東京建物グループ 愛犬同伴型ラグジュアリー「レジーナリゾート由布院」開業へ
「レジーナリゾート由布院」
東京建物と東京建物リゾートは7月17日、2013年に開業した愛犬同伴型ラグジュアリーリゾートホテル「レジーナリゾート」シリーズの10施設目、九州初となる「レジーナリゾート由布院」を2025年秋に開業すると発表した。
「由布院」は、自然と調和した高台に位置し、くぬぎの杜の中に点在する、小さな村のような温泉リゾート。一軒家スタイルのヴィラスイート(約72~約82㎡)7棟と由布院の里山を見晴らす場所に立つメゾネットタイプのテラススイート(約69㎡)8室で構成。敷地内には由布岳を望む温泉露天風呂やドッグランを備えるほか、地元九州の旬の食材を吟味した創作日本料理を提供するレストランは愛犬同伴も可能。
東京建物グループは2024年8月、「フォーシーズンズホテル」と分譲マンションとの超高層複合タワー開発として日本初となる「フォーシーズンズホテル大阪」を、2024年9にはヒルトンのフラッグシップブランドである「ヒルトン・ホテルズ&リゾーツ」としては京都初進出となる「ヒルトン京都」をそれぞれ開業。2028年にはアコーホテルズの最高級ラグジュアリーブランド「ラッフルズ」の日本初進出となる「ラッフルズ東京」の開業を予定している。
東京建物リゾートは、ホテル事業(愛犬同伴型ラグジュアリーリゾートホテル「レジーナリゾート」9施設、リゾートホテル1施設)、ゴルフ事業(河口湖カントリークラブなど計13施設)、温浴施設事業(「おふろの王様」10施設、都市型スパ「TOTOPA」1施設)の3事業を展開している。
6月の訪日外客数 過去最多338万人 上期累計も過去最速の2,000万人突破 JNTO
日本政府観光局(JNTO)は7月16日、2025年6月の訪日外客数は前年同月比7.6%増の3,377,800人となり、6月として過去最高を記録したと発表。1~6月の上半期の累計でも21,518,100人となり、前年同期を370万人以上上回るとともに、過去最速となる6か月で2,000万人を突破した。
6月は5月と同様に夏休みシーズン前となり、訪日需要が比較的落ち着く時期であるものの、多くの市場でスクールホリデーに合わせた訪日需要の高まりがみられたことなどにより、東アジアでは中国、韓国、東南アジアではシンガポール、インド、欧米豪では米国、ドイツが伸びた。
米国で単月過去最高を更新したほか、韓国や台湾、シンガポールなど15市場で6月として過去最高を記録した。
神宮外苑問題 新たな局面へ「都の公園まちづくり制度は違法」専門家有志が主張
神宮外苑イチョウ並木(青山通りから2025年7月14日撮影)
神宮外苑地区再開発の再考を願う建築・造園・都市計画・環境の専門家有志は2025年7月2日、文部科学大臣宛てに「神宮外苑再開発事業におけるJSCによる秩父宮ラグビー場の財産処分の認可申請への不認可及び適切な指導に関する要請書」を提出した。要請書は、神宮外苑の再開発を可能にした「東京都公園まちづくり制度」そのものが違法であると主張している。多くの専門家が制度を違法としていることから、神宮外苑問題は新たな局面を迎えた。
有志に名を連ねているのは、石川幹子氏(東京大学名誉教授)、糸長浩司氏(元日本大学教授)、大方潤一郎氏(東京大学名誉教授)、原科幸彦氏(千葉商科大学前学長、東京科学大学名誉教授)、藤本昌也氏(日本建築士会連合会名誉会長)、松隈 洋氏(神奈川大学教授)で、要請書の冒頭は次のようにある。
「私たち専門家有志は、神宮外苑の文化的資産及び環境の保全を求め、2023年3月8日以来、建築・造園・都市計画・環境政策等の420人の専門家の署名をもとに「施行認可の撤回及び環境影響評価の継続審議」を求める要請書を三度にわたり都知事、都議会議長及び環境影響評価審議会会長に提出してきました。(中略)しかし、現段階では何の回答もない状況です」
