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 千代田区の神田警察通りⅡ期道路整備計画の議会議決は無効であるとする住民監査請求が先に棄却された千代田区住民は8月8日、道路工事を議決した議会決議は区の職員の虚偽答弁によるものであり、街路樹伐採は区の財産を毀損し、一連の行為は行政の裁量権を逸脱するものであるとして、千代田区を相手取って工事の中止などを求める住民訴訟を東京地裁に提起した。同様の訴訟は今回で3件目。

 原告の住民は今年5月16日、千代田区議会が「神田警察通り二期自転車通行環境整備工事」議案を議決し、工事業者と交わした請負契約は地方自治法違反であるから工事を中止し、公金支出を差し止めるよう求めた住民監査請求を行っていた。これに対し、住民監査委員会は7月14日、議決の違法を基礎づけるような瑕疵は存在せず、議決に基づき締結された工事契約は、違法な契約の締結であるとはいえなとして、住民の訴えを棄却した。

 今回の提訴について、原告女性は「伐採に反対するのは、自分の故郷を守りたいからです。区は『つなぐまち神田』として、『まち』『緑』『歴史』『文化』『人』のつながりを通して、まちの個性と魅力を価値へとつなげるまちづくりを目指すとガイドラインにも記載しています。しかし、環境まちづくり部は、住民の意に反して神田警察通りのイチョウを伐採することで『まち』『緑』『歴史』『文化』『人』を壊しただけでなく、私たち住民の関係性も心も全てを壊しました。街に『賑わい』があれば、地域の分断はどうでも良いのでしょうか。『人中心のまちづくり』を謳っていながら、なぜ地元住民の反対を押し切ってまでイチョウの生命を奪うのでしょうか。私たちは道路拡張工事に反対しているのではなく、一期区間のようにイチョウを残して道路整備をしてほしいだけです。なぜその方法を模索しないのでしょうか。私たち住民の決意も虚しく2本の伐採が強行され、依然伐採中止の決断がなされず毎夜の木守りを余儀なくされていること、住民間の溝が深まり続けていくこと、住民の意思が反映されないまちづくりが行われること、その全てに終止符を打つべく今回住民訴訟の提訴に踏み切った次第です」とコメントを寄せている。

 同様の訴訟は他にもあり、地元住民ら10人は5月6日、街路樹伐採工事は違法として、樋口高顕区長を相手取り、工事代金の支払いの中止などを求める国家賠償請求訴訟を東京地裁に提起している。第1回の公判が7月12日に行われた。

 もう一つは、7月11日、区民20人が工事費の支出差し止めなどを区長に求める住民訴訟を東京地裁に起こしている。

 今後は、国家賠償請求訴訟については単独で、7月11日の住民訴訟と今回の住民訴訟を一つとして公判される模様だ。 

 ◇      ◆     ◇

 今年7月11日に行われた千代田区議会の企画総務委員会の議事録(未定稿)を読んだ。神田警察通り道路整備に関する早期実施、設計変更を求める陳情について論議するのが主なテーマだが、イチョウ並木の伐採に反対する関係者の神経を逆なでし、挑発するかのような区の部課長の発言が目立った。

 「本会議でもご答弁申し上げたとおり…道路の附属物である街路樹の存在が『やむを得ない場合』には該当しないものと認識してございます」(須貝基盤整備計画担当課長)「樹木は、街路樹は道路附属物でございますので、先ほど課長から答弁申し上げたとおり、道路附属物として更新することが可能ですので、それをしていくということが基本だというふうに考えています」(印出井環境まちづくり部長)などと、約1時間の論議の中で6回、念仏のように「街路樹は道路の附属物」と語った。

 街路樹が「道路の附属物」というのは法律用語ではあるが、伐採してしまえば元に戻らない、代替えができない性格を帯びている。今回、是非が問われているⅡ期工事のイチョウ30本は樹齢60年の成長段階にある樹木だ。これまで何度も書いてきたので繰り返さないが、更新が予定されているヨウコウザクラと比較してその効用・価値は全く異なる。

 イチョウを伐採することは、企画総務委員会と本会議で多数決によって議決はされているが、議決に瑕疵があったことは企画総務委員会の委員長自身が認めている。

 また、議事録では一方では「原則」を貫き、他方では「原則」を無視し、さらにまた、関係者の「声」をそのまま取り入れ、学識経験者の「声」は聞き置くだけとするなど一貫性・公平性に欠く発言を部課長は繰り返した。

 記者は先日、三菱地所などが推進する社会実験「Marunouchi Street Park」(MSP)を取材した。素晴らしい取り組みだ。このオープニングセレモニーに出席した樋口高顕千代田区長は「Marunouchi Street Parkなどの先駆的な事例を参考にさせていただき…わが国だけでなく、世界に誇れるウォーカブルな街づくりを進める」と挨拶した。

 国土交通省が令和4年3月1日にまとめた「多様なニーズに応える道路 ガイドライン(案)」でも、合意形成及び事業推進のためには、「『つかう側』の住民・事業者と『つくる側』の行政等が一体となった協働体制を早い段階から構築することが重要である。構想段階では地域住民や関係する事業者等に対し、まちづくりの将来ビジョン又は道路の将来像の実現に向けた基本方針を発信して、取組みへの理解を得ることが重要である」としている。

 今回の区の担当部課長の答弁は、大丸有の街づくりと整合しないのは明らかだし、国の方針に背馳する。〝苦渋の判断〟でもって工事着手を決断した区長と議会の多数派の権力におもねる、卑屈で狡猾な小役人根性を露呈したと言ったら失礼か。民主主義は所詮数の暴力か。

戦争は平和なり

自由は隷従なり

無知は力なり

 (ジョージ・オーウェル「一九八四年」)

◇        ◆     ◇

 今回の一連の住民訴訟に接し、記者は五月雨式に住民が行政を訴えるのもいいが、いっそのこと街路樹を原告にして集団訴訟を起こしてはどうかと思う。

 過去にそのような事例がないわけではない。1995年、原告を特別天然記念物の「アマミノクロウサギ」とする訴訟がある。裁判は負けたが、生物多様性を重視する意義は認められた。その後、同様の裁判は各地で提起された。米国では街路樹の様々な価値を定量化するモノサシも一般化しているようだ。

雨にも負けず

風にも負けず

雪にも夏の暑さにも負けぬ

丈夫なからだをもち

慾はなく

決して怒らず

いつも静かに笑っている

 全国の街路樹と、街路樹をこよなく愛す皆さん、団結せよ!

