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 三井不動産レジデンシャルは9月28日、埼玉県川口市の「川口本町4丁目9番地区第一種市街地再開発事業」の都市計画決定告示が9月11日に行われたと発表した。同社は参加組合員として事業参画する予定。

 JR川口駅東口から南に約400mに位置した約0.7haの区域で、鋳物工場跡地を駐車場として利用している低未利用地や、老朽化した木造密集住宅、計画道路拡幅部分にまたがる旧耐震共同住宅などが混在しているエリア。

 事業により高度利用と都市機能の更新を行い、約220戸の住宅に加え商業・業務施設のミクストユース型の再開発を目指す。

 事業地は、川口市本町4丁目9番地に位置する約約0.7ha。建築面積は約2,000㎡で、延べ床面積は約24,500㎡。主要な用途は住宅、商業、業務施設。住宅は約220戸。事業推進コンサルタントはジーエー建築設計社。参加組合員(予定)は三井不動産レジデンシャル。2021年に再開発組合設立、2022年本体工事着工、2025年竣工を目指す。

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 川口駅東口から徒歩4分では、2023年竣工を目指す「川口栄町3丁目銀座地区第一種市街地再開発事業」が行われており、野村不動産が参加組合員として約475戸のマンションを分譲する予定だ。

 今回の川口本町4丁目9番地区第一種市街地再開発事業」は、前者よりやや距離があるが、住環境が整備されれば立地的には互角以上だ。分譲時期はだぶらないような気がするが、検討者は悩ましい選択になりそうだ。

川口で「東急+三井+鹿島」の再開発マンション(2012/8/23)

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「プラウドタワー亀戸クロスゲートタワー」

 野村不動産は9月25日、株式会社(本社:東京都新宿区/代表取締役社長:宮嶋誠一)は、経済産業省の「超高層ZEH-M(ゼッチ・マンション)実証事業」に「プラウドタワー亀戸クロスゲートタワー」が、環境省の「高層ZEH-M(ゼッチ・マンション)支援事業」に「(仮称)神楽坂袋町計画」と「(仮称)武蔵浦和駅前計画」がそれぞれ採択されたと発表した。

 同社は、ZEH-Mの省エネ性能を実現するため、3プロジェクト全てに住戸全体を24時間365日、快適な空間を保つことができる「床快full(ゆかいふる)」を採用。3物件とも「ZEH-MOriented」の水準を満たしている。

 「プラウドタワー亀戸クロス」はJR総武線亀戸駅から徒歩2分の25階建て全934 戸。

 「(仮称)神楽坂袋町計画」は都営大江戸線牛込神楽坂駅から徒歩3分の5階建て全75戸。

 「(仮称)武蔵浦和駅前計画」はJR埼京線・武蔵野線武蔵浦和駅から徒歩1分の19階建て全277戸。

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 環境共創イニシアチブのZEHデベロッパー実績報告(平成30年度分)によると、ZEH-M ReadyとZEH-M Oriented実績は10棟451戸しかないが、今後激増する。

 ZEHマンションは、低層・中層・高層によって求められる性能基準が異なり、所管するのも経産省、環境省に分かれている。これが全く理解できない。国土交通省も含めて3省が連携しているというのだから、統一すべきだ。

凄い!全館空調、二重&樹脂サッシ採用 野村不「亀戸」934戸 単価300万円台半ば(2020/2/19)

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「リブネスモア戸田公園」

 大和ハウス工業は9月24日、分譲マンションをリノベーションした「リブネスモア戸田公園」の9月30日の引き渡しを前に報道陣に公開した。

 「リブネスモア戸田公園」は、1989年(平成元年)12月に竣工した売主・リクルートコスモス・大和土地建物の9階建て46戸の分譲マンションを竣工と同時に個人が1棟まるごと購入、賃貸として運用していたものを2017年7月、同社グループの旧大和ホームズオンライン(2019年3月に同社が吸収合併)が取得し、賃貸にしていたもの。

 リノベに当たっては、大和ライフネクストによる建物劣化や給排水管、電気設備調査に加え、第三者機関による遵法性調査、建築躯体調査を実施。

 外観デザインを一新したほか、駐車場の増設、宅配ボックスの設置などバリューアップ工事を施し、専有部は顧客の多様化するライフスタイルや家族構成、好みのインテリアに応えるために同社の戸建て「家事シェアハウス」のオリジナルアイテムを採用、テレワークスペースや共働き世帯のための提案を行っているほか、間取り・設備などを自由に設計できるスケルトン分譲(約840万円割引)も用意している。

