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FOREA(フォレア)」現地 

 三信住建は226日、同社の創立20周年を記念したフラグシップマンション「FOREA(フォレア)」を4月中旬に分譲開始すると発表した。

京王相模原線・小田急多摩線多摩センター駅から徒歩5分、多摩市落合1丁目の商業地域に位置する13階建て延床面積約8,593㎡の全99戸、専有面積は35.79109.42㎡、価格は未定。竣工は20272月中旬

最上階には100平方メートル超、天井高約4.8mのプレミアムプランを、地下1階~地上2階にはメゾネットプランを用意。2層吹き抜けのLDKやロフト付など、様々なライフスタイルに対応した全20プランを備える。

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現地(東側から写す)

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 現地は「フォレア多摩美術大学美術館」跡地で、多摩センター駅圏の一等地。敷地南側には13階建てサンウッド「ガーデンコート多摩センター」(93戸)、西側はベネッセの超高層ビルが建っており、眺望・日影の影響を受けるのが難点だが、東側はサンリオピューロランドの低層棟で開けている。坪単価は300万円をどこまで超えるか。

 もう一つ、同駅圏には駅から徒歩2分の敷地面積約5,500㎡、容積率700%の商業地域に位置する「京王多摩センタービル(旧京王プラザホテル多摩)」の建替えが今春に着工される予定だ。こちらの坪単価は400万円とみたがどうだろう。

みどりの価値再認識すべき 三菱地所レジなど6社JV「多摩センター」は坪252万円(2023/3/21)

眼の前に多摩中央公園 立地に恵まれたサンウッド「ガーデンコート多摩センター」(2016/1/8

三信住建 「妙蓮寺」で坪単価294万円 それでも売れる東横線(2015/11/2

 

 

 

Screenshot 2025-02-28 at 10-40-53 インドのIT産業中核都市ベンガルール大規模分譲住宅開発事業 「Birla Evara」に参画 三菱地所.png

 三菱地所は2月26日、インド有数の企業グループAditya Birla Group傘下の不動産会社Birla Estates Private Limitedが進めるベンガルールでの大規模分譲住宅事業「Birla Evara(ビルラ イヴァーラ)」に参画したと発表した。

 T産業を中心に発展しているベンガルールの市街地南西部の敷地面積約104,000㎡に合計13棟、戸数1,500超(延床面積約36.4ha)の分譲住宅を供給する。同社の事業比率は51%。竣工は2031年の予定。ベンガルールでの分譲住宅開発は日系企業として初の試み。

 同社のインドでの開発事業は、チェンナイのオフィス開発(貸床面積約24ha)、デリー近郊の物流施設投資(同約18ha)に次ぐ3案件目。インドで初の分譲住宅事業への参画となる。

Screenshot 2025-02-27 at 18-21-40 メール - 第三企画㈱ 牧田司 - Outlook.png

 三井不動産は2月27日、俳優の広瀬すずさんが主人公を務めるTVCM「三井のすずちゃん」シリーズ「経年優化」篇(30秒)を、同日から放映開始したと発表した。

 同作品は、“三井のすずちゃん”こと広瀬すずさんが、同社の街づくりや施設、不動産業を超えた新しい取り組みを紹介していくシリーズCM。今回の「三井のすずちゃん」シリーズは、同社グループが目指す街づくりの理念である「経年優化」がテーマ。広瀬さんが真剣な眼差しで友人たちとかるたイベントに臨むシーンから始まり、「経年優化」のカルタの札が読まれた瞬間に反応し、「はい!」と声を上げて勢いよく札を飛ばし、勝ち取った札に書かれた一句を流暢に読み上げ、日本橋の街を歩きながら「『経年優化』の街づくり」について無邪気に語るというもの。TVCM内で表示される文字は広瀬さんの直筆となっているという。

 広瀬さんは、同社のリリースの「時を経るごとに魅力が増していく『経年優化』というワードが今回のCMテーマになります。長年、俳優として活躍している広瀬さんですが、「大人になったな」「成長したな」と感じたような出来事はありますか? 」との問いに「10 代や20代前半の時よりも、心のゆとりは自分でも自覚があるほどできたと感じています。焦らなくていい時間が増えて、マイペースに自分がやりたいことも1つずつ明確に年々なってきていて。ゆとりができてのんびりできていることに対して大人になったなと感じます。年齢を重ねて経験も増えて、自分の価値観や感性がちょっとずつ変化した上で、こうなったんだと思うと、大人になったのかもしれないなと思います。明確にやりたいことや、『こういうシーンにしたいな』『こういうお芝居をしたいな』という欲が出てきたことが、個人的には嬉しくて。だからこそ1つ1つに集中できますし、好奇心も生まれて楽しいです」とコメントしている。