続いて、「東京都は2013年に作成した『東京都公園まちづくり制度実施要綱』の『公園まちづくり制度』を神宮外苑地区に適用し、秩父宮ラグビー場を『当初都市計画決定からおおむね五十年以上経過した未供用区域』とし、都市計画公園を削除しました。そして、再開発等促進区を定める地区計画を導入し、超高層事務所ビル等を建てることを可能にする都市計画を決定しました。これらの審議過程は、民主的で透明なものとはいえないだけでなく、都市施設の都市計画決定に関する知事の裁量権の濫用に当たる違法なものです」としている。
そして、「そもそも都市計画公園等の都市施設の都市計画決定あるいは変更にあたっては、都市計画基礎調査等を踏まえ『土地利用、交通等の現状及び将来の見通しを勘案して、適切な規模で必要な位置に配するよう』定められている(都市計画法第13条第1 項第11号)にもかかわらず、当該都市計画公園に関するユーザーのニーズの動向や環境保全の必要性等を、客観的データ等を踏まえ、市民参加過程を含む正規の都市計画の審議過程を通じて十分に吟味しないまま、単に都市計画公園内の一部の土地の区域が『長期に渡って未供用』であるということを理由に当該未供用区域を都市計画公園区域から除外することは都市計画法に違反した違法な行為であるといえます。つまり、『東京都公園まちづくり制度実施要綱』は、都知事の都市計画の運用に関する著しい裁量権の逸脱を認めた違法な要綱であり、この要綱に基づく都市計画公園区域の変更も違法なものであるといえるのです」と主張している。
日本イコモスは、神宮外苑の再開発について、令和4年10月3日付「近代日本の公共空間を代表する文化的資産である神宮外苑の保全・継承についての提言」では「『公園まちづくり制度』の不適切な適用」としている。「公園まちづくり制度」そのものが違法としたのは今回が初めてと思われる。
このほか、神宮外苑の再開発に反対しているロッシェル・カップさんなどが東京都を訴えている「神宮外苑再開発事業認可取消等請求事件」では、令和6年5月10日付準備書面で「東京都公園まちづくり制度は要綱で定められた制度であるが、都市計画法の趣旨に反するものである以上、違法なものである」としている。
今気が付いたのだが、右のイチョウの枝ぶりからして、専門家が指摘している樹勢が衰えているイチョウか
移植が検討されている秩父宮ラグビー場前のイチョウ並木
◇ ◆ ◇
要請書を読んだ。都の行為が「違法行為」であると主張する方々に対して、判断材料がない段階で行政の長として答えようがないのではないか。有志の方々は、都の「東京都公園まちづくり制度」は都市計画法違反と主張するならば、「要請書」-つまり「お願い文」などという形式ではなく、事業を認可した東京都を被告とする行政訴訟を提起すべきだと思う。
しかし、都市計画法そのものは、行政の無謬主義に基づいており、都が都市計画法の何条に違反しているかを証明するのは至難の業だ。有志の方々は、違法の根拠として都市計画法第13条第1項第11号を持ち出しているか、これのどこに違反しているのか示していないし、秩父宮ラグビー場が昭和50年からずっと「未供用」(記事参照)とされてきたのは不条理だとしても、事実のようだ。全て法律が優先する。悪法も法だ。都も事業者も、施設内の「広場」を「都市公園」とは一言も言っていない。「都市計画公園」と「都市公園」は似て非なるものだ。これを混同しているから問題を難しくしている。「神宮外苑」が都市公園であるかの言説をまき散らしてきた専門家にもその責任はあると思う。(どこかの記事に、都が「未供用と断定」と書かれていたが、これは事実ではない。都市計画法でずっと「未供用」とされてきたのだ)
景観権に訴えても勝ち目はない。勝訴するためには、大量の巨木伐採によってどれほどの利益か損なわれるか科学的に証明する必要があると思うが、残念ながらわが国には、米国などで採用されている「i-Tree(都市緑地機能評価)システム」は一般化されていない。
ただ、石川幹子氏が7月14日に行われた緊急オンラインセミナー「神宮外苑で今、何が起きているのか? 」で語った「神宮内苑は代々木公園から水の供給が得られているから維持できているが、内苑も危機的状況にある。維持・管理ができないのであれば、明治神宮は国に返還すべき」という意見は傾聴に値すると思う。
〝街路樹虐待は自分の首を縛るようなこと〟藤井・千葉大名誉教授強剪定を批判(2024/7/24)