 同社は、昨年から賃貸マンションや社宅などを区分所有型にリノベーションした分譲マンションを「リブネスモア」ブランドとして展開しており、「リブネスモア茨木」(販売戸数33戸、うち14戸が契約済み)、「リブネスモア生駒」(販売戸数18戸、うち17戸が契約済み)に続き3棟目。東日本エリアでは初の物件。

 今後も分譲マンションや賃貸マンション、オフィスビル、社宅、寮などを買取り、新たに付加価値を付けて物件を売却する買取再販事業を推進し、リブネス事業を拡大してく。同社営業本部リブネス事業推進部部長・平井聡治氏は「全国の提携不動産98社を含み総合相談窓口での対応が可能になった。どんどん強化していく」と語った。

 物件は、JR 埼京線戸田公園駅から徒歩8 分、戸田市下前1丁目に位置する9階建て。リノベーション施工は長谷工リフォーム(共有部)、リファイブデザイン、バウテック、LIXIL トータルサービス(専有部)。建物竣工は1989年12月。施工は市ヶ谷組(元請)、長谷工コーポレーション(下請)。

 リノベーション着工は2020年1月6日。竣工は2020年9月23日(共有部)、2020年6月26日(専有部)。引き渡し開始は2020年9月30日。総戸数46戸のうち分譲は40戸(「フルリノベプラン」22戸、「セレクトプラン」11戸、「自由設計プラン」7戸)、賃貸6戸(住戸5戸・店舗1戸)。モデルルームオープンは2020年7月10日。販売開始は2020年7月10日。専有面積は66.34~81.79㎡、価格は3,498万~4,228万円(第一期2戸、第二期一次8戸)。坪単価は170万円。

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リノベ後(左)とリノベ前

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モデルルーム(リビングダイニング)

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テレワークスペース

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自由設計プラン

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 取材してうれしかったことが一つあった。モデルルームを見学しているとき、同社スタッフから「牧田さんでは」と声を掛けられた。とっさには思い出せない記者に「もう20年以上前に山梨の『響きが丘』を取材していただいた佐々木です」と名刺を出された。

 そのとたん、まざまざと当時の感動がよみがえった。「響きが丘」は山梨県住宅供給公社が分譲した甲府市郊外の開発面積約約24ha、総区画数351区画の大規模戸建て住宅地「双葉・響きが丘」で、同社が設計・施工を担当した。ランドプランが素晴らしかった。

 記者は、これまで見学した数百件のハウスメーカー、デベロッパーの大規模分譲地の中で、この「双葉・響きが丘」は10指に入る優れた分譲地だと今でも思っている。そのランドプランや戸建ての商品開発に関わっていた佐々木氏にお会いできて、今日の取材のことなどすっ飛んでしまった。

 年齢を伺ったら61歳とのことで、名刺の肩書には「東京本店不動産ストック事業部建設部シニアエキスパート 一級建築士 佐々木祐輔」とあった。お互い年を取ったものだ。

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 以下は、佐々木氏を含め同社が昨年10月に新設した「リブネス課」の皆さんと、全国57拠点約100名というスタッフの方全員に贈るエールだ。厳しいことを言うようだが、これは全て期待が大きいからで、同社ならやってのけると確信しているからだと受け取っていただきたい。

 今回見学した「戸田公園」は、これまで見学した数十件のリノベマンションと比べると〝並〟だと思う。二流三流の会社ならこれでもいい。しかし、連結売上高4兆3,802億円(2020年3月期)で、将来的には10兆円を目指す同社のビジネスとしてはいささか物足りない。

 リノベに当たって共用部を充実させ、専有部の設備機器を一新はしているが、しょせんリフォーム・リノベは元通りにはなるだろうが、住宅の基本性能を劇的に向上させることはできない。これから既存住宅に求められるのは新しい価値を吹き込むことだ。同社はその先頭に立つべきだ。