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 記者はテレビをあまり見ないのだが、〝三井のすずちゃん〟も〝あなたはいつだって、今がいちばん好き〟〝三菱地所と、次に行こう〟〝環境先進マンション〟〝森と人は、良き隣人になろう〟などは目と耳に飛び込んでくる。最近は阪急阪神不動産、関電不動産開発が積極的にCMを流しているその意図はよくわかる。

 なぜ、この新CMについて触れるか。今回のCMで広瀬さんが読み上げる「時を経るごとに魅力が増していく」は秀作ではないような気がするが(記者はまだそのCMを見ていない)、「経年優化」はずいぶん前から同社が記者会見で代表者が口にし、リリースなどでも記載している言葉だ。一方でまた、同社ほどではないが、積水ハウスは「経年美化」を前面に掲げている。どちらが先にこの言葉を発信したかを確認するためだ。どっちでもいいと思う人はいるかもしれないが、記者は極めて大事なことだと思う。「経年優化」も「経年美化」も素晴らしいが、先に言ったほうが勝ちだ。だれかが先につくった道をついていくのは簡単だ。先に発信したほうを絶賛したい。

 「経年」は昔から使われていた言葉で、「年数を経ること」(広辞苑第6版)という意味だ。しかし、意味は何となく分かるが、「優化」は完全な造語だ。広辞苑にもない。また、「美化」は「美しく変化させる」(同)「実物以上に美しく表現すること」(同)とあるように言葉としてはあるが、「経年」と「美化」を結びつけた言葉はない。

 この「経年」「美化」で連想される言葉に「経年劣化」がある。これは一般名詞として使われているが、いったいこれらの言葉はいつからどこが最初に使ったかをChat GPTに聞いてみたら、「『経年劣化』は、古くから使われている言葉で、工業や建築、材料科学の分野で一般的に使われてきました。特に1960年代以降、耐久性試験や品質管理の分野でよく見られるようになりました」「『経年優化』は比較的新しい造語で、…初出の正確な時期は不明ですが、2000年代以降に一般的に使われるようになったと考えられます」「『経年美化』も比較的新しい表現で…この言葉も2000年代以降に普及した可能性が高いです」と答えた。

 ChatGPTも初出はわからないようだ。記者も分からない。なので、今回の三井不の新CM制作を担当している代理店と、積水ハウス広報に〝どちらが先かを〟聞いているのだが、問い合わせてから4時間が経過しても双方からの返事はない。(一生懸命確認しているのが、どうでもいいこととしてほったらかしにしているのかわからないが、どちらが先に返事がくるか)

 みなさんはいかがか。どっちが先にこの言葉を発信したか、答えられる人はいないのではないか。

吉永小百合さん「あなたはいつだって、今がいちばん好き」に胸キュン(2024/7/29)

 


 

 

Screenshot 2025-02-27 at 13-58-44 【大成有楽不動産】「テラスカレッジ文京護国寺」内覧会のご案内.pdf.jpg
「テラスカレッジ文京護国寺」

 大成有楽不動産は2月26日、同社3物件目となる学生向け賃貸マンション「テラスカレッジ文京護国寺」が竣工したのに伴う関係者向け内覧会を開催した。駅から徒歩6分の低中層の住宅街の一角に位置し、周辺には日本女子大、お茶の水女子大などの大学が集まっている好立地が評価されたのか、全137室の99%に申し込みが入っている。

 物件は、東京メトロ有楽町線護国寺駅から徒歩6分、文京区目白台2丁目に位置する敷地面積約1,644㎡、5階建て延床面積約3,288㎡の全137室。賃貸面積は16.86~24.73㎡、賃料は7.55万~9.25万円、食費は29,700円/月、管理費22.2万円(月払い可、1.9万/月)。稼働率は申し込みベースで約99%。女性専用が1フロア。

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「テラスカレッジ文京護国寺」現地

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ラウンジ

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 護国寺駅周辺にはカフェや飲食店が少ないのは課題だが、現地は閑静な低中層の住宅街の一角で、分譲マンションなら坪800万円、戸建てなら2~3億円はするはずだ。日本女子大は徒歩圏のはずで、稼働率が99%というのも納得できる(親の負担を考えると複雑だが)。

