不快な臭い芬々 〝住みやすい〟街ランキング調査 無聊をかこつ記者のつぶやき
この前、どこかのテレビ局が、〝住みたい〟ではなく〝住みやすい〟街ランキングで「川口」がトップになったと報じた。
そのまま見過ごしてもよかったのだが、新型コロナの影響で現場取材が極端に減った分だけストレスがたまり、無聊をかこつ小生の胡乱な神経を刺激するものがあった。以下は暇に飽かせて調べた住みたい街やら住みやすい街についての小生なりの見解だ。もちろん人それぞれ。誰がどこに住もうが住みたいと考えようと勝手だ。それに異論をはさむ意図は全くないことを最初に断っておく。
この〝住みやすい街〟は、アルヒ(ARUHI)の「住みやすい街大賞」のことで、①住環境②交通利便性③教育環境④コストパフォーマンス⑤発展性の5つの項目について住宅評論家などが審査して発表しているものだ。
これによると2021年のベスト10は①川口②大泉学園③辻堂④有明テニスの森⑤大井町⑥たまプラーザ⑦小岩⑧花小金井⑨千葉ニュータウン中央⑩浦和美園の順だ。
前年2020年のベスト10は①川口②赤羽③たまプラーザ④柏の葉キャンパス⑤入谷⑥王子⑦武蔵小金井⑧小岩⑨ひばりが丘⑩東雲で、2019年は①赤羽②南阿佐ヶ谷③日暮里④川口⑤柏の葉⑥勝どき⑦南千住⑧千葉ニュータウン⑨小岩⑩矢向の順だ。
冒頭に書いたように〝そうなの〟と受け流してもいいのだが、川口、赤羽が選ばれるのになぜ浦和、大宮、所沢はないのか、浦和美園、矢向、辻堂、東雲などと同レベルの街は数百か所はあるのではないかという疑問が沸々と湧いてきた。一方で坪単価400万円もするたまプラーザが上位にランクされる…この選定の根拠がまったく理解できない。
また、この大賞にはシニア向けも紹介されており、2021年は①武蔵小山②南大沢③平塚がベスト3だ。
南大沢がシニア向けというのも不思議だ。ここには葬儀場も老人向け施設もあるが、坂も多くバリアフリーに問題がある。アウトレットパークもシニア向け商品は少ない。
わが街・多摩センターのほうが南大沢と比べたらポテンシャルははるかに勝ると小生は思う。駅前のスーパーはものすごく安いし、金がなくても散歩する公園などに事欠かない。とはいえ、シニア向けに選ばれたら猛反発する。判断するのは他ではない、消費者だからだ。
どうもこの大賞は、他のランキングに対抗するためか差別化を図るためか、あるいは選者の趣向の反映なのか判然としないが、恣意的というか政治的な不快な臭いが芬々とする。デベロッパーの影もちらほら見え隠れするといっては失礼か。どこそこのラーメン、餃子がおいしいなどというB級グルメ紹介サイトと同じかそれ以下だ。
これよりは、いわゆるMAJOR7の全国のマンション購入意向者約78万人を対象にした「住んでみたい街アンケート」のほうが〝王道〟を行くような気がする。あれやこれやの前提条件をつけずストレートに消費者に聞いているからだ(結果としてMAJOR7が分譲するエリアが上位にランクされることはあるが)。
その最新の第32回の結果はどうか。①恵比寿②目黒③吉祥寺④自由が丘⑤横浜⑥品川⑦中目黒⑧表参道⑨二子玉川⑩代々木上原がベスト10だ。以下、⑪広尾⑫四ツ谷⑬代官山⑭東京⑮麻布十番⑯豊洲⑰飯田橋⑱渋谷⑲青山一丁目⑳茗荷谷㉑たまプラーザ㉒池袋㉓荻窪㉔鎌倉㉕中野㉖みなとみらい㉗代々木㉘学芸大学㉙高輪ゲートウェイ㉚市ヶ谷㉛白金台㉜三鷹㉝新宿㉞三軒茶屋㉟新浦安㊱目白㊲浦和㊳田町㊴神楽坂㊵白金高輪がベスト40だ。
これと似たものでは、リクルート住まいカンパニーの関東圏に居住している20歳~49歳の7,000人を対象にした「SUUMO住みたい街ランキング」調査がある。
2020年では①横浜②恵比寿③吉祥寺④大宮⑤目黒⑥品川⑦新宿⑧池袋⑨中目黒⑩浦和がベスト10。以下、⑪渋谷⑫東京⑬鎌倉⑭中野⑮表参道⑯自由が丘⑰赤羽⑱二子玉川⑲さいたま新都心⑳武蔵小杉㉑船橋㉒北千住㉓立川㉔たまプラーザ㉕柏㉖川崎㉗海老名㉘荻窪㉙三軒茶屋㉚藤沢㉛千葉㉜桜木町㉝三鷹㉞上野㉟津田沼㊱秋葉原㊲舞浜㊳みなとみらい㊴つくば㊵青山一丁目がベスト40。
このほかのランキングも紹介する。長谷工アーベストはWEBアンケート形式の「住みたい街(駅)ランキング」を発表しており、今年の首都圏ランキングでは、①横浜②吉祥寺③大宮④浦和⑤立川⑥三鷹⑦恵比寿⑧品川⑨池袋⑩船橋の順でベスト10入りしている。
大東建託も「住みたい街(駅)ランキング」を発表している。①吉祥寺②横浜③恵比寿④みなとみらい⑤鎌倉⑥自由が丘⑦中目黒⑧新宿⑨大宮⑩池袋の順。
LIFULL HOME'Sは「買って住みたい街」ランキング。2020年のベスト10は①勝どき②恵比寿③三鷹④北浦和⑤東京⑥八王子⑦浦和⑧町田⑨二子玉川⑩大井町の順。