丸の内仲通り ウォーカブルな街づくり「Marunouchi Street Park 2022 Summer」(2022/8/3)

イチョウ伐採に「精神的苦痛を受けた」 住民訴訟の第1回公判 原告が意見陳述(2022/7/12)

「見事」「素晴らしい」監査員弁護士 女性陳述を絶賛 街路樹伐採 住民監査請求(2022/6/11)

 

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「Marunouchi  Street Park 2022 Summer」イメージパース

 大丸有エリアマネジメント協会、大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会、三菱地所の3者は8月2日(火)~9月11日(日)、社会実験「Marunouchi  Street Park 2022 Summer」を丸の内仲通りで実施する。8月2日には小池百合子・東京都知事、樋口高顕・千代田区長、小林重敬・大丸有エリアマネジメント協会会長、吉田淳一・三菱地所社長などが参加したオープンセレモニーが行われた。

 社会実験「Marunouchi Street Park」(MSP)は、2019年かから実施しているもので、今回は6回目。全長1.2㎞、幅員21m(車道7m+歩行空間各7m)の丸の内仲通りのうち行幸通りから馬場先通りまでの区間を「MSP Refresh Space(丸ビル前ブロック)」「MSP Music Restaurant(丸の内二丁目ビル前ブロック)」「MSP Garden(丸の内パークビル前ブロック)」の3つのブロックに分け、それぞれテーマを設けて社会実験を行う。

 「MSP Refresh Space」は軽い運動や読書ができるリフレッシュ空間として、道路と歩道を一体的に活用した「みんなのライブラリーベンチ」を設置。利用者が「丸の内仲通りで読みたい本」を持ち込み、気に入った本と交換もできるようにしている。「こどもライブラリー」では、夏休み期間に子どもたちが楽しめるよう、絵本が子どもの目線に入るよう工夫されている。車椅子利用者も利用できる卓球台も設けられている。

 「MSP Music Restaurant」は緑を感じながら、音楽と食事が楽しめる空間がテーマ。誰もが弾くことのできる「みんなのストリートピアノ」を設置。また、丸の内仲通り沿道に店を構える「GARB Tokyo」の特設屋外客席として、飲食を楽しめるようにしている。「みんなのテーブル」は、様々な素材・機能・形の椅子と机によって構成された丸テーブルで、子どもから大人、障害のある人まで、みんなが利用しやすいデザインとなっている。

 「MSP Garden」は自然を感じられる丸の内の庭空間として、清涼感ある北海道滝上町産の和ハッカ精油を使用した香り付きドライ型ミストを設置しているほか、芝生でくつろげる休憩所「ごろごろベンチ」や充電スポットを設けたソロワークスペースを設けている。

 オープンセレモニーに参加した小林・大丸有エリアマネジメント協会会長は、「ワークスタイルは、これまでの室内のワークに加え、外部空間にグリーンを配置し、まちなかで働くように変化している。Marunouchi Street Parkはウォークすること、ワークすることを促すための恰好の場所。空間的にも機能的にも日本のオフィス街のこれからのあり方を示していくために、さらに本格的なストリートパークの取り組みを実践していく」と語った。

 続いて登壇した小池都知事は、「都は、『車から人』への街づくりのPark Street TOKYOの活動を後押ししている。この丸の内仲通りは、道路空間に緑を敷き詰め、ファニチャーも車椅子利用の人も楽しめる卓球台もある。いろいろな工夫を取り入れていることに敬意を示したい。東京を持続可能な都市へと高めるためにも、環境に配慮した取り組みHTP(H=House T=Tree P=Person)を進めていきたい。すぐれた環境での生活は安心、心地よさ、活力を与えてくれる」と述べた。

 樋口千代田区長は、「本年6月、千代田区ウォーカブルまちづくりデザインを策定した。Marunouchi Street Parkなどの先駆的な事例を参考にさせていただき、千代田区内の道路を公園に、居心地のよい空間にする取り組みとして今年度は実証実験を展開していく」と話した。

 実験では、サステナブル(持続可能)な空間作りを実践するため、都心の広場・公園的空間の在り方と運営管理方法、都市観光としての場づくりについて検証する。酷暑対策として一部にドライ型ミストを設置するほか、気化熱を利用して表面温度が下がるハイテク芝「COOOL TURF(クール ターフ)」を導入し、天然芝と人工芝(ハイテク芝)での表面温度について比較検証も行う。また、企業のプロモーションに使用できるPRスペースを設け、東京會舘などのキッチンカーに加え、「東京ステーションホテル」と「ザ・ペニンシュラ東京」も期間限定で出店する。

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左から大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会理事長・矢澤淳一氏、小林氏、小池氏、樋口氏、吉田氏