 ただ、居室内にはバスユニットが全て揃っているのは立派だと思ったが、調理器具はなかったのはどうかと思う。記者は北向き3畳間に間借りしたことがあるが、今の学生さんのニーズは何なのか。居室で米を炊き、料理することはないのか(記者は玄米にはまり、圧力鍋で米を炊き、骨まで食べられる魚料理をたくさんつくった。女性を泊めても大家は〝この前の女性と違いましたね〟などと嫌味を言うだけで黙認した。もちろん酒もたばこも可だった)。

 それともう一つ。洗濯機置き場、ユニットバスは必要か。洗濯はコインランドリーで十分だ。風呂嫌いの記者は今はシャワーしか使わない(風呂掃除をかみさんに任すのは気の毒)。シャワー室だけにすれば賃貸面積を削れるし、その分、洗面スペースや本棚などの収納に使えるではないか。光熱費、水道代の節約にもなる。

 食費は安いと思う。1日2食として1日1,000円。酒は飲めるのか、聞き忘れた。

一人暮らし環境を劇的に変える野村不「コリビング賃貸」第一弾「品川中延」(2025/2/19)

RCと木造の住み心地比較を東急不&三井ホーム混構造学生マンション「生田」(2024/3/24)

関西初の木造マンション「MOCXION(モクシオン)」完成三井ホーム(2023/2/16)

レンタブル比67%わが国初の社会人・学生・賃貸の複合長谷工「コムレジ赤羽」(2022/3/2)

東急不学生マンション第二弾「赤羽志茂」完成利回り8%超か年間1000戸へ(2019/2/28)

伊藤忠都市学生マンション第1弾「武蔵小杉」好調スタート〝至れり尽くせり〟(2017/3/21)


 

 

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「&mog Food Lab」

 三井不動産は2月26日、日本橋を中心に取り組む食のイノベーション創出プロジェクト「&mog by Mitsui Fudosan」の一環として、食の研究開発拠点「&mog Food Lab」を開設したと発表。同日、プレス内覧会を行った。

 同社は、2019年に発表した「日本橋再生計画 第3ステージ」で「食」を「新たな産業の創造」の戦略カテゴリーとしており、昨年3月に食の事業開発を支援するプラットフォーム「&mog」を始動した。&mogでは、同社が運営するハードアセットに加え、地元飲食店や商社など30以上のパートナーとの連携によるソフトを活用した事業開発の支援を通じて、食産業が抱える社会課題解決への貢献を目指している。

 今回の「&mog Food Lab」は、食関連企業の「自前の研究開発施設を整備する投資余力が無い」「新規事業開発用の活動拠点が無い」「試食会に適したスペースが無い」などの事業課題に応える施設。オーブン・製氷機・食洗機・ミキサーなど飲食店レベルの厨房設備のほか、試食会スペース、撮影スタジオを完備し、一部は入居者以外も利用が可能。賃料は非公開だが、エリアの相場を上回るという。

 ラボで開発された商品は同社の商業施設や日本橋の飲食店で販売し、新規事業の開発から都市実装までをワンストップで支援する。

 施設は、日比谷線小伝馬町駅から徒歩約5分(人形町駅から徒歩約10分)、中央区日本橋富沢町に位置するワンフロア10坪、5階建て延床面積75坪。6年前に同社が取得し、耐震補強を行って賃貸するもの。

 内覧会で同社日本橋街づくり推進部事業グループ主査・柿野陽氏は「施設は75坪単価の規模。入居企業へはハード・ソフト両面で食の研究開発を支援するとともに、商品は当社の商業施設や日本橋エリアのホテル向けやイベントで販売するなど、ワンストップで支援する。今後もブラッシュアップして街づくりに貢献していく」とあいさつした。

 内覧会では、入居しているCOLDRAW、マチルダ、食の会のそれぞれの飲食品の試飲・試食が行われた。

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ダイニング

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フードラポ

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試食会・商談スペース

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フォトスタジオ

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 この前は、三菱地所ホームが行った神戸・元町の一等地の敷地面積10坪、延床面積20坪の木造2階建てを見学取材したばかりだ。この日は、〝食文化の聖地〟日本橋・人形町の5階建て75坪のエレベータもない古いビル(1フロア10坪だから、階段などで1フロア5坪か)の施設見学会だった。