 例えば、熱・音の侵入と流失が一番大きいサッシ。従前の網入り単板ガラスのままだったのはやむを得ないことかもしれないが、この前見学した同社のZEHマンション「プレミスト平和台」はそうだったように、これをLow-E樹脂サッシにすることなどいとも簡単なはずだ。「平和台」と同じ日に見学したリファイニング賃貸マンション「ヴァロータ氷川台」の記事も添付する。コロナ過で来場を制限(1回20人×5回転)したにもかかわらず制限いっぱいの200人超が見学に訪れた。見学者は不動産や銀行関係者が多いと聞いた。新築の7割のコストで新築並みの価格設定が可能となる青木茂氏のリファイニングは10回以上取材しているが、記事へのアクセス数は数万件に達している。

 それに対して、今回の分譲坪単価は170万円だという。価格が高いか安いか、これまでの来場者は約40件で、成約は1件というのは多いのか少ないのか、これはお客さんが判断することだろうが、記者は新築なら坪200万円も可能ではないかとはじいた。南面の緑の借景が素晴らしいからだ。緑が少ない戸田市ではこれは貴重だ。

 もう一つ、これは蛇足だが、従前の建物についても触れておきたい。記者は、従前の売主がリクルートコスモスで、竣工が平成元年と聞いてすぐ、担当者に「分譲時の坪単価は250万円くらいではないか」と聞いた。担当者の方は調べて当時の価格表をコピーして渡してくれた。中層階の中住戸は70㎡で5,084万円、つまり坪単価は240万円で、最上階の73㎡は5,690万円で坪単価は257万円だ。

 いまこの単価では売れないのは百も承知している。それでも飛ぶ鳥を落とす勢いのあった当時のリクルートコスモスに少しでもいいから迫ってほしかった。当時、億ションのトップブランドは圧倒的なマンション供給量を誇った大京でも、富裕層向けにも力を入れていた三井不動産でもなく、リクルートコスモスだった。年間で1,000戸くらいの億ションを分譲していた。

 当時のブランド「グランフォルム」を彷彿させる濃紺のタイルが低層部に用いられており、記憶がよみがえった。

 佐々木氏との再会といい「グランフォルム」といい、うろんな記者の記憶を昨日のようによみがえらせてくれたのには感謝したいが、業界の記録に残るような物件を供給してほしい。

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現地

安藤忠雄氏を超えた? 青木茂氏×三井不 「氷川台」リファイニング見学会に200人超(2020/9/16)

大和ハウス工業「平和台」 同社初の「ZEH-M Ready」 申し込み殺到 早期完売へ(2020/9/15)

「パーカーズ」とのコラボ リノベマンション コスモスイニシア「大森山王」(2019/5/27)

波乱万丈30年の「仕事」を語る コスモスイニシア商品企画部部長兼一級建築士事務所所長・南光浩氏(2018/3/9)

リビタ 一棟丸ごとリノベーション「つくば春日」30坪で施工は鹿島(2014/6/16)

タカラレーベン 好調リニューアルマンション「ル・アール蘇我」は4日間で120組超(2009/5/25)

 

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「ルネ南柏駅前」

 総合地所は9月23日、JR常磐線南柏駅徒歩1分の「ルネ南柏駅前」(59戸)の第一期・第二期一次41戸を完売したと発表した。

 経済産業省「高層ZEH-M(ゼッチ・マンション)支援事業」の採択を受けた「駅徒歩1分」「全邸南向き」の特性に加え、環境大臣表彰受賞の「エコ暖クールエアコン」採用による光熱費削減や気温差の少ない快適な住環境を実現した。建築物省エネルギー性能表示制度「BELS(ベルス)」による第三者認証「最高ランク」を取得。専有部は二重サッシ&Low-E複層ガラスを採用。

 物件は、JR常磐線南柏駅から徒歩1 分、柏市南柏1 丁目の商業地域に位置する12階建て全59戸。専有面積は59.63~78.28㎡、価格(第二期)は2,900万円台~。坪単価は183万円。建物は2020年3月に完成済み。設計・施工は長谷工コーポレーション。販売代理は長谷工不動産。

坪245万円に納得 コロナ禍で半分以上を成約 三井不動産レジ「柏タワー」(2020/9/7)

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 三菱地所レジデンスの「ザ・レジデンス四谷」が9月28日抽選分譲される。