神宮外苑問題は都知事選の争点になるのか〝街路樹の味方〟の記者の独白(2024/7/2)
神宮内外苑問題・石川幹子氏外神田再開発・大城聡氏 東京1区市民連合フォーラム(2024/3/25)
氷の微笑、根回し、考え方更新、都市公園とは…神宮外苑を考えるシンポ千葉商大(2023/12/19)
秩父宮ラグビー場が「未供用」の謎「広場」は都市公園ではない神宮外苑再開発(2023/8/9)
小田急バス&ブルースタジオ なりわい賃貸「meedo」街びらき 想定の倍2000人超
「みいどまちびらき夜市」
小田急バスとブルースタジオは7月13日、「みいどまちびらき夜市」と銘打った店舗兼用賃貸住宅「なりわい賃貸住宅『meedo(みいど)』」街びらきイベントを開催。「Meedo」に入居する〝なりわい〟店舗のお披露目のほか焼き菓子、コーヒー豆、ヨーヨー釣り、ワークショップ、オリジナル雑貨、野菜市など趣向を凝らせた出店イベントに、来場者は想定1,000人の2倍強の2,000人超にのぼり、大賑わいとなった。
「meedo」は、JR三鷹駅から小田急バス28分晃華学園東「meedo」下車すぐ・京王線つつじヶ丘駅から京王バス7分徒歩1分、調布市深大寺東町2丁目の第一種低層住居専用地域、第一・二種中高層住居専用地域に位置する敷地面積約1,774㎡、木造2階建て延床面積約299㎡のA棟(住居5戸・店舗1軒)、延床面積約498㎡のB棟(住居8戸)。小田急バスが保有するバスターミナルに、ブルースタジオが企画・設計監理・運営を行うプロジェクトで、「住まいと商い・仕事が共存する“なりわい暮らし”」がコンセプト。2022年のグッドデザイン賞ベスト100を受賞した「hocco(ホッコ)」に続く第2弾。
かつてエリアには国分寺崖線の湧水用水・井戸があったことから、敷地内に設けた広場には井戸を掘り、せせらぎを設け、かまどベンチや停電時でも利用可能な自動販売機を設置し、有事の際は地域レジリエンスの拠点としても機能するようにしている。
夜市に参加した調布市多摩川に住む50代の男性は「子どもが梅ジュースのワークショップを体験しており、ここに来れば梅ジュースが飲めるというので家族3人で参加した。とてもおいしい。このように地域が盛り上がるのはとてもいいこと」と話した。その奥さん(30代ですよね、と声を掛けたらご本人は笑って否定しなかった)は「そんなに便利なところではないのに、こんなにたくさんの人が来ているのにびっくりしました」とイベントを満喫していた。
近くの分譲マンションを買ったばかりという小さな子ども連れの30代前半の夫婦も「凄い人が集まっている」と驚いていた。
夜市は15:00~20:00まで。出店したのは次の通り。「Paper&Print」(文房具販売・工場)「整体院はるかぜ」(整体院)「micro DELI&SHOP」(惣菜・スイーツ)「masala masara深大寺」(インド風カレー)「キミノコーヒー」(コーヒー豆販売)「焼き菓子chaco」(焼き菓子販売)「OYANEKO OYATSU」(焼き菓子 販売)「Sugar massege」(アイシングクッキーワークショップ)「MATOUKA」(アロマワークショップ)「sayanao」(シャカチャーワークショップ)「柴田真央」(雑貨販売)「地域農家さん」(野菜販売)。
井戸水をくみ上げる子どもたち
「キミノコーヒー」(コーヒー豆販売)
「柴田真央」(雑貨販売)
◇ ◆ ◇
イベントのお誘いには、「事前申し込みは不要で、お散歩ついでに、ちょっと涼みに、お酒を飲みに….」とあったので、暑い真昼を避けて夕方の4時から参加することにした。〝便立地、好立地〟でもないので参加者は少ないだろうから、近くのコンビニでウイスキーを買い、井戸から汲み上げた水を氷にしてもらって、どこかに腰かけて湧水ロックを楽しもうと。
豈図らんや。現地は人混みでごった返していた。立錐の余地もない。ありえない光景だ。どこからこんなたくさんの人が湧き出すのだろうと唖然とした。瓶ビールを買ったのだが、立ち飲みするほかなかった。