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「みんなのライブラリーベンチ」イメージパース

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「GARB Tokyo」特設屋外客席 イメージ

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丸の内パークビル前ブロック イメージパース

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 このような取り組みが3年前から始まり、今回で6回目を数えることなど全く知らなかった。セレモニー会場となっていた丸ビル前の丸の内仲通りの車は遮断され、ベンチなどで〝占拠〟されていた。70年安保のとき、道路にバリケードを築き、歩道のレンガブロックを砕いて警官に投げる光景は日常茶飯だったし(小生はやっていない。そんな勇気はなかった)、道路占用許可を得て様々なイベントが行われているのは承知しているが、よくぞ警視庁は1か月以上も道路占用を許可したものだ(2019年は100時間限定だったそうだ)。

 ここまでできるのは、三菱地所を中心とする「大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会」や「リガーレ(大丸有エリアマネジメント協会)」、三菱地所の活動があったからだろう。

 協議会のその前身「大手町・丸の内・有楽町地区再開発計画推進協議会」が設立されたのは1988年。今では正会員66社・団体、準会員10社・団体、賛助会員9社・団体を数える。そして、2002年に設立された「リガーレ」は今年20周年を迎える。

 三菱地所もまた、2020年から大手町・丸の内・有楽町エリアの街づくりを「丸の内 NEXT ステージ」として位置づけ、〝人・企業が集まり交わることで新たな「価値」を生み出す舞台〟構築を目指す「丸の内Re デザイン」の取り組みを加速させている。

 今回もそうだが、同社はコロナ禍でもメディア向け見学会などを積極的に行っている。数えたわけではないがこの3年間で十数回に上るのではないか。デベロッパーの中で情報発信回数は飛びぬけて多いはずだ。

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「みんなのライブラリーベンチ」

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オープンセレモニー会場になった丸ビル前の丸の内仲通り

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 街路樹について。読売新聞社は1994年、「新・日本街路樹100景」を編纂した。都道府県ごとに10景(計470景)を選び、その中から100景を厳選したものだ。関東圏では以下の17か所が選ばれている。

 学園東大通り(茨城県つくば市)、昭和通り(茨城県ひたちなか市)、日光杉並木(栃木県今市市、日光市)、県庁前のトチノキ並木(栃木県宇都宮市)、前橋駅前通りケヤキ並木(群馬県前橋市)、いずみ緑道(群馬県大泉町)、国道463号線(埼玉県浦和市~所沢市)、東京外郭環状道路環境施設帯(埼玉県三郷市~和光市)、あすみ大通り(千葉県千葉市)、常磐平けやき通り(千葉県松戸市)、桜田通り(東京都千代田区)、表参道ケヤキ並木(東京都港区・渋谷区)、絵画館前イチョウ並木(東京都港区)、馬場大門ケヤキ並木(東京都府中市)、山下公園通り(神奈川県横浜市)、国道16号線(神奈川県相模原市)、東海道松並木(神奈川県大磯町)

 記者はこのうち国道沿いの街路樹などを除いた12か所を訪ねたことがある。選定に異論はないが、いま選ぶとしたら、ケヤキを中心とする丸の内仲通りを真っ先に挙げる。単に街路樹が美しいだけでなく、周囲の高層ビルの公開空地や店舗などとしっくり溶けあっており、街の潤いと賑わいを演出している点からみれば、極めて稀有な事例だと思う。

 もう一つ。ウォーカブルな街づくりについて。国は官民連携街づくりを推進しているが、道路や河川、公園などの占用許可制度を抜本的に見直し、もっと簡便な申請制度にすべきだと思う。そして、何よりも地域住民やワーカーのための街づくりであることを忘れてはならない。

 ここでは詳しく書かないが、例えば千代田区の神田警察通り整備計画。樋口区長は、多くの住民の反対を押し切り、「苦渋の決断」として30本のイチョウ並木の伐採工事を強行した。街づくり協議会の原理・原則である公平性、公開性、独立性を無視し、地域のコミュニティを破壊した。

 開発に伴う提供公園を含めた都市公園もしかり。コロナ禍で飲酒・飲食、喫煙を禁止し、どんどん利活用が難しくなっている。まったく利用されない都の都市公園は2割くらいあると記者はみている。実態調査を行ったら驚くべき実態が浮き彫りになるはずだ。

街路樹に溶け込むアート 三菱地所&彫刻の森 第43回「丸の内ストリートギャラリー」(2022/6/29)

壮大な街づくりの一環 501㎡の「新国際ビル」路地裏を多目的空間にリノベ 三菱地所(2022/5/27

イチョウ伐採に「精神的苦痛を受けた」 住民訴訟の第1回公判 原告が意見陳述(2022/7/12)

 

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イメージ図

 リストグループのリストデベロップメントと京王グループのリビタは7月27日、神田のシェアオフィス「12KANDA」を7月1日に着工したと発表した。

 物件は、JR秋葉原駅から徒歩5分、都営新宿線岩本町駅から徒歩4分、神田須田町2丁目に位置する敷地面積約352㎡、地下1階地上10階建て延べ床面積約1,944㎡。竣工予定は2023年11月。「12KANDA」として2024年1月に開業する予定。

 2~10階はシェアオフィス、1階には飲食店を誘致し、B1階には小商いキッチン・スペース等を設置する予定。デザインは、新宿駅新南エリア一帯(コンコース・駅前広場・商業施設「NEWoMan」)などで知られるシナト(sinato)を起用する。

 リビタの新築でのシェアオフィス開発への参入は今回が初で、「暮らしを自由にする」をコンセプトとしたシェアオフィス「12(ジュウニ)」を導入する。オフィス内にリビング、キッチン、イベントスペースなどの住まいの機能を備える。

 