 物件は、JR中央線四ツ谷駅から徒歩3分、新宿区四谷1丁目に位置する地下3階地上6階建て・7階建て全60戸(地権者住戸34戸、事業協力者住戸2戸含む)。販売戸数は24戸で、価格は6,580万~2億8,880万円(最多価格帯1億2,200万円台・1億670万円台)、専有面積は34.19~136.93㎡。対面登録受付は9月19日(土)~27日(日)、オンライン登録は9月19日(土)~22日(火)。抽選日は9月28日(月)。建物は2020年4月完成済み。施工は大成建設。売主は同社のほか西松建設。

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 記者は、このマンションについて2月21日付の記事で次のように書いた。

 「基本性能・設備仕様レベル、プランなどが全く分からない現段階で単価を予想するのは難しいが、大胆に挑戦した。

 目の前がビル群の南西向き『アベニュー』は坪600万円でも高いような気がするが、外濠公園に面し、その先に一番町エリアが大きく展開する南東向きの『ガーデン』(戸数未定)はズバリ坪単価750万円※とはじいた」

 ※印をつけたのは、21日の時点では坪700万円と予想し、24日に坪750万円に上方修正したため。当時、新型コロナの情報は飛び交ってはいたが、感染者は中国への渡航歴がある人や中国からの旅行客など32人に限られており、その後、パンデミックを起こすとは夢にも思わなかった(記者が「これは大変な事態になる」と判断したのは2月27日に感染症専門の医師を取材したときで、それ以降はテレワークに突入した)。

 その後、取材を申し込んだのだが、コロナ禍で実現しなかった。予想を外したのは新型コロナのせいにはしたくないが、「ガーデン」が坪700万円を割るのは信じられない。

 物件概要から判断して平均の坪単価は700万円を割るのは間違いなさそうだ。坪670万円くらいか。「アベニュー」と「ガーデン」のそれぞれの戸数は公表されていないのでよく分からないが、「アベニュー」のほうが多いはずだ。結果がどう出るか楽しみだ。 

外濠公園-番町が望める駅前の「コモレ四谷」マンション「ガーデン」はいくらか(2020/2/21)

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「プレミストタワー白金高輪」

 大和ハウス工業が10月中旬に分譲する「プレミストタワー白金高輪」を見学した。富裕層向けマンションはこの半年間1物件も見学していないので他社物件はよく分からないが、この物件は立地も設備仕様レベルも高い。価格を抑制気味なのは、全部で供給が2,000戸近くにのぼる大激戦エリアで他社に影すら踏ませない先行逃げ切りを目論む(後出しだからまくり一発か)戦略とみた。

 物件は、東京メトロ南北線・都営地下鉄三田線白金高輪駅から徒歩1分、港区高輪一丁目の商業地域に位置する35階建て全280戸(非分譲住戸127戸含む)。専有面積は33.06~117.15㎡、第1期(戸数未定)の予定価格は5,700万円台~26,600万円台(最多価格帯10,900万円台、13,600万円台、13,800万円台)、坪単価は650万円くらいになる模様。竣工予定は令和4年11月上旬。施工は西松建設。デザイン監修は建築家・光井純氏。ランドスケープ・外観照明デザインは近田玲子氏。販売代理は三井不動産レジデンシャル。

 現地は、白金高輪駅から徒歩1分、国道1号線に接道。従前の「パシフィック高輪マンション」(1970年竣工63戸)と「トーア第二高輪マンション」(1979年竣工93戸)の共同建て替えマンション。同社は2017年2月、円滑化法に基づく建替組合の参加組合員として事業に参画した。

 敷地はほぼ正方形で、総合設計制度の適用を受け、敷地四方を緑で囲っている。地下2階に車寄せとオーナーズサロン、地下1~3階は店舗、トランクルーム、自転車置き場など、3階の共用部には2つのラウンジ、オーナーズキッチン、インナーコリドーを設置。住戸は4階からで、標準階1フロア8~10戸構成。最上階は6戸。

 主な基本性能・設備仕様は制振構造、Low-Eガラス、キッチン・洗面・トイレカウンター御影石、二重床・二重天井、ディスポーザー、食洗機、リビング天井高最大2800ミリ、コロンボ製ドアノブ、天井カセット型エアコンなど。

 販売を担当する同社東京本店東京マンション事業部営業部第二課販売事務所長・宮本章司氏は、「(大激戦のエリアですが)他社に負けないよう都心部のプレミストシリーズの中で最高レベルに仕上げました。最上階の105㎡タイプは抽選になりそうです。第1期は40~50戸供給を目指しています」と自信をのぞかせた。

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エントランスホール(完成予想図)