主催者もこれほど人が集まるとは予想していなかったようで、用意したパンフレット、うちわなどは足りなくなり、対応に追われていた。声を掛けるのもためらわれたので、湧水ロックはあきらめた。後で聞いたのだが、来場者は1,000人と読んでいたようだ。
皆さん、いかがか。仮に1,000人の来場だったら、1時間当たり200人だ。これなら余裕を持って対応できたのではないか。来場者はその倍だから常時400人以上が詰めかけていたことになる。この集客力、動員力はどこからくるのか。ヒントは〝なりわい〟だろう。
そこで考えた。このようなプロジェクトは、全国の住宅地の活性化、町おこしに活用できるのではないかと。1低層の用途規制を緩和し、調整区域の一号店舗と同じように空き家などを活用してはどうか。官民が連携すれば狭小敷地の併合・一体化も可能ではないか。「よそ者」「わか者」「ばか者」のほかに「高齢者」の知見を生かせば一石四鳥の町の再生が実現するのではないか。
せせらぎにはメダカが泳いでいた
井戸・池・せせらぎの価値は1億円超/年小田急バス×ブルースタジオ「meedo」(2025/5/17)
小田急バス×ブルースタジオなりわい賃貸第二弾「meedo(みいど)」開業へ(2024/10/27)
パナソニック ホームズ 社内表彰「2024年度 アーキテクト・オブ・ザ・イヤー」決定
パナソニック ホームズは7月10日、同社の建物設計の優秀事例を表彰する社内表彰制度「2024年度 アーキテクト・オブ・ザ・イヤー」の最優秀事例6例など全18例を選出、表彰したと発表した。
同表彰制度は、同社の設計従事者の提案力の向上と優秀事例における特長・工夫の水平展開を目的に2016年度から実施しているもの。1次・2次の書類審査を経て、最終審査はコンペ形式により、設計者自らが審査員にプレゼンテーションを行い、総合的な設計提案力を評価する。
選考は全6コース<「設計デザインコース(130㎡未満/130㎡以上)」「空間デザインコース」「事業用物件コース(3階以下/4階以上)」「リフォームコース」>で、応募作品の中からそれぞれ最優秀賞、新人賞などが選ばれる。
今回の対象事例は2023年10月~2024年9月に完工した事例で、応募数は235事例。書類審査を通過した18例が審査対象。審査員は同社の主要役員、建築家の連健夫氏など。
◇ ◆ ◇
この種の社内表彰制度は各社が行っており、雑誌社が絡んでいるので他のメディアはリリースをコピペして記事化するのはためらわれ、「か・ち・も・な・い」と判断されるのだろうが、小生などは取材の声が掛れば飛んでいく…会場は多分大阪だろうから無理だが…。
受賞作品はみんな面白い。例えば、設計デザインコース(130㎡未満)の最優秀賞に選ばれたパナソニック ホームズ多摩の山西宏和氏の作品。テーマは「間口狭小地に建つ開放リビングのある家」で、接道幅4.7m・約26坪の限られた敷地で、「家族が集まり、ゆっくり過ごせる明るい
リビング」を実現。2階リビングは最高3.3mの天井高を確保し、勾配天井を活かした木質感あふれる空間が、明るく開放的な雰囲気を演出したもの。
この他、「~暗さへの挑戦~『真のホテルライク』とは」「はじまりの家」「2つのファサード(外観)を持つ完全分離型併用住宅~」「人と街を支える地域健康拠点」「忙しい日々にゆとりを生み出すこだわりの住まい」などのテーマがいい。
6月の工事原価 集合住宅、事務所、工場、住宅とも上昇 建築物価調査会
建設物価調査会は7月10日、2025年6月の「建設物価 建築費指数」(東京2015年100基準)を公表。工事原価は集合住宅(RC造)、事務所(S造)、工場(S造)、住宅(W造)とも前月比で上昇した。
集合住宅(RC造)の工事原価は138.8(暫定)で前月比1.1%増、前年同月比5.3%増、純工事費は140.1(暫定)で前月比1.2%増、前年同月比5.6%増となった。
事務所(S造)の工事原価は137.8(暫定)で前月比0.5%増、前年同月比3.9%増、純工事費は138.7(暫定)で前月比0.6%増、前年同月比4.0%増となった。
工場(S造)の工事原価は136.5(暫定)で前月比0.6%増、前年同月比3.0%増、純工事費は137.3(暫定)で前月比0.6%増、前年同月比3.1%増となった。