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「アナザー・ジャパン」第一号店

 三菱地所と中川政七商店は7月27日、全18名の学生が経営から店舗運営、プロモーション、接客販売に至るまで担当する47都道府県地域産品セレクトショップ「アナザー・ジャパン」の第一号店を東京駅日本橋口前のTOKYO TORCHI街区に8月2日開業すると発表した。開業を前にした同日、メディア向けに公開。店舗面積は約40坪。100社150名の報道関係者が集まった。

 47都道府県を6つのブロックに分けた初回の企画展は「アナザー・キュウシュウ展」と題し、福岡県・長崎県・沖縄県出身の学生3人が自ら現地に足を運んで仕入れた地域特産品約350点を販売する。

 テーマは「宴」で、商品を「乾杯」「宴席」「彩り」「装い」「お祭り」「贈り物」「余韻」のコーナーに分けて趣向を凝らしている。沖縄県出身の中央大学2年生の比嘉さんは、自ら作ったのか手書きの7つの『宴』を掲げながら「九州の楽しい文化を伝えたい」と各ブースを説明した。

 アナザー・ジャパンのプロジェクトは、三菱地所がプラットホームを提供し、中川政七商店が小売業のノウハウを教育・メンターとして伴走する。2027年度には約400坪の第2期店舗もTorch Tower内に開業する。第2期には全国出身の学生が勢ぞろいし、アナザー・ジャパンのOB、OGは100名を超える予定。

 最大の特徴は、店舗スタッフ18名が各地域の出身者で、学生をセトラー(開拓者)と名付け、ビジョン・競争戦略から仕入れ交渉、ディスプレイ、売上管理、在庫・シフト管理、SNS・サイト運営、プレスリリース、接客などを全て担当する。

 それぞれ役割分担はあるようだが、基本的には上司も部下も昇格も降格もない。18人の第1期生は2021年12月に募集開始、約200名の中から選ばれた。2022年3月の顔合わせから、中川政七商店会長の講義の受講や研修・準備にトータルで2,640時間(一人当たり平均約147時間)かけたという。

 2か月ごとに特集地域が入れ替わり、キュウシュウ展を皮切りにホッカイドウトウホク展、チュウブ展、カントウ展、キンキ展、チュウゴク展へと来年6月まで展開する。

 プロジェクトを実践や資金面で応援する「企業サポーター制度」もあり、これまで46の企業が協賛、個人サポーターを募るクラウドファンディングは120名以上を達成している。

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第1期生

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床は吉野杉

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記者が購入したのは右の芋焼酎

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 この種のプロジェクトは多分わが国初だろう。素晴らしい!の一言だ。コロナ禍で、わずか40坪の店舗の内覧会に100社150人を動員できる企業・イベントなどまずないはずだ。上記の記事は、学生さんが作成したと思われるプレスリリースを忠実にコピペした。誤字・脱字は一つもないはずだ(あったら小生のミス)。

 メディア対応もよかった。学生さんの写真を撮るのもインタビューするのも自由。何の制約も設けられていなかった。各企業もこれに学ぶべきだ。

 そのうちの一人、慶應大学3年生の岡山県倉敷市出身の山本幸歩さん(20)に話を聞いた。山本さんは「もともと自分一人でやってきた〝カエリタイ〟プロジェクトと文脈的につながるものがあり、本気でやりたかったのでエントリーしました。今年4月から半年休学しました。郷土愛とフロンティアスピリットという共通の目標に向かう仲間と経営ノウハウやバランスを学びたい。社長? ありません。全員がエキスパートで、みんフラット。昇格も降格もありません。でも、赤字になったらプロジェクトが続けられるかどうかも分からない。2期生のためにも頑張ります。卒業? そのつもりです」と話した。

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右が比嘉さん

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山本さん

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 顧客とのコミュニケーション対応も申し分なし。小生も少しはプロジェクトを応援しようと、鹿児島県の焼酎(300ml入り1,021円)を買ったのだが、担当の学生さんはどのような酒であるかを試飲などして学び、お客さんにきちんと説明できるようにしているとのことだった。

 小生などは経営のことなどちんぷんかんぷんで、147時間の研修を受けたって350点の商品を覚えることなど絶対にできない。東京駅にいったらこの店に立ち寄ってワインなりビールなりを飲むことに決めた。

 各大学にお願い。賞味期限がとっくに切れた、カビが生えたドグマにしがみつくだけの先生だって少なくないはずだ。このようなプロジェクトに参加して、現場で様々な社会学を学ぶ学生さんには単位をあげてほしい(そのような大学は多いはずだが)。大学の座学など社会人になったら何の役にも立たない。

 各企業の人事担当の皆さんへ。小生が経営者だったら、このプロジェクト参加学生さんを最優先して採用する。

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「ザ・パークレックス天王洲[the DOCK]」

 パソナ・パナソニック ビジネスサービス(PBS)のファシリティマネジメント事業の一つ「COMORE BIZ(コモレビズ)」を実装した三菱地所レジデンスのワークプレース「ザ・パークレックス天王洲[the DOCK]」を取材した。

 コモレビズは2017年から展開しているもので、ワークプレース[職場環境]を、科学的なエビデンスに基づきGREEN(緑化)、SOUND(音)、LIGHT(照明・灯り)、AROMA(香り・森林成分)など五感に訴えるバイオフィリックデザインを設計し、その効果を「見える化」するものだ。

 「バイオフィリックデザイン」とは、1984年にアメリカの生物学者エドワード.O.ウィルソンによって提唱された「人間には“自然とつながりたい”という本能的欲求がある」という概念を具現化した、より自然な自然環境を取り込んだ空間デザイン手法のこと。

