟から脱皮を図ろうとしている同社の先頭に立って活躍されることに期待しよう(以前の産経新聞は不動産担当の専属記者がいた)。
第一部が終わり、第二部が終わり、メディア参加者は半減した。まあ、これまた仕方ない。興味の対象が異なる。小生は、第三部の植樹セレモニーに誰が参加するか、ユズリハは何歳か、青山高校のラグビー部の生徒と会話を交わすことを楽しみにしていた。参加した各社の幹部はみんなスーツ姿(この日はそんなに寒くはなかった)、ユズリハは人間にしたら3~4歳、あと100年は生きられる。ラグビー部員は15人とか。太ももは小生の2倍はあった。素晴らしい!

ラグビー利用時

ラグビータワー

フィールドバー

VIPラウンジ

北側外観

左から田中氏、青山高校ラグビー部代表、三上氏
「誰でもできるラグビー」元日本代表・田中さん三井不第28回 SPORTS ACADEMY(2025/6/28)
「市民と考える、不動産開発と都市の公園緑地の保全」シンポ日本不動産学会(2026/2/2)
〝喬木は風に折らる〟誤解解く取り組みの見える化急げ「神宮外苑地区まちづくり」(2023/10/17)
秩父宮ラグビー場が「未供用」の謎「広場」は都市公園ではない神宮外苑再開発(2023/8/9)
1月の中古マンション・戸建て 成約件数増加し、価格も上昇 東日本レインズ
首都圏中古マンション成約状況

東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は2月10日、首都圏の1月の不動産流通市場動向をまとめ発表。中古マンションの成約件数は3,343件(前年同月比3.1%増)となり、24年11月から15か月連続で増加、成約坪単価は2870.0万円(同6.3%増)となり20年5月から69か月連続で上昇、成約価格は5,493万円(同6.7%増)となり24年11月から15か月連続で上昇、専有面積は63.15㎡(同0.5%増)となった。在庫件数は前年同月比1.5%減となり、6か月連続で減少した。
中古戸建の成約件数は1,496件(同17.0%増)となり、24年11月から15か月連続で増加、成約価格は4,056万円(同7.1%増)となり、2か月ぶりに上昇、土地面積は151.67㎡(同4.8%増)となり、5か月連続で拡大、建物面積は103.71㎡(同0.4%増)となり、ほぼ横ばいながら6か月ぶりに拡大、在庫件数は前年同月比0.4%増となり、22年9月から41か月連続で増加した。
首都圏中古戸建て成約状況

1月の建築物価指数 集合住宅、事務所、工場、木造住宅とも前月比0.3~0.4%上昇
建設物価調査会は2月10日、2026年1月の建設物価建築費指数(東京2015年平均=100)をまとめ発表。工事原価は、集合住宅(鉄筋コンクリート造)は142.9と前月比0.4%上昇(前年同月比5.8%増)、事務所(鉄骨造)は140.5と前月比0.3%上昇(同3.3%増)、工場(鉄骨造)は139.0と前月比0.4%上昇(同3.3%増)、住宅(木造)は149.0と前月比0.4%上昇(同6.1%増)となった。
三菱地所レジ新社長に明嵐氏 宮島社長は地所代表執行役 サイモン社長に太田氏
三菱地所は2月10日、組織改正、代表執行役の異動、人事異動などを発表。組織改正では、4月1日付で新事業創出機能グループの「DX推進部」を「DX推進一部」と「DX推進二部」へ再編し、「データセンター事業室」を新設する。コマーシャル不動産事業グループには「都市開発一部」と「都市開発二部」を新設する。
代表執行役の異動では、4月1日付でグループ執行役員三菱地所レジデンス代表取締役社長執行役員・宮島正治氏が代表執行役執行役専務に就任し、グループ執行役員三菱地所レジデンス取締役専務執行役員・明嵐二朗氏がグループ執行役員三菱地所レジデンス代表取締役社長執行役員に就任する。また、執行役員経営企画部長・太田清氏がグループ執行役員三菱地所・サイモン代表取締役社長に就任する。
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個人的には、話がとても面白い宮島氏が今後メディアの前に顔を出すのか気がかりだが、明嵐氏が三菱地所レジデンスの社長に、太田氏が三菱地所・サイモンにそれぞれ就任されるのはとても嬉しい。両氏ともRBA野球大会に出場していた選手だったからだ。同社チームは、平成6年と7年に日曜ブロックで優勝しているように、その前後の10年間くらいは黄金期だった。明嵐氏と太田氏はその当時の主力メンバーだった。
その後、明嵐氏とは同社の歴史的な物件「パークハウス吉祥寺OIKOS(オイコス)」や、隈研吾氏が設計を担当したシドニーの分譲マンション「Mastery(マステリー)」プロジェクト発表会などでお会いしている。太田氏とは第37回大会予選抽選会でお会いし、しばし歓談した。
同社グループの役員クラスには、明嵐氏と太田氏以外にもRBA野球大会に出場していた選手がいる。平井幹人氏は三菱地所取締役だし、丸の内業務企画部ユニットリーダーから丸の内開発部長に就任する谷沢直紀氏もそうだ。(三井不動産の役員クラスにもRBA経験者のシニアチームが組めるくらいいる)
3.2haの10年プロジェクト 「常盤橋街区再開発」の第一弾着工 三菱地所(2017/4/17)
「葉山に住みたい」「湯沢買った」「誰も本音はかない」三菱地所レジ宮島社長(2025/12/5)
抽選会コメント集〝野球はプロより甲子園か草野球〟野村不ソリュ大谷口Mgr(2025/9/23)
三井、三菱、東建など RBA関係者が続々昇格 三井リアルは執行役員27人のうち7人(2021/3/2)
隈研吾氏+高田浩一氏「夢の匠の共演・結集」豪州社と地所レジ (2019/3/11).
これぞ記者冥利 11件の取材のうち4件がRBA関係者(2014/6/9)
マンションの概念を変えた歴史的な物件 三菱地所「パークハウス吉祥寺オイコス」(2010/11/12)
三菱地所大勝 飛ぶバットのお陰だけではない 三井不動産販売 大敗も無失策(2006/7/9)