まだある。東洋経済新報社の「住みよさランキング」だ。安心度、利便性、快適性、富裕度の4項目20指標を全国の自治体ごとに数値化し、順位づけしているものだ。
2020年は①野々市市(石川)②文京区③武蔵野市がベスト3。ベスト10のうち6市が石川、福井県。首都圏では渋谷区が13位、21位に新宿区、23位に立川市、24位に台東区、29位に豊島区がランクされている。
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以上、様々なランキングを紹介した。東洋経済のランキングは調査指標に問題があるといいたいのだが、言い出したらきりがない。ここでは言わないことにする。ランキング全体で共通するのは、選ばれた街(駅圏)のマンション坪単価は一部の郊外を除き300万円を突破することくらいか。
注目したいのは東京だ。過去のランキングを調べていないが、少なくとも10年前までは20位にも入っていないはずだ。住む街として認識されていなかった「東京」を日本の中心地としての地位を不動のものにした三菱地所はさすがというべきか。
記者も懐具合や家族、仕事のことを考慮に入れず、住みたい街をあげるなら真っ先に東京駅を中心に日本橋、銀座を選び、その次に赤坂、青山、六本木、神楽坂、神保町、大森、三浦半島などを選択する。わが多摩センターは年寄りには結構つらい。
東京、日本橋、銀座は文句なし。どうして三菱地所は東京駅周辺でマンションを分譲しないのか不思議だ。坪3,000万円でも安いと思う。神保町は本好きにはたまらない街だし、大森は「馬込文士村」を散歩したいからだし、三浦半島は海が好きだから選ぶ。
吉祥寺は選ばない。いいのは井の頭公園周辺だけで雑多な街だ。自由が丘は何度行ってもよく分からない街だ。
〝穴場〟などはないが、強いてあげるなら、どこのランキングにも一駅も選ばれておらず、割り負け感が著しいわが京王線と東武スカイツリーライン(東武伊勢崎線)、京急線だ。
京王線は2022年度の完成を目指し、笹塚駅-仙川駅間の道路と鉄道との連続立体交差事業を行っている。25か所の踏切をなくし、この間の7駅は高架駅となる。そうなれば一挙に利便性が高まる。
東武スカイツリーラインはとっくに複々線化がされており、日比谷線、千代田線、つくばエクスプレスとの接続もされている。遅延がもっとも少ない沿線の一つだ。
山がちの海岸線を走る京急線は、車窓からの光景が目まぐるしく変わりすっかり遠足気分にしてくれるのがいい。真夏に制服姿の青臭い防衛大の学生に出会うと性的興奮を覚えるし、せわしなく行き交う船が止まって見える観音崎ホテルからの眺望は全てを忘れさせてくれる。
JRと並行して走っているためか、負けてなるかと予定時刻より早く着きすぎて国交省から目玉を食らったというのもほほえましいではないか。
成長が見込める街(駅)では京葉線南船橋をあげたい。穴中の穴はここだ。いま三井不動産レジデンシャルが駅前でマンションを分譲しているが、坪単価は204万円だ。東京駅まで約30分。これほど安いエリアはまずない。
隣接する駅前の市有地約45,242㎡の再開発計画も決まった。三井不動産グループが商業、物販、飲食、サービス、公園のほかマンションも建設する。ここも劇的に変わるはずだ。
もう一つ。記者は街(駅)のポテンシャルを左右するのは①ホテル②デパート③緑環境、歴史・文化を感じさせる施設の3つだと考えている。ホテルは冠婚葬祭機能を備えたもので、デパートは最近流行らないので大型商業施設に置き換えてもいい。緑環境は街路樹や公園など、歴史・文化施設はコンサートホールなどだ。
この3つを満たす街(駅)は、山手線ターミナルなどを除くと意外と少ない。東京都は立川、八王子、神奈川県は横浜、みなとみらい、川崎くらいで、埼玉県と千葉県は皆無だ。(わが多摩センターはかつてこれを満たしていた)
まだまだ書きたいことはあるが、この辺でやめておく。言いたいのは〝住めば都〟だ。消費者の方々は雑音に惑わされず賢明な選択をしてほしいということだ。
大京 駅直結の再開発複合「瀬谷」 全戸の半分以上の第1期70戸 ほぼ完売
「ライオンズ横濱瀬谷」
大京が分譲中の相鉄線瀬谷駅直結の再開発複合マンション「ライオンズ横濱瀬谷」を見学した。10月下旬に分譲した第1期1次・2次(70戸)がほぼ完売するなど想定外の好調な売れ行きとなっている。
物件は、相鉄本線瀬谷駅から徒歩1分、横浜市瀬谷区瀬谷4丁目の近隣商業地域に位置する10階建て全144戸(販売戸数は128戸)。専有積は52.39~81.06㎡。平均坪単価は300万円前後。竣工予定は2021年9月8日。設計はアール・アイ・エー。施工は戸田建設。デザイン監修はウイ・アンド・エフ・ヴィジョン石倉雅俊氏。
10月23日から第1期1次(45戸)と2次(25戸)を分譲し、これまでにほぼ完売。12月中旬から第2期(戸数未定)を分譲する予定となっている。