 コモレビズは、このバイオフィリックデザインを採用。ストレス軽減につながる最適な「緑視率」10~15%という実証実験結果や独自の植物データベースに基づき、顧客企業のニーズに応じたオフィス空間を提供している。働く人と企業のウェルビーイングに貢献し、生産性の向上を促進するソリューションビジネスだ。

 同社COMORE BIZ推進部部長兼事業企画チームマネージャー・和田えり子氏からレクチャーを受けた後、見学した。

 これまで緑をふんだんに用いたオフィス・モデルルーム・ロジスティクスなどはたくさん見学している。優れたものを3つ挙げるとすれば、三菱地所ホームのボタニカルモデルハウス、積水ハウスの「SUMUFUMU TERRACE 新宿」、コスモスイニシアの総合マンションギャラリー「イニシアラウンジ三田」だ(三井デザインテック新本社が素晴らしいとは聞いているが見ていない)。

 「ザ・パークレックス天王洲[the DOCK]」は、そのどれと比べても勝るとも劣らない。室内に入った途端、素晴らしい〝景観〟が目に飛び込んできた。執務用のデスクにはオリズルラン、アスパラガスナナス、エバーフレッシュが植えられており、水盤も配されていた。そして、スケルトン天井のどこかから小鳥のさえずり、足元からは虫の鳴き声が聞こえてきた。別のコワーキングスペースでは、白い壁に中木の枝が揺れ、チョウが舞う影が映し出された。雨だれの映像もあった。

 これらを見学して、パナソニックの音響装置(Technics)・映像の技術が採用されていることがすぐわかった。

 スピーカーは、天井部分ではなく床の造作の中にビルトインされており、そこから音をあちらこちらに反響させて、小鳥のさえずりは天井から、虫の音や川のせせらぎは床面から流れるように工夫されている。これは凄い。

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 導入事例を十数か所紹介されたのだが、そのうち東京建物本社、ポラスグループ本社、ポラスグループ第一エネルギー設備、ミサワホーム高井戸展示場、大和ハウス工業総合技術研究所、総合地所「ルネ湘南茅ヶ崎」共用施設、総合地所「MID WARD CITY」共用施設、日鉄興和不動産「リビオシティ南砂町」共用施設など半数くらいがデベロッパー、ハウスメーカーだった。そして、コワーキングスペース「ザ・パークレックス 天王洲[the DOCK]」は三菱地所レジデンスだ。

 これまでしつこいほどマンションモデルルームなどの観葉植物の〝フェイクを止めよ〟と書いてきた甲斐があったと思った。少しは記者の主張が受け入れられたと理解した。

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東京建物本社

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ENEOSホールディングス

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Suita SST base

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パナソニック(大阪本社総務)

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ポラスグループ 第一エネルギー設備

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ポラスグループ本社

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ミサワホーム高井戸展示場

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エム・シー・ファシリティーズ

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オーク情報システム

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 気になっていることもある。同社は全て本物の観葉植物を配置していたが、仮に①本物をフェイクだと思い込んでいた場合②偽物を本物と誤認していた場合③本物と偽物が混在していた場合④本物とフェイクの区別がつかなかった場合-これらのケースによってストレス軽減の効果はどう異なるのか、あるいは変わらないのかということだ。

 記者の経験から言えば、明らかにフェイクと分かる植物と本物が混在していた時は、全てがフェイクに見え興ざめする。却ってストレスの種になるのではないか。

 この問題については、三井デザインテックと職業能力開発総合大学校・橋本幸博教授によるオフィス空間における植物配置に関する共同研究があり、「人工植物や過剰な植物量、あるいは不具合な配置にすると、心理面以外に作業効率にも好ましくない影響を及ぼすことがある」と指摘している。詳細な研究を期待したい。

 これに関連することだが、記者は2010年にサントリーミドリエを取材したことがある。同社はその2年後、中国資本と提携し、上海に合弁会社を設立した。いまホームページを確認したら社名は「トヨタサントリーミドリエ(上海)園芸有限会社」になっていた。トヨタ自動車も資本参加したようだ。

 PBSはトヨタ自動車、パナソニックとエビデンスの深化に向けて共同研究を行っている。環境ビジネス市場は現在100兆円を突破しており、年率10%以上の伸びが予想されている。

ボタニカルが最高4つの商品・開発を発表 三菱地所ホーム(2018/5/30)

最高の〝働く場・接遇スペース〟 積水ハウス「SUMUFUMU TERRACE 新宿」(2022/2/17)

木漏れ日、渓流の音…イニシアの世界観を表現 総合ギャラリー「三田」(2021/7/30)

第一園芸 独自に考案したオフィス空間デザイン 三井デザインテック新本社に採用(2021/8/11)

わが意を得たり 人工植物は販売促進に逆効果 三井デザインテック調査研究(2018/9/25)

売上げ倍々増 これはヒットする サントリーミドリエ「パフカル」(2010/6/7)

 

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「アトラス加賀」

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旭化成ホームズは723日、旭化成グループの社内ベンチャーとして今年4月に設立したコネプラが展開している分譲マンション用の情報交換アプリ「GOKINJO(ゴキンジョ)」の入居者同士の交流イベントをメディアに公開した。

GOKINJO」は、新会社設立に先駆けてクレヨンと共同開発し、「アトラス加賀」の入居者向けに20209月より実証実験として運用を開始しているもの。「GOKINJO」のプロジェクトリーダーであった中村磨樹央氏がコネプラの代表取締役に就任。デジタルとリアルを組み合わせ、コミュニティ形成などの課題解決取り組んでいく。

イベントが開催されたマンションは、20207月に竣工した都営地下鉄三田線新板橋駅から徒歩9分、板橋区加賀一丁目に位置する「アトラス加賀」(227戸)。旭化成不動産レジデンスが国有地の払い下げを受け、研究所としても利用されていた、三方が石神井公園・加賀公園・板谷公園という恵まれた立地で、坪単価は290万円だった。