住宅(W造)の工事原価は142.7(暫定)で前月比0.8%増、前年同月比3.6%増、純工事費は144.3(暫定)で前月比0.8%増、前年同月比3.6%増となった。
工事原価は、直接工事費と共通仮設費を合計した純工事費に加えて現場管理費や一般管理費なども含めた額。
リスト&ロイヤルHD 日本初進出の高級リゾート「Anantara軽井沢」開発
「Anantara Karuizawa Retreat (アナンタラ軽井沢リトリート)」開発調印式(東京アメリカンクラブで)
リストグループのリストデベロップメントとロイヤルホールディングスグループのロイヤルマイナーホテルズは7月10日、日本初進出となるラグジュアリーホテルブランド「Anantara(アナンタラ)」を冠した「Anantara Karuizawa Retreat (アナンタラ軽井沢リトリート)」に関するマネジメント契約を締結し、浅間山を望む長野県軽井沢町の約4万㎡の高級リゾートを開発すると発表した。
施設は、北陸新幹線軽井沢駅から車で約15分、長野県北佐久郡軽井沢町に位置する開発面積約41,933㎡。客室数は:スイート23室(60~120㎡予定)、ヴィラ18棟28室(70~270㎡予定)。開業予定は2030年。館内にはオールデイダイニング、スペシャリティレストラン、バーを含む3つの飲食施設を備える予定。一部のヴィラは、ブランデッドレジデンスとして分譲することも検討している。
この日の調印式に臨んだMinor International Public Company Limited(マイナー・インターナショナル)創業者兼会長・William Ellwood Heinecke(ウィリアム・エルウッド・ハイネッケ)氏は、「当社は世界60か国、650ホテルを運営している。今回、リスト社とロイヤルホールディング社とパートナーシップを組めたことは本当にうれしく光栄に思う。Anantaraの日本進出は素晴らしいこと」と、また、リスト代表取締役社長・北見尚之氏は、「2010年にサザビーズ インターナショナル リアルティの国内独占営業権を取得してから国内のほか、5か国で事業展開しているが、今回は新たな挑戦。最高級のホテルにする」とそれぞれ挨拶した。
ロイヤルマイナーホテルズ代表取締役社長・本山浩平氏は、「2025年3月に設立したロイヤルマイナーホテルズとしてホテルマネジメント契約の第一号となるAnantara Karuizawa Retreatでパートナーシップを結べることを大変誇りに思う。同社は、ラグジュアリー施設の創造における卓越した専門性があり、独自のデザインと上質な滞在を追求するAnantaraブランドの理念と調和している」と、リストデベロップメント代表取締役社長・木内寛之氏は、「当社はこれまで、高品質な住まいと街づくりを通して、お客様に豊かなライフスタイルを提供することを目指してきた。近年では、ホテルコンドミニアムやラグジュアリー邸宅にも積極的に取り組んでいる。そのような中で、アジアを代表するホテルチェーンである同社と、当社のビジョンが合致し、今回のホテルマネジメント契約締結に至った」と、それぞれコメントした。
マイナー・ホテルズは、AsPAC最大級のホスピタリティ及びレジャー企業であるMinor InternationalPCL(マイナー・インターナショナル)の中核企業。57か国で560 棟以上のホテル、リゾート、レジデンスを運営している。2027年度末までに280軒以上のホテルを新たに加えることを目標に掲げており、世界規模の成長を加速させる。
Anantara(アナンタラ)の発祥はタイで、アジア全域、中東、インド洋、アフリカ、ヨーロッパなど25か国、59軒のホテルを展開している。
イメージパース
医療、福祉、教育、研究を網羅 三菱地所レジ×東京大学「Tonowa Garden目白台」
「Tonowa Garden(トノワ ガーデン) 目白台」
三菱地所レジデンスと東京大学は7月7日、国立大学法人東京大学の土地有効活用事業の第一号となる東京大学目白台キャンパス内のヘルスケア複合施設「Tonowa Garden(トノワ ガーデン) 目白台」が竣工したのに伴う「まちびらき&完成内覧会」を開催した。