プロジェクトは「瀬谷駅南口第1 地区第一種市街地再開発事業」として施行されているもので、事業面積は約1ha。物件は敷地は東西軸が長い長方形で、南側の幅員14mなど三方に接道。瀬谷駅とペディストリアンデッキで直結される。建物の1・2階に商業店舗(イオン)、3・4階に区民文化センターなど公共施設が入居する。駅前には広場が整備される。
これまでの再開発の経緯は、1999年に「瀬谷駅南口A地区再開発協議会」発足、2015年に都市計画決定、2016年に組合設立、2018年に権利変換計画の認可を受け、2019年に着工。同社は2016年、参加組合員として事業に参画している。
住居は3階からで全て南向き。プランは50㎡台が5スパン、60㎡台が8スパン、70㎡台が4スパン、80㎡台が1スパン。
主な基本性能・設備仕様は二重床・二重天井、リビング天井高2450ミリ、ディスポーザー、食洗機、御影石キッチンカウンター、通気機能付き玄関ドア、通気ルーバー付き扉、Low-Eガラス、グリーンカーテン用フックなど。
同社は販売状況について、想定外の人気で、来場者に占める契約者の割合が高く、成約者の約6割が瀬谷区居住者で、7~8割が横浜市民、年代は30代から60代がほぼ同じ比率、賃貸・社宅などと持家比率は半々としている。新型コロナの影響については不明としている。
モデルルーム
モデルルーム キッチン(ポケット付きなのが特徴)
◇ ◆ ◇
相鉄線の駅前再開発マンションでは、4年前に分譲された相鉄不動産・三井不動産レジデンシャル・野村不動産の3社JVの29階建て免震「グレーシアタワー二俣川」(421戸)が、JRや東急線に乗り入れることが決定されたあとで、坪単価280万円という割安感もあり、第1期として380戸も供給され圧倒的な人気を呼んだ。
今回は、横浜駅からだと二俣川駅の先だが、一駅先の大和駅で小田急線と接続し、さらにその先には大量のマンションが分譲されている海老名駅があるので、どれほどの人気になるか興味があった。第1期で分譲戸数の半分以上を供給し、ほぼ完売というからこれまたすごい人気なのだろう。
もう一つ、坪単価がいくらになるかにも注目していたのだが、300万円前後というのはかなり抑制的とも考えられるし、第一次取得層の取得能力を考えるとこれが限界とも受け止められる。
商品企画では、同社が力を入れているパッシブデザインがほぼ全て採用されているのが特徴だ。Low-Eガラスのマンション採用率は高くないので強調しておく。全戸南向きなので夏と冬の冷暖房費はかなり削減できるはずだ。
分節デザインが特徴の外観
現地
約8.7haの〝緑〟に近接 明和地所 同社初のZEH「横濱綱島」分譲開始
「クリオレジダンス横濱綱島」
明和地所が11月27日に販売開始した創業35周年記念プロジェクト「クリオレジダンス横濱綱島」の検地を見学した。同社初の「ZEH-M Oriented(ゼッチ・マンションオリエンテッド)」を採用した全100戸。
物件は、東急東横線綱島駅から徒歩16分(横浜市営地下鉄グリーンライン日吉本町駅から徒歩10分)、横浜市港北区綱島西五丁目に位置する7階建て全100戸。専有面積は61.77~85.16㎡、第1期(9戸)の価格は4,892万~6,988万円(61.77~80.01㎡)。竣工予定は2022年3月下旬。設計はいしばし設計。施工は大勝。
現地の用途地域は一部準工業地域だが、マンション化が進んでおり、嫌悪施設はほとんどない。敷地西側に2004年竣工の「ディアパークスコンフォートスクエア」(436戸)に、敷地北側は2007年竣工の「リステージ綱島ラグシス」(47戸)に隣接。小学校へは徒歩5分、綱島市民の森へは徒歩7分。綱島市民の森-綱島台公園-綱島公園全体で約8.7haもある。
建物はコの字型で、標準階は南向きが9戸、中庭を挟んだ東向きが3戸、道路に面した東向きが4戸構成。
主な基本性能・設備仕様は、一次エネルギー消費量比20%以上削減するZEH、リビング天井高2400ミリ、70㎡の南向きは6400ミリのワイドスパン、ディスポーザー、食洗機、二重サッシ、グリーンカーテン用フック、バルコニースロップシンク、ミストサウナ、通風窓・換気機能付き玄関ドアなど。
同社建設担当者は「先進的なZEH-Mやパッシブデザインなどの新しい住まいの考え方を取り入れ、住まわれる方が自然を感じて心地よく暮らせる住まいを追求。住戸玄関の窓や通気口付きの玄関ドアから風が通り抜けるようなプランとし、敷地の中心にある水盤とシーズンガーデン(中庭)は、四季折々の変化を楽しめる植栽や、それを映す水盤の景色にこだわって計画しました」とコメントを寄せている。
現地
現地近くの横浜市指定有形文化財に指定されている「飯田家住宅」
綱島公園入口