 売上高が1兆円を超えるわが国を代表するデベロッパーのこのような取り組みが都問題を解決し、やがて大きなビジネスにつなげるのだろうと思った。

◇        ◆     ◇

 試飲・試食させてもらったものの中で、記者の一押しは、日本橋の人気レストラン「食の會」のカレーだ。一口食べた瞬間、60~70年前に食べたカレーの味が口腔を満たし、当時の食事風景がよみがえった。これは我々のような高齢者には昔の懐かしい味を思い出させてくれるし、若い人はわが国の食文化・歴史を学べる。

 「食の会」代表取締役・長内あや愛さんの説明によると、福澤諭吉が160年前に「Curry」を「コルリ」と訳してわが国に紹介して、カレーは広まったのだそうだ。肉の代わりに赤カエルを入れ、ネギ、ショウガ、メリケン粉を使用したという。(試食会では赤カエルではなく鶏肉が入っていた)

 独自の冷温減圧技術で、多様な植物素材を使った唯一無二のノンアルコール飲料の開発に取り組んでいるCOLDRAWの「阿波柑」は、酒飲みの記者は日常的に飲みたいとは思わなかったが、開発意図は理解できる。酒が飲めない人、飲めるのに飲めないときに樹木や植物などの香りを楽しみながら酒飲みと会話が交わせる。(カラマツ、アカマツ、アブラチャン、ヒノキ、タイムなどの香りをブレンドした「KAMOSHIKA Drinks(カモシカ飲料)」はおいしい)

 日替わりの家庭料理を約30か所の「テイクアウトステーション」で販売しているマチルダのしば漬けソース添え「アジフライ」は、二つの味が楽しめる。しば漬けは主菜のフライをしのぐ存在感があった。

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COLDRAW代表取締役・西川信太郎氏

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記者のデジカメで撮影したマチルダの試作品(スタジオブースで)

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現地

容積率800%の元町の一等地 10坪の狭小敷地に木造2階建て店舗三菱地所ホーム(2025/2/15)

日本の食文化を未来につなぐイベント三井不東京ミッドタウン日比谷(2025/1/12)

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「プラウドシーズン所沢」

 野村不動産が「ToKoKoRo TOWN」と名付ける土地区画整理事業による再開発街区で分譲中の分譲戸建て「プラウドシーズン所沢」を見学した。所沢駅から徒歩10分、構想段階から約40年経過する約27.2haの土地区画整理事業地に位置する全120区画。昨年9月から販売が始まっており、第1期40戸が完売するなど好調な売れ行きを見せている。

 物件は、西武線所沢駅から徒歩9~11分、所沢市都市計画事業北秋津・上安松土地区画整理事業地内の第一種低層住居専用地域・第一種住居地域(建ぺい率60%・70%、容積率100%・200%)に位置する全120区画。土地区画整理組合から保留地を取得して分譲するもの。同事業は今から約40年前の1984年、約100人の地権者により計画が持ち上がり、同社は施工の戸田建設とともに組合が設立された2017年に事業参画した。施行面積は約27.2ha、減歩率は約44%。従前はほとんど茶畑。

 昨年5月にエントリー受付を開始し、これまでの来場者数は240件。販売開始は昨年9月からで、第1期(40戸)は、1億円超の住戸は抽選倍率が4倍になるなど人気となり完売。敷地面積は101.10~150.10㎡、建物面積は100㎡以上、価格は7,100万円台から10,800万円台(中心価格は8,000万円台)。建物は2×4工法2階建て。施工は西武建設(2期以降は細田工務店も加わる)。

 主な基本性能・設備仕様は、「ZEH水準」、太陽光発電初期費用ゼロ円、月額利用料ゼロ円、発電電気量ゼロ円の「エネシャイン」、ジャワ鉄平・木曽石景石、1620ユニットバス、深型食洗機、LDと一体利用できる洋室など。

 ターミナル駅から徒歩圏で、建物面積が30坪超というのが人気の要因。反響者は地元が36%、中域が21%、広域が43%。区画整理事業地内には大規模商業施設「SoKoLA」が開業済みで、約3万㎡の公園・緑地も整備される。