未就学児と思われる子どもたちは、世界一生産・消費量が多いと言われるわが国の傘について説明を聞き、ビニール傘を組み立てる作業に夢中になって取り組んだ。

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傘の組み立て作業(「アトラス加賀」の集会室で)

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 交流イベントは、この種の入居者向けイベントとどこが違うのかよく分からなかった。参加者の写真撮影が許されたので、ならば徹底してきれいな美しい写真を撮ることに方針を切り替えた。冒頭と前段の写真がそれだ。参加者のお母さんに「いい写真でしょ。カメラは最悪ですが、私の視点はいいでしょ」と同意を求めたら、「モデルがいいわね」と一蹴された。それにしても、何と子どもたちの可愛いことか。お父さん、お母さん、そしてコネプラもこの子どもたちをまっすぐに育てて。

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 取材を終え、帰ろうとしたら「牧田さん、何しているの? 鹿島の小林です」と声を掛けられた。RBA野球大会に参加している鹿島建設のエースでも主砲でもないが、フルマラソンを3時間19分で走破した大記録の持ち主で、チームには欠かせないキャラクターの小林選手だった。

 「買ってから相当値上がりしている。野球? キャプテンの中原は異動。野球はちょっと難しいかも。エースの遠藤? 分からない。わたし? 子どもが2人。4歳と2歳。子育てに忙しいので…。甲子園を目指す」と、どこに行くのか、電動自転車に子どもを乗せて駅方面に向かっていった。

 小林さんよ、いい選択だ。でも、あなたは自社分譲の「加賀レジテンス」を知らないだろうね。2007竣工だから15年前だ。まだ学生か。当時、坪単価250万円だった。

 小林さん、業界関係者の皆さん、近く分譲される東急不動産・日鉄興和不動産の十条駅前再開発タワーマンション「ダ・タワー十条」(578戸)の価格をご存じか。記者は卒倒するほど驚いた。城東もそうだが、足立・北・板橋の城北3区はマンション市場をかき回すことになるかもしれない。

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〝お父さん、暑いよ、変なおじさんと関わらない方がいいよ、早く行こうよ〟小林選手

鹿島・小林尚平選手 東京マラソン3時間19分の大記録! 日本記録・大迫抜く(2019/3/3

三方が石神井川と公園 都内でも稀有な旭化成不レジ「加賀」 洗面にスロップシンク(2019/1/22

集合住宅の最高傑作の一つ 鹿島建設「加賀レジデンス」が完成(2007/9/16

カテゴリ: 2022年度

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コンセプトムービー「らしさがうまれる。多摩ニュータウン」トップ

 多摩市は7月23日、市制50周年イベントの一環として多摩ニュータウンのコンセプトムービー「らしさがうまれる。多摩ニュータウン」を公開した。

 入居開始から50年が経過し、長く住み続けたいと考える人が多い街でありながら、高齢者が多い街というイメージが先行する課題に対応するもので、多様な価値観をもった若い世代が活動する街でもある多摩ニュータウンをアピールするのが狙い。

 今後はUR都市機構をはじめ、多摩ニュータウンと関わりのある民間企業の協力を得て発信していくという。動画はYouTube(https://youtu.be/IcfdtyKzSBM)で閲覧できる。

 市は、2020年10月に行ったアンケート調査(サンプル数1,300ss)によると、多摩ニュータウンへの関心がある、訪れたいと考える人は20代、30代がほかの世代に比べ高く、「豊富な自然や美しい公園がある」というイメージが全世代に共通して高い結果が出ているとしている。

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多摩中央公園(駅から徒歩4~5分でこんな素晴らしい公園など他にない)

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落合-鶴牧の富士見通り(歩車分離がよく分かる)

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これはURの賃貸か

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「プロムナード多摩中央」(1階は多目的に利用できるαルーム付きとして話題となった)

◇        ◆     ◇

 遅きに失した感はあるが、結構な取り組みだと多摩市民の記者も思う。バブル崩壊後に〝オールドニュータウン〟などと揶揄されたのに対して、事実に基づく反論を怠ったのが今日の事態を招いたと思う。

 ここでいくつか問題提起。アンケートの結果では、若い世代ほど多摩ニュータウンへの関心は高いというが、そもそも多摩ニュータウンを知らない若年層がどれくらいいるのか、これを調査しないといけない。かなりいるはずだ。

 似たような街、例えば港北ニュータウン、千葉ニュータウン、つくば学園都市、流山おおたかの森、柏の葉キャンパスなどと比べてどうか。港北や千葉、つくばとは互角かもしれないが、流山や柏の葉には圧倒的に負けるのではないか。

 流山市は、井崎義治氏が平成元年に市長に就任し、それまでの長老政治を劇的に変えた。平成22年度から発信した「母になるなら、流山市。」のキャッチコピーが話題になったように、子育て世代向けの政策を充実させた。今では人口増加率、地価上昇率などは全国トップクラスだ。

 柏の葉も、三井不動産は東大や千葉大、市との官学連携に積極的に取り組み、が次々と新機軸を打ち出している。

 多摩市はどうか。阿部裕行市政は、5年前から「健幸都市(スマートウェルネスシティ)」を前面に打ち出した。「健康」と「幸福」を掛け合わせたものだが、〝母になるなら、父になるなら〟のような具体性に欠ける。(この前の第4回目のワクチン接種で帰りのタクシーチケット1,000円を希望者に配るのには驚いたが)