神戸開港150年記念PJ 住友不他「ベイシティタワーズ神戸」全700戸 坪300万円も
「新港突堤西地区(第1突堤基部)再開発事業」地域
住友不動産と関電不動産開発は11月26日、神戸開港150年記念プロジェクト開発エリア内のツインタワーマンション「ベイシティタワーズ神戸」全700戸の販売活動を開始すると発表した。販売開始は来年1月下旬の予定で、海側の中層階の100㎡タイプは1億円(坪単価330万円)を超えるとみられる。問い合わせは1,500件超となっている。
現地は、神戸開港150年記念プロジェクトに位置付けられている「新港突堤西地区(第1突堤基部)再開発事業」地内に位置。住友不動産を代表とする6社のコンソーシアムによって「住宅」「商業」「業務」「文化」などの複合街づくりが進められている。
物件は、開発地区内の唯一のマンションで、立地特性を生かし3LDKを中心に41~105㎡まで多彩なプランを揃え、一次取得者から買替え・セカンドハウスニーズまで幅広い顧客層を想定。角部屋住戸には足元近くから天井近くまで広がる「ダイナミックパノラマウィンドウ」を採用する。スカイラウンジ、フィットネスジムなど共用施設の充実も図る。
このほか開発地内には、①文化施設棟「神戸ポートミュージアム」(4階建て延床面積約7,283㎡)②業務商業棟「STAGE FELISSIMO」(8階建て延床面積約8,548㎡)③業務商業棟「GLION Awa-s Building」(10階建て延床面積約11,365㎡)④駐車場棟(6階建て延床面積約11,935㎡)が整備され、2021年から順次稼働する。
各建物はペデストリアンデッキで相互に繋なげられ、水辺デッキや緑地公園・公開空地などのオープンスペースを確保した開放感のある敷地計画となっている。
来年4月には神姫バスが、三宮駅とウォーターフロントエリアを結ぶ連節バスの運行を開始する予定。
物件は、JR東海道線三ノ宮駅から徒歩15分、神戸市中央区新港町の商業地域、準工業地域(建ぺい率60%、容積率500%)に位置する敷地面積約10,600㎡、27階建てWEST347戸・EAST353戸の2棟の全700戸。プランは3LDKを中心に41~105㎡。完成予定はWESTが2023年1月中旬、EASTが2024年9月下旬。設計・施工は前田建設工業。
◇ ◆ ◇
記者は2年前、三菱地所レジデンスなど4社JVの「ザ・ パークハウス 神戸タワー」(352戸)のプロジェクト発表会・モデルルーム内覧会を取材したとき、今回の「新港突堤西地区(第1突堤基部)再開発事業」エリアまで足を運んだ。
アクセスにはやや難があると思ったが、三宮駅とウォーターフロントエリアを結ぶ連節バスが運行されるのでその難点はずいぶん解消されるのだろう。
何よりも代えがたいのは立地だ。東京都でいえば湾岸エリアの晴海・有明・勝どき・豊洲、芝浦、みなとみらい、新浦安、海浜幕張などだろうか。海好きにはたまらないマンションになるはずだ。
問題の価格はどうだろう。「ザ・ パークハウス 神戸タワー」は坪単価266万円だった。住友不動産は「海側の100㎡の角住戸は1億円を突破する」としているので、平均で300万円台に乗る可能性が大きいと見た。同社は広島駅前で坪単価300万円のマンションを3年前に分譲している。
再開発マンション 完成予想図
隣接明大校舎の巨木の借景見事 日本初の木造ハイブリット 野村不「神田駿河台」
「プラウド神田駿河台」現地
構造部に木質系構造部材を使用した日本初の木造ハイブリッドマンションとして注目されている「プラウド神田駿河台」を見学した。期間62年の定期借地権付きで、売れ行きも好調のようだ。
物件は、JR中央総武線御茶ノ水駅から徒歩5分、千代田区神田駿河台一丁目の商業地域に位置する鉄筋コンクリート造(一部木造軸組工法)14階建て全36戸。直近で第2期として分譲した住戸(4戸)の価格は8,099万~1億6,199万円、専有面積は48.51㎡・79.66㎡。坪単価は650万円。敷地は期間62年(2083年まで)の定期借地権付き。地代/月額は10,400円・17,070円(2年目以降3,400円・5,580円)。竣工予定は2021年2月下旬。施工は竹中工務店。第1期14戸を2020年9月から分譲開始している。
現地は、明大通り-とちの木通りから一歩入った高台で、明治大学キャンパスに隣接。山之上ホテル、錦華公園、お茶の水小学校に近接。
建物は南南西向きで、中層階(2~11階)に単板積層材LVL(Laminated Veneer Lumber。原木をかつら剥きの要領で切削して厚さ2~4mmの単板にし、繊維方向を平行にして積層・接着して作られる木質パネル)と鉄筋コンクリート造耐震壁を組み合わせた「LVLハイブリッド耐震壁」を、高層階(12~14階)に直交集成板CLT(Cross Lamitnated Timber。板の層を各層で互いに直交するように積層接着した木質パネル)を用いた「CLT耐震壁」と耐火集成材「燃エンウッド®」を使用。構造部材の木材は鹿児県産スギと山梨県産アカマツ。