 同社は昨年4月、課員4名からなる住宅事業本部戸建事業部区画整理事業課を立ち上げ、戸建事業部副部長の小林和人氏(56)が同課課長を兼任。小林氏は「区画整理事業に継続して参画してきたのは当社だけ。今回の区画整理事業は40年の歳月が経過し、地権者はほとんど代替わりした。土地所有に執着しない地権者が増えたのも計画がスムーズに運んだ要因の一つ。地権者の方々からは資産価値が上がったと評価されている。『SOKOLA』は30人の地権者による共同賃貸として信託方式を採用しており、転売リスクを軽減できているのも全国から注目されている。市も公園用地を取得するなど協力的」と話した。

 同社はこのほか、保留地内のマンション「プラウドシティ所沢」(303戸)を近く分譲する。また、来年度から始動する隣接の約22haの土地区画整理事業にも参画。幕張本郷でも計画を進めている。

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「SoKoLA」

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 〝継続は力なり〟-取材してひしひしと感じた。取材には、小林氏と同じ年の同課課長・渡辺賢二氏、一回りくらい若そうな同課課長代理・長谷亮平氏、販売責任者の山縣里美氏も同席した。小林氏が「地権者の方々からは資産価値が上がったと評価されている」と語ったことを受け、長谷氏が「ガンガンやる」と息巻いたように、大いに盛り上がった。マンションの坪単価(記者は坪300万円を大きく超えることはないと予想)については固く口を閉ざした以外は、みんな口は滑らかだった。

 なぜか。事業性が極めて高く、成功するのがほぼ見えたからだろう。値付けには悩んだようだが、記者は西武ファンだからではなく、客観的に判断して8,000万円台という価格帯は妥当だと思う。

 〝価格は市場が決める〟-この原則もまた今回の事例が証明している。中広域から集客できているように、所沢にはそれだけのポテンシャルがある。これまで、バブル期には西武不動産の邸宅街や西口に林立するタワーマンション(この街づくりは頂けないが)も取材した。住友不動産・住友商事が2018年に分譲した「シティタワー所沢クラッシィ」の坪単価350万円には驚愕したが、「西武所沢S.C.」リニューアル、隈研吾氏の「角川武蔵野ミュージアム」、「エミテラス所沢」の開業などで所沢のポテンシャルは劇的にアップした。「ToKoKoRo TOWN」のタウンネーミングは宮崎駿監督の「トトロの森」からとったのだろう。

 皆さん、同社が事業参画した2017年当時の分譲予定価格を想像していただきたい。同社が4年前に分譲した駅から徒歩9分の「プラウド所沢寿町」(107戸)は坪210万円だったのがヒントになる。

 区画整理事業が息を吹き返すかどうかにも注目したい。かつて土地区画整理事業は「都市計画の母」と称された。都市居住者の住宅需要の受け皿となっていた。国土交通省のデータによると、2022年度末までの土地区画整理事業の着工面積は12,411地区、約37万haが着工された。これは、国土面積3,780万haの1%近く、全国の市街地の約3割に相当する。

 しかし、この事業は土地価格、住宅地価格が上昇し続けることが前提であったため、バブル崩壊後は激減した。記者は減歩率が97%、つまり地権者にはほとんど土地が残らなかった広島県福山市郊外の「佐賀田土地区画整理事業(あしな台)」(19.5ha、342区画)団地を取材したことがある。この制度には、解散=自己破産は認められておらず、どこまでも施行者(組合)の責任が問われるという問題もある。

 このため、現在施工中の土地区画整理事業は約670地区(約2.1万ha)、うち組合施行は約320地区(約0.7万ha)にとどまっている。

 ゼネコンもデベロッパーもバブルが崩壊して以降、土地区画整理事業からほとんど撤退した。記者の知る限り、デベロッパーが参画した最近の土地区画整理事業は2011年着工の三井不動産「ビスタシティ守谷」と、2014年着工の相鉄不動産「泉ゆめが丘土地区画整理事業」しかない。

 しかし、野村不動産だけは継続して土地区画整理事業に参画してきた。現在分譲中の「プラウドシーズン稲城南山」をはじめ稲城市の「栗平」「稲城上平尾」や「鶴川緑山」「千都の杜」「八千代緑ヶ丘」「船橋小室」「稲毛」「木下」…この40~50年間で30か所くらいに参画しているのではないか。〝独り勝ち〟だ。「ガンガンやる」は張ったりではないような気がする。

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見事な茶畑もあった

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公園・緑地

県都・浦和を抜く埼玉県最高単価マンション住友不・住商「所沢」(2018/12/28)

野村不戸建て「プラウドシーズン稲城南山」全87戸が早期完売へ(2018/7/25)