 都市間競争、街のポテンシャル低下について。この前、東急の「ドレッセタワー南町田グランベリーパーク」の記事でも書いたが、仮に多摩センター駅前でマンションが分譲されたら坪単価は300万円になるかどうか。聖蹟桜ヶ丘駅近でも坪270万円だから難しい。他の沿線と比べ京王線の地盤沈下は否めない。典型的な例が令和5年1月をもって営業停止する京王プラザホテル多摩だ。誕生してから約30年だ。企業寿命30年説に符合する。これは「健幸都市」にとって大きな打撃だ。今のところ存続を願う動きはないようだ。立派なホテルが撤退するような街に果たして若い人は移住したくなるか。

 もう一つ。これは小生の個人的な考えだが、多摩センター駅前のパルテノン大通りには「あなたから受動喫煙から守ります」という大きな横断幕が掲げられている。厚労省の調査では、成人喫煙率は16.7%で、男女別では男性の27.1%、女性の7.6%が喫煙者だ。小生を含めこれらの喫煙者の神経を逆なでする、犯罪者扱いする市政はいかがなものか。タバコを吸う人も吸わない人も健康・幸福追求権は平等ではないか。

 官民学連携もまったくといっていいほど行っていない。多摩ニュータウン周辺には5つも6つもの大学が集積しているのにその知的資源を活用していない。各企業の市民企業としての活動も寡聞にして知らない。

 これはあまり書きたくないのだが、関連することだから書く。長谷工コーポレーションは今年6月末までに、2018年10月に開設した多摩センター駅近くの「長谷工マンションミュージアム」の来館者が1万人に達したと発表した。

 開館当時、記者もこの施設を取材しているが、4年間で1万人ということは1か月間で約208人、1日当たり約7人だ。これはいかにも少ない。先に官学民連携について触れたが、駅周辺には大学のほか、東京海上日動システムズ、ベネッセ、サンリオピューロランド、JUKI、ミツミ電機などの企業・施設が集積する。

 ところが、ミツミは2018年以降、CSR活動の報告を行っていない。東京海上日動も目立った活動は周辺のごみ拾い、ベネッセも夏祭りの協賛くらいで、地元でなにか活動した記憶など全くない。

 大学もしかり。桜美林大学の多摩アカデミーヒルズ(多摩キャンパス)は、以前は宿泊、温泉、その他各種の市民講座・サークルなどなど市民に開放していたが、現在は市民との交流を完全に断った。

 また、多摩センターには素晴らしい多摩市立グリーンライブセンターもあるのだが、ここでの喫煙・飲酒は禁止だ。宴会などする人はいないはずで、ゆっくり緑を鑑賞しながらタバコを吸いワインを飲むことのどこがいけないのか。緑・植物に関する書物はただで読めるのに、閲覧する人はどれだけいるか。

 この施設運営には恵泉女学園も関わっているのだが、同学園は駅周辺の多摩市アダプト制度で大変な活躍をさている。いつも感謝している。端っこでいいから、グリーンライブセンターでたばこを吸わせて、ワインも飲ませて。砂糖漬けのジュースなどとどこが違うのか。

 これまで何度も多摩市の緑環境や多摩ニュータウンの魅力について書いてきた(ざっと数えたら2013年以降で66件がヒットした)。その豊富な緑や人的資源を市は生かしていない。ここに根本的な問題がある。

〝生きた実験場〟〝やるしかない〟 多摩NT再生 第6回シンポ 藤村氏もエール(2019/2/8)

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「THE TOKYO TOILET 広尾東公園トイレ」(撮影:永禮賢氏、提供:日本財団)

 日本財団は7月22日(金)、誰もが快適に使用できる公共トイレを渋谷区内17か所に設置するプロジェクト「THE TOKYO TOILET」の13か所目のトイレをメディアに公開し、広告、ブランディング、ファッション、ディスプレイ、アートなど幅広い活動を行っている担当ディレクターの後智仁氏がインタビューに応じた。同日、トイレは共用開始された。

 トイレは、日比谷線広尾駅から徒歩3分、渋谷区広尾4丁目の「広尾ガーデンヒルズ」に近接する「広尾東公園トイレ」。刻々と表情が変わるライティングボード付きの全面コンクリート打ち放しで、車椅子ブース・幼児連れ・オストメイトブース付きのだれでもトイレが2室の合計12.37㎡。タイトルは「Monumentum」。

 コンセプトについて後氏は「今回のプロジェクトの元となった『人は、みんな違うという意味で、同じである』という思いを表現するトイレを作りたいと思いました。安全、安心、清潔はもちろん、全ての人に優しいトイレにしたい。…パブリックアートの様に生活の中にありながら、人に常に何か問いかけてくる様な存在。このプロジェクトの意義を人に問いかけ続けるモニュメントのようなトイレになったらいいなぁと思っています。世界人口と同じ79億通りのライティングパターンが、昼は木漏れ日の様に、夜は月明かりや漂う蛍のように変化し続け、二度と同じパターンを見ることはないでしょう」とコメントを寄せている。

 残りの4か所のトイレは今後2022年末にかけて共用開始の予定。

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以上3点は撮影:永禮賢氏、提供:日本財団

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公園入口(左の建物が「広尾ガーデンヒルズ」)

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◇        ◆     ◇

 「無知は罪なり知は空虚なり」-最初に目に飛び込んできたのは、トイレを囲むようにはびこっていた〝雑草〟だった。何たることか。せっかくのトイレが台無しではないか、後氏に失礼ではないかと怒りすら覚えた。施工を担当した大和ハウス工業担当者に「どうしてこんなススキのような雑草がはびこるままにしているのだ」と苦情を申し立てた。