住戸は3~11階まで1フロア3戸、12~14階が1フロア2戸構成。主な基本性能・設備仕様はリビング天井高2,700(11階まで)~2800ミリ(12階から)、階高3200~3400ミリ、二重床・二重天井、食洗器、木製フローリング、木製壁パネルなど。共用部エントランスの壁や床・住戸内の天井の一部に無垢の杉材を採用する。
眺望 イメージ
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物件の最大の特徴は「神田駿河台」の立地と、借景・眺望のよさだ。
物件ホームページに「神田駿河台1丁目は、昼間人口20,483人に対し、常住人口62人の街」とあるように、「駿河台一丁目」は明治大学、日本大学、駿台予備校、アテネ・フランセなどの文教・学園エリアとして知られており、マンションは2~3年前に三井不動産レジデンシャルが分譲した「パークコート千代田駿河台ヒルトップレジデンス」(50戸)くらいしかないのではないか。
現地は、敷地南側の明大キャンパスの樹齢100年を優に超えそうな巨木が借景になっている。低層階はその巨木の日影を受けそうだが、明大校舎との比高差は3~4層くらいありそうで、建物の影響は受けないはずだ。価格も想定内だった。
参考までに。同社は10年前、東大赤門に隣接した「プラウドタワー本郷東大前」(72戸)を分譲した。坪単価は360万円。施工は今回と同じ竹中だった。圧倒的な人気を呼んだ。
◇ ◆ ◇
同社は先月末、分譲マンションブランド「PROUD(プラウド)」の独立した共用棟の構造やラウンジ、キッズルーム、ライブラリーなどの共用部内装には原則国産木材を用いていく方針を決定したと発表した。〝木造ファン〟の記者としてはどうしても見ておきたいマンションだった。
木造ハイブリット建築物は、三井不動産が今年9月、国内最大・最高層となる17階建て、高さ約70m、延床面積約26,000㎡の賃貸オフィスビルを中央区日本橋本町で2025年の竣工を目指すと発表したので、今回の「神田駿河台」が〝日本一〟でいられるのは現時点で5年間しかないが、〝木造の時代〟はいよいよ本物になってきた。
とちの木通り
野村不動産「プラウド」 独立共用棟・共用部内装に国産木材の原則採用(2020/10/30)
「一団地の住宅施設」廃止 野村不・旭化成不レジ「向原第二住宅団地」建替組合設立
「向原第二住宅団地」建て替え後イメージ図
野村不動産と旭化成不動産レジデンスは11月24日、板橋区の「向原第二住宅団地」のマンション建替組合設立が認可されたのを受け11月22日に建替組合が設立されたと発表した。
「向原第二住宅団地」は、東京都住宅供給公社により「一団地の住宅施設」を活用して分譲された1969年竣工の分譲住宅246戸。築後50年が経ち、耐震強度の不足に加え、設備配管の劣化・断熱・遮音性の不良など、建物の老朽化の問題を抱え、2005年頃から向原第二住宅団地管理組合法人にて建替えを含む再生の検討が開始された。
両社は2014年8月から事業協力者として参画し、権利者との合意形成活動など、建替えに向けた事業協力を行ってきた。今年4月29日に一括建替え決議が成立した。
一団地の住宅施設の都市計画を廃止し、地区計画を新たに導入したため、容積率は70%から200%へアップされたため建て替えが実現した理由の一つ。
今後は、2021年7月の解体工事着工・2024年夏の竣工を予定。500戸のマンションへと生まれ変わる。
「向原第二住宅団地」は、東京メトロ副都心線・有楽町線小竹向原駅から徒歩5分、板橋区小茂根一丁目に位置する敷地面積約18,312㎡。従前は5階建て6棟246戸(専有面積約51㎡)。建て替え後は12階建て・7階建て全500戸(専有面積約50~約91㎡)。竣工予定は2024年8月。
「向原第二住宅団地」
イオンに直結 東京日商エステム 第2弾「ヨコハマ シンミライ プロジェクト」
「ヨコハマ シンミライ プロジェクト(エステムコート横浜新吉田レジデンス)」
東京日商エステムが11月14日から分譲開始した「ヨコハマ シンミライ プロジェクト(エステムコート横浜新吉田レジデンス)」を見学した。同社のファミリー向けマンションとしては第2弾で、約7年供給のない「新羽(にっぱ)駅」が最寄駅だが、周辺エリアの価格が上昇しており、人気を集めるか。