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105㎡モデルルーム

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玄関のオブジェ

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洗面ボウル

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 コロナの影響で富裕層向けマンションのモデルルームを見学するのは半年ぶりだったが、基本性能・設備仕様レベルは間違いなく坪単価650万円に見合うどころかそれ以上の価値があると見た。

 見学する前は立地条件からして高値追及するなら坪700万円もあると考えたが、ひょっとすると同社は競合関係、販売戦略など総合的に判断して坪650万円くらいに設定し、早期完売を狙うのではないかと予想した。つまり高値挑戦はしないと結論づけた。

 その読みは的中した。いま分譲中の周辺物件より単価は安いはずだ。しかし、安いからといってレベルが低いかといえばそうではない(競合物件の取材は申し込んではいるが実現はしていないので断言はできないが)。物件ホームページにはモデルルーム、設備仕様などについては触れられていないが、いくつか写真を撮ったので紹介する。どこの億ションと比較しても負けないレベルにあるはずだ。

 105㎡のタイプはオプション仕様だが、設えられている家具・調度品、面材などは全て一級品だ。玄関ホール、リビングダイニングに敷かれている絨毯はふかふかで、玄関ホールに掲げられているオブジェは息を吞む程だし、日本酒はフランク・ミュラー(小生は知らなかったが、かみさんは名前だけは知っていた…そのレベルか)、ガラス食器類はバカラ、江戸切子、カチッと閉まるドア、把っ手はコロンボ、食洗器はミーレ、キッチン天板はセラミックス、織り上げ天井、天井高2800ミリ…ひっくるめると数千万円だろう。中グレードの70㎡のタイプもほとんど標準仕様で、こちらもグレードは高い。

 販売事務所(サロン)も、同社はこれまでも「六番町」「赤坂翠嶺」など豪華な造りにしていたのでそれほど驚きはしなかったが、白い色調のアールを多用したデザインが美しい。2階のモデルルームへの階段幅は2.5mくらいあり、天井には高価そうなシャンデリアがさりげなく飾ってあった。

 競合物件も取材してレポートしたい。双方が面子をかけて戦えば戦うほど、得をするのは購入予定者だ。販売代理の三井不動産レジデンシャルは競合物件の売主に名を連ねているが、それぞれ物件担当者同士で激しいバトルが勃発するのか、こちらも興味がある。

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販売事務所(サロン)

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販売事務所

大和ハウス工業 白金高輪駅1分のマンション共同建て替え284戸 着工(2019/7/29)

三菱地所レジ 高輪・三田で4物件580戸 常設モデル開設 第一弾「高輪」は坪640万円(2019/1/18)

坪単価は700万円を超えるかどうか 東京建物ほか 山手線内最大級「白金ザ・スカイ」(2019/7/29)

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「レーベン八王子MARK GATE」(物件ホームページから)

 タカラレーベンが分譲中の「レーベン八王子MARK GATE」を見学した。JR八王子駅から徒歩9分、京王線八王子駅から徒歩8分の全63戸で 、7月から分譲しており順調なスタートを切った。

 物件は、JR中央線・横浜線・八高線八王子駅から徒歩9分、京王線京王八王子駅から徒歩8分、八王子市元横山町2丁目の近隣商業地域・準工業地域に位置する12階建て全63戸。専有面積は57.59~72.73㎡、坪単価は220万円強。竣工予定は2021年9月上旬。設計・監理・施工は山田建設。売主は同社のほか陽栄。

 現地は、平安時代後期から鎌倉時代にかけて勢力を誇った武蔵七党の一つ「横山党」に由来する「元横山町」に位置し、建物は往時の繁栄を忍ばせる「桑」の街路樹が植えられている「桑並木通り」と「北大通り」が交差する地点に立地。

 住戸は西向きで、最低でも約6.0m、中心で6.4~7.0m、最大で9.1m確保したワイドスパンが特徴。主な基本性能・設備仕二重床・二重天井、二重サッシ、食洗機、たからの水など。

 販売を担当する同社第2営業グループ第1営業部3課課長・亀岡芳弘氏は、「お客さまの評判はいいですよ。二重サッシを採用しているのはうちだけだし、モデルルームの評価も高い。分譲価格は抑制気味」と話した。