同事業は2020年5月、東京大学目白台キャンパスの土地有効活用に係る事業協力者募集に対し、三菱地所レジデンスが事業主、三菱地所が総合企画として選ばれたもの。2023年8月に着工し、2025年1月に竣工した。施設は期間65年の定期借地権付きで、名称は「〇〇との輪」と「Garden」を組み合わせたもの。
研究施設として、「暮らしの保健室」「みんなのケアをする力をサポート」「看護・ケア専門職のサポート」の3つの取り組みを推進する、東大看護系教員、大学院生、学部生で構成される「東大GNRCオープンラボ」(東京大学大学院医学系研究科附属グローバルナーシングリサーチセンター)が入居している。
「医療・ヘルスケア施設」としては、「東大看護ステーション目白台」(一般社団法人東大看護学実装普及研究所)があり、従来の介護保険・医療保険制度による訪問看護のほか、保険外看護サービスとして世帯単位での月額制看護サービス[GNRCつながるケア]も行っている。
この他、小児から高齢者まで全年齢層を診療の対象とするクリニック「ふくろうクリニック目白台」(医療法人社団創福会)、調剤薬局「目白台薬局」(メディシステム)、サービス付き高齢者向け住宅「クイーンヒル目白台」(コミュニティネット)、介護付き有料老人ホーム「アリア護国寺」(ベネッセスタイルケア)、リハビリ特化型デイサービス「元氣ジム目白台」(ルネサンス)、学童保育施設「ベネッセ学童クラブ護国寺」(ベネッセスタイルケア)、コミュニティラウンジ「目白台の間」(PIAZZA)が入居。防災備蓄倉庫も備えている。
まちびらきイベントに出席した三菱地所レジデンス執行役員投資アセット企画開発部長・渡辺昌之氏は、「隣接地には国際的な交流拠点『目白台インターナショナルビレッジ』があり、多様な機能が融合した施設が完成した。施設名称には地域との輪、東大と隣人との輪、入居者との輪など様々な方々の輪が形成されて広がっていくという願いを込めた。三菱地所グループが長年取り組んできた防災の知見も取り入れ、防災コミュニティの形成にも取り組んでいく。地域の癒しの場であり、出会いの場、研究と学びの場でありたいと願っている」とあいさつした。
東京大学理事・菅野暁氏は、「この土地は、東大附属病院分院として明治41年の開院から平成13年の閉院まで104年の長きにわたり教育、研究の発展にかかわってきた歴史を持つ。閉院後の令和元年度に『目白台インターナショナルビレッジ』が竣工した。今回の施設は、平成16年の国立大学法の改正によって大学が所有する土地の第三者への貸付けが可能になった制度を活用するもので、大学の財務基盤強化の一環として初めて取り組むもの。医療、福祉、教育、研究すべての分野を網羅する素晴らしい施設になった」と語った。
東京大学グローバルナーシングリサーチセンター長・山本則子氏は、「わが国は高齢者が増える一方で、人口が急速に減少してきており、従来型の専門職と家族によるケア体制は限界に近い。私たちが提案しているのは、専門職だけでもなく家族だけでもなく、街の誰もがケアの担い手になろうということ。各種のプログラムには期待をはるかに超える応募があり、ニーズが大きいことを実感している。街ぐるみで支え合い、ともに幸せを追求できる社会の実現を目指したい。この新しい街づくりの試みが広く発展し、日本全国や世界のモデルになるよう微力ながら貢献したい」と話した。
物件は、東京メトロ有楽町線護国寺駅から徒歩6分、文京区目白台3丁目に位置する敷地面積約5,290㎡、5階建て延床面積約9,608㎡。設計は設計工房イー・ディー。施工は東亜建設工業。竣工は2025年1月。
国立大学の土地活用事業は、国立大学法人法が平成16年(2004年)施行され、同28年(2015年)5月の改正により、文部科学大臣の認可を受ければ、国立大学法人は当面使用が予定されていない土地などを第三者に貸し付けることが可能になった。
同大学の土地有効活用事業としては、東京大学西千葉キャンパス跡地利用事業(約75,299㎡)の事業者として野村不動産を代表とする三井不動産、三菱地所、三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス、大和ハウス工業が選ばれている。