物件は、横浜市営地下鉄ブルーライン新羽駅から徒歩6分、横浜市港北区新吉田東8丁目の準工業地域に位置する7階建て118戸。竣工予定は2022年1月末頃。設計・施工・監理は長谷工コーポレーション。販売代理は長谷工アーベスト。デザイン監修はウイ・アンド・エフ ヴィジョン(石倉雅俊氏)。
現地は、敷地西側と北側に接道する二方角地。東側は24時間営業のイオン、南側は低層住宅、西側は道路を挟んで新田公園に隣接。用途地域は準工地域だが、嫌悪施設はほとんどなく、小学校へも徒歩4分の立地。
建物はT字型で、標準階の住戸は70㎡台以上が中心の南向き8戸、50~100㎡台と多彩なプランバリエーションを揃える西向き9戸構成。
主な基本性能・設備仕様は、ディスポーザー、食洗機、生活水は浄活水装置付きの洗浄効果が高く経済的な「ESTEM WATER」、バルコニースロップシンクなど。トイレはINAXのタンク付き。
このほか、共用施設にはコンシェルジュルーム、集会室、ゲストルーム、リモートルーム2戸。
販売事務所
販売事務所
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記者は初めて同社のマンションを見学したが、同社のファミリー向けマンションは平成31年竣工の西川口駅から徒歩2分の「エステムコート川口並木サウスガーデン」115戸に次ぎ2棟目だという。
商品企画などは、全戸にスロップシンクを装備し、水の入口に浄活水装置をとりつけ、快適なバスタイムを楽しむことができるミストシャワーを採用しているのは同社のこだわりか。
もう一つ驚いたのは、販売事務所の外構に中低木の植栽を施し、エントランスにも幅約3m、種類にして約30種の観葉植物を配していることだった。
記者は3年前、モデルルームのケミカル製品・造花を止めろと書いた。その後、フェイクを止めるところも増えてきたが、まだまだ不十分だ。同社はすべてではなかったが、この規模のマンションに本物の観葉植物を採用していたのが嬉しかった。
価格について。記者はブルーラインのマンションを結構見学している。隣駅の仲町台駅圏ではモリモトと大京の物件が素晴らしかった。単価は前者が坪260万円、後者が坪290万円だった。今回の「新羽駅」は初めて降り立ったので相場は全く分からなかったが、立地条件からしてボトムで坪250万円、アッパーで坪280万円とはじいた。アッパーの価格になってもストライクゾーンだと思う。新横浜駅圏の明和地所の物件は坪320~330万円でも売れ行きは好調だ(51戸のうち残りは17戸)。チラシにはYAHOO!JAPAN不動産の神奈川県資料請求数第1位(9月1日~10月31日)とあった。
東京日商エステムは記者も名前だけしか知らなかったが、日商エステムグループはこれまで23,000戸超を供給しており、イメージキャラクターに女優の相武紗季さん(記者は全然知らないが、かみさんに「あなた失礼よ。みんな知ってるわよ」と言われた)を起用し、大阪道頓堀ではあの「グリコ」の隣に広告看板を20年以上も出しており、〝知らない人はいない〟そうだ。首都圏での第3弾は今のところ決まっていないと聞いた。
隣接公園から現地を写す
隣接のサカタのタネのメタセコイア圧巻 大京のZEH-M「仲町台」 販売好調(2020/2/21)
ナイス 免震「新横浜」 好調スタート 第一期35戸完売へ(2019/10/31)
樹影を映し込む外観 まるで絵画のよう モリモト「アールブラン横浜仲町台」(2017/10/24)
いい加減にしてほしい モデルルームのケミカル製品・造花の氾濫(2017/5/23)
三井不レジ・鹿島・清水「パークタワー勝どき」第1期1次は237戸 坪単価425万円
「パークタワー勝どきミッド/サウス」
三井不動産レジデンシャル、鹿島建設、清水建設の3社は11月18日、都営大江戸線勝どき駅直結の全2,786戸の再開発大規模マンション「パークタワー勝どきミッド/サウス」の第1期1次237戸の販売を11月20日(金)から開始すると発表した。
「勝どき東地区第一種市街地再開発事業」に事業参画して分譲するもので、2019年12月に物件HPでエントリー受付を開始して以来、エントリー数は約9,500件、2020年9月4日から開始したモデルルームの事前案内会は1,700組以上(11月15日時点)の来場者を集めている。
来場者は、地元の中央区勝どき、晴海エリアを中心に中央区から約5割、江東区から約1割強、港区から約1割。年齢層は30代~40代、家族構成はDINKS、子育て世代のファミリーを中心に単身者、アクティブシニアなど。
また、コロナ禍を受け三井不動産レジデンシャルが実施した「アフターコロナのすまいやくらしに関する意識調査」では、テレワークとオフィス勤務が両立できる働き方や共働き比率の高い住宅検討層に支持されているとしている。