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 同社のマンションはたくさん見学しているが、見た途端、記者が〝業界のレディ・ガガ〟と呼ぶ同社取締役兼執行役員・髙荒美香氏をすぐ思い出した。荒氏と初めてお会いしてからもう十数年経過するが、業界の常識を破ったモデルルームの造りに圧倒され、すぐファンになった。同社のイメージを劇的に変えた功労者だと思う。調べたわけではないが、髙荒氏絡みの記事のアクセス数は数万件に上るはずだ。

 亀岡氏が「髙荒取締役 のセンスは抜群。いつも勉強させられる。ここも荒取締役のモデルを踏襲したものですが、従来と比べやや落ち着いたもの」と話した。

 亀岡氏に他の見学推奨物件を聞いたら「『検見川浜』は凄い人気になっています。こちらもぜひ」と勧めてくれた。見学してレポートしたい。

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 立地について。現地は、JR八王子駅から一直線の「桑並木通り」に面している。記者はマンション見学の際は必ず街路樹をチェックする。沢山記事も書いてきた。駅から現地に向かう途中、おやっと思った。「桑並木通り」とあるのに街路樹にはマロニエ(トチノキの仲間)が植えられていたからだ。

 八王子と言えば養蚕で栄えた街だ。もう道路の名前にしかその名残は残っていないのかと寂しい気持ちになったのだが、5分くらい歩いてから突如、街路樹の樹種が変わった。何の木か全然分からなかった。これまで見たことがない樹木だった。

 そこで、葉っぱをちぎって家に帰り調べた。「桑」だった。だしぬけにむしゃむしゃ、ザワザワと桑の葉っぱをついばむ無数の蚕の記憶がよみがえった。昔は小生の家も納屋で蚕を飼っていた。佃煮を食べた記憶はないが、桑の実はよく食べた。

 街を歩けば、養蚕の街の名残はあちこちにあるのではないか。

「女性には体内マーケがある」〝業界のレディ・ガガ〟タカラレーベン髙荒氏(2018/2/22)

 

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「秀和青山レジデンス」建て替え後の完成予想図

 野村不動産と旭化成不動産レジデンスは9月16日、渋谷区の秀和レジデンスシリーズ第1号の「秀和青山レジデンス」のマンション建替組合の設立が認可されたと発表した。

 「秀和青山レジデンス」は1964年(昭和39年)、著名な建築家・芦原義信氏の設計により建てられた地上8階建ての秀和レジデンスシリーズ第1号物件。築後56年が経ち、建物の老朽化や耐震性の不足などの問題を抱え、2014年頃から建て替えの検討が開始され、両社は2017年に事業協力者として参画していた。

 建て替えに当たっては、渋谷区初の「マンション建替法に基づく容積率の特例緩和制度」を活用。十分な緑化を施した2つの広場状空地や歩道状空地(幅2.0m)を設け、地域の安全性・快適性を高め、地域の街並み整備に寄与する計画にしたため容積率の緩和を受け、容積率500%から655.40%へ約155%割り増しを受ける。建て替え後は地下2 階地上26 階建てマンションとなる。

 物件は、東京メトロ渋谷駅から徒歩6分、JR山手線渋谷駅南口から徒歩9分、渋谷区渋谷三丁目、敷地面積約1,926㎡、従前延べ床面積約9,457㎡(建て替え後約19,037.39㎡、以下同じ)、8階建て(26階建て)、耐震構造(免震構造)、容積率不明(655.40%、基準容積率500%)、竣工年月1963年6月(2025年2 月予定)、専有面積約42~約174㎡(約44~約121㎡)。コンサルタントは再開発計画技術。設計はIAO 竹田設計。

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「ヴァロータ氷川台」

 リファイニング賃貸マンション「ヴァロータ氷川台」の完成見学会が9月15日行われた。青木茂建築工房が設計監理、三井不動産レッツ資産活用部が総合企画、三井不動産レジデンシャルリースが商品企画・サブリースをそれぞれ担当するもので、見学会はメディアを除き5部(5回転)構成で、コロナ対策として1部当たり来場者を40人に制限したにもかかわらず、全て満席の人気となった。

 同事業は、昭和51年に建設された築44年の老朽化した共同住宅を建て替えることなく、新築の7割程度の建築費で新築並みにリファイニングしたもの。青木工房と三井不動産が共同で行うリファイニング事業としては5物件目となる。

 現行法に適合させるため、既存不適格となっていた塔屋を解体することで増築を可能にし、バルコニーの一部専有化、屋外廊下の屋内化、エントランスの増築、エレベーターの設置などを行ったのが特徴。