この他、NTT都市開発が代表企業の東京工業大学田町キャンパス土地活用事業(約23,222㎡)、阪急阪神不動産によるお茶の水女子大学大山学生寮跡地(約8,046㎡)のマンション「ジオ板橋大山」、住友商事を代表企業とする九州大学箱崎キャンパス跡地地区(約28.500㎡)、野村不動産の東京医科歯科大学越中島地区土地活用事業(約17.967㎡)などかある。
左から渡辺氏、菅野氏、山本氏
3氏によるまちびらきテープカット
外観(北西側)
介護付き有料老人ホーム「アリア護国寺」ラウンジ(全53室のうち8割が入居済み)
サービス付き高齢者向け住宅「クイーンヒル目白台」ラウンジ(全80室のうち11室が契約済み)
「東大GNRCオープンラボ」
コミュニティラウンジ「目白台の間」(この日は七夕で、勝どきから参加した30代の女性は短冊に「毎日 楽しく過ごせますように」と、学校が休校という8歳の女の子のお子さんは「家ぞくが しあわせに くらせますように」と認めていた)
お茶の水女子大学国際学生宿舎跡地定借「大山」好調首都圏事業強化へ阪急阪神不(2024/3/21)
勝負分けた ロジックの力 言葉と造形の力 ポラス 第12回 学生・建築デザインコンペ
受賞者と審査員で記念写真(ポラテック本社「ウッドスクエア」で)
ポラスは6月30日、「第12回POLUS-ポラス-学生・建築デザインコンペティション」公開審査会を開催し、応募599点のうち一次選考を通過した5作品の中から最優秀賞(賞金50万円)に「暮らしは街にこぼれ」(武蔵野大学・小林由芽さん、野澤沙帆さん)、優秀賞(賞金30万円)に「編まれる時間の住まい」(慶應義塾大学大学院・所新太郎さん、井口雄貴さん、鈴木理紗さん)を選んだ。
コンペのテーマは「“t軸”の家/家々」で、サステナブルな未来に向かって、喜びを持って向き合える家やその集合のあり方を、具体的かつ実際的に提案してもらうもの。
最優秀賞の「暮らしは街にこぼれる」は、道をただの通行空間ではなく、「暮らしの一部」として捉えた全7戸の集合住宅。不定形の建物をアトランダムに配し〝森の抜け道〟〝秘密の密会所〟〝ポケット中庭〟など6つの庭がそれぞれの住宅を緩やかにつないでいるのが特徴。
受賞した小林さんと野澤さんは「模型を仕上げるのに今朝(30日)までかかった。この2日間の睡眠時間は2~3時間。とても嬉しい」と喜びを語った。
優秀賞の「編まれる時間の住まい」は、現代住宅は機能分節が招く思考の単一化であるとし、直線上に並べた機能を壁ではなく段差によって空間を分節し、直線住戸をランダムに交差させることで、生活に思考の余白と密度のある時間を作り出す提案となっている。
このほか、入選作品(賞金15万円)に「はみ出す境界、つながるのりしろ」(広島工業大学・村上寛明さん、中村日香さん)、「月と太陽の降る里」(九州大学大学院・矢野泉和さん、九州大学・菊池慎太郎さん、山之口涼霞さん)、「レジリエントな土壁」(デルフルト工科大学大学院・儲立人さん、中国美術学院・宋雨軒さん)の3作品が選ばれた。
各審査委員の講評は以下の通り。(発言順)
審査委員・中川エリカ氏(中川エリカ建築設計事務所) 今年のテーマは難しいと思っていたが、個性的な提案が多く、それだけ議論も多岐にわたった。すごく熱気帯びたコンペになった
審査委員・原田真宏氏(芝浦工業大学教授) 気になっているテーマだったが、皆さん果敢にチャレンジされた。有意義なコンペだった。欲を言えば、もう少しサステナブルな世界を見せてほしかった
審査委員・今井公太郎氏(東京大学生産技術研究所所長) とにかく応募の多いのがすごい。受賞作は完成度が高い。議論に応えるロジックと造形がいい。これが勝負の分かれ目となった
審査委員・野村壮一郎氏(POLUS社内審査委員) 今回の受賞作品は、図面も模型も、自分が住みたいと思わせる意欲が伝わるような提案が多かった