同事業は1988年に「勝どき街づくりを考える会」発足以降、2014年に都市計画決定、2015年に再開発組合設立が設立された。「BRIDGE TO THE NEXT」を街づくりコンセプトに掲げ、勝どきエリアの新たな賑わいと憩いの場として広大な緑地と水辺を抱く街「GRAND MARINA TOKYO」を整備する。
「パークタワー勝どきミッド」の地下1 階~地上3 階にはスーパーマーケットやコンビニエンスストア、クリニック、飲食店舗などが入居する約3,950㎡の商業施設、保育所、天候に関係なく様々なスポーツが楽しめる約840㎡の屋内型多目的運動スペースのスポーツアリーナ、4 階~7 階にはオフィスが配置される。ニューノーマル時代のくらしに対応するため、「パークタワー勝どきミッド/サウス」には個室ブース付の約300㎡リモートワークスペースやオンラインフィットネスが可能なパーソナルスタジオを設置する。
物件は、都営大江戸線勝どき駅から徒歩1 分、中央区勝どき4丁目に位置する45階建て「ミッド」1,121戸(販売戸数570戸)と58階建て「サウス」1,556戸(同1,109戸)の全2,786戸(同1,679戸)。第1期1次の価格は7,260万(55.80㎡)~3億3,980 万円(153.05 ㎡)。最多価格帯は9,200万円台。全体坪単価は425万円。施工は「ミッド」が清水建設、「サウス」が鹿島建設。完成予定は2023年8月下旬。
モデルルーム パース
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モデルルームを見ていないので何とも言えないが、坪単価は抑制気味だと思う。三井不動産レジデンシャルと野村不動産が2年前に分譲した月島駅から徒歩2分の32階建て全503戸の「MID TOWER GRAND」(分譲は387戸)は434万円で、ほぼ1年で完売した。
ただ、マンション購入検討者にとって悩ましいのは「HARUMI FLAG」との選択だ。もちろん交通便がまるで異なり、単価、入居時期なども異なるが、全体的な質を考慮すれば「HARUMI FLAG」も捨てがたい。「勝どき」を選択する人は「HARUMI FLAG」を検討しなかったのだろうか。
セントラルラグーン
コワーキングスペース
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注目したいのは、コロナ禍の8月に三井不動産レジデンシャルが行った「三井のすまいLOOP 会員(n=6,169)」と「三井不動産レジデンシャル販売物件資料請求者・来場者(n=1,343)」を対象とした「アフターコロナのすまいやくらしに関する意識調査」の結果だ。
回答者(うち約70%が共働き世帯)の73.2%がテレワーク(出社/在宅の併用を含む)を経験したと答え、75.1%が収束後には「オフィスとテレワーク」の併用を希望。
また、テレワークを経験した人に対して「今後のテレワーク場所の意向」を調査したところ、自宅内の「書斎」「自分の部屋」のニーズが高く、在宅勤務経験者の55.1%は「自宅・オフィス以外」のテレワークも希望していることが分かった。
さらに、共働き比率の高い住宅検討層にとってもっとも譲れないのは「生活利便性の高さ」(68.5%)、「住環境が良いこと」(54.9%)が高い数値を示した。
コロナ前後の住宅希望エリアの変化(2020年3月以前からの住宅検討者:n=1,590)を聞いたところ、「都心エリア希望で変わらず」は57.4%、「郊外エリア希望で変わらず」は16.5%、「都心エリア⇒郊外エリア希望に変化」は7.5%、「郊外エリア⇒都心エリア希望に変化」は1.3%だった。
記者が注目したのは、この「都心エリア⇒郊外エリア希望に変化」から「郊外エリア⇒都心エリア希望に変化」を差し引いた6.2%(約99人)が「郊外エリア」を選択したことだ。全体の住宅検討層はこの100倍以上あるので無視できない数値だ。
新型コロナが今後住宅市場にどのような影響を与えるか不透明な部分もあるが、住宅に「書斎」や「自分の部屋」を希望する人が増え、さらにまた「住環境の良さ」を譲れないとする回答者が多く、最近の郊外マンションや分譲戸建ての売れ行きなどを加味すると〝郊外志向〟は加速するとみている。駅近や専有圧縮型だけでは競争に勝てない。
三井レジ 「月島」再開発タワー「MID TOWER GRAND」第1期189戸 坪単価434万円(2018/7/17)
決め手は3LDK70㎡超中心の企画 タカラレーベン「戸田公園」第1期40戸 販売好調
「レーベン戸田公園GRANVARIO」
タカラレーベンが分譲中の「レーベン戸田公園GRANVARIO」を見学した。アクセス、行政力、駅5分と70㎡超中心の企画が奏功、分譲開始約1か月で全58戸の7割程が進捗。同社第二営業グループ第2営業部次長・花田崇好氏「3LDK70㎡超中心とした当社の企画の勇気ある決断に感謝」と企画の勝利であることを強調した。