 内外装仕上げでは、南側外壁にカーテンウォールを採用し、従前外壁を500ミリ突出させて約2.5㎡の専用部を増築。さらに、袖壁と庇の内側は木調の金属板とし、専有部内の壁と天井を外壁と同じ色調のシナ合板とすることで外と内の連続的な演出するとともに、空間的な広がりを感じられるようにしている。

 三井不動産関係者によると、従前の賃貸は老朽化、間取りの陳腐化などで賃料は近隣相場より低く、入居率も芳しくなかったという。リファイニング後の賃料は新築相場の約95%を確保している。全19戸のうち9戸に申し込みが入っている。

 物件は、東京メトロ有楽町線・副都心線氷川台駅から徒歩3分、練馬区氷川台3丁目に位置する敷地面積約795㎡、建ぺい率33%(許容60%)、容積率109%(同200%)、4階建て延べ床面積869㎡の賃貸マンション。昭和51年完成。日影規制が既存不適格となっていた。

 リファイニング後の建ぺい率は47%、容積率は114%、延べ床面積は1,143㎡。令和2年9月完成予定。

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 リファイニング事例はかなり取材しているので、ちょっとやそっとではもう驚かなくなったが、ここにも目から鱗の〝建築の魔術師〟青木茂先生の技術がふんだんに盛り込まれている。

 最たるものは、塔屋を解体すること(これがどのような意味を持つかよく分からないが)で既存不適格要件を回避し、増築を可能にしたことだ。写真の南側の増築部分の面積は約2.5㎡だ。業界関係者ならよくご存じのはずだ。立地条件からすれば、分譲マンションなら坪単価は300万円をはるかに超える。仮に坪320万円としよう。つまり、2.5÷3.3×320=242万円相当の価値を増大させた。利回り5%として12万円だ。

 貸付面積を確保するため、南側にあった既存エントランスを北側に移動させ、しかも東京都建築安全条例17条規定(アプローチ部分は幅員3m必要なのに2.5mしかなかった)に適合させるためにエントランスアプローチの庇を南側まで延長させ遵法性を確保しているのもうなってしまった。

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before afte(袖壁・庇の処理と、外壁と内部空間の連続性を演出しているのが特徴)

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エントランスアプローチ(庇をつけているのがよく分かる)

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従前の建物

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 青木先生にお会いできるのを楽しみにしていた。今回の見学会は、メディア向けを除き5回転。コロナ対策として定員はそれぞれ40名に限定したが、全て満席となり、200名を突破した。制限しなかったら何名集まったのか。参加者は不動産や銀行関係者が中心のようだった。リファイニング人気は衰えを知らない。

 比較するのもどうかと思うが、この日(15日)は、添付した安藤忠雄氏が設計・デザインした日本財団「THE TOKYO TOILET」の一つ「神宮通公園トイレ」(あまやどり)のお披露目見学会が行われた。安藤氏が元気な姿をみせ、約30分にわたりコンセプト、建築美、都市計画などについて語った。メディアは30社で50人だった。

 安藤氏と青木氏とは知己の関係にある。青木氏は平成30年2月10日、首都大学東京特任教授の退任記念講演会を行った。青木氏は設計事務所を開設して間もない1970年代の後半、安藤氏が企画したヨーロッパ旅行に参加したのだが、エピソードとして次のように語っている。

 「車を買うために貯めていた100万円を、妻の了解を得て、安藤氏が企画したヨーロッパ旅行に注ぎ込んだ。旅行中、安藤氏からは『お前、なにも知らんなぁ、阿保やなあ』と言われ続けた。この前、お会いしたとき初めて褒められた。この間35年間を要した」

 それからまた時を経て現在、来場制限しても200人超集められる見学会などわが業界にまずない。安藤氏がこのことを知ったら〝俺を超えるような阿呆なことするな〟と驚愕するのではないか。リファイニングは世界の建築手法になるはずだ。

 青木氏は「コロナ? 月4週のうち3回はあちこち飛び回っている。かみさんとの濃厚接触? むしろ増えた」と語った。

 肝心なことを書き忘れた。青木氏は、リファイニングの普及・拡大を図るため一般社団を立ち上げ、認定書などを交付することで銀行などへの申請書類の統一化、業務の迅速化を行うと話した。今年11月に正式オープンするという。