 そうではなかった。後氏の「原風景を再現してほしいと、僕が指名した」もので、植栽を担当した「叢(くさむら)」の代表取締役・小田康平氏は「建物に対して主張しない、草原から切り取った、どこにでもある草をイメージし、厳しい環境でも育つ植物を選んだ」と話した。

 小田氏から草花の名前を聞いた。ミニパンパス、マホニア、ローズマリー、ディアネラ、パニカム、ビバーナムティヌス、マツバギク、アカシアミモザ、ユーホールビア、ウエストリンギア、リコンドラ、グレビリア、パシフィック…。

 皆さんはこれらの名前をご存じか。小生はローズマリーとリコンドラしか知らなかった。ほとんどが多年草だそうだ。眺めていると、これらの草花はそれぞれが他の草花の領域を犯さないように共存しているように見えた。「負ける建築」に通じるものがあると感じた。

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後氏(左)と小田氏

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植栽

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「広尾ガーデンヒルズ」に向かう道路(右が公園トイレ)

日本初の手をつかわないトイレ「Hi Toilet」誕生 佐藤カズー氏デザイン 日本財団PJ2021/8/21

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OSI(沖縄観光産業研究会)創立20周年記念祝賀会後の記念写真(上野氏のカメラによる撮影)

 特定非営利活動法人OSI(沖縄観光産業研究会)は7月16日、定時総会を開催し、令和4年度は創立20周年を迎えることから記念祝賀会を行った。

 冒頭、同研究会・権代美重子理事長は、「今年は研究会20周年であるとともに、研究会立ち上げにご尽力された学識深く、見識高く、実績豊富な明治大学名誉教授・百瀬恵夫会長の米寿の年。先生、一言お願いいたします」と挨拶。

 これを受けて百瀬氏は「(令和3年度の研究会の会計が赤字になったことについて)赤字を解消するのは簡単。泡盛を飲むことだ。沖縄県酒造協同組合の『ジャイアンツ応援泡盛』の販売に協力したが、『ジャイアンツは嫌いだが、百瀬先生は好き』という方がたくさんいらっしゃり、お陰様で完売した。今年度は酒造協同組合などと連携を強化し、若い方に会員になってもらうような活動をしていただきたい」と語った。

 同研究会は2003年(平成15年)、百瀬氏らが中心となり設立。オニヒトデの異常発生により壊滅的な打撃を受けたサンゴの養殖・移植ツアーを実施するなど大きな成果を上げてきた。

 令和3年度は、コロナ禍での活動の停滞、会員の高齢化による収入減と、経費増により純損失を計上。今年度は、勉強会を再開するとともに、「首里城」復元状況の把握、「ビオスの丘」視察、沖縄県酒造協同組合・組合員の蔵元視察などを行い、会員増を積極化し黒字に転換する。

 法人会員には沖縄県酒蔵協同組合などのほか、第三企画も久米信廣代表が明治大学大学院政治経済学研究科博士後期課程を修了、経済学博士を取得した縁で加入している。

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左から権代氏、百瀬氏(上野氏撮影)

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前列左から権代氏、百瀬氏、加藤嘉彦氏(腕が悪いのかカメラのせいか記者撮影、加藤氏は百瀬ゼミの一期生だったか)

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ジャイアンツ応援泡盛

◇      ◆     ◇

 「ジャイアンツは嫌いだが、百瀬先生は好き」というのは小生もそうだ。10歳の時から西鉄(西武)ファン、アンチ巨人の小生も先生が好きだからこそ6本入りセットを購入した。

 なぜ、〝百瀬教〟にはまるか。一言でいえば、中小企業や社会的に恵まれない人に対する「愛」だ。実践に裏打ちされた理論にみんなとりこになる。小生も20年くらい前か。先生が政経学部教授を退任された際の最終講義の聴講を特別に許可して頂いたのだが、先生が「中小企業はもちろん、あらゆる企業はCAT(Compliance Accountability Traceability)を守らないと生き残れない」と熱く語られたのを忘れない。これは取材される企業も取材するメディアも同じだ。生命線だ。

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左から会員の玉川憲志氏と上野周雄氏

2022年 年頭挨拶 沖縄復帰50年OSI研究会・百瀬恵夫会長&権代美重子理事長(2022/1/5)

 


 

 

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「アクアイグニス淡路島」

 タカラレーベンとグループのタカラアセットマネジメントは7月15日、事業参画している複合型天然温泉リゾート「アクアイグニス淡路島」が7月13日にオープンしたと発表した。

 施設は国内で初めて認定された国営公園Park-PFI事業で、淡路島の北端に位置する敷地面積約8,800㎡。関西方面からのアクセスに優れていることから、通過点となっていた淡路島を目的地とし、“食と健康”をテーマに淡路島の特産品を活用したレストランやBBQ施設、屋外温泉やスパ、レンタルサイクルのサービスを提供していく。

 タカラレーベンは全国の地域活性化に貢献することを新たな目標として掲げており、アクアイグニス社が展開している三重県の「アクアイグニス」や「VISON」同様のポテンシャルを秘めていると判断し、出資を決定した。タカラアセットマネジメントが事業資金の運用管理を行っていく。

 オープンセレモニーには斎藤元彦兵庫県知事を始め多くの来賓、関係者が参加して事業の成功を祈念した。地元からは「国生みの島淡路島から地域振興のモデルとなるような事業として発展してほしい」「地方の過疎化という日本の数多くの地域での課題解決に貢献するモデルとなってほしい」などの声が寄せられた。

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オープンセレモニー

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伊弉冉(いざなみ)の湯湯

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ITALIAN ペスケリア・アンコラ

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鮨 贈(ぞう)

公園が旅の目的になる わが国初のPFI事業 三菱地所他「光と風の広場」開業(2022/3/11)

 

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