市街化区域編入から44年稲城・南山の区画整理で分譲開始(2014/9/25)

坪300万円超か駅前&すべて完結する「ゆめが丘ソラスト」近接相鉄不「ゆめが丘」(2024/7/22)

野村不動産 稲城の3つの区画整理事業地で千数百戸の戸建て・マンション(2014/8/2)

半年で57戸供給 大健闘の三井不レジ「ファインコート守谷ビスタシティ」だが…(2014/4/14)

 

「区画整理の限界を超える」か 全900区画の日本初のスマートシティ「守谷」(2013/2/22)

 


 

 

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「SAKANA&JAPAN FESTIVAL(魚ジャパンフェス)2025 in 代々木公園」「発見!ふくしまお魚まつり&食べて応援!ニッポンの幸エリア」

 2月20日から24日の4日間、渋谷区・代々木公園イベント広場~ケヤキ並木で行われた「SAKANA&JAPAN FESTIVAL(魚ジャパンフェス)2025 in 代々木公園」と同時開催の「発見!ふくしまお魚まつり&食べて応援!ニッポンの幸エリア」を見学取材した。主催は前者がSAKANA&JAPAN FESTIVAL実行委員会、後者が発見!ふくしまお魚まつり実行委員会、後援は前者が水産庁、後者が復興庁/経済産業省/福島県。イベントは、全国各地の魚介料理を提供するフードフェスを通じて、日本の魚食の活性化を図るのが目的で、総店舗数は82ブース。主催者によると4日間で約20万人が集まった模様。

 「魚ジャパンフェス」は、2019年2月に東京・代々木公園でスタートしたもので、東京・お台場、大阪・扇町公園の3会場で毎年開催されているもの。これまで累計来場者は約210万人。今回もアユやのどぐろの塩焼き、あんこう、イクラ、イカ、マグロ、カニ、カニの甲羅焼き、カキ、ホタテ、タコ焼き、日本酒、クラフトビールなどのブースはどこも長打の列ができていた。

 「発見!ふくしまお魚まつり」は、東京電力ホールディングスが取り組んでいるもので、ノドグロ、ヒラメなどの福島各地の旬の魚介類を使った海鮮丼や郷土料理、地酒などが提供された。

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アユ(左)とノドグロの塩焼き

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 この種のイベントを取材するのは初めてだった。「代々木公園Park PFI」の取材の帰りに寄ってみたものだが、「報道」受付コーナーがあったので、写真撮影などの許可を得ようと申し込んだら許可された(事前申し込みが必要のようだったが)。

 なにしろ、初めてだったのでどこと何と比較していいのかわからなかったが、代々木公園は「屋外フェスの聖地」と言われているようで、来場者の多さにびっくりした。いくつか声を紹介する。( )は記者

・30代の男性 世田谷区に隣接した川崎から家族4人で来ました。イベントはネットで知りました。予算? 1万円くらい

・60代の女性 墨田区から来ました。魚が好きで、毎年来ています。予算? いくらでも(イクラ丼を食べていた)

・20代の西荻窪、北海道、愛知出身の学生3人組 ネットで知ったので来てみました

・30代の男性 所沢から来ました。遠い? そんなことありません

・20代の女性 江戸川区から来ました。能登、石川を応援したい

・60代の夫婦 (久々、記憶にないくらいに味噌ラーメンを食べたが、あの野性的な味はせず、和風ラーメンの味がした)今は昔と違って、店によって味はまちまちですよ

・30代の女性2人 目的は他にあったのですが、長野市からです。値段? そんなに高くない

・30代と思われる女性 中国・北京からです。このほやのから揚げはとてもおいしい(記者はほやが大好きだが、ほやそのものの味は全くしなかった。ほやはそもそも夏のもの)

 記者が食べたものでは(報道陣には無料チケット5枚がプレゼントされた)、大好きなアユの塩焼きが抜群においしかった。新潟産で養殖のはずだが、骨まで食べられた。ただ、1匹1,000円は高い。石川・七尾の蒸しカキは3個で1,000円。小粒だが安いと思った。

 寒かったので、月桂冠の熱燗を飲んだ。月桂冠は甘口のイメージが強く、この40年間は飲んでいなかったが、甘みはそれほど強くなく、おいしかった。アルコール度数5度の「アルゴ5」を試飲させてもらった。水のように飲める。女性におすすめだ。福島・楢葉町の芋ようかん、富岡町のラーメンも買った。