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青木氏(平成30年撮影)

美しい公衆トイレ 発信できた 安藤忠雄氏/世界からオファー 日本財団プロジェクト(2020/9/15)

大和ハウス工業「平和台」 同社初の「ZEH-M Ready」 申し込み殺到 早期完売へ(2020/9/15)

三井不動産×青木茂建築工房 リファイニング「初台」で見学会 過去記事も紹介(2019//12/8)

駅4分の1低層 息をのむほど美しいサペリの建具 三菱地所レジ「代々木上原」(2018/12/14)

省エネ対策に感服 三井不動産+青木茂建築工房 「林マンション」リファイニング完成(2018/3/30)

青木茂建築工房×ミサワホーム 「千代田富士見」のリファイニング見学会に450名(2018/3/1)

リファイニング建築の考案者 首都大学東京特任教授・青木茂氏が退官へ 記念講演会(2018/2/13)

ミサワホーム&青木茂建築工房 千代田区富士見のリファイニング建築見学会に250名(2017/11/9)

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建築の魔術師・青木リファイニングの真髄を見た 「竹本邸」完成見学会(2015/11/17)

「リファイニング」に熱い視線60坪の建物見学に250人殺到 青木茂建築工房(2015/3/11)

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全てが腑に落ちる 首都大学東京「リーディングプロジェクト最終成果報告会」(20143/19)

再生建築学の設置を 青木茂氏が三井不動産のセミナーで語る(2013/12/10)

千駄ヶ谷のリファイニング建築に見学者300人(2013/11/12)

 

カテゴリ: 2020年度

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「プレミスト平和台」

 大和ハウス工業が9月20日抽選分譲する「ZEH-M Ready(ゼッチ・マンションレディ)」に採択された「プレミスト平和台」を見学した。9月12日から登録申し込みが始まっており、15日現在、40戸に申し込みが入っている。絶好のスタートを切った。坪単価316万円もリーズナブルで早期完売は間違いない。

 物件は、東京メトロ有楽町線・副都心線平和台駅から徒歩3分、練馬区北町6丁目の第一種中高層住居専用地域・近隣商業地域(地区計画により高さ規制13m)に位置する4階建て60戸。第1期(47戸)の専有面積は38.05~77.62㎡、価格は3,498万~8,158万円(最多価格帯6,500万円台)、坪単価316万円。登録申し込みは9月20日(日)まで。販売代理は野村不動産アーバンネット。施工は不二建設。

 現地は、現在工事中の放射第35号線道路から一歩入った地区計画により高さ規制13mの第一種中高層住居専用地域(一部近隣商業地域)に位置。敷地南西側は区立公園に隣接。2方道路の角地。従前は宅地・マンション。道路を挟んだ対面にスーパー・ライフ、南側はヤマダ電機。

 建物はコの字型で、南西向き住戸が36戸、南東向きが12戸、北西向きが12戸。

 主な基本性能・設備仕様は、「ZEH-M Ready(ゼッチ・マンションレディ)」に適合させるため、窓は全て二重サッシ(アルミサッシ+樹脂サッシ)を採用、二重床・二重天井、リビング天井高2500ミリ、御影石キッチン天板、食洗機など。

 同社東京本店東京マンション事業部営業部第一課 販売事務所長・戸村氏は「2月からの累計反響数は約1,500件。ものすごい数です。最近は周辺に供給物件もなく、年内完売を目指します」と手ごたえを感じていた。

 同社としては今回が初のZEHマンションだが、次々と申請しているという。

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模型(北西側)

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 同社のニュース・リリースを読んで、間違いなく売れると読んだが、立地条件とモデルルームの質を確認したくて見学をお願いした。

 第1期47戸の登録を開始したばかりですでに40の申し込みがあるように、お客さんから高い評価をもらっていることが分かる。

 モデルルームの出来は文句なしにいい。いまどき坪300万円台の前半でキッチンカウンタートツプに御影石を標準装備しているものはほとんどなくなっている。二重サッシにしているのは、ZHH基準を満たすためなのに納得した。

 前回の記事でも書いたが、完成予想図は北西側立面図のためこのようなデザインとなった。

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現地(南西側から)

大和ハウス工業 「ZEH-M Ready」認定の「プレミスト平和台」販売開始(2020/9/12)

カテゴリ: 2020年度
 

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