審査委員長・西沢立衛氏(横浜国立大学大学院Y-GSA教授) 言葉の力と造形の力に対する信頼が我々の中にある。受賞作品にはそれがあった。結果については、違った視点で考えれば違った結果になった。入賞を逸した方、順番が低かった方々もあまり気にしないで、よりよい建築を目指していただきたい
最優秀賞を受賞した小林さん(左)と野澤さん
最優秀賞の「暮らしは街にこぼれる」
優秀賞の「編まれる時間の住まい」
◇ ◆ ◇
テーマである「“t軸”の家/家々」に提示されている条件は単純だ。幅員10mの南西道路に接道する縦軸が40m、横軸が30m=1200㎡に7戸程度の木造住宅を建設するというものだ。用途地域も建ぺい率、容積率などの条件はない。
条件提示がない分、難しいと思った。自ら考えるほかないからだ。時間軸も難しい問題だ。過去から現在、未来へと悠久の流れを空間との関連でどう表現するのか、あるいはまた時間と空間の一点に照準を合わせればなにが生まれるのか。
記者は自分なりに、ごく単純にデザインが美しいもの、現法規で実現が可能と思われる作品を選んだ。それが「編まれる時間の住まい」だった。1階部分が「HARUMI FLAG」のように共用部分で、外にも開かれた空間になっており、2~3層の屋根の波打つ横ラインが美しい。
そのほかの作品では、「月と太陽の降る里」は5層分くらいあり、公共施設にすればランドマークになると思った。隈研吾さんも驚くのではないか。「はみ出す境界、つながるのりしろ」は出口がない迷路、解けない知恵の輪だ。どこかの国にこんな住宅はなかったか。「レジリエントな土壁」は審査委員から高い評価を得ていたが、図面が分かりづらかった。
大学院生・大学学部4年生を除く応募者の中で特に優秀な10作品に贈られるUJ賞(Under Junior award)に受賞した東京電機大学・佐久間勇次さん、阿部奏大さん、柿沼瑞幸さんともしばし歓談したが、その作品「絡まる」のデザインが素晴らしいと思った。どこか「麻布台ヒルズ」に似ており、同大学の教授でもあったプリツカー賞を受賞した山本理顕氏もこのような作品があったような気がする。これがナンバーワンか。
要するに、作品は愛と憎しみと同じだ。みんな紙一重。西沢氏も話したではないか。選ばれなくても落胆などしないことだ。
一つ残念だったのは、耳が遠くなったせいかプレゼンから質疑応答、自由論議、講評まで約4時間、話が聞きづらかったことだ。審査員の方々がこのように話したか自信がない。間違っていたら謝るほかない。
令和7年5月の住宅着工 43,237戸 1962年1月以来62年ぶりの低水準
国土交通省は6月30日、令和7年5月の新設住宅着工戸数をまとめ発表。新設住宅着工戸数は43,237戸となり、前年同月比34.4%減、2か月連続減少した。利用関係別では、持家は11,920戸(前年同月比30.9%減、2か月連続の減少)、貸家は18,893戸(同30.5%減、2か月連続の減少)、分譲住宅は11,924戸(同43.8%減、2か月連続の減少)、分譲住宅の内訳はマンション4,778戸(同56.5%減、2か月連続の減少)、一戸建住宅7,083戸(同29.9%減、2か月連続の減少)。
首都圏マンションは1,977戸(前年同月比66.6%減)で、都県別は東京都1,098戸(前年同月比56.0%減)、神奈川県611戸(同78.1%減)、 埼玉県63戸(同62.9%減)、千葉県205戸(同56.0%減)となった。
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これほど着工戸数が少ないのは記憶にないのでChat GPTに聞いた。さすがChatだ。「月次データがある1960年1月より後では、今回の43,237戸が最少。全期間(1960年〜)での最低は1960年1月の19,900戸。過去65年間で最低水準を記録したということで、これは戦後の住宅着工統計史においても極めて異例です」と答えた。令和6年3月の駆け込み着工の反動減ではあるが、それにしても異常だ。理由はよくわからない。
と書いたのだが、他のメディアは「1962年1月の41,813戸以来の低水準」と報じている。ChatGPTに確認したら、ChatGPTの誤りが分かった。よって、1962年1月以来62年ぶりの低水準に改める。