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「代々木公園 Park PFI」のカフェ、レストラン棟(供用開始は3月中旬)

 東京都の公募設置管理制度(Park-PFI)を活用した東急不動産、東急、石擔エクステリア、東急コミュニティーの4社による「代々木公園 Park PFI」の一部施設が2月20日、一部供用開始されたので見学した。東急設計コンサルタントが設計を担当している木調ルーバーを多用したカフェ、レストランなどの施設デザインが抜群。

 供用が開始されたのはにぎわい広場、発信テラス、スケートボード広場、管理所など。カフェ、レストランなどは3月中旬、その他の施設の供用開始は6月の予定。

 施設は、原宿駅から徒歩7分、渋谷駅から徒歩12分、渋谷区神南1丁目の敷地面積約4,182㎡。設計は東急設計コンサルタント、施工は東急建設。

 都のPark-PFI制度を活用した公園は、2024年1月に供用開始された東京建物を代表とする「都立明治公園(渋谷区・新宿区)」に次いで2例目。

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「代々木公園 Park PFI」にぎわい広場

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水色の部分がカフェ、レストラン棟

 

 

 

 


 

 

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芳井氏(左)と大友氏(パレスホテル東京で)

 大和ハウス工業は2月20日、マスコミ懇談会を開き、同社代表取締役社長CEOの芳井敬一氏をはじめ、4月1日付で新社長に就任する取締役専務執行役員・大友浩嗣氏ら役員が出席。報道陣との交流を深めた。

 懇談会の冒頭、芳井氏は「当社には3つの〝切る〟がある。一つは新しいことに踏み切る、2つ目は合理的に踏み切る、そして3番目は思い切る。この3つを大事にして職務を全うしていく」とあいさつ。次期社長の大友氏を紹介したが、「週刊D社の次期社長予想記事では大友は3番目候補だった(爆笑)」と、(贔屓にしているはずの)D社をからかった。

 続いて登壇した大友氏は「(社長交代を発表した前日の)12日夜8時半ころ、芳井から話があると連絡が入って、なんの準備もしていなかったが、明日、社長交代の記者会見をやる、国内事業をやってほしいと。これまで住宅事業本部長を7年、経営戦略本部長を2年半、海外本部長を1年務めたが、入社してから33~34年間は本社とは縁がない地方担当だった。自分の得意技は、その時に会得した現場主義。これを基本にみんなのモチベーションを挙げで元気な大和ハウスになるよう尽力する。芳井の圧を感じるが…(爆笑)」と語った。

 懇談会の締めで、同社代表取締役副社長技術統括本部長・村田誉之氏は「大友さんは品行方正。やりたい放題でいい、大胆にやっていただきたい。芳井代表と二人三脚(国内と海外という意味か)で音頭をとれば、役職員はみんなで舟をこぐ」と締めくくった。

 昨年と同様、懇談会後には参加者全員にランの鉢がプレゼントされた。

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村田氏

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懇談会会場((パレスホテル東京で)

◇        ◆     ◇

 同社の社長交代は近いと小生は考えていたので、大友氏の新社長就任は極めて妥当だと思った。なので、D社の予想記事で大友氏が〝3番人気〟だったのには驚いた。芳井氏も大友氏も〝1番人気〟を暴露したようだが、小生は耳が遠く、一番人気の方がどなたか全然わからなかった。心当たりがある方ではなかった。

 D社のF記者さん、どなたを1番人気にしたかわからないが(小生も昔、この種の記事を書いたことがあるが、的中したことはほとんどなかった)、これから社長になるには第一に現場をよく知っていること、第二に経営を学んでいること、第三にグローバルな視点を持っていることだ(バイリンガルは欠かせない)。この3つをチェックすれば候補者は絞れると思うが、もう一つ欠かせないのは、記者自身が現場を知らないといけないということだ。

大和ハウス新社長・COOに取締役専務執行役員・大友浩嗣氏芳井社長は会長へ(2025/2/16)

 

 パナソニック ホームズの「くらし研究室」は220日、2月22日が「猫の日」であることにちなみ、首都圏の賃貸住宅に住む犬・猫の飼育者・飼育意向者を対象にした「賃貸住宅におけるペット飼育に関する意識調査」まとめ発表。飼育意向者の62.8%がペット飼育禁止を理由に賃貸住宅での飼育を断念し、飼育者の62.8%が「ペット共生型賃貸」に住みたいと回答。ペット飼育者は、単に飼育可能な賃貸物件ではなく、家族であるペットと安心して豊かに暮らせる設備・仕様・サービスを備えた「ペット共生型賃貸」を求めていることがわかった。