物件は、JR埼京線戸田公園駅から徒歩5分、戸田市川岸3丁目の第二種住居地域に位置する8階建て全58戸。専有面積は64.60㎡~86.85㎡。竣工予定は2021年11月中旬。設計・監理はデベロップデザイン。施工は埼玉建興。デザイン監修はウイ・アンド・エフヴィジョンの石倉雅俊氏。
現地は、駅から遊歩道を通り、信号を渡ってすぐ。敷地は隣接のロイヤルホームセンターと一体となった4面道路(一部歩行者専用道路)に接道。建物はI型で全戸南西向き。
主な基本性能・設備仕様は、二重床・二重天井、食洗器、たからの水、ワイドフローリング、掃き出しサッシ(1部除く)、約7,000ミリ前後のワイドスパンなど。騒音対策にもなる二重サッシ(一部除く)を採用している。
9月12日にモデルルームをオープンし、これまで200組以上の来場を集め、第1期40戸の販売は好調。来場希望が多いため、朝の8時から対応しているときもあった。
販売担当の花田氏は、「私は入社16年目。売れるとは思っていましたが、これほど人気になるとは予想外。このエリアでは類を見ない販売スピード。周辺の赤羽や川口も坪単価が例年よりも高くなってきており、それらと比べると値ごろ感があり、戸田市は財政力も豊かで、住みやすさランキングでは県内トップ(東洋経済新報社・都市データパック)。
それと駅5分の立地でありながら、同業他社がグロスを抑えるため専有面積を圧縮している中で居住面積を3LDK70㎡超中心とした商品企画がヒットにつながった。過去、このエリアで12棟販売してきた経験を生かした結果だ。74㎡超えのモデルルームも約7,050ミリのワイドスパンで、中広域から集客できる力がある」などと話した。
モデルルーム
モデルルーム
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物件特性を的確に捉え、過不足なく説明してくれた花田氏に脱帽だ。記者はもう言うことがない。先日、同社の高荒モデルを〝タカラの宝〟と書いたが、花田氏の名前も「崇好」(たかよし)ではないか。花田氏も〝タカラの宝〟の1人に追加することに決めた。
花田氏が担当した過去の物件についても聞いた。入社してすぐ担当した商業施設との複合「川越南古谷」や旧本社跡地の「中板橋」のほか「南大沢」「水戸」「北千住」「本厚木」などの物件が挙がった。記者も何物件か取材している。経験を共有できたのがとてもうれしかった。
現地に隣接する公園から写す
〝タカラの宝〟進化する高荒モデル 圧倒的な人気「レーベン検見川浜GRANVARDI」(2020/10/9)
三菱地所レジ他 名古屋駅圏の複合「ノリタケの森地区」第1期200戸に2.1倍登録
「ノリタケの森地区計画」俯瞰図
三菱地所レジデンスは11月12日、名古屋駅徒歩圏の三菱商事都市開発、野村不動産とのJVマンション「ザ・パークハウス 名古屋」第1期200戸が最高倍率17倍、平均2.1倍に達したと発表した。この戸数は名古屋市内過去4年の最多戸数。
名古屋駅から徒歩12分、約11.8haの複合開発「ノリタケの森地区計画」地内に立地する19階建て全462戸の規模。第1期の専有面積は61.22~93.16㎡、価格は4,198万~13,500万円(最多価格帯5,300万円台)。坪単価は270万円。竣工予定は2022年11月下旬。
名古屋駅徒歩圏の利便性の高さとイオンモール直結の住環境の良さ、リニア開通への期待感などが人気の要因としている。新型コロナ感染防止のため「オンライン登録」と抽選模様を「ライブ配信」した。
登録者の現居住地は愛知県68.4%(うち名古屋市50.4%)、愛知県外31.6%(東京都12.6%)。東京の会社員で会社がテレワークになるため地元で購入したいという声も複数あったという。
「ザ・パークハウス 名古屋」
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すごい数字だ。記者は2年前、積水ハウスの分譲マンションと御園座の建て替え複合再開発プロジェクト「御園座タワー」を見学した。マンションは坪単価350万円の名古屋圏最高値だったにもかかわらず、全304戸がほとんどクローズで約1年もしないうちに完売したと聞いた。
今回は坪270万円だから、ずいぶん安いような気がする。名古屋駅徒歩圏では総合地所など6社JVの42階建て「NAGOYA the TOWER」441戸を今夏に着工した。こちらは坪単価400万円を突破する可能性もあるようだ。
まあ坪単価400万円という数字は、三菱地所レジデンスの「北千住」の坪単価380万円とたいして変わらない。名古屋駅徒歩圏の坪400万円というのはむしろ安いか。