「ペット共生型賃貸」とは、同社が2002年から公益社団法人・日本動物病院協会(JAHA)との提携を開始し、住まいにおける健康で快適なペット共生の暮らしに向けた設備・仕様・サービス等の拡充について監修を受けた賃貸住宅のこと。単に飼育が認められている賃貸物件を「ペット可賃貸」と呼んでいる。

アンケート結果によると、飼育意向者の62.8%がペット飼育禁止を理由に賃貸住宅での飼育を断念したことがあり、ペットとの暮らしに求められることは、「外出時の不安を減らすサービス」、「ペットに適したインテリア(床、壁等)やニオイ対策」で、①飼育者・飼育意向者の40.0%以上が「心苦しい」、「健康・安全面」を理由にペットを残して外出することが困る・不安であると回答②飼育者の95.0%が「ペットを飼えていること」に満足している一方、うち43.3%は「飼う環境」に不満を感じていると回答③「飼う環境」に対する不満の理由は、「ペットに配慮したインテリア(床、壁等)になっていない」(42.0%)がもっとも多く、次いで「ペットのニオイが残る」(38.4%)。

また、飼育者の62.8%が「ペット共生型賃貸」に住みたいと回答。飼育者のうち実際に「ペット共生型賃貸」に住んでいる人は20.9%で、飼育者の46.1%、飼育意向者の 83.7%が「ペット共生型賃貸」と「ペット可賃貸」の違いを理解していないことが分かった。

「ペット共生型賃貸」と「ペット可賃貸」の違いを理解すると、飼育者の62.8%が「ペット共生型賃貸」に住みたいと回答した。

今回の調査結果について、日本動物病院協会(JAHA)理事・獣医師の吉田尚子氏は、「『ペット共生型賃貸』と『ペット可賃貸』は、その内容には大きな違いがあり、特に、設備・仕様、サービス、住人同士のコミュニケーション、規約の観点で『ペット共生型賃貸』には多くの利点があります。ペットを飼いたいと考える人々のニーズに応えるためには、物件オーナーや管理者がペット共生型の住環境を提供することが重要です」とコメントしている。

アンケート対象者は首都圏在住の20歳~69歳の男女516人(賃貸マンション/アパートに住む犬/猫飼育者・飼育意向者)。

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 記者はネコを外で眺めるのはいいが、飼育しようとうと思ったことは一度もない。それでも飼育頭数が900頭を超える人気になっているのはよくわかる。賃貸住宅のことはよくわからないが、分譲マンションはほとんどか犬猫などのペット飼育が可能になっているはずだ。結構なことだと思う。

 ただ、一つだけ言いたいことがある。分譲マンションでのペット飼育が可能になったのは1990年以降だ。ペットとの共生を目指したからではない。バブルが崩壊し、売れ行きが悪化したために販売促進の手段としてペット飼育可にしたのがその理由だ。

 それまでは、ほとんどのマンション管理規約でペット飼育を禁止していた。しかし、その一方で〝見て見ぬふり〟をして飼育を黙認する管理組合も多かった。そのため、仲介会社から「大丈夫でしょう」というこえを信じてマンションを購入した人が、入居後にペット飼育不可の規約を縦に提訴され、敗訴したいわゆる横浜ペット裁判があった。ペットを捨てるか退去するかを迫られた被告(入居者)は退去した。1993年(平成3年)だった。

 その後の2009年に書いた記事を添付する。以下のように書いている。

 「記者は20年以上前から『マンションでのペット飼育を可能にすべき』と主張してきた。ペット飼育の可否が問われた横浜裁判もずっと取材した。マンション管理規約に〝違反〟してペットを飼っていた被告(入居者)が敗訴したとき、記者は泣いた。犬を捨てるか退去するかを迫られた被告は、退去の道を選んだ。

 勝訴した原告(管理組合)もペット不可に何の疑問を示さなかったデベロッパーや管理会社の将来はないと思った。ペットが好きとか嫌いとかという問題ではなく、人間の尊厳の問題だと思った。ペット飼育を認めなければ、やがてマンションそのものがユーザーから指弾を受けるだろう」

人も犬も〝非日常〟を楽しむ 東京建物「いぬのきもちコテージ」(2009/

 

 

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